(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ペルチェ素子に電力が供給されたことによって、前記第1のプレートの温度は上昇し、前記第2のプレートの温度は低下することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の温冷美容処理装置。
前記制御部が、前記ペルチェ素子及び前記送風ユニットのうち、前記ペルチェ素子のみに電力を供給する第1の制御、前記送風ユニットのみに電力の供給を行う第2の制御、両方に電力を供給する第3の制御、を前記温度計測手段が検知した温度に対応して切り替えることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の温冷美容処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図を参照して本発明の実施形態の一例である温冷美容処理装置1を説明する。この実施形態の温冷美容処理装置1は、板状のペルチェ素子110、ペルチェ素子110の吸熱面112側に配置された冷プレート160b、発熱面111側に、ヒートシンク170を介して配置された温プレート160a、送風ユニット120及びこれらを収容する筐体10から主要部分が構成されている。
図1A及び
図1Bに示すように、温冷美容処理装置1は、手持ち操作のためのグリップ部10dを備える筐体10の先端部に温プレート160a、冷プレート160bを設けて構成されている。
温冷美容処理装置1では、ペルチェ素子110に給電することによって、温プレート160a、冷プレート160bが同時に使用できる状態になり、これらを被施術者(使用者)の肌面に当接させることで、温感または冷感の刺激を装置の設定を変更することなく肌面に与えることができ、かつこの温感または冷感の刺激を即時に切り換えて使用することができる。
【0011】
ここで「装置の設定を変更すること」の一例は、「ペルチェ素子110に対して流す電流の方向を変更すること」である。例えば、温冷美容処理装置1が有する温プレート160aまたは冷プレート160bに対応する1枚のプレートが、温冷美容処理装置1が有するペルチェ素子110に対応する他のペルチェ素子の一方の面に接触するように設けられるように構成された他の美容処理装置が提案されることがある。
このように構成された他の美容処理装置では、使用者によって操作され、ペルチェ素子に流す電流の方向の正逆を切り替える(すなわち、装置の設定を切り替える)ためのスイッチを備えることができる。そして、このようなスイッチにより、1枚のプレートを温プレートまたは冷プレートとして機能させることができる。
【0012】
しかしながらこの場合には、使用者が電流の方向の切り替えの為のスイッチ操作を煩雑に感じ美容処理を手軽に行えないものと思ってしまったり、このようなスイッチを設けることによって、他の美容処理装置の製造コストが温冷美容処理装置1を製造する場合よりも余計にかかってしまったり、歩留まりが悪化してしまったりする恐れがある。
温冷美容処理装置1では上記のように「装置の設定を変更することなく」肌面に温感または冷感の刺激を与えることができ、かつこの温感または冷感の刺激を即時に切り換えられるように構成されているので、使用者が美容処理を煩雑なものと感じてしまうことを防止できる。また、同様の理由により、他の美容処理装置に比べて製造コストを安くすることができる。
筐体10は、平面形状が略涙滴形状の表面10a、この表面10aの裏側である裏面10b及び表面10aと裏面10bとを接続する側面10cを有する箱体である。表面10a及び裏面10bの先細り形状の先端部には、温プレート160a、冷プレート160bの表面を露出させるための筐体10内部まで貫通する温プレート装着孔11a及び冷プレート装着孔11bがそれぞれ設けられている。
【0013】
表面10aの略中央部側の温プレート装着孔11aの縁部の近傍には、筐体10内部まで貫通する通風窓の一部である排気孔12が多数設けられている。同様に、裏面10bの略中央部側の冷プレート装着孔11bの縁部の近傍には、筐体10内部まで貫通する通風窓の他部である吸気孔13が多数設けられている。
側面10cの略中央部には、筐体10内部まで貫通する通風窓の一部であるスロット状の複数の排気孔14が設けられている。排気孔14は、排気孔12または吸気孔13を挟むようにして、側面10cの所定の2ヵ所に設けられている。
側面10cの筐体10の末端側には、給電端子露出孔15が設けられている。給電端子露出孔15には、ここでは図示しない電源コードが着脱自在に挿入されている。
側面10cの所定の箇所には温プレート160aを暖め、かつ冷プレート160bを冷やすためのON・OFFスイッチ16が一部を露出させて設けられている。
【0014】
次に
図2を用いて筐体10の内部構造について説明する。
図2に示すように、筐体10には、ペルチェ素子110、送風ユニット120、給電端子130、二次電池140、サーモスタット150、温プレート160a及び冷プレート160b、ヒートシンク170、電子回路基板190、が収容される。筐体10には、交流電流を直流電流に変換するAC−DCコンバータが収容されることもある。
ペルチェ素子110は、接合されたそれぞれ異なる金属または半導体の接合面に電流が流されることによって、熱の偏りが起こるペルチェ効果を用いた熱電変換素子である。ペルチェ素子110は、電流が流された際の発熱面111と吸熱面112の温度差が30度前後となるものとする。ペルチェ素子110は、冷プレート装着孔11b近傍に配置される。ペルチェ素子110は、ヒートシンク170を介して温プレート160aに接続する発熱面111と冷プレート160bと直接的に接触する吸熱面112を有する。
ペルチェ素子110は、特に吸熱面112の周りを断熱材で囲うようにして筐体10に収容することが望ましい。このことのよって、発熱面111の熱が吸熱面112に回り込み、吸熱面112の温度が上昇してしまうことを防止することができる。
【0015】
送風ユニット120は、ハウジング121内にモータ122とこのモータ122の軸を回転軸とするファン123を有する送風装置である。
送風ユニット120は、ネジや接着剤などにより吸気孔13近傍の筐体10内部の壁面に固定される。送風ユニット120をこのように吸気孔13近傍に設けることにより、ファン123の回転によって、ヒートシンク170に吹き付けられる外気が吸気孔13から筐体10内へ吸引される。
給電端子130は、給電端子露出孔15内に設けられている。給電端子130は、ペルチェ素子110や送風ユニット120などへ供給される電力を家庭用コンセントやパソコンなどから得るための電気接点部である。
二次電池140は、商用電源からの電力の供給が困難な場合にペルチェ素子110や送風ユニット120に対して電力を供給するための電源である。二次電池140は、商用電源から得られる電力によって充電される。二次電池140には、例えば、リチウムイオン型、ニッケル水素型のものなどを採用することができる。
【0016】
サーモスタット150は、電子回路基板190と電気的に接続されて温度計測手段として機能し、温プレート160aの温度を計測するために使用される。サーモスタット150は、例えばサーミスタを有する構成とすることができる。温プレート160aの温度変化に対応して変化するサーミスタの抵抗値から温プレート160aの温度に対応する情報を得ることができる。
温プレート160aは第2の接触プレートであり、冷プレート160bは第1の接触プレートである。温プレート160a及び冷プレート160bは熱伝導性の良い金属(例えば、アルミや銅)を板状に形成したものである。温プレート160a及び冷プレート160bは、被施術者の肌面に当接される面を外部に露出させて、筐体10の温プレート装着孔11a及び冷プレート装着孔11bにそれぞれネジ30によって取り付けられている。
温プレート160aには、ヒートシンク170を介してペルチェ素子110の発熱面111の熱が移動する。この結果、温プレート160aは外気よりも熱くなる。
【0017】
温プレート160aの温度は、送風ユニット120の駆動によってヒートシンク170に蓄えられる熱が放熱されたり、ペルチェ素子110の駆動のON・OFFの時間が制御されたりすることによって所定の温度に調整される。この実施例では、被施術者に対して美容処理を行うときには、温プレート160aの温度は38℃〜45℃の温度範囲で調整される。
冷プレート160bは、ペルチェ素子110の吸熱面112によって熱を奪われる。この結果、冷プレート160bは外気よりも冷たくなる。この実施例では、温プレート160aと冷プレート160bの温度差は25〜30℃前後であり、被施術者に対して美容処理を行うときには、冷プレート160bの温度は、温プレート160aの温度が調整されたことに対応して、8℃〜20℃の温度範囲となるように調整される。
【0018】
次に
図3A、3Bを用いて、ヒートシンク170について詳細に説明する。
ヒートシンク170は、熱伝導性の良い金属(例えば、アルミや銅)で形成されている。ヒートシンク170は横長形状に形成されており、ペルチェ素子110を超えて、送風ユニット120の方向に延長されるように筐体10に配置される。ヒートシンク170は、温プレート160aや冷プレート160b、ペルチェ素子110に比べて十分な肉厚を有しており、温プレート160aなどに比べて熱容量が大きい。
図3Aに示すように、ヒートシンク170は、先端側(
図3Aの矢印F側)から中央部にかけて平坦形状に形成された平坦面171を備える。ヒートシンク170は、後端側(
図3Aの矢印B側)に送風ユニット接続面173を有する。ヒートシンク170は、複数の放熱フィン175を備える。
【0019】
平坦面171には、ヒートシンク170を筐体10に固定するための複数のネジ穴172が設けられている。平坦面171の一部(
図3Aに仮想的に示すハッチングされた領域参照)には、熱伝導性のグリースなどを介してペルチェ素子110の発熱面111が密接される。
送風ユニット接続面173には、送風ユニット120のハウジング121が接触する。
送風ユニット接続面173には、ヒートシンク170を厚み方向(
図3Aの矢印Tの方向)に貫通する筐体10に固定されるためのネジ穴173aが設けられている。
送風ユニット接続面173には、ヒートシンク170を厚み方向に貫通するスロット形状の孔である複数のスロット174が設けられている。複数のスロット174には送風ユニット120によって送風された空気が吹き抜ける。
【0020】
複数の放熱フィン175は、断面略台形形状の突起である。複数の放熱フィン175は、ヒートシンク170の厚み方向に沿って突設される。複数の放熱フィン175は、ヒートシンク170の側面縁部並びに平坦面171及び送風ユニット接続面173の境界部に設けられ、全体として送風ユニット接続面173を囲うように設けられている。ヒートシンク170の側面縁部に設けられた放熱フィン175は、送風ユニット120の側面と筐体10の排気孔14との間に介在される。この結果、ヒートシンク170の側面縁部に設けられたそれぞれの放熱フィン175の間を送風ユニット120によって送風された空気が吹き抜けつつ排気孔14から排気される。
【0021】
図3Bに示すように、ヒートシンク170は、平坦面171の反対側の面である溝形成面181を備える。溝形成面181には、ヒートシンク170の長手方向(先端側Fから後端側Bに向かう方向)に沿う複数の溝182が設けられている。溝182によって、ヒートシンク170の空気に触れる表面積が増え、ヒートシンク170による放熱性能が向上する。
溝形成面181の中央部には、温プレート接触台183が形成されている。温プレート接触台183の先端面183aは、熱伝導性のグリースなどを介して温プレート160aと密接される。
ヒートシンク170は、送風ユニット接続面173の反対側の面であり、排気孔12と対面する排気面184を備える。排気面184は、平坦形状に形成されている。
【0022】
図4に示すように電子回路基板190には、計時部191、メモリ部192、ペルチェ素子給電部193、送風ユニット給電部194、充電制御部195、スイッチ検知部196、温度検出部197、制御部198として機能する種々の電気回路が形成されている。これらの電気回路はICチップやコンデンサ、コイルなどの種々の電子素子で構成される。
計時部191は制御部198に制御されて時間を計測するタイマーである。計時部191は、必要に応じて電子回路基板に複数設けられ、それぞれ異なるタイミングで時間を計時することができる。計時部191は制御部198に計時時間を示す情報を送信する。
【0023】
メモリ部192には、種々のテーブルを予め保持させておくことができる。例えば、サーモスタット150にサーミスタが使用されていた場合には、このサーミスタの抵抗値と温プレート160aの温度を示す値とが対応付けられたテーブルである。
例えば、サーモスタット150によって計測された温プレート160aの温度を示す値と、ペルチェ素子110への給電のON・OFF時間を示す数値情報と、送風ユニット120への給電のON・OFF時間を示す数値情報とがそれぞれ対応付けられたテーブルである。
メモリ部192には、ペルチェ素子110や送風ユニット120に対して印加する電圧の電圧値が保持されることもある。
【0024】
メモリ部192には、温冷美容処理装置1を安全に使用するための使用制限時間を示す時間情報を予め保持させておくこともできる。
ペルチェ素子給電部193は、制御部198に制御されてペルチェ素子110への電力供給のON・OFFを行う。このことによりペルチェ素子110の駆動がON・OFFされる。
送風ユニット給電部194は、制御部198に制御されて送風ユニット120への電力供給をON・OFFする。このことにより送風ユニット120の駆動がON・OFFされる。
充電制御部195は、制御部198に制御されて二次電池140への電力供給をON・OFFする。このことにより二次電池140の充電がON・OFFされる。
【0025】
スイッチ検知部196は、施術者によるON・OFFスイッチ16の押下操作を検知する。スイッチ検知部196は、ON・OFFスイッチ16の押下操作を制御部198に通知する。
温度検出部197は、サーモスタット150と電気的に接続されており、サーモスタット150と協働して温プレート160aの温度を計測する。サーモスタット150がサーミスタであった場合には、温プレート160aの温度に対応して変化するサーミスタの抵抗値を温度検出部197が読み取ることにより、結果的に、温度検出部197は温プレート160aの温度を知覚することができる。温度検出部197は、計測した温プレート160aの温度を示す情報を制御部198に通知する。
制御部198は、計時部191、メモリ部192、ペルチェ素子給電部193、送風ユニット給電部194、充電制御部195、スイッチ検知部196、温度検出部197をそれぞれ制御する。
【0026】
制御部198の制御の具体例を以下(1)〜(6)に示す。
(1)制御部198は、常時二次電池140の電圧を監視する。この電圧に基づいて充電制御部195を制御して、二次電池140を充電する。
(2)制御部198は、メモリ部192に対して情報の読み書きを行う。
(3)制御部198は、スイッチ検知部196からのON・OFFスイッチ16の押下操作を示す信号の通知を受け取ったことに対応して、ペルチェ素子給電部193を制御して、ペルチェ素子110を駆動させる。
(4)制御部198は、温度検出部197からの温プレート160aの温度を示す情報に基づいて、メモリ部192に保持されたテーブルを参照して、ペルチェ素子給電部193及びまたは送風ユニット給電部194を制御して、ペルチェ素子110及びまたは送風ユニット120の駆動を所定時間ONまたはOFFさせる。
【0027】
(5)制御部198は、計時部191に対して計時の開始及び終了を指示する。制御部198は、計時部191が計時した時間の情報を計時部191から受信する。制御部198は、計時部191から送信された計時した時間の情報により、計時部がどのくらい(何秒、何分……)計時したかを知ることができる。制御部198は、所定のタイミング(例えば、計時部191への計時の停止の指示と同時)で、計時部191に計時時間のリセットの指示を行うことができる。この「リセットの指示」により、計時部191が計時した時間が0に戻り、次回の計時の開始時には、計時が0から始められる。
(6)その他、例えばLEDや温プレート160a及び冷プレート160bを加振する加振装置が、筐体10内に設けられるような場合には、制御部198はこれらの駆動のON・OFFを制御する。
【0028】
(動作説明)
次に
図5を用いて、温冷美容処理装置1の動作を説明する。
(1)動作開始及び強制終了(ステップS101〜S103及びステップS114、S115)
施術者によるON・OFFスイッチ16のON操作をスイッチ検知部196が検知する(ステップS101)。このとき、スイッチ検知部196は、ON・OFFスイッチ16のON操作を検知した旨を制御部198に通知する。
スイッチ検知部196からのON・OFFスイッチ16のON操作の検知の通知を受信した制御部198は、計時部191にタイムT1を計測させる(ステップS102)。
【0029】
タイムT1は、温冷美容処理装置1を安全に使用するための温冷美容処理装置1の使用制限時間と比較されるための時間である。使用制限時間は、例えば12分である。計時部191計測したタイムT1が使用制限時間以上になると、制御部198はペルチェ素子110及び送風ユニット120への給電を強制的にOFFにし、温冷美容処理装置1全体の動作を停止させる(ステップS114、S115)。このとき、制御部198は、計時部191の計時をリセットする。
計時部191がタイムT1の計時を開始すると、制御部198は、温度検出部197を制御して、サーモスタット150と協働して温プレート160aの温度αの計測を開始させる(ステップS103)。
【0030】
(2)ペルチェ素子110及びまたは送風ユニット120の駆動1(ステップS104、S105、ステップS114)
制御部198は、温度検出部197から通知される温プレート160aの温度αに対応して、ペルチェ素子110及びまたは送風ユニット120への給電のON・OFFを制御する。例えば、温プレート160aの温度αが38℃よりも低かった場合、制御部198は、ペルチェ素子給電部193を制御してペルチェ素子110へ電力を供給する。
このとき、制御部198は、送風ユニット120への電力の供給を行わない(ステップS104のYes、ステップS105)。この結果ペルチェ素子110の発熱面111の温度は上昇し、同時に吸熱面112の温度は下降し、これに対応して温プレート160aの温度は上昇し、同時に冷プレート160bの温度は下降する。
【0031】
次に制御部198は、計時部191からタイムT1を示す情報を取得し、タイムT1が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS114)。
仮に、計時部191が計時するタイムT1が使用制限時間以上であった場合には、制御部198はステップS115の内容を実行する。
計時部191が計時するタイムT1が使用制限時間より短かった場合(ステップS114のNo)には、制御部はステップS104以降の処理を繰り返す。
【0032】
(3)ペルチェ素子110及びまたは送風ユニット120の駆動2(ステップS106、S107、ステップS114)
温度検出部197から通知される温プレート160aの温度αが38℃以上でかつ41℃よりも低かった場合(ステップS106のYes)には、制御部198は、送風ユニット給電部194を制御して送風ユニット120を駆動させる(ステップS107)。
送風ユニット120を駆動により、ペルチェ素子110の発熱面111の温度は、ステップS105のときよりもゆっくりと上昇するようになる。吸熱面112の温度はゆっくりと下降するようになる。これに対応して温プレート160aの温度もステップS105のときよりもゆっくりと上昇するようになり、冷プレート160bの温度はゆっくりと下降するようになる。
【0033】
(4)ペルチェ素子110及びまたは送風ユニット120の駆動4(ステップS108〜S113、ステップS114)
温度検出部197から通知される温プレート160aの温度αが41℃以上でかつ42℃よりも低い範囲であった場合(ステップS108のYes)には、制御部198は、計時部191にタイムT2またはタイムT3を計時させる(ステップS109)。タイムT2は、ペルチェ素子への給電のONの時間である。タイムT3は、ペルチェ素子110への給電のOFF時間である。制御部198は、計時部191がタイムT2またはタイムT3を計時している間にも、ステップS104〜S114の処理を繰り返す。制御部198は、計時部191が計時したタイムT2またはタイムT3に応じた時間分だけペルチェ素子110へ電力の供給をONまたはOFFする(ステップS110)。
【0034】
以下具体的に説明する。温度検出部197から通知される温プレート160aの温度αが41℃以上でかつ42℃よりも低い範囲であった場合(ステップS108のYes)には、制御部198は、タイムT2として45msec(ミリセック)計時させる。制御部198は、計時部191がタイムT2として45msec計時し終わるまでペルチェ素子110の駆動をONにする。制御部198は計時部191がタイムT2として45msec計時し終わると、タイムT2の計時をリセットし、続いてタイムT3として5msec計時させる。制御部198は、計時部191がタイムT3として5msec計時し終わるまでペルチェ素子110の駆動をOFFにする。
温度検出部197から通知される温プレート160aの温度αが42℃以上でかつ43℃よりも低い範囲であった場合(ステップS111のYes)のタイムT2は、40msecであり、タイムT3は、10msecである。温度検出部197から通知される温プレート160aの温度αが43℃以上でかつ45℃よりも低い範囲であった場合(ステップS112のYes)のタイムT2は、35msecであり、タイムT3は、15msecである。このように制御部198は、温プレート160aの温度αが45℃に近づくごとに、ペルチェ素子110の駆動のON時間が短くなり、逆にペルチェ素子110の駆動のOFF時間が長くなるようにペルチェ素子110への給電を制御する。
【0035】
ペルチェ素子110への給電のON・OFFを一定時間毎に繰り返すことによって、ペルチェ素子110の発熱面111の温度上昇がさらにゆっくりとなり、ペルチェ素子110の発熱面111の急激な温度上昇(所謂オーバシュート)を防止することができ、これに対応して温プレート160aの温度の急激な上昇を防止することができる。ペルチェ素子110の温度の急激な上昇を防止することによって、ペルチェ素子110が熱によって破壊されてしまうことを防止することができる。
【0036】
(5)ペルチェ素子110及びまたは送風ユニット120のOFF(ステップS113)
温度検出部197から通知される温プレート160aの温度αが45℃以上になった場合(ステップS112のNo)には、制御部198は、ペルチェ素子給電部193を制御して、ペルチェ素子110への給電をOFFにする。このとき、送風ユニット120への給電はON状態のままであるので、ペルチェ素子110の発熱面111の温度は次第に低下していく。
制御部198は、以上(2)〜(6)の動作を計時部191が計時するタイムT1が使用制限時間以上となるか(ステップS114のYes)、施術者によるON・OFFスイッチ16のOFF操作をスイッチ検知部196が検知するまで繰り返す。
【0037】
制御部198による上記した制御によって、温プレート160aの温度αを38〜45℃の範囲で安定させることが可能となり、被施術者が火傷してしまうことを防止することができる。なお、温プレート160aの温度αが38〜45℃の範囲で安定している場合には、冷プレート160bの温度は8℃〜20℃の範囲で安定する。
以上のような状態のときに温プレート160aまたは冷プレート160bを肌面に当接させることによって、肌を冷やしたり温めたりすることができる。このような冷感や温感を肌面に与えることにより肌の新陳代謝を促進させる効果が期待できる。
温冷美容処理装置1によれば、筐体10の表面10a、裏面10bに温プレート160a、冷プレート160bの表面がそれぞれ露出しているので、温プレート160aによる温感を被施術者の肌面へ供給可能とする状態と、冷プレート160bによる冷感を被施術者の肌面へ供給可能とする状態とを同時に実現できる。このことにより、使用者は、温感・冷感のどちらを肌面に与えるかを即時に選択でき、短い時間で大きな温度差を肌面に与えることが可能となり、短い時間で肌面への刺激を大きくすることができる。
【0038】
さらに、この実施例の温冷美容処理装置1によれば、
図6に示すように、ヒートシンク170の平坦面171の一部がペルチェ素子110の発熱面111と面接触することによって、発熱面111の熱H1が、ヒートシンク170の温プレート接触台183側及び送風ユニット接続面173側に効率よく移動する。そして、発熱面111から移動した熱はヒートシンク170に万遍なく広がり(
図6中の「H2」参照。)、ヒートシンク170全体で熱を蓄えることができる。
ヒートシンク170に蓄えられた熱の一部は、温プレート接触台183の先端面183aを介して温プレート160aに移動する(
図6中の「H3」参照)。この結果、温プレート160aが温まり、温プレート160aの熱が被施術者の肌面に供給される(
図6中の「H4」参照。)。
【0039】
また、ヒートシンク170に蓄えられた熱の他部は、送風ユニット120の駆動により複数のスロット174や放熱フィン175(
図3A参照)間を吹き抜ける風(
図6中の「A1、A2」参照)によって、筐体10外部に効率よく排出される。結果として、ペルチェ素子110の発熱面111の熱を効果的に放熱することが可能となる。
【0040】
従来、ペルチェ素子110において、発熱面111の熱が、吸熱面112に回り込んでしまい、吸熱面112の温度が上昇してしまうことがあった。この実施形態の温冷美容処理装置1によれば、ペルチェ素子110の発熱面111とヒートシンク170の平坦面を面接触させることにより、ペルチェ素子110の発熱面111の熱を効率よくヒートシンク170に移動させ、かつこの熱を温プレート160aへ移動させたり、送風ユニット120の駆動によって放熱させたりすることによって、発熱面111の熱が吸熱面112に回り込んでしまうことを防止できる。このことによって、吸熱面112の温度をより下げることが可能となる。
温冷美容処理装置1によれば、温プレート160aを暖めるのにペルチェ素子110の発熱面111の熱を用いているので、温プレート160aを暖めるためのヒータなどの素子が必要なくなる。この結果、温冷美容処理装置1の製造において低コスト化を実現させやすくなる。また、ヒータなどの素子が必要なくなることで、温冷美容処理装置1を省スペース化、省エネルギー化させることができ、温冷美容処理装置1を小型化させることが可能となる。
【0041】
温冷美容処理装置1によれば、ヒートシンク170が、ペルチェ素子110と温プレート160a間に介在され、またヒートシンク170の一部がペルチェ素子110を超えて送風ユニット120の方向に延長し、送風ユニット120と接続されているので、温冷美容処理装置1全体をコンパクトに形成することができる。
[変形例]
本発明は、さらに種々の変形が可能である。例えば、電子回路基板190が可変抵抗器を備え、ペルチェ素子110または送風ユニット120へ印加する電圧を可変させるようにしてもよい。この場合にはこの電圧の変更によってペルチェ素子110の発熱面111の温度を調整することができる。
また、上記実施形態では、サーモスタット150によって温プレート160aの温度を計測するものであったが、冷プレート160bやペルチェ素子110の温度を計測するものであってもよい。
また、二次電池140を備えず、例えば家庭用のコンセントなどから直接電力を得るようにしてもよい。