【文献】
三井住友カード、CLO手法を取り入れたカード決済連動型加盟店送客サービス「ココイコ!」を開始,[online],2016年 8月18日,[平成29年 9月11日検索],URL,https://www.smbc-card.com/company/news/news0001190.jsp
【文献】
会員の属性に合わせた優待情報をWeb明細で配信 カード決済連動型サービス「セゾンCLO」がスタート,CardWave,日本,iResearch Japan株式会社,2013年 7月25日,第26巻 第4号,pp.40-41
【文献】
ポイントと連動したリアル店舗への送客サービス アフィリエイトモールで来店を促すO2Oを展開,CardWave,日本,iResearch Japan株式会社,2013年 7月25日,第26巻 第4号,pp.38-39
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
選択された前記第1の優待情報および/または前記第2の優待情報に基づく前記加盟店におけるカード決済に関連付けられた前記オーソリ電文を受信したことに応答して、前記加盟店に関連付けられた売上データのうち、前記オーソリ電文から抽出される売上データのみを特定する手段をさらに備えた、請求項1に記載のシステム。
選択された前記第1の優待情報および/または前記第2の優待情報に基づく前記優待データをカード会員に付与する処理は、前記オーソリ電文から抽出される売上データのみを特定した後に実行される、請求項3に記載のシステム。
前記オリジナル優待情報は、前記加盟店で実施されるキャンペーン情報を含み、前記キャンペーン情報は、前記オリジナル優待情報の利用可能期間、前記オリジナル優待情報が適用される金額条件、特典内容を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(全体構成)
図1は、本発明に係るカード会社システム100および制御サーバ110を含むシステム全体の構成図である。本明細書では、説明の便宜上、カード会社システム100および制御サーバ110を別個のエンティティとして説明するが、両者が同一のシステムで運用されるように構成されることも可能である。
【0017】
カード会社システム100は、クレジットカード会社1によって制御されるシステムであり、制御サーバ110に通信可能に接続されている。カード会社システム100は、カード会員および加盟店の情報を格納し、本発明に係る、カード会員の加盟店に対する送客を促進するための機能を提供することができる。カード会社システム100は、ネットワーク120を通じて会員端末130と通信することができ、カード会員向けのネットサービス(例えば、カード利用明細(「Web明細」とも言う)の確認、ポイントの照会、ポイントと所望のプレゼントとの交換申込、各種手続きの実行)を提供することができる。
【0018】
制御サーバ110は、クレジットカード会社1によって制御されるシステムであってもよいし、別の会社によって制御されるシステムであってもよく、いずれの実施形態でも可能なように構成されうる。制御サーバ110は、カード会社システム100と同様に、カード会員の加盟店に対する送客を促進するための機能を提供することができる。制御サーバ110は、カード会社システム100と通信可能に接続されるとともに、ネットワーク120を通じて会員端末130と通信することができる。後述するように、制御サーバ110は、カード会社システム100からデータを受信するとともに、それらの受信データを使用してカード会員向けの専用サイト(例えば、ショッピングモール、キャンペーンエントリーサイトなど)を会員端末130に提供し、会員端末130から受信したデータをカード会社システム100に通信することができる。
【0019】
ネットワーク120は、相互通信可能な周知のネットワークであってよく、例えば、インターネット、セルラーネットワーク、無線LANなどが含まれる。ネットワーク120は、カード会社システム100および/または制御サーバ110と、会員端末130との間の通信を行うことが可能であればよく、特に限定されることはない。
【0020】
会員端末130は、カード会社システム100および/または制御サーバ110からアプリケーションをダウンロードして利用することができる、タブレット型端末、スマートフォンあるいは有線または無線環境において動作可能な他の任意のタイプのデバイスとすることができる。会員端末130は、ネットワーク120を通じてカード会社システム100および/または制御サーバ110にアクセスすることによって、カード会員向けのネットサービスや専用サイトを利用することができる機能を有している。本明細書では、会員端末130をタブレット型端末および/またはスマートフォンとして説明するが、本発明の一実施形態では、本明細書で説明するアプリケーションを利用することが可能な他のデバイスであっても構わない。
図1では説明の便宜上、会員端末130を一つだけ示しているが、カード会社システム100および制御サーバ110を利用するカード会員の数だけ会員端末130が存在しうる。
【0021】
(システム構成:カード会社システム100)
図2は、カード会社システム100のシステム構成図である。
図2に示すように、カード会社システム100は、一般的なコンピュータと同様に、バス220などによって相互に接続された制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、インターフェース(IF)部204および出力部205を備えることができる。また、カード会社システム100は、オファーデータ206、エントリデータ207、会員マスタ208、加盟店マスタ209、オーソリDB210、カード利用明細DB211、加盟店売上DB212および特典付与DB213を備えることができる。カード会社システム100は、制御サーバ110と通信を行うことにより、オファーデータ206、加盟店売上DB212および特典付与DB213のそれぞれのデータの同期処理を行うことができる。カード会社システム100は、制御サーバ110から日次エントリデータ306(
図3を参照して後述)のデータを受信することにより、エントリデータ207をアップデートすることができる。日次エントリデータ306は、ある特定の日に登録されたエントリデータのみを格納するデータベースであり、エントリデータ207は、日次エントリデータ306に格納されたデータを集約したデータベースである。
【0022】
制御部201は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、カード会社システム100内の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部203に格納されている各種プログラムを主記憶部202に読み出して実行することができる。主記憶部202は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶することができる。補助記憶部203は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0023】
図2の実施形態では、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を同一のサーバコンピュータ内に設ける実施形態について説明するが、他の実施形態として、カード会社システム100は、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を複数個使用することにより、複数のサーバコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成されることもできる。また、他の実施形態として、カード会社システム100用の複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部203を共有する実施形態にすることも可能である。
【0024】
IF部204は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供することができる。出力部205は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供することができる。
【0025】
オファーデータ206は、加盟店から受信したオリジナルの優待情報(「特典付与情報」あるいは「クーポン」ともいう)および配信対象のカード会員の属性情報に基づいて生成される、2種類の優待情報を格納するデータベースである。2種類の優待情報は、会員マスタ208に格納されているカード会員の属性情報やカード利用明細DB211に格納されているカード利用履歴情報にさらに基づいて生成されてもよい。オリジナルの優待情報は、ある加盟店で実施されるキャンペーン情報(例えば、クーポン閲覧可能期間、クーポン利用可能期間、金額条件(例えば、クーポン利用可能期間中に1万円以上の利用)、特典内容など)を含む。配信対象のカード会員の属性情報は、当該加盟店が配信を希望するカード会員の属性情報を含み、例えば、年代(20代、30代、・・・)、性別(男性、女性)、カード種別(プラチナ、ゴールド、一般など)、自社利用有無(過去3、6、12ヶ月など)、特定業種利用者(例えば、ETCカード決済を行ったカード会員に対して車関連の業種が優待を提供する場合に使用)、居住エリア(都道府県、市区町村)およびアプリ位置情報(住所、半径距離など)などの情報から加盟店によって指定された1または複数の情報を含む。配信対象のカード会員の属性情報は、全てのカード会員に対して配信することを示す情報が含まれていてもよい。
【0026】
本明細書では、2種類の優待情報を「オープンオファー(通常オファー)」および「クローズドオファー(特別オファー)」と呼ぶこととする。オープンオファーは、加盟店の優待情報であって、全てのカード会員に対して表示・配信することが可能な優待情報である。クローズドオファーは、加盟店の優待情報であって、加盟店の指定したカード会員に限定して表示・配信することが可能な優待情報である。クローズドオファーは、一般に知られることはない情報であるから、カード会員がログインしたサービス内でのみ利用可能である。
【0027】
図4は、オファーデータ206のデータ構造の一例を示す図である。オファーデータ206は、オファーID401、カード会員ID402、加盟店ID403、オープンクローズフラグ404および優待情報405を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。オファーID401は、加盟店からオリジナルの優待情報を受信して生成されたオファーデータを識別するためのIDである。カード会員ID402は、クレジットカード会員を識別するためのIDであり、会員マスタ208に同一データ項目が存在する。加盟店ID403は、当該オファーに関連付けられる加盟店を識別するためのIDであり、加盟店マスタ209に同一データ項目が存在する。オープンクローズフラグ404は、生成されたオファーデータがオープンオファーに該当するのか、あるいはクローズドオファーに該当するのかを示すフラグである。優待情報405は、加盟店で実施されるキャンペーン情報(例えば、クーポン閲覧可能期間、クーポン利用可能期間、金額条件、特典内容など)および対応する画像データを含むことができる。なお、クーポン閲覧可能期間およびクーポン利用可能期間は、異なる期間が指定されてもよい。例えば、優待が適用される実際の開始日の数日前からカード会員向けのネットサービスや専用サイトを通じて当該加盟店の優待情報を提供する場合があるからである。
【0028】
エントリデータ207は、カード会員に対して提供されたオープンオファーおよび/またはクローズドオファーのうち、カード会員によって選択された(エントリーされた)オファーの情報を格納するデータベースである。カード会員によって日々選択されたエントリデータは、最初に日次エントリデータ306に格納され、日次エントリデータ306に格納されているエントリデータは、制御サーバ110からカード会社システム100に送信され、エントリデータ207に蓄積される。
【0029】
図5は、エントリデータ207のデータ構造の一例を示す図である。エントリデータ207は、オファーID401、カード会員ID402、加盟店ID403、オープンクローズフラグ404、エントリー日時501、利用可能期間502、特典区分503および特典有効期限504を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。オファーID401、カード会員ID402、加盟店ID403およびオープンクローズフラグ404は、
図4を参照しながら説明したデータ項目と同一である。
【0030】
エントリー日時501は、カード会員が、カード会員向けのネットサービスや専用サイトを通じて加盟店の優待情報を利用できるようにエントリーした日時を示す。利用可能期間502は、当該エントリーした優待を利用できる期間(From/To)を示す。特典区分503は、キャッシュバックやポイントアップなどの特典の種類を示す区分である。本明細書では、特典の種類としてキャッシュバックやポイントアップを説明するが、本発明において利用可能な特典の種類としてはこれら以外であってもよい。特典有効期限504は、優待を利用可能な最終期限(YYYYMMDD)を示す。
【0031】
会員マスタ208は、カード会員の情報、例えば、カード会員ID402、1または複数のカード番号601、1または複数の認証情報(例えば、カード会員向けのネットサービスや専用サイトを利用するためのパスワード、生態認証情報)、氏名、住所、連絡先電話番号、メールアドレス、生年月日、年齢、性別(男性、女性)、カード種別(プラチナ、ゴールド、一般など)およびその他データ項目を含みうるマスタテーブルである。加盟店マスタ209は、加盟店の情報、例えば、加盟店ID403、加盟店名称、住所、業種コード、会社コード、各オファーについて利用可能店舗の一覧およびその他データ項目を含むことが可能なマスタテーブルである。業種コードは、加盟店が区分される業種(例えば、飲食店など)を示すことができ、会社コードは、提携カードに関連付けられる企業を示すことができる。
【0032】
オーソリDB210は、カード決済の際に加盟店に備え付けられているCAT端末などの加盟店端末からカード会社システム100に伝送される売上データなどのオーソリ電文を格納するデータベースである。
図6は、オーソリDB210のデータ構造の一例を示す図である。オーソリDB210は、加盟店ID403、カード番号601、カード有効期限602、利用日時603および金額604を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目(例えば、業種コード)も含むように構成されることが可能である。加盟店ID403は、カード決済を行った加盟店を示し、
図4を参照しながら説明したデータ項目と同一である。カード番号601は、カード会員のクレジットカードを識別する番号であり、カード有効期限602は、当該クレジットカードの利用可能な期限を示す情報である。利用日時603は、カード決済を行った日時(YYYYMMDD HHMMSS)を示す情報であり、金額604は、カード決済金額を示す。
【0033】
カード利用明細DB211は、カード会員がカード決済した利用明細の情報を格納するデータベースである。
図7は、カード利用明細DB211のデータ構造の一例を示す図である。カード利用明細DB211は、カード会員ID402、カード番号601、利用日701、利用内容702、利用区分703、請求額704および請求情報ヘッダID705を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。カード会員ID402は、
図4を参照しながら説明したデータ項目と同一であり、カード番号601は、
図6を参照しながら説明したデータ項目と同一である。すなわち、カード会員ID402およびカード番号601により、あるカード会員の保有するカードのうちのどのカードが利用されたのかを識別することができる。利用日701は、商品やサービスの決済のためにクレジットカードが利用された年月日を示す。利用内容702は、どの加盟店で利用されたのかを示し、加盟店のIDおよび/または加盟店名称が示されてよい。利用内容702は、会員端末130を通じてカード会員に対して提示される際には、加盟店名称のみが表示されてよい。利用区分703は、1回払い/2回払い/ボーナス一括払いなどの支払方法を示す。請求額704は、当該カード決済における請求額(すなわち、決済金額)を示す。請求情報ヘッダID705は、カード会員に提示される請求情報のヘッダ部分を格納するテーブル(不図示)とカード利用明細DB211とを関係付けるためのデータ項目であり、不図示の当該テーブルは、請求情報のヘッダ部分、例えば、請求情報ヘッダID705、カード種類(一般、ゴールドなど)、カード名称、カード番号601、照会月、明細作成日、支払日、合計請求額などのデータ項目を含むことが可能である。
【0034】
加盟店売上DB212は、オープンオファーおよび/またはクローズドオファーを提示した加盟店において、当該オファーの少なくとも一方に基づくカード決済による加盟店売上のデータを格納するデータベースである。
図8は、加盟店売上DB212のデータ構造の一例を示す図である。加盟店売上DB212は、オファーID401、カード会員ID402、カード番号601、加盟店ID403、利用日701、請求額704、エントリー日時501、利用可能期間502および特典区分503を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。加盟店売上DB212は、上述したエントリデータ207、会員マスタ208およびオーソリDB210に格納されているデータに基づいて生成されうるデータを格納するデータベースである。
【0035】
特典付与DB213は、オープンオファーおよび/またはクローズドオファーの少なくとも一方に基づくカード決済によって得られた特典(ポイントアップ/キャッシュバックなど)の内容を示すデータベースである。特典付与DB213に格納されている情報は、カード会社システム100が従来から提供しているカード会員に対するポイント付与のシステムにおいて使用されることが可能であり、あるいはカード利用明細DB211に追加されるマイナス伝票のデータ生成に使用されることが可能である。
図9は、特典付与DB213のデータ構造の一例を示す図である。特典付与DB213は、オファーID401、カード会員ID402、カード番号601、加盟店ID403、利用日701、請求額704、特典区分503、優待情報405、付与ポイント数901およびキャッシュバック金額902を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることなく、他のデータ項目も含むように構成されることが可能である。付与ポイント数901は、特典区分503によってポイントアップ(ポイント優遇)が示されている場合に、利用日701、請求額704および優待情報405などの情報に基づいて計算される値を含むことができる。キャッシュバック金額902は、特典区分503によってキャッシュバックが示されている場合に、利用日701、請求額704および優待情報405などの情報に基づいて計算される値を含むことができる。
【0036】
(システム構成:制御サーバ110)
図3は、制御サーバ110のシステム構成図である。
図3に示すように、制御サーバ110は、一般的なコンピュータと同様に、バス310などによって相互に接続された制御部301、主記憶部302、補助記憶部303、インターフェース(IF)部304および出力部305を備えることができる。各構成要素301〜305および310は、
図2を参照しながら説明した構成要素201〜205および220と同様の機能を果たすことができる。また、制御サーバ110は、オファーデータ206、日次エントリデータ306、加盟店売上DB212および特典付与DB213を備えることができる。オファーデータ206、加盟店売上DB212および特典付与DB213は、
図2、4、8、9をそれぞれ参照しながら説明した構成要素と同一である。カード会社システム100および制御サーバ110は、互いに通信することにより、オファーデータ206、加盟店売上DB212および特典付与DB213のデータの同期処理を行うことができる。日次エントリデータ306は、カード会員が会員端末130を通じて選択したエントリーのデータを格納することができ、制御サーバ110は、日次エントリデータ306のデータをカード会社システム100に送信することができる。本発明の一実施形態では、カード会社システム100が制御サーバ110の構成要素を含むように構成されて、カード会社システム100のみで本発明に係るクレジットカードの利用を促進するための各種機能を提供することができる。
【0037】
(エントリー登録までのシステムフロー)
次に、
図10を参照しながら、カード会員が会員端末130を通じてカード会社システム100および/または制御サーバ110にアクセスし、任意のオファーを選択してエントリデータが登録されるまでのフローを説明する。なお、以下の説明では、カード会社システム100および制御サーバ110を両方示して説明するが、本発明を全てカード会社システム100によって実行する実施形態も可能であることを理解されたい。
【0038】
S1001にて、カード会員が会員端末130を通じてカード会社システム100にアクセスすると、会員端末130のディスプレイにカード会員IDと認証情報(例えば、パスワード)の入力を求める画面が表示される。カード会員IDと認証情報が入力された後に認証処理がカード会社システム100によって開始される。認証処理が成功裏に完了するとS1002に処理が進む。認証処理において何らかのエラー(ID相違、認証情報相違など)が発生すると、会員端末130のディスプレイにその旨を示すエラーメッセージが表示され、当該フロー処理は終了する。
【0039】
S1002にて、制御サーバ110は、オファーデータ206にアクセスし、アクセスしてきたカード会員のカード会員IDにマッチするカード会員ID402のデータを読み出すことができる。上述したように、オファーデータ206は、クローズドオファーおよびオープンオファーを含んでいる。クローズドオファーの場合、オファーの生成時にどのカード会員に対して配信するかが加盟店によって指定されているので、配信対象となったカード会員IDはオファーデータ206に格納されている。オープンオファーの場合、カード会員ID402には全てのカード会員に対して表示可能なように予め定められた値が格納されている。
【0040】
本発明の一実施形態では、カードの種類(すなわち、プロパーカード、提携カード)によっては、特定の業種の加盟店のオファーデータの読み出しに制限をかけるように構成することが可能である。例えば、ある紳士服メーカーとの提携カードの場合、オファーデータに、この紳士服メーカーを示す会社コードを含めるようにして、アクセスしてきたカード会員のカードの会社コードに関連付けられた当該紳士服メーカーのオファーデータのみを読み出すようにしてもよい。かかる場合、他の業種(例えば、飲食店)のオファーデータは通常通り読み出すことが可能である。このようにシステムを構成することにより、提携カードの企業と競合する他の企業のオファーデータの表示を制限することができる。
【0041】
S1003にて、制御サーバ110は、読み出したオファーデータのオープンクローズフラグ404に基づいてクローズドオファーが存在するかどうかを判定することができる。読み出したオファーデータにクローズドオファーが含まれている場合にはS1004に処理が進み、含まれていない場合にはS1005に処理が進む。
【0042】
S1004にて、制御サーバ110は、読み出したクローズドオファーの優待情報405に基づいて、会員端末130に表示するための画面の構成要素を動的に生成することができる。読み出したオファーデータの中にオープンオファーが存在しなければ、制御サーバ110は、生成した構成要素に基づいてクローズドオファーを会員端末130に表示することができる。
【0043】
S1005にて、制御サーバ110は、読み出したオープンオファーの優待情報405に基づいて、会員端末130に表示するための画面の構成要素を動的に生成することができる。制御サーバ110は、生成したクローズドオファーおよび/またはオープンオファーの画面の構成要素に基づいて、クローズドオファーおよび/またはオープンオファーを会員端末130に表示することができる。
【0044】
本発明の他の実施形態では、S1003にて、読み出したオファーデータのオープンクローズフラグ404に基づいてクローズドオファーが存在するかどうかをカード会社システム100が判定した後、クローズドオファーが存在する場合には、会員端末130に表示されることになるクローズドオファーの優待情報または当該優待情報を示す情報を制御サーバ110に通知することができる。さらに、カード会社システム100は、会員端末130に表示されることになるオープンオファーの優待情報または当該優待情報を示す情報を制御サーバ110に通知することができる。通知されたクローズドオファーの優待情報、オープンオファーの優待情報は、その後、S1004、S1005に例示したようなやり方で会員端末130に表示されることになる。
【0045】
以下、クローズドオファーやオープンオファーを表示するいくつかの実施形態について説明する。
【0046】
図11は、カード会員向けの専用サイト(例えば、ショッピングモール)の一例を示す図である。
図11には、アクセスしてきたカード会員の情報が画面上に表示されている。画面上に表示されるカード会員の情報は、カード番号、カード会員ID、カード所有者の氏名などであってよい。クローズドオファー表示欄1101には、クローズドオファーが表示され、オープンオファー表示欄1102には、オープンオファーが表示される。本発明の一実施形態では、クローズドオファーおよびオープンオファーの表示順を制御することができる。例えば、クローズドオファーのオリジナルの優待情報登録時に登録された重み付けスコアの値が高いものから順に表示するように制御してもよいし、あるいは、クーポンの利用可能期間の開始日がシステムアクセス日から近いものから順に表示するように制御してもよい。オープンオファーについても、例えば、重み付けスコアの値に基づいて表示制御してもよい。
【0047】
図11のカード会員向けの専用サイトでは、クローズドオファーおよびオープンオファーの概要のみを表示するようにしてもよく、カード会員が会員端末130を介して任意のオファーを選択すると、制御サーバ110は、
図12に例示されるようなオファーデータの詳細画面1200を会員端末130に表示することが可能である。オファーデータの詳細画面1200には、アクセスしてきたカード会員の情報が画面上に表示されており、詳細情報表示欄1201およびエントリーボタン1202を備えている。詳細情報表示欄1201は、限定されるわけではないが、クローズドオファーまたはオープンオファーの詳細情報、例えば、店舗の画像情報、具体的な優待情報(
図12の例では、ポイントが通常よりも10倍付与されること、決済金額の4.5%がキャッシュバックされること)を表示することができる。
【0048】
本発明の一実施形態では、会員マスタ208に格納されているユーザの属性情報(例えば、クレジットカードの種類がプロパーカードまたは提携カードであることを示す情報、など)に応じて、カード会社システム100は、ポイント優遇またはキャッシュバックの一方のみしか選択できないように構成されることが可能である(例えば、選択不可の方は画面上に表示されるがディセーブル状態となっている、など)。
【0049】
再び、
図10に戻って説明すると、S1006にて、エントリーボタン1202が、会員端末130を介してカード会員によって選択される(例えば、エントリーボタン1202の押下という操作を通じて選択される)と、制御サーバ110は、選択されたクローズドオファーまたはオープンオファーについての情報を日次エントリデータ306に登録することができる。日次エントリデータ306のデータ項目は、エントリデータ207と同一である。
【0050】
S1007にて、制御サーバ110は、予め定められたタイミングで日次エントリデータ306に格納されているデータを読み出し、カード会社システム100に送信することができる。カード会社システム100は、受信したデータをエントリデータ207に格納することができる。
【0051】
本発明の他の実施形態では、カード会社システム100は、
図13に例示するように、カード会員向けのネットサービスであるカード利用明細画面1300においてもクローズドオファーを表示することができる。カード会社システム100は、従来からカード利用明細画面を提供しており、カード会員は、カードの利用履歴を参照したり、ポイント交換の手続きをしたり、あるいは各種手続きをすることができた。本発明に係るカード利用明細画面1300は、アクセスしてきたカード会員の情報を画面上に表示し、クローズドオファー表示欄1301、カード利用履歴表示欄1302、各種メニュー1303を備えることができる。カード利用履歴表示欄1302および各種メニュー1303は、従来から提供されていたカード利用明細画面にも存在していたものであり、カード利用履歴表示欄1302は、カード利用明細DB211より読み出された明細情報を表示し、各種メニュー1303は、カード会社によって提供されるサービスのうち、カード会員が利用可能なサービスを選択するためのメニュー(例えば、
図13に例示するような、登録内容の照会・変更、利用明細の照会、利用可能額の照会、など)を表示することができる。
【0052】
クローズドオファー表示欄1301は、カード会員に関連付けられたクローズドオファーを表示する欄であり、カード会社システム100は、オファーデータ206にアクセスし、ログイン時に使用されたカード会員IDに基づいてオープンクローズフラグ404がクローズドオファーを示すデータであって、かつ優待情報405によりログイン時点で有効なデータ(例えば、キャンペーン期間中、あるいは今後キャンペーンが始まる、など)を読み出して表示することができる。
【0053】
本発明の一実施形態では、加盟店は、重複する期間に複数のクローズドオファーを登録することが可能である。しかしながら、クローズドオファーを表示する際には、カード会社システム100または制御サーバ110は、カード会員にとって高還元となるクーポンを優先して表示することができる。
【0054】
本発明の他の実施形態では、
図14(a)(b)に例示するように、カード会社システム100は、加盟店2の近傍エリアに会員端末130が入ったことを契機として、当該会員端末130にクーポンの存在を知らせるプッシュ通知を行うことができる。「プッシュ通知」とは、カード会員が会員端末130上でカード会社システム100によって提供されたアプリケーションを起動していなくても、カード会社システム100から会員端末130に対してメッセージ送信することができる機能をいう。
【0055】
図14(a)は、本発明に係るプッシュ通知の実行イメージを説明する図である。
図14(a)では、会員端末130が図示されるような加盟店2の近傍エリアに入ると、カード会社システム100がプッシュ通知を行うことができる。近傍エリアの範囲については、加盟店2は、予め加盟店マスタ209にエリア情報(例えば、加盟店の場所情報および半径500m)を登録しておくことが可能である。
図14(b)は、会員端末130上に表示されるプッシュ通知のメッセージであり、スマートフォンのアプリケーションの起動を促すメッセージが例示されている。スマートフォンのアプリケーションが起動されると、カード会員は、例えば、
図13で例示したような画面を参照することができる。
【0056】
(カード決済後の処理)
図15は、カード決済から加盟店売上データ生成および特典付与処理までの処理フローを説明する図である。
【0057】
S1501にて、加盟店に備え付けられているCAT端末などの加盟店端末は、カード決済の際にオーソリ電文をカード会社システム100に対して送信することができる。送信されるオーソリ電文は、カード会員が購入した商品やサービスの情報(すなわち、売上データ)や加盟店の情報を含むことが可能である。カード会社システム100は、受信したオーソリ電文をオーソリDB210に格納することができる。オーソリDB210は、売上データ以外にも返品時に発生する返品データ(マイナス伝票のデータ)を含むこともでき、返品データは負の金額情報を含む。
【0058】
S1502にて、カード会社システム100は、オーソリDB210からデータを読み出し、カード利用明細DB211に格納するためのデータを生成する。例えば、カード会社システム100は、オーソリDB210から読み出した加盟店ID403に基づいて加盟店マスタ209にアクセスし、加盟店名称を検索して、利用内容702に加盟店名称および加盟店IDをセットすることができ、また、オーソリDB210から読み出したカード番号601に基づいて会員マスタ208にアクセスし、カード会員ID402を検索することができる。なお、加盟店ID403は、会員端末130を通じてカード会員に提示する際に非表示とすることができる。さらに、カード会社システム100は、予め定められたタイミングで請求情報ヘッダID705およびカード会員に提示される請求情報のヘッダ部分の情報を生成することができる。生成された請求情報のヘッダ部分の情報およびそれぞれのカード利用明細の情報は、
図13に例示するようなカード利用明細画面1300において表示されることが可能である。
【0059】
S1503にて、カード会社システムは、加盟店のオファー(クローズドオファーおよびオープンオファー含む)に対してエントリーを行ったカード会員によるカード決済の情報のみを抽出する処理を行うことができる。例えば、カード会社システム100は、オファーデータ206からオファーID401および加盟店ID403を読み出し、読み出したオファーID401および加盟店ID403に基づいてエントリデータ207にアクセスして当該オファーにエントリーしたカード会員ID402および利用可能期間502を識別する。カード会社システム100は、識別したカード会員ID402および利用可能期間502にマッチする当該カード会員の利用明細データをカード利用明細DB211から読み出し、オファーに対するカード会員のエントリーに関連付けられた売上データを加盟店売上DB212に格納する。このような処理を行うことにより、加盟店は、自らのオファー(クローズドオファーおよびオープンオファー含む)に対してエントリーを行ったカード会員によるカード決済の情報のみを把握することができるようになり、広告(すなわち、オファー)による顧客の誘引効果を明確に知ることができるようになる。
【0060】
S1504にて、カード会社システム100は、オファーに対するエントリーに関連付けられたカード決済に対する特典(例えば、キャッシュバック、通常よりも高還元率なポイント付与など)を計算してカード会員に付与する処理を行うことができる。なお、カード会員が同一加盟店の提供するクローズドオファーおよびオープンオファーの両方にエントリーした場合には、カード会社システム100は、クローズドオファーのみを計算するように構成されることが可能であり、また、クローズドオファーに決済金額の条件が定められている場合であって、カード会員による決済金額がその金額条件を満たさなかった場合には、カード会社システム100は、クローズドオファーではなくオープンオファーにしたがって計算するように構成されることも可能である。さらに、同一加盟店にて複数の決済情報が存在する場合には、カード会社システム100は、複数の決済情報を合算した金額でオファーの条件を満たすかどうかを判定するように構成されることも可能である。
【0061】
カード会社システム100は、加盟店売上DB212からデータを読み出し、読み出したオファーID401をキーにしてオファーデータ206から優待情報405を読み出す。カード会社システム100は、加盟店売上DB212から読み出した特典区分503の情報に応じてキャッシュバックやポイントアップなどの特典の種類を識別し、オファーデータ206から読み出した優待情報405の内容と請求額704の情報から、付与ポイント数901および/またはキャッシュバック金額902を算出し、特典付与DB213に算出データを格納する。格納されたデータは、カード会社システム100によって従来から提供されていたカード会員の獲得ポイント情報などの所定のデータフォーマットに沿うものであってよい。カード会社システム100は、付与ポイント数901に格納されているポイント数を、当該カード会員ID402に関連付けて従来のポイント管理システムに対して送信し、当該カード会員のポイントとして加算することができる。また、カード会社システム100は、キャッシュバック金額902に格納されているキャッシュバック金額に基づいて、負の売上金額を含む当該加盟店の返品データ(マイナス伝票のデータ)を生成し、カード利用明細DB211に格納することができる。このような処理を行うことにより、カード会社システム100は、オファーに対するエントリーに関連付けられたカード決済に対する特典(例えば、キャッシュバック、割り増しポイントの付与など)をカード会員に対して提供することができるようになる。本発明の他の実施形態では、付与ポイント数901および/またはキャッシュバック金額902の算出処理を制御サーバ110において実行し、その算出結果のデータをカード会社システム100が受信するようにしてもよい。
【0062】
(カード会員に対する通知)
上記では
図14を例示しながら、カード会員に対する通知の一実施形態を説明したが、本発明では、それ以外の通知を行うことが可能である。例えば、会員マスタ208には、カード会員に対する通知先情報(例えば、メールアドレス)が登録されているので、カード会社システム100は、当該通知先情報を利用して、カード会員がオファーに対するエントリーを行った時、エントリーを行ったもののキャンペーン期間の終了間際になってもエントリーが未利用の場合、エントリーを行った加盟店の新規店舗が追加された時、過去に利用実績のある加盟店にて新たな優待情報(クローズドオファーおよび/またはオープンオファー)が登録された時、などの予め定められた条件でカード会員に対して、エントリーをしている加盟店の利用を促す通知を送信することができる。
【0063】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において変更する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を採用することが可能である。