【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によると、水分の非存在下で5℃以下、あるいは0℃以下の温度において貯蔵安
定性を有するが、水分に暴露されると室温でシリコーンエラストマーへと硬化可能なシリ
コーンエラストマー組成物であって、該組成物は、次の成分:
(i)25℃で5〜100Pa.sの粘度を有し、その有機基がメチル基、エチル基、
ビニル基、フェニル基、及び3,3,3−トリフルオロプロピル基からなる群から選択さ
れる、ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロキサン(ただし、前記有機基の50
%以下はフェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、前記有機基の10
%以下はアルケニル基である):100重量部、
(ii)疎水性となるように任意に処理される、1種以上の充填剤、
(iii)メチルビニルジ(N−エチルアセトアミド)シラン:2.5〜10重量部、
(iv)1分子当たり1〜100個のケイ素原子、及び1分子当たり3〜10個のアミ
ノキシ基を有し、前記アミノキシ基は一般式:−OXを有する、アミノキシシリコン化合
物:1〜6重量部、ここで式中、
・Xは、−NR
2及び複素環式アミンからなる群から選択される一価アミン基であり
、Rは、一価炭化水素基である。
・前記−OX基は、SiO結合によりケイ素原子と結合し、アミノキシシリコン化合
物中のケイ素原子の残りの原子価は、ケイ素−酸素−ケイ素結合により1分子当たり2個
以上のケイ素原子を有するアミノキシシリコン化合物のケイ素原子と結合する二価酸素原
子、並びにケイ素―炭素結合によりケイ素原子に結合した一価炭化水素基及びハロゲン化
一価炭化水素基で満たされており、ケイ素原子当たり平均で少なくとも1個の一価炭化水
素基又はハロゲン化一価炭素水素基が存在する。を無水条件下で混合することによって調
製される混合物から本質的になり、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、及びN−n−ブチルアセ
トアミドから選択される極性溶媒を含有せず、即ちゼロ(0)部含有し、また5℃以下の
温度で貯蔵される場合に目に見えて部分的に結晶化しないことを特徴とする、シリコーン
エラストマー組成物が提供される。
【0009】
更なる実施形態では、水分の非存在下で5℃以下、あるいは0℃以下の温度において貯
蔵安定性を有するが、水分に暴露されると室温でシリコーンエラストマーへと硬化可能な
シリコーンエラストマー組成物における、メチルビニルジ(N−エチルアセトアミド)シ
ラン(iii)の使用であって、該組成物は、次の成分:
(i)25℃で5〜100Pa.sの粘度を有し、その有機基がメチル基、エチル基、
ビニル基、フェニル基、及び3,3,3−トリフルオロプロピル基からなる群から選択さ
れる、ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロキサン(ただし、前記有機基の50
%以下はフェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、前記有機基の10
%以下はアルケニル基である):100重量部、
(ii)疎水性となるように任意に処理される、1種以上の充填剤、
(iii)前記メチルビニルジ(N−エチルアセトアミド)シラン:2.5〜10重量
部、
(iv)1分子当たり1〜100個のケイ素原子、及び1分子当たり3〜10個のアミ
ノキシ基を有し、前記アミノキシ基は一般式:−OXを有する、アミノキシシリコン化合
物:1〜6重量部、ここで式中、
・Xは、−NR
2及び複素環式アミンからなる群から選択される一価アミン基であり
、Rは、一価炭化水素基である。
・前記−OX基は、SiO結合によりケイ素原子と結合し、アミノキシシリコン化合
物中のケイ素原子の残りの原子価は、ケイ素−酸素−ケイ素結合により1分子当たり2個
以上のケイ素原子を有するアミノキシシリコン化合物のケイ素原子と結合する二価酸素原
子、並びにケイ素−炭素結合によりケイ素原子に結合した一価炭化水素基及びハロゲン化
一価炭化水素基で満たされており、ケイ素原子当たり平均で少なくとも1個の一価炭化水
素基又はハロゲン化一価炭素水素基が存在する。を無水条件下で混合することによって調
製される混合物から本質的になり、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、及びN−n−ブチルアセ
トアミドから選択される極性溶媒を含有せず、即ちゼロ(0)部含有し、また5℃以下の
温度で貯蔵される場合に目に見えて部分的に結晶化しないことを特徴とする使用、が提供
される。
【0010】
ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロキサン(i)は、25℃において約5〜
100Pa.sの粘度を有し得る。これらポリジオルガノシロキサンは、平均粘度が上に
定義した制限の範囲内に入る限りは、様々な粘度の単分散系、多分散系、又は混合物であ
り得る。ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロキサンは、メチル基、エチル基、
ビニル基、フェニル基、及び3.3.3−トリフルオロプロピル基から選択される有機基
を有する。ポリジオルガノシロキサンの有機基は、該ポリジオルガノシロキサン中の基の
総数を基準として、フェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基を50%以下、
またビニル基を10%以下含有する。他の一価の炭化水素基及びハロゲン化された一価炭
化水素基がポリジオルガノシロキサン中に少量存在することができる。ヒドロキシル末端
ブロックポリジオルガノシロキサンのジオルガノシロキサン単位は、例えば、ジメチルシ
ロキサン単位、ジエチルシロキサン単位、エチルメチルシロキサン単位、ジフェニルシロ
キサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、及び3,3
,3−トリフルオロプロピルメチルシロキサン単位、あるいはこれらの単位の2つ以上の
混合物であり得る。最も好ましくは、ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロキサ
ンは、25℃で約5〜100Pa.sの粘度を有するポリジメチルシロキサンである。
【0011】
本明細書で用いるポリジオルガノシロキサンという用語は、少量の他のシロキサン単位
、例えば、モノオルガノシロキサン単位のようなものを排除しない。ヒドロキシル末端ブ
ロックポリジオルガノシロキサンは当該技術分野において既知であり、公知の工業的方法
によって製造することができる。好ましいヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロ
キサンは、ヒドロキシル末端ブロックポリジメチルシロキサンである。
【0012】
別途記載のない限り、本明細書における全ての粘度の測定は、ASTM D4287
Cone and Plate Methodに従って25℃で行われる。
【0013】
本明細書に記載される組成物は、ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロキサン
(i)100重量部当たり、1種以上の(任意に非酸性の)充填剤(ii):25〜20
0重量部を含有する。組成物は典型的には、上述のように、1種以上の超微粒子状補強充
填剤、例えば、籾殻灰及びある程度の炭酸カルシウムなどの高表面積ヒュームドシリカ及
び沈降シリカなど、又は追加の非補強充填剤、例えば、破砕石英、珪藻土、硫酸バリウム
、酸化鉄、二酸化チタン、及びカーボンブラック、タルク、ウォラストナイトなどを含有
する。単独で、又は上記の充填剤に加えて使用することができる他の充填剤としては、ア
ルミナイト、硫酸カルシウム(無水石膏)、石膏、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
カオリンなどの粘土、酸化アルミニウム三水和物、水酸化マグネシウム(水滑石)、黒鉛
、炭酸銅、例えばマラカイト、炭酸ニッケル、例えばザラカイト(zarachite)、炭酸バ
リウム、例えば毒重石、及び/又は炭酸ストロンチウム、例えばストロンチアナイトが挙
げられる。
【0014】
酸化アルミニウム、かんらん石グループ;柘榴石グループ;アルミノシリケート;リン
グケイ酸塩;鎖ケイ酸塩;及び層状ケイ酸塩からなる群からのケイ酸塩。かんらん石グル
ープは、ケイ酸塩鉱物、例えば、限定されないが、フォルステライト及びMg
2SiO
4
などを含む。柘榴石グループは、粉砕したケイ酸塩鉱物、例えば、限定されないが、パイ
ロープ;Mg
3Al
2Si
3O
12;灰ばんザクロ石;及びCa
2Al
2Si
3O
12な
どを含む。アルミノシリケートは、粉砕したケイ酸塩鉱物、例えば、限定されないが、シ
リマナイト;Al
2SiO
5;ムライト;3Al
2O
3.2SiO
2;キアナイト:及び
Al
2SiO
5などを含む。
【0015】
リングケイ酸塩グループは、ケイ酸塩鉱物、例えば、限定されないが、コージライト及
びAl
3(Mg,Fe)
2[Si
4AlO
18]などを含む。鎖ケイ酸塩グループは、粉
砕したケイ酸塩鉱物、例えば、それらに限定されないが、珪灰石及びCa[SiO
3]な
どを含む。
【0016】
層状ケイ酸塩グループは、ケイ酸塩鉱物、例えば、限定されないが、雲母;K
2Al
1
4[Si
6Al
2O
20](OH)
4;葉蝋石;Al
4[Si
8O
20](OH)
4;タ
ルク;Mg
6[Si
8O
20](OH)
4;蛇紋石、例えば、アスベスト;カオリナイト
;Al
4[Si
4O
10](OH)
8;及びバーミキュライトなどを含む。
【0017】
更に、充填剤の表面処理は、例えば、ステアリン酸エステル、ステアリン酸、ステアリ
ン酸の塩、ステアリン酸カルシウム、及びカルボキシレートポリブタジエンなどの脂肪酸
又は脂肪酸エステルなどを用いて行うことができる。ケイ素含有物質ベースの処理剤とし
ては、オルガノシラン、オルガノシロキサン、又はオルガノシラザンヘキサアルキルジシ
ラザン若しくは短鎖シロキサンジオールを挙げることができ、それによって充填剤が疎水
性になり、したがって容易に取扱うことができるようになり、他のシーラント成分との均
質混合物が得られる。充填剤を表面処理することで、粉砕ケイ酸塩鉱物をシリコーンポリ
マーで容易に湿らせやすくなる。これらの表面修飾された充填剤は凝集することがなく、
シリコーンポリマーに均一に組み込むことができる。これにより未硬化の組成物の室温機
械的性質が改善される。更に、この表面処理された充填剤は、未処理材又は原材料よりも
低い伝導性を与える。
【0018】
自己レベリングシーラント配合物の場合、本明細書の組成物は、好ましくは、任意に1
〜8μmの平均粒径を有する、非酸性、非補強充填剤(ii)である。前記自己レベリン
グシーラント配合物に関し、好ましい充填剤は、例えば、炭酸カルシウム、酸化第二鉄、
珪藻土、アルミナ、アルミナ水和物、二酸化チタン、有機充填剤、シリコーン樹脂などの
樹脂、破砕石英、硫酸カルシウムなどから選択され得る。
【0019】
使用される場合のこのような充填剤の割合は、エラストマー形成性組成物及び硬化エラ
ストマーにおいて所望される特性に依存し得る。通常、組成物の充填剤含量は、希釈剤部
分を除いたポリマー100重量部当たり約5〜約800重量部、好ましくは25〜400
重量部の範囲内である。本明細書に記載される自己レベリングシーラント配合物は、例え
ば、好ましい非酸性、非補強充填剤:25〜125重量部を含有してもよい。
【0020】
この充填剤は、処理剤で充填剤をコーティングするか、又は充填剤を処理剤と反応させ
ることによって、処理剤で処理される。処理済みの充填剤が商業的に入手可能であり、例
えば、Imerys(Roswell,GA)からも販売されるGAMA−SPERSE
(登録商標)C−11として、及びCyprus Industrial Minera
ls Company(Englewood,Colorado)より入手されるコタマ
イト(Kotamite)として公知であるステアリン酸カルシウムで処理された炭酸カルシウム
充填剤である。処理済み充填剤は未硬化組成物に高い流動性を、及び硬化組成物に低いモ
ジュラスを与えるので、充填剤を処理することが必要である。
【0021】
成分(iii)は、メチルビニルジ−(N−エチルアセトアミド)シランである。
【化3】
【0022】
メチルビニルジ−(N−エチルアセトアミド)シランは、ヒドロキシル末端ブロックポ
リジオルガノシロキサン(i)と反応してより長いポリマーをもたらすという点で、本明
細書では鎖延長剤として使用される。ポリマー鎖の延長は、鎖長が延長したポリマーを提
供し、それにより得られた硬化エラストマーのモジュラスが低くなる。メチルビニルジ−
(N−エチルアセトアミド)シラン(iii)の量は、ポリジオルガノシロキサンポリマ
ー100重量部当たり2.5〜10重量部であり得る。最も好ましい組成物は、ポリジオ
ルガノシロキサンポリマー(i)100重量部当たり4〜8重量部を有する。メチルビニ
ルジ−(N−エチルアセトアミド)シランの量が2.5部未満の場合、得られた組成物は
硬化して有意に高いモジュラスを有するシリコーンエラストマーとなり、その結果、該エ
ラストマーはもはや低モジュラスシリコーンエラストマーに分類されないことになる。組
成物は、全反応成分を1つのパッケージに入れて包装されることができ、無水条件下で長
期間、例えば3か月以上貯蔵されることができる。10重量部を超えると、硬化が遅くな
り、かつあまり望ましくない物理的性質が観察されるので、10重量部を超えることによ
る利点は感じられない。
【0023】
アミノキシシリコン化合物(iv)は、1分子当たり1〜100個のケイ素原子を有す
るケイ素化合物であり得、1分子当り2〜20個、あるいは3〜10個のアミノキシ基が
存在する。アミノキシケイ素化合物は、シラン及びシロキサンを含む。ケイ素−酸素結合
によりケイ素原子に結合したアミノキシ基は、一般式:−OXで表わすことができ、ここ
で式中、Xは、基−NR
2の一価アミン基及び複素環式アミンであり、Rは、一価の炭化
水素基を表す。
【0024】
−NR
2基は、N,N−ジエチルアミノ、N,N−エチルメチルアミノ、N,N−ジメ
チルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N,N,−ジプロピルアミノ、N,N,−
ジブチルアミノ、N,N,−ジペンチルアミノ、N,N,−ジヘキシルアミノ、N,N,
−ジブチルアミノ、N,N−メチルプロピルアミノ、N,N,−ジフェニルアミノ、及び
N,N,−メチルフェニルアミノで表すことができる。複素環式アミンは、エチレンイミ
ノ、ピロリジノ、ピペリジノ、及びモルホリノであり得る。更なるアミノキシシリコン化
合物は、アミノキシシリコン化合物を示すために参照により本明細書に組み込まれる米国
特許第3996184号に記述されている。
【0025】
1個のケイ素原子を有するアミノキシシリコン化合物は、1分子当たり3個のアミノキ
シ基と、1個の一価炭化水素基又はハロゲン化された一価炭化水素基を有するシランであ
る。これらのアミノキシシランは、一般式:
R”Si(OX)
3
を有し、ここで式中、R”は、一価炭化水素基又はハロゲン化された一価炭化水素基で
あり得る。R”の例は、したがって、メチル、エチル、フェニル、ビニル、ヘキシル、オ
クタデシル、シクロヘキシル、ブチル、ヘプチル、オクチル、ベンジル、フェニルエチル
、ナフチル、プロピル、イソプロピル、クロロフェニル、3,3,3−トリフルオロプロ
ピル、β−(ペルフルオロペンチル)エチル、ヨードナフチル、ブロモヘプチル等であり
得る。
【0026】
1分子当たりのケイ素原子が1個よりも多いアミノキシシリコン化合物は、線状ポリシ
ロキサン及び環式ポリシロキサンであってもよく、例えば、シロキサンのホモポリマー、
若しくはコポリマー、又は混合物のうちのいずれか、並びにシロキサンとシランとの混合
物であり得る。シロキサンのケイ素原子は、上記のR”で定義される一価の基に結合して
いるアミノキシ基に結合していないケイ素原子の残りの原子価に、ケイ素−酸素−ケイ素
結合によって共に結合している。好ましいアミノキシシリコン化合物は、以下の実施例に
記載されるように、平均して2個のトリメチルシロキサン単位、2〜20個のメチル(N
,N−ジアルキルアミノキシ)シロキサン単位、及び2〜20個のジアルキルシロキサン
単位を有するか、あるいは、平均して2個のトリメチルシロキサン単位、5個のメチル(
N,N−ジエチルアミノキシ)シロキサン単位、及び3個のジメチルシロキサン単位を1
分子当たりに有するコポリマーである。
【0027】
アミノキシシリコン化合物(iv)の量は、ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノ
シロキサン100重量部当たり0.5〜10重量部、あるいは、ヒドロキシル末端ブロッ
クポリジオルガノシロキサン100重量部当たり1〜6重量部であり得る。アミノキシシ
リコン化合物の量が10部を超えると、得られた硬化生成物は、高モジュラスのシリコー
ンエラストマーである。アミノキシシリコン化合物の好ましい量は、2〜5部である。
【0028】
他の従来の添加剤は、それらが組成物の残りの成分に適合する限りにおいて使用するこ
とができ、例えば、顔料、接着促進剤、希釈剤、押出助剤、触媒、染料、抗酸化剤、熱安
定性添加剤等が挙げられる。
【0029】
例えば、希釈剤を自己レベリング組成物中で使用してもよい。希釈剤は、存在する場合
、全組成物の1〜20重量%の、25℃で1〜100Pa.s、あるいは25℃で12〜
100Pa.sの粘度を有する非反応性シリコーン流体からなる希釈剤、あるいは、25
℃で約12〜25Pa.sの粘度を有するトリメチルシリル末端ブロックポリジメチルシ
ロキサンからなる希釈剤を含み得る。非反応性シリコーン流体は、R”
2SiO単位を有
するホモポリマーであり得、その場合、R”は、メチル、エチル、プロピル、ビニル、又
は3,3,3,−トリフルオロプロピルであり、R”は各単位毎に同じであっても異なっ
ていてもよい。このシリコーン希釈剤の末端ブロック単位はR”
3SiOであり得、その
場合、R”は上述の通りである。この希釈剤は、この希釈剤が無い場合に得られるよりも
低いモジュラス及び高い伸び率を与えるために用いられる。希釈剤の粘度が低すぎると、
この組成物は適当に硬化しない、即ち、不粘着時間が長すぎるようになる。希釈剤がより
高い粘度、例えば、12Pa・s以上を有すると、より低い粘度の物質よりもより短い不
粘着時間を与えると思われる。必要な希釈剤の量は、より低い粘度の物質よりもより高い
粘度の物質の方が少ない。
【0030】
本明細書に記載される組成物中で用いられる成分の量は、組成物が50%相対湿度の空
気に暴露されて25℃で14日にわたって硬化されるとき、ASTM D412に従って
試験した場合、少なくとも1200%の伸び率と、50%及び100%の伸び率において
172.4kPa(25psi)未満のモジュラスとを有する硬化シリコーンエラストマ
ーが得られるように選択される。硬化したシーラントがこれら要件を満たさない場合、ア
スファルト舗装道路でシーラントとして使用されるときに適切に機能しない。つまり、シ
ーラントはアスファルトの粘着性を損ない、それにより、例えば寒さでアスファルトが収
縮した場合にみられるような引張力に接続部がさらされた場合に封止部を破壊してしまう
。
【0031】
この組成物は、好ましくは、ヒドロキシル末端ブロックポリジオルガノシロキサンと充
填剤とを混合し、充填剤がよく分散した均質混合物を作製することにより製造される。好
適な混合物は、工業用ミキサーを用いて通常1時間で得られる。好ましくは、得られた混
合物を脱気し、次いで、メチルビニルジ−(N−エチルアセトアミド)シラン(iii)
とアミノキシシリコン化合物(iv)との混合物を加え、ポリマー及び充填剤混合物と混
合する。混合は、本質的に無水条件下で行われる。次いで、得られた組成物を、本質的に
無水条件下で貯蔵用の容器に入れる。1つのパッケージの組成物を製造すると、それは安
定である。つまり、本質的に水分を含まない条件を保つ場合には硬化しないが、室温で水
分に暴露すると硬化して低モジュラスシリコーンエラストマーとなる。希釈剤又は他の添
加剤は、任意の方法で、及び調製のどの時点で組成物に混合されてもよいが、ポリマー及
び充填剤を混合し、より良好な充填剤の分散が生じた後に加えることが好ましい。本発明
の組成物は、1つのパッケージの組成物として設計されているが、所望により、成分を2
つ以上のパッケージに包装してもよい。
【0032】
本明細書の組成物は、ノンサグ配合物中又は自己レベリング配合物中のいずれかに提供
され得るシーラント物質を提供する。自己レベリング配合物とは、貯蔵容器から水平接合
部に排出されると「自己レベリング」することを意味する、即ち、シーラントは、シーラ
ントと接合スペースの両側との間の密接な接触をもたらすのに十分な重力下で流れる。こ
れにより、接合面に対するシーラントの最大の接着を生じさせることができる。自己レベ
リングはまた、水平接合部及び垂直接合部の両方で使用するように設計されたシーラント
が必要とするように、シーラントを接合部の中に入れた後に道具を使用してシーラントを
細工する必要性を排除する。ノンサグ組成物は、後者とは異なり、典型的には重力下で目
に見えるほど流れず、典型的には、封止することが意図される位置/接合部の中に道具を
使用して入れる必要がある。