(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297132
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】コロナ点火コイルのための高電圧接続封止方法
(51)【国際特許分類】
H01T 13/04 20060101AFI20180312BHJP
H01T 13/50 20060101ALI20180312BHJP
H01T 21/02 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
H01T13/04
H01T13/50
H01T21/02
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-503276(P2016-503276)
(86)(22)【出願日】2014年3月15日
(65)【公表番号】特表2016-519833(P2016-519833A)
(43)【公表日】2016年7月7日
(86)【国際出願番号】US2014029900
(87)【国際公開番号】WO2014145183
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年3月10日
(31)【優先権主張番号】61/787,406
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506146389
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・イグニション・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL IGNITION COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウルチュオリ,ビットリオ
(72)【発明者】
【氏名】ミラン,ジュリオ
(72)【発明者】
【氏名】ダル・レ,マッシモ・アウグスト
(72)【発明者】
【氏名】ピニャッティ,パオロ
【審査官】
段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−248778(JP,A)
【文献】
特開2002−021696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 13/04
H01T 13/50
H01T 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロナ点火器アセンブリであって、
無線周波数電圧を受け取るための点火コイルアセンブリと、
前記点火コイルアセンブリからエネルギーを受け取るとともに無線周波数電界を分配するための着火端アセンブリとを含み、前記着火端アセンブリはコロナ点火器を含んでおり、前記コロナ点火器アセンブリはさらに、
前記点火コイルアセンブリに取り付けられる第1のチューブ端と前記着火端アセンブリに取り付けられる第2のチューブ端とを含む金属チューブを含み、
前記金属チューブは、前記点火コイルアセンブリの少なくとも部分および前記着火端アセンブリの少なくとも部分を取り囲む外面および対向する内面を含んでおり、
前記金属チューブの前記内面は前記第1のチューブ端と前記第2のチューブ端との間にチューブボリュームを提供しており、前記チューブボリュームは前記点火コイルアセンブリおよび前記着火端アセンブリによって占められないスペースを含んでおり、
前記金属チューブは、空気が前記チューブボリュームから出ることを可能にするための、前記内面および前記外面を通って延在する少なくとも1つの穴を含んでおり、前記コロナ点火器アセンブリはさらに、
前記チューブボリュームを充填するとともに前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間に気密封止を提供するラバーブーツを含む、コロナ点火器アセンブリ。
【請求項2】
前記ラバーブーツは、前記チューブボリュームより大きいブーツボリュームを有しており、前記ラバーブーツは、前記点火コイルアセンブリと、前記着火端アセンブリと、前記金属チューブとの間で圧縮され、前記ラバーブーツの部分は前記金属チューブの前記少なくとも1つの穴の中に延在する、請求項1に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項3】
前記点火コイルアセンブリによる前記ラバーブーツに対する圧縮は対称的である、請求項1に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項4】
前記ラバーブーツは前記第1のチューブ端と前記点火コイルアセンブリとの間に気密封止を提供し、前記ラバーブーツは前記第2のチューブ端と前記着火端アセンブリとの間に気密封止を提供する、請求項1に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項5】
前記点火コイルアセンブリは中心軸に沿って延在するコイル出力部材を含んでおり、前記コイル出力部材は、前記着火端アセンブリに向かってかつ前記中心軸に向かって第1の端壁へとテーパする円錐形状を有する第1の側壁を提供しており、前記第1の端壁は前記中心軸に対して垂直に延在しており、前記第1の側壁は前記第1の端壁に対して第1のキャップ角度にて配置されており、
前記着火端アセンブリの前記コロナ点火器は、電極を取り囲む絶縁体を含んでおり、前記絶縁体は、前記点火コイルアセンブリに向かってかつ前記中心軸に向かって第2の端壁へとテーパする円錐形状を有する第2の側壁を提供しており、前記第2の端壁は前記中心軸に対して垂直に延在しており、前記第2の側壁は前記第2の端壁に対して第2のキャップ角度にて配置される、請求項1に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項6】
前記ラバーブーツは、前記点火コイルアセンブリに係合する第1のブーツ端から前記着火端アセンブリに係合する第2のブーツ端に前記中心軸に沿って長手方向に延在しており、
前記ラバーブーツは、前記第1のブーツ端と前記第2のブーツ端との間にゴム材料のブロックを含むブーツボディ部分を含んでおり、
前記ラバーブーツは、円錐形状を有するとともに前記第1のブーツ端から前記ブーツボディ部分に隣接して配置される第1のベース表面に前記中心軸に沿ってかつ前記中心軸に向かってテーパする第1のブーツ壁を提供しており、前記第1のベース表面は前記中心軸に対して垂直に延在しており、
前記第1のブーツ壁は前記第1のベース表面に対して第1のブーツ角度にて配置されており、前記ラバーブーツの前記第1のブーツ角度は、前記ラバーブーツが圧縮されている場合に空気が前記チューブボリュームから押し出されることを可能にするために、前記コイル出力部材の前記第1のキャップ角度よりも大きく、
前記ラバーブーツは、円錐形状を有するとともに、前記第2のブーツ端から前記ブーツボディ部分に隣接して配置される第2のベース表面に前記中心軸に沿いかつ前記中心軸に向かってテーパする第2のブーツ壁を提供しており、前記第2のベース表面は前記中心軸に対して垂直に延在しており、前記第2のブーツ壁は、前記第2のベース表面に対して第2のブーツ角度にて配置されており、前記ラバーブーツの前記第2のブーツ角度は、前記ラバーブーツが圧縮されている場合に空気が前記チューブボリュームから押し出されることを可能にするために、前記点火コイルアセンブリの前記絶縁体の前記第2のキャップ角度より大きい、請求項5に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項7】
前記ラバーブーツの前記第2のブーツ角度は前記ラバーブーツの前記第1のブーツ角度に等しい、請求項6に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項8】
前記ラバーブーツの前記第1のベース表面が第1の所定の形状および第1の所定のエリアを提供しており、前記ラバーブーツの前記第2のベース表面が前記第1の所定の形状と同じである第2の所定の形状を提供しており、前記ラバーブーツの前記第2のベース表面が前記第1の所定のエリアと等しい第2の所定のエリアを提供している、請求項6に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項9】
前記コイル出力部材の前記第1の端壁が第1の所定の形状および第1の所定のエリアを提供しており、前記絶縁体の前記第2の端壁が前記コイル出力部材の前記第1の所定の形状と同じである第2の所定の形状を提供しており、前記絶縁体が前記コイル出力部材の前記第1の所定のエリアと同じである第2の所定のエリアを提供する、請求項6に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項10】
前記ラバーブーツの前記第1のベース表面は前記コイル出力部材の前記第1の所定の形状と同じである第1の所定の形状を提供しており、前記第1のベース表面が前記コイル出力部材の前記第1の所定のエリアに等しい第1の所定のエリアを提供しており、前記ラバーブーツの前記第2のベース表面が前記絶縁体の前記第2の所定の形状と同じである第2の所定の形状を提供しており、前記第2のベース表面が前記絶縁体の前記第2の所定のエリアと等しい第2の所定のエリアを提供している、請求項9に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項11】
前記ラバーブーツは、前記第1のブーツ端と前記第2のブーツ端との間で円筒形状を提供する外面を含む、請求項6に記載のコロナ点火器アセンブリ。
【請求項12】
コロナ放電を提供するよう、無線周波数電圧を受け取るとともに、燃料とガスとの混合物を含む燃焼室において無線周波数電界を分配するためのコロナ放電点火器アセンブリであって、
前記無線周波数電圧を受け取るための、中心軸に沿って延在する点火コイルアセンブリを含み、
前記点火コイルアセンブリはコイル出力部材を含んでおり、前記コイル出力部材は、前記中心軸に沿いかつ前記中心軸に向かって第1の端壁へとテーパする円錐形状を有する第1の側壁を提供しており、前記第1の側壁は前記中心軸に対して対称であり、前記第1の端壁は前記中心軸に対して垂直に延在しており、前記第1の側壁は前記第1の端壁に対して第1のキャップ角度にて配置されており、前記第1の端壁は第1の所定の形状および第1の所定のエリアを提供しており、前記コロナ放電点火器アセンブリはさらに、
前記点火コイルアセンブリから前記エネルギーを受け取るとともに前記燃焼室において前記無線周波数電界を分配するための着火端アセンブリを含み、
前記着火端アセンブリはコロナ点火器を含んでおり、前記コロナ点火器は、
前記中心軸に沿って長手方向に着火端へと延在する電極を含み、前記電極は前記着火端にてクラウンを含んでおり、前記クラウンは前記中心軸に対して半径方向外方に延在する複数のブランチを有しており、前記コロナ点火器はさらに、
前記電極を取り囲む金属シェルと、
前記シェルから間隔を置いて前記電極を配置し、かつ、前記クラウンに隣接する絶縁体着火端へと前記中心軸に沿って延在する絶縁体とを含み、前記絶縁体は前記電極を受け入れる絶縁体孔を含んでおり、
前記絶縁体は、前記中心軸に沿いかつ前記中心軸に向かって第2の端壁へとテーパする円錐形状を有する第2の側壁を提供しており、前記第2の側壁は前記中心軸に対して対称であり、前記第2の端壁は前記中心軸に対して垂直に延在しており、前記第2の側壁は前記第2の端壁に対して第2のキャップ角度にて配置されており、前記第2の端壁は第2の所定の形状および第2の所定のエリアを提供しており、
前記第2のキャップ角度は前記第1のキャップ角度に等しく、前記絶縁体の前記第2の所定の形状は前記コイル出力部材の前記第1の所定の形状に等しく、前記絶縁体の前記第2の所定のエリアは前記コイル出力部材の前記第1の所定のエリアに等しく、
前記着火端アセンブリは、前記着火端アセンブリの前記電極を前記点火コイルアセンブリに電気的に接続するための、前記絶縁体孔に受け入れられるとともに前記電極から前記点火コイルアセンブリに延在する電気端子を含んでおり、前記コロナ放電点火器アセンブリはさらに、
前記第1の端壁を含む前記コイル出力部材の少なくとも部分を取り囲むとともに前記第2の端壁を含む前記絶縁体の少なくとも部分を取り囲む金属チューブを含み、
前記金属チューブは、前記着火端アセンブリに前記点火コイルアセンブリを結合するために、前記点火コイルアセンブリに取り付けられる第1のチューブ端から、前記コイル出力部材に沿って、前記着火端アセンブリの前記金属シェルに取り付けられる第2のチューブ端に延在しており、
前記金属チューブはアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されており、
前記金属チューブは、前記第1のチューブ端と前記第2のチューブ端との間で円筒形状を各々が提供する内面および外面を含んでおり、
前記金属チューブの前記内面は前記第1のチューブ端と前記第2のチューブ端との間にチューブボリュームを提供しており、
前記チューブボリュームは前記点火コイルアセンブリおよび前記着火端アセンブリによって占められない任意のスペースを含んでおり、
前記チューブは複数の穴を含んでおり、前記複数の穴の各々は、前記チューブボリュームに位置する如何なる空気も前記チューブボリュームから出ることを可能にするために、前記内面から前記外面へ延在するとともに前記第1のチューブ端と前記第2のチューブ端との間に位置しており、前記コロナ放電点火器アセンブリはさらに、
前記第1のチューブ端と前記第2のチューブ端との間に配置され、かつ、前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間に気密封止を提供するために前記チューブボリュームを充填するラバーブーツを含み、
前記ラバーブーツは前記第1のチューブ端と前記点火コイルアセンブリとの間に気密封止を提供し、
前記ラバーブーツは前記第2のチューブ端と前記着火端アセンブリの前記金属シェルとの間に気密封止を提供しており、
前記ラバーブーツは前記チューブボリュームより大きいブーツボリュームを有しており、
前記ラバーブーツは、前記点火コイルアセンブリと、前記着火端アセンブリと、前記金属チューブとの間で圧縮されており、前記点火コイルアセンブリによる前記ラバーブーツに対する圧縮と前記着火端アセンブリによる前記ラバーブーツに対する圧縮とは対称的であり、
前記ラバーブーツの部分は前記金属チューブの前記穴の中に延在しており、
前記ラバーブーツはシリコーンゴムから形成されており、
前記ラバーブーツは、前記点火コイルアセンブリに係合する第1のブーツ端から前記着火端アセンブリに係合する第2のブーツ端に前記中心軸に沿って長手方向に延在しており、
前記ラバーブーツは前記第1のブーツ端と前記第2のブーツ端との間の円筒形状を提供する外面を含んでおり、
前記ラバーブーツは、前記第1のブーツ端と前記第2のブーツ端との間に材料のブロックを含むボディ部分を含んでおり、
前記ラバーブーツは、円錐形状を有するとともに、前記第1のブーツ端から前記ブーツボディ部分に隣接して配置される第1のベース表面に前記中心軸に沿いかつ前記中心軸に向かってテーパする第1のブーツ壁を提供しており、前記第1のブーツ壁は前記中心軸に対して対称であり、前記第1のベース表面は前記中心軸に対して垂直に延在しており、前記第1のブーツ壁は前記第1のベース表面に対して第1のブーツ角度にて配置されており、前記第1のベース表面は第1の所定の形状および第1の所定のエリアを提供しており、
前記ラバーブーツの前記第1のブーツ角度は、前記ラバーブーツを圧縮する場合に如何なる空気も前記チューブボリュームから押し出されることを可能にするために、前記点火コイルアセンブリの前記コイル出力部材の前記第1のキャップ角度よりも大きく、
前記ラバーブーツの前記第1のベース表面の前記所定の形状および前記所定のエリアは前記コイル出力部材の前記第1の端壁の前記所定の形状および前記所定のエリアは等しく、
前記ラバーブーツは、円錐形状を有するとともに、前記第2のブーツ端から前記ブーツボディ部分に隣接して配置される第2のベース表面に前記中心軸に沿いかつ前記中心軸に向かってテーパする第2のブーツ壁を提供しており、前記第2のブーツ壁は前記中心軸に対して対称であり、前記第2のベース表面は前記中心軸に対して垂直に延在しており、前記第2のブーツ壁は、前記第2のベース表面に対して第2のブーツ角度にて配置されており、前記第2のベース表面は第2の所定の形状および第2の所定のエリアを提供しており、
前記ラバーブーツの前記第2のブーツ角度は、前記ラバーブーツを圧縮する場合に如何なる空気も前記チューブボリュームから押し出されることを可能にするために、前記点火コイルアセンブリの前記絶縁体の前記第2のキャップ角度より大きく、
前記ラバーブーツの前記第2のベース表面の前記所定の形状および前記所定のエリアは前記絶縁体の前記第2の端壁の前記所定の形状および前記所定のエリアに等しく、
前記第2のブーツ角度は前記第1のブーツ角度に等しく、前記第2のベース表面の前記第2の所定の形状は前記第1のベース表面の前記第1の所定の形状に等しく、前記第2のベース表面の前記第2の所定のエリアは、前記ラバーブーツの対称な圧縮を可能にするために前記第1のベース表面の前記第1の所定のエリアに等しく、
前記ラバーブーツは、前記電極から前記着火端アセンブリに延在する前記電気端子を受け入れるための、前記第1のベース表面から前記第2のベース表面に延在するチャネルを含む、コロナ放電点火器アセンブリ。
【請求項13】
コロナ点火器アセンブリを製造する方法であって、
点火コイルアセンブリおよび着火端アセンブリを提供することと、
前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間にラバーブーツを配置することと、
少なくとも1つの穴を含む金属チューブの第1のチューブ端を前記点火コイルアセンブリに取り付けるとともに、前記着火端アセンブリに前記金属チューブの第2のチューブ端を取り付けることと、
前記金属チューブの内面が第1のチューブ端と第2のチューブ端との間に、前記点火コイルアセンブリおよび前記着火端アセンブリによって占められないスペースを含むチューブボリュームを提供するように、前記ラバーブーツのまわりと、前記点火コイルアセンブリの少なくとも部分のまわりと、前記着火端アセンブリの少なくとも部分のまわりとに前記金属チューブを配置することと、
前記ラバーブーツが前記チューブボリュームを充填するとともに前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間に気密封止を提供するように前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間で前記ラバーブーツを圧縮することとを含む、方法。
【請求項14】
前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間に前記ラバーブーツを圧縮するステップは、前記金属チューブの前記少なくとも1つの穴を通るように空気を押すことによって前記チューブボリュームから前記空気を除去することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間で前記ラバーブーツを圧縮するステップは、前記金属チューブの前記少なくとも1つの穴の中に前記ラバーブーツの部分を押すことを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記点火コイルアセンブリと前記着火端アセンブリとの間で前記ラバーブーツを圧縮するステップは、前記ラバーブーツを対称的に圧縮することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記ラバーブーツのまわりと、前記点火コイルアセンブリの少なくとも部分のまわりと、前記着火端アセンブリの少なくとも部分のまわりとに前記金属チューブを配置するステップは、
前記チューブ端のうちの1つを通って前記金属チューブの中に前記着火端アセンブリの絶縁体を挿入することと、
前記チューブ端のうちの1つを通って前記金属チューブの中に前記ラバーブーツを挿入し、かつ、前記着火端アセンブリ上に前記ラバーブーツを配置することと、
前記ラバーブーツと同じチューブ端を通って前記金属チューブの中に前記点火コイルアセンブリのコイル出力部材を挿入し、かつ、前記ラバーブーツ上に前記コイル出力部材を配置することとを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記点火コイルアセンブリに前記第1のチューブ端を取り付け、かつ、前記着火端アセンブリに前記第2のチューブ端を取り付けるためにナットが使用される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願番号第61/787,406号の利益を請求しており、その全内容は本願明細書において全文参照により援用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
この発明は一般に、コロナ点火アセンブリと、コロナ点火アセンブリを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
コロナ放電点火システムは、典型的に、単一の構成要素として互いに取り付けられる着火端アセンブリおよび点火コイルアセンブリを有するコロナ点火器アセンブリを含む。着火端アセンブリは、高い無線周波数電圧電位に帯電される中央電極を含んでおり、燃焼室において強い無線周波数電界を作り出す。この電界により、燃焼室における空燃混合気の一部がイオン化し、絶縁破壊を開始し、当該空燃混合気の燃焼を促進する。当該電界は好ましくは、空燃混合気が誘電特性を維持するとともに、非熱プラズマとも呼ばれるコロナ放電が発生するように制御される。空燃混合気のイオン化された部分は、火炎前面を形成し、次いで当該火炎前面が自己持続するとともに、空燃混合気の残りの部分を燃焼する。さらに電界は好ましくは、電極と、接地されたシリンダ壁、ピストンまたは点火器の他の部分との間に熱プラズマおよび電気アークを作り出すすべての誘電特性を空燃混合気が失わないように制御される。理想的には、電界はさらに、コロナ放電がコロナ点火器アセンブリの他の部分に沿ってではなく単に着火端にて形成するように制御される。しかしながら、そのような制御は達成するのがしばしば難しい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの局面は、点火コイルアセンブリと、着火端アセンブリと、金属チューブと、ラバーブーツとを含むコロナ点火器アセンブリを提供する。点火コイルアセンブリは無線周波数電圧を受け取り、着火端アセンブリは点火コイルアセンブリからエネルギーを受け取る。着火端アセンブリはコロナ点火器を含んでおり、たとえば内燃機関の燃焼室において無線周波数電界を分配する。金属チューブは、点火コイルアセンブリに取り付けられる第1のチューブ端と着火端アセンブリに取り付けられる第2のチューブ端とを含む。金属チューブはさらに、点火コイルアセンブリの少なくとも部分および着火端アセンブリの少なくとも部分を取り囲む外面および対向する内面を含む。金属チューブの内面は第1のチューブ端と第2のチューブ端との間にチューブボリュームを提供する。チューブボリュームは点火コイルアセンブリおよび着火端アセンブリによって占められないスペースを含む。金属チューブは、空気がチューブボリュームから出ることを可能にするための、内面および外面を通って延在する少なくとも1つの穴をさらに含む。ラバーブーツは、チューブボリュームを充填するとともに点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間の気密封止を提供する。
【0005】
本発明の別の局面は、コロナ点火器アセンブリを製造する方法を提供する。上記方法は、点火コイルアセンブリおよび着火端アセンブリを提供するステップと、点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間にラバーブーツを配置するステップとを含む。上記方法はさらに、少なくとも1つの穴を含む金属チューブの第1のチューブ端を点火コイルアセンブリに取り付けるとともに、着火端アセンブリに金属チューブの第2のチューブ端を取り付けることを含む。金属チューブは、ラバーブーツのまわりと、点火コイルアセンブリの少なくとも部分のまわりと、着火端アセンブリの少なくとも部分のまわりとに配置される。金属チューブの内面は、第1のチューブ端と第2のチューブ端との間にチューブボリュームを提供しており、チューブボリュームは、点火コイルアセンブリおよび着火端アセンブリによって占められないスペースを含む。次に、上記方法は、ラバーブーツがチューブボリュームを充填するとともに点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間に気密封止を提供するように点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間でラバーブーツを圧縮することを含む。
【発明の効果】
【0006】
ラバーブーツが点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間で圧縮されると、ラバーブーツは、点火コイルアセンブリおよび着火端アセンブリの構成要素同士の間にて、金属チューブの中に捕捉される如何なる空気も、金属チューブの穴を通じてコロナ点火器アセンブリから押し出す。圧縮されたラバーブーツはさらに構成要素同士の間の如何なる接続も封止し、組立て公差によって作り出される如何なるエアギャップも充填する。したがって、ラバーブーツは、構成要素同士の間に捉えられる空気を高電圧および高周波数の電界がイオン化する場合に発生し得る望まれないコロナ放電を着火端アセンブリおよび点火コイルアセンブリの間に形成することを防止する。この望まれないコロナ放電を防止することは、着火端に形成されるコロナ放電にエネルギーが方向付けられることを可能にし、これにより、コロナ点火器アセンブリの性能が向上する。
【0007】
本発明の他の利点は、以下の詳細な説明を参照して添付の図面に関連して考慮するとよりよく理解されるので、当該利点は容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の1つの例示的な実施形態に従った、組立位置にある点火コイルアセンブリおよび着火端アセンブリを含むコロナ点火器アセンブリの斜視図である。
【
図1A】アセンブリの金属チューブの穴を通って延在する圧縮されたラバーブーツを示す、
図1のコロナ点火器アセンブリの部分の拡大図である。
【
図2】着火端アセンブリに点火コイルアセンブリを接続する電気端子を示す、
図1のコロナ点火器アセンブリの部分の拡大断面図である。
【
図3】
図1のコロナ点火器アセンブリの部分の拡大断面図である。
【
図4】金属チューブに着火端アセンブリを取り付けるために使用され得るロッキングナットの斜視図である。
【
図5】金属チューブに着火端アセンブリを取り付けるために使用され得るリテイニングナットの斜視図である。
【
図6】本発明の1つの例示的な実施形態に従ったラバーブーツの断面図である。
【
図7】点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間でラバーブーツを圧縮する前の本発明の別の例示的な実施形態に従ったコロナ点火器アセンブリの断面図である。
【
図8】ラバーブーツを圧縮する前の点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間に配置されるラバーブーツの断面図である。
【
図9】点火コイルアセンブリと着火端アセンブリとの間のラバーブーツを圧縮する前の
図1のコロナ点火器アセンブリの斜視図である。
【
図9A】ラバーブーツが金属チューブの穴を通って延在しない
図9のコロナ点火器アセンブリの部分の拡大断面図である。
【
図10】ラバーブーツを圧縮する前の
図9のコロナ点火器アセンブリの部分の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施可能な実施形態の説明
コロナ放電を提供するよう、高い無線周波数電圧を受け取るとともに、燃料およびガスの混合物を含む燃焼室において無線周波数電界を分配するためのコロナ点火器アセンブリ20が
図1に概略的に示される。コロナ点火器アセンブリ20は、点火コイルアセンブリ22と、着火端アセンブリ24と、点火コイルアセンブリ22を取り囲み点火コイルアセンブリ22を着火端アセンブリ24に結合する金属チューブ26と、構成要素同士の間の如何なるエアギャップも充填することによって如何なる望まれないコロナ放電も当該エアギャップにおいて形成するのを防止するよう点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間で圧縮されるラバーブーツ28とを含む。
【0010】
点火コイルアセンブリ22は典型的に、電源から高い無線周波数電圧を受け取るとともにエネルギーを格納する複数の巻線を含む。点火コイルアセンブリ22は、中心軸Aに沿って延在しており、着火端アセンブリ24にエネルギーを伝達するためのコイル出力部材30を含む。
図2に示されるように、コイル出力部材30は、中心軸Aに向かって第1の端壁34へとテーパする円錐形を有する第1の側壁32を提供する。第1の側壁32はさらに、着火端アセンブリ24に向かって中心軸Aに沿って長手方向に延在する。第1の側壁32は典型的に中心軸Aに対して対称であり、第1の端壁34は中心軸Aに対して垂直に延在する。さらに
図2に示されるように、第1の側壁32は、第1の端壁34に対して第1のキャップ角度α
c1にて配置される。第1の端壁34は、円形形状のような第1の所定の形状と第1の所定エリアとを提供する。
【0011】
図2および
図3に最もよく示されるように、着火端アセンブリ24は、点火コイルアセンブリ22からエネルギーを受け取るとともに燃焼室において無線周波数電界を分配するためのコロナ点火器36を含む。コロナ点火器36は、電極38と、金属シェル40と、金属シェル40から間隔を空けて電極38を配置する絶縁体42とを含む。電極38は、端子端43から着火端44に中心軸Aに沿って長手方向に延在する。例示的な実施形態において、電極38は着火端44にてクラウン46を含む。クラウン46は、無線周波数電界を分配するとともに堅牢なコロナ放電を形成するための、中心軸Aに対して半径方向外方に延在する複数のブランチ48を含む。
【0012】
絶縁体42は、セラミック材料から典型的に形成されており、第2の端壁50からクラウン46に隣接する絶縁体着火端52に中心軸Aに沿って延在する。例示的な実施形態において、クラウン46は絶縁体着火端52に対して外方に配置されており、絶縁体42は電極38を受け入れる絶縁体孔54を含む。
図2に示されるように、絶縁体42は、コイル出力部材30の第1の端壁34および第1の側壁32のサイズおよび形状と好ましくは鏡面対称である、第2の端壁50と円錐形状を有する第2の側壁56とを提供する。この実施形態において、第2の側壁56は中心軸Aに向かって第2の端壁50へテーパする円錐形状を有する。第2の側壁56はさらに、点火コイルアセンブリ22に向かって中心軸Aに沿って長手方向に延在する。第2の側壁56は中心軸Aに対して典型的に対称であり、第2の端壁50は中心軸Aに対して垂直に延在する。
図2に示されるように、第2の側壁56は、第2の端壁50に対して第2のキャップ角度α
c2にて配置される。第2の端壁50は、円形形状のような第2の所定の形状と第2の所定のエリアとを提供する。好ましくは、第2のキャップ角度α
c2は第1のキャップ角度α
c1と等しく、第2の所定の形状はコイル出力部材30の第1の所定の形状と同じであり、第2の所定のエリアはコイル出力部材30の第1の所定のエリアと等しい。絶縁体42の形状およびコイル出力部材30の形状はさまざまな異なる形状を含み得るが、好ましくはラバーブーツ28が圧縮下に置かれる場合にすべての空気が組み付けの間に流れ出ることを可能にするように設計される。
【0013】
着火端アセンブリ24はさらに、
図2に示されるように、点火コイルアセンブリ22に着火端アセンブリ24の電極38を電気的に接続するための電気端子58を含んでおり、電気端子58は絶縁体孔54に受け入れられるとともに電極38から点火コイルアセンブリ22に延在する。着火端アセンブリ24の金属シェル40は電極38および絶縁体42を取り囲む。
【0014】
コロナ点火器アセンブリ20は、着火端アセンブリ24に点火コイルアセンブリ22を結合する金属チューブ26をさらに含む。金属チューブ26は、点火コイルアセンブリ22のコイル出力部材30の少なくとも一部と、着火端アセンブリ24の絶縁体42の少なくとも一部とを取り囲む。コイル出力部材30の第1の端壁34および第1の側壁32と、絶縁体42の第2の端壁50および第2の側壁56とは好ましくは金属チューブ26に含まれる。金属チューブ26は典型的にアルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されるが、他の材料から形成されてもよい。
【0015】
図1に示される例示的な実施形態において、金属チューブ26は、点火コイルアセンブリ22に取り付けられる第1のチューブ端60から着火端アセンブリ24に取り付けられる第2のチューブ端62に延在する。第1のチューブ端60は、コイル出力部材30に沿って点火コイルアセンブリ22に取り付けられており、第2のチューブ端62は金属シェル40に取り付けられている。点火コイルアセンブリ22および着火端アセンブリ24に金属チューブ26を取り付けるためにさまざまな異なる技術が使用され得る。例示的な実施形態において、点火コイルアセンブリ22に第1のチューブ端60を接続するためにナット64が使用され、着火端アセンブリ24に第2のチューブ端62を接続するために2つのナット64が使用される。
図4に示されるようなロッキングナット64(a)が金属チューブ26の第2のチューブ端62上にねじ込められ、
図5に示されるようなリテイニングナット64(b)が着火端アセンブリ24のシェル40に事前に取り付けられて、ロッキングナット64に固定されるシェル40を保持する。金属チューブ26はさらに、内面66および対向する外面68を含んでおり、これらは各々第1のチューブ端60と第2のチューブ端62との間に円筒形状を提供する。
【0016】
金属チューブ26の内面66は、第1のチューブ端60と第2のチューブ端62との間にチューブボリュームを提供する。このチューブボリュームは、点火コイルアセンブリ22および着火端アセンブリ24によって占められない任意のスペースを含む。ラバーブーツ28が点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間に配置されない場合、チューブボリュームは空気または別のガスで充填される。ラバーブーツ28が点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間に配置された後であるが点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間でラバーブーツ28を圧縮する前であっても、チューブボリュームの一部は典型的に空気で充填される。金属チューブ26はさらに少なくとも1つの穴70を含むが、好ましくは、内面66から外面68へ各々延在するとともに第1のチューブ端60と第2のチューブ端62との間に位置する複数の穴70を含む。これらの穴70は、ラバーブーツ28が点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間で圧縮される場合に如何なる空気もチューブボリュームから出ることを可能にする。穴70の位置は、較正されるとともに、コロナ点火器アセンブリ20の構成要素のサイズおよび形状に依存する。
【0017】
ラバーブーツ28は、金属チューブ26の第1のチューブ端60と第2のチューブ端62との間に配置され、その後、点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24と金属チューブ26との間で圧縮されてチューブボリュームを充填するとともに点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24と金属チューブ26との間に気密封止を提供する。ラバーブーツ28はさらに、第1のチューブ端60と点火コイルアセンブリ22との間および第2のチューブ端62と着火端アセンブリ24の金属シェル40との間に気密封止を提供する。
【0018】
点火コイルアセンブリ22および着火端アセンブリ24によってラバーブーツ28に加えられる圧縮は中心軸Aに対して好ましくは対称的である。気密封止を提供するために、ラバーブーツ28は、チューブボリュームより大きいブーツボリュームを有しており、ラバーブーツ28の一部は、金属チューブ26の穴70の中に延在するかまたは穴70を通るよう延在する。ラバーブーツ28が圧縮されると、金属チューブ26に残る如何なる空気も穴70を通ってチューブボリュームから出ることになる。したがって、ラバーブーツ28は、点火コイルアセンブリ22と金属チューブ26と着火端アセンブリ24との間の接続を封止する。ラバーブーツ28は、たとえば組立て公差によって作り出されたエアギャップまたはクリアランスといった如何なるエアギャップまたはクリアランスも充填する。したがって、圧縮されたラバーブーツ28は動作の間に、典型的にエアギャップに形成する望まれないコロナ放電を防止する。
【0019】
例示的な実施形態において、ラバーブーツ28は、シリコーンゴムから形成されるが、別のタイプのゴムまたは別のタイプの弾力性材料もしくは弾性材料から形成され得る。さらに、当該設計のラバーブーツ28は、フレキシブルであり、さまざまな異なる形状を含み得る。したがって、さまざまな異なる設計の点火コイルアセンブリ22および着火端アセンブリ24がラバーブーツ28と共に使用され得る。ラバーブーツ28を設計する場合に考慮されるべき可変性ファクタは、着火端アセンブリ24、点火コイルアセンブリ22および金属チューブ26の幾何公差と、ラバーブーツ28の製造についてのプロセス公差と、ラバーブーツ28の熱膨張とを含む。
【0020】
例示的な実施形態において、ラバーブーツ28は、点火コイルアセンブリ22に係合する第1のブーツ端72から着火端アセンブリ24に係合する第2のブーツ端74に中心軸Aに沿って長手方向に延在する。ラバーブーツ28は、第1のブーツ端72と第2のブーツ端74との間に円筒形状を提供する外面76と、第1のブーツ端72と第2のブーツ端74との間に材料のブロックを含むボディ部分78とを含む。チャネル80は、電極38から点火コイルアセンブリ22に延在する電気端子58を受け入れるために、第1のブーツ端72と第2のブーツ端74との間を延在する。
【0021】
例示的な実施形態において、ラバーブーツ28は、
図6に最もよく示されるように、円錐形状を有するとともに第1のブーツ端72から第1のベース表面84まで中心軸Aに沿いかつ中心軸Aに向かってテーパする第1のブーツ壁82を提供する。第1のブーツ壁82は、第1のベース表面84に対して第1のブーツ角度α
b1にて配置される。
図7に最もよく示されるように、第1のブーツ壁82はコイル出力部材30の第1の側壁32に沿って延在しており、第1のベース表面84はコイル出力部材30の第1の端壁34に沿って延在する。第1のブーツ角度α
b1は、ラバーブーツ28を圧縮すると、如何なる捕捉された空気も容易にチューブボリュームから押し出され得るようにコイル出力部材30の第1のキャップ角度α
c1よりわずかに大きい。さらに第1のブーツ壁82は好ましくは、ラバーブーツ28が圧縮される場合に、圧縮が対称であるとともに、ラバーブーツ28が、点火コイルアセンブリ22と、金属チューブ26と、着火端アセンブリ24との間のすべてのエリアを効果的に封止するように、中心軸Aに対して対称である。ラバーブーツ28の第1のベース表面84は、ブーツボディ部分78に隣接して配置されるとともに、中心軸Aに対して垂直に延在する。第1のベース表面84は、第1の所定の形状および第1の所定のエリアを提供する。ラバーブーツ28の第1のベース表面84の第1の所定の形状および第1の所定のエリアは、コイル出力部材30の第1の端壁34の第1の所定の形状および第1の所定のエリアと好ましくは等しい。
【0022】
ラバーブーツ28はさらに、円錐形状を有するとともに第2のブーツ端74から第2のベース表面88へと中心軸Aに沿いかつ中心軸Aに向かってテーパする第2のブーツ壁86を提供する。第2のブーツ壁86は、第2のベース表面88に対して第2のブーツ角度α
b2にて配置される。
図6に最もよく示されるように、第2のブーツ壁86は絶縁体42の第2の側壁56に沿って延在し、第2のベース表面88は絶縁体42の第2の端壁50に沿って延在する。第2のブーツ角度α
b2は、ラバーブーツ28を圧縮すると、如何なる捕捉された空気も容易にチューブボリュームから圧縮され得るようにコイル出力部材30の第2のキャップ角度α
c2よりわずかに大きい。さらに第2のブーツ壁86は好ましくは、ラバーブーツ28が圧縮される場合に、圧縮が対称であるとともに、ラバーブーツ28が、点火コイルアセンブリ22と、金属チューブ26と、着火端アセンブリ24との間のすべてのエリアを効果的に封止するように、中心軸Aに対して対称である。ラバーブーツ28の第2のベース表面88はさらに、ブーツボディ部分78に隣接して配置され、第1のベース表面84に対向し、かつ、中心軸Aに対して垂直に延在する。例示的な実施形態において、ラバーブーツ28のチャネル80は、第1のベース表面84から第2のベース表面88に延在する。第2のベース表面88は第2の所定の形状および第2の所定のエリアを提供する。ラバーブーツ28の第2のベース表面88の第2の所定の形状および第2の所定のエリアは、絶縁体42の第2の端壁50の第2の所定の形状および第2の所定のエリアと好ましくは等しい。さらに、対称な圧縮は、第1のブーツ角度α
b1と等しい第2のブーツ角度α
b2を形成し、第1のベース表面84の第1の所定の形状と等しい第2のベース表面88の第2の所定の形状を形成し、第1のベース表面84の第1の所定のエリアと等しい第2のベース表面88の第2の所定のエリアとを形成することにより達成される。
【0023】
本発明の別の局面は、点火コイルアセンブリ22、着火端アセンブリ24、金属チューブ26およびラバーブーツ28を含むコロナ点火器アセンブリ20を製造する方法を提供する。この方法はまず、点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間にラバーブーツ28を配置することを含む。
図8は、圧縮の前の点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間に配置されるラバーブーツ28の断面を示す。
【0024】
上記方法は次に、ラバーブーツ28のまわりと、点火コイルアセンブリ22の少なくとも部分のまわりと、着火端アセンブリ24の少なくとも部分のまわりとに金属チューブ26を配置することを含む。このステップはまず典型的に、第2のチューブ端62を介して金属チューブ26に絶縁体42の第2の端壁50を挿入することを含む。次に、上記方法は、第1のチューブ端60を介して金属チューブ26にラバーブーツ28を挿入することと、絶縁体42の第2の端壁50上にラバーブーツ28の第2のベース表面88を配置することとを含む。上記方法はさらに、第1のチューブ端60を介して金属チューブ26へ点火コイルアセンブリ22のコイル出力部材30を挿入することと、コイル出力部材30の第1の端壁34をラバーブーツ28の第1のベース表面84上に配置することとを含む。この時点では、ラバーブーツ28は圧縮されておらず、点火コイルアセンブリ22、着火端アセンブリ24またはラバーブーツ28によって占められない如何なるスペースも空気で充填される。
【0025】
この方法はさらに、点火コイルアセンブリ22に金属チューブ26の第1のチューブ端60を取り付けることと、着火端アセンブリ24に金属チューブ26の第2のチューブ端62を取り付けることとを含む。上で論じたように、リテイニングナット64(b)は、着火端アセンブリ24の金属シェル40にあらかじめ取り付けられ得、ロッキングナット64(a)は金属チューブ26上にねじ込められ得、2つのナット64(a),64(b)は着火端アセンブリ24の金属シェル40に金属チューブ26を接続するよう一緒に連結され得る。ナット64も、点火コイルアセンブリ22に第2のチューブ端62を接続するよう使用され得る。
【0026】
上記方法は次に、ラバーブーツ28がチューブボリュームを充填するとともに点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間に気密封止を提供するように点火コイルアセンブリ22のコイル出力部材30と着火端アセンブリ24の絶縁体42との間でラバーブーツ28を圧縮することを含む。
図9、
図9Aおよび
図10は、ラバーブーツ28を圧縮する前のコロナ点火器アセンブリ20を示しており、ラバーブーツ28の部分は金属チューブ26の穴70を通って延在しない。ラバーブーツ28を圧縮するために、ボルトを有する圧縮フレームが均一な圧力を加えるよう典型的に点火コイルアセンブリ22に取り付けられる。点火コイルアセンブリ22と着火端アセンブリ24との間でラバーブーツ28を圧縮するステップは、金属チューブ26の穴70を介して空気を押すことによってチューブボリュームから空気を除去することと、次いで金属チューブ26の穴70の中へラバーブーツ28の部分を押すかまたは穴70を通るようラバーブーツ28の部分を押すこととを含む。好ましくはラバーブーツ28は、構成要素同士の間の確実な封止を実証するために中心軸Aに対して対称的に圧縮される。
【0027】
上記の教示に鑑みて、添付の特許請求の範囲内で、本発明の多くの修正例および変形例が可能であり、具体的に記載されたのとは異なる態様で実施されてもよいことは明らかである。