【実施例】
【0037】
表3に示す配合剤を共通配合とし、表1,2に示す配合からなる20種類のタイヤサイドウォール用ゴム組成物(実施例1〜12、比較例1〜8)を、硫黄及び加硫促進剤を除く成分を、1.7Lの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練したマスターバッチを放出し室温冷却させた。このマスターバッチを1.7Lの密閉式バンバリーミキサーに戻し硫黄及び加硫促進剤を加えて混合することにより、タイヤサイドウォール用ゴム組成物を調製した。なお表3に記載した配合剤の配合量は、表1,2に記載したジエン系ゴム100重量部に対する重量部で示した。
【0038】
得られた20種類のゴム組成物を所定の金型中で、170℃で10分間プレス加硫してタイヤサイドウォール用ゴム組成物からなる試験片を作製した。得られた試験片の耐白化性、耐茶変性および耐オゾン性を、以下の方法で評価した。
【0039】
耐白化性
得られた試験片を1週間静置して状態調節した後、試験片の表面を目視で観察し、白化の状態を以下の判定基準に基づき5段階で評価した。得られた結果を、表1,2の「耐白化性」の欄に示した。この指数が大きいほど耐白化性が優れ、白化しにくいことを意味する。
5:試験片の表面に白化が全く認められない。
4:試験片の表面に白化がほとんど認められない。
3:試験片の表面に白化が認められない。
2:試験片の表面に白化が部分的または軽度に認められる。
1:試験片の表面に白化が全体的に認められる。
【0040】
耐茶変性
得られた試験片を40℃で、2週間静置して状態調節した後、試験片の表面の色調(L
*a
*b
*)を、JIS Z8729に従って、CIE 1976(L
*,a
*,b
*)色空間における黄色と青色軸のb
*値(正の値は黄色寄り)を求め、表1,2の「耐茶変性」の欄に示した。この指数が3以下で小さいほど耐茶変性が優れることを意味する。
【0041】
耐オゾン性
得られた試験片からJIS K6251に準拠したJIS3号ダンベル型試験片を切り出した。この試験片を20%伸長させ、オゾン濃度50pphm、40℃で24時間オゾン劣化させた後、試験片表面の亀裂(オゾンクラック)の有無を目視で評価した。得られた結果は、オゾンクラックの有無を表1の「耐オゾン性」の欄に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
なお、表1,2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、SIR−20
・BR:ブタジエンゴム、日本合成ゴム社製Nipol BR1220
・EPDM:エチレンプロピレンジエンゴム、住友化学社製エスプレン505A
・アミン系老化防止剤:N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、精工化学社製オゾノン6C
・パラフィンワックス:炭素数20〜50のパラフィンワックス、大内新興化学工業社製サンノックN
【0045】
ポリアルキレングリコールカルボン酸アルキルエステル(表1,2に記載のエステル1〜11)は、それぞれ以下の製造方法により調製したものを使用した。
・エステル1:C
5H
11−COO−(C
2H
4O)
3−CH
3、HLB=10.1
5Lの四つ口フラスコに、カプロン酸メチル(純正化学社製)1432gと、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(商品名「MTG」、日本乳化剤社製)1724gと、テトライソプロポキシチタネート(TPT)触媒4.5gとを仕込み、窒素置換を行った。その後、窒素を1mL/分の流量で流通させながら、液温が140℃になるまで昇温してエステル交換反応を行い、反応により生成したメタノールを蒸留により除去した。メタノールを除去した後、さらに1.0kPaまで徐々に減圧しながら160℃になるまで昇温し、未反応のカプロン酸メチルとトリエチレングリコールモノメチルエーテルを3%以下として粗製物(1A)を得た。
次いで、粗製物(1A)1500gに対し、キョーワード500SHを30g添加し、液温を100℃に維持しつつ1時間攪拌し、触媒の吸着処理を行った。その後、さらにろ過助剤としてハイフロスーパーセルを7.5g添加し、10分攪拌して均一に分散させた後、80℃で加圧ろ過を行うことでエステル1を得た。
【0046】
・エステル2:C
11H
23−COO−(C
2H
4O)
3−CH
3、HLB=7.6
カプロン酸メチルに換えて、ラウリン酸メチル(商品名「パステルM12」、ライオン社製)の仕込み量を1714g、トリエチレングリコールモノメチルエーテルの仕込み量を1313gにしたこと、エステル交換反応温度を190℃にしたこと、およびメタノールを除去した後1.0kPaまで徐々に減圧しながら200℃になるまで昇温したこと以外はエステル1と同様にしてエステル2を得た。
【0047】
・エステル3:C
19H
39−COO−(C
2H
4O)
3−CH
3、HLB=5.8
カプロン酸メチルに換えて、アラキジン酸メチル(東京化成工業社製)の仕込み量を2128g、トリエチレングリコールモノメチルエーテルの仕込み量を985gにしたこと、エステル交換反応温度を190℃にしたこと、およびメタノールを除去した後1.0kPaまで徐々に減圧しながら200℃になるまで昇温したこと以外はエステル1と同様にしてエステル3を得た。
【0048】
・エステル4:C
11H
23−COO−(C
2H
4O)
7−CH
3、HLB=11.8
2.5MgO・Al
2O
3・nH
2Oなる化学式を持つ水酸化アルミナ・マグネシア(協和化学工業製キョーワード300SN)を窒素気流下、750℃で3時間焼成し、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(Al/Mgモル比=0.44/0.56)触媒を得た。4Lオートクレーブに、ラウリン酸メチル535.7gと、得られた触媒7.2gを仕込み、窒素置換を行った。次に、180℃まで昇温して、窒素により反応缶内を常圧に戻し、エチレンオキサイド770g(ラウリン酸メチル1モルに対して7モル相当)を徐々に容器内へ導入した。導入終了直後、0.34MPaであった圧力が反応進行とともに低下し、2時間後に圧力0.29MPaで一定となるまでEO付加反応を継続して行った。得られた粗製物1B 1305gにハイフロスーパーセル(セライト社製:珪藻土)19.6g(粗製物1Bに対し1.5%)を添加し、均一に分散させた後、80℃で加圧ろ過を行ってエステル4を得た。
【0049】
・エステル5:C
11H
23−COO−(C
3H
7O)
3−CH
3
カプロン酸メチルに換えてラウリン酸メチル1105gを仕込み、トリエチレングリコールモノメチルエーテルに換えてトリプロピレングリコールメチルエーテル(商品名「MFTG」、日本乳化剤社製)1032gを用いたこと、160℃になるまで昇温してエステル交換反応を行ったこと、およびメタノールを除去した後1.0kPaまで徐々に減圧しながら185℃になるまで昇温したこと以外はエステル1と同様にしてエステル5を得た。
【0050】
・エステル6:C
3H
7−COO−(C
2H
4O)
3−CH
3、HLB=11.3
ラウリン酸メチルに換えて酪酸メチル(東京化成工業社製)の仕込み量を613g、エチレンオキサイドの仕込み量を792gとした以外はエステル4と同様にエステル6を得た。
【0051】
・エステル7:C
11H
23−COO−(C
2H
4O)
10.6−CH
3、HLB=13.7
カプロン酸メチルに換えてラウリン酸メチル900gを仕込み、トリエチレングリコールモノメチルエーテルに換えて、平均分子量500のポリエチレングリコールモノメチルエーテル(商品名「Pluriol A 500E」、BASF社製)2100gを用いたこと、170℃になるまで昇温してエステル交換反応を行ったこと、およびメタノールを除去した後1.0kPaまで除々に減圧しながら185℃になるまで昇温したこと以外はエステル1と同様にしてエステル7を得た。
【0052】
・エステル8:C
11H
23−COO−CH
3
エステル8としてラウリン酸メチルを使用した。
【0053】
・エステル9:C
11H
23−COO−(C
2H
4O)
3−C
2H
5、HLB=7.3
カプロン酸メチルに換えてラウリン酸メチル1714gを仕込み、トリエチレングリコールモノメチルエーテルに換えてトリエチレングリコールエチルエーテル(東京化成工業社製)1426gを用いたこと、160℃になるまで昇温してエステル交換反応を行ったこと、およびエタノールを除去した後1.0kPaまで徐々に減圧しながら185℃になるまで昇温した以外はエステル1と同様にしてエステル9を得た。
【0054】
・エステル10:C
17H
22−COO−(C
2H
4O)
5−CH
3、HLB=8.5
ラウリン酸メチルに換えてオレイン酸メチル(商品名「パステルM182」、ライオン社製)の仕込み量を771g、エチレンオキサイドの仕込み量を572gにした以外はエステル4と同様にしてエステル10を得た。
【0055】
・エステル11:C
11H
23−COO−(C
2H
4O)
3−CH
3、HLB=7.6
カプロン酸メチルに換えてラウリン酸(東京化成工業社製)を1763g、トリエチレングリコールモノメチルエーテルを1445g、エステル化触媒としてp−トルエンスルホン酸を5.0g仕込んだこと、次いで、攪拌しながら170℃まで昇温し、副生成物である水を除去した後、200℃まで昇温しながら0.6kPaまで減圧したこと以外はエステル1と同様に行い、エステル11を得た。
【0056】
【表3】
【0057】
表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・カーボンブラック、キャボットジャパン社製ショウブラック、N550
・アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・酸化亜鉛:正同化学社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸YR
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤:大内新興化学社製ノクセラーCZ−G
【0058】
表1,2から明らかなように実施例1〜12のタイヤサイドウォール用ゴム組成物は、良好な耐オゾン性を確保しながら、耐白化性および耐茶変性に優れることが確認された。
【0059】
表1から明らかなように比較例1のゴム組成物は、エステル化合物を配合しなかったので、耐白化性および耐茶変性が実施例1〜12のゴム組成物と比べ劣る。
【0060】
比較例2のゴム組成物は、エステル1(ポリアルキレングリコールカルボン酸アルキルエステル)の配合量が0.2重量部未満であったので、耐白化性および耐茶変性を改良することができない。
【0061】
比較例3のゴム組成物は、エステル1(ポリアルキレングリコールカルボン酸アルキルエステル)の配合量が5重量部を超えたので、耐白化性を十分に改良することができない。
【0062】
比較例4のゴム組成物は、配合したエステル6(ポリアルキレングリコールカルボン酸アルキルエステル)の一般式(I)のR
1の炭素数が5未満であるので、耐白化性および耐茶変性を十分に改良することができない。
【0063】
比較例5のゴム組成物は、配合したエステル7(ポリアルキレングリコールカルボン酸アルキルエステル)の一般式(I)のnが8を超えるので、耐白化性および耐茶変性を十分に改良することができない。
【0064】
比較例6のゴム組成物は、配合したエステル8(ポリアルキレングリコールカルボン酸エステル)の一般式(I)のnが1未満、すなわちオキシアルキレン基(R
2O)を有しないので、耐白化性および耐茶変性を改良することができない。
【0065】
比較例7のゴム組成物は、ジエン系ゴム中の天然ゴムの含有量が20重量%未満、ブタジエンゴムの含有量が80重量%を超えるので、耐白化性および耐茶変性を改良することができない。
【0066】
比較例8のゴム組成物は、ジエン系ゴム中の天然ゴムの含有量が80重量%を超え、ブタジエンゴムの含有量が20重量%未満であるので、耐茶変性を改良することができない。