(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297162
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】音波メタマテリアル
(51)【国際特許分類】
G10K 11/02 20060101AFI20180312BHJP
G10K 11/08 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
G10K11/02 140
G10K11/08
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-554216(P2016-554216)
(86)(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公表番号】特表2017-506768(P2017-506768A)
(43)【公表日】2017年3月9日
(86)【国際出願番号】KR2014006857
(87)【国際公開番号】WO2015129969
(87)【国際公開日】20150903
【審査請求日】2016年9月2日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0023953
(32)【優先日】2014年2月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516149457
【氏名又は名称】韓国機械研究院
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF MACHINERY & MATERIALS
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】ソン キュンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ホ シン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヨンド
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム チェド
【審査官】
堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0068383(US,A1)
【文献】
特表2003−513578(JP,A)
【文献】
特表2013−545119(JP,A)
【文献】
特表2012−519058(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/031778(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/02
G10K 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音波を増幅させる音波メタマテリアルであって、
所定の厚さを有し、上面と下面をそれぞれ有する複数のプレート100と、該プレート100の前記上面と下面の間に形成された複数の音波導波路110とを含み、
前記音波導波路110のそれぞれは、一定パターンで前記上面と下面を通り、前記上面と下面との間で連続的に延び、
互いに隣り合う前記プレート100は互いに離隔して配置され、前記音波導波路110が配置されていない空間が形成されていることを特徴とする、音波メタマテリアル。
【請求項2】
前記プレート100のそれぞれは矩形の板形態を有し、
互いに隣り合う2つのプレート100が一定距離離隔して前記2つのプレート100間に空間を形成することを特徴とする、請求項1に記載の音波メタマテリアル。
【請求項3】
前記2つのプレート100の側面および前記2つのプレート100間の空間を全て密閉させる密閉部200をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の音波メタマテリアル。
【請求項4】
前記プレート100のそれぞれは、その中心部に空間が形成されるように、所定の厚さを有する柱形状を有し、音波導波路110は前記柱形状の内側に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の音波メタマテリアル。
【請求項5】
前記プレート100のそれぞれは、その中心部に空間が形成されるように、所定の厚さおよび所定の幅を有する円形状を有し、
前記空間が筒状形状を形成するように、前記プレート100が垂直方向に積み重ねられることを特徴とする、請求項1に記載の音波メタマテリアル。
【請求項6】
前記音波導波路110の1つの長さの合計は、前記プレート100の1つの厚さよりも大きくなるように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の音波メタマテリアル。
【請求項7】
前記音波導波路110は、己字、W字、及びS字形状のうち、いずれか1つの形状であり、
互いに隣り合う前記音波導波路110は、前記プレート100の上面と下面の延びる方向に、互いに離隔して配置されることを特徴とする、請求項6に記載の音波メタマテリアル。
【請求項8】
前記プレート100は、金属、石材、木材、ガラス、セラミック、及びプラスチックのうちから選択される少なくともいずれか1つの材料で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の音波メタマテリアル。
【請求項9】
互いに隣り合うプレート100間の前記空間に備えられる音波ソース300をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の音波メタマテリアル。
【請求項10】
互いに隣り合うプレート100間の前記空間に備えられるディテクター400をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の音波メタマテリアル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は音波メタマテリアルに関し、より詳しくは、共振現象を用いて音波を増幅(amplifier)させることができる音波メタマテリアルに関する。
【背景技術】
【0002】
メタ物質(Metamaterial)は、波長より非常に小さな大きさに作った金属や誘電物質で設計されたメタ原子(meta atom)の周期的な配列でなされた仮想の物質である。これは、自然で発見できない一連の性質を有するように、とても細心に人工的に設計して作ったものである。周辺の空気より密度がより高いにもかかわらず、光を法線から遠ざかるように屈折させる。このような性質を音の屈折率と呼ぶ。英国のSir J. Pendryが音の屈折率の物質がスーパーレンズを作ることができるという論文発表(PRL、1999)の以後にメタ物質がそれを実現できるという事実のために台頭した分野である。音の屈折率だけでなく、国内でKAISTミン バン キ(Min_Bum_Ki)教授グループで2011年非常に高い屈折率を有するテラヘルツメタ物質を発表(Nature、2011)するなど、その研究に多くの潜在性を内包している。Transformation Opticsを利用すると、原理的には人々がいわゆる透明マントを作ることができるが、実現することはとても難しい。その理由には、3次元メタ物質を作ることが非常に難しくて(今まで2次元メタ物質を作ることに成功したが、そのサイズは切手サイズの数十億分の1程度で、非常に小さい)、visible周波数帯域での金属は非常にエネルギー消耗が甚だしい。現在、実験的に透明マント(cloaking)を具現した帯域はマイクロウェーブ帯域(GHz)である。
【0003】
メタ物質に含まれる各人工原子(メタ原子)は、メタ物質に印加された電磁気波または音波に対する応答として所定の特性を示す。
【0004】
結果的に、メタ物質は電磁気波または音波に対して自然界に存在しない任意の有効屈折率及び有効物質係数を有するように設計及び製作できる。その結果、このようなメタ物質は、サブ波長フォーカシング(subwavelength focusing)、負屈折(Negative refraction)、奇異な転送(extraordinary transmission)、見えないマント(invisibility cloaking)のような新たな現象を発生させる。
【0005】
現在の研究は以前の負屈折メタ物質を用いて波長以下イメージングを行うことよりはメタ物質を用いたいろいろなメタデバイス(meta-device)を作ることと、多様な物質と結合(グラフェン:Nature Materials、2012、Lee et al.)することなどがより活発である。
【0006】
韓国公開特許[10−2013−0105358]では、メタ物質のコイル基盤人工原子、これを含むメタ物質及び素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10−2013−0105358号(公開日付:2013年09月25日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、共振現象を用いて音波を増幅(amplifier)させることができる音波メタマテリアルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記したような目的を達成するための本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルは、音波を増幅させる音波メタマテリアルにおいて、一面と他面を貫通するように一定パターンの音波導波路110が多数形成されたプレート100;を含み、前記音波導波路110は、中心点、中心軸、または中心面を基準に一定間隔離隔して対向する形状に前記プレート100が備えられることを特徴とする。
【0010】
また、前記プレート100は板形態に形成され、2つのプレート100が一定距離離隔して水平に対向する形状であることを特徴とする。
【0011】
また、前記2つのプレート100の側面を全て密閉させる密閉部200;をさらに含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記プレート100は、中心軸を基準に一定領域空間が形成された柱形状であることを特徴とする。
【0013】
また、前記プレート100は、中心点を基準に一定領域空間が形成された球形状であることを特徴とする。
【0014】
また、前記音波導波路110は、前記プレート100の厚さより長く形成されることを特徴とする。
【0015】
また、前記音波導波路110は、己字、W字、及びS字形状のうち、いずれか1つの形状であることを特徴とする。
【0016】
また、前記プレート100は、金属、石材、木材、ガラス、セラミック、及びプラスチックのうちから選択される少なくともいずれか1つの材料で形成されることを特徴とする。
【0017】
また、プレート100が対向する空間、プレート100の中心軸に形成された空間、またはプレート100の中央に形成された空間に備えられる音波ソース300;をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
併せて、プレート100が対向する空間、プレート100の中心軸に形成された空間、または前記プレート100の中央に形成された空間に備えられるディテクター400;をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルによれば、音波導波路が対向する形状に形成されたプレートを用いて音波を局限させるための空間が音波導波路の間に形成されることによって、プレートの共振周波数と同一な周波数の音波を増幅させることができる効果がある。
【0020】
また、音波を局限させるための空間と外部を遮断させるための密閉部を備えることによって、特定周波数の音波をプレート間の空間に局限させる効果がより大きい。
【0021】
また、2つのプレートが一定距離離隔して水平に対向する形状の場合、プレートの平面に垂直な方向の音波をより大きく増幅させることができる効果がある。
【0022】
また、柱形状のプレートの場合、プレートの中心軸に垂直な方向の音波をより大きく増幅させることができる効果がある。
【0023】
また、球形状のプレートの場合、全ての方向から入る音波を増幅させることができる効果がある。
【0024】
また、導波路をプレートの厚さより長く形成することによって、増幅させようとする音波の波長に比べてプレートをより縮小させて製作することができる効果がある。
【0025】
また、音響に使われる硬い材質(acoustic hard wall)であれば、プレートを作る材料に使用できることによって、適用される分野によって多様な材質で製作可能な効果がある。
【0026】
また、音波を局限させるための空間(プレートの内部)に音波ソースを備えることによって、外部に放出する音波を増幅させて本来の音波ソースに比べてより大きい出力で音波を送ることができる効果がある。
【0027】
併せて、音波を局限させるための空間(プレートの内部)にディテクターを備えることによって、外部から流入する音波を増幅させて本来の音波に比べてより大きい出力で音波を感知することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る平板形態の音波メタマテリアルの斜視図である。
【
図4】
図1に密閉部が追加されることを示す分解斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る柱形態の音波メタマテリアルの概念図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る球形態の音波メタマテリアルの概念図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルの音波導波路を示す例示図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルの音波導波路を示す例示図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る音波ソースを含んだ音波メタマテリアルの例示図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るディテクターを含んだ音波メタマテリアルの例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明する。次に紹介される図面は当業者に本発明の思想が十分に伝達できるようにするために例として提供されるものである。したがって、本発明は以下に提示される図面に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。また、明細書の全般に亘って同一な参照番号は同一な構成要素を示す。図面中の同一な構成要素はできる限りどこでも同一な符号で示していることに留意しなければならない。また、使われる技術用語及び科学用語において、他の定義がなければ、この発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が通常的に理解している意味を有し、以下の説明及び添付図面で本発明の要旨を曖昧にすることがある公知機能及び構成に対する説明は省略する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態に係る平板形態の音波メタマテリアルの斜視図であり、
図2は
図1の正面図であり、
図3は
図2のAを拡大した拡大図であり、
図4は
図1に密閉部が追加されることを示す分解斜視図であり、
図5は本発明の一実施形態に係る柱形態の音波メタマテリアルの概念図であり、
図6は本発明の一実施形態に係る球形態の音波メタマテリアルの概念図であり、
図7及び
図8は本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルの音波導波路を示す例示図であり、
図9は本発明の一実施形態に係る音波ソースを含んだ音波メタマテリアルの例示図であり、
図10は本発明の一実施形態に係るディテクターを含んだ音波メタマテリアルの例示図である。
【0031】
物体の振動が任意の方向に運動している空気粒子を撹乱させれば、部分的に圧力の高い箇所と低い箇所が表れるようになる。すると、圧力差により空気粒子が圧力の高い箇所から圧力の低い箇所に移動するようになり、音波(sound wave)が広がるようになり、空気の圧力変化が人々の耳に到達すれば、鼓膜を振動させる。
【0032】
人が聞くことができる音波の可聴周波数は約20〜20,000Hzであり、周波数が20Hz以下の音波は超低周波、20,000Hz以上の音波は超音波という。
【0033】
本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルは、音波を増幅させる音波メタマテリアル(Metamaterial)において、一面と他面を貫通するように一定パターンの音波導波路110が多数形成されたプレート100を含み、前記音波導波路110は、中心点、中心軸、または中心面を基準に一定間隔離離隔して対向する形状に前記プレート100が備えられることを特徴とする。ここで、音波導波路110は音波が通過する通路を意味する。
【0034】
共振(Resonance)は、特定振動数を有する物体が同一な振動数の力が外部から加えられる時、振幅が大きくなるにつれてエネルギーが増加する現象をいい、音波の周波数がプレート(構造体)の共振周波数と一致する場合、音波ソースで持続的に音波が発生すれば、プレートの内部に高い強さ(intensity)を有する音波(該当共振周波数の音波)を局限させるので、音波が増幅する。
【0035】
即ち、本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルによれば、音波導波路が対向する形状に形成されたプレートを用いて音波を局限させるための空間が音波導波路の間に形成されることによって、プレートの共振周波数と同一な周波数の音波を増幅させることができる。
【0036】
まず、前記プレート100について詳細に説明する。
【0037】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルの前記プレート100は板形態に形成され、2つのプレート100が一定距離離隔して水平に対向する形状であることを特徴とすることができる。
【0038】
プレートの共振現象により音波を封じ込めることができる最も簡単な形態が板形態の2つのプレート100を対向するように形成するものであって、プレートとプレートとの間の空間にプレートの共振周波数と同一な周波数の音波が局限されるようになる。
【0039】
この際、ガイドを用いて2つのプレートが一定距離離隔して水平に対向するように固定させることができる。
【0040】
2つのプレート100が一定距離離隔して水平に対向する形状の音波メタマテリアルの場合、前記プレート100の水平面に垂直な方向に伝播される音波の増幅が最も大きい。言い換えると、前記プレート100の平面を音波の進行方向と垂直であるように設置することが好ましい。これは、音波を一定方向に送出するか、または一定方向に進行される音波を検出する用途に使用可能である。
【0041】
プレートの共振周波数を決定する要素には、音波導波路を形成する全ての要素(
図1の場合、w、t、f、h、s)及び音波を局限させるための空間を形成する全ての要素(
図1の場合、g)が該当する。
【0042】
例えば、ファブリペロー共振(Fabry-Perot Resonance)による共振周波数の決定原理は、次の式、
【数1】
(ここで、tは透過係数、rは反射係数、Z
1は空気のインピーダンス、Z
effはメタ物質インピーダンス、kは流体内の波数(波長の逆数)、hはプレート厚さ、n
effはメタ物質導波路の屈折率をいう。)
を用いることができ、共振周波数の場合、透過率(t)は1となり、反射率(r)は0となる。
【0043】
図4に示すように、本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルは、前記2つのプレート100の側面を全て密閉させる密閉部200をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0044】
特定周波数の音波をプレートの間の空間に局限させるためには、外部と密閉させることが好ましい。したがって、前記2つのプレート100の側面を密閉、即ち音波を局限させることができる空間を密閉させることが好ましい。
【0045】
図5に示すように、本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルの前記プレート100は、前記プレート100は中心軸(長手方向)を基準に一定領域空間が形成された柱形状であることを特徴とすることができる。この際、柱は3角柱、4角柱、5角柱、6角柱などの多角柱、及び円柱が含まれる。言い換えると、柱形状のプレートは柱の内部に空間が形成されて音波を局限させることができ、特定周波数の音波をプレートの間の空間に局限させるためには、前記プレート100の両面を密閉、即ち音波を局限させることができる空間を密閉させることが好ましい。
【0046】
図6に示すように、本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルの前記プレート100は、中心点を基準に一定領域空間が形成された球形状であることを特徴とすることができる。言い換えると、球形状のプレートは球の内部に空間が形成されて外部と遮断された領域に音波を局限させることができる。
【0047】
前記音波導波路110は、前記プレート100の厚さより長く形成されることを特徴とすることができる。言い換えると、タイムディレイを作ることができるように、前記導波路110の長さを前記プレート100より長くすることができれば、どんな形状でも適用可能である。
【0048】
例えば、前記音波導波路110は
図2に示すような己字、
図7に示すようなW字、及び
図8に示すようなS字形状など,導波路の長さを長くすることができれば、どんな形状でも適用可能である。
【0049】
前記プレート100は、金属、石材、木材、ガラス、セラミック、及びプラスチックのうちから選択される少なくともいずれか1つの材料で形成されることを特徴とすることができる。
【0050】
ここで、金属(metal)は鉄を含んだ炭素鋼、合金鋼、鋳鉄などの鉄金属と、鉄を含まない銅、銅合金(黄銅、青銅など)、アルミニウム、アルミニウム合金、マンガンなどの非鉄金属などが該当する。
【0051】
上記のようにプレート100の材質を羅列しているが、これに限定されるものではなく、一般的に音響に使われる硬い材質(acoustic hard wall)で音波の透過率が10%未満の材質は全て使用可能である。
【0052】
図9に示すように、本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルは、プレート100が対向する空間、プレート100の中心軸に形成された空間、またはプレート100の中央に形成された空間に備えられる音波ソース300をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0053】
前記音波ソース300は音波を発生させる全ての装置をいい、スピーカー、低周波発生器、超音波発生器などがこれに該当する。
【0054】
前記音波ソース300が前記音波を局限させるための空間に備えられる場合、特定周波数(前記プレートの共鳴周波数と同一な周波数)の音波が前記音波を局限させるための空間で増幅されて外部に伝播されるので、特定周波数をより増幅させて出力させることができる。
【0055】
前記音波ソース300は、一般的に電線(信号線)と連結されるため、前記音波を局限させるための空間に前記音波ソース300が備えられ、前記音波を局限させるための空間と前記プレート100の外部空間が密閉される場合、前記プレート100の外部と内部を貫通する貫通口が前記密閉部200または前記プレート100上に形成され、前記貫通口を通じて前記音波ソース300に信号線が連結できる。前記信号線の配線が完了したら前記貫通口を密閉させることが好ましい。
【0056】
図10に示すように、本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルは、プレート100が対向する空間、プレート100の中心軸に形成された空間、またはプレート100の中央に形成された空間に備えられるディテクター400をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0057】
前記ディテクター400は、音波を感知(センシング)する全ての装置をいい、音圧センサー、音波センサー、水中音波探知センサー(SONAR)、超音波センサーなどがこれに該当する。
【0058】
前記ディテクター400が前記音波を局限させるための空間に備えられる場合、特定周波数(前記プレートの共鳴周波数と同一な周波数)の音波が前記音波を局限させるための空間で増幅して前記ディテクター400で感知されるので、特定周波数をより増幅させて入力を受けることができる。
【0059】
前記ディテクター400は、一般的に電線(信号線)と連結されるので、前記音波を局限させるための空間に前記ディテクター400が備えられ、前記音波を局限させるための空間と前記プレート100の外部空間が密閉される場合、前記プレート100の外部と内部を貫通する貫通口が前記密閉部200または前記プレート100上に形成され、前記貫通口を通じて前記ディテクター400に信号線が連結できる。前記信号線の配線が完了したら前記貫通口を密閉させることが好ましい。
【0060】
本発明の一実施形態に係る音波メタマテリアルは、空気中及び水中のように、音波が伝達できる全ての環境で適用可能であり、音波センサー(音響センサー)、音響装置(Acoustic Device)、超音波イメージング、非破壊検査など、音波を用いる全ての分野に適用可能である。
【0061】
本発明は、前記の実施形態に限定されず、適用範囲が多様であることが勿論、請求範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく多様な変形実施が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
10 音波ソース
20 ディテクター
100 プレート
110 音波導波路