(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297209
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】微紛体コーティングアミンおよびそれを含有する組成物
(51)【国際特許分類】
C08G 18/32 20060101AFI20180312BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20180312BHJP
C08K 9/00 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
C08G18/32 053
C08L101/00
C08K9/00
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-509790(P2017-509790)
(86)(22)【出願日】2016年3月29日
(86)【国際出願番号】JP2016060104
(87)【国際公開番号】WO2017077722
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2017年2月17日
(31)【優先権主張番号】特願2015-217842(P2015-217842)
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】305032254
【氏名又は名称】サンスター技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100156122
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】宇佐 望
(72)【発明者】
【氏名】奥野 辰弥
【審査官】
小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第95/026374(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/32
C08K 9/00
C08L 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
50℃以上の融点および20μm以下の中心粒径を有する固形アミンの表面が、2μm以下の中心粒径を有する微粉体で被覆された微紛体コーティングアミンであって、示差走査熱量計により測定される第2吸収ピークにおける熱量が150J/g以下である、微紛体コーティングアミン。
【請求項2】
固形アミンは、芳香族アミンまたは脂肪族アミンである、請求項1に記載の微紛体コーティングアミン。
【請求項3】
固形アミンは、中心粒径が1μm〜20μmである、請求項1または2に記載の微紛体コーティングアミン。
【請求項4】
固形アミンに対する微粉体の重量比は、1/0.001〜1/0.5である、請求項1〜3のいずれかに記載の微紛体コーティングアミン。
【請求項5】
微紛体は、ポリ塩化ビニル、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、カーボン、アルミナ、タルク、酸化亜鉛およびシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の微紛体コーティングアミン。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の微紛体コーティングアミンを含んでなる、一液型加熱硬化性組成物。
【請求項7】
イソシアネート成分を含んでなる、請求項6に記載の一液型加熱硬化性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、日本国特許出願第2015−217842号(出願日2015年11月5日)についてパリ条約による優先権を主張するものであり、ここに参照することによって、それらの全体が本明細書中へ組み込まれるものとする。
本発明は、微粉体コーティングアミン、および微粉体コーティングアミンを硬化剤成分として含有する一液型加熱硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一液型加熱硬化性組成物の硬化剤成分として、固形アミンの表面が微紛体で被覆された微紛体コーティングアミンや、固体アミン化合物の表面をスルホンアミド系誘導体によって不活性化した表面処理固体アミン化合物が用いられている(特許文献1乃至3)。
【特許文献1】特許第3769421号公報
【特許文献2】特許第4423802号公報
【特許文献3】特開2002−302600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の微紛体コーティングアミンや表面処理固体アミン化合物を用いた一液型加熱硬化性組成物は、比較的低い温度において硬化した場合、十分に硬化することができず、所望する破断強度が得られない場合があることが分かった。
本発明は、微紛体コーティングアミンを硬化剤成分として含む一液型加熱硬化性組成物を、比較的低い温度において硬化させた場合でも、優れた硬化性および物性、とりわけ良好な破断強度が得られる微粉体コーティングアミンを含有する一液型加熱硬化性組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、微紛体コーティングアミンが製造された環境や製造条件などの違いにより、微紛体コーティングアミンが活性化される温度にバラツキがあることに着目し研究を重ねた結果、50℃以上の融点および20μm以下の中心粒径を有する固形アミンの表面が2μm以下の中心粒径を有する微粉体で被覆された、示差走査熱量計により測定される第2吸収ピークにおける熱量が220J/以下である微紛体コーティングアミンおよびそれを含有する一液型加熱硬化性組成物により上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明には、以下のものが含まれる。
[1]50℃以上の融点および20μm以下の中心粒径を有する固形アミンの表面が、2μm以下の中心粒径を有する微粉体で被覆された微紛体コーティングアミンであって、示差走査熱量計により測定される第2吸収ピークにおける熱量が220J/g以下である、微紛体コーティングアミン。
[2]固形アミンは、芳香族アミンまたは脂肪族アミンである、[1]に記載の微紛体コーティングアミン。
[3]固形アミンは、中心粒径が1μm〜20μmである、[1]または[2]に記載の微紛体コーティングアミン。
[4]固形アミンに対する微粉体の重量比は、1/0.001〜1/0.5である、[1]〜[3]のいずれかに記載の微紛体コーティングアミン。
[5]微紛体は、ポリ塩化ビニル、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、カーボン、アルミナ、タルク、酸化亜鉛およびシリカからなる群から選択される少なくとも1種である、[1]〜[4]のいずれかに記載の微紛体コーティングアミン。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の微紛体コーティングアミンを含んでなる、一液型加熱硬化性組成物。
[7]イソシアネート成分を含んでなる、[6]に記載の一液型加熱硬化性組成物。
【発明の効果】
【0005】
本発明の微紛体コーティングアミンを硬化剤成分として含む一液型加熱硬化性組成物は、比較的低い硬化温度、例えば100℃において硬化させた場合でも、優れた硬化性および物性、とりわけ良好な破断強度を安定して得ることができる。また、本発明の微紛体コーティングアミンは、固形アミンの中心粒径が比較的小さい場合、例えば20μm以下であっても、一液型加熱硬化性組成物の硬化剤成分として十分な活性を有する。したがって、一液型加熱硬化性組成物において、微細化された微紛体コーティングアミンを用いることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の微紛体コーティングアミンは、融点が50℃以上および中心粒径が20μm以下である固形アミンの表面が、中心粒径が2μm以下である微粉体で被覆され、および示差走査熱量計により測定される第2吸収ピークにおける熱量(以下、第2吸収ピーク熱量ともいう)が220J/g以下である。
【0007】
本発明において、第2吸収ピーク熱量は、微紛体コーティングアミンを加熱した場合において、示差走査熱量計により測定される最初の熱吸収ピーク(融点)に次いで測定される、熱吸収ピークにおける吸熱量のことである。ここで、第2吸収ピーク熱量は、以下の式:
RNH
2+CO
2+H
2O → RNH
3+CO
3H
−
で示される反応により炭酸塩化されたアミノ基に起因するものと推測され、微紛体コーティングアミンは、第2吸収ピーク熱量が低いほど、炭酸塩化されていない活性アミノ基(NH
2)を多く含有し、硬化剤として高い活性を有することとなる。したがって、本発明の微紛体コーティングアミンは、第2吸収ピーク熱量が220J/g以下であり、200J/g以下が好ましく、150J/g以下がより好ましい。第2吸収ピーク熱量の下限値は、特に限定されないが、例えば0J/g以上である。第2吸収ピーク熱量が220J/gを超える場合には、比較的低い硬化温度、例えば100℃等において十分に活性化されず、一液型加熱硬化性組成物において硬化剤として高い活性が得られない。本発明において、第2吸収ピーク熱量は、特記のない限り、本明細書の実施例に記載の第2吸収ピークの測定方法に従って測定された値である。
【0008】
固形アミンとしては、融点が50℃以上であれば、任意の芳香族、脂肪族アミン類を用いることができる。その例としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノビフェニル、2,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミン等の芳香族アミン、1,12−ドデカンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン等の脂肪族アミンが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
【0009】
固形アミンは、中心粒径が20μm以下である。中心粒径の下限値としては、好ましくは1μm以上、より好ましくは1.5μm以上、さらに好ましくは2μm以上、特に好ましくは3μm以上である。中心粒径の上限値としては、好ましくは15μm以下、より好ましくは12μm以下、さらに好ましくは10μm以下、特に好ましくは8μm以下、とりわけ6μm以下である。また、中心粒径の範囲は、これらの上限値と下限値の任意の組み合わせであってもよく、例えば、1μm〜15μm、好ましくは1μm〜12μm、より好ましくは1.5μm〜10μm、さらに好ましくは2μm〜8μm、特に好ましくは3μm〜6μmである。中心粒径が20μmを超える固形アミンの微紛体コーティングアミンを一液型加熱硬化性組成物に用いる場合、加熱硬化に際し不完全にしか硬化しない傾向となる。さらに、配合物中で沈降の可能性があり、アプリケーションにおける吐出量が安定しない等のおそれもある。本発明では、中心粒径とは、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置の乾式ユニットを使用して求められる、通過分積算分布が50%となる粒径のことである。本発明において、固形アミンの中心粒径は、特記のない限り、本明細書の実施例に記載の中心粒径の測定方法に従って測定された値である。
【0010】
微粉体としては、無機系微粉体および有機系微粉体を用いることができる。無機系微紛体の例としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ジルコニア、カーボン、アルミナ、タルク等が挙げられる。有機系微紛体の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン、尿素樹脂等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
【0011】
微粉体は、中心粒径が2μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.1μm以下、とりわけ0.05μm以下である。また、微紛体の中心粒径の下限値は、特に限定されないが、例えば0.001μm以上である。微粉体の中心粒径が、2μmを超えると、固形アミンの表面に微紛体が固着し難くなる。本発明において、微粉体の中心粒径は、特記のない限り、本明細書の実施例に記載の中心粒径の測定方法に従って測定された値である。
【0012】
固形アミンと微粉体の重量比(固形アミン/微粉体)は、好ましくは1/0.001〜1/0.5、さらに好ましくは1/0.01〜1/0.5である。固形アミンに対する微粉体の重量比が上記範囲内にある場合には、貯蔵安定性が効率的に得られることとなる。
【0013】
本発明の微粉体コーティングアミンは、
1)50℃以上の融点を有する固形アミンを、粉砕機を用いることにより20μm以下の中心粒径を有する固形アミンに粉砕する工程、および
2)工程1)において得られた固形アミンと、2μm以下の中心粒径を有する微紛体とを混合撹拌機を用いて混合し、前記固形アミンの表面を微粉体で被覆する工程
を含み、工程1)および2)を温度30℃以下および/または相対湿度70%以下の雰囲気下で行う製造方法により得られる。
【0014】
上記製造方法では、上記工程1)および2)を、温度が30℃以下、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下、および/または相対湿度が70%以下、好ましくは65%以下、より好ましくは55%以下である雰囲気下で行う。これにより、活性アミノ基の炭酸塩化を抑制し、固形アミンの表面に存在するアミノ基を失活させることなく固形アミンの表面を微紛体で被覆することが可能となる。また、固形アミンを比較的小さく粉砕した場合でも、十分な活性を有する微紛体コーティングアミンが得られることとなる。
【0015】
粉砕機として、例えばジェットミル、ハンマーミル等の高速衝撃式混合粉砕機を用いることができる。これらの中でも、粒径調整が容易でシャープな粒度分布が得られ、および金属粉等のコンタミが抑えられることからジェットミルが好ましく、とりわけ、対向する圧縮ガス流を利用して原料同士を衝突させて粉砕するカウンター式ジェットミルが好ましい。カウンター式ジェットミルを用いる場合には、処理量や所望する粒径等に応じて、空気圧(0.4〜0.8MPa)、分級回転数(3000〜12000rpm)および粉砕時間を適宜調節することができる。また、圧縮ガスとして、圧縮空気の替わりに窒素ガスなどの不活性ガスを用いることも好ましい形態である。
【0016】
粉砕した固形アミンは、混合撹拌機を用いて微粉体と混合する。これにより、静電気が発生して固形アミンの表面に微粉体が固着するか、または混合撹拌機の機械力により、発生する摩擦、衝撃、圧縮せん断等による発熱によって固形アミンの局所的な溶融固着現象で微粉体が固着するか、固形アミンの表面に物理的に投錨または埋設固着するか、あるいは化学的に活性化して固着し得る。このようにして、固形アミンの表面の活性アミノ基(NH
2)は、微粉体で被覆された状態となる。
【0017】
混合撹拌機としては、例えばヘンシェルミキサー、ハイブリダイザー、ジェットミル等を用いることができる。これらの中でも、固形アミン表面に微粉体を強く埋め込み、よりはがれ難くすることができることからヘンシェルミキサーが好ましい。ヘンシェルミキサーを用いる場合、処理量や所望する粒径に応じて、混合時間(1〜30分)、羽根の種類(例えば上羽根:Y特4、下羽根:S0の組合わせ等)、回転速度(10〜100m/秒)等を調節することができる。ヘンシェルミキサー内を、窒素ガス等の不活性ガスで充填して粉砕した固体アミンと微紛体とを混合することもできる。
【0018】
また、微紛体は、固形アミンと同時に粉砕機中に、および/または工程1)後に混合撹拌機中に投入することができる。したがって、ジェットミルを混合攪拌機の代用として、固形アミン粉砕後および/または固形アミンと同時に微粉体を加え、粉砕混合処理することで微粉体コーティングアミンを製造することも可能である。
【0019】
このようにして、50℃以上の融点および20μm以下の中心粒径を有する固形アミンの表面が2μm以下の中心粒径を有する微粉体で被覆された、示差走査熱量計により測定される第2吸収ピークにおける熱量が220J/g以下である微粉体コーティングアミンが得られる。
【0020】
本発明の微紛体コーティングアミンは、50℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃の温度において活性化することができる。
【0021】
本発明の一液型加熱硬化性組成物は、上記微紛体コーティングアミンを含む。
【0022】
本発明の一液型加熱硬化性組成物は、微紛体コーティングアミンに加えて、イソシアネート成分、加水分解性シリル基含有成分、エポキシ樹脂成分およびこれらの混合物等からなる群から選択される少なくとも1種を含んでなる。
【0023】
イソシアネート成分としては、例えばポリイソシアネート化合物、末端活性イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーおよびこれらの混合物等が挙げられる。
【0024】
ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。それらの例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、p-トルエンスルホニルイソシアネート、n−オクタデシルイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、粗製TDI、ポリメチレン・ポリフェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、これらのイソシアヌレート化物、カルボジイミド化物、ビューレット化物等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
【0025】
末端活性イソシアネート基(NCO)含有ウレタンプレポリマー(以下、末端NCOプレポリマーとも称す)は、通常のポリオール成分にポリイソシアネート化合物を過剰量で、たとえばOH/NCOの当量比が1/1.2〜3.5となるように反応させることにより製造することができる。ポリイソシアネート化合物としては、前述のポリイソシアネート化合物が使用できる。反応は、要すれば適当な反応溶媒(例えば酢酸エチル、トルエン、キシレン等)および反応触媒(例えばジブチル錫ジラウレート等の有機錫系触媒、オクチル酸ビスマス等のビスマス系触媒、1,4−ジアザ[2.2.2]ビシクロオクタン等の三級アミン系触媒等)の存在下、通常常温乃至60〜90℃で1〜7時間の条件で行うことができる。得られる末端NCO含有プレポリマーは通常、末端NCO含有量0.5〜5%(重量%、以下同様)、20℃での粘度5000〜500000Pa・sを有し得る。
【0026】
上記ポリオール成分としては、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖などの多価アルコールにプロピレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドとエチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオール類;エチレングリコール、プロピレングリコールおよびこれらのオリゴグリコール類;ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール類;ポリカプロラクトンポリオール類;ポリカーボネートポリオール類;ポリエチレンアジペートのようなポリエステルポリオール類;ポリブタジエンポリオール類;ヒマシ油のようなヒドロキシル基を有する高級脂肪酸エステル類;ポリエーテルポリオール類またはポリエステルポリオール類にビニルモノマーをグラフト化したポリマーポリオール類等が挙げられる。当業者であれば、上記ポリオール成分を、一液型加熱硬化性組成物の使用目的や使用条件に応じて適宜選択して用いることができる。
【0027】
本発明の一液型加熱硬化性組成物が、上述のイソシアネート成分および微粉体コーティングアミンを配合した系で構成される場合、必要に応じて、硬化物の物性、特に圧縮永久歪み等に対する強靭な耐久性を付与せしめるため、さらなる成分として二官能以上のエポキシ樹脂を適量添加することができる。
【0028】
上記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、F型、AD型、フェノール型、クレゾール型、環状脂肪族系、グリシジルエステル系、グリシジルアミン系等が挙げられ、特に液状のものが好ましい。かかるエポキシ樹脂の添加によって、加熱硬化に際し、イソシアネート成分と固形アミンの反応に加えて、該エポキシ樹脂と固形アミンの反応が起こり、この三次元化反応に基づき網状構造を採ることから、上記強靭な耐久物性を具備した硬化物を形成することができる。
【0029】
エポキシ樹脂は、イソシアネート成分100重量部に対して1〜15重量部の範囲で用いることができる。上記範囲内であれば、ポリウレタン硬化物のゴム物性を損なうことなく、エポキシ樹脂の物性を発揮させることができる。エポキシ樹脂の物性を所望する場合には、該エポキシ樹脂をリッチまたは単独で用いることもできる。
【0030】
イソシアネート成分と微粉体コーティングアミンの配合比は、加熱活性後のNH
2に対するNCOの当量比が好ましくは0.9〜1.3、より好ましくは0.95〜1.2、さらに好ましくは1.0〜1.1となるように設定することができる。
【0031】
加水分解性シリル基含有成分としては、例えば変成シリコーンポリマー、アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマー、アルコキシシリル基を含有するポリイソブチレンポリマーおよびこれらの混合物等が挙げられる。
【0032】
変成シリコーンポリマーとは、ポリオキシアルキレンエーテルを主鎖骨格とし、かつ末端もしくは側鎖に加水分解性基(例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基など)を有するシリル基をもつ液状ポリマーを指称する。なかでも、ポリオキシプロピレンエーテルを主鎖骨格とし、数平均分子量が9000〜25000のものが好ましい。
【0033】
変成シリコーンポリマーの代表的市販品としては、例えば株式会社カネカ製のMSポリマーシリーズ(「MSポリマーS−203」等)や旭硝子株式会社製「エクセスター」(登録商標)シリーズがある。
【0034】
アルコキシシリル基を有するアクリル系ポリマーとは、主鎖骨格が少なくとも(メタ)アクリル酸エステル単位で構成され[(メタ)アクリル酸エステル単位以外に、(メタ)アクリル酸エステルと共重合しうる単量体(例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類など)の単位が含まれていてもよい]、分子中にアルコキシシリル基を含有するポリマーのことである。その例としては、
(i)特公平3−80829号公報に開示の、(a)アクリル酸アルキルエステル(アルキル炭素数は好ましくは2〜4)(例えばエチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート等)と、(b)ビニルアルコキシシラン(例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン等)および(メタ)アクリロキシアルコキシシラン(例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等)の群から選ばれる1種または2種以上の混合物とを、連鎖移動剤としてメルカプトアルコキシラン(c)(例えばγ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等)の存在下で、ラジカル共重合[通常、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、α,α’−アゾビスイソバレロニトリル、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキシドなど重合開始剤を用いて公知の塊状重合、溶液重合などの手法;あるいはレドックス触媒、例えば、遷移金属塩、アミン等と過酸化物系開始剤を組合せたレドックス重合法により]させることによって製造されるもの(通常、数平均分子量3000〜100000、1分子中の平均アルコキシシリル基数1.5〜3個);および
(ii)特公平4−69667号公報に開示の、ビニル系モノマー[例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクレート、プロピルアクリレート、ペンチルアクリレート、ステアリルアクリレートなどのアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどのメタクリレート;スチレンもしくはその誘導体(α−メチルスチレン、クロルメチルスチレンなど);ジエチルフマレート、ジブチルフマレート、ジプロピルフマレートなどのフマル酸ジエステル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニレンなどのハロゲン化ビニル類等]100部(重量部、以下同様)に、アルコキシシリル基含有ジスルフィド化合物[例えばビス(トリメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(メチルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(メチルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジメトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(プロピルジエトキシシリルメチル)ジスルフィド、ビス(ジメチルメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(ジメチルエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等]0.05〜50部を加え、必要に応じて有機溶媒(トルエン、キシレン、ヘキサン、酢酸エチル、ジオクチルフタレートなど)中で光重合(常温乃至50〜60℃で、4〜30時間の光照射)に付すことによって製造されるものが挙げられる。
【0035】
アルコシキシリル基含有ポリイソブチレン系ポリマーとは、主鎖骨格が少なくともイソブチレン単位で構成され[イソブチレン単位以外に、イソブチレンと共重合しうる単量体(例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類など)の単位が含まれていてもよい]、分子両末端にアルコキシシリル基を含有し、好ましくは数平均分子量1000〜40000で常温ワックス状ないし高粘度液状のものを指称し、一般に、イニファー法と呼ばれるカチオン重合法で得られる全末端官能型イソブチレン系ポリマーを用いることにより製造することができる(特開平8−231758号公報参照)。代表的な市販品としては、式:
【化1】
[式中、nは5〜400およびmは5〜400である]
の化学構造を有する、株式会社カネカ製の「エピオン」(登録商標)シリーズが例示される。
【0036】
加水分解性シリル基含有ポリマーとして、変成シリコーンポリマーおよび/またはアクリル系ポリマーを使用すると耐候性に優れ、硬化後の物性を低モジュラスおよび高伸長に調節することができる。特に変成シリコーンポリマー中で重合して得られるアルコキシシリル基を含有するアクリル系ポリマーとして市販されているアクリル変性系変成シリコーンポリマー(市販品としては、例えば株式会社カネカ製の「MSポリマー S−943」等)を使用すると、一液型加熱硬化性組成物中の成分相互の相溶性が良好で、変成シリコーンポリマーとの相互作用ないし、アルコキシシリル基の加水分解による架橋反応により耐候性を向上し得、かつ硬化後の物性を低モジュラスおよび高伸長に調節することができる。
【0037】
本発明では、加水分解性シリル基含有ポリマーに加えて、高温・高圧下での連続塊状重合によって得られる、常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーを配合することができる。このような無溶剤型アクリル系ポリマーを使用することにより、硬化後の物性を低モジュラスおよび高伸長に調節することができる。上記常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、官能基を有しないアクリル系モノマー[例えば前記のアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーの重合法(ii)で用いるようなアクリレートやメタクリレート]を用い、例えば400℃付近の高温・高圧下での連続塊状重合(開始剤は極少量もしくは不要、連鎖移動剤は不要)により、極めて短い反応時間(5分程度)で製造することができ、100%ポリマーおよび低Tgの常温液状を呈し、かつ変成シリコーン系ポリマーとの相溶性が良好で(組成分布および分子量分布が狭いため)、一液型加熱硬化性組成物の粘度粘性を調整して作業性を良好にし、更に、優れた耐候性が得られる。市販品として例えば東亞合成株式会社製「ARUFON(登録商標)UP−1000」等がある。
【0038】
また、前記アクリル系ポリマーは、変成シリコーンポリマー中で重合されたアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマーと、高温および高圧下で連続塊状重合により得られる常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーとの混合物であってもよい。常温液状の官能基を有さない無溶剤型アクリル系ポリマーは、可塑剤代替効果があり、硬化した一液型加熱硬化性組成物は、硬化後の物性が低モジュラスおよび高伸長となり、作業性と耐候性の向上に寄与し得る。
【0039】
配合量としては、加水分解性シリル基含有ポリマー100重量部に対して微粉体コーティングアミンが0.1重量部〜20重量部となる範囲で選定すればよく、好ましくは1重量部〜15重量部、より好ましくは2重量部〜12重量部である。微粉体コーティングアミンが0.1重量部未満では、加熱により短時間で硬化することができなくなるおそれがある。また、微粉体コーティングアミンが20重量部を超えると経済的効果が得られないおそれがある。
【0040】
エポキシ樹脂成分としては、一液型加熱硬化性組成物において自体公知のものを使用することができる。その例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レソルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレソルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型;さらにエポキシ化ポリオレフィン、グリシジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレート等; ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル、スチレンオキサイド等のモノエポキシ化合物等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。
【0041】
さらに、本発明の一液型加熱硬化性組成物は、必要に応じて、通常の添加剤、例えば硬化触媒、充填材、溶剤、可塑剤等を適量配合することができる。
【0042】
硬化触媒としては、DBU[1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7]、DBUフェノール塩、DBUオクチル酸塩、DBUギ酸塩などのDBU系;モノアミン(トリエチルアミン等)、ジアミン(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等)、トリアミン(テトラメチルグアニジン等)、環状アミン(トリエチレンジアミン等)、アルコールアミン(ジメチルアミノメタノール等)、エーテルアミン[ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル等]などのアミン系;Sn系(ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等)、Pb系(オクチル酸鉛等)、Zn系(オクチル酸亜鉛等)などの有機カルボン酸金属塩;2−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールなどのイミダゾール系等が挙げられる。
【0043】
充填剤としては、例えば重質炭酸カルシウム、脂肪酸処理炭酸カルシウム、ヒュームシリカ、沈降性シリカ、カーボンブラック、タルク、マイカ、クレー、ガラスビーズ、シラスバルーン,ガラスバルーン,シリカバルーン,プラスチックバルーンなどのバルーン、ガラス繊維,金属繊維などの無機繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維などの有機繊維、ホウ酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸カリウム、グラファイト、針状結晶性炭酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、二ホウ化チタン、クリソタイル、ワラストナイト等の針状結晶性フィラー等を用いることができる。
【0044】
溶剤としては、極性の小さい溶剤、例えば脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、脂環族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系、エーテル類、エステル類、ケトン類等が挙げられる。特に脂肪族炭化水素系の溶剤が望ましい。
【0045】
可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、トリオクチルホスフェート、エポキシ系可塑剤、トルエン−スルホンアミド、クロロパラフィン、アジピン酸エステル、ポリプロピレングリコールエステル、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、ヒマシ油等を用いることができる。
【0046】
また、更なる添加剤として、揺変剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、染顔料、密着剤、脱水剤等を適量配合することができる。
【0047】
本発明の一液型加熱硬化性組成物は、上記成分を、従来既知の方法により一括混合することにより製造することができる。
【0048】
本発明の一液型加熱硬化性組成物は、50℃〜150℃、好ましくは60℃〜120℃の硬化温度において3分〜30分、好ましくは5分〜20分で硬化することができる。
【0049】
本発明による微粉体コーティングアミンは、固形アミンのアミノ基が炭酸塩化されることなく固形アミンの表面が微紛体で被覆されているので、一液型加熱硬化性組成物の硬化剤として好ましく用いることができる。また、本発明の微粉体コーティングアミンを含んでなる一液型加熱硬化性組成物は、低い硬化温度や微粉体コーティングアミンの固形アミンの中心粒径が小さい場合でも十分に硬化することができるので、接着剤、シーリング材、コーティング材、アンダーフィル材等に好適に用いることができる。
【0050】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0051】
[第2吸収ピーク]
第2吸収ピーク熱量は、示差走査熱量計(DSC)により測定した。DSCはティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製Q2000を用いた。温度プログラムは、室温より5℃/分の速度で200℃まで昇温し、第2吸収ピークの測定は昇温の過程で行った。
【0052】
[中心粒径]
固形アミンおよび微粉体の粒子径および粒度分布の測定には、株式会社堀場製作所製レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA−950V2を用いて、乾式法にて測定した。求められる通過分積算分布が50%になる粒径を中心粒径とした。
【0053】
[破断強度]
供試組成物をそれぞれ剥離紙上に膜厚2mmにて塗布し、100℃で10分間加熱硬化を行った後、JIS K 6251「加硫ゴムおよび熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に従って破断強度を求め、測定結果を以下の基準で判定した。
○:破断強度2MPa以上
×:破断強度2MPa未満
【0054】
[タック性]
供試組成物を剥離紙上に膜厚2mmにて塗布し、100℃で10分加熱硬化させた後に、指触により硬化物表面の状態を確認し、以下の基準で評価した。
○:硬化物の成分が指に付着しない。
×:硬化物の成分が指に付着する。
【0055】
[反応性]
一液型加熱硬化性組成物の硬化性について評価を行うために、FT−IR(サーモフィッシャーサイエンテフィック社製Nicolet iS10)を用いて硬化後の一液型加熱硬化性組成物中に残存するイソシアネート基の吸収ピーク(2260cm
−1)の有無について確認した。
【0056】
実施例1(本発明による微紛体コーティングアミンの製造)
温度29℃および相対湿度69%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン76.9g、融点71℃)と中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が13μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が71J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0057】
実施例2(本発明による微紛体コーティングアミンの製造)
温度28℃および相対湿度65%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン76.9g、融点71℃)と中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が8μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が120J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0058】
実施例3(本発明による微紛体コーティングアミンの製造)
温度28℃および相対湿度68%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン、融点71℃)76.9gをジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製カウンタジェットミル)に投入し、中心粒径4μmに粉砕した。次いで粉砕した固形アミンと、中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをヘンシェルミキサー(日本コークス株式会社製FM20型)中に投入した。5分間混合した後、微粉体コーティングアミンを得た。得られた微粉体コーティングアミンは、第2吸収ピーク熱量が187J/gであった。
【0059】
実施例4(本発明による微紛体コーティングアミンの製造)
温度23℃および相対湿度63%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン76.9g、融点71℃)と中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が5μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が120J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0060】
実施例5(本発明による微紛体コーティングアミンの製造)
温度25℃および相対湿度63%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン76.9g、融点71℃)と中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が15μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が37J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0061】
実施例6(本発明による微紛体コーティングアミンの製造)
温度15℃および相対湿度52%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン76.9g、融点71℃)と中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が4μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が63J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0062】
実施例7(本発明による微紛体コーティングアミンの製造)
温度28℃および相対湿度72%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン76.9g、融点71℃)と中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が10μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が209J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0063】
比較例1(本発明によらない微紛体コーティングアミンの製造)
温度35℃および相対湿度85%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン、融点71℃)76.9gと中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が15μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が263J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0064】
比較例2(本発明によらない微紛体コーティングアミンの製造)
温度32℃および相対湿度73%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン、融点71℃)76.9gを、ジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製カウンタジェットミル)に投入し、中心粒径5μmに粉砕した。次いで粉砕した固形アミンと、中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをヘンシェルミキサー(日本コークス株式会社製FM20型)中に投入し、5分間混合し、微粉体コーティングアミンを得た。第2吸収ピーク熱量が374J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0065】
比較例3(本発明によらない微紛体コーティングアミンの製造)
温度31℃および相対湿度71%の雰囲気下で、固形アミン(1,12−ドデカンジアミン76.9g、融点71℃)と中心粒径約0.02μmの酸化チタン微粉体23.1gとをジェットミルに投入し、粉砕およびコーティングを行った。尚、固形アミンは中心粒径が4μmとなるように粉砕した。第2吸収ピーク熱量が275J/gの微粉体コーティングアミンを得た。
【0066】
実施例8〜
12(本発明による一液型加熱硬化性組成物の製造)および比較例4〜6
、参考例1〜2(本発明によらない一液型加熱硬化性組成物の製造)
以下の表1に示す組成にて、各成分を、混合攪拌機を用いて室温において混合し及び分散することにより、一液型加熱硬化性組成物を得た。得られた一液型加熱硬化性組成物を100℃にて10分間硬化させた。硬化後の一液型加熱硬化性組成物の破断強度、タック性および反応性について、上記評価方法に従って評価を行った。結果を表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
〔微紛体コーティングアミン1〜7〕
微粉体コーティングアミン1〜7は、それぞれ実施例1〜7において得られた微紛体コーティングアミンである。
〔微紛体コーティングアミン8〜10〕
微粉体コーティングアミン8〜10は、それぞれ比較例1〜3において得られた微紛体コーティングアミンである。
〔イソシアネート成分〕
末端NCO含有率3.5%および20℃における粘度20000mPa・sを有する末端NCOプレポリマー。平均分子量2000のポリエーテルポリオール(旭硝子株式会社製エクセノール2020)79.3gとジフェニルメタンジイソシアネート20.7gとを反応温度80℃にて2時間反応させることにより得られる。
【0069】
【表2】
【0070】
表2の結果から、本発明の微紛体コーティングアミンを用いた実施例8
〜12では、100℃のような比較的低い硬化温度でも、硬化後、良好な破断強度、タック性および反応性が得られた。これに対し、本発明によらない微紛体コーティングアミンを用いた比較例4〜6では、硬化後、破断強度、タック性および反応性のいずれにおいても良好な結果は得られなかった。