(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記軟磁性樹脂組成物において、前記軟磁性粒子を除く軟磁性粒子除外成分100質量部に対して、前記エポキシ樹脂および前記フェノール樹脂の合計含有量が20質量部以上99質量部以下であることを特徴とする、請求項3に記載の軟磁性フィルム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の軟磁性熱フィルムは、例えば、軟磁性粒子および樹脂成分を含有する軟磁性組成物からフィルム状(シート状)に形成される。
【0016】
軟磁性粒子を構成する軟磁性材料としては、例えば、磁性ステンレス(Fe−Cr−Al−Si合金)、センダスト(Fe−Si−A1合金)、パーマロイ(Fe−Ni合金)、ケイ素銅(Fe−Cu−Si合金)、Fe−Si合金、Fe−Si―B(−Cu−Nb)合金、Fe−Si−Cr−Ni合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Si−Al−Ni−Cr合金、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、磁気特性の点から、好ましくは、センダスト(Fe−Si−Al合金)が挙げられる。
【0017】
これらの中でも、より好ましくは、Si含有割合が9〜15質量%であるFe−Si−Al合金が挙げられる。これにより、軟磁性フィルムの磁性特性を向上することができる。
【0018】
軟磁性粒子は、扁平状(板状)に形成されている、すなわち、厚みが薄くて面が広い形状に形成されている。軟磁性粒子の扁平率(扁平度)は、例えば、8以上、好ましくは、15以上であり、また、例えば、80以下、好ましくは、65以下である。扁平率は、例えば、軟磁性粒子の平均粒子径(平均長さ)を軟磁性粒子の平均厚さで除したアスペクト比として算出される。
【0019】
軟磁性粒子の平均粒子径(平均長さ)は、例えば、3.5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、100μm以下である。平均厚みは、例えば、0.3μm以上、好ましくは、0.5μm以上であり、また、例えば、3μm以下、好ましくは、2.5μm以下である。軟磁性粒子の扁平率、平均粒子径、平均厚みなどを調整することにより、軟磁性粒子による反磁界の影響を小さくでき、その結果、軟磁性粒子の透磁率を増加させることができる。なお、軟磁性粒子の大きさを均一にするために、必要に応じて、ふるいなどを使用して分級された軟磁性粒子を用いてもよい。
【0020】
軟磁性樹脂組成物(ひいては、軟磁性フィルム)における軟磁性粒子の質量割合は、例えば、70質量%以上、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは、85質量%以上であり、また、例えば、95質量%以下、好ましくは、92質量%以下、より好ましくは、90質量%以下である。軟磁性樹脂組成物における軟磁性粒子の体積割合は、例えば、30体積%以上、好ましくは、40体積%以上、より好ましくは、50体積%以上であり、また、例えば、80体積%以下、好ましくは、70体積%以下、より好ましくは、60体積%以下である。上記上限以下の範囲とすることにより、軟磁性フィルムの成形性に優れる。一方、上記下限以上の範囲とすることにより、軟磁性フィルムの磁気特性に優れる。
【0021】
樹脂成分としては、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のいずれを含有してもよいが、好ましくは、熱硬化性樹脂を含有する。
【0022】
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。好ましくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられ、より好ましくは、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂の併用が挙げられる。これらは単独または2種以上を併用して用いることができる。
【0023】
エポキシ樹脂は、例えば、接着剤組成物として用いられるものが使用でき、ビスフェノール型エポキシ樹脂(特に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂など)、フェノール型エポキシ樹脂(特に、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオンレン型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、例えば、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリスグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂なども挙げられる。これらは単独または2種以上を併用して用いることができる。
【0024】
これらのエポキシ樹脂のうち、好ましくは、ビスフェノール型エポキシ樹脂、より好ましくは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂を含有させることより、フェノール樹脂との反応性が優れ、その結果、軟磁性フィルムの耐リフロー性に優れる。
【0025】
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂の硬化剤であり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂、例えば、レゾール型フェノール樹脂、例えば、ポリパラオキシスチレンなどのポリオキシスチレンが挙げられる。これらは単独で使用また2種以上を併用することができる。
【0026】
これらのフェノール樹脂のうち、好ましくは、ノボラック型樹脂、より好ましくは、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、さらに好ましくは、フェノールアラルキル樹脂が挙げられる。これらのフェノール樹脂を含有することより、エポキシ樹脂との反応性が優れ、その結果、軟磁性フィルムの耐リフロー性に優れる。
【0027】
樹脂成分が、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を併用するとき、エポキシ樹脂のエポキシ当量100g/eqに対するフェノール樹脂の水酸基当量が1g/eq以上100g/eq未満である場合、樹脂成分100質量部に対するエポキシ樹脂の含有割合は、例えば、15質量部以上、好ましくは、30質量部以上、より好ましくは、45質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下、好ましくは、50質量部以下でもあり、樹脂成分100質量部に対するフェノール樹脂の含有割合は、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下、好ましくは、25質量部以下でもある。
【0028】
エポキシ樹脂のエポキシ当量100g/eqに対するフェノール樹脂の水酸基当量が100g/eq以上200g/eq未満である場合、樹脂成分100質量部に対するエポキシ樹脂の含有割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下でもあり、樹脂成分100質量部に対するフェノール樹脂の含有割合は、例えば、10質量部以上、好ましくは、25質量部以上であり、また、例えば、50質量部以下でもある。
【0029】
エポキシ樹脂のエポキシ当量100g/eqに対するフェノール樹脂の水酸基当量が200g/eq以上1000g/eq以下である場合、樹脂成分100質量部に対するエポキシ樹脂の含有割合は、例えば、5質量部以上、好ましくは、15質量部以上であり、また、例えば、30質量部以下でもあり、樹脂成分100質量部に対するフェノール樹脂の含有割合は、例えば、15質量部以上、好ましくは、35質量部以上であり、また、例えば、70質量部以下でもある。
【0030】
なお、エポキシ樹脂が2種併用される場合のエポキシ当量は、各エポキシ樹脂のエポキシ当量に、エポキシ樹脂の総量に対する各エポキシ樹脂の質量割合を乗じて、それらを合算した全エポキシ樹脂のエポキシ当量である。
【0031】
また、フェノール樹脂中の水酸基当量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量当たり、例えば、0.2当量以上、好ましくは、0.5当量以上であり、また、例えば、2.0当量以下、好ましくは、1.2当量以下でもある。水酸基の量が上記範囲内であると、半硬化状態における軟磁性フィルムの硬化反応が良好となり、また、劣化を抑制することができる。
【0032】
樹脂成分は、熱硬化性樹脂に加えて、好ましくは、アクリル樹脂を含有する。より好ましくは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂を併用する。さらに好ましくは、樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびアクリル樹脂のみからなる。樹脂成分が、これらの樹脂を含有することにより、半硬化状態の軟磁性フィルムを複数積層させ、熱プレスすることにより、一枚の硬化状態の軟磁性フィルムを製造する際に、積層界面にむらがなく均一で、磁気特性が良好な軟磁性フィルムを得ることができる。
【0033】
アクリル樹脂としては、例えば、直鎖もしくは分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種または2種以上をモノマー成分とし、そのモノマー成分を重合することにより得られるアクリル系重合体などが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリルおよび/またはメタクリル」を表す。
【0034】
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、へプチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ラウリル基、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基、ドデシル基などの炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
【0035】
アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他のモノマーとの共重合体であってもよい。
【0036】
その他のモノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などカルボキシル基含有モノマー、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルまたは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなど燐酸基含有モノマー、例えば、スチレンモノマー、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0037】
これらの中でも、好ましくは、グリシジル基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーまたはヒドロキシル基含有モノマーが挙げられる。アクリル樹脂が(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれらのその他のモノマーとの共重合体である場合、すなわち、アクリル樹脂がグリシジル基、カルボキシル基またはヒドロキシル基を有する場合、軟磁性フィルムの耐熱性が優れる。
【0038】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとその他のモノマーとの共重合体である場合、その他のモノマーの配合割合(質量)は、共重合体に対して、好ましくは、40質量%以下である。
【0039】
アクリル樹脂の重量平均分子量は、例えば、1×10
5以上、好ましくは、3×10
5以上であり、また、例えば、1×10
6以下でもある。この範囲とすることにより、軟磁性フィルムの接着性、耐熱性が優れる。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトフラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値により測定される。
【0040】
アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は、例えば、−30℃以上、好ましくは、−20℃以上であり、また、例えば、30℃以下、好ましくは、15℃以下でもある。上記下限以上であると、半硬化状態の軟磁性フィルムの接着性が優れる。一方、上記上限以下であると、軟磁性フィルムの取扱い性が優れる。なお、ガラス転移点は、動的粘弾性測定装置(DMA、周波数1Hz、昇温速度10℃/min)を用いて測定される損失正接(tanδ)の極大値により得られる。
【0041】
樹脂成分がアクリル樹脂を含有する場合、樹脂成分における熱硬化性樹脂の含有割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、50質量%を超過し、より好ましくは、60質量%以上、より好ましくは、65質量%以上である。また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下、さらに好ましくは、70質量%以下である。熱硬化性樹脂の含有割合が上記範囲である場合、特に熱硬化性樹脂リッチ(50質量%超)である場合、高温による樹脂の膨張、ひいては、軟磁性フィルムの空隙の発生を効果的に抑制することができるため、軟磁性フィルムの耐リフローに優れる。
【0042】
樹脂成分におけるアクリル樹脂の含有割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上、より好ましくは、30質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、50質量%未満、より好ましくは、40質量%以下、さらに好ましくは、35質量%以下である。
【0043】
軟磁性樹脂組成物における樹脂成分の含有割合は、例えば、5質量%以上、好ましくは、8質量%以上、より好ましくは、10質量%以上であり、また、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、15質量%以下である。上記範囲とすることにより、軟磁性フィルムの成膜性、磁気特性に優れる。
【0044】
また、熱硬化性樹脂(好ましくは、エポキシ樹脂およびフェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂)の含有割合は、軟磁性樹脂組成物から軟磁性粒子を除いた軟磁性粒子除外成分100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、40質量部以上、より好ましくは、50質量部を超過し、さらに好ましくは、60質量部以上、最も好ましくは、65質量部以上であり、また、例えば、99質量部以下、好ましくは、90質量部以下、より好ましくは、80質量部以下、最も好ましくは、70質量部以下である。上記範囲とすることにより、軟磁性フィルムの耐リフロー性に優れる。
【0045】
なお、軟磁性粒子除外成分は、より具体的には、樹脂成分、必要に応じて添加される熱硬化触媒(後述)および添加剤(後述)からなる成分であって、軟磁性粒子および溶媒は含まれない。
【0046】
樹脂成分は、熱硬化性樹脂およびアクリル樹脂以外のその他の熱可塑性樹脂を含有することもできる。
【0047】
このような熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂(6−ナイロン、6,6−ナイロンなど)、フェノキシ樹脂、飽和ポリエステル樹脂(PET、PBTなど)、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で使用又は2種以上を併用することができる。
【0048】
軟磁性樹脂組成物(ひいては、軟磁性フィルム)は、好ましくは、熱硬化触媒を含有する。
【0049】
熱硬化触媒としては、加熱により樹脂成分の硬化を促進する触媒であれば限定的でなく、例えば、イミダゾール骨格を有する塩、トリフェニルフォスフィン構造を有する塩、トリフェニルボラン構造を有する塩、アミノ基含有化合物などが挙げられる。好ましくは、イミダゾール骨格を有する塩が挙げられる。
【0050】
イミダゾール骨格を有する塩としては、例えば、2−フェニルイミダゾール(商品名;2PZ)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(商品名;2E4MZ)、2−メチルイミダゾール(商品名;2MZ)、2−ウンデシルイミダゾール(商品名;C11Z)、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(商品名;2PHZ−PW)、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル(1)’)エチル−s−トリアジン・イソシアヌール酸付加物(商品名;2MAOK−PW)などが挙げられる(上記商品名は、いずれも四国化成社製)。熱硬化触媒は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0051】
熱硬化触媒の形状は、例えば、球状、楕円体状などが挙げられる。
【0052】
熱硬化触媒の配合割合は、樹脂成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上であり、また、例えば、5質量部以下、好ましくは、3質量部以下である。熱硬化触媒の配合割合が上記範囲内とすることにより、半硬化状態の軟磁性フィルムを低温度かつ短時間で加熱硬化することができ、また、耐リフロー性に優れる。
【0053】
軟磁性樹脂組成物(ひいては、軟磁性フィルム)は、さらに必要に応じて、その他の添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、分散剤、架橋剤、無機充填材などの市販または公知のものが挙げられる。
【0054】
軟磁性樹脂組成物は、好ましくは、分散剤を含有する。
【0055】
分散剤としては、例えば、ポリエーテルリン酸エステル、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤が挙げられる。好ましくは、ポリエーテルリン酸エステルが挙げられる。軟磁性樹脂組成物が分散剤、特にポリエーテルリン酸エステルを含有することにより、軟磁性樹脂組成物の塗工性を向上させるとともに、軟磁性フィルムの磁気特性をより一層向上させることができる。
【0056】
ポリエーテルリン酸エステルとしては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。好ましくは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルが挙げられる。
【0057】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルは、アルキル−オキシ−ポリ(アルキレンオキシ)基が、リン酸塩のリン原子に、1〜3個結合している形態を有している。このようなアルキル−オキシ−ポリ(アルキレンオキシ)基[すなわち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル部位]において、ポリ(アルキレンオキシ)部位に関するアルキレンオキシの繰り返し数としては、特に制限されないが、例えば、2〜30(好ましくは3〜20)の範囲から適宜選択することができる。ポリ(アルキレンオキシ)部位のアルキレンとしては、好ましくは、炭素数が、2〜4のアルキレン基が挙げられる。具体的には、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチル基などが挙げられる。また、アルキル基としては、特に制限されないが、例えば、好ましくは、炭素数が6〜30のアルキル基、より好ましくは、8〜20のアルキル基が挙げられる。具体的には、アルキル基としては、例えば、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。なお、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルが複数のアルキル−オキシ−ポリ(アルキレンオキシ)基を有している場合、複数のアルキル基は、異なっていてもよいが、同一であってもよい。なお、ポリエーテルリン酸エステルは、アミンなどとの混合物であってもよい。
【0058】
ポリエーテルリン酸エステルの酸価は、例えば、10以上、好ましくは、15以上であり、また、例えば、200以下、好ましくは、150以下である。酸価は、中和滴定法などによって測定される。
【0059】
シランカップリング剤としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0060】
分散剤は、単独で使用または2種類以上併用することができる。
【0061】
分散剤の具体例として、楠本化成社のHIPLAADシリーズ(「ED152」、「ED153」、「ED154」、「ED118」、「ED174」、「ED251」)、信越化学社製のKBMシリーズ(「KBM303」、「KBM503」)などが挙げられる。
【0062】
分散剤の含有割合は、軟磁性粒子100質量部に対し、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.2質量部以上である。また、例えば、5質量部以下、好ましくは、2質量部以下である。
【0063】
軟磁性樹脂組成物は、上記した成分を上記した含有割合で混合することにより調製することができる。
【0064】
軟磁性樹脂組成物は、上記成分を上記含有割合で混合することにより調製される。
【0065】
軟磁性フィルムは、例えば、軟磁性樹脂組成物を溶媒に溶解または分散させることにより、軟磁性樹脂組成物溶液を調製する調製工程、離型基材の表面に塗布し、乾燥させることにより、半硬化状態の軟磁性フィルムを得る乾燥工程、および、半硬化状態の軟磁性フィルムを複数枚積層し、熱プレスする熱プレス工程により、製造することができる。
【0066】
まず、軟磁性樹脂組成物を溶媒に溶解または分散させる(調製工程)。これにより、軟磁性樹脂組成物溶液を調製する。
【0067】
溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などケトン類、例えば、酢酸エチルなどのエステル類、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類などの有機溶媒などが挙げられる。また、溶媒として、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコールなどの水系溶媒も挙げられる。
【0068】
軟磁性樹脂組成物溶液における固形分量は、例えば、10質量%以上、好ましくは、30質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、70質量%以下である。
【0069】
次いで、軟磁性樹脂組成物溶液を、離型基材(セパレータ、コア材など)の表面に塗布し、乾燥させる(乾燥工程)。
【0070】
塗布方法としては特に限定されず、例えば、ドクターブレード法、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工などが挙げられる。
【0071】
乾燥条件としては、乾燥温度は、例えば、70℃以上160℃以下であり、乾燥時間は、例えば、1分以上5分以下である。
【0072】
セパレータとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、紙などが挙げられる。これらは、その表面に、例えば、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤、シリコーン系剥離剤などにより離型処理されている。
【0073】
コア材としては、例えば、プラスチックフィルム(例えば、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルムなど)、金属フィルム(例えば、アルミウム箔など)、例えば、ガラス繊維やプラスチック製不織繊維などで強化された樹脂基板、シリコン基板、ガラス基板などが挙げられる。
【0074】
セパレータまたはコア材の平均厚みは、例えば、1μm以上500μm以下である。
【0075】
これにより、半硬化状態の軟磁性フィルムを得る。
【0076】
この軟磁性フィルムは、室温(具体的には、25℃)において半硬化状態(Bステージ状態)であり、良好な接着性を備える軟磁性熱硬化性接着フィルムである。
【0077】
軟磁性フィルム(半硬化状態)の平均厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、250μm以下である。
【0078】
次いで、得られた半硬化状態の軟磁性フィルムを複数枚用意し、複数枚の軟磁性フィルムを熱プレスにより、厚み方向に熱プレスする(熱プレス工程)。これにより、半硬化状態の軟磁性フィルム(ひいては、軟磁性組成物)が加熱硬化される。また、軟磁性フィルム内に軟磁性粒子を高割合で充填させ、磁気特性を向上させることができる。
【0079】
熱プレスは、公知のプレス機を用いて実施することができ、例えば、平行平板プレス機などが挙げられる。
【0080】
軟磁性フィルム(半硬化状態)の積層枚数は、例えば、2層以上であり、また、例えば、20層以下、好ましくは、5層以下である。これにより、所望の厚みの軟磁性フィルムに調整することができる。
【0081】
加熱温度は、例えば、80℃以上、好ましくは、100℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、180℃以下である。
【0082】
加熱時間は、例えば、0.1時間以上、好ましくは、0.2時間以上であり、また、例えば、24時間以下、好ましくは、2時間以下でもある。
【0083】
圧力は、例えば、10MPa以上、好ましくは、20MPa以上であり、また、例えば、500MPa以下、好ましくは、200MPa以下である。
【0084】
これにより、半硬化状態の軟磁性フィルムが加熱硬化され、硬化状態(Cステージ状態)の軟磁性フィルムが得られる。
【0085】
この軟磁性フィルムの平均厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、250μm以下である。
【0086】
23℃における引張貯蔵弾性率E´
23は、例えば、8.0×10
8Pa以上、好ましくは、1.0×10
9Pa以上、より好ましくは、1.0×10
10Pa以上であり、また、例えば、1.0×10
20Pa以下である。
【0087】
200℃における引張貯蔵弾性率E´
200は、例えば、1.0×10
8Pa以上、好ましくは、8.0×10
8Pa以上、より好ましくは、5.0×10
9Pa以上であり、また、例えば、1.0×10
20Pa以下である。これにより、軟磁性フィルムの耐リフロー性がより一層優れる。
【0088】
E´
23に対するE´
200の比率E´
200/E´
23は、0.25以上、好ましくは、0.40以上、より好ましくは、0.42以上、さらに好ましくは、0.45以上であり、また、例えば、0.90以下である。これにより、軟磁性フィルムの耐リフロー性に優れる。
【0089】
なお、引張貯蔵弾性率(E´
23、E´
200)は、動的粘弾性測定装置を用いて、昇温速度10℃/分、周波数1Hzの条件にて測定される。
【0090】
軟磁性フィルムは、好ましくは、軟磁性フィルムに含有される扁平状軟磁性粒子が、軟磁性フィルムの2次元の面内方向に配列されている。すなわち、扁平状軟磁性粒子の長手方向(厚み方向と直交する方向)が軟磁性フィルムの面方向に沿うように配向している。これにより、軟磁性フィルムは、軟磁性粒子が高割合で充填され、磁気特性に優れる。また、軟磁性フィルムの薄膜化が図られている。
【0091】
軟磁性フィルムの比透磁率(リフロー工程前)は、例えば、150以上、好ましくは、160以上、より好ましくは、180以上であり、また、例えば、500以下である。
【0092】
この軟磁性フィルムは、例えば、軟磁性フィルムの単層のみからなる単層構造、コア材の片面または両面に軟磁性フィルムが積層された多層構造、軟磁性フィルムの片面または両面にセパレータが積層された多層構造などの形態とすることができる。
【0093】
また、上記の実施形態では、半硬化状態の軟磁性フィルムを複数枚積層させて熱プレスしたが、例えば、半硬化状態の軟磁性フィルム1枚(単層)に対して熱プレスを実施してもよい。
【0094】
また、上記の実施形態では、半硬化状態の軟磁性フィルムを熱プレスしたが、熱プレスを実施しなくてもよい。すなわち、軟磁性フィルムを半硬化状態のまま使用することもできる。半硬化状態の軟磁性フィルムは、その表面に接着性を備えるため、例えば、接着剤を使用せずに、回路基板に直接積層させることができる。その後、必要に応じて、加熱硬化させて、硬化状態の軟磁性フィルムとすることもできる。
【0095】
この軟磁性フィルムは、例えば、アンテナ、コイル、またはこれらが表面に形成された回路基板に積層するための軟磁性フィルム(磁性フィルム)として好適に用いることができる。より具体的には、スマートフォン、パソコン、位置検出装置などの用途に用いることができる。
【0096】
軟磁性フィルムを回路基板に積層させるためには、硬化状態の軟磁性フィルムを接着剤層を介して回路基板に固定する方法、半硬化状態の軟磁性フィルムを回路基板に直接貼着させた後、半硬化状態の軟磁性フィルムを加熱硬化させて回路基板に固定する方法などが挙げられる。
【0097】
接着剤層が不要であり電子機器を小型化できる観点からは、好ましくは、半硬化状態の軟磁性フィルムを回路基板に直接貼着させた後、軟磁性フィルムを加熱硬化させる方法が挙げられる。
【0098】
また、絶縁性の観点からは、好ましくは、硬化状態の軟磁性フィルムを接着剤層を介して回路基板に固定する方法が挙げられる。
【0099】
接着剤層は、回路基板の接着剤層として通常使用される公知のものが用いられ、例えば、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、アクリル系接着剤などの接着剤を塗布および乾燥することにより形成される。接着剤層の厚みは、例えば、10〜100μmである。
【0100】
そして、この軟磁性フィルムによれば、23℃での引張貯蔵弾性率E´
23に対する200℃での引張貯蔵弾性率E´
200の比率(E´
200/E´
23)が、0.25以上であるため、軟磁性フィルムをリフロー処理した場合であっても、その軟磁性フィルムの比透磁率の劣化を抑制することができる。すなわち、耐リフローに優れる。これにより、この軟磁性フィルムを備える実装回路基板にリフロー工程を実施しても、軟磁性フィルムは、実装回路基板に対し、良好な磁気特性を確実に発揮することができる。
【0101】
リフロー工程における温度は、例えば、200℃以上、好ましくは、250℃以上であり、また、例えば、500℃以下、好ましくは、300℃以下である。
【0102】
リフロー保存時間は、例えば、1秒以上、好ましくは、5秒以上であり、また、例えば、10分以下、好ましくは、5分以下である。
【0103】
リフロー工程後における軟磁性フィルムの比透磁率は、例えば、150以上、好ましくは、160以上、より好ましくは、180以上であり、また、例えば、500以下である。
【実施例】
【0104】
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。以下に示す実施例の数値は、上記の実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
【0105】
実施例1
軟磁性樹脂組成物に対し軟磁性粒子が50体積%となるように、軟磁性粒子500質量部、アクリル酸エステル系ポリマー59質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコート1004」)8質量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(「エピコートYL980」)4質量部、フェノールアラルキル樹脂5質量部、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(「2PHZ−PW」熱硬化触媒)0.81質量部(樹脂成分100質量部に対して1.0質量部)、および、ポリエーテルリン酸エステル(分散剤)2.5質量部(軟磁性粒子100質量部に対して0.5質量部)を混合することにより、軟磁性樹脂組成物を得た。
【0106】
この軟磁性樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解させることにより、固形分濃度43質量%の軟磁性樹脂組成物溶液を調製した。
【0107】
この軟磁性樹脂組成物溶液を、シリコーン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(平均厚みが50μm)上に塗布し、その後、130℃で2分間乾燥させた。これにより、セパレータが積層された半硬化状態の軟磁性フィルム(軟磁性フィルムのみの平均厚み、90μm)を製造した。
【0108】
次いで、この軟磁性フィルムを、4層積層し、175℃、30分、20MPaの条件で熱プレスにて加熱硬化させることにより、硬化状態の軟磁性フィルムを作製した。
【0109】
実施例2および3
表1に記載の材料および配合割合で、軟磁性樹脂組成物を得た。この軟磁性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2および3の硬化状態の軟磁性フィルムを製造した。
【0110】
比較例1
(軟磁性フィルム)
軟磁性樹脂組成物に対し軟磁性粒子が40体積%となるように、軟磁性粒子500質量部およびエチレン酢酸ビニル共重合体106質量部を混合することにより、軟磁性樹脂組成物を得た。
【0111】
この軟磁性樹脂組成物をトルエンに溶解させることにより、固形分濃度40質量%の軟磁性樹脂組成物溶液を調製した。
【0112】
この軟磁性樹脂組成物溶液を、シリコーン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータ(平均厚みが50μm)上に塗布し、その後、130℃で2分間乾燥させた。これにより、セパレータが積層された半硬化状態の軟磁性フィルム(軟磁性フィルムのみの平均厚み、90μm)を製造した。
【0113】
次いで、この軟磁性フィルムを、4層積層し、175℃、30分、20MPaの条件で熱プレスにて加熱硬化させることにより、比較例1の軟磁性フィルムを作製した。
【0114】
比較例2
表1に記載の材料および配合割合で、軟磁性樹脂組成物を得た。この軟磁性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2の軟磁性フィルムを製造した。
【0115】
(引張貯蔵弾性率E´
23およびE´
200測定)
各実施例および各比較例の軟磁性フィルムについて、下記の条件に基づいて、動的粘弾性測定を実施し、23℃における引張貯蔵弾性率E´
23と200℃における引張貯蔵弾性率E´
200とをそれぞれ求めた。
【0116】
動的粘弾性測定装置(MDA):商品名「RSAIII」、レオメトリックサイエンティフィック社製
モード:引張モード
昇温速度:10℃/分
周波数:1Hz
サンプル厚み:90μm
チャック間距離:20mm
ひずみ:0.1%
測定温度範囲:0℃〜210℃
これらの結果および比率(E´
200/E´
23)を表1に示す。
【0117】
(磁気特性)
各実施例および各比較例の軟磁性熱フィルムの比透磁率を、インピーダンスアナライザー(Agilent社製、「4294A」)を用いて、1ターン法(周波数1MHz)によって測定した。結果を表1に示す。
【0118】
(耐リフロー性)
各実施例および各比較例の軟磁性フィルムを回路基板に積層し、この軟磁性フィルム積層回路基板をIRリフロー炉内部を260℃10秒間の条件にて通過させることにより、リフロー工程を実施した。
【0119】
このリフロー工程を実施した軟磁性フィルム積層回路基板の軟磁性フィルムの比透磁率を、インピーダンスアナライザー(Agilent社製、「4294A」)を用いて、1ターン法(周波数1MHz)によって測定した。結果を表1に示す。
【0120】
【表1】
【0121】
表における各成分中の数値は、特段の記載がない場合には、質量部を示す。また、表中、各成分の略称について、以下にその詳細を記載する。
・Fe−Si−Al合金:商品名「SP−7」、軟磁性粒子、扁平状、平均粒子径65μm、メイト社製
・アクリル酸エステル系ポリマー:商品名「パラクロンW−197CM」、アクリル酸エチル−メタクリル酸メチルを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー、根上工業社製
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:商品名「エピコート1004」、エポキシ当量875〜975g/eq、JER社製
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:商品名「エピコートYL980」、エポキシ当量180〜190g/eq、JER社製
・4官能アミノグリシジル型エポキシ樹脂:商品名「テトラッド−C」、エポキシ当量105g/eq、、三菱瓦斯化学工業社製
・フェノールアラルキル樹脂:商品名「ミレックスXLC−4L」、水酸基当量170g/eq、三井化学社製
・2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール:熱硬化触媒、商品名「キュアゾール2PHZ−PW」、四国化成社製
・ポリエーテルリン酸エステル:分散剤、商品名「HIPLAAD ED152」、楠本化成社製、酸価20
・エチレン酢酸ビニル共重合体:商品名「EV170」、三井デュポンポリケミカル社製