特許第6297491号(P6297491)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297491
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】脊椎プレートシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20180312BHJP
   A61B 17/80 20060101ALI20180312BHJP
   A61B 17/86 20060101ALI20180312BHJP
   A61F 2/44 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   A61B17/70
   A61B17/80
   A61B17/86
   A61F2/44
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-529872(P2014-529872)
(86)(22)【出願日】2012年9月6日
(65)【公表番号】特表2014-530659(P2014-530659A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】US2012054025
(87)【国際公開番号】WO2013036687
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2015年8月20日
(31)【優先権主張番号】13/226,092
(32)【優先日】2011年9月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/439,981
(32)【優先日】2012年4月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ピーターシェイム,サミュエル
(72)【発明者】
【氏名】アガード,ライアン
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0190892(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0121382(US,A1)
【文献】 特表2008−520272(JP,A)
【文献】 特表2004−500156(JP,A)
【文献】 特開平06−277228(JP,A)
【文献】 特表2002−520117(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0172989(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
A61B 17/70
A61B 17/80
A61B 17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎骨の融合を促進するための骨プレートシステムであって、
上面と、底面と、凹部を有する前面とを備えるスペーサと、
骨と接触するように構成された底部と、
前記骨に対向しないように構成された上部と、
前記底部および前記上部に接合する側部と、
前記底部に連結され前記骨内に挿入されるように構成された隆起部とを備える骨プレートと、
前記骨プレートを前記スペーサと位置合わせするためのガイドと
を備え、
前記骨プレートは、該骨プレートを前記骨に取り付ける骨ねじを受け入れるように構成された孔と、前記骨プレートの前記スペーサとの位置合わせを通じて前記ガイドを受け入れる中央孔とをさらに備え
前記ガイドは、硬質部と、可撓部とを備え、前記ガイドの末端部は、前記ガイドを前記スペーサの本体にねじ接続させるねじ溝部を備え、前記硬質部は、前記ねじ溝部と前記可撓部との間に配置されている骨プレートシステム。
【請求項2】
前記骨ねじを前記骨プレート内に保持するように構成された固定ねじをさらに備える、請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項3】
前記隆起部は前記側部と同一平面である、請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項4】
前記隆起部は複数の隆起部を備える、請求項1に記載の骨プレートシステム。
【請求項5】
前記硬質部は前記スペーサの本体に取り付けられ、前記可撓部は前記骨プレートが前記スペーサの本体に向かってガイドの下へ運ばれることを可能とする、請求項に記載の骨プレートシステム。
【請求項6】
前記硬質部はステンレス鋼を備える、請求項に記載の骨プレートシステム。
【請求項7】
前記可撓部はニチノールワイヤーを備える、請求項に記載の骨プレートシステム。
【請求項8】
前記硬質部はねじ溝を備える、請求項に記載の骨プレートシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2011年9月6日出願の米国特許出願第13/226,092号の一部継続出願である2012年4月5日出願の米国特許出願第13/439,981号に基づいて優先権を主張するPCT出願であり、これらはいずれもその全文が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、椎骨の融合を促進するために、2つ以上の椎骨を相互に固定するためのデバイスに関する。また、本明細書に記載するデバイスおよび改良は、他のタイプの骨プレートまたは器具と共に使用され得る。
【背景技術】
【0003】
融合手技において、隣接する椎骨を1つに外科的に接合することができる。融合手技は、2つの(上下2つの)椎骨またはより多くの(上下複数の)椎骨を接合することができる。外科手術中、椎骨は、プレートまたは他の器具を用いて、相互に所定の位置に固定され、椎骨の間に骨グラフトが配置される。骨グラフトは、椎骨の間の新たな骨成長を促進し、最終的には骨が一緒に成長するが、それには、外科手術の後6〜18ヵ月かかるのが一般的である。
【0004】
より一般的には、椎骨の融合は、椎間板ヘルニア、関節リウマチ、感染症、腫瘍、または脊椎変形につながる他の症状の治療の一部として使用される。いずれの場合においても、融合手技の前に1次疾患を治療する。椎間板ヘルニアまたは変性椎間板障害の場合、例えば、椎間板が除去される(「椎間板切除」として知られる手技)。椎間板切除の後に、椎骨に器具を取り付ける。典型的には、患者の外傷および費用を最小限に抑えるために、2つの関連する手技は、同じ外科手術の一部として実行される。
【0005】
融合手技では、多くのデバイスが脊椎の器具について利用可能である。しかしながら、現在の脊椎プレートには、1つ以上の制限がある。例えば、状況およびサイズ制限により、設計または外科手術において使用することができるねじの数が制限される。ねじの数を減らすと、プレートが低下する結果となる。
【0006】
この問題に対する解決策は、スパイクまたは他の鋭利な形状をプレートに追加することであった。スパイクは、骨プレート界面の安定性、ならびに下にある骨構造の安定性を高める。しかしながら、鋭利な形状は、配置の際に、血管、神経または他の虚弱な解剖学的構造を穿刺することがある、またはそれらに損傷を与えることがあるというリスクがある。また、どのようにすれば最初にスパイクを骨に挿入することなくプレートが骨表面にうまく載置されるかを判断することは、外科医には困難である。
【0007】
通常、骨に脊椎プレートを固定するには、骨ねじを用いる。多くの最新のプレートの設計は、埋植後に骨から骨ねじが戻ることを防止するブロッキング固定ねじを採用している。しかしながら、ブロッキング固定ねじは、骨ねじの回転は防止しない。骨ねじは、固定ねじによって所定の位置に保持されている間に、骨ねじが回転し、緩む可能性がある。骨ねじが緩んでいると、骨プレート界面の安定性が低減し、それにより、融合手技の成功の見込みが低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、安定性を向上させ、骨にプレートを保持する骨ねじの回転を防止する骨プレートが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、上記のニーズを満たし、改善された骨プレートを使用して安全性および/または安定性の向上させることが可能であり、その結果、患者の予後が著しく改善される。他の利点は、本明細書の記載から他の利点が明らかになる。
【0010】
椎骨融合に関係する様々なシステム、デバイスおよび方法を提供する。
【0011】
したがって、本開示の一部の態様では、骨プレートは、骨に接触する底部と、骨に対向しない上部と、上部と底部とを連結する1つ以上の側部とを含む。また、骨プレートは、骨プレートを骨に取り付けるための骨ねじ用の孔と、骨プレートの底部に連結された隆起部とを含む。隆起部は、骨に挿入され得る。
【0012】
また、骨プレートは、骨プレート中で骨ねじを保持するための固定ねじを含むことができる。隆起部は、側部と同一平面であっても、側部から埋め込まれても、または、底部の外周の周りのリング上に配置することができる。骨プレートは、複数の隆起部を含んでもよい。骨プレートは、側部から埋め込まれてもよい第1の隆起部と、側部と同一平面であってもよい第2の隆起部とを含むことができる。
【0013】
本開示の他の態様によれば、骨プレートは、本体と、本体に設けられた第1の孔と、本体に設けられた第2の孔とを含む。第1の孔は、スパイクを受け入れるように構成することができ、第2の孔は、骨ねじを受け入れるように構成することができる。骨プレートは、骨プレート中で骨ねじを保持するための固定ねじを含むことができる。また、骨プレートは、第1の孔の中に、骨プレート中でスパイクを保持するための隆起部を含むことができる。
【0014】
本開示のさらに他の態様では、固定ねじを有する骨プレートと共に使用するための骨ねじは、外面を備えるヘッドを含むことができる。ヘッドの外面上には、隆起部とノッチとが交互に設けられている。骨ねじの回転を防止するために、隆起部およびノッチを固定ねじと接触させることができる。
【0015】
骨ねじは、1つ以上の骨ねじ溝を含むことができる。骨ねじのヘッドは、ツールを受け入れるように構成された受け口を含むことができる。骨ねじは、骨プレートと共に使用することができる。骨ねじは、骨プレートおよび固定ねじも含むキットの一部として提供することができる。キットは、複数の固定ねじと複数の骨ねじとを含むことができる。さらに、固定ねじの数と骨ねじの数とを等しくすることができる。
【0016】
一部の実施形態では、外科手術の方法は、椎間板腔にスペーサ本体を挿入することと、スペーサ本体にガイド部材を動作可能に連結することと、スペーサ本体に隣接してプレートを配置するためにガイド部材の上にプレートを渡すことであって、プレートが、締め具を受け入れるための少なくとも1つの孔を含む、プレートを渡すことと、プレートの少なくとも1つの孔を通して少なくとも1つの締め具を椎体に挿入することによって、プレートを椎体に固定することとを含む。
【0017】
一部の実施形態では、外科手術の方法は、椎間板腔にスペーサ本体を挿入することと、スペーサ本体にガイド部材を動作可能に連結することであって、第1の部分と、第1の部分よりも可撓な第2の部分とを備える、ガイド部材を動作可能に連結することと、スペーサ本体に隣接してプレートを配置するためにガイド部材の上にプレートを渡すことと、椎体にプレートを固定することとを含む。
【0018】
一部の実施形態では、外科手術の方法は、椎間板腔に凹部を含むスペーサ本体を挿入することと、スペーサ本体に隣接してガイド部材を動作可能に連結することと、スペーサ本体に隣接してプレートを配置するためにガイド部材の上にプレートを渡すことと、椎体にプレートを固定することとを含む。
【0019】
以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲を考慮して、本開示の追加の特徴、利点および態様が記載され、明らかになる。さらに、本開示の上記の概要および以下の詳細な説明は例示的なものであり、特許請求される本開示の範囲を制限することなく、さらなる説明を提供することを意図するものである。
【0020】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成するものであり、本開示の諸態様を示し、詳細な説明と共に本開示の原理について説明する役割を果たす。本開示の基本理解のために必要とされるよりも詳細に本開示の構造的詳細と、本開示を実施することができる様々な方法を示すことを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】隆起部が骨プレートの側部と同一平面である骨プレートの底面の斜視図である。
図1B図1Aの骨プレートの上面図である。
図2A】骨プレートの外側縁部を越えて延びるリング上に配置された隆起部を備える骨プレートの斜視図である。
図2B図2Aの骨プレートの上面図である。
図3A】隆起部がプレートの外側縁部から折り込まれた骨プレートの斜視図である。
図3B図3Aの骨プレートの上面図である。
図4A】任意選択の骨スパイクを受け入れるように構築された骨プレートを示す図である。
図4B】任意選択の骨スパイクを受け入れるように構築された骨プレートを示す図である。
図4C】任意選択の骨スパイクを受け入れるように構築された骨プレートを示す図である。
図5A】プランジャが拡張位置にある、図4Aに示したプレートにスパイクを挿入するためのツールを示す図である。
図5B図5Aのツールの遠位端の拡大図である。
図6A】プランジャが収縮位置にある、図4Aに示したプレートにスパイクを挿入するためのツールを示す。
図6B図6Aのツールの遠位端の拡大図である。
図7】ノッチ付きヘッドを備える骨ねじを示す図である。
図8図7の骨ねじの拡大図である。
図9A】固定ねじとノッチ付きヘッドの骨ねじとを備える骨プレートの側面図である。
図9B図9Aの線B−Bに沿った切欠図である。
図10】骨プレートをスペーサ本体と位置合わせするためのツールを含むシステムを示す図である。
図11】スペーサ本体と骨プレートを位置合わせするためのツールを含む代替的なシステムを示す図である。
図12】スペーサ本体と骨プレートを位置合わせするためのツールを含む追加の代替的なシステムを示す図である。
図13A】スペーサ本体と骨プレートを位置合わせするためのツールを含むさらなる代替的なシステムを示す図である。
図13B】スペーサ本体と骨プレートを位置合わせするための代替的なツールを示す図である。
図14】スペーサ本体を示す図である。
図15A】脊椎に隣接した所望のロケーションまでプレートを送達するためのプレート挿入デバイスの上面斜視図である。
図15B】プレートを把持している、図15Aのプレート挿入デバイスの遠位部分の斜視図である。
図16A】脊椎に隣接した所望のロケーションまでプレートを送達するための代替的なプレート挿入デバイスの上面斜視図である。
図16B】プレートを把持している、図16Aのプレート挿入デバイスの遠位部分の斜視図である。
図16C】レートを把持している、図16Aのプレート挿入デバイスの遠位部分の底部斜視図である。
図16D】錯角でプレートを把持している、図16Aのプレート挿入デバイスの遠位部分の底部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面に記載および/または図示され、以下の説明に詳述される非限定的な態様および例を参照して、本開示の態様および様々な特徴およびその有利な詳細についてより詳しく説明する。図面に示した特徴は、必ずしも実寸どおりの縮尺で図示されているわけではなく、本明細書に明記しない場合であっても、ある態様の特徴を、当業者が認識するような別の態様と共に採用し得ることを留意されたい。本開示の態様を不用意に不明瞭にしないように、周知の構成要素および処理手法に関する記載は省略されていることがある。本明細書で使用される例は、単に、本開示を実施することができる方法の理解を容易にし、さらに、当業者が本開示の態様を実施することを可能にすることを意図するものである。したがって、本明細書の例および態様は、本開示の範囲を制限するものとして解釈すべきではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲および適用法によってのみ規定される。さらに、図面のいくつかの図を通して、同様の参照番号が同様の部分を表すことを留意されたい。
【0023】
別段に明記されていない限り、本開示で使用する場合、「を含む(including)」、「を備える(comprising)」という用語およびその変化形は、限定はしないが、「を含む(including)」を意味する。
【0024】
別段に明記されていない限り、本開示で使用する場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」という用語、「1つ以上の(one or more)」を意味する。
【0025】
プロセスステップ、方法ステップ、アルゴリズムなどを連続的な順序で記載することができるが、そのようなプロセス、方法およびアルゴリズムは、別の順序で動作するように構成してもよい。換言すれば、記載され得るステップの任意のシーケンスまたは順序は、その順序でステップを実行するという要件を必ずしも示すものではない。本明細書に記載するプロセス、方法またはアルゴリズムのステップは、任意の実践的な順序で実行することができる。さらに、いくつかのステップを同時に実行してもよい。
【0026】
本明細書で1つのデバイスまたは物品について記載する場合、1つのデバイスまたは物品に代えて2つ以上のデバイスまたは物品を使用し得ることが容易に明らかになろう。同様に、本明細書で2つ以上のデバイスまたは物品について記載する場合、2つ以上のデバイスまたは物品に代えて1つのデバイスまたは物品を使用し得ることが容易に明らかになろう。デバイスの機能または特徴は、そのような機能または特徴を有するものとして明記されていない1つ以上の他のデバイスによって代替的に実施され得る。
【0027】
隣接する椎骨の融合を実行するために、例えば、長さ約2インチ以下であり得る切開を患者に行うことができる。全ての器具は、この切開部を通過しなければならず、骨プレートのサイズおよび手技において使用され得る他のハードウェアのサイズが自ずと制限される。場合によっては、このサイズ制限は、最適ではない本数の骨ねじと共にプレートが使用される結果となり得る。切開部を通してねじおよび他のハードウェアを挿入する際の難しさに起因して、ねじを省くことがある。他の状況では、プレート自体は、最適ではない数のねじしか受け入れないことがある。最適な数の孔を追加すると、切開部を通して嵌合するには、または場合によっては空間制限を満たすには大きすぎるプレートを形成することがある。また、他の状況および環境により、骨プレートを取り付けるために使用されるねじの数が制限されることもある。
【0028】
図1A図4Cおよび図7に、例えば、上記した状況において安定性を増すために脊椎融合手技で実装され得る骨プレート100(100A,100B,100C,100D,100E)の様々な例を示す。骨プレート100は、側壁107(107A,107B)と、上面108(108A,108B,108C,108D)と、底面109(109A,109B,109C,109D)とを含む。骨プレート100は、(例えば、図7図9Bに示す骨ねじ300など)それぞれの1つ以上の骨ねじを受け入れるように構成される1つ以上の孔101を含むことができる。骨プレート100は、中央孔104をさらに含むことができる。骨プレート100はまた、それぞれの1つ以上の固定ねじ102を受け入れるように構成される1つ以上の受容部110を含むことができる。固定ねじ102は、骨プレート100および骨(図示せず)に骨ねじを保持するのに役立ち、ねじが緩むことを防止することができる。
【0029】
図1A図1Bを参照すると、骨プレート100Aは、安定性を増すための隆起部103Aを含むことができる。隆起部103Aの壁は、テーパーを付けることができる。隆起部103Aは、骨プレート100Aの外周に沿って(またはその近くに)形成することができる。隆起部103Aは、骨プレート100Aの外周全体に沿って、または骨プレート100Aの外周の一部分のみに沿って延びることができる。骨プレート100Aを、隆起部103Aと一体に形成することができる。詳細には、骨プレート100Aの底面109Aを、隆起部103Aと一体に形成することができる。
【0030】
図1Aは、骨プレート100Aの底面または底面109Aの斜視図を示し、隆起部103Aが骨プレート100Aの側壁107Aと略同一平面となるように構築される。隆起部103Aの壁は、隆起部103Aの外周に沿って実質的に鋭利な縁部を形成するようにテーパーが付いている。
【0031】
図1Bは、骨プレート100Aの上面108Aの図を示す。隆起部103Aの外壁は骨プレート100Aの側壁107Aと略同一平面なので、この上面図では隆起部103Aは見えない。
【0032】
図2A図2Bは、リング105と隆起部103Bとを備える骨プレート100Bを示しており、リング105および隆起部103Bは両方とも、骨プレート100Bと一体に形成することができる。隆起部103Bは、リング105の外周に沿ってリング105上に形成することができる。リング105は、骨プレート100Bの壁107Aを越えて延びることができる。また、リング105は、骨プレート100Bの底面109Bを越えて延びることができる。
【0033】
図2Aは、隆起部103Bとリング105とを含む骨プレート100Bの底面109Bの斜視図を示す。図から分かるように、隆起部103Bは、骨プレート100Bの底面109B(またはリング105の底面)から、隆起部103Bの縁部(または端部)までテーパーが付くように構成された内壁を含むことができる。さらに、隆起部103Bは、リング105の底面上に形成することができる外壁、またはリング105の外壁の一部として形成することができる外壁を含むことができる。リング105は、底面109Bに実質的に垂直とすることができ、かつ、骨プレート100Bの壁107Aに対して実質的に平行とすることができる外壁を含むことができる。リング105の外壁には、隆起部103Bの内壁と共に縁部(または端部)まで細くなるように角度を付けることができる。
【0034】
図2Bは、リング105を含む骨プレート100Bの上面108Bの図を示す。図から分かるように、骨プレート100Bの上面図からリング105が見えることがある。
【0035】
図3A図3Bは、隆起部103Cが底面109Cの外周の内部に形成された骨プレート100Cを示す。詳細には、隆起部103Cは、骨プレート100Cの壁107Aから折り込まれるように骨プレート100C中に形成されている。隆起部103Cの内壁および外壁の一方または両方にテーパーを付けることができ、それにより、隆起部103Cの壁は、底面109Cから隆起部103Cの縁部(または端部)まで、垂直な(または、直交する)経路に沿って細くなる。
【0036】
図3Aは、隆起部103Cを含む、底面109Cの斜視図を示す。図から分かるように、隆起部103Cは、骨プレート100Cの壁107Aから折り込まれている。
【0037】
図3Bは、骨プレート100Cの上面108Cの図を示す。この図では、隆起部103Cは見えていない。
【0038】
各図には、1つの隆起部103(103A,103B,103C)のみが示されているが、当業者には、添付の特許請求の範囲を含んで本明細書の趣旨または範囲から逸脱することなく、複数の隆起部103を使用してもよいことが認識されよう。具体的には、2つ以上の隆起部103を使用することができる。例えば、図1Aの隆起部103Aを図2Aの隆起部103Bと組み合わせて、隆起部103A,103Bの対(図示せず)を含む骨プレート100を生成してもよい。さらに、図2Aおよび図2Bに示したリング105上に、複数の隆起部103Bを配置することができる。上記は、考えられ得る例または企図される例を網羅して列挙したものではなく、当業者には、さらなる態様が明らかになるであろう。
【0039】
隆起部103(103A,103B,103C)の内壁および/または外壁は、鋭利な縁部(または端部)までテーパーを付けることができる。隆起部103はまた、隆起部103(図示せず)の実質的に平行な内壁と外壁とによって形成される実質的に鋭利な縁部を有することができる。したがって、骨ねじを使用して、例えば、隆起部103を備える骨プレート100を例えば、下にある骨に堅固に取り付けることによって、隆起部103は、骨に接触し、それを貫通することができる(あるいは、隆起部103を骨に突き刺すことができる)。隆起部103が骨にうまく埋植された状態では、骨の上での骨プレート100の側方摺動を、実質的にまたは完全に低減する、あるいは、実質的にまたは完全になくすことができる。複数の隆起部103を使用する場合には、隆起部103の摺動防止効果をさらに高めることができる。
【0040】
さらに、隆起部103は、さらなる方法で骨プレート界面を補強することができる。例えば、複数の椎骨にわたって骨プレート100を適用する場合には、隆起部103は、椎骨が相互に移動することを防止するために、骨ねじと共に動作することができる。さらに、隆起部103は、骨成長を促すために、例えば、ヒドロキシアパタイトコーティング、チタンプラズマスプレーなどのコーティングで処理することでき、それにより、プレートと下にある骨との間の界面を安定化または補強することができる。
【0041】
隆起部103によって付与された向上した安定性は、骨プレート100の使用または設計に対する1つ以上の効果を有し得る。前述のように、ねじの必要性を低減させることができる。その結果、安定性を損なうことなく、より少数のねじを使用して、骨プレート100を骨に固定することができる。同様に、安定性を低減させることなく、骨プレート100のサイズを小さくすることができる。骨プレート100が小さくなると、必要な切開部が小さくなる傾向があり、切開部が小さくなると、患者の外傷を小さくし、回復期間を改善することができる。
【0042】
本開示のさらなる態様によれば、骨プレート100は、安定性を向上させるために、1つ以上の鋭利なスパイクを含むことができる。スパイクの機能は、上述した隆起部103の機能と同様であるが、スパイクは、骨プレート100からさらに離れるように延びることができる。図4A図4Bおよび図4Cは、骨プレート100Dの様々な図を示す。骨プレート100Dは、1つ以上のスパイクを受け入れるように構成される。詳細には、骨プレート100Dは、(骨プレート100Dの)1つ以上のそれぞれの開口部106の中を通して、例えば、骨(図示せず)に挿入することができる1つ以上の任意選択のスパイク206を受け入れるように構成される。骨ねじ(例えば、図7に示す骨ねじ300)を用いて骨プレート100Dを骨に固定して取り付けると、(図5A図6Bに示す)特殊なツール200を用いて、スパイク孔106を通して1つ以上の任意選択のスパイク206を挿入することができる。
【0043】
図5A図6Bを参照すると、ツール200は、本体201と、プランジャ202と、シャフト203とを含む。シャフト203は、中央を通り、本体201の長さに沿って延び、ツール200の近位端でプランジャ202に連結することができる。ツール200は、例えば、外科医によってプランジャ202が押されると、シャフト203を動かし、ツール200の遠位端から拡張させるように構成される。同様に、プランジャ202が拡張位置にあるとき、例えば、引張力によって、ツール200の遠位端からシャフト203を収縮させることができる。
【0044】
ツール200の遠位端において、シャフト203は、2つ以上のパネル205の基部として作用することができるリング204を通過することができる。また、ツール200の遠位端は、スリットを備えることができる。パネル205の内部およびシャフト203の遠位端は、プランジャ202が収縮位置にあるときに(すなわち、図5Aに示す、プランジャ202が拡張したときに)、近づいて連続形状を形成するように設計することができる。さらに、プランジャ202を押し、シャフト203を拡張させると、図6Bに示すように、パネル205を分離させることができる。例えば、シャフト203の遠位端は、シャフト203の拡張に伴いパネル205の内部壁を押圧するテーパー形状を有することができる。
【0045】
パネル205、シャフト203の遠位端、またはその両方は、図4A図4Cに示した骨プレート100Dと共に使用するための任意選択のスパイク206を保持するように構成することができる。例えば、シャフト203は磁力を帯びていてもよい。この場合、強磁性材料から製造されたスパイク206をピックアップし、容易に保持するために、シャフト203を使用することができる。パネル205は、パネル205が閉位置にあるときにスパイク206を把持するための内部のノッチまたは隆起部を含むことができる。さらに、ばねまたは他の機構(図示せず)によってパネル205を付勢することができ、パネル205が、スパイク206を相当な力で把持することが可能になる。
【0046】
図5Aは、プランジャ202が拡張位置にある状態のスパイクツール200を示す。シャフト203の遠位端は収縮されており、パネル205は閉じている。パネル205は、図4A図4Cに示した骨プレート100Dと共に使用するためのスパイク206を保持している。図5Bは、ツール200の遠位端の拡大図であり、パネル205を接近させる方法の一例を示す。
【0047】
この構成のツール200を使用して、スパイク206を骨プレート100Dのスパイク孔106を通して挿入することができる。孔106は、スパイク206がある特定の点を通過した後に、スパイク206に機械的に係合し、スパイク206を保持するように構成されることができる。例えば、孔106は、傾斜した1つ以上の隆起部を含むことができ、それにより、スパイク206が挿入されたときに隆起部を通過することが可能になり、さらに、スパイク206が、孔106から外れて作用することを防止する。上記に加えて、または上記に代えて、孔106は、スパイク206の下方限界として機能する隆起部またはノッチを含むことができる。この場合、スパイクがこの隆起部またはノッチを通して挿入されないように防止することができる。制限隆起部および傾斜した隆起部は、スパイク206を所定の位置に実質的に固定するために一緒に作動することができ、スパイクの206は、骨プレート界面および構造全体の安定性に最大限貢献することとなる。
【0048】
図6Aは、プランジャ202が押され、シャフト203が拡張された状態のツール200を示す。図6Bに、ツール200の遠位端の拡大図を示す。シャフト203は、ツール200がスパイク206を依然として保持している間、パネル205を離れさせる、または分離することができる。
【0049】
任意選択のスパイクを備える骨プレート100Dでは、プレートから、血管、神経および他の解剖学的形状を傷つけることがある鋭利な突起がなくなっている。さらに、骨プレート100Dは、任意選択のスパイク206の一部または全部を挿入することなく使用することができる。これにより、外科医または病院は、ストックしておく骨プレート100の個数および種類を減らすことが可能になり、これによりコストが低減される。
【0050】
図7は、本開示の原理に従って構築される骨ねじ300の一例を示す。骨ねじ300は、ノッチ付きヘッドを含むことができる。骨ねじ300は、骨プレート100Eと共に使用することができる。骨プレート100Eは、前述した骨プレート100A〜100Dのうちのいずれか1つのように構成することができる。骨ねじ300は、骨ねじ300が下にある骨(図示せず)から外れて作動することを防止するために、固定ねじ102と共に使用することができる。図7から分かるように、骨プレート100Eは、骨ねじ300を受け入れるための孔101と、固定ねじ102を受け入れるための(例えば、孔などの)受容部110とを含むことができる。
【0051】
図8は、骨ねじ300のヘッド部分の拡大図である。骨ねじ300のヘッド部分は、隆起部302とノッチ303とを交互に含むことができる。このように配列すると、固定ねじ102が骨ねじ300のヘッドに物理的に係合することが可能になり、それにより、骨ねじ300の回転と骨ねじが骨または骨プレート100Eから戻ることの両方が防止される。また、骨ねじ300は、例えば、骨を貫通し、それに係合するように構成された骨ねじ溝304をまた含むことができる。
【0052】
図9Aは、固定ねじ102および骨ねじ300と共に、プレート100Eの側面図を示す。図9Bは、線B−Bに沿った切欠図である。図9Bに、どのように固定ねじ102が骨ねじ300のヘッド部分の隆起部302およびノッチ303と界面することができるかについて示す。この相互作用は、骨プレート100Eを含む構造が身体の中で通常の生体力学的な力を受けたときに、骨ねじ300の回転を実質的にまたは完全に防止する。
【0053】
次に、スペーサ本体とプレートを位置合わせするための様々なシステム、デバイスおよび方法を提供する。これらのシステム、デバイスおよび方法について、上記で説明したような隆起部付きの形状を有するプレート100に関して説明してきたが、それらは、この特定のタイプのプレートに限定されるものではなく、様々な他のタイプのプレートをスペーサ本体と位置合わせするために使用することができる。
【0054】
図10図12に、プレート100を案内し、スペーサ本体10と位置合わせすることを可能にする様々なシステムを示す。一部の実施形態では、スペーサ本体10は、既に挿入され、脊椎内のある位置に配置される。本明細書に記載するシステムは、プレート100を、小さい切開経路を通してスペーサ本体10に向かって案内するための便利な手段を提供する。有利には、プレート100がスペーサ本体10に隣接して配置され、固定されるまで、(例えば、開創器によって形成された)切開部および小さい開口部を通して、プレート100を案内することができる。
【0055】
図10は、骨プレートをスペーサ本体と位置合わせするためのツールを含むシステムを示す。このシステムは、スペーサ本体10と、締め具300を有する骨プレート100と、骨プレートをスペーサ本体と位置合わせするためのガイド400とを含む。また、以下でさらに説明するように、スペーサ本体10に対するプレート100の回転を防止するのを補助するために、任意選択の差し込み具500が提供される。
【0056】
スペーサ本体10は、上部椎骨および下部椎骨とそれぞれ接触するように構成された上面22および底面26を備える。一部の実施形態において、これらの面は、歯や隆起などの表面突起を有することができ、椎骨の表面を保持する補助をする。開口部15は、スペーサ本体を貫通して形成されている。この開口部15は、骨移植材料などの骨材料を受け入れ、椎骨内のスペーサ本体10の融合を補助する。一部の実施形態において、開口部15は、略矩形であり、他の実施形態においては、開口部15はより円形に近い。
【0057】
一部の実施形態において、スペーサ本体10は、前面および/または背面に形成された凹部32を備えることができる。図14に示すとおり、凹部32は、円形、矩形または種々のその他の構成とすることができる。この凹部32は、滑らかまたはねじ溝が設けられている開口部36への移行部である。一部の実施形態において、下記に更に詳細に述べるように、開口部36はガイド部材400の一部を受け入れるように構成されている。
【0058】
スペーサ本体10は、2つの椎骨の間に挿入することができる。スペーサ本体10が所望の位置に挿入されると、骨プレート100は、切開部を通して提供され、スペーサ本体10に隣接して配置することができる。
【0059】
骨プレート100は、上記のいずれの特徴も有することができ、締め具300を受け入れる1つ以上の孔101、およびガイド400を受け入れる追加の中央孔104を含む。骨プレート100はまた、隆起した外周を有することができる。一部の実施形態において、骨プレート100は、締め具300によって上下椎骨に固定されるようにスペーサ本体10に隣接して配置される構成である。一部の実施形態において、骨プレート100は、スペーサ本体10に取り付けられるが、他の実施形態においては、骨プレート100は、スペーサ本体10に取り付けられない。図10に示すとおり、一部の実施形態において、骨プレート100は、スペーサ本体10に対して約90度の角度で垂直に配置される。他の実施形態では、骨プレート100は、スペーサ本体10に対して90度とは異なる角度で配置されてもよい。骨プレート100を所望位置に配置するために、このシステムは、切開路を通して骨プレート100を案内することができるユニークなガイド400を備える。
【0060】
この新規のガイド400は、第1の実質的な硬質部402および第2のより可撓な可撓部408を備えることができる。一部の実施形態において、硬質部402の材料は、可撓部408とは異なる材料であってよい。例えば、一部の実施形態において、硬質部402は、ニチノールワイヤーを備える可撓部408に動作可能に取り付けられるステンレス鋼などの金属を備えることができる。ステンレス鋼硬質402は、ガイド400をスペーサ本体10に取り付け可能にするねじ溝部414(図10に示す)を有利には備えることができる。一部の実施形態において、硬質部402は、ステンレス鋼以外の材料、例えばPEEK,コバルト、クロム、ニチノール、TAV、CP(チタン)またはその他の適合する生体材料を備える。
【0061】
ガイド400の可撓部408は硬質部402から外に向かって延伸し、切開部から外に向かって延びることができる。可撓部408が切開部から外に向かって延びると、プレート100は、可撓部の下へと運ばれる。一部の実施形態では、可撓部408は、プレート100が開創器のブレードに対して非垂直の角度で挿入されることを可能とするので、プレートを挿入するのに必要な開口部の大きさを縮小することができる。一部の実施形態において、可撓部408は、硬質部402内に固定される。一部の実施形態において、可撓部408を硬質部402に固定するためにエポキシ充填剤が使用される。可撓部408は、種々の材料から構成されることができ、このような材料はニチノールを含むがそれに限定されない。さらに、一部の実施形態において、可撓部408は、ステンレス鋼またはチタンケーブルを備えることができる。
【0062】
可撓部408および硬質部402をまとめて単一ガイド部材とみなすか、または一体に固定されている複数のガイド部材とみなしてもよい。一部の実施形態において、硬質部402の長さは、可撓部408および硬質部402を有するガイド全体400の長さの2〜25パーセントまたは5〜10パーセントとすることができる。一部の実施形態において、硬質部402の長さは、15〜45mm、または30mmであってよい。可撓部408の長さは、350〜550mm、または450mmであってよい。一部の実施形態において、プレート100が椎体上にあるときに、硬質部は、プレート100に係合するために丁度の長さであり、それに接続してそれを挿入し、プレート100の配置後に除去するために器具に十分な長さである。有利には、これらの寸法は、可撓部408が切開部から外に向かって延びることを可能にすると共に、硬質部402を挿入されたスペーサ本体10の近くに保持する。
【0063】
手術中、スペーサ本体10が、要求された椎間板腔に挿入されると、ガイド400はスペーサ本体10に取り付けられる。骨プレート100は、中央孔104を通してガイド400上に挿入され、そこで可撓部408上を移動し、それに続いてガイド400の硬質部402上を移動する。一部の実施形態では、中央孔104は非円形(例えば、四角または矩形)および/または、隆線状であってもよいので、プレート100がガイド400に沿って移動するときに、プレート100の回転を有利には最小にすることができる。有利には、骨プレート100は、可撓部408上に運ばれると同時に、傾斜および操作によって、多数の異なった向きにされることが可能であるので、最小侵襲運搬(例えば、開創された組織を通して)を可能にする。ガイド400の可撓部408を通過した後、プレート100は、ガイド400の硬質部402を横断する。ガイド400の硬質部402は、有利にはプレート100がスペーサ本体10に一致するのを補助する。プレート100がスペーサ本体に隣接して配置されると、締め具300によって椎骨に固定される。
【0064】
任意で、差し込み具500(図10に示す)を、スペーサ本体10に対してのプレート100の回転を防止する補助として配置することができる。差し込み具500は、ガイド400上を摺動し、中央孔104を通るよう構成されたるスリーブを備える。一部の実施形態において、差し込み具500は、ステンレス鋼またはチタンなどの生体適合性のある金属から成る。一部の実施形態において、差し込み具500は、中央孔104の形状および/またはスペーサ本体10の凹部の形状に対応する形状を有することができる。対応する形状を有することによって、これはスペーサ本体10に対するプレート100の回転を有利に防止する。一部の実施形態において、差し込み具500は、非円形および/または中央孔104の形状に対応する隆線状であることができる。一部の実施形態において、差し込み具500は、プレート100の中央孔104よりもわずかに小さいので、トグル数および部品のずれを最小にすることができる。差し込み具500は、図10中のシステムに関して示すが、他の実施形態に示すシステムと共に使用することができる。さらに、差し込み具500は、スペーサの凹部に挿入されないとき、プレートを所望の角度に回転させるために使用されてもよい。代替実施形態において、差し込み具500は、ガイド400の硬質部およびプレート100の間のスロップを取り上げるために円筒状に形成することができるが、プレート100がその上を回転することを許容する。
【0065】
図11は、骨プレートをスペーサ本体に一致させる器具を含む代替システムを示す。図10のシステムのように、本システムは、スペーサ本体10、プレート100、および可撓部408および硬質部402を有するガイド400を備える。しかしながら、硬質部402に取り付けられたねじ溝材414を有するよりもむしろ、本ガイド400は、スペーサ本体10内に保持する圧力プレスばめ端419を備える硬質部402を有する。圧力プレスばめ端419の形状は、プレート10がガイド400の硬質部402上を摺動するときに、正しい位置に案内され、差し込まれるよう、プレート凹部32(図14に示す)の形状を有利には関連付ける。プレート100はこうしてスペーサ本体10に一致する。
【0066】
一部の実施形態において、スペーサ本体10の凹部32は、プレスばめ端419の動きを許容する形状および寸法にすることができる。例えば、凹部32は、ガイド400のプレスばめ端419よりわずかに長いので、ガイド400がある程度横へ移動するようにできる。ガイド400はこうして中央から移動することができるので、スペーサ本体10に対するプレート100の中央および中央からずれた配置の両方を可能にする。これは外科医がスペーサ10に対して様々な位置にプレート100を有利には配置できるようにする。
【0067】
図12は、骨プレートをスペーサ本体に一致させる器具を備える追加の代替システムを示す。このシステムは、スペーサ本体10、プレート100、および特徴的なデザインを有する代替差し込み具600を備える。
【0068】
プレート100がスペーサ本体10に隣接して配置されると(例えば、上記で述べたガイド400によって)、差し込み具600が提供される。一部の実施形態において、差し込み具600はそれだけで提供されるが、他の実施形態では、差し込み具600は、カニューレが装着され、所望手術箇所までガイド上を延びる。一部の実施形態において、差し込み具600は、1つ以上のフィンガー、分枝、または尖叉を有するフォーク部材を備え、スペーサ本体に対してプレート100の位置を保持することができる。1つ以上の分枝は中央孔104の形状に対応する形状(例えば非円形)を有することができる。図12に示すように、差し込み具600は、少なくとも2つの分枝602,604を備えることができる。第1の分枝602はプレート100の中央孔104を通ってスペーサ本体100の凹部32内へ延びる。有利には、第1の分枝602の形状は、正しくプレートを一致させるため、および/またはその回転を防止するためにプレートの中央孔104の形状と実質的に相関する。第2の分枝604は、第1の分枝602から平行および軸方向にずれており、必要に応じて、スペーサ本体に設けられた凹部32内へ延びることができる。一部の実施形態において、第1の分枝602および第2の分枝604は、異なる長さであり、1つの分枝がスペーサ本体に設けられた凹部32内へ延びるが、他方はスペーサ本体に設けられた凹部32内へ延伸しない。さらに、一部の実施形態において、スペーサ本体32は、差し込み具600の内部移動を許可する寸法である。
【0069】
図13Aは、骨プレートをスペーサ本体に一致させる器具を備える追加の代替システムを示す。図12に示すシステムのように、本システムは、スペーサ本体10、プレート100、および差し込み具600を備える。しかし、図13Aの差し込み具600は、3つの分枝602,604,606を有する。第1の分枝602は、プレート100の中央孔104を通って、スペーサ本体10の凹部32へ延びる。第1の分枝602の形状は、プレート100の中央孔104の形状と実質的に相関し、スペーサ本体10に対する回転を有利には防止することができる。第2の分枝604および第3の分枝606は、第1の分枝602と平行に延在する。一部の実施形態において、図13Aに示すように、第2の分枝604および第3の分枝606は、スペーサ本体10の外面に対して寄り掛かっているので、さらなる安定をシステムに有利には提供することができる。一部の実施形態において、スペーサ本体10の側面は、1つ以上の分枝(例えば、分枝604,606)がその中に摺動する窪んだ溝を有することができるので、スペーサに対するプレートの位置を安定させるためにさらに役立つ。
【0070】
図13Bは、骨プレートをスペーサ本体に一致させる追加の代替器具を示す。差し込み具600は、2つの分枝602,604を有する。一部の実施形態において、第1の分枝602は、プレート100の中央孔を通って受け入れられ、第2の分枝604は、プレート100および/またはスペーサ10の側面に沿って延在する。図13Bに示すように、2つの分枝は異なる長さを有する。
【0071】
図10、12、13Aおよび13Bに示す差し込み具600のいずれも、カニューレが装着され、硬質および可撓部材を備えるガイドの表面上を摺動する。いくつかの実施例において、差し込み具600のカニューレ装着された部分は、ガイド以外の追加の器具を受け入れるのに十分な大きさである。
【0072】
上記で説明したシステムを挿入する種々の方法を提供する。一部の実施形態において、外科医は切開部および椎間板腔への通路を形成する。スペーサ本体で、隆起した外周を有するものなどは、椎間板腔に運び、挿入することができる。ガイドで、硬質部および可撓部を有するものなどは、スペーサ本体に運び、動作可能に接続することができる。そしてプレートはガイド上に運ばれ、初めに可撓部上、続いて硬質部上に運ばれる。プレートがスペーサ本体に隣接する所望の場所に運ばれると、1つ以上の締め具を用いて、プレートが椎骨に固定される。任意で、プレートの1つ以上の締め具を椎体に固定する前および/または後に、差し込み具を提供することができる。一部の実施形態において、差し込み具は、ガイド上に適合し、プレート内の中央孔を通るカニューレを備えている。差し込み具は、システムを固定するよりも前に、スペーサ本体に対するプレートの回転を有利には防止するために役立つ。スペーサ本体およびプレートが固定されると(または一時的な固定ピンによって所定の位置に一時的に保持される)、ガイドおよび/または差し込み具は取り除かれる。
【0073】
脊椎に隣接した場所へのプレート運搬を補助するために、本明細書で述べたような異なる挿入デバイスが提供される。これらの新規挿入デバイスは、プレート運搬用の効果的な器具を外科医に提供することができる。
【0074】
図15Aは、プレートを脊椎に隣接する所望の位置に運搬するプレート挿入デバイスの上面斜視図である。図15Bは、プレートを保持する図15Aのプレート挿入デバイスの末端部を示す図である。
【0075】
プレート挿入デバイス300は、デバイスのハンドルとして機能する近位部340へ延在するスリーブ320を有する多数の部品を備える。プレート100を堅固に保持する保持部材310は1対の平行ジョー311を備える。延長部314を有するヒンジ端312は、平行ジョー311から延びる。
【0076】
デバイス300の保持部材310は1対の平行ジョー311を備える。平行ジョー311は収納および展開可能に構成される。一部の実施形態において、平行ジョー311は、収納状態にあり、ジョー311は、スリーブ320の本体内に摺動することができる。一部の実施形態において、平行ジョー311は展開状態にあり、ジョー311は、スリーブ330の本体から外側に延びる。平行ジョー311は、バネ仕掛けとすることができる。一部の実施形態において、平行ジョー311は、プレート100の側面(図15Bに示すように)を保持する構成である。一部の実施形態において、平行ジョー311は、プレート100の前面および/または背面、または上面および底面を保持することができる。
【0077】
ヒンジ端312は平行ジョー311に連結される。ヒンジ端312は、1つ以上の回転ピン313(図15Bに示す)を中心に回転および/または作動することができる湾曲分岐を備える。一部の実施形態において、ヒンジ端312の回転は、作動部材によって制御することができる。ヒンジ端312は、回転するように有利に構成され、デバイス300が非常に小さな開口部を通してプレート100と共に運搬されるよう、非常に小さな円弧で大きな範囲の回転を可能にする。有利には、ヒンジ端312のアームは、回転軸からずれているので、プレート100の中央孔の使用を可能にする。さらに、ヒンジ端312は、所望の位置にプレート100を配置するにおいての柔軟性を外科医に有利には与える。一部の実施形態において、ヒンジ端312は、プレート100を器具に対してほぼまたは完璧に垂直に(例えば、スリーブ320の縦軸)保持し、それをスリーブ320とほぼ平行な位置にまで回転させることができる。ヒンジ端312に形成されたストップは、プレートの過剰な回転を防止するために役立つ。このような回転要素を設けることによって、場合によっては、プレート100の挿入およびそれを椎体の表面に対し押圧する時に、プレート100が有利には回転し始めやすくする。
【0078】
延長部314は、ヒンジ端312から内向きに(例えば、デバイス300の中央線に向いて)延びる。これらの延長部314は、図15Bに示すように、プレート100の本体に形成された凹部を堅固に保持するように有利に構成される。
【0079】
平行ジョー311およびヒンジ端312は、保持部材310の開口部318を包囲するよう構成されている。有利には、プレート100が保持部材310に固定されるとき(図15Bに示すように)、保持部材310の開口部318はプレート100を可視化する手段を提供する。さらに、一部の実施形態において、保持部材310の開口部318は、実質的にプレート100の中央孔104に一致している。この場合、開口部318が端部312の間の交差部材の前で中央孔104に一致するとき、有利には、プレート100を可撓ガイド上に挿入することができると共に、それがプレート挿入デバイス300によって保持される。保持部材310は、その側部凹部でプレート100を保持するので、中央孔104は、ガイド(上記で述べた組み合わせの可撓および硬質ガイドなど)がそこを通って使用されるように保つことができる。したがって、プレート挿入デバイス300は、プレート100の孔104を通って延びるガイドと共に有利には使用することができる。
【0080】
保持部材310は、スリーブ320の開口から外向きに延びることができる。一部の実施形態では、スリーブ320は、デバイス300の長さの大部分に延在する。スリーブ320は、その近位端付近でわずかに広くなり近位ハンドル部340を形成する狭い中間部を有する。スリーブ320およびそのハンドル近位ハンドル部320のスリムな設計は、有利には器具を使用する間の外科医の視界を保つように役立つ。一部の実施形態において、スリーブ320の直径は、約5mmから15mm、または約8mmから12mmである。スリーブ320の最近位端は、作動ノブ342に接触することができ、保持部材310のアームを開閉するように構成することができる。一部の実施形態において、作動ノブ310は、ねじ溝が付けられた端部を有する内部ロッドを介して平行ジョー311に連結する。ノブ310が回転させられると、それがジョーをスリーブ320内へ引き込む、またはスリーブ320の外へ押し出すので、拡張および縮小させることができる。
【0081】
一部の実施形態において、作動ノブ342は、外科医によって便利に保持されるよう、リブ、刻み付き面などの荒い外面を有する。一部の実施形態において、作動ノブ342を回転させると、プレート100の表面をしっかり保持するように平行ジョー311を閉じる。作動ノブ342を反対方向に回転させると、平行ジョー311を開きプレート100をそこから解放する。作動ノブ342を円滑に制御回転させることによって、平行ジョー311は、連続的に開閉することができるので、プレート100を正確に制御して保持および解放することができる。一部の実施形態において、平行ジョー311は、プレート100をしっかり保持するために有利にバネ仕掛けにされている。この場合、バネは平行ジョーを開くように機能し、スリーブは平行ジョーがスリーブ内へ引き込まれるように閉じるように作用することができる。
【0082】
図16A〜Dは、プレートを脊椎の所望の位置に運搬するための代替プレート挿入デバイスの異なる図である。デバイス400は、スリーブ420、およびスリーブ420の開口部から延びる保持部材410を備える。保持部材410の遠位部は、遠位延長アーム412を回転および関節接合させるよう構成された関節リンク部材413を有する。図16Bおよび図16Cに示すように、延長アーム412は、プレート100を固定するため役立つ外向き突出部414を有する。
【0083】
図15Aの保持部材310とは異なり、図16Aの保持部材410は、必要に応じてプレート100の中央孔104に取り付けられるよう構成される。当業者は、プレート100の中央孔104以外の孔もまた保持部材410による取り付けに使用されることを理解するであろう。一部の実施形態において、保持部材410は、遠位延長アーム412を関節接合および回転させることができる(例えば、0〜90度の間で)関節リンク部材413を有する。リンク部材413の関節接合は、図15Aのデバイス300の近位部にあるようなノブの回転を介して行うことができる。リンク部材413が回転すると、これがアーム412も回転させる。アーム412は、アーム412から外向きに延在する(例えば、デバイス400の中央ラインから離れる)突出部414を介してプレートに取り付けることができる。
【0084】
有利には、デバイス400の保持部材410は、最少径のプレート100の中央孔を保持することができるアーム412を有しているため、デバイス400は幅が極細であり、非常に小さな切開部を通して使用されることができる。小さな切開部を通して入った後、デバイス400は、プレート100の関節接合を、非常に統制された方法で制御する能力を有利には発揮する。
【0085】
上記のいずれの変更形態も組み合わせができることは当業者にとって明らかであろう。例えば、骨プレートは、構成の安定性を向上させるための鋭利な外周隆起、さらなる安定性向上のための任意のスパイク、および体内でのねじの回転を防止するノッチヘッド付きの骨ねじを有することができる。その他の組み合わせは可能であり企図される。骨プレートまたはその他の構成または器具は、添付の特許請求の範囲を含む本明細書の趣旨および範囲から逸脱することなく、上記向上のいずれの組み合わせでも利用することができる。
【0086】
本開示を例示的な態様に関して記載したが述べているが、当業者は、本開示が添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内において変更形態と共に実施されることが可能であることを理解するであろう。上記の例は、説明のためのものに過ぎず、本開示の全ての可能な設計、態様、用途または変形例を網羅することを意図したものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D