(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297532
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】照明デバイス
(51)【国際特許分類】
F21S 41/00 20180101AFI20180312BHJP
F21S 43/00 20180101ALI20180312BHJP
F21S 45/00 20180101ALI20180312BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20180312BHJP
F21V 7/24 20180101ALI20180312BHJP
F21V 7/26 20180101ALI20180312BHJP
F21V 7/28 20180101ALI20180312BHJP
F21V 7/30 20180101ALI20180312BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20180312BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20180312BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20180312BHJP
F21W 102/00 20180101ALN20180312BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20180312BHJP
【FI】
F21S8/10 510
F21S8/10 150
F21S8/10 171
F21S8/12 140
F21V8/00 100
F21V7/22 300
F21W101:10
F21Y101:02
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-222095(P2015-222095)
(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公開番号】特開2016-96143(P2016-96143A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2015年11月12日
(31)【優先権主張番号】10 2014 116 517.9
(32)【優先日】2014年11月12日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】510238096
【氏名又は名称】ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【弁理士】
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】イェンス ハイネマン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ダムボヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ ザックス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ラベク
【審査官】
谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−088647(JP,A)
【文献】
特開2014−203547(JP,A)
【文献】
特開2009−053549(JP,A)
【文献】
特表2001−521200(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/168811(WO,A1)
【文献】
米国特許第06123442(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0103681(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3126344(JP,U)
【文献】
特開2013−161656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/00
F21S 43/00
F21S 45/00
F21V 7/24
F21V 7/26
F21V 7/28
F21V 7/30
F21V 8/00
F21W 103/00
F21W 104/00
F21W 105/00
F21W 102/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの発光ダイオードが割り当てられた光導波路始端部(14、62)と、光導波路終端部(16、36、64)とを有する光導波路(12、32、58)を有する照明デバイスであって、吸光要素(24、38、70)が前記光導波路終端部(16、36、64)に配置され、前記吸光要素(24、38、70)が接着剤ベッドとして構成され、前記接着剤ベッドの接着剤が吸光特性を有し、前記光導波路(12、32、58)は、前記吸光要素(24、38、70)を介して、保持要素(8、40、52)に固定され、
前記光導波路(12、32、58)の前記光導波路終端部(16、36、64)が、反射器(6、60)によって取り囲まれ、前記光導波路(12、32、58)の長手方向に開口する前記反射器(6、60)の穴の中に配置され、
前記吸光要素(24、38、70)が、前記反射器(6、60)の前記穴の中に配置される照明デバイス。
【請求項2】
前記光導波路(16、36、58)の終端区域(18、34、68)が、前記吸光要素(24、38、70)によって少なくとも一部取り囲まれる請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記吸光要素(24、38、70)が、少なくとも1つの色素であって、前記色素が、前記光導波路終端部(16、36、64)の方向に伝送される少なくとも1つの周波数を有する光を、前記光の前記少なくとも1つの周波数の範囲内で吸収するように構成される少なくとも1つの色素を含む、請求項1または2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
光伝送方向に沿って前記光導波路(12、32、58)を通して前記光導波路始端部(14、62)から前記光導波路終端部(16、36、64)に伝送される前記光の少なくとも一部が、前記光導波路(12、32、58)から、前記光伝送方向に垂直に放射される請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記光導波路(12、32、58)が光ファイバとして構成される請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記吸光要素(24、38、70)が硬化接着剤によって提供され、前記硬化接着剤が、液体状態で前記光導波路終端部(16、36、64)に塗布される請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の少なくとも1つの照明デバイス(4、30、50)を有し、車両での外部照明として構成されたヘッドランプ構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明デバイス(装置)およびヘッドランプ構成に関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ、細長い本体を有する光導波路(optical waveguides)が自動車のヘッドランプで使用され、その際、光はそのような光導波路を通して伝送され、光導波路に沿って少なくとも一部取り出され、それにより、ヘッドランプ内に配置された光導波路によって光源が提供される。
【0003】
半導体基板および光入射経路を有する光トリガ半導体装置が下記特許文献1から知られている。その装置では、光の反射を防止するフィルムが光入射経路の終端区域に塗布される。
【0004】
下記特許文献2は、光ファイバを備える半導体レーザモジュールであって、その光ファイバの一端に反射防止フィルムが配置された半導体レーザモジュールを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公表第695 10 124 T2号明細書
【特許文献2】米国特許第4 790 618号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第195 20 934 A1号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2011 011 462 A1号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2011 015 161 A1号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10 2012 109 422 A1号明細書
【特許文献7】特願2003−281920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この背景を元に、本発明の目的は、光導波路の特定の位置では望まれない光の取出しを回避するように配慮しながら、光導波路を通って伝送される光を光導波路から取り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を実現するために、独立請求項の特徴を有する照明デバイスおよびヘッドランプ構成が提示される。照明デバイスおよびヘッドランプ構成の構成は、従属請求項および本明細書から理解することができる。
【0008】
本発明による照明デバイスは、光導波路の第1の端部に光導波路始端部または光ファイバ始端部を有し、光導波路の第2の端部に光導波路終端部または光ファイバ終端部を有する光導波路または光ファイバを備える。ここで、吸光要素(光吸収要素)が光導波路終端部に配置され、典型的には接着結合によって貼付される。
【0009】
光導波路始端部に、典型的には発光要素、好ましくはランプまたは発光ダイオードが配置され、発光要素の光は、光導波路に結合され(入って)、光導波路によって伝達される。
【0010】
光導波路終端部は吸光要素内に配置され、吸光要素は接着剤(adhesive)を含む。一構成では、吸光要素は、光導波路終端部に結合および/または接着貼付された接着剤ベッドもしくは接着ボンドとして構成され、または接着剤ベッドもしくは接着剤ボンド(bond)と呼ぶことができる。ここで、光導波路終端部に結合および/または接着貼付された接着剤の量が、吸光要素を形成する。光導波路終端部は、接着剤または接着剤ベッドを使用して、保持要素などさらなる構成要素に接着貼付され、したがって固定される。このために、一般には液体の接着剤が光導波路終端部に配置および/または塗布され、一構成での吸光要素は、硬化接着剤によって形成される、および/または硬化接着剤(cured adhesive)を含む。さらに、吸光要素が、光導波路終端部で複数の吸光部分要素を有することが可能であり、これらの吸光部分要素の少なくとも1つが光導波路終端部に接着結合され、光導波路終端部を取り囲む。光導波路終端部および光導波路は、少なくとも1つの吸光部分要素を介して、ヘッドランプ構成の少なくとも1つのさらなる構成要素、例えばハウジング、レンズ、および/または反射器と接着接合され、したがって接続される。
【0011】
光導波路の終端区域は、吸光要素、例えば接着剤ベッドによって少なくとも一部取り囲まれる、および/または接着してカプセル化される。光導波路終端部は、典型的には、光導波路の終端区域の外壁を形成する。
【0012】
さらなる構成では、照明デバイスは、ヘッドランプ構成の一構成要素としても構成される少なくとも1つの反射器を備える。この反射器は、光導波路の光導波路終端部を少なくとも一部、一般には完全に取り囲む穴またはくり抜き部(a cutout)を備える。したがって、そのような反射器によって光導波路の終端区域を取り囲むことも可能である。さらなる構成では、吸光要素も反射器の穴の中に配置され、したがって反射器によって少なくとも一部取り囲まれる。したがって、反射器は、少なくとも光導波路終端部および/または吸光要素が中にあるまたは配置された穴または開口を取り囲む。一構成では、反射器は、複数の反射器構成要素を備え、これらの反射器構成要素は、互いに接続または接合され、光導波路終端部および/または吸光要素が中にあるまたは配置される開口および/または穴の壁を形成する。
【0013】
吸光要素は、少なくとも1つの材料または色素(染料、a dye)を含む。したがって、吸光要素が、接着剤と少なくとも1つの材料との混合物を含むことが可能であり、ここで、少なくとも1つの材料は、光導波路終端部で光を吸収するように構成され、接着剤に混合される。
【0014】
吸光要素の少なくとも1つの色素は、光導波路終端部の方向に伝送される光を、伝送される光の周波数または波長の範囲内で吸収するように構成される。一般に、吸光要素は、混合された様々な色素を含む。
【0015】
吸光要素を製造するために、少なくとも1つの色素が混合された液体接着剤が、概して光導波路の終端区域で少なくとも光導波路終端部に塗布される。一構成では、まだ液体の接着剤を使用して、吸光要素を照明デバイスの保持要素に接着貼付すべきである。当初はまだ液体の接着剤を硬化すると、吸光要素、または光導波路終端部を保持するための接着剤ベッドが提供され得る。一体に接続すべき全ての構成要素、すなわち光導波路終端部と、反射器と、レンズとを予め組み立てることが考えられる。まだ液体の接着剤が、ハウジングと、レンズと、光導波路終端部と、反射器との間のそれぞれ適切なくり抜き部内に充填され、またはそのようなくり抜き部に加えられ、ここで、構成要素は、接着剤の硬化後に直接または間接的に接続される。
【0016】
さらに、光伝送方向に沿って光導波路を通して光導波路始端部から光導波路終端部に伝送される光の少なくとも一部は、光導波路から、光伝送方向に垂直に放射されるようになっている。
【0017】
既述のように、光導波路は、典型的には、細長い光ファイバとして構成され、および/または光ファイバと呼ぶことができ、その光ファイバに沿って、光が光導波路始端部または光ファイバ始端部から光導波路終端部または光ファイバ終端部に伝送され、光導波路終端部に入射する光は、吸光要素によって吸収される。
【0018】
本発明によるヘッドランプ構成は、少なくとも1つの光導波路を有する少なくとも1つの照明デバイスを備え、光導波路は、光導波路始端部と光導波路終端部とを有し、ここで、吸光要素が、少なくとも1つの光導波路の光導波路終端部に配置され、一般には接着結合および/または貼付される。
【0019】
このヘッドランプ構成は、例えば、車両、典型的には自動車での外部照明として構成される。
【0020】
ヘッドランプ構成は、透明な外壁としてレンズを有し、レンズを通して光の少なくとも一部が放射され、この光は、一実施形態では、光伝送方向に沿って少なくとも1つの光導波路を通して光導波路始端部から光導波路終端部に伝送され、ここで、伝送される光は、少なくとも一部、少なくとも1つの光導波路から、所期の光伝送方向に垂直に放射または放出される。
【0021】
さらに、ヘッドランプ構成は、光導波路終端部を少なくとも一部、一般には完全に取り囲む穴を有する不透明な反射器を備える。光導波路終端部は、例えば、吸光要素を介して、不透明なハウジングによって覆われるヘッドランプ構成の構成要素または構成要素部分に接着貼付される。
【0022】
光導波路の終端区域は、典型的には円筒体の形状になるように構成される。ここで、終端区域の領域での光導波路の外壁は、円筒体の胴部に対応する。しかし、光導波路終端部は、光導波路がその端部でどのように段差を付けられるかに応じて、他の幾何形状を有することもできる。
【0023】
少なくとも光導波路終端部を覆い、一構成では光導波路の終端区域を少なくとも一部取り囲む吸光要素の提供により、まず、光導波路終端部で光が光導波路から出ることが回避される。さらに、吸光要素は、光導波路終端部に達した光が吸収され、したがって「飲み込まれる」ようにする。このようにして、光が光導波路終端部から光導波路内に反射されて戻されることも回避され、その結果、光導波路終端部での反射またはいわゆるホットスポット(hot spots)が回避される。
【0024】
本発明のさらなる利点および実施形態は、本明細書および添付図面から理解することができる。
【0025】
前述の特徴、および以下に説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ記載する組合せでのみならず、他の組合せでも、または単独でも使用することができることを理解されたい。
【0026】
本発明をいくつかの実施形態に基づいて図面に概略的に示し、図面を参照しながら概略的に、および詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明による照明デバイスの第1の実施形態を有する本発明によるヘッドランプ構成の第1の実施形態の概略図である。
【
図3】本発明による照明デバイスの第2の実施形態の詳細の概略図である。
【
図4】本発明による照明デバイスの第3の実施形態を有する本発明によるヘッドランプ構成の第3の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明によるヘッドランプ構成2(この場合にはフロントランプとして構成されている)の第1の実施形態と、本発明による照明デバイス4の第1の実施形態とが、
図1に概略的に示されている。さらに、
図1において円で囲まれている照明デバイス4の細部IIが
図2に拡大されて示されている。
【0029】
ここで、ヘッドランプ構成2は、不透明なハウジング8と、反射器6(ここでは反射器6の第1の反射器構成要素6aと第2の反射器構成要素6bが図示されている)とを備え、ここで、ハウジング8は、自動車の前部領域でシャシ(a chassis)7に取り付けられている。したがって、ヘッドランプ構成2を自動車のフロントランプと呼ぶこともできる。さらに、ヘッドランプ構成2は、透明な外壁またはレンズ10を備え、外壁またはレンズ10は、ここでは自動車のシャシ7に接続されている。
【0030】
本発明による照明デバイス4の第1の実施形態は、ここでは、細長い光ファイバとして構成された光導波路12を備え、この光導波路12は、第1の端部に光導波路始端部14を有し、第2の端部に光導波路終端部16を有する。さらに、光モジュール13が提供され、光モジュール13は、レンズ10の後方に配置され、光導波路12から放射された光を分散および/または散乱するように構成される。
【0031】
特に、
図2によって示されるように、光導波路12の終端区域18は、概して円筒形に構成される。光導波路終端部16は、光導波路12の終端区域18の外側境界および/または外壁を形成し、ここでは長円形断面を有する。代替構成では、光導波路終端部16は円形断面を有していてもよい。
【0032】
反射器6の第1の反射器構成要素6aは、光導波路12とハウジング8との間に配置される。第2の反射器構成要素6bは、光導波路12の終端区域18と、光モジュール13およびレンズ10との間に配置される。反射器6の両方の反射器構成要素6a、6bが一体となって、光導波路12の終端区域18が配設される穴または開口を取り囲む。
【0033】
照明デバイス4は、さらに、アルミニウムからなるヒートシンク20(
図1に示される)と、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を備えるプリント基板21とを備え、発光ダイオードの光は、光導波路始端部14、したがって光導波路12に結合される(導入される)。発光ダイオードから光導波路12に結合された(導入された)光は、導光方向で、光導波路12に沿っておよび/または光導波路12を通して光導波路終端部16の方向に伝送される。
図2での光伝送方向は、矢印22によって示されている。光導波路12の反対側の光導波路終端部16に光が導かれることが明らかである。
【0034】
ここで提示する照明デバイス4の第1の実施形態では、吸光要素24が、光導波路終端部16、または光導波路終端部16を備える終端区域18に接着固定され、したがってそこに配置される。この吸光要素24は、第1の吸光部分要素24aと、第2の吸光部分要素24bとを備え、ここで、この吸光要素24は、光導波路終端部16を完全に取り囲み、光導波路12の終端区域18を少なくとも一部取り囲む。さらに、少なくとも吸光要素24の第1の部分要素24aは、反射器6(すなわち2つの反射器区域6a、6b)によって取り囲まれ、したがって反射器6内の穴の中に受け取られ、またはそこに配置され、この穴の壁は、接続された反射器区域6a、6bによって形成されている。
【0035】
ここでは、吸光要素24は、少なくとも1つの色素が混合された硬化接着剤から形成され、光導波路終端部16に入射する光は、この少なくとも1つの色素によって吸収され、その結果、従来技術から知られているような反射またはホットスポットが回避される。ここで述べる照明デバイス4の第1の実施形態でのこの吸光要素24は、接着剤ベッドとも呼ばれ、および/または接着剤ベッドとして構成される。
【0036】
図2によって示されるように、吸光要素24の両方の吸光部分要素24a、24bが透明レンズ10の一端を取り囲む。したがって、光導波路12の終端区域18は、光導波路終端部16によって、吸光要素24(ここでは2つの部分要素24a、24b)を介して照明デバイス4のハウジング8およびレンズ10に接着貼付され、したがって吸光要素24を介して透明な外壁またはレンズ10に間接的に固定される。
【0037】
吸光要素24を提供するために、光導波路12の終端区域18は、少なくとも1つの色素が混合された液体接着剤中に浸漬される。その後、提供された吸光要素24によって、光導波路12の終端区域18、したがってまた光導波路終端部16が、ハウジング8およびレンズ10に接着結合される。接着剤を硬化させることによって、吸光要素24が形成され、吸光要素24の第1の部分要素24aは、一方の側で終端区域18を取り囲み、他方の側でハウジング8およびレンズ10に接続する。
【0038】
代替または追加として、光導波路終端部16を有する光導波路12の終端区域18と、反射器6と、レンズ10の終端区域とを予め組み立て、
図2に示されるように配置することが可能であり、ここで、光導波路終端部16は、反射器6の穴の中に配置される。その後、混和された色素を含む接着剤が加えられ、次いで、接着剤を硬化すると吸光要素24が形成され、吸光要素24によって、光導波路終端部16と、反射器6と、導光レンズ10とが互いに接続される。
【0039】
ここでは、吸光要素24の少なくとも1つの色素は、プリント基板21の少なくとも1つの発光ダイオードによって生成されて光導波路12を通して伝送される光の周波数または波長に合致されるようになっている。ここでは、少なくとも1つの色素は、光導波路12を通して伝送される光を吸収するように構成される。
【0040】
光導波路終端部16を取り囲むおよび/または覆う吸光要素24、特に第1の吸光部分要素24aは、光伝送方向に沿って光導波路12を通して伝送されて、光導波路終端部16に入射する光を吸収する。
【0041】
光導波路12の終端区域18を取り囲む吸光要素24、ここでは第1の部分要素24a、または少なくとも1つの混和された色素を含む硬化接着剤の接着剤ベッドは、光導波路終端部16が配置されるくり抜き部を形成する。さらに、少なくとも第1の吸光部分要素24aは、2つの反射器構成要素6a、6b、したがって反射器6によって取り囲まれ、ここでは、反射器構成要素6a、6bによって完全に囲われた穴の中に配置される。
【0042】
図2は、さらに、終端区域18および吸光要素24が第2の反射器構成要素6bによって外部に対して覆われていることを示す。
【0043】
図3に概略的に示される照明デバイス30の第2の実施形態は、同様に、細長い光導波路32を備え、
図3は、光導波路32の終端区域34を示す。光導波路32の一端で、光導波路終端部36が光導波路32の外壁を形成し、光導波路終端部36は、ここでは円形断面領域を有する。
図3はまた、反射器35の第1の反射器構成要素35aと第2の反射器構成要素35bを示し、反射器35または第1の反射器構成要素35aと第2の反射器構成要素35bとが穴を形成し、光導波路32の終端区域34は、反射器35のこの穴もしくは対応する開口の中に配置されるか、または反射器35によって取り囲まれる。
【0044】
ここでも、吸光要素38は、接着ボンドによって光導波路終端部36に固定される。この吸光要素38は、
図3に一部のみ示されている。ここでは、吸光要素38は、少なくとも1つの色素が混合された硬化接着剤からなる。
【0045】
照明デバイス30の製造中、光導波路32の終端区域34、したがってまた光導波路終端部36が、反射器35の穴の中に配置され、少なくとも1つの混和された色素を含むまだ液体の接着剤を使用して保持要素40に接着貼付され、したがって固定される。製造中、光導波路32の終端区域34を少なくとも一部取り囲む接着剤が硬化された後に吸光要素38が提供され、この吸光要素38は接着剤ベッドと呼ぶこともでき、そこに、光導波路32の終端区域34が少なくとも一部受け取られる。少なくとも1つの混和された色素を有する硬化接着剤からなる吸光要素38は、くり抜き部を有するカップの形状を有し、ここで、光導波路終端部36と終端区域34とが、吸光要素38のくり抜き部内に配置され、吸光要素38によって覆われる。
【0046】
照明デバイス4の第1の実施形態に基づいて既に述べたような照明デバイス30の動作中、光は、光導波路32(ここでは図示せず)の光導波路始端部に配置されて少なくとも1つの発光ダイオードを有する光送信機から光導波路32に結合され(導入され)、光伝送方向に沿って光導波路を通して光導波路終端部36の方向に伝送される。
【0047】
照明デバイス30の動作中に光導波路終端部36の方向に伝送されて光導波路終端部36に入射する光は、吸光要素38の接着剤に混合されている少なくとも1つの色素によって吸収される。ここで、光導波路終端部36に入射した光が光導波路内に反射されて戻されることは回避される。これは、光導波路終端部36でのいわゆるホットスポットの発生を防止する。
【0048】
図4に概略的に示される本発明によるヘッドランプ構成50の第3の実施形態は、ハウジング52と、透明な外壁としてのレンズ54とを備える。ここでは、ハウジング52とレンズ54とが、ヘッドランプ構成50の内部空間を取り囲み、その内部空間内に、本発明による照明デバイス56の第3の実施形態の構成要素が配置される。照明デバイス56の構成要素として、ここでは少なくとも光導波路58と反射器60とが提供され、反射器60は、
図4での図示では、第1の反射器構成要素60aと第2の反射器構成要素60bとを備える。ここでも、光導波路58は、光導波路始端部62と光導波路終端部64とを備える。少なくとも1つの発光ダイオードを有するプリント基板66が光導波路始端部62に配置され、発光ダイオードから、光が光導波路58に結合され(導入され)、光導波路58に沿って光導波路終端部64まで伝送される。
【0049】
図4は、さらに光モジュール67を示し、光モジュール67は、ヘッドランプ構成50内部でレンズ54の内壁に配置され、光導波路始端部62と光導波路終端部64との間で光導波路58に沿って出る光を散乱および/または分散させるように構成され、散乱および/または分散されたそのような光はさらに、レンズ54を通して外部に放射される。光を適切に散乱させるために、粗面化または意図的な凹凸が光導波路終端部64に提供されることがある。これはまた、光導波路58に沿って放射され、反射器60によって外部に反射される光にも適用される。
【0050】
本発明による照明デバイス56のこの第3の実施形態に関する詳細は、
図5から理解することができる。
図5は、光導波路の終端区域68、したがってまた光導波路終端部64が、2つの反射器構成要素60a、60bによって、したがって反射器60によって取り囲まれたまたは形成された開口または穴の中に配置されることを示す。
【0051】
ここで、光導波路58の光導波路終端部64は、吸光要素70によって取り囲まれ、吸光要素70は、ここでは、第1の吸光部分要素70aと第2の吸光部分要素70bとを備えるようになっている。この吸光要素70は、少なくとも1つの色素を含む接着剤から形成され、光導波路終端部64に接着結合される。また、ここでは、吸光要素70の第1の吸光部分要素70aが、第2の反射器構成要素60bを少なくとも一部取り囲むようになっている。
【0052】
さらに、レンズ54の終端区域68は、2つの吸光部分要素70aおよび70bによって取り囲まれ、それにより、光導波路終端部64は、吸光要素70を介してレンズ54に接続される。
図5は、同様に、光導波路58の終端区域68および光導波路終端部64のそれぞれ1つの表面が粗面化され、その結果、入射光が散乱されることを示す。このために、光導波路58の終端区域68は反射器60の穴の中に配置される。さらに、
図5に示される反射器60および終端区域68は、導光レンズ54の終端区域に対向して配置される。その後、混和された色素を含む接着剤が加えられる。しかし、吸光要素70は、最初は液体接着剤によって提供されるので、接着剤の硬化後、凝集して光導波路終端部64の表面、ならびにレンズ54および反射器60に接続される。
【0053】
光導波路始端部62にあるプリント基板66は、典型的には複数の発光ダイオードを備え、発光ダイオードは、それぞれ異なる波長および周波数の光、したがって異なる周波数および/または波長の光を放射し、そのような放射された光は、光導波路58に結合され(導入され)、光導波路58に沿って光導波路終端部64まで伝送される。この光は、ポジションランプを提供するための白色光、インジケータランプを提供するための黄色もしくは橙色光、またはヘッドランプ構成50が自動車の後部領域に配置される場合には、ブレーキライトを実現し得る赤色光でよい。
【0054】
光の少なくとも1つの周波数および/または波長に関係なく、この光は、光導波路終端部64に達すると直ぐに吸光要素70、この場合には主に第1の吸光部分要素70aによって少なくとも一部吸収され、それにより、ほとんどの光は外部に出ない、および/または光導波路58内に反射されて戻されない。光導波路終端部64および吸光要素70を取り囲む反射器60を提供することによって、さらなる効果として、光導波路終端部64で光が外部に出ることは全くまたはほとんどない。
【符号の説明】
【0055】
2 ヘッドランプ構成
4 照明デバイス
6 反射器
6a 第1の反射器構成要素
6b 第2の反射器構成要素
7 シャシ
8 ハウジング
10 レンズ
12 光導波路
13 光モジュール
14 光導波路始端部
16 光導波路終端部
18 終端区域
20 ヒートシンク
21 プリント基板
22 光伝送方向
24 吸光要素
24a 第1の吸光部分要素
24b 第2の吸光部分要素
30 照明デバイス
32 光導波路
34 終端区域
35 反射器
35a 第1の反射器構成要素
35b 第2の反射器構成要素
36 光導波路終端部
38 吸光要素
40 保持要素
50 ヘッドランプ構成
52 ハウジング
54 レンズ
56 照明デバイス
58 光導波路
60 反射器
60a 第1の反射器構成要素
60b 第2の反射器構成要素
62 光導波路始端部
64 光導波路終端部
66 プリント基板
67 光モジュール
68 終端区域
70 吸光要素
70a 第1の吸光部分要素
70b 第2の吸光部分要素