(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1配線部の出力端と前記第2配線部の出力端との間の導通経路の抵抗のばらつきは、最大荷重を加えた場合の感圧抵抗の10%以下である、請求項1に記載の感圧センサ。
前記第1配線部の出力端と前記第2配線部の出力端との間の導通経路の抵抗のばらつきは、最大荷重を加えた場合の感圧抵抗の10%以下であり、前記第3端部の出力端と前記第4端部の出力端との間の導通経路の抵抗のばらつきは、最大荷重を加えた場合の感圧抵抗の10%以下である、請求項4に記載の感圧センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の圧力センサ1の導通経路(電極の出力端同士の間)における感圧抵抗は、第1の電極配線の抵抗、第1の電極と感圧用薄膜の接触抵抗、感圧用薄膜の抵抗、第2の電極と感圧用薄膜との接触抵抗、及び第2の電極配線の抵抗の合計である。押圧力の大きさによって、上記の接触抵抗が変化する。これにより、押圧力が測定される。
なお、押圧位置が異なる場合には、押圧力の大きさに関わりなく、電極配線の導通経路の長さが大きく異なることがある。したがって同じ押圧力であっても、押圧位置によっては全体の導通経路の抵抗が異なってしまう。ただし、一般的なメンブレンスイッチ代替用の感圧センサの場合は、上記の接触抵抗が電極配線の導通経路の抵抗より十分に大きかったので、電極配線の導通経路の抵抗の変動は無視しても問題が少なかった。
一方、大型化された感圧センサでは、電極配線の導通経路の抵抗の割合が大きくなるので、その違いによって、押圧力に対する抵抗検出値が大きく異なるおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、感圧センサにおいて押圧力の面内の感度ばらつきをなくすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る感圧センサは、第1絶縁基材と、第2絶縁基材と、感圧導電体と、第1電極パターンと、第2電極パターンと、第1配線部と、第2配線部と、を備えている。
第2絶縁基材は、第1絶縁基材との間に空間を介して配置されている。
感圧導電体は、第1絶縁基材の第2絶縁基材側の面全体に形成されている。
第1電極パターンは、第2絶縁基材の第1絶縁基材側の面に形成され、複数の第1電極と、複数の第1電極の一端同士を連結するように延び第1端部を有する第1連結部と、第1連結部の第1端部から延びる第1配線部とを有する。
第2電極パターンは、第2絶縁基材の第1絶縁基材側の面に形成され、第1電極と交互に配置された複数の第2電極と、複数の第2電極の一端同士を連結するように延び第1端部に対して対角にある第2端部を有する第2連結部と、第2連結部の第2端部から延びる第2配線部とを有する。
第2配線部は、隣接する第1電極及び第2電極が感圧導電体を介して導通した場合に第1配線部の出力端と第2配線部の出力端との間の導通経路の抵抗が第1電極と第2電極のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなるように延びる。
なお、「端部から延びる」とは、端における所定の長さ部分のいずれかから延びていることを意味する(以下、同じ)。
【0008】
このセンサでは、第1配線部が第1連結部の第1端部から延び、第2配線部が第2連結部の第2端部から延びている。したがって、隣接する第1電極及び第2電極が感圧導電体を介して導通した場合に、第1の電極配線の抵抗と第2の電極配線の抵抗とを合計した抵抗が、第1電極と第2電極のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。
従来であれば、第2配線部が第2電極パターンの第2連結部の第1端部から延びているので、第2端部の近傍の第1電極と第2電極が導通するように押圧力が作用した場合(第1の場合)、第1連結部の導通経路及び第2連結部の導通経路は共に長い。それに対して、第1端部の近傍の第1電極と第2電極が導通するように押圧力が作用した場合(第2の場合)、第1連結部の導通経路及び第2連結部の導通経路は共に短い。このように連結部の導通経路の合計が第1の場合と第2の場合とで異なることで、導通経路全体の抵抗が、第1電極と第2電極の組み合わせによっては、大きく異なってしまう。
それに対して、本発明では、第1の場合は、第1連結部の導通経路が変わらず長いままであり、第2連結部の導通経路が第1の場合に比べて短くなるが、そこに第2配線部の抵抗が加わるので、結果的に、導通経路全体の抵抗が従来に比べてわずかに高くなる。さらに、第2の場合、第1連結部の導通経路が変わらず短いままであるが、第2連結部の導通経路が長くなり、そこに第2配線部の抵抗が加わるので、結果的に、導通経路全体の抵抗が従来に比べて大幅に高くなる。その結果、導通経路全体の抵抗が、第1電極と第2電極のいずれの組み合わせの場合でも、実質的に等しくなる。
【0009】
第1配線部の出力端と前記第2配線部の出力端との間の導通経路の抵抗のばらつきは、最大荷重を加えた場合の感圧抵抗の10%以下であってもよい。
【0010】
第2配線部は、第2連結部の近傍を通って延びていてもよい。
【0011】
第2配線部は、第1連結部の近傍を通って延びていてもよい。
【0012】
本発明の他の見地に係る感圧センサは、第1絶縁基材と、第2絶縁基材と、感圧導電体と、第1電極パターンと、第2電極パターンと、第1配線部と、第2配線部と、第3電極パターンと、第4電極パターンと、第3配線部と、第4配線部と、を備えている。
第2絶縁基材は、第1絶縁基材との間に空間を介して配置されている。
感圧導電体は、第1絶縁基材の第2絶縁基材側の面全体に形成されている。
第1電極パターンは、第2絶縁基材の第1絶縁基材側の面に形成され、複数の第1電極と、複数の第1電極の一端同士を連結するように延び第1端部を有する第1連結部と、第1連結部の第1端部から延びる第1配線部とを有する。
第2電極パターンは、第2絶縁基材の第1絶縁基材側の面に形成され、第1電極と交互に配置された複数の第2電極と、複数の第2電極の一端同士を連結するように延び第1端部に対して対角にある第2端部を有する第2連結部と、第2連結部の第2端部から延びる第2配線部とを有する。
第2配線部は、隣接する第1電極及び第2電極が感圧導電体を介して導通した場合に第1配線部の出力端と第2配線部の出力端との間の導通経路の抵抗が第1電極と第2電極のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなるように延びる。
第3電極パターンは、第2絶縁基材の第1絶縁基材側の面に形成され、複数の第3電極と、複数の第3電極の一端同士を連結するように延びる第3連結部と、第3連結部の第3端部から延びる第3配線部とを有する。
第4電極パターンは、第2絶縁基材の第1絶縁基材側の面に形成され、第3電極と交互に配置された複数の第4電極と、複数の第4電極の一端同士を連結するように延び第3端部に対して対角にある第4端部を有する第4連結部と、第4連結部の第4端部から延びる第4配線部とを有する。
第4配線部は、隣接する第3電極及び第4電極が感圧導電体を介して導通した場合に第3配線部の出力端と第4配線部の出力端との間の導通経路の抵抗が第3電極と第4電極のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなるように延びる。
【0013】
このセンサでは、平面の異なる位置において複数のセンサが配置されている。したがって、異なる領域の押圧力を同時に検出可能である。
【0014】
第1配線部の出力端と第2配線部の出力端との間の導通経路の抵抗のばらつきは、最大荷重を加えた場合の感圧抵抗の10%以下であり、第3端部の出力端と第4端部の出力端との間の導通経路の抵抗のばらつきは、最大荷重を加えた場合の感圧抵抗の10%以下であってもよい。
【0015】
第1配線部と第3配線部が共通である、又は、第2配線部と第4配線部が共通であってもよい。この場合、配線部の数及び面積を減らせる。特に、制御のために必要となるIC側の制御信号本数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る感圧センサでは、第1配線部の出力端と第2配線部の出力端との間の導通経路の抵抗が、第1電極と第2電極のいずれの組み合わせの場合でも、実質的に等しくなる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.第1実施形態
(1)センサ装置全体の構成
図1を用いて、感圧センサ3を含んだセンサ装置1を説明する。
図1は、本発明に係る感圧センサの構成を示す模式図である。なお、
図1の断面図はあくまでも層同士の概略位置関係を示しているだけであって、厳密に実際の構成を再現していない。
センサ装置1は、押圧力を検出するための装置である。センサ装置1は、感圧センサ3を有する。感圧センサ3は、押圧力を受けたときの抵抗の変化を検出するセンサである。
【0019】
感圧センサ3は、主に、上側層9と、下側層11と、中間接着層13とを有する。
上側層9は、上部フィルム15(第1絶縁基材の一例)と、感圧層17(感圧導電体の一例)とを有する。上部フィルム15は、例えば人間の指からの押圧力が作用する層である。感圧層17は、上部フィルム15の下面(つまり、下部フィルム19側の面)に形成されている。感圧層17は上部フィルム15の下面に全面的に形成されている。「全面的に形成されている」とは、後述する電極との接触において必要な箇所全体にベタ形成されている、という意味である。
【0020】
下側層11は、下部フィルム19(第2絶縁基材の一例)と配線21とを有する。下部フィルム19は、上部フィルム15との間に空間を介して配置されている。配線21は、下部フィルム19の上面(つまり、上部フィルム15側の面に)に形成されている。配線21と感圧層17との間には、空気層29が確保されている。
中間接着層13は、上側層9と下側層11との間に挟まれた枠形状部分であり、上述の空気層29を確保している。中間接着層13は、絶縁層23と、絶縁層25と、接着層27とを有する。絶縁層23は、上側層9の下面に設けられている。絶縁層25は下側層11の上面に設けられている。接着層27は絶縁層23と絶縁層25との間に配置され、両者を接着している。これにより、上側層9と下側層11とが絶縁状態で固定されている。なお、絶縁層23は省略されてもよい。
【0021】
上記の例において、感圧層と配線は対向するフィルムにそれぞれ設けられて対向していればよいので、感圧層と配線とは上下が入れ替わってもよい。
【0022】
センサ装置1は、検出回路5を有する。検出回路5は、押圧力が作用することによって感圧層17が配線21に接触したときに、配線21における抵抗を測定しさらに信号処理することで、押圧力を検出する装置である。
センサ装置1は、制御部7を有する。制御部7は、検出回路5を制御すると共に、検出回路5からの出力を他の装置に送信したり、ディスプレイに表示したりするための装置である。制御部7は、CPU,RAM,ROMを含むコンピュータである。
【0023】
(2)感圧センサの構成
図2〜
図4を用いて、感圧センサ3を詳細に説明する。
図2は、感圧センサの側面図である。
図3は、感圧センサの平面図である。
図4は、
図3のII−II断面図である。
図2及び
図3に示すように、下部フィルム19は、上部フィルム15と対向する部分からさらに延びる延長部30を有する。延長部30は、第1配線部35及び第2配線部45(後述)を有する。以上に述べたように、感圧センサ3のセンサ出力は片面取り出し方式である。
さらに、
図3及び
図4に示すように、配線21は、一対の櫛歯形状の電極パターン(後述)からなる。
【0024】
上部フィルム15及び下部フィルム19の材料は、フレキシブル基板に使用可能な材質、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル系樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。また、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂や、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を用いることもできる。
【0025】
配線21の材料としては、金、銀、銅、若しくはニッケルなどの金属、あるいはカーボンなどの導電性を有するペーストを用いることができる。これらの形成方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、若しくはフレキソ印刷などの印刷法、フォトレジスト法などが挙げられる。また、配線21は、銅や金などの金属箔を貼り付けて形成することもできる。さらに、配線21は、銅などの金属をメッキしたFPCの上にレジストで電極パターンを形成し、レジストで保護されていない部分の金属箔をエッチング処理することによって形成することもできる。電極はここに挙げた形成方法や材料を組み合わせたり積層したりしてもよい。
一例として、スクリーン印刷を用いる場合は、銀インキが材料であり、配線幅は30〜500μmであり、厚みは1〜100μmである。他の例として、フォトリソグラフィの場合は、材料は銅であり、配線幅が10〜300μmであり、厚みは20〜1000nmである。
【0026】
感圧層17は、例えば、カーボンインキ、PEDOT、導電性粒子を含んだポリマーからなる。感圧層17を構成する組成物は、外力に応じて電気抵抗値などの電気特性が変化する素材で構成されている。感圧層17は、塗布により下部フィルム19に配置できる。感圧層17の塗布方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、又はフレキソ印刷などの印刷法を用いることができる。
絶縁層23、25は、例えば、ポリオール樹脂系、イソシアネート樹脂系、メチレン樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系やシリコーン樹脂系の材料が用いられる。接着層27は、例えば、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系やシリコーン樹脂系の粘着剤である。
【0027】
(3)抵抗の検出原理
図5を用いて、検出回路5による抵抗の検出原理を説明する。
図5は、抵抗測定の原理を示す模式図である。検出回路5は、直流電源22と、抵抗計24とを有しており、これらは直列に接続され、さらにその両端に配線21の一対の電極パターンが接続されている。これにより、
図5に示すように押圧力によって感圧層17が一対の電極に接触すれば、一対の電極同士が感圧層17を介して導通する(詳細は後述)。これにより、抵抗計24が抵抗を測定可能になる。なお、押圧力が増加すれば、感圧層17と一対の電極との接触抵抗が減少する。その結果、押圧力の大きさを正確に測定できる。
【0028】
図6を用いて、荷重に対する抵抗の変化を説明する。
図6は、荷重に対する抵抗R
totalの変化(感圧特性)を示すグラフである。実線で示すカーブでは、荷重が増加すれば抵抗が減少していくことが分かる。
【0029】
(4)配線の第1例
図7及び
図8を用いて、配線の第1例の構成を説明する。
図7及び
図8は、第1例の電極パターンを示す平面図である。
配線は、第1電極パターン21A(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21B(第2電極パターンの一例)とを有する。
【0030】
第1電極パターン21Aは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35とを有する。複数の第1電極部31は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の上下方向に延び複数の第1電極部31の図右側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図下側端を第1端部37とし、図上側端を第2端部39とする。
第1配線部35は、第1端部37から延びている。第1配線部35は、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0031】
第2電極パターン21Bは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45とを有する。複数の第2電極部41は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の上下方向に延び複数の第2電極部41の図左側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図下側端を第1端部47とし、図上側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0032】
第2配線部45は、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45は、第2端部49から始まり、第2連結部43に沿って(つまり、近傍を通って)延び、さらに第1配線部35に接近して延び、最後に第1配線部35の近傍で第1配線部35に対して平行して延びる。これにより、第2配線部45は、第1配線部35に比べて長くなっている。なお、第2配線部45は、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
この感圧センサ3では、第1配線部35が第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45が第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、第1配線部35の出力端と第2配線部45の出力端との間(導通経路全体)の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。以下、さらに詳細に説明する。
【0033】
図7に示すよう、第1点P1が押圧され、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第1点P1は、
図7に示すように、図上側つまり第2端部39及び第2端部49側に位置している。この場合、第1点P1から第1電極パターン21Aにおける導通経路A1は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35となる。そして、第1点P1から第2電極パターン21Bにおける導通経路B1は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45となる。
【0034】
図8に示すよう、第2点P2が押圧されると、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第2点P2は、
図8に示すように、図下側つまり第1端部37及び第1端部47側に位置している。この場合、第2点P2からの第1電極パターン21Aにおける導通経路A2は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35となる。そして、第2点P2からの第2電極パターン21Bにおける導通経路B2は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45となる。
【0035】
上記のように第1点P1と第2点P2が押圧された場合に、それぞれの導通経路全体(A1+B1とA2+B2)の長さは、実質的に等しい。具体的には、配線抵抗のばらつきは、感圧抵抗値の10%以下になっている。なお、感圧抵抗値とは、適用するアプリケーションにおける最大荷重を加えた際の抵抗値である。
【0036】
従来であれば、第2配線部45が第2電極パターン21Bの第2連結部43の第1端部47から延びているので、第2端部39及び第2端部49の近傍の第1電極部31と第2電極部41が導通するように押圧力が作用した場合(第1の場合)、第1連結部33の導通経路(
図7のA1)及び第2連結部43の導通経路(
図7のC1)は共に長い。また、従来であれば、第1端部37及び第1端部47の近傍の第1電極部31と第2電極部41が導通するように押圧力が作用した場合(第2の場合)、第1連結部33の導通経路(
図8のA2)及び第2連結部43の導通経路(
図8のC2)は共に短い。このように従来であれば連結部の導通経路全体の長さが第1の場合と第2の場合とで異なることで、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41の組み合わせによっては、大きく異なってしまう。その結果、例えば、
図6の点線で示す抵抗の差ΔR
Agが生じてしまう。
【0037】
本実施形態では、第1の場合は、第1連結部33の導通経路が変わらず長いままであり、第2連結部43の導通経路が第2の場合に比べて短くなるが、そこに第2配線部45の抵抗が加わるので、結果的に、導通経路全体が従来に比べてわずかに高くなる。第2の場合、第1連結部33の導通経路が変わらず短いままであるが、第2連結部43の導通経路が長くなり、そこに第2配線部45の抵抗が加わるので、結果的に、導通経路全体が従来に比べて大幅に高くなる。さらに、その結果、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせの場合でも、実質的に等しくなる。例えば、
図6の実線で示す概ね同一の抵抗が生じる。
【0038】
(5)配線の第2例
図9及び
図10を用いて、配線の第2例の構成を説明する。
図9及び
図10は、第2例の電極パターンを示す平面図である。
配線は、第1電極パターン21C(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21D(第2電極パターンの一例)とを有する。
【0039】
第1電極パターン21Cは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Aとを有する。第1電極部31は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の上下方向に延び複数の第1電極部31の図左側端同士を連結している。第1配線部35Aは、第1連結部33の端部から延びている。なお、第1連結部33の図下側端を第1端部37とし、図上側端を第2端部39とする。
第1配線部35Aは、第1端部37から延びている。第1配線部35Aは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0040】
第2電極パターン21Dは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Aとを有する。第2電極部41は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の上下方向に延び複数の第2電極部41の図右側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図下側端を第1端部47とし、図上側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0041】
第2配線部45Aは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Aは、第2端部49から始まり、図の最も上側にある第1電極部31に沿って延び、さらに第1連結部33に沿って(つまり、近傍を通って)延び、最後に第1配線部35Aの近傍で第1配線部35Aに対して平行して延びる。これにより、第2配線部45Aは、第1配線部35Aに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Aは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
この感圧センサ3では、第1配線部35Aが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Aが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。以下、さらに詳細に説明する。
【0042】
図9に示すように、第1点P1が押圧され、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第1点P1は、
図9に示すように、図上側つまり第2端部39及び第2端部49側に位置している。この場合、第1点P1からの第1電極パターン21Cにおける導通経路A3は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35Aとなる。そして、第1点P1からの第2電極パターン21Dにおける導通経路B3は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45Aとなる。
【0043】
図10に示すよう、第2点P2が押圧されると、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第2点P2は、
図10に示すように、図下側つまり第1端部37及び第1端部47側に位置している。この場合、第2点P2から第1電極パターン21Cにおける導通経路A4は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35Aとなる。そして、第2点P2から第2電極パターン21Dにおける導通経路B4は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45Aとなる。
【0044】
上記のように第1点P1と第2点P2が押圧された場合に、それぞれの導通経路全体(A3+B3とA4+B4)の長さは、実質的に等しい。
【0045】
(6)配線の第3例
図11及び
図12を用いて、配線の第3例の構成を説明する。
図11及び
図12は、第3例の電極パターンを示す平面図である。
配線は、第1電極パターン21E(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21F(第2電極パターンの一例)とを有する。
【0046】
第1電極パターン21Eは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Bとを有する。第1電極部31は、図の上下方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の左右方向に間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の左右方向に延び複数の第1電極部31の図下側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図左側端を第1端部37とし、図右側端を第2端部39とする。
第1配線部35Bは、第1端部37から延びている。第1配線部35Bは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0047】
第2電極パターン21Fは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Bとを有する。第2電極部41は、図の上下方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の左右方向に間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の左右方向に延び複数の第2電極部41の図上側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図左側端を第1端部47とし、図右側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0048】
第2配線部45Bは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Bは、第2端部49から始まり、第2連結部43に沿って(つまり、近傍を通って)延び、さらに図の最も左側の第1電極部31に沿って延び、最後に第1配線部35Bの近傍で前記第1配線部35Bに対して平行して延びる。これにより、第2配線部45Bは、第1配線部35Bに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Bは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
この感圧センサ3では、第1配線部35Bが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Bが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。
【0049】
図11に示すように、第1点P1が押圧され、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第1点P1は、
図11に示すように、図右側つまり第2端部39及び第2端部49側に位置している。この場合、第1点P1からの第1電極パターン21Eにおける導通経路A5は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35Bとなる。そして、第1点P1からの第2電極パターン21Fにおける導通経路B5は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45Bとなる。
【0050】
図12に示すよう、第2点P2が押圧されると、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第2点P2は、
図12に示すように、図左側つまり第1端部37及び第1端部47側に位置している。この場合、第2点P2からの第1電極パターン21Eにおける導通経路A6は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35Bとなる。そして、第2点P2からの第2電極パターン21Fにおける導通経路B6は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45Bとなる。
【0051】
上記のように第1点P1と第2点P2が押圧された場合に、それぞれの導通経路全体(A5+B5とA6+B6)の長さは、実質的に等しい。
【0052】
(7)配線の第4例
図13及び
図14を用いて、配線の第4例の構成を説明する。
図13及び
図14は、第4例の電極パターンを示す平面図である。
【0053】
この実施形態では、2組の配線(配線51及び配線53)が設けられている。配線51及び配線53は、同じフィルムの同じ面において異なる位置に形成されている。
配線51は、第1電極パターン21G(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21H(第2電極パターンの一例)とを有する。なお、配線53は、第1電極パターン21G(第3電極パターンの一例)と、第2電極パターン21H(第4電極パターンの一例)とを有する。
【0054】
配線51を説明する。第1電極パターン21Gは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Cとを有する。第1電極部31は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の上下方向に延び複数の第1電極部31の図右側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図下側端を第1端部37とし、図上側端を第2端部39とする。
第1配線部35Cは、第1端部37から延びている。第1配線部35Cは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0055】
第2電極パターン21Hは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Cとを有する。第2電極部41は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の上下方向に延び複数の第2電極部41の図左側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図下側端を第1端部47とし、図上側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0056】
第2配線部45Cは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Cは、第2端部49から始まり、
図5の最も上側の第1電極部31に沿って延び、さらに第1連結部33に沿って(つまり、近傍を通って)延び、最後に第1配線部35Bの近傍で第1配線部35Bと平行して延びる。これにより、第2配線部45Cは、第1配線部35Cに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Cは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
この感圧センサ3では、第1配線部35Cが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Cが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。以下、さらに詳細に説明する。
【0057】
図13に示すように、第1点P1が押圧され、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第1点P1は、
図13に示すように、図上側つまり第2端部39及び第2端部49側に位置している。この場合、第1点P1からの第1電極パターン21Gにおける導通経路A7は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35Cとなる。そして、第1点P1からの第2電極パターン21Hにおける導通経路B7は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45Cとなる。
【0058】
図14に示すよう、第2点P2が押圧されると、1本の第1電極部31と1本の第2電極部41とが当該部分の感圧層17を介して導通する。第2点P2は、
図14に示すように、図下側つまり第1端部37及び第1端部47側に位置している。この場合、第2点P2からの第1電極パターン21Gにおける導通経路A8は、第1電極部31、第1連結部33、第1配線部35Cとなる。そして、第2点P2からの第2電極パターン21Hにおける導通経路B8は、第2電極部41、第2連結部43、第2配線部45Cとなる。
【0059】
上記のように第1点P1と第2点P2が押圧された場合に、それぞれの導通経路全体(A7+B7とA8+B8)の長さは、実質的に等しい。
なお、配線53は、配線51と構造が同じであるので、同様な機能が得られる。
なお、以上の構成により、前記実施形態とは異なり、4本の配線部(2本の第1配線部35Cと2本の第2配線部45C)が検出回路5まで延びる。
【0060】
(8)配線の第5例
図15を用いて、配線の第5例の構成を説明する。
図15は、第5例の電極パターンを示す平面図である。
この実施形態では、基本的構造は第4例と同じである。
異なる点は、配線51の第1電極パターン21G(第1電極パターンの一例)の第1配線部35C(第1配線部の一例)と、配線53の第1電極パターン21G(第3電極パターンの一例)の第1配線部35C(第3配線部の一例)を共通にしたことである。これにより、配線部の本数が4本から3本(1本の第1配線部35Dと2本の第2配線部45C)に減らすことができ、それにより配線部の材料及び占有面積を減らせる。特に、制御のために必要となるIC側の制御信号本数を減らすことができる。
【0061】
(9)配線の第6例
図16を用いて、配線の第6例の構成を説明する。
図16は、第6例の電極パターンを示す平面図である。
【0062】
この実施形態では、4組の配線(配線61、配線63、配線65、配線67)が設けられている。配線61、配線63、配線65及び配線67は、同じフィルムの同じ面において異なる位置に形成されている。なお、配線61と配線65が、配線部の出力端から遠い側に配置されており、配線63と配線67が、配線部の出力端から近い側に配置されている。
配線61は、第1電極パターン21I(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21J(第2電極パターンの一例)とを有する。なお、配線63は、第1電極パターン21I(第3電極パターンの一例)と、第2電極パターン21J(第4電極パターンの一例)とを有する。
【0063】
配線61を説明する。第1電極パターン21Iは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Dとを有する。複数の第1電極部31は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に互いに間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の上下方向に延び複数の第1電極部31の図右側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図下側端を第1端部37とし、図上側端を第2端部39とする。
第1配線部35Dは、第1端部37から延びている。第1配線部35Dは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0064】
第2電極パターン21Jは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Dとを有する。複数の第2電極部41は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に互いに間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の上下方向に延び複数の第2電極部41の図左側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図下側端を第1端部47とし、図上側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0065】
第2配線部45Dは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Dは、第2端部49から始まり、図の最も上側の第1電極部31に沿って延び、さらに第1連結部33に沿って(つまり、近傍を通って)延び、さらに第1配線部35Dに沿って延びる。これにより、第2配線部45Dは、第1配線部35Dに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Dは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0066】
この感圧センサ3の配線61では、第1配線部35Dが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Dが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に第1配線部35Dの出力端と第2配線部45Dの出力端との間の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。
なお、配線63、配線65、及び配線67は、配線61と構造が同じであるので、同様な機能が得られる。
【0067】
この実施形態では、配線61の第2電極パターン21J(第2電極パターンの一例)の第2配線部45D(第2配線部の一例)は、配線63の第2電極パターン21J(第4電極パターンの一例)の第2配線部45D(第4配線部の一例)と共通である。同様に、配線65の第2配線部45Dは、配線67の第2配線部45Dと共通である。以上より、本来は8本の配線部が6本(4本の第1配線部35D及び2本の第2配線部45D)になっている。
また、この実施形態では、左右の額縁領域に設けられた配線部の数は3本ずつである。
【0068】
(10)配線パターンの第7例
図17を用いて、配線パターンの第7例の構成を説明する。
図17は、第7例の電極パターンを示す平面図である。
【0069】
この実施形態では、4組の配線(配線71、配線73、配線75、配線77)が設けられている。配線71、配線73、配線75及び配線77は、同じフィルムの同じ面において異なる位置に形成されている。なお、配線71と配線75が、配線部の出力端から遠い側に配置されており、配線73と配線77が、配線部の出力端から近い側に配置されている。
配線71を説明する。配線71は、第1電極パターン21K(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21L(第2電極パターンの一例)とを有する。なお、配線73は、第1電極パターン21K(第3電極パターンの一例)と、第2電極パターン21L(第4電極パターンの一例)とを有する。
【0070】
第1電極パターン21Kは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Eとを有する。第1電極部31は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の上下方向に延び複数の第1電極部31の図左側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図下側端を第1端部37とし、図上側端を第2端部39とする。
第1配線部35Eは、第1端部37から延びている。第1配線部35Eは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0071】
第2電極パターン21Lは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Eとを有する。第2電極部41は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の上下方向に延び複数の第2電極部41の図右側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図下側端を第1端部47とし、図上側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0072】
第2配線部45Eは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Eは、第2端部49から始まり、第2連結部43に沿って(つまり、近傍を通って)延び、さらに配線73の第2連結部43に沿って(つまり、近傍を通って)延び、最後に第1配線部35Eの近傍で第1配線部35Eに平行して延びる。これにより、第2配線部45Eは、第1配線部35Eに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Eは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0073】
この感圧センサ3の配線71では、第1配線部35Eが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Eが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。
なお、配線73、配線75、及び配線77は、配線71と構造が同じであるので、同様な機能が得られる。
【0074】
この実施形態では、配線71の第1電極パターン21K(第1電極パターンの一例)の第1配線部35E(第1配線部の一例)は、配線73の第1電極パターン21K(第3電極パターンの一例)の第1配線部35E(第3配線部の一例)、配線75の第1電極パターン21Kの第1配線部35E、配線77の第1電極パターン21Kの第1配線部35Eと共通である。以上より、本来は8本の配線部が5本(1本の第1配線部35E及び4本の第2配線部45E)になっている。
また、この実施形態では、左右の額縁領域に設けられた配線部の数は4本ずつである。
【0075】
(11)配線パターンの第8例
図18を用いて、配線パターンの第8例の構成を説明する。
図18は、第8例の電極パターンを示す平面図である。
【0076】
この実施形態では、4組の配線(配線81、配線83、配線85、配線87)が設けられている。配線81、配線83、配線85及び配線87は、同じフィルムの同じ面において異なる位置に形成されている。なお、配線81と配線85が、配線部の出力端から遠い側に配置されており、配線83と配線87が、配線部の出力端から近い側に配置されている。
配線81及び配線83を説明する。配線81は、第1電極パターン21M(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21N(第2電極パターンの一例)とを有する。配線83は、第1電極パターン21M(第3電極パターンの一例)と、第2電極パターン21N(第4電極パターンの一例)とを有する。
【0077】
以下、配線81を詳細に説明する。
第1電極パターン21Mは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Fとを有する。複数の第1電極部31は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に互いに間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の上下方向に延び複数の第1電極部31の図右側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図下側端を第1端部37とし、図上側端を第2端部39とする。
第1配線部35Fは、第1端部37から延びている。具体的には、第1配線部35Fは、第2配線83の第1配線部35Fの図右側を通って延びている。第1配線部35Fは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0078】
第2電極パターン21Nは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Fとを有する。複数の第2電極部41は、図の左右方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の上下方向に互いに間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の上下方向に延び複数の第2電極部41の図左側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図下側端を第1端部47とし、図上側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0079】
第2配線部45Fは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Fは、第2端部49から始まり、図上側に延びて折り返され、第2連結部43に沿って(つまり、近傍を通って)延び、さらに配線83の第2連結部43に沿って(つまり、近傍を通って)延び、最後に第1配線部35Fの近傍で第1配線部35Fに平行して延びる。これにより、第2配線部45Fは、第1配線部35Fに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Fは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
なお、第2配線部45Fは、配線81と配線85との間、さらに、配線83と配線87との間を延びており、各第2連結部43に対して隣接する位置に長く延びている。
【0080】
この感圧センサ3の配線81では、第1配線部35Fが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Fが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。
なお、配線83、配線85、及び配線87は、配線81と構造が同じであるので、同様な機能が得られる。
【0081】
この実施形態では、配線81の第2電極パターン21N(第2電極パターンの一例)の第2配線部45F(第2配線部の一例)は、配線83の第2電極パターン21N(第4電極パターンの一例)の第2配線部45F(第4配線部の一例)、配線85の第2電極パターン21Nの第2配線部45F、配線87の第2電極パターン21Nの第2配線部45Fと共通である。以上より、本来は8本の配線部が5本(4本の第1配線部35F及び1本の第2配線部45F)になっている。
また、この実施形態では、左右の額縁領域に設けられた配線部の数は2本ずつである。
【0082】
(12)配線パターンの第9例
図19を用いて、配線パターンの第9例の構成を説明する。
図19は、第9例の電極パターンを示す平面図である。
【0083】
この実施形態では、4組の配線(配線91、配線93、配線95、配線97)が設けられている。配線91、配線93、配線95及び配線97は、同じフィルムの同じ面において異なる位置に形成されている。なお、配線91と配線95が、配線部の出力端から遠い側に配置されており、配線93と配線97が、配線部の出力端から近い側に配置されている。
配線91及び配線93を説明する。配線91は、第1電極パターン21O(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21P(第2電極パターンの一例)とを有する。なお、配線93は、第1電極パターン21O(第3電極パターンの一例)と、第2電極パターン21P(第4電極パターンの一例)とを有する。
【0084】
以下、配線91を詳細に説明する。
第1電極パターン21Oは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Gとを有する。複数の第1電極部31は、図の上下方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の左右方向に延び複数の第1電極部31の図下側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図左側端を第1端部37とし、図右側端を第2端部39とする。
第1配線部35Gは、第1端部37から延びている。具体的には、第1配線部35Gは、第3配線93の図左側に沿って(つまり、近接して)配置されている。第1配線部35Gは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0085】
第2電極パターン21Pは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Gとを有する。複数の第2電極部41は、図の上下方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の左右方向に延び複数の第2電極部41の図上側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図左側端を第1端部47とし、図右側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0086】
第2配線部45Gは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Gは、第2端部49から始まり、図最も右側の第1電極部31に沿って(つまり、近傍を通って)延び、さらに配線93の第2配線部45Gに沿って(つまり、近傍を通って)延び、最後に第1配線部35Gの近傍で第1配線部35Gに平行して延びる。これにより、第2配線部45Gは、第1配線部35Gに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Gは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0087】
この感圧センサ3の配線91では、第1配線部35Gが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Gが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。
なお、配線93、配線95、及び配線97は、配線91と構造が同じであるので、同様な機能が得られる。
【0088】
この実施形態では、配線91の第1電極パターン21O(第1電極パターンの一例)の第1配線部35G(第1配線部の一例)は、配線93の第1電極パターン21O(第3電極パターンの一例)の第1配線部35G(第3配線部の一例)、配線95の第1電極パターン21Oの第1配線部35G、配線97の第1電極パターン21Oの第1配線部35Gと共通である。以上より、本来は8本の配線部が5本(1本の第1配線部35G及び4本の第2配線部45G)になっている。
なお、配線93の第2配線部45Gは、距離を長くするために複数回折り返された形状になっている。
また、この実施形態では、左右の額縁領域に設けられた配線部の数は2本ずつである。
【0089】
(13)配線パターンの第10例
図20を用いて、配線パターンの第10例の構成を説明する。
図20は、第10例の電極パターンを示す平面図である。
【0090】
この実施形態では、4組の配線(配線201、配線203、配線205、配線207)が設けられている。配線201、配線203、配線205及び配線207は、同じフィルムの同じ面において異なる位置に形成されている。なお、配線201と配線2055が、配線部の出力端から遠い側に配置されており、配線203と配線207が、配線部の出力端から近い側に配置されている。
配線201及び配線203を説明する。配線201は、第1電極パターン21Q(第1電極パターンの一例)と、第2電極パターン21R(第2電極パターンの一例)とを有する。なお、配線203は、第1電極パターン21Q(第3電極パターンの一例)と、第2電極パターン21R(第4電極パターンの一例)とを有する。
【0091】
以下、配線201を詳細に説明する。
第1電極パターン21Qは、複数の第1電極部31と、第1連結部33と、第1配線部35Hとを有する。複数の第1電極部31は、図の上下方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。第1連結部33は、図の左右方向に延び複数の第1電極部31の図下側端同士を連結している。なお、第1連結部33の図左側端を第1端部37とし、図右側端を第2端部39とする。
第1配線部35Hは、第1端部37から延びている。第1配線部35Hは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
【0092】
第2電極パターン21Rは、複数の第2電極部41と、第2連結部43と、第2配線部45Hとを有する。複数の第2電極部41は、図の上下方向に延びる帯状又は短冊状であり、図の左右方向に互いに間隔を空けて配置されている。第2電極部41は第1電極部31と交互に配置されている。第2連結部43は、図の左右方向に延び複数の第2電極部41の図上側端同士を連結している。なお、第2連結部43の図左側端を第1端部47とし、図右側端を第2端部49とする。つまり、第1端部37と第1端部47は同じ側にあり、第2端部39と第2端部49は同じ側にある。言い換えると、第2端部49は第1端部37の対角にある。
【0093】
第2配線部45Hは、第2端部49から延びている。より具体的には、第2配線部45Hは、第2端部49から始まり、図最も右側の第1電極部31に沿って(つまり、近傍を通って)延び、さらに配線203の図最も右側の第1電極部31に沿って(つまり、近傍を通って)延び、最後に第1配線部35Hの近傍で第1配線部35Hに平行して延びる。これにより、第2配線部45Hは、第1配線部35Hに比べて長くなっている。なお、第2配線部45Hは、検出回路5まで延びており、検出回路5に接続される出力端を有する。
この実施形態では、第1配線201と第2配線203が線対称であり、第1連結部33同士が共通である。また、第3配線205と第4配線207が線対称であり、第1連結部33同士が共通である。
【0094】
この感圧センサ3の配線201では、第1配線部35Hが第1連結部33の第1端部37から延び、第2配線部45Hが第2連結部43の第2端部49から延びている。したがって、隣接する第1電極部31及び第2電極部41が感圧層17を介して接触した場合に、導通経路全体の抵抗が、第1電極部31と第2電極部41のいずれの組み合わせでも実質的に等しくなる。
なお、配線203、配線205、及び配線207は、配線201と構造が同じであるので、同様な機能が得られる。
【0095】
この実施形態では、配線201の第1電極パターン21Q(第1電極パターンの一例)の第1配線部35H(第1配線部の一例)は、配線203の第1電極パターン21Q(第3電極パターンの一例)の第1配線部35H(第3配線部の一例)、配線205の第1電極パターン21Qの第1配線部35H、配線207の第1電極パターン21Qの第1配線部35Hと共通である。以上より、本来は8本の配線部が5本(1本の第1配線部35H及び4本の第2配線部45H)になっている。
なお、配線203の第2配線部45Hは、距離を長くするために複数回折り返された形状になっている。
また、この実施形態では、左右の額縁領域に設けられた配線部の数は1本ずつである。
【0096】
(14)応用例
図21を用いて、上記の感圧センサが表示装置に用いられた例を説明する。
図21は、感圧センサが適用された表示装置の模式的断面図である。
図21に示すように、表示装置101は、筐体103を有する。筐体103は図上側が開いた形状である。
表示装置101は、ガラス105を有する。ガラス105の下面は、筐体103の枠部の上に接着層107によって固定されている。ガラス105と筐体103との間には空間が確保されている。
【0097】
表示装置101は、LCDモジュール109を有する。LCDモジュール109は、ガラス105の下面に設けられている。
表示装置101は、感圧センサ111を有する。感圧センサ111は、前述の感圧センサ3と同じである。
表示装置101は、クッション材113を有する。クッション材113は、感圧センサ111と筐体103の底面との間に設けられている。クッション材113は弾性変形可能な材料からなる。クッション材113は、感圧センサ111の上側のみに設けられていてもよいし、感圧センサ111の上下両側に設けられていてもよい。
【0098】
以上の実施形態では、ガラス105に押圧力が作用すると、LCDモジュール109を介して感圧センサ111に押圧力が作用する。それにより、前記実施形態で説明したように、感圧センサ111によって押圧力が検出される。なお、LCDモジュールではなく、OLEDを用いてもよい。
【0099】
2.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
前記実施形態では電極パターンの線幅を均一なものであるとして表現したが、これが本発明を制限するものではないことは当然である。
【0100】
前記実施形態では電極部同士の間隔を等間隔なものであるとして表現したが、これが本発明を限定するものではないことは当然である。
前記実施形態では電極部の形状を直線であるとして表現したが、これが本発明を限定するものではないことは当然である。