(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297615
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】結合された編み物及び該編み物を生産する方法
(51)【国際特許分類】
D04B 21/20 20060101AFI20180312BHJP
D04B 21/06 20060101ALI20180312BHJP
D04B 21/02 20060101ALI20180312BHJP
D04B 23/02 20060101ALN20180312BHJP
【FI】
D04B21/20 Z
D04B21/06
D04B21/02
!D04B23/02
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-74299(P2016-74299)
(22)【出願日】2016年4月1日
(65)【公開番号】特開2016-196725(P2016-196725A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2016年5月20日
(31)【優先権主張番号】15162489.7
(32)【優先日】2015年4月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591008465
【氏名又は名称】カール マイヤー テクスティルマシーネンファブリーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフツング
【氏名又は名称原語表記】KARL MAYER TEXTILMASCHINENFABRIK GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キーレン, ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】シェルナー, ガブリエラ
(72)【発明者】
【氏名】タカヤマ ヒロカズ
【審査官】
長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0192430(US,A1)
【文献】
特開2001−123361(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/106975(WO,A1)
【文献】
特開2006−161205(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B1/00−39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッチ形成によって互いに接続された経糸を備えた結合された編み物(1)であって、経糸が編み物の長手方向(2)に延びた編み物(1)において、
スペーサ編み物(3)として具体化される少なくとも1つのセクション、単層編み物(4)として具体化される1つのセクション及び管状編み物(5)として具体化される1つのセクションが、前記長手方向(2)に連続して配置された、編み物(1)。
【請求項2】
前記単層編み物(4)は、1×1リブの編み物として具体化される、請求項1に記載の編み物。
【請求項3】
前記単層編み物(4)は、前記スペーサ編み物(3)と前記管状編み物(5)との間に配置された、請求項1又は2に記載の編み物。
【請求項4】
前記スペーサ編み物(3)は長手方向(2)に、前記管状編み物(5)よりも長く延びた、請求項3に記載の編み物。
【請求項5】
前記スペーサ編み物(3)は長手方向(2)に延び、その長さは前記管状編み物(5)の少なくとも2倍の長さである、請求項4に記載の編み物。
【請求項6】
前記スペーサ編み物(3)は厚み方向に前記単層編み物(4)に対し対称的に配置された、請求項1乃至5の何れかに記載の編み物。
【請求項7】
前記単層編み物(4)は長手方向(2)に延び、その長さは前記単層編み物(4)を通って突出する前記スペーサ編み物(3)の厚みと少なくとも同じである、請求項1乃至6の何れかに記載の編み物。
【請求項8】
前記単層編み物(4)は長手方向(2)に延び、その長さは前記管状編み物(5)によって形成されるチューブの厚みと少なくとも同じ大きさである、請求項1乃至7の何れかに記載の編み物。
【請求項9】
前記スペーサ編み物(3)を備えたセクションは、前記管状編み物(5)を備えたセクションの片側に配置され、前記単層編み物(4)を備えたセクションは前記管状編み物(5)を備えたセクションの反対側に配置された、請求項1乃至8の何れかに記載の編み物。
【請求項10】
前記スペーサ編み物(3)は、長手方向(2)を横切る方向に異なる厚みを有するセクションを備える、請求項1乃至9の何れかに記載の編み物。
【請求項11】
2つの編み針ヘッドと糸供給要素が用いられる編み物を生産する方法であって、該編み物はスペーサ編み物(3)として具体化される少なくとも1つのセクション、単層編み物(4)として具体化される1つのセクション及び管状編み物(5)として具体化される1つのセクションが、長手方向(2)に連続して配置され、前記糸供給要素は少なくとも部分的にジャガード要素(JB2-JB5)として具体化される方法において、
少なくとも4つの独立した糸供給要素(JB2-JB5)が用いられて、ジャガード要素(JB2-JB5)は、所定の編み物構造に基づいてパイルを形成し又は表面を形成するのに用いられるように制御される、方法。
【請求項12】
前記ジャガード要素(JB2-JB5)は少なくとも1つの面に模様を付けるのに用いられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステッチ形成工程時に、前記ジャガード要素(JB2-JB5)が様々に制御される、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
異なる構造が、前記編み物(1)の幅方向に生成される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッチ(編み目)形成により互いに接続される経糸を備えた
結合された編み物に関し、経糸は編み物の長手方向に延びている。更に、本発明は
結合された編み物を生産する方法に関し、2つの編み針ヘッドと糸供給要素が用いられ、該糸供給要素は少なくとも部分的にジャガード要素として具体化される。
【背景技術】
【0002】
編み物は、経糸巻き構成にて隣同士に配置される経糸が経糸巻きから引き出され、ガイド針によって編み針の周りに案内されて、ステッチを形成するような方法で生産される。経糸の結束を達成して編み物を得るべく、隣同士に位置する経糸はこのタイプのステッチ形成中に一緒に縫合される。使用される接続のタイプによって、ステッチは最も接近した経糸に関して形成されるのみでなく、次に接近した又は更に離れた経糸に関しても形成される。どの場合においても、経糸は常に長手方向に延びる。
【0003】
結合された編み物を形成する為に、以下に「単層」
編み物と言及する純
編み物(pure fabrics)がある。また、スペーサ
編み物もある。スペーサ
編み物の場合、表面層として具体化される2つの覆い層が配備される。これらの2つの覆い層は、スペーサ糸と言及され、また「パイル糸」とも言及される糸によって互いに接続される。更に、管状
編み物として知られるものがある。管状
編み物は2つの層の表面材を備えた編み物であり、2つの層は長手方向の縁にてのみ互いに接続されている。管状
編み物は例えばホルダ、特にポーチ又はバッグを形成するのに用いられる。ここで、ホルダを閉じるためには、長手方向の端部にて管状
編み物の2つの層を接続することのみが必要である。
【0004】
スペーサ
編み物は、当て物材としてしばしば用いられる。スペーサ
編み物はまた、良好な空気透過性を示す覆いが所望される箇所にしばしば選択される。
目的が多重の効果を達成することであれば、別個の編み機で生産される個々の編み物を完成させること、即ち、編み物を適切なサイズに作り、互いに接続、例えば縫合することが通常は必要である。これは幾つかの機能を実行するための
編み物の生産がコストが掛ることを意味する。
本発明の目的は、多重機能を有する繊維物の生産を簡単な方法で構成することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は最初に記載した編み物について達成され、スペーサ
編み物として具体化される少なくとも1つのセクションと、単層
編み物として具体化されるセクションと、管状
編み物として具体化されるセクションは長手方向に連続して配置される。
【0006】
このタイプの編み物において、3つの異なるタイプの
編み物がこのように次々に配置される。これらの3つのセクションは同じ経糸から形成されるから、3つのセクションは編み機から出ていくときは、互いに長手方向に接続される。従って、これらのセクションを互いに接続するのに更なるワークステップは不要である。同時に、各セクションは所望の且つ所定の特性を示すから、編み物は全体的に幾つかの機能を有する。異なるセクションを備えた編み物は、地筬(ガイドバー)及びジャガード筬(ジャガードバー)を用いて製作され、ジャガード
編み物は例えば、スペーサを横たえ、糸を積み重ねるのに用いられる。
【0007】
単層
編み物は
1×1リブの編み物として具体化されるのが好ましい。単層
編み物は従って、平面状に互いに接続されて、互いの頂部に位置する2つの覆い層を備え、覆い層は最終的に1つの層のみを形成する。
1×1リブの編み物は、二重セクション編み機上で生産され、同じ編み機は単層
編み物と同様に、スペーサ
編み物及び管状
編み物の両方を生産するのにも用いられる。
【0008】
単層
編み物はスペーサ
編み物と管状
編み物の間に配置されるのが好ましい。単層
編み物はスペーサ
編み物と管状
編み物との間で、一種のヒンジ機能を実行する。同時に単層
編み物は管状
編み物の端部にて、2つの覆い層間に接続部を生成し、その結果、バッグ又はポーチの「底」が形成され、他の壁(覆いを除き)は管状
編み物から形成される。
【0009】
スペーサ
編み物は、管状
編み物よりも長手方向に
大きく延びているのが好ましい。スペーサ
編み物は従って、管状
編み物によって形成されてきたバッグ又はポーチの少なくとも1つのセクションにて片側だけでなく更に他方の側上を覆い且つ詰め物をするために用いられ得る。
ここで、スペーサ
編み物は長手方向に管状
編み物よりも少なくとも2倍
延びているのが好ましい。管状
編み物の両覆い層は従って、スペーサ
編み物によって覆われ、管状
編み物の十分な当て物が可能になる。
【0010】
スペーサ
編み物は単層
編み物に対して厚み方向に対称に配置されているのが好ましい。この対称は数学的に厳密な意味での対称ではない。その代り、単層
編み物が厚み方向にスペーサ
編み物の略中央部に配置され、即ち、スペーサ
編み物の厚みの略40%と60%の間が一方向にスペーサ
編み物を通って突出すれば適切である。スペーサ
編み物が単層
編み物に関してどの方向に折られ又は曲がっているかは引き続き重要ではないので、編み物は従って比較的自由に構成される。
【0011】
単層
編み物は、
長手方向に沿って単層
編み物を通って突出するスペーサ
編み物の厚みと少なくとも
同じ長さであるのが好ましい。これはスペーサ
編み物が管状
編み物上に直に折り返されることにより達成される。少なくとも管状
編み物の少なくとも片側にて、管状
編み物への当て物を達成することも同様に可能である。
単層
編み物は、
長手方向に沿って管状
編み物によって形成されるチューブの厚みと
少なくとも同じ長さであるのが好ましい。これはまた、管状
編み物によって形成されるホルダが、少なくとも片側にてスペーサ
編み物にて覆われ当て物がされることを確実にする手段である。
【0012】
スペーサ
編み物を備えたセクションが管状
編み物のセクションの片側に配置され、単層
編み物を備えたセクションが管状
編み物の他方側に配置されている。このように、スペーサ
編み物は管状
編み物によって形成されるホルダの開口から管状
編み物の少なくとも片側の壁上に下向きに折り返され、この位置にて管状
編み物に当て物をする。特に、スペーサ
編み物がまた単層
編み物の他端部に配置されていれば、管状
編み物によって形成されるホルダの両側は高い信頼性を以て覆われ、当て物がされる。
【0013】
スペーサ
編み物は長手方向を横切る異なる厚さを備えたセクションを備えるのが好ましい。例えば、パターンはこのように達成され、又は管状
編み物によって形成されるホルダの最終的な使用が受け入れられる。例えば、管状
編み物は繊細な物体へのホルダとして提供され、該繊細な物体が特別な保護を要求する箇所に、厚みの大きなスペーサ
編み物が選択され得る。
目的は冒頭に名付けられたタイプの方法に対して達成され、少なくとも4つの独立した糸供給要素が用いられて、所定の
編み物構造に基づき、ジャガード要素が制御されて、パイルを形成し又は表面を形成するように使用される。
【0014】
この方法に関し、異なる
編み物構造、即ちスペーサ
編み物、単層
編み物及び管状
編み物が1つの編み物の中に再び生産される。これは、一方又は両方の針ヘッド上にステッチ(編み目)を形成するための目標とする針を選択することによって簡単な方法で生じる。前部の針ヘッド及び後部の針ヘッド上にステッチを生成するための全ての針が選択されたならば、スペーサ
編み物が形成される。縁だけが閉じられれば、チューブが生産される。後部の編み針ヘッド上に前部の糸供給要素が織られ、前部の編み針ヘッド上に後部の糸供給要素が組み上げられれば、
1×1リブの編み物が生産される。
【0015】
ジャガード要素は少なくとも1つの面に模様を付けるのに用いられるのが好ましい。ここで、例えば着色された糸が用いられて、多数の色の布地内に構造が生成される。
ステッチ形成時に、一行のジャガード要素が様々に制御されることは有利である。編み物の生産方向のみならず、編み物の幅方向にも織り構造を作動させることが出来る。例えば、個々のレポート(report)の入力及びシーケンスはパターン制御プロセッサによって達成される。
異なる構造は編み物の幅方向に生成される。編み物の生産における可成りの柔軟性はこのように達成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、図面と関連して好ましい典型的な実施形態に基づいて以下に記載される。
【
図2】
図2は、
図1に従った編み物を生産するため筬(ガイドバー)の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、高度に概略化した
結合された編み物1を示す。図示は寸法通りではない。
編み物1は長手方向2に延びる多数の経糸がステッチによって互いに接続されて形成される。スペーサ
編み物3として具体化される1つのセクションと、単層
編み物4として具体化されるセクションと、管状
編み物5として具体化されるセクションは長手方向2に連続して配置される。単層
編み物4は、
1×1のリブ編み物として具体化される。単層
編み物4は、スペーサ
編み物3と管状
編み物5との間に配置される。
【0018】
3つのセクション、即ちスペーサ
編み物3、単層
編み物4及び管状
編み物5は連続した経糸によって形成され、即ちこれらの3つのセクションを一緒に結合するのに更なる手段は不要である。
このタイプの編み物1を生産する為に、
図2に概略で示すガイドバー(筬)構成が用いられ得る。
【0019】
例えば、ガイドバーGB1は前面層6に横たわる。ガイドバーGB7及びGB8は後面層7用の糸に横たわる。ガイドバーGB6はスペーサ糸とも言及されるパイル糸8に横たわる。更に、4つのジャガードバーJB2、JB3、JB4、JB5が付与されて、それらはステッチ(編み目)形成工程中に、ステッチ形成への経糸を受け、又はステッチ形成から経糸を除去する。
パイル糸8を横たえるのに、ガイドバーGB6に代えて、ジャガードバーJB2-JB5が使用され得る。
【0020】
2つの面層6、7を形成すべく、二重セクションの経糸編み機が用いられ、即ち編み針用の2つの針床を備えた編み機(両板機)が用いられ得る。
単層
編み物4は、「単一」
編み物として具体化される。このタイプの単層
編み物4はしかし、ステッチ形成工程中に互いに直に支え、互いに接続される2つの面層6、7を備えている。従って、2つの面層6、7は密に且つ密接不可分に接続される。
【0021】
管状
編み物5は基本的に2つの面層6、7から構成され、長手方向2に延びる長手方向の縁にて互いに直で接続されるのみである。
3つの異なるタイプの
編み物を備えた
結合された編み物1は、少なくとも4つの独立した糸供給要素を備えた編み技術に基づいた2つの針床を備えた機械を使用して生産される。ここで、糸供給要素は少なくともジャガードバーJB2-JB5の場合、ピエゾジャガード技術に基づく。それにより、ジャガード要素の配置は、ジャガードバーJB2-JB5がパイルの形成及び表面の模様付けの両方に用いられるように選択される。パイル(スペーサ糸3)、単層(単層
編み物4)及びチューブ(管状
編み物5)を備えた異なるセクションは1つの生産物内で再び生産される。
【0022】
示された編み物は更に、多くの布地製品に処理される。例えば携帯電話である繊細な物体用のホルダに基づいて以下に記載される。
管状
編み物5は開口した前側9を備えたホルダを形成し、該開口を通って携帯電話が挿入される。
【0023】
いわゆる下はりでホルダを閉じる単層
編み物4は管状
編み物5に接続して、挿入された携帯電話が下向き方向に落ちることが出来ないようにする。スペーサ
編み物3は管状
編み物5上で折られて、管状
編み物5の外側に当たる(pad)。ここでスペーサ
編み物3は、管状
編み物5よりも長手方向2に大きな
長さを有する。この
長さは長手方向2に管状
編み物5の
長さの少なくとも2倍である。従って、スペーサ
編み物3が管状
編み物の片側に沿って延び、スペーサ
編み物3を折り重ねた後に管状
編み物の他方上に下向きに折られることが可能である。スペーサ
編み物3は次に、前側9の開口を閉じる。パイル糸8を備えたスペーサ
編み物3が衝撃と圧力を吸収できるから、管状
編み物5により形成されたホルダは全ての側部に自動的に当て物がされる。
【0024】
単層
編み物4はスペーサ
編み物3の略中間部に配置され、即ち、スペーサ
編み物3は単層
編み物4に対して厚み方向に対称に配置されているのが好ましい。しかし、この場合、単層
編み物4の厚みがスペーサ
編み物3の厚みの40%から60%の範囲に構成され、該スペーサの厚みは前面層6と後面層7の間の距離である。
示されていない他の実施形態において、単層
編み物4はまた単層
編み物が2つの面6、7の1つの続きであるような方法でスペーサ
編み物3に接続される。
【0025】
単層
編み物4は、管状
編み物5により形成されるポーチ又はバッグの底の閉じを形成するのみならず、あるタイプのヒンジをも形成するのが好ましい。従って、単層
編み物4が長手方向2に
延び、該延びた長さが単層
編み物4を通って突出するスペーサ
編み物3の厚みと少なくとも同じであれば、それは有益である。従って、如何なる問題も発生することなく、スペーサ
編み物3が管状
編み物5上に折られることが確実になる。
【0026】
このタイプのホルダが特定の生産物に完成されるのが一般的であるならば、管状
編み物5によって形成される充填されたホルダの「厚み」が幾らかが知られれば、単層
編み物4が長手方向2に
延びて、該延びた長さが管状
編み物5によって形成されるチューブの厚みと少なくとも同じ大きさであることは有利である。この場合において、スペーサ
編み物3は単層
編み物4によって管状
編み物5の長手方向の全長に亘って折られることがまた確実になる。
【0027】
スペーサ
編み物3は長手方向2を横切る方向に異なる厚みを有する。この場合において、スペーサ
編み物3及びそれに伴う当て物の効果は、管状
編み物がバッグ又はポーチに用いられるならば、管状
編み物5内に収納され得る物体に適用される。例えば、物体の特に繊細な領域にスペーサ
編み物3の厚みの大きな部分が付与されて、これらのセクションをより良く保護することが出来る。
【0028】
示されたスペーサ
編み物3、単層
編み物4及び管状
編み物5は単に例示で示される。スペーサ
編み物3を備えたセクションが管状
編み物5を備えたセクションの片側に配置され、単層
編み物4を備えたセクションが管状
編み物5の反対側に配置されることも可能である。後者の場合、スペーサ
編み物3を備えたセクションは、単層
編み物4を備えたセクションに接続されて、例えばスペーサ
編み物3の短いセクションを備えた管状
編み物5の両側を覆う。
【0029】
従って、3つの異なる機能又は特性を備えた編み物が、複雑な改革又は編み物の仕上げの必要なく生産され得る。これにより仕上げの努力が劇的に最小となり、同時に生産コストが減じられる結果となる。生産中に欠陥が生じるリスクもまた減じられる。
【0030】
より薄い
1×1のリブ通路が容易に覆われる(draped)。個々の構造の表面は自由に設計される。空気透過性を備えた機能的ゾーン及び適切な補強を備えた通気性のある領域のためにパターンが集積され、複数の色及び形状を備えた編み物を形作るべく表面が用いられる。用いられる経糸織り機の構成により、異なる領域に必要な所望数の針又は糸供給要素が可能となる。この方法で異なる構造が編み物の生産方向のみならず、編み物の幅方向にももたらされる。例えば、個々のレポート(report)の入力及びシーケンスはパターン制御プロセッサによって達成される。
上記のホルダに加えて、靴、衣類物、バックパック、ジャケット、着座家具及びマットレス材、包装等が生産され得る。