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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297659
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】ブラケットデバイス
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/423 20170101AFI20180312BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   A47B88/04 A
   H05K7/18 L
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-222171(P2016-222171)
(22)【出願日】2016年11月15日
(65)【公開番号】特開2017-136352(P2017-136352A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2017年3月8日
(31)【優先権主張番号】105104225
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】何 俊毅
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】 大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0274680(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0067907(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02848158(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00−88/994
H05K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック柱への取り付けに使用されるブラケットデバイスであって、
前記ブラケットデバイスは、ブラケット、少なくとも1個の取り付け部材、ロック部材及びフールプルーフ部材を有し、
前記ブラケットは、側板、前記側板におおよそ垂直に連接するエンドプレートを有し、
前記少なくとも1個の取り付け部材は、前記ブラケットのエンドプレートに取り付けられ、
前記ロック部材は、前記ブラケットに相対して可動し、固定位置或いは固定解除位置に位置し、
前記フールプルーフ部材は、前記ブラケットに相対して可動し、第一位置或いは第二位置に位置し、
前記ブラケットデバイスが、前記ラック柱に相対して、第一取り付け角度にあるとき、前記フールプルーフ部材は、前記第一位置にあり、前記ロック部材の前記ブラケットに対する可動を制限せず、
これにより、前記少なくとも1個の取り付け部材は、前記ラック柱に取り付けられ、しかも前記ロック部材は、前記ラック柱を固定可能であり、
前記ブラケットデバイスが、前記ラック柱に相対して、第二取り付け角度にあるとき、前記フールプルーフ部材は、前記第一位置から前記第二位置へと移動し、前記ロック部材の、前記ブラケットに相対した前記固定位置から前記固定解除位置への移動を制限し、
これにより、前記少なくとも1個の取り付け部材は、前記ラック柱に取り付け不能であることを特徴とするブラケットデバイス。
【請求項2】
前記ブラケットデバイスは、枢接部材をさらに有し、前記枢接部材により前記ロック部材が前記ブラケットに枢接されることを特徴とする請求項1に記載のブラケットデバイス。
【請求項3】
前記ロック部材は、位置制限部を有し前記ロック部材が前記固定位置に位置したとき、前記位置制限部は前記ブラケットの側板に接触することを特徴とする請求項1に記載のブラケットデバイス。
【請求項4】
前記ブラケットデバイスは、弾性部材をさらに有し、前記ロック部材は前記弾性部材により提供された弾力により前記固定位置を保持可能であることを特徴とする請求項1に記載のブラケットデバイス。
【請求項5】
前記ロック部材は、第一当接部を有し、前記フールプルーフ部材は、第二当接部を有し、前記第二位置にある時には、前記フールプルーフ部材は、前記第二当接部により前記ロック部材の第一当接部を制限可能であることを特徴とする請求項1に記載のブラケットデバイス。
【請求項6】
前記フールプルーフ部材は、前記枢接部材に可動するように取り付けられ、前記枢接部材に沿って、前記第一位置と前記第二位置との間で移動可能であることを特徴とする請求項2に記載のブラケットデバイス。
【請求項7】
前記ブラケットは、少なくとも1個の耳部をさらに有し、前記ブラケットの側板から延伸し、前記枢接部材を取り付けることを特徴とする請求項2に記載のブラケットデバイス。
【請求項8】
ラック柱へのスライドレールの取り付けに使用されるブラケットでバイスであって、
前記ラック柱は、少なくとも1個の取り付け孔を有し、
前記ブラケットデバイスは、ブラケット、少なくとも1個の取り付け部材、ロック部材及びフールプルーフ部材を有し、
前記ブラケットは、側板、前記側板におおよそ垂直に連接するエンドプレートを有し、前記ブラケットは、前記側板により、前記スライドレールに取り付けられ、
前記少なくとも1個の取り付け部材は、前記ブラケットのエンドプレートに取り付けられ、
前記ロック部材は、前記ブラケットに相対して可動し、固定位置或いは固定解除位置に位置し、
前記フールプルーフ部材は、前記ブラケットに相対して可動し、第一位置或いは第二位置に位置し、
前記ブラケットデバイスが、前記ラック柱に相対して、第一取り付け角度にあるとき、前記フールプルーフ部材は、前記第一位置にあり、前記ロック部材の前記ブラケットに対する可動を制限不能であり、これにより、前記少なくとも1個の取り付け部材は、前記ラック柱の少なくとも1個の取り付け孔に取り付けられ、しかも前記ロック部材は、前記ラック柱に固定され、
前記ブラケットデバイスが、前記ラック柱に相対して、第二取り付け角度にあるとき、前記フールプルーフ部材は、前記第一位置から前記第二位置へと移動し、前記ロック部材の、前記ブラケットに相対した前記固定位置から前記固定解除位置への移動を制限可能であり、これにより前記少なくとも1個の取り付け部材は、前記ラック柱の少なくとも1個の取り付け孔に取り付けられないことを特徴とするブラケットデバイス。
【請求項9】
ブラケットデバイスは、ブラケット、少なくとも1個の取り付け部材、ロック部材及びフールプルーフ部材を有し、
前記少なくとも1個の取り付け部材は、前記ブラケットに取り付けられ、
前記ロック部材は、前記ブラケットに相対して可動し、
前記フールプルーフ部材は、前記ブラケットに相対して、第一位置或いは第二位置に位置し、
前記ブラケットが、第一取り付け角度にあるとき、前記フールプルーフ部材は、前記第一位置にあり、前記ロック部材の前記ブラケットに相対した可動を制限不能であり、
前記ブラケットが、前記第一取り付け角度から第二取り付け角度へと移ると、前記フールプルーフ部材は、前記第一位置から前記第二位置へと移動し、前記ブラケットに相対した移動ルート上で前記ロック部材を制限可能であることを特徴とするブラケットデバイス。
【請求項10】
前記第一取り付け角度の前記第二取り付け角度に相対した角度は180度であることを特徴とする請求項9に記載のブラケットデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフールプルーフ機能を有するブラケットデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
Allen氏等が発明した特許文献1によるラックは、左右対称に配置する複数のラック柱104、搭載物102を有する。
搭載物102は、一対のスライドレールアセンブリ上の取り付けブラケット114により、それぞれラックの左右両側のラック柱104に取り付けられ、こうして搭載物102はラックに取り付けられる。
【0003】
具体的には、特許文献1の一実施形態において図4A図4Cに示す通り、取り付けブラケット200のベース部材202を、ラック柱104に取り付ける際には、ベース部材202の板片バネ214は、ラック柱104の一端部により抑えられる。
これにより、板片バネ214は、ベース部材202の側板204へと傾斜する。
この状態下で、ベース部材202上の固定部材210は、ラック柱104の孔106に対応し取り付けられ、しかも板片バネ214は元の傾斜していない状態になりラック柱104に接触する。なお、特許文献2から7には他の従来技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第US7281694B2号明細書
【特許文献2】米国特許第US9125489B2号明細書
【特許文献3】米国特許第US8371454B2号明細書
【特許文献4】米国特許第US7878468B2号明細書
【特許文献5】米国特許第US7699279B2号明細書
【特許文献6】米国特許第US7694926B2号明細書
【特許文献7】米国特許第US7552899B2号明細書
【0005】
しかし、実際の取り付け時に取り付けブラケットをラックの左側か右側に正確に取り付けなければ、搭載物をラック内に正確に取り付けることはできない。
現在、スライドレールアセンブリの製造業者は、出荷時に、「R」或いは「L」のマークをスライドレール或いはそのブラケットに標示し、取り付け者が認識して、ラックの左側或いは右側位置に取り付けられるようにしている。
しかし、取り付け者が見落とすこともあり、スライドレール(或いはそのブラケット)は、ラック上の誤った位置に取り付けられることがある。
誤った取り付けは、取り付け者と設備の安全に危険を及ぼす恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記先行技術には、実際の取り付け時に取り付けブラケットをラックの左側か右側に正確に取り付けなければ、搭載物をラック内に正確に取り付けることはできないという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はフールプルーフ機能を有するブラケットデバイスに関する。
【0008】
本発明によるブラケットデバイスは、ラック柱への取り付けに使用される。
該ブラケットデバイスは、ブラケット、少なくとも1個の取り付け部材、ロック部材及びフールプルーフ部材を有する。
該ブラケットは、側板、該側板におおよそ垂直に連接するエンドプレートを有する。
該少なくとも1個の取り付け部材は、該ブラケットのエンドプレートに取り付けられる。
該ロック部材は、該ブラケットに相対して可動し、固定位置或いは固定解除位置に位置する。
該フールプルーフ部材は、該ブラケットに相対して可動し、第一位置或いは第二位置に位置する。
該ブラケットデバイスが、該ラック柱に相対して、第一取り付け角度にあるとき、該フールプルーフ部材は、該第一位置にあり、該ロック部材の該ブラケットに対する可動を制限しない。
これにより、該少なくとも1個の取り付け部材は、該ラック柱に取り付けられ、しかも該ロック部材は、該ラック柱を固定できる。
該ブラケットデバイスが該ラック柱に相対して、第二取り付け角度にあるとき、該フールプルーフ部材は、該第一位置から該第二位置へと移動し、該ロック部材の、該ブラケットに相対した該固定位置から該固定解除位置への移動を制限し、これにより該少なくとも1個の取り付け部材は、該ラック柱に取り付けられない。
【0009】
好ましくは、枢接部材をさらに有し、該ロック部材を該ブラケットに枢接する。
【0010】
好ましくは、該ロック部材は、位置制限部を有し、該ロック部材が該固定位置にあるとき、該位置制限部は該ブラケットの側板に接触できる。
【0011】
好ましくは、弾性部材をさらに有し、該ロック部材は該弾性部材から提供される弾力により該固定位置を保持できる。
【0012】
好ましくは、該ロック部材は、第一当接部を有し、該フールプルーフ部材は、第二当接部を有し、該第二位置にある時には、該フールプルーフ部材は、該第二当接部により該ロック部材の第一当接部を制限できる。
【0013】
好ましくは、該フールプルーフ部材は、該枢接部材に可動するように取り付けられ、該枢接部材に沿って、該第一位置と該第二位置との間で移動できる。
【0014】
好ましくは、該ブラケットは、少なくとも1個の耳部をさらに有し、該ブラケットの側板から延伸し、該枢接部材を取り付ける。
【0015】
本発明によるもう一つのブラケットデバイスは、ラック柱へのスライドレールの取り付けに使用される。
該ラック柱は、少なくとも1個の取り付け孔を有する。
該ブラケットデバイスは、ブラケット、少なくとも1個の取り付け部材、ロック部材及びフールプルーフ部材を有する。
該ブラケットは、側板、該側板におおよそ垂直に連接するエンドプレートを有する。
該ブラケットは、該側板により、該スライドレールに取り付けられる。
該少なくとも1個の取り付け部材は、該ブラケットのエンドプレートに取り付けられる。
該ロック部材は、該ブラケットに相対して可動し、固定位置或いは固定解除位置に位置する。
該フールプルーフ部材は、該ブラケットに相対して可動し、第一位置或いは第二位置に位置する。
該ブラケットデバイスが、該ラック柱に相対して、第一取り付け角度にあると、該フールプルーフ部材は、該第一位置にあり、該ロック部材の該ブラケットに対する可動を制限できない。
これにより、該少なくとも1個の取り付け部材は、該ラック柱の少なくとも1個の取り付け孔に取り付けられ、しかも該ロック部材は、該ラック柱に固定される。
該ブラケットデバイスが、該ラック柱に相対して、第二取り付け角度にあると、該フールプルーフ部材は、該第一位置から該第二位置へと移動し、該ロック部材の、該ブラケットに相対した該固定位置から該固定解除位置への移動を制限でき、これにより該少なくとも1個の取り付け部材は、該ラック柱の少なくとも1個の取り付け孔に取り付けられない。
【0016】
本発明によるさらにもう一つのブラケットデバイスは、ブラケット、少なくとも1個の取り付け部材、ロック部材及びフールプルーフ部材を有する。
該少なくとも1個の取り付け部材は、該ブラケットに取り付けられる。
該ロック部材は、該ブラケットに相対して可動する。
該フールプルーフ部材は、該ブラケットに相対して、第一位置或いは第二位置に位置する。
該ブラケットが、第一取り付け角度にあると、該フールプルーフ部材は、該第一位置にあり、該ロック部材の該ブラケットに相対した活動を制限できない。
該ブラケットが、該第一取り付け角度から第二取り付け角度へと移ると、該フールプルーフ部材は、該第一位置から該第二位置へと移動し、該ブラケットに相対した移動ルート上で該ロック部材を制限できる。
【0017】
好ましくは、該第一取り付け角度の該第二取り付け角度に相対した角度は180度である。
【0018】
本発明の実施形態を応用する特徴の一つは、ブラケットデバイスを、ラックの左右両側のラック柱に運用する時には、操作者がブラケットデバイスをラック柱に誤って取り付ける状況の発生を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明一実施形態において一対のスライドレールアセンブリにより搭載物をラックに取り付ける様子を示す模式図である。
図2】本発明一実施形態のスライドレールアセンブリの分解模式図である。
図3】本発明一実施形態のブラケットデバイスの分解模式図である。
図4】本発明一実施形態のブラケットデバイスの組合せ模式図である。
図5図4のブラケットデバイスが一角度の回転を行う様子を示す立体模式図である。
図6】本発明一実施形態のブラケットデバイスがラック柱に相対して第一方向へと移動する様子を示す模式図である。
図7図6のブラケットデバイスのロック部材が一角度の偏りを呈し、これにより少なくとも1個の取り付け部材が第二方向に向かい、ラック柱の少なくとも1個の取り付け孔に対応する様子を示す模式図である。
図8図6のブラケットデバイスが該ラック柱に取り付けられる様子を示す模式図である。
図9】本発明一実施形態のブラケットデバイスが該ラック柱に取り付けられる様子を示す立体模式図である。
図10】本発明一実施形態のブラケットデバイスがラック柱に相対して第一方向へと移動する様子を示す模式図であり、フールプルーフ部材がロック部材を制限できることを示す。
図11図10のブラケットデバイスが第一方向に向かいそれ以上移動できず、これにより少なくとも1個の取り付け部材は該ラック柱に取り付けられない様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(一実施形態)
図1に示す通り、ラック20は、左右対称に配置される複数のラック柱22、及びシャーシ24などの搭載物を有する。
シャーシ24は、一対のスライドレールアセンブリ26により、ラック20の左右両側のラック柱22にそれぞれ取り付けられ、これによりシャーシ24をラック20に取り付ける。
【0021】
図2に示す通り、本発明一実施形態のスライドレールアセンブリ26は、第一レール28、第二レール30、及び第一レール28と第二レール30との間に可動するように設置される第三レール32を有する。
第三レール32により、第二レール30の第一レール28に対する開行程を延長することができる。
第一レール28の前後両端などの2個の部位には、第一ブラケットデバイス34及び第二ブラケットデバイス35をそれぞれ取り付け、第一ブラケットデバイス34及び第二ブラケットデバイス35により、スライドレールアセンブリ26をラック20に取り付けられる。
本発明実施形態の特徴を説明するため、下文では第一ブラケットデバイス34についてのみ述べる(ブラケットデバイス34と略称し説明する)。
【0022】
図3図4に示す通り、ブラケットデバイス34は、ブラケット36、少なくとも1個の取り付け部材38、ロック部材40及びフールプルーフ部材42を有する。
ブラケット36は、側板44、側板44におおよそ垂直に連接するエンドプレート46を有する。
好ましくは、少なくとも1個の耳部をさらに有し、耳部はブラケット36の側板44から延伸する。
ここでは、第一耳部48aと第二耳部48bを例とする。
しかも、第一耳部48aと第二耳部48bは、一距離を隔てる。
本実施形態中では、第一耳部48a、第二耳部48bとエンドプレート46とは、側板44の同片側に、横方向に延伸する。
【0023】
少なくとも1個の取り付け部材38は、ブラケット36に取り付けられる。
ここでは、一対の取り付け部材38を例とする。
各取り付け部材38は、ブラケット36のエンドプレート46に通して設置される。
好ましくは、取り付け台50をさらに有し、ブラケット36に取り付けられる。
例えば、取り付け台50は、嵌合、溶接、リベット接合、或いは螺合等の連接方式により、ブラケット36のエンドプレート46に固定される。
ここでは、各取り付け部材38は、取り付け台50によりブラケット36のエンドプレート46に取り付けられる。
【0024】
ロック部材40は、ブラケット36に可動するように連接する。
例えば、ロック部材40は、枢接部材52により、第一耳部48a、第二耳部48bに枢接し、これによりロック部材40は、ブラケット36の側板44に位置し、しかもロック部材40は、ブラケット36に相対して固定位置L1まで回転する。
ロック部材40は、延伸部54、位置制限部56、及び延伸部54と位置制限部56との間に位置する中間部58を有する。
中間部58を基準とし、延伸部54は、おおよそ中間部58の前端に位置し、位置制限部56は、おおよそ中間部58の後端に位置する。
本実施形態中では、枢接部材52は、中間部58に通して設置され、ロック部材40を、第一耳部48a、第二耳部48bに枢接する。
好ましくは、弾性部材60をさらに有し、これにより弾力をロック部材40に提供し、ロック部材40は一時的に固定位置L1を保持する。
ロック部材40の位置制限部56は、ロック部材40に反応して固定位置L1に位置し、ブラケット36の側板44に接触できる。
本実施形態中では、弾性部材60は、ロック部材40とブラケット36の側板44との間に取り付けられる。
【0025】
フールプルーフ部材42は、ブラケット36に可動するように取り付けられる。
例えば、フールプルーフ部材42は、枢接部材52に可動するように取り付けられ、枢接部材52に沿って移動するが、これに限定するものではない。
ブラケット36にはスライド槽を設置でき、この場合にはフールプルーフ部材42はスライド槽に沿って移動し、必ずしも枢接部材52に沿って移動するというものではない。
好ましくは、ブラケット36は、サポート部61をさらに有する。
フールプルーフ部材42は、サポート部61と位置制限部56との間で、枢接部材52に沿って移動する。
本実施形態中では、フールプルーフ部材42は、接触部62を有し、枢接部材52にスライド接触する。
好ましくは、ロック部材40は、第一当接部64を有し、フールプルーフ部材42は、第二当接部66を有する。
第一当接部64は、ロック部材40の位置制限部56の片側辺とでき、第二当接部66は、屈折部とできる。
【0026】
図4図5に示す通り、ブラケットデバイス34(或いはブラケット36)は、第一取り付け角度から第二取り付け角度へと回転する。
ここでは、第一取り付け角度の第二取り付け角度に相対した角度は180度である。
ブラケットデバイス34が、第一取り付け角度から第二取り付け角度へと回転すると、ブラケットデバイス34は、上下逆さま状態を呈する。
ブラケットデバイス34が第一取り付け角度に位置する時には(図4)、フールプルーフ部材42は第一位置P1に位置し、しかもフールプルーフ部材42の第二当接部66とロック部材40の第一当接部64とは、一距離を隔てる。
これにより、フールプルーフ部材42の第二当接部66は、ロック部材40の第一当接部64を制限できない。
【0027】
言い換えれば、第一位置P1にある時には、フールプルーフ部材42は、ロック部材40のブラケット36に相対した回転などの活動を制限できない。
ここでは、ロック部材40は、ブラケット36に相対して自由に回転できる。
ブラケットデバイス34が、第一取り付け角度から第二取り付け角度へと回転すると(図5)、フールプルーフ部材42は、それ自体の重さを利用し、第一位置P1から枢接部材52に沿って、第二位置P2まで移動する。
しかも、第二位置P2にある時には、フールプルーフ部材42の第二当接部66は、ロック部材40の第一当接部64を制限する。
これにより、フールプルーフ部材42は、第二当接部66により、ロック部材40の移動ルート上で制限される。
そのため、ロック部材40は、固定位置L1から固定解除位置まで移動することはできない。
したがって、この状態下では、ロック部材40は、ブラケット36に相対して自由に回転することはできない。
【0028】
図6及び図7に示す通り、ラック柱22は、少なくとも1個の取り付け孔68を有する。
ブラケットデバイス34(或いはブラケット36)がラック柱22に相対して、第一取り付け角度にある時、フールプルーフ部材42の第二当接部66は、ロック部材40の第一当接部64を制限しない。
よって、取り付け過程において、ブラケットデバイス34は第一方向D1(例えば、横方向)へと移動し、しかもロック部材40は、延伸部54によりラック柱22の片側に接触し、固定位置L1から固定解除位置L2までに対応した回転を行う。
この時、弾性部材60はロック部材40の回転に反応し、弾力を蓄える。
【0029】
図8に合わせて示す通り、ロック部材40が固定解除位置L2にある状態では、ブラケットデバイス34は、第二方向D2(例えば、縦方向)へとさらに移動できる。
これにより、少なくとも1個の取り付け部材38は、ラック柱22の少なくとも1個の取り付け孔68に取り付けられる。
この時、ロック部材40の延伸部54は、ラック柱22への接触を解消する。
これにより、ロック部材40は、弾性部材60の弾力に反応し、固定解除位置L2から固定位置L1へと戻り、ラック柱22を固定する。
【0030】
図9に示す通り、ブラケットデバイス34は、側板44により、第一レール28に取り付けられる。
ブラケットデバイス34の一対の取り付け部材38が、対応してラック柱22の2個の取り付け孔68に取り付けられると、ロック部材40も、固定位置に、ラック柱22を固定する。
この固定状態下で、ブラケットデバイス34が第三方向D3(第二方向D2に反対の方向)へと移動すると、一対の取り付け部材38を、ラック柱22の2個の取り付け孔68から退出させることができず、第一レール28がラック柱22に取り付けられる時の信頼性を高めることができる。
【0031】
図10図11に示す通り、ブラケットデバイス34(或いはブラケット36)がラック柱22に相対して第二取り付け角度にある時には、フールプルーフ部材42の第二当接部66は、ロック部材40の第一当接部64を制限する。
よって、取り付け過程において、ブラケットデバイス34は第一方向D1に向かい移動し、しかもロック部材40は、延伸部54によりラック柱22の片側に接触するが、第一当接部64は、フールプルーフ部材42の第二当接部66に制限され、これによりロック部材40は、固定位置L1から固定解除位置L2へと回転することができない。
よって、ブラケットデバイス34が第一方向D1に向かう移動の過程において、少なくとも1個の取り付け部材38を、ラック柱22の少なくとも1個の取り付け孔68に取り付けることはできない。
【0032】
上記したように、本発明の実施形態が提供するブラケットデバイス34が第一取り付け角度にあると、フールプルーフ部材42により、第一位置P1において、ロック部材40は制限されない。
これにより、ブラケットデバイス34の少なくとも1個の取り付け部材38は、ラック柱22に取り付けられる。
ブラケットデバイス34が第二取り付け角度にあると、フールプルーフ部材42により、第二位置P2において、ロック部材40を制限する。
これにより、ブラケットデバイス34の少なくとも1個の取り付け部材38が、ラック柱22に取り付けられることはない。
よって、本発明が提供するブラケットデバイス34を、ラック20の左右両側のラック柱22に運用する時には、操作者がブラケットデバイス34をラック柱22に誤って取り付ける状況の発生を効果的に防止できる。

前述した本発明の実施形態は本発明を限定するものではなく、よって、本発明により保護される範囲は特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0033】
20 ラック
22 ラック柱
24 シャーシ
26 スライドレールアセンブリ
28 第一レール
30 第二レール
32 第三レール
34 第一ブラケットデバイス
35 第二ブラケットデバイス
36 ブラケット
38 取り付け部材
40 ロック部材
42 フールプルーフ部材
44 側板
46 エンドプレート
48a 第一耳部
48b 第二耳部
50 取り付け台
52 枢接部材
54 延伸部
56 位置制限部
58 中間部
60 弾性部材
61 サポート部
62 接触部
64 第一当接部
66 第二当接部
68 取り付け孔
D1 第一方向
D2 第二方向
D3 第三方向
L1 固定位置
L2 固定解除位置
P1 第一位置
P2 第二位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11