【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様では、粉状製剤を含むカプセルから粉状薬剤を吸入するための吸入器が提供され、その吸入器は、
(a)粉状製剤を収容するカプセルを受け、空気吸入開口および空気排出開口を有するカプセルチャンバを備えるカプセル保持器と、
チャンバ内のカプセルを開封するための、カプセルチャンバに付随するカプセル開封装置と、
カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータと
を備える組立体と、
(b)マウスピースまたはノーズピースと
を備え、
それによって、使用者が、空気吸入開口を通って、開封されたカプセルからの粉薬を乗せるカプセルチャンバ内に、次いでチャンバの外へ、空気排出開口、およびマウスピースまたはノーズピースを通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込むことができ、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、互いに蝶番式に取り付けられており、その結果、マウスピースまたはノーズピースが、カプセルチャンバ内にカプセルを装填するために、マウスピースまたはノーズピースがカプセルチャンバの空気排出開口から離隔されている開放状態と、マウスピースまたはノーズピースが使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態との間を枢動することができる吸入器であって、
(c)上方殻部分に蝶番式に取り付けられている下方殻部分を備える剛体外側殻であって、その結果、殻が開放可能、または閉鎖可能である剛体外側殻
をさらに備える吸入器において、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が第1の蝶番式ユニットを画定し、外側殻(c)が第2の蝶番式ユニットを画定し、第1の蝶番式ユニットが使用のために第2の蝶番式ユニット内に配置され、そのため、第1の蝶番式ユニットを第2の蝶番式ユニット自体から取り外すことが可能になることを特徴とする。
【0012】
その配置は、具体的には、2つのユニットの蝶番が、互いから分離可能であることを特徴とする。具体的には、第1のユニットの蝶番が、第2のユニットの蝶番から分離可能であり、独立して作動する。いずれの蝶番の構造または作動にも影響を与えずに、第1のユニットを第2のユニットから取り外すことができる。
【0013】
第1の蝶番式ユニットが第2の蝶番式ユニットに受けられるとき、第1の蝶番式ユニットの組立体(a)部分は、外側殻の下方殻部分内に実質的に完全に受けられることが好ましい。このようにして、上方殻部分は、吸入器が使用されないとき、マウスピースまたはノーズピース(b)用の覆いとして機能することができる。
【0014】
吸入器は、吸入器の中心長手軸上に概ね中心に配置されることが好ましい、単一のカプセルチャンバを有することも好ましい。この単一のカプセルチャンバは、各使用の間に空にされ、カプセルで再装填されねばならない。
【0015】
特に、吸入器は、国際公開第91/02558A号パンフレットに記載されている型の回転式マガジンを備えないことが好ましいが、国際公開第91/02558A号パンフレットでは、2つ以上、例えば、6つのチャンバが、その数までのカプセルをあらかじめ装填可能であり、それぞれ1つのカプセルが、吸入器内のカプセルの最大数まで各連続する吸入手順ごとに、カプセル開封装置に位置合わせされる。
【0016】
カプセルは、粉状製剤を収容する従来の薬剤カプセルであることが好ましい。任意の適切な生理的に受け入れ可能なカプセル材料が使用可能であり、例えば、動物性たんぱく質(例えば、ゼラチン)、または植物性多糖類(例えば、ゴム質、でんぷん質、セルロース)から由来するカプセルなどである。適切なカプセルには、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースから形成されたものが含まれる。本明細書で使用される「カプセル」という表現は、吸入されるべき粉状製剤、または調剤薬を保持し、本発明の吸入器を使用する前記吸入向けに開放可能なすべての閉鎖型容器を指すように広く理解されたい。
【0017】
吸入器の剛体外側殻の部分は、中空であり、各部分が部分の開放口を画定する円周方向の縁部を有する。殻が閉鎖状態にある場合、一方の殻部分の縁部の輪郭が、縁部の周りで円周方向に完全に、または少なくとも実質的に、他方の縁部の輪郭に一致するように、吸入器の外側殻が配置されることが好ましい。外側殻部分の縁部に関して、本明細書で使用される「輪郭に一致する」という表現は、特に、殻が閉じた状態の縁部が、殻部分の間の蝶番によって占有されない縁部の全ての円周方向の部分全体で接触しているか、または互いに、約10mm以内であり、例えば5mm以内であることを意味する。一実施形態では、各殻部分の縁部は、他方の殻の縁部に完全に一致し、例えば、上記に考察される従来技術の方法で縁部が切り取られるのではない。
【0018】
したがって、本発明の好ましい実施形態では、外側殻の下方殻部分が、その縁部によって画定されている上部開口から離れて、下方方向に向かって内側に先が細くなっており、第1の蝶番式ユニットの組立体(a)が、対応して下方方向に向かって内側に先が細くなり、その結果、組立体(a)が下方殻部分内に受けられることが可能になり、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータが、下方殻部分の縁部下方に、下方殻部分内の開口を通って突出し、それによって、下方殻部分の縁部が完成し、第1の蝶番ユニットが、上方に、下方殻部分の縁部によって画定されている上部開口を通って通過することによって、下方殻部分から除去され得る。
【0019】
この配置には、下方殻部分の縁部が切り取られていた従来技術の配置よりも、2つの殻部分がより堅固で、頑丈であるという技術的な利点がある。
【0020】
本発明の第2の態様では、粉状製剤を収容するカプセルから粉状薬剤を吸入するための吸入器が提供され、この吸入器は、
(a)粉状製剤を収容するカプセルを受け、空気吸入開口および空気排出開口を有するカプセルチャンバを備えるカプセル保持器と、
チャンバ内のカプセルを開封するための、カプセルチャンバに付随するカプセル開封装置と、
カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータと
を備える組立体と、
(b)マウスピースまたはノーズピースと
を備え、
それによって、使用者が、空気吸入開口を通って、開封されたカプセルからの粉薬を乗せるカプセルチャンバ内に、次いでチャンバの外へ空気排出開口、およびマウスピースまたはノーズピースを通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込むことができ、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、互いに蝶番式に取り付けられており、その結果、マウスピースまたはノーズピースが、カプセルチャンバ内にカプセルを装填するために、マウスピースまたはノーズピースがカプセルチャンバの空気排出開口から離隔されている開放状態と、マウスピースまたはノーズピースが使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態との間を枢動することができる吸入器であって、
(c)上方殻部分に蝶番式に取り付けられている下方殻部分を備える剛体外側殻であって、その結果、殻が開放可能、または閉鎖可能である剛体外側殻
をさらに備える吸入器において、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、外側殻内に位置され、上方殻部分、および下方殻部分のそれぞれが、その部分の唇部を画定する円周方向の縁部を有し、殻が閉鎖状態である場合、各殻部分の縁部の輪郭が、縁部の周りで実質的に完全に他方の縁部の輪郭に一致することを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の態様に関して使用される「輪郭に一致する」という表現は、本発明の第1の態様に関して上記に定義する意味と同じ意味に理解されたい。
【0022】
本発明の第2の態様の好ましい実施形態では、外側殻の下方殻部分が、その縁部によって画定されている上部開口から離れて、下方方向に向かって内側に先が細くなっており、組立体(a)(例えば、第1の蝶番式ユニットの組立体(a))が、対応して下方方向に向かって内側に先が細くなり、その結果、組立体(a)が下方殻部分内に受けられることが可能になり、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータが、下方殻部分内の開口を通って下方殻部分の縁部下方に突出し、それによって、下方殻部分の縁部が完成し、組立体(a)(例えば、第1の蝶番ユニット)が、上方に、下方殻部分の縁部によって画定されている上部開口を通って通過することによって、下方殻部分から除去され得る。
【0023】
この配置には、下方殻部分の縁部が切り取られていた従来技術の配置よりも、2つの殻部分がより堅固で、頑丈であるという技術的な利点がある。
【0024】
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が第1の蝶番式ユニットを画定し、外側殻(c)が第2の蝶番式ユニットを画定し、第1の蝶番式ユニットが使用のために第2の蝶番式ユニット内に受けられ、そのため、第1の蝶番式ユニットを第2の蝶番式ユニット自体から取り外すことができるようになっていることが好ましい。その配置は、具体的には、2つのユニットの蝶番が、互いから離れていることを特徴とする。具体的には、第1のユニットの蝶番が、第2のユニットの蝶番から離れており、独立して作動する。どちらの蝶番の構造、および作動にも影響を与えずに、第1のユニットを第2のユニットから取り外すことができる。
【0025】
第1の蝶番式ユニットが第2の蝶番式ユニットに受けられるとき、第1の蝶番式ユニットの組立体(a)部分は、外側殻の下方殻部分内に実質的に完全に受けられることが好ましい。このようにして、上方殻部分は、吸入器が使用されない場合、マウスピースまたはノーズピース(b)用の覆いとして機能することができる。
【0026】
本発明は、上方殻部分をマウスピースまたはノーズピース(b)に取外し可能に固定するための手段をもたらすことができ、それによって、両方の蝶番式ユニットが1つの手動動作により同時に手動で開放できるというさらなる技術上の利点を提供する。このことによって、上方殻部分、およびその中に格納されているマウスピースまたはノーズピースが、下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)から離れてユニットとして蝶番式に取り付け可能であるという効果がある。このことによって、カプセルをチャンバ内に装填するため、あるいはチャンバを空にする、または掃除するために、使用者がマウスピースまたはノーズピースに触れる必要がなく、カプセルチャンバを露出することが可能になる。次いで、上方殻部分、およびマウスピースまたはノーズピースを下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)をユニットとして閉鎖することができる。上方殻部分とマウスピースまたはノーズピースとの間の固定を手動で取り外した後、次いで、上方殻部分はその蝶番上で再び開くことができるが、このとき、組立体(a)に隣接する位置にあるマウスピースまたはノーズピースから独立している。この開放状態で、吸入器は、カプセルチャンバにカプセルを収容しており、このとき使用の用意ができている。
【0027】
本発明の第2の態様の吸入器は、吸入器の中心長手軸上に概ね中心に配置されることが好ましい、単一のカプセルチャンバを有することも好ましい。この単一のカプセルチャンバは、各使用の間に空にされ、カプセルで再装填されねばならない。
【0028】
特に、本発明の第2の態様の吸入器は、国際公開第91/02558A号パンフレットに記載されている型の回転式マガジンを備えないことが好ましいが、国際公開第91/02558A号パンフレットでは、2つ以上、例えば、6つのチャンバが、その数までのカプセルをあらかじめ装填可能であり、それぞれ1つが、吸入器内のカプセルの最大数まで連続する吸入手順ごとに、切断装置に位置合わせされる。
【0029】
組立体(a)が下方殻部分内に保持され、通常の使用中に、下方殻部分に対して移動することができない場合、吸入器の製造を著しく簡単にすることができるということがさらに分かってきた。このことによって、例えば、マウスピースまたはノーズピース(b)と組立体(a)との間の蝶番式取付けが、特に下方殻部分とマウスピースまたはノーズピース(b)との間に蝶番を設けることによって、間接的になり得るという利点がある。そのような蝶番はまた、組立体(a)を下方殻部分内に保持することによって、マウスピースまたはノーズピース(b)を組立体(a)に蝶番式に取り付ける働きをもする。
【0030】
本発明の第3の態様では、したがって、粉状製剤を収容するカプセルから粉状薬剤を吸入するための吸入器が提供され、その吸入器は、
(a)粉状製剤を収容するカプセルを受け、空気吸入開口および空気排出開口を有するカプセルチャンバを備えるカプセル保持器と、
チャンバ内のカプセルを開封するための、カプセルチャンバに付随するカプセル開封装置と、
カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータと
を備える組立体と、
(b)マウスピースまたはノーズピースと
を備え、
それによって、使用者が、空気吸入開口を通って、開封されたカプセルからの粉薬を乗せるカプセルチャンバ内に、次いでチャンバの外へ、空気排出開口、およびマウスピースまたはノーズピースを通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込むことができ、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、互いに蝶番式に取り付けられており、その結果、マウスピースまたはノーズピースが、カプセルチャンバ内にカプセルを装填するために、マウスピースまたはノーズピースがカプセルチャンバの空気排出開口から離隔されている開放状態と、マウスピースまたはノーズピースが使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態との間を枢動することができる吸入器であって、
(c)上方殻部分に蝶番式に取り付けられている下方殻部分を備える剛体外側殻であって、その結果、殻が開放可能、または閉鎖可能である剛体外側殻
をさらに備える吸入器において、
組立体(a)が、下方殻部分内に保持され、下方殻部分に対して通常の使用では移動することができないことを特徴とする。
【0031】
本発明の第3の態様の好ましい実施形態では、マウスピースまたはノーズピース(b)が外側殻の上方部分内に配置され、上方殻部分および下方殻部分のそれぞれが、部分の唇部を画定する円周方向の縁部を有し、殻が閉鎖状態にあるとき、各殻部分の縁部の輪郭が、縁部の周りで実質的に完全に他方の縁部の輪郭に一致する。
【0032】
本発明の第3の態様に関して使用される「輪郭に一致する」という表現は、本発明の第1の態様に関して上記に定義する意味と同じ意味に理解されたい。
【0033】
本発明の第3の態様の好ましい実施形態では、外側殻の下方殻部分が、その縁部によって画定されている上部開口から離れて、下方方向に向かって内側に先が細くなっており、組立体(a)が、対応して下方方向に向かって内側に先が細くなり、その結果、組立体(a)が下方殻部分内に受けられて、その中に保持されることが可能になり、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータが、下方殻部分内の開口を通って下方殻部分の縁部下方に突出し、それによって、下方殻部分の縁部が完成する。
【0034】
この配置には、下方殻部分の縁部が切り取られていた従来技術の配置よりも、2つの殻部分がより堅固で、頑丈であるという技術的な利点がある。組立体(a)を下方殻部分内に保持することには、上方殻部分およびマウスピースまたはノーズピースのみが下方殻部分に対して枢動可能に作製される必要があるという点で、蝶番式システム、およびその製造を簡単にすることができるという利点がある。
【0035】
上方殻部分をマウスピースまたはノーズピース(b)に取外し可能に固定するための手段を与えることができ、それによって、上方殻部分、およびマウスピースまたはノーズピースの両方が、1つの手動動作により同時に手動で開放することができる。このことによって、上方殻部分、およびその中に格納されているマウスピースまたはノーズピースが、下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)から離れてユニットとして蝶番式に取り付け可能であるという効果がある。このことによって、カプセルをチャンバ内に装填するため、あるいはチャンバを空にする、または掃除するために、使用者がマウスピースまたはノーズピースに触れる必要がなく、カプセルチャンバを露出することができる。次いで、上方殻部分、およびマウスピースまたはノーズピースは、下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)上にユニットとして閉鎖可能である。上方殻部分とマウスピースまたはノーズピースとの間の固定を手動で取り外した後、次いで、上方殻部分はその蝶番上に再び開くことができるが、このとき、組立体(a)に隣接する位置にあるマウスピースまたはノーズピースから独立している。この開放状態で、吸入器は、カプセルチャンバにカプセルを収容しており、このとき使用の用意ができている。
【0036】
本発明の第3の態様の吸入器は、単一のカプセルチャンバ、好ましくは吸入器の中心長手軸上に概ね中心に配置されるカプセルチャンバを有することも好ましい。この単一のカプセルチャンバは、各使用の間に空にされ、カプセルで再装填されねばならない。
【0037】
特に、本発明の第3の態様の吸入器は、国際公開第91/02558A号パンフレットに記載されている型の回転式マガジンを備えないことが好ましいが、国際公開第91/02558A号パンフレットでは、2つ以上、例えば、6つのチャンバが、その数までのカプセルをあらかじめ装填可能であり、それぞれ1つのカプセルが、吸入器内のカプセルの最大数まで連続する吸入手順ごとに切断装置に位置合わせされる。
【0038】
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)の相対的運動に関して使用される「互いに蝶番式に取り付けられた」という表現は、マウスピースまたはノーズピースが組立体に対して、開放状態と閉鎖状態との間を必要に応じて枢動することができるという条件で、直接、および間接を含む互いの蝶番式取付けの全ての実施形態を含む。
【0039】
「直接的」互いの蝶番式取付けは、通常、組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)に働く共通の蝶番ピン、または他の蝶番手段を使用することによって実現される。「間接的」互いの蝶番式取付けは、通常、例えば、本発明の第3の態様に関して、ならびに本発明の第1の態様および第2の態様の中で、組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)の1つまたは両方がそれぞれ結合されている1つ、または2つの中間部材を使用して実現され、この中間部材は、蝶番ピン、または他の蝶番手段によって機能を果たす。本発明の第3の態様の1つの好ましい実施形態では、下方殻部分は、組立体(a)のための中間部材として働き、それによって、組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)は、間接的に互いに蝶番式に取り付けられている。
【0040】
本発明の任意の態様に関して、本明細書に記載されている好ましい例、および実施形態は、別段明確に述べない限り、任意の他の一態様または複数の態様に当てはまる。さらに、所望であれば、本発明の2つ以上の態様が、吸入器の中に同時に存在することができる。以下の考察は、吸入器内に同時に実施されるか、または独立して実施されるかのいずれにせよ、本発明のすべての態様に当てはまる。
【0041】
以下の考察で使用される「マウスピース」という表現は、口および鼻で使用するための部品を等しく指すものと理解されたい。
【0042】
組立体(a)、および下方殻部分は、組立体(a)を下方殻部分内に配置するために、組立体(a)が下方殻部分に滑り嵌め、または押込み嵌めされるように適合されていることが好ましい。本発明の第3の態様に関して、組立体(a)が、通常の使用中に使用者によって下方殻部分から取り外されることを防止する協働的構成体によって、組立体(a)が下方殻部分内に保持されることが好ましい。そのような協働的構成体は、例えば、スナップ嵌め係合をもたらして、組立体(a)を下方殻部分内に保持する。
【0043】
1つの可能な配置では、本発明の第3の態様に適用可能ではないが、吸入器のマウスピース(b)が、マウスピース(b)と組立体(a)との間の蝶番の枢動線から離れて、マウスピースから枢動線の反対側に延在する突出部を備え、組立体(a)が停止面を備え、この停止面は、前記マウスピース(b)がカプセルチャンバの空気排出開口に隣接している閉鎖状態から脱して、マウスピース(b)がある角度以上(例えば、約90°以上、約100°以上、約110°以上、または約120°以上)回転した後、その突出部が停止面に支えられるように配置される。このようにして、ある角度の回転が達成された後、マウスピース上にさらに軽く圧力を加えることにより、組立体(a)が下方殻部分内の嵌合から外れて持ち上がって、それによって、組立体(a)を殻から取り外すことの助けとなる。
【0044】
マウスピースを吸入器の残りの部分に結合する蝶番、例えば、組立体(a)とマウスピース(b)との間の蝶番は、分離可能な蝶番であり、その結果、マウスピースを組立体から離れて枢動させるとき、例えば、チャンバに装填するため、またはチャンバを空にするためにチャンバを開放するとき、あるいは上記の段落で説明するように、組立体(a)、およびマウスピース(b)を殻から取り外そうとするとき、大きすぎる圧力がマウスピース上に働く場合、蝶番が破損する前に分離することになる。構造は、蝶番の2つの部品上の協働的構成体からなる、簡単なスナップ嵌め、または押込み嵌め係合システムであることが好ましく、その結果、使用者は、部品を分離する場合、蝶番を簡単に再組立することができる。
【0045】
マウスピース(b)が、マウスピースがカプセルチャンバの空気排出開口に隣接して配置されている閉鎖状態で、組立体(a)に確実に嵌合するが、しかし、手動で取外し可能であることが好ましい。この目的のために、協働的構成体が、組立体(a)、およびマウスピース(b)の接合部分上に適切に設けられて、確実であるが、通常の使用者が指で押すことによって開放可能である押込み嵌め、またはスナップ嵌め係合をもたらすことができる。
【0046】
殻の2つの部分が、確実に嵌合するが、しかし、殻の閉鎖状態で互いに手動で取外し可能であることもまた好ましい。この目的のために、協働的構成体が、殻の2つの部分に、特に殻部分の縁部に付随して適切に設けられて、確実であるが、通常の使用者が指で押すことによって開放可能である押込み嵌め、またはスナップ嵌め係合をもたらすことができる。
【0047】
さらに、外側殻の上方部分が、殻の閉鎖状態でマウスピース(b)に確実に嵌合するが、しかし、手動で取外し可能であることが好ましく、その結果、使用のための準備中に使用者によって殻が開放されると、それに対応してマウスピース(b)は組立体(a)から離れるように枢動され、カプセルを装填するためにカプセルチャンバが露出される。カプセルを装填した後、次いで、マウスピース(b)は外側殻の上方部分との係合から開放されることが可能になり、その結果、マウスピースは、使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口に隣接することが可能になる。
【0048】
上方殻部分および下方殻部分の一方の1つまたは複数の寸法が、他方の対応する寸法と実質的に同じであることが好ましく、すなわち、一方の殻部分の任意の1つまたは複数の寸法が、他方の殻部分の対応する寸法とわずかに約20%、好ましくはわずかに10%
異なることが好ましい。一方の部分の長さ、幅、高さの寸法は他方の部分の対応する寸法と実質的に同じであることができる。2つの殻部分の外形もまた、実質的に同じであることができる。2つの殻部分の相対的な寸法、および外観を計算する際に、他方の構成要素の任意の突出部分、例えば、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータは、無視されることになり、すなわち、両方の部分に存在しない殻部分の部分に対して殻部分間の比較がなされることはないであろう。
【0049】
本発明の別の態様によれば、蝶番式ユニットを別々に設けることができる。具体的には、組立体(a)、およびマウスピース(b)を備える内側ユニットは、何度か使用された後でも、交換可能であり得る。このことは、例えば、切断装置の故障の危険性、あるいは、破片がチャンバまたは他の作動部分の機能を妨げる危険性を避けるという、例えば、安全性の配慮に関連することができる。上方部分および下方部分、ならびにマウスピースからなる蝶番式ユニットが、本発明の第3の態様による吸入器の製造の際に、使用するために別々に提供されることが可能である。次いで、組立体(a)が容易に下方殻部分内に差し込まれ、保持されて、吸入器を使用する用意ができる。例えば、下方殻部分内の組立体(a)の保持を取り外し可能にするように設けることによって、および意図しない取外しを防止するための手段(例えば、スナップ嵌め保持の力を選択することによって、取外し装置が取外し効果を与えるように使用されねばならないようになる)を提供することによって、組立体(a)は必要に応じて交換可能である。組立体(a)を交換できることによって、吸入器の寿命を延長することができる。
【0050】
吸入器は、治療処方レコーダ、プロンプタ、計算器、または例えば電子装置などの他の補助装置を含むことができる。そのような装置は、例えば、剛体外側殻に付随することができる。
【0051】
本明細書で本発明の説明の中で、「備える」という用語は、吸入器が、記載された特徴を含むことができ、または主に記載された特徴からなることができ、または記載された特徴からのみなることができることを意味すると理解されたい。全ての場合、任意の追加の特徴の存在は、定義の明確な必要性を阻止してはならない。「本質的に記載した特徴からなる」という表現は、存在する可能性のある他の特徴が、定義されるように吸入器の作動に実質的に悪影響を与えてはならないということを意味する。
【0052】
次に、本発明の追加の例示として、一実施形態を添付の図面に関連してさらに説明するが、限定するものではなく、単に例として説明する。