特許第6297664号(P6297664)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297664
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】吸入器
(51)【国際特許分類】
   A61M 13/00 20060101AFI20180312BHJP
   A61M 15/00 20060101ALI20180312BHJP
   A61J 3/07 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   A61M13/00
   A61M15/00 Z
   A61J3/07 D
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-248244(P2016-248244)
(22)【出願日】2016年12月21日
(62)【分割の表示】特願2013-541382(P2013-541382)の分割
【原出願日】2011年12月5日
(65)【公開番号】特開2017-86927(P2017-86927A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2017年1月17日
(31)【優先権主張番号】1020638.1
(32)【優先日】2010年12月6日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507045122
【氏名又は名称】ラボラトリオス リコンサ,エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アンドラデ, ラウラ
(72)【発明者】
【氏名】ルイス, ホセ ラモン
(72)【発明者】
【氏名】ロンキ, チェレスティーノ
(72)【発明者】
【氏名】カステッルッチ, アレッサンドロ
【審査官】 杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−509670(JP,A)
【文献】 特表2010−533527(JP,A)
【文献】 特表2009−533111(JP,A)
【文献】 特表2009−507540(JP,A)
【文献】 特表2003−517895(JP,A)
【文献】 特表2007−536962(JP,A)
【文献】 特表2008−519628(JP,A)
【文献】 特表2011−524210(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0300439(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/00
A61M 13/00
A61M 15/00
A61J 3/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉状製剤を収容するカプセル(32)から粉状薬剤を吸入するための吸入器であって、
状製剤を収容するカプセル(32)を受け、空気吸入開口(33)および空気排出開口(34)を有するカプセルチャンバ(31)を備えるカプセル保持器(30)と、
前記カプセルチャンバ(31)内のカプセル(32)を開封するためのカプセル開封装置(35)と、
前記カプセル開封装置(35)用の、指で操作可能なアクチュエータ(41)と
を備える組立体と、
ウスピースまたはノーズピース(60)と
を備え、
それによって、使用者が、前記空気吸入開口(33)を通って、開封された前記カプセル(32)からの粉薬を乗せる前記カプセルチャンバ(31)内から、次いで前記カプセルチャンバ(31)の外へ、前記空気排出開口(34)、および前記マウスピースまたはノーズピースB(60)を通って空気を吸い出し、次いで前記使用者の肺の中に空気を吸い込むことができ、
前記組立体A、および前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が、互いに蝶番式に取り付けられており、その結果、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が、前記カプセルチャンバ(31)内に前記カプセル(32)を装填するために、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が前記カプセルチャンバ(31)の前記空気排出開口(34)から離隔されている開放状態と、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が、使用のために前記カプセルチャンバ(31)の前記空気排出開口(34)と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態との間を枢動することができる吸入器であって、
2の殻部分(72)に蝶番式に取り付けられている第1の殻部分(71)を備える、開け閉めが可能な剛体の外側殻
をさらに備える吸入器において、
前記組立体Aが、前記第1の殻部分(71)内に保持され、使用中は、前記第1の殻部分(71)に対して移動することができず、
前記組立体Aと前記マウスピースまたはノーズピースB(60)とが前記外側殻C内に配置され、前記第1の殻部分(71)および第2の殻部分(72)のそれぞれが、殻部分の唇部を画定する周縁部(100、101)を有し、前記外側殻Cが閉鎖状態にあるとき、それぞれの殻部分(71、72)の周縁部(100、101)はその輪郭が、他方の殻部分(71、72)の周縁部(100、101)の輪郭に実質的に周縁部の全周囲に亘って一致し、
前記外側殻Cの第の殻部分(71)が、周縁部(100)の画定する上部開口から離れる方向に向かって内側に先が細くなっており、前記組立体Aが、対応して内側に先が細くなっていることで、前記組立体Aが前記第の殻部分(71)内に受けられることが可能になり、前記カプセル開封装置(35)用の指で操作可能なアクチュエータ(41)が、前記第の殻部分(71)の周縁部(100)の下方から前記第の殻部分(71)内の開口を通って突出し、それによって、第1の殻部分(71)の周縁部(100)が完成することを特徴とする吸入器。
【請求項2】
前記組立体Aまたは第1の蝶番式ユニット(20)が、前記第1の殻部分(71)の周縁部(100)によって画定される前記上部開口を上方に抜けて、前記第1の殻部分(71)から取り外し可能である、請求項1に記載の吸入器。
【請求項3】
前記組立体Aが、前記第1の殻部分(71)内に保持され、使用中、前記第1の殻部分(71)に対して、移動することができない、請求項1に記載の吸入器。
【請求項4】
前記組立体A、および前記マウスピースまたはノーズピースB(60)によって画定される第1の蝶番式ユニット(20)の蝶番と、前記外側殻Cによって画定される第2の蝶番式ユニット(22)の蝶番とが互いに分離可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項5】
前記組立体Aが、前記外側殻Cの前記第1の殻部分(71)内に実質的に完全に受けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項6】
前記吸入器が、単一のカプセルチャンバ(31)を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項7】
前記組立体A、および前記第1の殻部分(71)が、前記組立体Aを前記第1の殻部分(71)に配置するために、前記組立体Aが、前記第1の殻部分(71)内に滑り嵌め、押込み嵌め、またはスナップ嵌めされるようになっている、請求項1から6のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項8】
前記吸入器の前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)と前記組立体Aとの間の前記蝶番の枢動線(91)から離れて、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)から、前記枢動線(91)の反対側に延在する突出部(90)を備え、前記組立体Aが停止面を備え、前記停止面は、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が前記カプセルチャンバ(31)の前記空気排出開口(34)に隣接している閉鎖状態から脱して、角度90°以上、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が回転した後、前記突出部(90)が前記停止面に支えられるように配置されており、それによって、前記角度90°以上の回転が達成された後、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)上にさらに圧力を加えることにより、前記組立体Aが、前記第1の殻部分(71)内の嵌合から外れて持ち上がることになって、前記組立体を前記外側殻Cから取り外すことを助ける、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項9】
前記組立体Aと前記マウスピースまたはノーズピースB(60)との間の前記蝶番が、分離可能な蝶番であって、その結果、前記蝶番が破損する前に分離することになることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項10】
前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が前記カプセルチャンバ(31)の前記空気排出開口(34)に隣接して配置されている閉鎖状態の下で、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)を、前記組立体Aに手動で取外し可能に取り付けられるようになっている、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項11】
前記外側殻Cの前記第1及び第2の殻部分(71、72)が、前記外側殻Cの閉鎖状態下で、互いに手動で取外し可能に取り付けられるようになっている、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項12】
前記外側殻Cの前記第2の殻部分(72)が、前記外側殻Cの前記閉鎖状態で前記マウスピースまたはノーズピースB(60)に手動で取り外し可能に嵌合するようになっており、その結果、使用の準備をする際に、使用者によって前記外側殻Cが開放されると、これに合わせて、前記マウスピースまたはノーズピースB(60)が前記組立体Aから離れるように枢動して、カプセル(32)装填のために前記カプセルチャンバ(31)が露出する、請求項1から11のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項13】
前記組立体Aと前記マウスピースまたはノーズピースB(60)との蝶番関係が、部品間の直接の蝶番式結合によって得られている、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項14】
前記組立体Aと前記マウスピースまたはノーズピースB(60)との蝶番関係が、部分間の間接の蝶番式結合によって得られている、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項15】
ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、またはそれらの任意の組合せから選択された材料から形成されるカプセル(32)と共に使用するための、請求項1から14のいずれか一項に記載の吸入器。
【請求項16】
粉状製剤を吸入する際に使用するための、請求項1から15のいずれか一項に記載の吸入器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉状の固体薬剤を吸入するための吸入器(inhalator)に関し、特に吸入器と共に使用するためのカプセル内に用意される薬剤粉末を吸入するための吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第94/28958A号パンフレットは、その開示が参照により本明細書に組み込まれており、粉状製剤を含むカプセルから粉状薬剤を吸入するための粉末の吸入器(inhaler)(inhalator)を記載している。吸入器は、粉状製剤を収容するカプセルを受け、空気吸入開口および空気排出開口を有するカプセルチャンバを備えるカプセル保持器と、チャンバ内のカプセルを開封するための、カプセルチャンバに付随するカプセル開封装置と、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータの組立体とを備える。従来技術の吸入器では、カプセル開封装置は、カプセルに穴を開けるためにチャンバに交互に出たり、入ったりすることができるピンを備える。吸入器は、空気吸入開口から下流に配置されているマウスピースをさらに備える。カプセルが、チャンバ内に受け取られ、カプセル開封装置を使用して開封された後、使用者は、カプセルからの粉末を空気流内に乗せるカプセルチャンバを通ってチャンバの外へ、マウスピースを通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込む。使用済みカプセルは、使用後に処分される。
【0003】
添付図面の図1は、従来技術による、図6の複製図であり、カプセル保持器、カプセル開封装置、およびカプセル開封装置(1、8、9、10)用アクチュエータの組立体が、マウスピース(12、13)に直接蝶番式に取り付けられている、そのような吸入器の分解図である。それによって、マウスピースが、チャンバを装填、および掃除するために、カプセルチャンバの空気排出口に向かって、および空気排出口から離れて枢動することができる。
【0004】
蝶番手段は、組立体、およびマウスピースのために共通のヒンジピン(直接的相互蝶番式取付け)として働き、また、下方殻部分(6)と、上方殻部分(15)とを備える蝶番式剛体外側殻の2つの半分を一体に蝶番式に取り付ける働きをするピンヒンジシステムである。下方殻部分は、カプセル保持器、カプセル開封装置、およびカプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータの組立体を格納し、保護する働きをし、上方殻部分は、吸入器が使用されない場合、マウスピースを覆う働きをする。
【0005】
カプセルチャンバ、カプセル開封装置、およびカプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータの組立体は、下方殻部分(6)から離れて枢動することができ、この目的のために、下方殻部分の縁部はAで切り取られて、その結果、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータの指ボタン(10)は、下方殻部分を通って突出するが、やはり殻部分から上方に、離れて枢動することができる。
【0006】
この構造は複雑であり、多くの機械部品を含む。例えば、掃除するために、従来技術の吸入器を分解し、または部分的に分解することは、一般に困難であり、または平均的使用者にとって不可能である。ヒンジ周辺を掃除することは、特に困難である。さらに、ヒンジの故障により、装置全体が使用不可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのような吸入器の構造を簡単にし、特に、より容易に掃除ができる吸入器を提供することが望ましいであろう。
【0008】
さらに、吸入器全体がその使用寿命の後に処分されねばならないので、使用者が自身の吸入器を個人の専有物とすることには不便である。外部部品が再利用できる吸入器を有することが望ましいであろう。
【0009】
また、再利用部分を有する吸入器により、治療処方レコーダ、プロンプタ、計算器、または例えば電子装置など、他の補助装置を吸入器に連結することができる。
【0010】
下記に説明する本発明は、代替型、および/または改良型吸入器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様では、粉状製剤を含むカプセルから粉状薬剤を吸入するための吸入器が提供され、その吸入器は、
(a)粉状製剤を収容するカプセルを受け、空気吸入開口および空気排出開口を有するカプセルチャンバを備えるカプセル保持器と、
チャンバ内のカプセルを開封するための、カプセルチャンバに付随するカプセル開封装置と、
カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータと
を備える組立体と、
(b)マウスピースまたはノーズピースと
を備え、
それによって、使用者が、空気吸入開口を通って、開封されたカプセルからの粉薬を乗せるカプセルチャンバ内に、次いでチャンバの外へ、空気排出開口、およびマウスピースまたはノーズピースを通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込むことができ、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、互いに蝶番式に取り付けられており、その結果、マウスピースまたはノーズピースが、カプセルチャンバ内にカプセルを装填するために、マウスピースまたはノーズピースがカプセルチャンバの空気排出開口から離隔されている開放状態と、マウスピースまたはノーズピースが使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態との間を枢動することができる吸入器であって、
(c)上方殻部分に蝶番式に取り付けられている下方殻部分を備える剛体外側殻であって、その結果、殻が開放可能、または閉鎖可能である剛体外側殻
をさらに備える吸入器において、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が第1の蝶番式ユニットを画定し、外側殻(c)が第2の蝶番式ユニットを画定し、第1の蝶番式ユニットが使用のために第2の蝶番式ユニット内に配置され、そのため、第1の蝶番式ユニットを第2の蝶番式ユニット自体から取り外すことが可能になることを特徴とする。
【0012】
その配置は、具体的には、2つのユニットの蝶番が、互いから分離可能であることを特徴とする。具体的には、第1のユニットの蝶番が、第2のユニットの蝶番から分離可能であり、独立して作動する。いずれの蝶番の構造または作動にも影響を与えずに、第1のユニットを第2のユニットから取り外すことができる。
【0013】
第1の蝶番式ユニットが第2の蝶番式ユニットに受けられるとき、第1の蝶番式ユニットの組立体(a)部分は、外側殻の下方殻部分内に実質的に完全に受けられることが好ましい。このようにして、上方殻部分は、吸入器が使用されないとき、マウスピースまたはノーズピース(b)用の覆いとして機能することができる。
【0014】
吸入器は、吸入器の中心長手軸上に概ね中心に配置されることが好ましい、単一のカプセルチャンバを有することも好ましい。この単一のカプセルチャンバは、各使用の間に空にされ、カプセルで再装填されねばならない。
【0015】
特に、吸入器は、国際公開第91/02558A号パンフレットに記載されている型の回転式マガジンを備えないことが好ましいが、国際公開第91/02558A号パンフレットでは、2つ以上、例えば、6つのチャンバが、その数までのカプセルをあらかじめ装填可能であり、それぞれ1つのカプセルが、吸入器内のカプセルの最大数まで各連続する吸入手順ごとに、カプセル開封装置に位置合わせされる。
【0016】
カプセルは、粉状製剤を収容する従来の薬剤カプセルであることが好ましい。任意の適切な生理的に受け入れ可能なカプセル材料が使用可能であり、例えば、動物性たんぱく質(例えば、ゼラチン)、または植物性多糖類(例えば、ゴム質、でんぷん質、セルロース)から由来するカプセルなどである。適切なカプセルには、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルセルロースから形成されたものが含まれる。本明細書で使用される「カプセル」という表現は、吸入されるべき粉状製剤、または調剤薬を保持し、本発明の吸入器を使用する前記吸入向けに開放可能なすべての閉鎖型容器を指すように広く理解されたい。
【0017】
吸入器の剛体外側殻の部分は、中空であり、各部分が部分の開放口を画定する円周方向の縁部を有する。殻が閉鎖状態にある場合、一方の殻部分の縁部の輪郭が、縁部の周りで円周方向に完全に、または少なくとも実質的に、他方の縁部の輪郭に一致するように、吸入器の外側殻が配置されることが好ましい。外側殻部分の縁部に関して、本明細書で使用される「輪郭に一致する」という表現は、特に、殻が閉じた状態の縁部が、殻部分の間の蝶番によって占有されない縁部の全ての円周方向の部分全体で接触しているか、または互いに、約10mm以内であり、例えば5mm以内であることを意味する。一実施形態では、各殻部分の縁部は、他方の殻の縁部に完全に一致し、例えば、上記に考察される従来技術の方法で縁部が切り取られるのではない。
【0018】
したがって、本発明の好ましい実施形態では、外側殻の下方殻部分が、その縁部によって画定されている上部開口から離れて、下方方向に向かって内側に先が細くなっており、第1の蝶番式ユニットの組立体(a)が、対応して下方方向に向かって内側に先が細くなり、その結果、組立体(a)が下方殻部分内に受けられることが可能になり、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータが、下方殻部分の縁部下方に、下方殻部分内の開口を通って突出し、それによって、下方殻部分の縁部が完成し、第1の蝶番ユニットが、上方に、下方殻部分の縁部によって画定されている上部開口を通って通過することによって、下方殻部分から除去され得る。
【0019】
この配置には、下方殻部分の縁部が切り取られていた従来技術の配置よりも、2つの殻部分がより堅固で、頑丈であるという技術的な利点がある。
【0020】
本発明の第2の態様では、粉状製剤を収容するカプセルから粉状薬剤を吸入するための吸入器が提供され、この吸入器は、
(a)粉状製剤を収容するカプセルを受け、空気吸入開口および空気排出開口を有するカプセルチャンバを備えるカプセル保持器と、
チャンバ内のカプセルを開封するための、カプセルチャンバに付随するカプセル開封装置と、
カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータと
を備える組立体と、
(b)マウスピースまたはノーズピースと
を備え、
それによって、使用者が、空気吸入開口を通って、開封されたカプセルからの粉薬を乗せるカプセルチャンバ内に、次いでチャンバの外へ空気排出開口、およびマウスピースまたはノーズピースを通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込むことができ、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、互いに蝶番式に取り付けられており、その結果、マウスピースまたはノーズピースが、カプセルチャンバ内にカプセルを装填するために、マウスピースまたはノーズピースがカプセルチャンバの空気排出開口から離隔されている開放状態と、マウスピースまたはノーズピースが使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態との間を枢動することができる吸入器であって、
(c)上方殻部分に蝶番式に取り付けられている下方殻部分を備える剛体外側殻であって、その結果、殻が開放可能、または閉鎖可能である剛体外側殻
をさらに備える吸入器において、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、外側殻内に位置され、上方殻部分、および下方殻部分のそれぞれが、その部分の唇部を画定する円周方向の縁部を有し、殻が閉鎖状態である場合、各殻部分の縁部の輪郭が、縁部の周りで実質的に完全に他方の縁部の輪郭に一致することを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の態様に関して使用される「輪郭に一致する」という表現は、本発明の第1の態様に関して上記に定義する意味と同じ意味に理解されたい。
【0022】
本発明の第2の態様の好ましい実施形態では、外側殻の下方殻部分が、その縁部によって画定されている上部開口から離れて、下方方向に向かって内側に先が細くなっており、組立体(a)(例えば、第1の蝶番式ユニットの組立体(a))が、対応して下方方向に向かって内側に先が細くなり、その結果、組立体(a)が下方殻部分内に受けられることが可能になり、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータが、下方殻部分内の開口を通って下方殻部分の縁部下方に突出し、それによって、下方殻部分の縁部が完成し、組立体(a)(例えば、第1の蝶番ユニット)が、上方に、下方殻部分の縁部によって画定されている上部開口を通って通過することによって、下方殻部分から除去され得る。
【0023】
この配置には、下方殻部分の縁部が切り取られていた従来技術の配置よりも、2つの殻部分がより堅固で、頑丈であるという技術的な利点がある。
【0024】
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が第1の蝶番式ユニットを画定し、外側殻(c)が第2の蝶番式ユニットを画定し、第1の蝶番式ユニットが使用のために第2の蝶番式ユニット内に受けられ、そのため、第1の蝶番式ユニットを第2の蝶番式ユニット自体から取り外すことができるようになっていることが好ましい。その配置は、具体的には、2つのユニットの蝶番が、互いから離れていることを特徴とする。具体的には、第1のユニットの蝶番が、第2のユニットの蝶番から離れており、独立して作動する。どちらの蝶番の構造、および作動にも影響を与えずに、第1のユニットを第2のユニットから取り外すことができる。
【0025】
第1の蝶番式ユニットが第2の蝶番式ユニットに受けられるとき、第1の蝶番式ユニットの組立体(a)部分は、外側殻の下方殻部分内に実質的に完全に受けられることが好ましい。このようにして、上方殻部分は、吸入器が使用されない場合、マウスピースまたはノーズピース(b)用の覆いとして機能することができる。
【0026】
本発明は、上方殻部分をマウスピースまたはノーズピース(b)に取外し可能に固定するための手段をもたらすことができ、それによって、両方の蝶番式ユニットが1つの手動動作により同時に手動で開放できるというさらなる技術上の利点を提供する。このことによって、上方殻部分、およびその中に格納されているマウスピースまたはノーズピースが、下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)から離れてユニットとして蝶番式に取り付け可能であるという効果がある。このことによって、カプセルをチャンバ内に装填するため、あるいはチャンバを空にする、または掃除するために、使用者がマウスピースまたはノーズピースに触れる必要がなく、カプセルチャンバを露出することが可能になる。次いで、上方殻部分、およびマウスピースまたはノーズピースを下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)をユニットとして閉鎖することができる。上方殻部分とマウスピースまたはノーズピースとの間の固定を手動で取り外した後、次いで、上方殻部分はその蝶番上で再び開くことができるが、このとき、組立体(a)に隣接する位置にあるマウスピースまたはノーズピースから独立している。この開放状態で、吸入器は、カプセルチャンバにカプセルを収容しており、このとき使用の用意ができている。
【0027】
本発明の第2の態様の吸入器は、吸入器の中心長手軸上に概ね中心に配置されることが好ましい、単一のカプセルチャンバを有することも好ましい。この単一のカプセルチャンバは、各使用の間に空にされ、カプセルで再装填されねばならない。
【0028】
特に、本発明の第2の態様の吸入器は、国際公開第91/02558A号パンフレットに記載されている型の回転式マガジンを備えないことが好ましいが、国際公開第91/02558A号パンフレットでは、2つ以上、例えば、6つのチャンバが、その数までのカプセルをあらかじめ装填可能であり、それぞれ1つが、吸入器内のカプセルの最大数まで連続する吸入手順ごとに、切断装置に位置合わせされる。
【0029】
組立体(a)が下方殻部分内に保持され、通常の使用中に、下方殻部分に対して移動することができない場合、吸入器の製造を著しく簡単にすることができるということがさらに分かってきた。このことによって、例えば、マウスピースまたはノーズピース(b)と組立体(a)との間の蝶番式取付けが、特に下方殻部分とマウスピースまたはノーズピース(b)との間に蝶番を設けることによって、間接的になり得るという利点がある。そのような蝶番はまた、組立体(a)を下方殻部分内に保持することによって、マウスピースまたはノーズピース(b)を組立体(a)に蝶番式に取り付ける働きをもする。
【0030】
本発明の第3の態様では、したがって、粉状製剤を収容するカプセルから粉状薬剤を吸入するための吸入器が提供され、その吸入器は、
(a)粉状製剤を収容するカプセルを受け、空気吸入開口および空気排出開口を有するカプセルチャンバを備えるカプセル保持器と、
チャンバ内のカプセルを開封するための、カプセルチャンバに付随するカプセル開封装置と、
カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータと
を備える組立体と、
(b)マウスピースまたはノーズピースと
を備え、
それによって、使用者が、空気吸入開口を通って、開封されたカプセルからの粉薬を乗せるカプセルチャンバ内に、次いでチャンバの外へ、空気排出開口、およびマウスピースまたはノーズピースを通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込むことができ、
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)が、互いに蝶番式に取り付けられており、その結果、マウスピースまたはノーズピースが、カプセルチャンバ内にカプセルを装填するために、マウスピースまたはノーズピースがカプセルチャンバの空気排出開口から離隔されている開放状態と、マウスピースまたはノーズピースが使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態との間を枢動することができる吸入器であって、
(c)上方殻部分に蝶番式に取り付けられている下方殻部分を備える剛体外側殻であって、その結果、殻が開放可能、または閉鎖可能である剛体外側殻
をさらに備える吸入器において、
組立体(a)が、下方殻部分内に保持され、下方殻部分に対して通常の使用では移動することができないことを特徴とする。
【0031】
本発明の第3の態様の好ましい実施形態では、マウスピースまたはノーズピース(b)が外側殻の上方部分内に配置され、上方殻部分および下方殻部分のそれぞれが、部分の唇部を画定する円周方向の縁部を有し、殻が閉鎖状態にあるとき、各殻部分の縁部の輪郭が、縁部の周りで実質的に完全に他方の縁部の輪郭に一致する。
【0032】
本発明の第3の態様に関して使用される「輪郭に一致する」という表現は、本発明の第1の態様に関して上記に定義する意味と同じ意味に理解されたい。
【0033】
本発明の第3の態様の好ましい実施形態では、外側殻の下方殻部分が、その縁部によって画定されている上部開口から離れて、下方方向に向かって内側に先が細くなっており、組立体(a)が、対応して下方方向に向かって内側に先が細くなり、その結果、組立体(a)が下方殻部分内に受けられて、その中に保持されることが可能になり、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータが、下方殻部分内の開口を通って下方殻部分の縁部下方に突出し、それによって、下方殻部分の縁部が完成する。
【0034】
この配置には、下方殻部分の縁部が切り取られていた従来技術の配置よりも、2つの殻部分がより堅固で、頑丈であるという技術的な利点がある。組立体(a)を下方殻部分内に保持することには、上方殻部分およびマウスピースまたはノーズピースのみが下方殻部分に対して枢動可能に作製される必要があるという点で、蝶番式システム、およびその製造を簡単にすることができるという利点がある。
【0035】
上方殻部分をマウスピースまたはノーズピース(b)に取外し可能に固定するための手段を与えることができ、それによって、上方殻部分、およびマウスピースまたはノーズピースの両方が、1つの手動動作により同時に手動で開放することができる。このことによって、上方殻部分、およびその中に格納されているマウスピースまたはノーズピースが、下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)から離れてユニットとして蝶番式に取り付け可能であるという効果がある。このことによって、カプセルをチャンバ内に装填するため、あるいはチャンバを空にする、または掃除するために、使用者がマウスピースまたはノーズピースに触れる必要がなく、カプセルチャンバを露出することができる。次いで、上方殻部分、およびマウスピースまたはノーズピースは、下方殻部分、およびその中に格納されている組立体(a)上にユニットとして閉鎖可能である。上方殻部分とマウスピースまたはノーズピースとの間の固定を手動で取り外した後、次いで、上方殻部分はその蝶番上に再び開くことができるが、このとき、組立体(a)に隣接する位置にあるマウスピースまたはノーズピースから独立している。この開放状態で、吸入器は、カプセルチャンバにカプセルを収容しており、このとき使用の用意ができている。
【0036】
本発明の第3の態様の吸入器は、単一のカプセルチャンバ、好ましくは吸入器の中心長手軸上に概ね中心に配置されるカプセルチャンバを有することも好ましい。この単一のカプセルチャンバは、各使用の間に空にされ、カプセルで再装填されねばならない。
【0037】
特に、本発明の第3の態様の吸入器は、国際公開第91/02558A号パンフレットに記載されている型の回転式マガジンを備えないことが好ましいが、国際公開第91/02558A号パンフレットでは、2つ以上、例えば、6つのチャンバが、その数までのカプセルをあらかじめ装填可能であり、それぞれ1つのカプセルが、吸入器内のカプセルの最大数まで連続する吸入手順ごとに切断装置に位置合わせされる。
【0038】
組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)の相対的運動に関して使用される「互いに蝶番式に取り付けられた」という表現は、マウスピースまたはノーズピースが組立体に対して、開放状態と閉鎖状態との間を必要に応じて枢動することができるという条件で、直接、および間接を含む互いの蝶番式取付けの全ての実施形態を含む。
【0039】
「直接的」互いの蝶番式取付けは、通常、組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)に働く共通の蝶番ピン、または他の蝶番手段を使用することによって実現される。「間接的」互いの蝶番式取付けは、通常、例えば、本発明の第3の態様に関して、ならびに本発明の第1の態様および第2の態様の中で、組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)の1つまたは両方がそれぞれ結合されている1つ、または2つの中間部材を使用して実現され、この中間部材は、蝶番ピン、または他の蝶番手段によって機能を果たす。本発明の第3の態様の1つの好ましい実施形態では、下方殻部分は、組立体(a)のための中間部材として働き、それによって、組立体(a)、およびマウスピースまたはノーズピース(b)は、間接的に互いに蝶番式に取り付けられている。
【0040】
本発明の任意の態様に関して、本明細書に記載されている好ましい例、および実施形態は、別段明確に述べない限り、任意の他の一態様または複数の態様に当てはまる。さらに、所望であれば、本発明の2つ以上の態様が、吸入器の中に同時に存在することができる。以下の考察は、吸入器内に同時に実施されるか、または独立して実施されるかのいずれにせよ、本発明のすべての態様に当てはまる。
【0041】
以下の考察で使用される「マウスピース」という表現は、口および鼻で使用するための部品を等しく指すものと理解されたい。
【0042】
組立体(a)、および下方殻部分は、組立体(a)を下方殻部分内に配置するために、組立体(a)が下方殻部分に滑り嵌め、または押込み嵌めされるように適合されていることが好ましい。本発明の第3の態様に関して、組立体(a)が、通常の使用中に使用者によって下方殻部分から取り外されることを防止する協働的構成体によって、組立体(a)が下方殻部分内に保持されることが好ましい。そのような協働的構成体は、例えば、スナップ嵌め係合をもたらして、組立体(a)を下方殻部分内に保持する。
【0043】
1つの可能な配置では、本発明の第3の態様に適用可能ではないが、吸入器のマウスピース(b)が、マウスピース(b)と組立体(a)との間の蝶番の枢動線から離れて、マウスピースから枢動線の反対側に延在する突出部を備え、組立体(a)が停止面を備え、この停止面は、前記マウスピース(b)がカプセルチャンバの空気排出開口に隣接している閉鎖状態から脱して、マウスピース(b)がある角度以上(例えば、約90°以上、約100°以上、約110°以上、または約120°以上)回転した後、その突出部が停止面に支えられるように配置される。このようにして、ある角度の回転が達成された後、マウスピース上にさらに軽く圧力を加えることにより、組立体(a)が下方殻部分内の嵌合から外れて持ち上がって、それによって、組立体(a)を殻から取り外すことの助けとなる。
【0044】
マウスピースを吸入器の残りの部分に結合する蝶番、例えば、組立体(a)とマウスピース(b)との間の蝶番は、分離可能な蝶番であり、その結果、マウスピースを組立体から離れて枢動させるとき、例えば、チャンバに装填するため、またはチャンバを空にするためにチャンバを開放するとき、あるいは上記の段落で説明するように、組立体(a)、およびマウスピース(b)を殻から取り外そうとするとき、大きすぎる圧力がマウスピース上に働く場合、蝶番が破損する前に分離することになる。構造は、蝶番の2つの部品上の協働的構成体からなる、簡単なスナップ嵌め、または押込み嵌め係合システムであることが好ましく、その結果、使用者は、部品を分離する場合、蝶番を簡単に再組立することができる。
【0045】
マウスピース(b)が、マウスピースがカプセルチャンバの空気排出開口に隣接して配置されている閉鎖状態で、組立体(a)に確実に嵌合するが、しかし、手動で取外し可能であることが好ましい。この目的のために、協働的構成体が、組立体(a)、およびマウスピース(b)の接合部分上に適切に設けられて、確実であるが、通常の使用者が指で押すことによって開放可能である押込み嵌め、またはスナップ嵌め係合をもたらすことができる。
【0046】
殻の2つの部分が、確実に嵌合するが、しかし、殻の閉鎖状態で互いに手動で取外し可能であることもまた好ましい。この目的のために、協働的構成体が、殻の2つの部分に、特に殻部分の縁部に付随して適切に設けられて、確実であるが、通常の使用者が指で押すことによって開放可能である押込み嵌め、またはスナップ嵌め係合をもたらすことができる。
【0047】
さらに、外側殻の上方部分が、殻の閉鎖状態でマウスピース(b)に確実に嵌合するが、しかし、手動で取外し可能であることが好ましく、その結果、使用のための準備中に使用者によって殻が開放されると、それに対応してマウスピース(b)は組立体(a)から離れるように枢動され、カプセルを装填するためにカプセルチャンバが露出される。カプセルを装填した後、次いで、マウスピース(b)は外側殻の上方部分との係合から開放されることが可能になり、その結果、マウスピースは、使用のためにカプセルチャンバの空気排出開口に隣接することが可能になる。
【0048】
上方殻部分および下方殻部分の一方の1つまたは複数の寸法が、他方の対応する寸法と実質的に同じであることが好ましく、すなわち、一方の殻部分の任意の1つまたは複数の寸法が、他方の殻部分の対応する寸法とわずかに約20%、好ましくはわずかに10%
異なることが好ましい。一方の部分の長さ、幅、高さの寸法は他方の部分の対応する寸法と実質的に同じであることができる。2つの殻部分の外形もまた、実質的に同じであることができる。2つの殻部分の相対的な寸法、および外観を計算する際に、他方の構成要素の任意の突出部分、例えば、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータは、無視されることになり、すなわち、両方の部分に存在しない殻部分の部分に対して殻部分間の比較がなされることはないであろう。
【0049】
本発明の別の態様によれば、蝶番式ユニットを別々に設けることができる。具体的には、組立体(a)、およびマウスピース(b)を備える内側ユニットは、何度か使用された後でも、交換可能であり得る。このことは、例えば、切断装置の故障の危険性、あるいは、破片がチャンバまたは他の作動部分の機能を妨げる危険性を避けるという、例えば、安全性の配慮に関連することができる。上方部分および下方部分、ならびにマウスピースからなる蝶番式ユニットが、本発明の第3の態様による吸入器の製造の際に、使用するために別々に提供されることが可能である。次いで、組立体(a)が容易に下方殻部分内に差し込まれ、保持されて、吸入器を使用する用意ができる。例えば、下方殻部分内の組立体(a)の保持を取り外し可能にするように設けることによって、および意図しない取外しを防止するための手段(例えば、スナップ嵌め保持の力を選択することによって、取外し装置が取外し効果を与えるように使用されねばならないようになる)を提供することによって、組立体(a)は必要に応じて交換可能である。組立体(a)を交換できることによって、吸入器の寿命を延長することができる。
【0050】
吸入器は、治療処方レコーダ、プロンプタ、計算器、または例えば電子装置などの他の補助装置を含むことができる。そのような装置は、例えば、剛体外側殻に付随することができる。
【0051】
本明細書で本発明の説明の中で、「備える」という用語は、吸入器が、記載された特徴を含むことができ、または主に記載された特徴からなることができ、または記載された特徴からのみなることができることを意味すると理解されたい。全ての場合、任意の追加の特徴の存在は、定義の明確な必要性を阻止してはならない。「本質的に記載した特徴からなる」という表現は、存在する可能性のある他の特徴が、定義されるように吸入器の作動に実質的に悪影響を与えてはならないということを意味する。
【0052】
次に、本発明の追加の例示として、一実施形態を添付の図面に関連してさらに説明するが、限定するものではなく、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】国際公開第94/28958A号パンフレット(従来技術)による、図6の複製図である。
図2】外側殻の上方部分が開いており、マウスピースを見えるようにしている、本発明を実施する吸入器の前方および側方からの上面斜視図である。
図3(1)】(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)は、閉鎖状態(1)から、チャンバに装填するために、外側殻の上方部分がマウスピースを保持する開放状態である装填状態(3)に、使用状態(4)に、チャンバを空にするための空の状態(6)になる工程を示す図である。
図3(2)】(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)は、閉鎖状態(1)から、チャンバに装填するために、外側殻の上方部分がマウスピースを保持する開放状態である装填状態(3)に、使用状態(4)に、チャンバを空にするための空の状態(6)になる工程を示す図である。
図3(3)】(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)は、閉鎖状態(1)から、チャンバに装填するために、外側殻の上方部分がマウスピースを保持する開放状態である装填状態(3)に、使用状態(4)に、チャンバを空にするための空の状態(6)になる工程を示す図である。
図3(4)】(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)は、閉鎖状態(1)から、チャンバに装填するために、外側殻の上方部分がマウスピースを保持する開放状態である装填状態(3)に、使用状態(4)に、チャンバを空にするための空の状態(6)になる工程を示す図である。
図3(5)】(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)は、閉鎖状態(1)から、チャンバに装填するために、外側殻の上方部分がマウスピースを保持する開放状態である装填状態(3)に、使用状態(4)に、チャンバを空にするための空の状態(6)になる工程を示す図である。
図3(6)】(1)、(2)、(3)、(4)、(5)および(6)は、閉鎖状態(1)から、チャンバに装填するために、外側殻の上方部分がマウスピースを保持する開放状態である装填状態(3)に、使用状態(4)に、チャンバを空にするための空の状態(6)になる工程を示す図である。
図4】(1)、(2)、(3)、および(4)は、組立体およびマウスピースを蝶番式ユニットとして開放された殻から、どちらのユニットも分解せずに、蝶番式ユニットとして取外す工程の図である。
図5】組立体とマウスピースとの間の蝶番式システムの詳細図である。
図6】吸入器の長手軸を含む垂直平面内での垂直な切断を有する吸入器の斜視図である。
図7図2に示す垂直平面P内での垂直な切断を有する吸入器の斜視図である。
図8】(1)は、マウスピースの下方および側方からの斜視図である。(2)は、成形物の上面にマウスピースがスナップ嵌めされた状態での、吸入器の内側部分のチャンバ成形物の下方および側方からの斜視図であり、スナップ嵌めのための協働的フランジを示している。
図9】(1)は、外側殻の上方部分と下方部分との間のスナップ閉鎖の詳細の横断面図である。(2)は、外側殻の上方部分と下方部分との間のスナップ閉鎖の詳細の斜視図である。
図10】閉鎖状態の組立体、およびマウスピースの下方および側方からの斜視図である。
図11】本発明を実施する、閉鎖状態の別の吸入器の斜視図である。
図12】(1)は、図11の吸入器の斜視図であり、外側殻の上方部分が開放状態であり、外側殻の上方部分内のマウスピースがチャンバを装填するようになっている。(2)は、マウスピースが外側殻の上方部分の中にない、同じ斜視図である。
図13】(1)は、図11の吸入器のマウスピースの下方、および側方からの斜視図である。(2)は、図11の吸入器に存在する組立体(a)を収容する外側殻の下方部分の上方および側方からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図2図10を参照して、粉状製剤を収容するカプセルから粉状調剤薬を吸入するための吸入器を示す。
【0055】
吸入器は、一般に、内側部分20、および外側部分22(特に、図4(4)を参照)を備える。
【0056】
内側部分20は、3つの主な成形された部品、すなわち、マウスピース60、チャンバ成形物120、およびアクチュエータ成形物130(特に図8および図10参照)で構成される。加えて、以下により詳細に示すように、ピン36、ピン37が外側成形物130に取り付けられ、以下に詳細に示すように、ばね40がチャンバ成形物(内側)120とアクチュエータ成形物(外側)130との間に設けられる。
【0057】
外側部分22は、以下により詳細に示すように、単一の成形物で構成される。
【0058】
チャンバ成形物120がカプセル保持器30を画定し、カプセル保持器30は、粉状製剤を収容するカプセル32を受けるためのカプセルチャンバ31を備え、カプセルチャンバ31は空気吸入開口33、および空気排出開口34を有する(図6参照)。
【0059】
やはり主に図6を参照し、さらに図7および図10を参照すると、吸入器の内側部分20は、チャンバ内のカプセル32を開封するための、カプセルチャンバ31に付随するカプセル開封装置35を有する。図示の実施形態のカプセル開封装置35は、一対の鋭いピン36およびピン37を備え、ピン36およびピン37は、チャンバ31の一方の側に取り付けられ、ばね40の回復力に対抗して、各誘導通路38および通路39を通って、チャンバ31の内部および外部に移動可能である。しかし、任意の適切なカプセル開封装置を使用することができる。例えば、1つまたは複数の刃、または錐をピンの代わりに使用する、あるいは1つまたは複数の刃、ならびにピンも使用することができる。図示のカプセル開封装置は、2つのピン36、ピン37を使用するが、別法として1つのピン、または3つ以上のピンを使用することができる。
【0060】
カプセル開封装置のピン36、ピン37は、ゼラチンまたは生理的に適合性のあるプラスチックなど、従来の製剤カプセル材料から、通常、作製されるカプセル32の壁を突き刺し、カプセル内の粉状製剤がカプセルから出て、使用者によって生成される空気流内に、上記に確認される従来技術に記載されるベルヌーイ効果によって、引き込まれる。
【0061】
カプセル開封装置は、アクチュエータ成形物130に取り付けられており、アクチュエータ成形物130は、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータ41を画定する。図示の実施形態では、アクチュエータ41は、カプセル保持器30、およびカプセル開封装置35に取り付けられている、外側にある指で操作可能なボタン42を備えて、特にカプセル保持器30、カプセル開封装置35、およびアクチュエータ41を備えるチャンバ組立体A、およびアクチュエータ成形物120、130をもたらす。アクチュエータは、ボタン42に加えられる指の圧力によってカプセル開封装置35を作動するように構成されている。ボタンは、組立体の反対側に2対で配置されている誘導レール43、誘導レール44(対応する部分(図示せず)は図10で見ると隠れている)に沿って摺動し、上述のように、ピン36、ピン37をチャンバ31内に押し込む。1対の停止部47、停止部48が設けられ、組立体の各側面に1つの停止部が設けられて、指ボタン42の移動の前方範囲を制限する(特に図10参照)。
【0062】
カプセル開封装置用に任意の適切なアクチュエータを使用することができる。例えば、カプセル開封装置を吸入器の残りの部分に対して固定することができ、カプセル保持器30をカプセル開封装置に対して移動するように配置することができる。その代替配置では、アクチュエータは適切に配置されて、ボタンに加えられる指の圧力でカプセル開封装置を作動することができる。ボタンは誘導レールに沿って摺動することができ、カプセル保持器をレールによって運搬される運び台上に取り付けることができ、その結果、ボタンに加えられる指の圧力が、カプセル保持器をピン(チャンバの壁を貫通して設けられる誘導通路を通ることができる)の方へ押すことになる。
【0063】
カプセル開封装置用の複数のアクチュエータを使用することができ、この場合、それらは同じ方向、または異なる方向からカプセル上に働くことができる。例えば、1対の対向するアクチュエータが手動で圧搾されて、1つまたは複数の適切に配置されているカプセル開封装置がチャンバ内のカプセルを開封するようになる。
【0064】
カプセル開封装置は、図示の実施形態のように単一の動作で、または複数の動作でカプセル上に作用することができる。複数の動作は、同時に、または連続して、あるいはその両方の組合せであってよい。
【0065】
マウスピース60は、カプセル保持器30、カプセル開封装置35、およびアクチュエータ41の組立体に蝶番式に取り付けられている。図2および図3を参照すると、マウスピース60は、カプセルチャンバ内にカプセルを装填するために、マウスピースが、カプセルチャンバ31の空気排出開口34から離隔されている開放状態(図3(3)参照)と、マウスピースが、使用のためにカプセルチャンバ31の空気排出開口34と空気流連通状態に配置されている閉鎖状態(図3(4)および図2参照)との間を枢動することができる。
【0066】
前記閉鎖状態(図3(4)および図2)では、使用者は、空気吸入開口33を通って、開封されたカプセル32からの粉薬を乗せるカプセルチャンバ31内に、次いでチャンバの外へ空気排出開口34、およびマウスピース60を通って、次いで使用者の肺の中に空気を吸い込むことができる。
【0067】
特に、図2図4、および図6を参照すると、吸入器は、概ね上記に言及されている外側部分22をさらに備える。外側部分22は、可撓性材料のウェブ73を介して上方殻部分72に蝶番式に取り付けられている下方殻部分71を備える剛性外側殻であり、その結果、殻が開放可能、かつ閉鎖可能であるようになる。外側部分22は、適切に成形可能なプラスチックで上下続きの成形物として図示のように構成され、それによって、下方殻部分71、上方殻部分72、および蝶番を形成するウェブ73は、同じ材料から同時に一体に形成される。別法として、外側部分22の部分は、別個に形成され、続いて、従来の方法で組み立てられ、一体に結合され得る。
【0068】
格子80が、特に図4図6に示すように、マウスピース60の下側に設けられる。格子80は、カプセル32の壁材料の壊れた破片と考えられる何らかのものが、使用者の肺の中に吸い込まれることを防止する働きをする。
【0069】
特に、図4図8を参照して、マウスピース60が、カプセル保持器30、カプセル開封装置35およびアクチュエータ41の組立体に蝶番で取り付けられる配置を次に説明する。
【0070】
マウスピース60は、カプセル保持器30、カプセル開封装置35、およびアクチュエータ41の組立体に蝶番式に取り付けられており、この組立体は、図4および図5でAと全体的に表示されている。蝶番式システムが、蝶番を提供するために互いに係合する各部品上に突出部、および凹所を備え、ピンなどの追加の部品が必要ではないことが好ましい。組立体Aとマウスピース60との間の蝶番が分離可能な蝶番であることが好ましく、その結果、マウスピース60を組立体Aから離れて枢動させるとき、例えば、チャンバ31に装填する、またはチャンバ31を空にするためにチャンバ31を開放するとき、または以下の段落で説明するように、組立体A、およびマウスピース60を殻から取り外そうとするとき、大きすぎる圧力がマウスピース60上に働く場合、蝶番が破損する前に分離することになる。構造は、蝶番の2つの部品上の協働的構成体からなる、簡単なスナップ嵌め、または押込み嵌めの係合システムであることが好ましく、その結果、使用者は、部品が分離する場合、蝶番を簡単に再組立することができる。
【0071】
図4図5図6および図8に詳細に示すように、マウスピース60は、蝶番の枢動線91(破線で示す)から離れて、マウスピース60から枢動線91の反対側に延在する1対の突出部90を備え、組立体Aは対応する1対の停止面(図示せず)を備え、マウスピース60がカプセルチャンバ31の空気排出開口34に隣接している閉鎖状態(この閉鎖状態は、図6に示される)から脱して、マウスピース60がある角度以上(例えば、約90°以上、約100°以上、約110°以上、または約120°以上)回転した後、前記突出部90が、停止面に支えられるように配置されている。図4(1)は、この臨界角(図示では110°)に至った点での状態を示している。矢印Bは、マウスピース60が移動した110°という開放の範囲を示している。図4(2)および図4(3)は、ある角度の回転が達成された後、さらに軽く圧力が加えられて、マウスピース60をさらに矢印Bの方向に、すなわち110°を超えて回転させる場合の状況を示す。突出部90と停止面との間の相互作用により、蝶番が係止し、マウスピース上の追加の圧力により、組立体Aが下方殻部分71内の嵌合から外れて持ち上がることになり、それによって、組立体を図4(3)および図4(4)の矢印Cの方向に殻から取り外すことを助ける。
【0072】
マウスピース60、および組立体Aは、マウスピース60が回転して、カプセルチャンバ31の空気排出開口34に隣接して位置する(図6参照)とき、互いに係合してマウスピース60を組立体Aに閉鎖状態に係止する協働的面を備え付ける。協働的面は、マウスピース60を組立体Aにスナップ嵌め方法で固定することが好ましい。図8(1)および図8(2)は、それらの面をより詳細に図示する。マウスピース60から下方に延在する腕部110(例えば、図3および図4にも見られる)は、互いに外側に向くフランジ111を担持し、これらのフランジ111は、チャンバ成形物120の上方部分内のスロット(図示せず)によって画定される面とスナップ嵌め方法で係合する。マウスピース60と組立体Aとの係合は十分に弱いので、以下により詳細に説明するように、マウスピースは組立体から離れて手動で蝶番により取り付けることができる。
【0073】
吸入器の剛体外側殻の部分は、中空であり、それぞれが部分の開放口を画定する円周方向の縁部を有する。下方殻部分71の縁部は、図3および図4で100と表示されている。上方殻部分72の縁部は、図3および図4で101と表示されている。吸入器の外側殻は、殻が閉鎖状態にあるとき(図3(1)参照)、一方の殻部分の縁部輪郭が、縁部の周りで完全に円周方向に他方の殻部分の縁部輪郭に一致するように構成されている。これらの縁部は、殻の閉鎖状態でそれらの全体的円周の周りで、互いに平行に位置するように構成されている。縁部輪郭のこの一致は、縁部が接触しない場合でも起こり、例えば、図示の配置では、マウスピース60の部分60aが、閉鎖状態で縁部100と縁部101との間に挿入されている(図9参照)。
【0074】
外側殻の下方殻部分71は、その縁部100によって画定される上部開口から下方に離れる方向に内側に先が細くなり、チャンバ120成形物およびアクチュエータ130成形物の組立体Aが、対応して下方方向に内側に先が細くなり、その結果、組立体Aが下方殻部分71内に受けられることが可能になり、図4(1)に示すように、カプセル開封装置用の、指で操作可能なアクチュエータ42が縁部100下方の下方殻部分71内の開口を通って突出し、それによって、下方殻部分の縁部100が完成し、図4(3)および図4(4)に示すように、組立体Aおよびマウスピース60の蝶番式ユニットは、上方に、下方殻部分71の縁部100によって画定される上部開口を通って通過することによって、下方殻部分71から取り外されることが可能である。
【0075】
この配置は、下方殻部分の縁部が切り取られた、従来技術の配置よりも2つの殻部分71、および殻部分72が堅く、頑丈であるという技術的な利点を有する。
【0076】
2つの殻部分71、殻部分72は、殻の閉鎖状態(図3(1))で互いに確実に嵌合するが、手動で取り外すことができる。このことは、図9により詳細に示されている。縁部100、縁部101上に設けられた協働的構成体140、協働的構成体141は殻部分の縁部に付随する、殻部分の2つの部分の一致する部品上に設けられて、確実であるが、通常の使用者によって指で押すことで取り外し可能な押込み嵌め、またはスナップ嵌め係合をもたらす。上方殻部分72上に設けられた構成体140は、開口143を通って、殻部分の2つの一致する縁部100と縁部101との間に位置する、マウスピース60の部分60a内を通過する。
【0077】
カプセル保持器30、カプセル開封装置35、およびアクチュエータ41の組立体Aは、マウスピース60と共に第1の蝶番式ユニット20を画定する。
【0078】
外側殻71、および外側殻72は、第2の蝶番式ユニット22を画定する。
【0079】
第1の蝶番式ユニット20は、使用のために第2の蝶番式ユニット22内に配置され、そのため、第1の蝶番式ユニット20を第2の蝶番式ユニット22自体から取り外すことが可能になる。その配置は、2つのユニット20およびユニット22の蝶番が互いから分離されているということを特に特徴とする。特に、第1の蝶番式ユニット20の蝶番は、第2の蝶番式ユニット22の蝶番から分離されており、第2の蝶番式ユニット22の蝶番から独立して作動する。第1の蝶番式ユニットは、第2の蝶番式ユニットから取り外すことができ、どちらの蝶番の構成、または作動にも影響を与えることがない(図4参照)。
【0080】
吸入器は、治療処方レコーダ、プロンプタ、計算器、または例えば電子装置などの他の補助装置を含むことができる。そのような装置は、例えば、剛体外側殻71、72に付随することができる。
【0081】
本発明の吸入器の部分は、好都合なことに、例えば、射出成型、または他の適切な成形によって、プラスチック材料で製造可能である。
【0082】
吸入器の作動は、図3の部分で全体的に図示されている。図3(1)に示す完全に閉鎖した状態(第1の蝶番式ユニットおよび第2の蝶番式ユニットの両方が閉じており、第1の蝶番式ユニットが第2の蝶番式ユニットの内側にある)から始まり、使用者は外側殻の上方部分72を手動で開放し(図3(2))、外側殻の閉鎖状態で、上方殻部分を下方殻部分に固定する協働的構成体140、協働的構成体141を切り離す。同時に、使用者は、協働的構成体110をチャンバ成形物120の上方部分内のスロットから切り離し、その結果、マウスピース60はチャンバ成形物120から離れて枢動し、カプセルチャンバ31を露出する(図3(3))。次いで、使用者は、カプセル32をチャンバ31内に挿入し、マウスピース60をチャンバ成形物120上にスナップで閉じる(図3(4))。このとき、吸入器は使用の用意ができる。使用者が、カプセル開封装置用のアクチュエータボタン42を押し、その結果、チャンバ31内のカプセルを開封する。次いで、使用者は、カプセルからの粉薬を乗せるチャンバを通って空気を吸い込み、それから、空気および粉末を使用者の肺の中に吸い込む。
【0083】
粉末の吸入が終わると、使用者は、再びチャンバ成形物120の上方部分内のスロットから協働的構成体110を切り離して、その結果、マウスピース60は、チャンバ成形物120から離れて枢動し、カプセルチャンバ31を露出させる(図3(5))。次いで、カプセル破片をチャンバ31の外に移すことができる。チャンバを掃除した後、使用者は、上方殻部分72を閉じて、下方殻部分71に戻し、その結果、殻部分の協働的構成体140、協働的構成体141がスナップ係合される(図3(5)は半分閉じた上方殻部分を示す)。この閉鎖によって、吸入器は、図3(1)の休止状態(完全に閉鎖された)に戻り、次の使用のために用意ができる。
【0084】
図11図13を参照して、粉状製剤を収容するカプセルから粉状薬剤を吸入するための別の吸入器を示す。上記に記載する吸入器と共通の部品は、同じ参照符号を備え付けるが、新しい部品は新しい参照符号を備え付ける。
【0085】
この特定の実施形態の形態、および作動様式は、以下に考察する相異と共に、上記に説明したことに広く相当する。
【0086】
図11図13は、下方外側殻部分71、および上方外側殻部分72を備える吸入器を全体的に示す。下方外側殻部分71は、以下に説明するように、蝶番ピン152の周りに袖のついた枢動部品を保持する末端の拡大された停止部150(図13(2)に詳細に示す)を有する蝶番ピン152を備え付ける。
【0087】
図12(1)、および図12(2)は、開放状態の吸入器を示す。カプセル保持器、カプセル開封装置、およびアクチュエータを備える(図2図10に示す吸入器の相当する部分の説明に類似して)組立体Aが、下方外側殻部分71内にスナップ嵌合されており、マウスピース60に直接に蝶番で取り付けられてはいない。その代わり、マウスピース60は、C字形成形物90’を備え付け(図13(1)により詳細に示す)、C字形成形物90’は、蝶番ピン152にクリップで留められ、また、袖のついた蝶番ピンの周りに回転可能であって、下方外側殻部分71に対するマウスピースの枢動運動をもたらす。上方殻部分は、C字形成形物92、92’を備え付け、C字形成形物92、92’もまたマウスピースの成形物90’のどちらの側上にも、蝶番ピン152にクリップで留められ、袖のついた蝶番ピンの周りに回転可能であって、下方外側殻部分71に対して上方殻部分72の枢動運動をもたらす。これらすべての直接的蝶番部分のための共通の枢動線、すなわち蝶番ピン152の軸は、図12(1)で点線151として示されている。
【0088】
このようにして、マウスピース60は、カプセルをカプセルチャンバに装填するために、マウスピース60が組立体Aの空気排出開口34から離隔されている開放状態と、マウスピース60が空気排出開口34と空気流連通状態に配置される閉鎖状態(図示せず)との間を枢動することができる。
【0089】
組立体Aは、スナップ嵌め、または押込み嵌め結合によって下方外側殻部分71内に保持されることが好ましい。下方外側殻部分71の縁部内側に設けられた突出部161は、組立体Aが偶然に外れることを防止する。
【0090】
図13(1)、および図13(2)に特に示すように、マウスピース60は、下方に延在するフランジ110を備え付け、そのフランジ110は外側に延在する突出部160を備え付ける。突出部160は、下方殻部分71の縁部の内壁と協働して、マウスピースが閉鎖状態であるとき、摩擦嵌合をもたらすが、通常の使用で指の圧力で取り外し可能である。
【0091】
上記は、特定の実施形態に限定せずに本発明を広く説明している。当業者の能力の範囲内にある変形形態、および修正形態は、添付の特許請求の範囲内で、かつ特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲に含まれることを意図するものである。
図1
図2
図3(1)】
図3(2)】
図3(3)】
図3(4)】
図3(5)】
図3(6)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13