(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、
図1〜
図4をもとに説明する。なお、以下の実施形態の説明における上下方向等の方向は、止具保持具が取り付けられた状態を基準としている。
【0014】
本止具保持具1は、頭部3と胴部4とを有する止具2によって被固着材5,6を固着する止具固着装置9に設けられ、ガイド部20を介して供給元から供給された止具2を保持する構成とされている。
止具固着装置9は、
図1に示すように、止具2の供給元としての止具供給装置に連設され、止具保持具1に供給される止具2をガイドするガイド部20と、止具保持具1によって保持された止具2を押圧して下方側へ移動させる軸部23と、を備えている。
また、止具固着装置9は、止具保持具1の下方側において被固着材5,6が載置され、止具2を押圧する軸部23とによって被固着材5,6を固着する載置台部24を備えている。
【0015】
本実施形態では、止具固着装置9を、リベットとしての止具2をかしめることによって複数の被固着材5,6を固着する構成としている。
つまり、本実施形態では、後記するように、軸部23によって載置台部24側に押圧された止具2の胴部4が、載置台部24に当接した状態で、更に押圧されることで変形し、被固着材5,6を固着する構成としている。
【0016】
この止具2は、金属系材料で形成されており、軸方向に見て円形状の頭部3から、軸方向に沿って円柱状の胴部4が延設された構成とされている。また、この止具2は胴部4の先端側において開口する凹部4aが形成された中空リベットとされている(
図4参照)。なお、図例では、止具2を、頭部3が凸湾曲状とされた丸リベットとした例を示しているが、このような態様に限られず、平リベットや皿リベット等の種々のリベットとしてもよい。また、止具2はリベットに限らず、ねじ等の他の止具としてもよい。この場合は、止具固着装置9を他の止具に対応させた構成としてもよい。
【0017】
図1には、被固着材5,6の例として、軒先に固定された状態で軒樋を支持する軒樋支持具の構成部材である、取付杆(被固着材5)及び取付基板(被固着材6)を示した。これら被固着材5,6には、止具2が挿通される貫通穴5a,6aが互いに対応する位置に形成されている。なお、被固着材5,6は、上記のような態様に限定されず、種々の被固着材が適用可能である。
【0018】
ガイド部20は、止具供給装置に接続され、止具保持具1に向けて供給される止具2をガイドする長尺状のガイドレールを構成する。この止具供給装置は、複数の止具2を貯留するホッパ等の貯留部から、止具2を止具保持具1に1本ずつ分離供給する構成としてもよい。
【0019】
また、ガイド部20は、
図2に示すように、止具2をガイドするレール溝21を備え、止具保持具1側に下るように傾斜する構成とされ、これにより、止具2をスライドさせて供給する構成とされている。このレール溝21は、止具2の頭部3を収容する構成とされている。また、ガイド部20の下面側には、下方に向けて開口する溝部22が全長に亘って形成されている。この溝部22の溝幅は、止具2の頭部3の外径よりも小とされ、胴部4の外径よりも大とされている。これにより、止具2の胴部4を溝部22に挿通させた状態で、頭部3が上側となるように止具2をガイドする構成とされている。
【0020】
止具保持具1は、
図2及び
図3に示すように、ガイド部20のガイド方向供給先側に配されている。
この止具保持具1は、止具2の頭部3を、この頭部3が上側に位置するように保持する保持凹部13が設けられている。
また、止具保持具1は、保持凹部13の下方に連続するように上下方向に開口し、止具2の移動経路を構成する保持孔11が形成されている。
【0021】
また、止具保持具1は、保持孔11及び保持凹部13が形成された保持具本体10,10と、この保持具本体10,10を支持する一対の支持脚19,19と、を備えている。
この保持具本体10,10は、
図4に示すように、上下方向及びガイド部20のガイド方向に直行する方向中心において、互いに離反するように分割可能な構成とされ、支持脚19,19を介して、常時、閉じるように付勢されている。
【0022】
保持孔11は、上下方向に見て略円形状とされ、内径が止具2の頭部3よりも小とされ、胴部4よりも大とされており、止具2は、胴部4が保持孔11に挿通された状態で、頭部3が保持孔11の開口周縁によって係止される。
図例では、保持孔11の上端側に、上方に向かうに従い内径が大となるテーパー面状の大径部11aが形成され、下端側に、下方に向かうに従い内径が小となるテーパー面状の小径部11bが形成された例を示している。この場合、保持孔11の大径部11aのテーパー面において、止具2の頭部3を係止するようにしてもよい。
【0023】
また、止具保持具1には、保持孔11に連続し、ガイド部20のガイド方向供給元側に向けて開口する開口12が形成されている。この開口12は、ガイド部20を介して供給される止具2の胴部4を受け入れるように、開口幅寸法が、胴部4の外径よりも大とされている。
【0024】
また、保持凹部13を区画する周壁14の少なくとも一部は、保持凹部13の一部を上方より覆うように突出した庇部15を備えている。
本実施形態では、保持凹部13を、平面視して止具2の頭部3に応じた形状とし、周壁14の略全体に庇部15を設けた構成としている。
また、この保持凹部13は、上下方向及びガイド部20のガイド方向供給元側に向けて
開口16を有している。つまり、本実施形態では、
図3(a)に示すように、保持凹部13を、平面視して、ガイド方向反供給元側において止具2の頭部3に応じた略円形状とし、ガイド方向供給元側において開口16が形成された構成としている。この開口16は、ガイド部20を介して供給される止具2の頭部3を受け入れ可能なように形成されている。
【0025】
庇部15は、保持凹部13の一部を覆うように、周壁14の上端部が下端部よりも突出して形成されている。
図例では、庇部15を、平面視して保持孔11の上端開口端縁に略一致する程度に突出させた例を示している。
また、本実施形態では、庇部15を、周壁14に一体的に設けた構成としている。
【0026】
本実施形態では、周壁14の壁面を斜め下方に向く傾斜面とし、この周壁14の上端部を庇部15としている。これによれば、供給された止具2の頭部3の浮き上がりを防止するとともに、傾斜面によって止具2を下方にガイドすることができる。図例では、この傾斜面の水平面に対する角度を60°程度とした例を示している。なお、このような態様に限られず、この傾斜面の水平面に対する角度は、供給された止具2の頭部3を効果的に押さえる観点等から、適宜、設定するようにしてもよい。
【0027】
また、本実施形態では、保持凹部13の開口16の両側にガイド部20のガイド方向供給元側に対向するように設けられた壁部17,17に、開口16の両側空間の一部を上方より覆うように突出した庇部18,18を設けた構成としている。
これら壁部17,17に設けられた庇部18,18は、保持凹部13の庇部15に連続して形成されている。
また、本実施形態では、保持凹部13の庇部15と同様、壁部17,17の壁面を斜め下方に向く傾斜面とし、これら壁部17,17の上端部を庇部18,18としている。
【0028】
この保持凹部13に保持された止具2を載置台部24側(下方側)へ移動させる軸部23は、上下に長尺状され、止具保持具1の保持孔11に挿通可能な円柱状とされている。この軸部23は、止具固着装置9に設けられた駆動部によって上下に往復移動可能に設けられている。図例では、この軸部23の下端面を平坦面とした例を示しているが、この軸部23の下端面を、止具2の頭部3に応じた形状としてもよい。
【0029】
載置台部24は、上面に形成され、止具2の胴部4を受け入れるかしめ凹部25と、止具2の胴部4に当接し、この胴部4をかしめ凹部25に誘導するピン26と、を備えている。
かしめ凹部25は、平面視して円形状とされ、上方に向かうに従い内径が大となるテーパー面状の周壁によって区画されている。
ピン26は、かしめ凹部25の中心部から、上方に向けて突出するように設けられており、このピン26が、被固着材5,6の貫通孔5a,6aに挿通された状態で、被固着材5,6が載置される。
また、このピン26は、かしめ凹部25の底部に設けられた凹所に、上方側に付勢されるように、かつ、軸部23の押圧に伴ってこの凹所に退入可能なように設けられている。
また、このピン26の先端部には、止具2の胴部4の凹部4aを係止する突部が設けられている。
【0030】
次に、上記構成とされた止具固着装置9の動作について説明する。
図2に示すように、ガイド部20を介して、スライドするように供給される止具2は、開口12,16を介して、頭部3が上側に位置するように、止具保持具1の保持凹部13によって保持される。
【0031】
次いで、
図4(a)、(b)に示すように、軸部23に押圧されて止具2が保持孔11内を下方に向かって移動する。この際に、止具2の移動に伴い、保持具本体10,10が、付勢力に抗して互いに離反するように押し開けられる。また、止具2が保持孔11の下端の小径部11bに保持された状態で、止具2の胴部4が、ピン26の先端の突部によって係止される。
【0032】
この状態で、止具2が下方に向かって移動することで、
図4(b)、(c)に示すように、被固着材5,6の貫通孔5a,6aに、止具2の胴部4が挿通するように導入され、胴部4が、かしめ凹部25の底部に当接する。
この状態で、更に止具2が軸部23に押圧されることで、胴部4が、かしめ凹部25の周壁に応じて変形し、かしめられることで被固着材5,6が固着される。
【0033】
次に、
図5に示した他の実施形態に係る止具保持具1Aについて説明する。
この止具保持具1Aは、保持凹部13Aの庇部15Aを、周壁14Aとは別体としている。また、壁部17A,17Aの庇部18A,18Aについても、壁部17A,17Aとは別体としている。
【0034】
本実施形態では、保持凹部13Aの一部及び保持凹部13Aの開口16の両側空間の一部を覆うように、平板状の部材を保持具本体10,10の上面に設けた構成としている。
また、本実施形態では、
図5(b)に示すように、鉛直面状とされた周壁14A及び壁部17A,17Aの壁面から突出するように、庇部15A,18A,18Aが設けられている。
【0035】
本実施形態においても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
なお、庇部15,15A,18,18Aの構成は、上記各実施形態の態様に限られず、例えば、周壁14,14A及び壁部17,17Aを凹湾曲面または突湾曲面状として庇部15,15A,18,18Aを形成してもよく、種々の形状を採用するようにしてもよい。
【0036】
また、上記各実施形態では、保持凹部13,13Aの開口16の両側の壁部17,17,17A,17Aに、庇部18,18,18A,18Aを設けた例を示しているが、このような庇部18,18,18A,18Aを設けなくてもよい。
また、上記各実施形態では、周壁14,14Aの略全体に庇部15,15Aを設けた例を示しているが、このような態様に限られず、庇部15,15Aは、少なくとも周壁14,14Aの一部に設けられていればよい。
【解決手段】頭部3と胴部4とを有する止具2によって被固着材5,6を固着する止具固着装置9に設けられ、ガイド部20を介して供給元から供給された止具2を保持する止具保持具1であって、止具2の頭部3を、頭部3が上側に位置するように保持する保持凹部13が設けられており、保持凹部13を区画する周壁14の少なくとも一部は、保持凹部13の一部を上方より覆うように突出した庇部15を備えている。