(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外科用器具が長手方向軸を有し、前記挿入ツールが前記外科用器具の前記締付け顎部の間に保持されるとき、前記挿入ツールの前記シャフトが、前記外科用器具の前記長手方向軸を横断する第2軸に沿って横方向に延在する、請求項4に記載のアプリケータシステム。
前記挿入フォークがその遠位端部から延在する第1及び第2の歯を有し、前記カートリッジから取り外されるよう前記外科用締結具を前記挿入フォークに装填するために、前記第1の歯が前記第1脚部と係合し、前記第2の歯が前記第2脚部と係合する、請求項10に記載のアプリケータシステム。
前記第1脚部が、前記第1脚部の前記近位端部と前記遠位端部との間を延在する第1位置合わせリブを有し、前記第2脚部が、前記第2脚部の前記近位端部と前記遠位端部との間を延在する第2位置合わせリブを有する、請求項12に記載のアプリケータシステム。
前記第1の歯が第1凹状溝を有し、前記第2の歯が第2凹状溝を有し、前記外科用締結具を前記挿入フォークに装填するために、前記第1及び第2溝が前記第1及び第2脚部の前記第1及び第2位置合わせリブ上をそれぞれ摺動する、請求項13に記載のアプリケータシステム。
前記第1及び第2位置合わせリブが第1高さを有し、前記第1及び第2凹状溝が、前記位置合わせリブの前記第1高さよりも高い第2高さを有する、請求項14に記載のアプリケータシステム。
前記位置合わせリブの各々が、前記歯の前記第1及び凹状溝の前記第2高さよりも高い第3高さを定めるより広い遠位区画を有して、前記歯と前記位置合わせリブの前記より広い遠位区画との間に締まりばめを形成する、請求項14に記載のアプリケータシステム。
前記少なくとも1つのカートリッジがその内部に形成された複数のスロットを有し、前記外科用締結具のうちの1つが前記スロットの各々に収容される、請求項1に記載のアプリケータシステム。
前記少なくとも1つのカートリッジが、外科用締結具を収容する2つ又は3つ以上のカートリッジを含み、各前記カートリッジ内の前記外科用締結具の特性が異なる、請求項1に記載のアプリケータシステム。
前記カートリッジのうちの第1カートリッジ内に収容された前記外科用締結具が、前記カートリッジのうちの第2カートリッジ内に収容された前記外科用締結具よりも大きい、請求項18に記載のアプリケータシステム。
【背景技術】
【0003】
ヘルニアは、患者の腹部筋肉壁又は股間内の弱い場所又は欠陥を貫通して腸管又は腸の小さいループが突出する状態である。この状態は一般的にヒト、特に男性に生じる。この種類のヘルニアは、先天性の欠陥から生じる場合があり、したがって患者は生まれつきこの問題を有するか又は酷使若しくは重いものを持ち上げることによって生じ得る。重いものを持ち上げることは、腹壁に多大な圧力を生じさせ、腹筋の弱い部分で破裂又は破断を生じさせ、欠損部又は開口を生じさせる場合があることが既知であり得る。いずれの場合においても、患者はその欠損部を貫通して突出する見た目の悪い腸組織の出っ張りを有する状態となり、これが痛み、持ち上げる力の低下を生じさせる場合があり、場合によっては大腸の圧迫、又は、突出組織への血流が遮断された場合は他の合併症を生じさせ可能性がある。
【0004】
上述した問題に対する一般的な解決法は外科手術であり得る。外科的手術の間、開いた切開部を通じて、又はトロカールなどのアクセスポートを通じて内視鏡的に、欠損部が評価されて注意深く検査される。いずれにせよ、血管及び神経の網状組織が典型的な欠損領域に存在するため、注意深い検査が必要とされ、これは、外科医が高度な技術及び注意をもってヘルニア治療を行うことを必要とする。この領域には、胃血管、外腸骨血管、及び下腹壁血管、並びに鼠径床を通じて延びる輸精管などの生殖管などの血管構造が見出され得る。
【0005】
一旦、外科医が患者の生体構造に精通すると、外科医は欠損部を通して内臓を患者の腹部内に慎重に再配置する。欠損部の再建は、縫合糸又は締結具を用いた欠損部の閉鎖を伴う場合があるが、一般的には、開いた欠損部へのメッシュパッチなどの外科用プロテーゼの配置、及び従来型の縫合糸又は外科用締結具を用いた腹壁又は鼠径床へのメッシュパッチの取り付けを伴う。メッシュパッチはバリアとして機能し、欠損部を通した腸の排出を防ぐ。鼠径床にメッシュパッチを縫合することは、開放式手術に非常に適している場合があるが、内視鏡手術では、はるかに困難で時間がかかる場合がある。内視鏡手術が適用される場合、外科用締結具を適用する内視鏡外科用器具が使用され得る。しかしながら、鼠径床の組織は、クーパー靭帯などの構造を貫通するために針又は締結具が使用される場合に特殊な困難を外科医に提示し得る。
【0006】
現在、メッシュパッチを鼠径床に取り付けるために、内視鏡又は開放式手術において外科医が使用するために利用できる、様々な外科用器具及び締結具が存在する。使用される最も古いタイプの内視鏡外科用器具の1つは、外科用ステープラーである。複数の又は積み重ねた、これらの形成されていないステープルが一般的には連続的な様式でステープルカートリッジ内に収容されている場合があり、かつ、ばね機構によって器具内で順次前進させられるか又は送達され得る。積み重ね体から最遠位のステープルを分離し、ばねで留めた積み重ね体の残りを保持するために二次弁機構又は送達機構が利用され得、かつ最遠位ステープルをステープル形成機構に送達するために該機構を使用することができる。この種類の送達機構は、Rothfussらの米国特許第5,470,010号、及び同じくRothfussらの米国特許第5,582,616号に見出される。
【0007】
別のヘルニアメッシュ取り付け器具は、ばねの小部分に似た螺旋状ワイヤー締結具を用いる。多数の螺旋状ワイヤー締結具が5mmシャフト内に連続的に保存されてもよく、組織内へと螺旋状に進むか又は回転してもよい。荷重ばねが、複数の螺旋状締結具をシャフト内の遠位に偏らせる又は送達するために用いられ得る。突出部はシャフト内に延伸して、荷重ばねによる締結具の積み重ね体の排出を防ぎ得、また回転式締結具の通過を可能にし得る。これらの種類の器具及び締結具は、Bolducらの米国特許第5,582,616号、Bolducらの米国特許第5,810,882号、及びSteinらの米国特許第5,830,221号に見出される。
【0008】
一方で、上記の外科用器具はヘルニア締結用途に使用されてもよく、これらは外科用器具を通じて複数の締結具を送達するためにばね機構を使用する。ばね機構は、一般に長く柔らかいコイルばねを使用して、外科用器具のシャフト内のガイド又はトラックを介して締結具の積み重ね体を押す。これらの種類の送達機構は、一般的に単純かつ確実であり得るが、1つの締結具を積み重ね体から分離し送達するために追加的な二次弁機構又は突出部を必要とし得る。
【0009】
ヘルニアメッシュ取り付けのために、他の外科用締結具が使用され得るが、そうした締結具は、少量の締結具を保持する、再装填可能な単発器具又は回転式マガジンのいずれかを利用する。これらの種類の外科用締結器具は、いずれもEdward Phillipsに対する米国特許第5,203,864号及び同第5,290,297号に見出され得る。これらの器具は外科のコミュニティでは受け入れられておらず、その理由は恐らくは、これらの単発の能力及び回転式マガジンの大きな寸法により、これらがこのような器具を開放式手術に限定するためである。
【0010】
上記の全ての外科用器具はヘルニア締結用途に使用され得るが、これらは外科用器具を通じて複数の締結具を送達するためのばね機構、又は送達機構の代わりに回転式マガジンのいずれかを使用する。外科用クリップなどの、他の種類の外科用締結具も利用可能であり得、これらはクリップを遠位に送達するために、ばねの使用を必要としない送達機構を利用し得る。往復式送達機構は、米国特許第5,601,573号、同第5,833,700号及び同第5,921,997号(Fogelbergら)に記載される。Fogelbergらの参照文献は、連続したクリップの積み重ね体を送達するための往復式送達バーを用いた送達機構を有するクリップ適用器を教示する。送達器シューは遠位に移動する送達バーと操作可能に係合して共に移動し、また近位に移動する送達バーと摺動係合し得る。そのため、送達器シューは、遠位に移動する送達バーと共にクリップの積み重ね体を遠位に割送り又は押すことができ、また近位に移動する送達バーに対しては静止状態を維持する。弁機構はまた、積み重ね体から最遠位クリップを分離し、最遠位クリップが血管に適用され得る際に、積み重ね体を静的に維持することを要求され得る。Fogelbergらの参照文献は、単一の往復部材を有する往復式送達機構を教示するが、これらはヘルニアメッシュの取り付けにおけるクリップ適用器具の使用を教示せず、また移動部材による各クリップの個別の駆動又は送達を教示することもない。
【0011】
往復運動を用いる別の締結具送達機構は、Kliemanらに対する米国特許第4,325,376号に開示される。複数のクリップをクリップマガジン内に連続式に貯蔵するクリップ適用器が開示される。クリップは積み重ね体内に存在し、最近位のクリップはが、器具が作動するごとに、往復部材又はラチェットブレードによって遠位にラチェット送り又は割送りされ得る爪によって、遠位に押されるか又は送達され得る。爪が遠位に割送りすると、爪はクリップの積み重ね体を遠位に押し得る。また、二次弁機構も説明され得る。したがって、Kliemanらの送達機構は、クリップの積み重ね体を遠位方向に押すか又は送達するために単一の往復部材又は爪を使用することを教示し、最遠位クリップを送達するために二次弁機構を必要とし得る。
【0012】
DeCarlo Jr.に対する米国特許第3,740,994号は、複数のステープル又はクリップを割送りし得、また一対の対向する板ばねアセンブリのうちの1つを往復運動させることによって複数のステープル又はクリップの発射の準備をさせ得る、新規な往復式送達機構を説明する。ステープルは、ガイドレールの平面内に延在する固定した板ばねアセンブリと共に、ガイドレール内に連続して存在する。往復運動する板ばねアセンブリは、固定した板ばねアセンブリに向かって内側に対向して延びる。往復運動する板ばねアセンブリが遠位に移動すると、アセンブリの独立した板ばねの各々はステープルと係合してこれを遠位に移動させ得る。遠位に移動するステープルによって、固定した板ばねアセンブリの局所の独立した板ばねが偏向され、偏向した板ばねは、ステープルが通過した後で非偏向位置に戻り得る。移動する板ばねアセンブリが近位に移動すると、固定した板ばねアセンブリの板ばねはステープルを静止状態に維持し、その近位への移動を防ぐ。二次ガイドレール及び弁機構は、積み重ね体から単一のステープルを分離して形成するために提供され得、また単一のクリップが形成されると、ステープルの積み重ね体を静止状態に維持し得る。
【0013】
加えて、類似の送達機構が、DiGiovanniらに対する米国特許第4,478,220号、及びMengesらに対する米国特許第4,471,780号に開示される。これら関連特許のいずれもが、1つの固定された部材及び1つの往復部材を用いて複数のクリップを遠位に送達する又は割送りする、往復式送達機構を教示する。角度を付けられた可撓性指部がヒンジ連結によって往復部材に取り付けられ、遠位に移動する時にクリップと操作可能に係合し、また近位に移動する時にクリップと摺動係合し得る。クリップが遠位に移動して跳ね上がると、固定された部材内の角度を付けられた可撓性指部が常道を外れて偏向し、クリップが通過した後でクリップの近位への移動を阻止する。二次弁機構も更に開示される。
【0014】
その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2002/0068947号は、複数の独立した外科用締結具を送達するための装置を教示する。1実施形態では、送達装置は遠位端部及び近位端部を有する駆動機構を含む。駆動機構は、移動部材及び固定された対向部材を有し、ここで移動部材は送達装置に対して近位及び遠位に移動可能である。移動部材は組織を貫通するための尖った遠位端部を有する。装置は第1部材と第2部材との間に配置された少なくとも1つの外科用締結具を含む。少なくとも1つの外科用締結具の各々は、近位端及び遠位端を有する。装置は少なくとも2つの連続位置を有する作動装置を更に有する。移動部材を遠位方向に移動させ、組織を貫通するための第1位置、及び移動部材を近位方向に移動させ、それによって締結具の遠位端を展開するための第2位置である。
【0015】
腹腔鏡的に使用されるメッシュを固定するためのタックは、一般的にステンレス鋼、ニチノール、又はチタンなどの金属から作製されている。金属製タックは、十分な保持強度、様々なプロテーゼメッシュの貫通、及び製造の容易さを提供するために必要である。最近まで市販の吸収性タックは存在せず、外科医は身体内に恒久的に滞在しない固定手段を提供するには吸収性縫合糸を使用するしかなかった。しかしながら、縫合糸の使用は、腹腔鏡手術では過度に困難であり、これらは治療が開放式で行われる場合を除いては一般的に使用されない。異質体の蓄積が最小限である、より低い侵襲性の技術に繋がる外科的傾向により、腹腔鏡的に適用され得る外形が最小の吸収性タックが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
上記の進歩にも関わらず、1)最小限の外形を有し、2)腹腔鏡的に適用され得、及び3)吸収性である、外科用締結具を用いてインプラントを固定するアプリケータシステムの必要性が依然として存在する。更に、1)異なるサイズ、2)異なる材料組成、3)異なる量を有し、かつ4)より浅いインプラント固定を可能にする湾曲した脚部を有する外科用締結具を提供する、外科用締結具を予備装填したカートリッジを用いる経済的な外科用締結具用のアプリケータシステムの必要性も依然として存在する。更に、1)外科用締結具を組織に挿入する時に使用者に一対一の触知感覚(one-to-one tactile feel)を提供し、2)使用者が挿入力量を手動制御することを可能にし、3)所望の場合は使用者が外科用締結具を組織内の更に奥に押し入れることを可能にし、かつ4)縫合糸を用いる時に利用可能な機械的固定能力と同様の多様な機械的固定能力を使用者に提供する、外科用締結具用のアプリケータシステムの必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
1実施形態では、外科用締結具を挿入するためのアプリケータシステムは、外科用締結具を挿入フォーク上に装填するために外科用締結具の脚部上を摺動するように構成された挿入フォークを備える遠位端部を有する手動制御式挿入ツールを含むことが好ましい。装填された挿入フォークは、続いてメッシュインプラントなどのインプラントを組織に固定するために、外科用締結具を組織に挿入するために用いられる。
【0018】
1実施形態では、アプリケータシステムは1つ又は複数のカートリッジを含み、その各々がその内部に予備装填された複数の外科用締結具を有することが好ましい。1実施形態では、カートリッジは、複数の細長いスロット部及び各細長いスロット部を介して接近可能な単一の外科用締結具を有する。外科用締結具は、組織に対して外科用メッシュなどのインプラントを固定するために組織に挿入されるために、カートリッジから取り外し可能であることが好ましい。1実施形態では、外科用締結具をカートリッジから取り外すために、挿入フォークを細長いスロット部のうちの1つに挿入して外科用締結具のうちの1つを挿入フォークに装填する。外科用締結具を挿入フォークに装填した後は、挿入フォークによって手動的に組織に挿入するために、挿入フォークを細長いスロット部から取り出して手術部位に移動させ得る。
【0019】
1実施形態では、本明細書に開示されるアプリケータシステムは、参照により本明細書に組み込まれる同一出願人による米国特許出願公開第US 2010/0292715号、同第US 2010/0292712号、同第US 2010/0292710号、同第US 2010/0292713号、並びに同第US 2011/079627号、「APPLICATOR INSTRUMENTS FOR DISPENSING SURGICAL FASTENERS DURING OPEN REPAIR PROCEDURES」と題する2012年5月11日出願の米国特許出願第13/470,022号、「APPLICATOR INSTRUMENTS HAVING DISTAL END CAPS FOR FACILITATING THE ACCURATE PLACEMENT OF SURGICAL FASTENERS DURING OPEN REPAIR PROCEDURES」と題する2012年5月11日出願の米国特許出願第13/470,065号、及び「SURGICAL FASTENERS HAVING ARTICULATING JOINTS AND DEFLECTABLE TIPS」と題する2013年5月9日出願の米国特許出願第13/791,950号に開示される1つ又は複数の機構を組み込む。
【0020】
トリガを引く度に自動的に締結具を分配するピストル型挿入ツールを有するメッシュ固定システムと対照的に、本出願は、1回に1つだけの外科用締結具を取り扱うために挿入フォークが手動的に係合されることを可能にする、多用途型手動システムを開示する。
【0021】
本明細書に開示される手動システムは、数多くの利益を提供する。1実施形態では、手動的に外科用締結具を組織に挿入する時、挿入ツールは使用者に一対一の触知感覚を提供する。
【0022】
1実施形態では、アプリケータシステムが自動型ではなく手動型であるため、挿入ツールは、外科用締結具を組織に挿入する時に用いられる挿入力量を使用者が手動的に制御及び調節することを可能にする。
【0023】
1実施形態では、手動システムは、所望の場合に使用者が外科用締結具を組織の更に奥に押し入れることを可能にする。
【0024】
本出願は、好ましくは、組織に挿入され得る種々の外科用締結具に対するより広い多用途性を更に提供する。例えば、外科用締結具のサイズ、構造、及び種類は、外科的手術の間に容易に変更可能である。これは、1種類の外科用締結具だけを分配する自動アプリケータに優る利点である。
【0025】
1実施形態では、挿入ツールは、挿入フォークを用いて外科用締結具を組織に挿入する時にある程度の挿入力を提供する、蓄積エネルギー要素を含み得る。1実施形態では、挿入ツールは使用者によって提供された手動エネルギーだけを用いる。1実施形態では、挿入ツールは、使用者によって提供された手動エネルギーと蓄積エネルギー要素からのエネルギーとを組み合わせて、外科用締結具を組織に挿入するための挿入力を提供する。
【0026】
1実施形態では、挿入ツールは、外科用締結具を組織に挿入する際の過剰な挿入力の使用を防ぐ安全リリース要素を含むことが好ましい。1実施形態では、安全リリース要素は細長いシャフト46又は挿入フォーク52と連結して、外科用締結具の挿入時における過剰な力の使用を防ぎ得る。1実施形態では、プリセット又は予め定められたレベルの力に達すると、シャフト46又は挿入フォーク50が折り畳まれる。1実施形態では、外科用締結具の過剰な挿入又は過剰な挿入力の使用を防ぐため、安全リリース要素はプリセットされた力のレベルに到達した時に外れるばねを含み得る。
【0027】
1実施形態では、単一のカートリッジに異なるサイズ及び/又は特性を有する外科用締結具が装填され得る。1実施形態では、各カートリッジが特定のサイズ及び/又は特性を有する外科用締結具を装填するように、複数のカートリッジが用いられ得る。
【0028】
1実施形態では、第1のカートリッジが吸収性の外科用締結具を装填し、第2のカートリッジが非吸収性の外科用締結具を装填し、第3のカートリッジが直線状の脚部を有する外科用締結具を装填し、第4のカートリッジが湾曲した脚部を有する外科用締結具を装填するなど、1つ又は複数のカートリッジが異なる材料から製造された外科用締結具を装填し得る。
【0029】
1実施形態では、異なるサイズ、形状、構造、可撓性、材料、及びその他の特性を有する外科用締結具が、単一のカートリッジ内に収容され得る。1実施形態では、各カートリッジが、例えばサイズ、形状、構造、可撓性、材料などの同じ特性を有する複数の外科用締結具を収容し得るように、複数のカートリッジが提供され得る。1実施形態では、カートリッジ及び/又は外科用締結具は、カートリッジ内に収容される外科用締結具の特性を示すために色分けされ得るか、又はその表面に表示が付与され得る。
【0030】
1実施形態では、カートリッジは手によって保持され得る。1実施形態では、カートリッジは金属のLC−800ベースなどの支持ベース上に固定される。
【0031】
1実施形態では、挿入フォークを有する挿入ツールは、挿入ツールを保持する対向する締付け顎部を有する持針器と併せて用いられ得る。
【0032】
1実施形態では、挿入ツールは、挿入フォークを含む遠位端部を備えたシャフトを有し得る。挿入ツールのシャフトは直線状、湾曲状、又は傾斜状であり得る。1実施形態では、挿入ツールのシャフトは縫合針の構造を模倣するために湾曲される。
【0033】
1実施形態では、挿入ツールが使用者の手によって保持されているため、挿入ツールは使用者に対し、縫合糸及び縫合針を使用する時に見られるものと近い方法で外科用締結具の機械的な固定を可能にする、より高い柔軟性を提供する。
【0034】
1実施形態では、本明細書に開示される挿入ツールは、開放式鼠径部手術、開放式腹側固定手術などの開放式手術、及び腹腔鏡下手術の間に外科用締結具を挿入するために用いられ得る。
【0035】
1実施形態では、挿入ツールの長さ及び外形は、様々な外科的手術に適合するように変更可能である。
【0036】
1実施形態では、外科用締結具は、対応する挿入先端部を備えた遠位端部を有する第1及び第2脚部を有し得る。1実施形態では、より浅いインプラント固定手術のために脚部は湾曲され得る。
【0037】
1実施形態では、挿入フォークを有する挿入ツールは、挿入フォークの近位端部に連結されたルアー型コネクタを含み得る。
【0038】
1実施形態では、本明細書に開示される手動アプリケータシステムは、1回のみ使用されてその後処分される、より高価な使い捨て式ピストル型アプリケータ器具の必要性を排除する。
【0039】
1種類の締結具を有する使い捨て式ピストル型アプリケータ器具とは対照的に、本明細書に開示されるカートリッジシステムは、1)様々なサイズの外科用締結具の使用、2)様々な材料で作られた外科用締結具の使用、3)様々な量の外科用締結具を有するカートリッジへの接近手段を有すること、及び4)単一のカートリッジ内に様々なサイズのストラップを有すること、に関してより高い柔軟性を提供する。
【0040】
本発明は、予備装填装置のコストを必要とせず、ピストル型アプリケータ器具に見出される多くの利益を提供する。本発明は、各ストラップ構造に対して複雑な装置及びその構成要素の変更を求めずに、単純なカートリッジシステムを提供することによって、様々な外科用締結具の構造及びサイズに容易に適合し得る。
【0041】
本明細書に開示される手動挿入システムは、トリガを引く度に締結具を分配するピストル型アプリケータシステムに優る多くの利点を提供する。1実施形態では、外科用締結具を組織に挿入する時、手動制御式挿入ツールは使用者に一対一の触知感覚を提供する。1実施形態では、手動制御式挿入ツールは使用者が外科用締結具を組織に挿入するために用いられる挿入力量を手動的に制御することを可能にする。1実施形態では、手動制御システムは、所望の場合に使用者が外科用締結具を組織の更に奥に押し入れることを可能にする。
【0042】
1実施形態では、インプラント固定用のアプリケータシステムは、手動的に外科用締結具を組織に挿入することを可能にする。1実施形態では、アプリケータシステムは、持針器の締付け顎部の間に挿入フォークを備える挿入ツールを保持する標準の持針器を用いる。
【0043】
1実施形態では、アプリケータシステムは、使い捨て式又は再利用式のいずれかのハンドルを備えたペン型挿入ツールを含む。1実施形態では、使い捨て式挿入フォークがハンドルの端部に取り付けられる。
【0044】
1実施形態では、外科用締結具の形状によって、又は外科用締結具をアニーリングすることによって、外科用締結具がカートリッジ内に保持される。1実施形態では、カートリッジは、単一の外科用締結具を放出するために挿入フォークをカートリッジに挿入して可撓性要素を圧縮するまで外科用締結具をカートリッジ内に保持する可撓性要素を含む。
【0045】
1実施形態では、アプリケータシステムは、直線状、湾曲状、又は傾斜状のいずれかの挿入フォークを有する挿入ツールを含む。1実施形態では、挿入ツールは湾曲した縫合針の形状を模倣する湾曲したシャフトを有することが好ましい。
【0046】
1実施形態では、挿入ツールの長さ及び外形は、様々な外科的手術及び様々な身体上の位置に適合するように変更され得る。
【0047】
1実施形態では、挿入ツールは、手術部位まで前進する間の挿入フォークを覆い、また挿入フォークから後退させられて挿入フォークを露出させ、外科用締結具を組織に挿入するために挿入フォークが用いられることを可能にする、保護外部シースを含むことが好ましい。
【0048】
1実施形態では、アプリケータシステムは、ベース及びカートリッジ上で見出されるさねはぎ機構を用いてベース頂部に1つ又は複数のカートリッジを保持するベースを含むことが好ましい。
【0049】
本発明のこれら及びその他の好ましい実施形態は、下記で詳しく記述される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1A】本発明の1実施形態による、外科用締結具を挿入するためのアプリケータシステムを示す。
【
図1B】本発明の1実施形態による、外科用締結具を挿入するためのアプリケータシステムを示す。
【
図1B-1】本発明の1実施形態による、外科用締結具を挿入するためのアプリケータシステムを示す。
【
図1C】本発明の1実施形態による、外科用締結具を挿入するためのアプリケータシステムを示す。
【
図2A】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図2B】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図2C】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図2C-1】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図2D】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図2E】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図2F】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図2G】本発明の1実施形態による、インプラントを組織に固定するための外科用締結具を示す。
【
図3A】本発明の1実施形態による、挿入フォーク及び外科用締結具を示す。
【
図3B】本発明の1実施形態による、挿入フォーク及び外科用締結具を示す。
【
図3C】本発明の1実施形態による、挿入フォーク及び外科用締結具を示す。
【
図3D】本発明の1実施形態による、挿入フォーク及び外科用締結具を示す。
【
図3E】本発明の1実施形態による、挿入フォーク及び外科用締結具を示す。
【
図4A】本発明の1実施形態による、挿入フォーク上に装填された外科用締結具を示す。
【
図4B】本発明の1実施形態による、挿入フォーク上に装填された外科用締結具を示す。
【
図4C】本発明の1実施形態による、挿入フォーク上に装填された外科用締結具を示す。
【
図4D】本発明の1実施形態による、挿入フォーク上に装填された外科用締結具を示す。
【
図5】本発明の1実施形態による、外科用締結具の斜視図を示す。
【
図6A】本発明の1実施形態による、外科用締結具及び挿入フォークを示す。
【
図6B】本発明の1実施形態による、外科用締結具及び挿入フォークを示す。
【
図6C】本発明の1実施形態による、外科用締結具及び挿入フォークを示す。
【
図7A】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図7B】本発明の1実施形態による、持針器に固定された
図7Aの挿入ツールを示す。
【
図7C】本発明の1実施形態による、持針器に固定された
図7Aの挿入ツールを示す。
【
図7D】本発明の1実施形態による、持針器に固定された
図7Aの挿入ツールを示す。
【
図7E】挿入ツールの挿入フォーク上に装填された外科用締結具を備える、
図7B〜7Dの挿入ツール及び持針器を示す。
【
図8A】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図8B】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図9A】本発明の1実施形態による、持針器に固定された
図8A〜8Bの挿入ツールを示す。
【
図9B】本発明の1実施形態による、持針器に固定された
図8A〜8Bの挿入ツールを示す。
【
図9C】
図9Bの挿入ツールの挿入フォーク上に装填された外科用締結具を示す。
【
図10A】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図10B】本発明の1実施形態による、持針器に固定された
図10Aの挿入ツールを示す。
【
図10C】本発明の1実施形態による、持針器に固定された
図10Aの挿入ツールを示す。
【
図11A】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図11B】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図11C】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図12A】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図12B】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図13A】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図13B】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図14】本発明の1実施形態による、挿入フォークを有する挿入ツールを示す。
【
図15】本発明の1実施形態による、持針器の遠位端部に固定された挿入フォークを有する持針器を含む挿入ツールを示す。
【
図16】本発明の1実施形態による、止めフランジを有する挿入フォークを示す。
【
図17】本発明の1実施形態による、挿入フォーク及びルアー取付具を含む挿入ツールを示す。
【
図18】本発明の1実施形態による、挿入フォーク及び持針器アダプタを有するルアー取付具を含む挿入ツールを示す。
【
図19A】本発明の1実施形態による、保護シース及び保護シース内に格納可能な挿入フォークを含む挿入ツールを示す。
【
図19B】本発明の1実施形態による、保護シース及び保護シース内に格納可能な挿入フォークを含む挿入ツールを示す。
【
図19C】本発明の1実施形態による、保護シース及び保護シース内に格納可能な挿入フォークを含む挿入ツールを示す。
【
図20】本発明の1実施形態による、複数の湾曲部を有する細長いシャフト及び細長いシャフトの遠位端部に固定された挿入フォークを含む挿入ツールを示す。
【
図21A】本発明の1実施形態による、外科用締結具用カートリッジを示す。
【
図21B】本発明の1実施形態による、外科用締結具用カートリッジを示す。
【
図22A】本発明の1実施形態による、アニールした外科用締結具用カートリッジを示す。
【
図22B】本発明の1実施形態による、アニールした外科用締結具用カートリッジを示す。
【
図23A】本発明の1実施形態による、カートリッジが可撓性部材を有する、外科用締結具用カートリッジを示す。
【
図24A】本発明の1実施形態による、
図23A〜23Cに示すカートリッジから外科用締結具を取り出す方法を示す。
【
図24B】本発明の1実施形態による、
図23A〜23Cに示すカートリッジから外科用締結具を取り出す方法を示す。
【
図24C】本発明の1実施形態による、
図23A〜23Cに示すカートリッジから外科用締結具を取り出す方法を示す。
【
図25A】本発明の1実施形態による、外科用締結具用カートリッジを示す。
【
図25B】本発明の1実施形態による、外科用締結具用カートリッジを示す。
【
図26】本発明の1実施形態による、外科用締結具を収容するカートリッジ用の支持ベース示す。
【
図27A】本発明の1実施形態による、湾曲した脚部を有する外科用締結具を示す。
【
図27B】本発明の1実施形態による、湾曲した脚部を有する外科用締結具を示す。
【
図27C】本発明の1実施形態による、湾曲した脚部を有する外科用締結具を示す。
【
図28】本発明の1実施形態による、開放式鼠径部手術中の挿入ツールの使用方法を示す。
【
図29】本発明の1実施形態による、開放式腹側固定手術中の挿入ツールの使用方法を示す。
【
図30】本発明の1実施形態による、腹腔鏡下手術中の挿入ツールの使用方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1A及び1Bを参照すると、1実施形態では、外科用締結具を分配するためのアプリケータシステム40は、ハンドル44を有する挿入ツール42、及びハンドル44から遠位に突出する細長いシャフト46を含むことが好ましい。1実施形態では、細長いシャフト46は、ハンドル44に固定された近位端部48及び挿入フォーク52が連結された遠位端部50を有する。本明細書の以下でより詳細に説明する通り、挿入フォーク52はこれらに固定されるために用いられる。
【0052】
1実施形態では、アプリケータシステム40は、カートリッジを保持する支持ベース56の頂部に取り付けられた1つ又は複数のカートリッジ54を含む。1実施形態では、各カートリッジ54は、カートリッジ54の頂面で接近可能な複数のスロット58を含む。単一の外科用締結具60がスロット58の各々の内部に配置される。1実施形態では、カートリッジ54の各々は、複数の外科用締結具60を収容する。1つのカートリッジ内の外科用締結具は同じ特性(例えば、同じサイズ)を有し得、又は1つのカートリッジ内の外科用締結具は異なる特性(例えば、サイズが小さい、中位、及び大きい)を有する異なる区画に分割され得る。1実施形態では、第1カートリッジ内の外科用締結具の全ては第1の特性(例えば、小さいサイズ)を有し得、第2カートリッジ内の外科用締結具の全ては第2の特性(例えば、大きいサイズ)を有し得る。
【0053】
1実施形態では、ベース56及びカートリッジ54は、ベース56の頂部にカートリッジを固定するために用いられるさねはぎ機構を有し得る。1実施形態では、さねはぎ機構は、カートリッジをベースに着脱自在に固定するため、かつ様々な特性を有する外科用締結具を有するカートリッジを組み合わせかつ適合させるために用いられる。カートリッジはさねはぎ機構を用いてベースの頂面上を摺動され得、続いてさねはぎ機構はカートリッジをベース頂部の所定の位置に保持する。
【0054】
図1B及び1B−1を参照すると、1実施形態では、外科用締結具を挿入ツール42の遠位端部に装填するために、細長いシャフト46の遠位端部50にあるフォーク52をカートリッジ54のスロット58のうちの1つに挿入して、スロット内に配置された外科用締結具を係合させる。外科用締結具を収容する細長いスロット部にフォークを装填する度に、単一の外科用締結具が挿入ツール42の遠位端部に装填される。
【0055】
図1B−1及び1Cを参照すると、1実施形態では、外科用締結具60を細長いシャフト46の遠位端部50にあるフォーク52に装填し終えた時に、フォーク52をカートリッジ54の細長いスロット部60から引き出すと、外科用締結具60はフォーク52に固定された状態を維持する。続いて、外科用メッシュなどのインプラントを組織に固定するために、フォーク52及びフォークに装填された外科用締結具60が組織に挿入される。挿入された外科用締結具は、インプラントと係合してインプラントを組織に固定することが好ましい。一旦、外科用締結具が組織に挿入されると、フォーク52が後退させられて、外科用締結具は組織内に配置された状態を維持する。
【0056】
図2A〜2Fを参照すると、1実施形態では、外科用締結具60は先端部又は遠位端部62及び終端部又は近位端部64を含むことが望ましい。外科用締結具60は、第1脚部の遠位端部に提供される第1挿入先端部68を有する第1脚部66、及び第2脚部の遠位端部に提供される第2挿入先端部72を有する第2脚部70を含むことが好ましい。1実施形態では、対応する脚部の近位端部から遠位端部にかけて移動すると、第1及び第2脚部66、70の各々の断面寸法は減少する。外科用締結具60は、第1及び第2脚部66、78の近位端部と接続する外科用締結具の近位端部64に隣接するブリッジ72を含むことが好ましい。1実施形態では、ブリッジ72は、これが第1及び第2脚部を相互接続する限りにおいて、外科用締結具の近位端部と遠位端部との間の任意の位置に配置され得る。外科用締結具60は、第1挿入先端部68から後方に突出する少なくとも1つの第1返し部74、及び第2挿入先端部72から後方に突出する少なくとも1つの第2返し部76を含むことが好ましい。各脚部では返し部が1つのみ示されているが、他の外科用締結具は各脚部又は挿入先端部に複数の返し部を有し得る。返し部は互いから離れるように延在し得るか(例えば、外向き返し部)、互いに向けて延在し得るか(例えば、内向き返し部)、又は同じ方向に向かって延在し得る(例えば、脚部の頂部又は底部から同じ方向に向かって延在する)。第1及び第2挿入先端部68、72は円錐形であり得る。対応する挿入先端部68、72は、第1及び第2脚部66、70の先端部を画定する最遠位点86、88を有することが好ましい。最遠位点86、88は鋭くても、又は鋭くなくても、即ち鈍くてもよい。1実施形態では、第1及び第2挿入先端部68、72は、鈍い遠位貫通点86、88を有する。鈍い点は、外科用締結具60が組織を貫通する一方で、操作者の手への望ましくない貫通を最小限にすることを可能にする。
【0057】
1実施形態では、第1及び第2挿入先端部68、72は、対応する第1及び第2脚部66、70の長手方向軸に対して傾斜することが好ましい。1実施形態では、挿入先端部は第1及び第2脚部の長手方向軸に対して外側に傾斜する。
【0058】
図2Bを参照すると、1実施形態では、ブリッジ72は、外科用締結具60の遠位端部62に面する凹状内側表面78及び外科用締結具の近位端部62から離れる方向に面する凸状外側表面80を含むことが好ましい。第1脚部66は、第1脚部の長手方向軸A
1に沿って延在する第1リブ82を有する外壁を有することが好ましい。第2脚部70は、第2脚部の長手方向軸A
2に沿って延在する第2リブ84を有する外壁を有することが好ましい。1実施形態では、第1及び第2挿入先端部68、72の遠位端部にある対応する最遠位点86、88間の距離D
1は、第1及び第2脚部66、70の対向する表面の間の距離D
2よりも大きいことが好ましい。第1及び第2先端部68、72の遠位貫通点間のより広い相対距離によって、外科用締結具が外科用メッシュのストランドなどの多孔質プロテーゼ装置のストランドと係合することが確実になることが好ましい。1実施形態では、外側に傾斜した挿入先端部68、72は、各脚部間の横方向距離D
2を広げることなく第1及び第2脚部の間の外科用メッシュ繊維を捕捉する可能性を高める。
【0059】
図2Cを参照すると、1実施形態では、外科用締結具60の第1脚部66は、第1脚部の長手方向軸A
1に沿って延在する第1リブ82を有する。
図2Cに示すように側面から見ると、第1挿入先端部68の遠位端部において、第1リブ82が最遠位点86と実質的に位置合わせされていることが好ましい。
【0060】
図2C−1は、最遠位点86を含む第1挿入先端部68の拡大図を示す。1実施形態では、最遠位点86によって、外科用締結具の遠位端部が組織を貫通しながらも、操作者の手への望ましくない貫通を最小限にすることが可能となる。
【0061】
図2Dを参照すると、1実施形態では、外科用締結具60の第2脚部70は、第2脚部70の長手方向軸A
2に沿って延在する第2リブ84を有する。
図2Dに示すように側面から見ると、第2挿入先端部72の遠位端部において、第2リブ84が最遠位点88と実質的に位置合わせされていることが好ましい。
【0062】
図2Eを参照すると、1実施形態では、それぞれ最遠位点86、88を含む第1及び第2挿入先端部68、72は、外科用締結具232の中央から外側に傾斜することが好ましい。1実施形態では、第1及び第2挿入先端部68、70は好ましくは非対称であり、外科用締結具60の中央から外側に延びるように構成される。
【0063】
図2Fを参照すると、1実施形態では、第1挿入先端部68の後面(即ち、近位端部)は、挿入フォーク52の第1の歯の遠位端部(
図1C)を受容するように構成された第1挿入ツール座部表面90を含むことが好ましい。第2挿入先端部72の後面は、挿入フォーク52の第2の歯の遠位端部(
図1C)を受容するように構成された第2挿入ツール座部表面92を含むことが好ましい。1実施形態では、第1及び第2挿入ツール座部表面は、凸状湾曲表面を画定することが好ましい。1実施形態では、挿入ツール座部表面90、92は、第1及び第2挿入先端部68、72の最遠位点86、88と実質的に位置合わせされることが好ましい。挿入フォークの歯の遠位端部は、対応する挿入ツール座部表面90、92の表面に適合する表面を有し得る。
【0064】
図2Gを参照すると、1実施形態では、第1脚部66は丸みを帯びた内面及び角のついた外面を有する。第1リブ82は第1脚部66の長さに沿って延在することが好ましい。第2脚部70は
図2Gの第1脚部に関して示したものと類似の機構を有することが望ましい。本発明はいかなる特定の動作理論にも限定されないが、
図2Gに示す脚部などの脚部を有する外科用締結具を提供することで、断面係数が増大することで外科用締結具の強度が増大するものと考えられる。丸みを帯びた内面及び角のついた外面を備える断面を有する脚部を提供することで、締結具が組織に挿入された後で外科用締結具を組織から引き抜くために必要な力が増加することも更に好ましい。
【0065】
1実施形態では、外科用締結具は吸収性及び/又は非吸収性材料から作製され得る。好適な吸収性材料としては、PDS、PDS/ラクチド−グリコリドブレンド、PLAなどが挙げられる。1実施形態では、各外科用締結具は外径5mmの管の内部にフィットする大きさである(一般的にはトロカール・カニューレの寸法)。外科用締結具は成形によって製作されるが、わずかな修正を加えて、キャスティング、スタンピング及び機械加工などの他のプロセスが使用され得る。1実施形態では、外科用締結具は、一般的な形状に押し出されて、その後成形され得る。
【0066】
図3A〜3Eを参照すると、1実施形態では、上述した
図2A〜2Gの外科用締結具60は、挿入ツールの細長いシャフト46(
図1A)の遠位端部において挿入フォーク52に装填される。1実施形態では、挿入フォーク52は、挿入ツールの細長いシャフトの遠位端部に連結された近位端部94、及び外科用締結具60のうちの1つ又は複数の表面に係合するように構成された遠位端部96を含むことが好ましい。1実施形態では、挿入フォーク52の遠位端部96は、その内部に形成される第1内側溝100を有する第1の歯98、及びその内部に形成される第2の内側溝104を有する第2の歯102を含むことが好ましい。1実施形態では、歯の内側溝100、104は互いに対向して、フォーク52の長手方向軸A−A(
図3a)と平行な軸に沿って延在することが好ましい。1実施形態では、内側溝100、104は、外科用締結具60の第1及び第2脚部66、70のリブ82、84の構造に概して適合するC形状の断面を有することが好ましい。
【0067】
図4A〜4Dを参照すると、1実施形態では、第1及び第2の歯98、102の対向する内側溝100、104を外科用締結具の対応する第1及び第2脚部66、70上のリブ82、84上で摺動させることによって、外科用締結具60がフォーク52に装填される。内側溝100、104とリブ82、84の係合が、外科用締結具60と挿入フォーク52の遠位端部96とを位置合わせして、組織に埋め込む間の外科用締結具を安定化させることが好ましい。1実施形態では、第1及び第2の歯98、102の最遠位先端部は、これらが第1及び第2挿入先端部68、72の近位端部に提供される挿入ツール座部表面90、92に当接するまで前進させられる。1実施形態では、フォーク52は、対応する第1及び第2挿入先端部68、72の近位端部に提供される挿入ツール座部表面90、92(
図4C)に歯98、102の遠位端部が当接するまで、軸A−Aに沿ってDIR1(
図4A)と指定された方向に前進させられる。
【0068】
図4Cを参照すると、1実施形態では、第1の歯98の遠位端部と第1挿入ツール座部表面90との係合により、フォーク52と外科用締結具60との間の第1接触点が提供されることが好ましい。第2の歯102の遠位端部と第2挿入ツール座部表面92との係合によって、フォーク52と外科用締結具60との間の第2接触点が提供される。1実施形態では、挿入フォーク52は外科用締結具60のブリッジ72の後面80と更に係合して、外科用締結具を組織に押し入れるための第3接触点をフォークと外科用締結具との間に提供する。
【0069】
図4Dを参照すると、1実施形態では、第1脚部66の第1リブ82は第1の歯98の凹状溝100内に捕捉され、第2脚部70の第2リブ84は第2の歯102の凹状溝104内に捕捉される。1実施形態では、第1及び第2脚部66、70が挿入フォーク52の歯98、102間で確実に固定されるように、第1及び第2リブ82、84の外面間の距離D
3が、対応する第1及び第2の歯98、102の対向する面99、103間の距離D
4よりも大きいことが好ましい。歯98、102がリブ82、84上を緩やかに摺動するように、リブ82、84の高さH
1は、凹状溝100、104の高さH
2よりもわずかに低い。
【0070】
本発明はいかなる特定の動作理論にも制限されないが、外科用締結具の脚部の外側表面上のリブと係合する溝付きの歯を有する挿入フォークを提供することは、アプリケータ器具の遠位端部から外科用締結具を分配する際に外科用締結具の安定性及び制御を向上させるものと考えられる。加えて、挿入力は、従来技術システムの場合のように外科用締結具の近位端部のみではなく、外科用締結具の遠位端部のより近傍に提供される。この特徴(すなわち、締結具の先端部の近くで外科用締結具に挿入力を提供すること)は、より小さい及び/又は低い外形の外科用締結具が使用されることを可能にし得る。挿入フォークはまた、フォークが締結具の終端部にて外科用締結具のブリッジと係合する更なる挿入力を更に提供する。
【0071】
図2A〜2Gに示す実施形態では、外科用締結具60のリブ82、84は、その近位端部と遠位端部との間で一定を保つ幅を有する。1実施形態では、外科用締結具は、リブの近位端部と遠位端部との間で変化する幅を有するリブを有し得る。
図5及び6A〜6Cはかかる1実施形態を示す。
【0072】
図5を参照すると、1実施形態では、外科用締結具60’は第1脚部66’及び第2脚部70’を含む。外科用締結具60’は、脚部に沿って延在するリブを除いては、
図2A〜2Gに示す外科用締結具と構造及び形状が概して類似する。
図5を参照すると、1実施形態では、外科用締結具の第2脚部70’は、第2脚部の長さに沿って延在するリブ84’を含む。
図5及び6Aを参照すると、第2リブ84’はより狭い近位区画84A’及びより広い遠位区画84B’を有し、より広い遠位区画84B’画は挿入フォーク52の第2の歯102上に提供された凹状溝104との締まりばめを形成するように構成される。図示されていないが、第1脚部66’が同様により狭い近位区画及びより広い遠位区画を有するリブを有し、それによってより広い遠位区画が第1の歯98の凹状溝100との締まりばめを形成するように設計されることが好ましい。
【0073】
図6B及び6Cを参照すると、第1及び第2の歯98、102の細長いチャネル100、104は、リブ84’の近位区画84A’の高さH
1(
図6C)よりもわずかに高い高さH
2を有する。リブ84’のより広い遠位区画84B’は、細長いチャネル100、104の高さH
2よりも高い高さH
3を有する。外科用締結具60’が挿入フォーク52の歯98、102上に装填されると、締まりばめがリブ82’、84’のより広い遠位区画と歯98、102の細長いC形状チャネル100、104との間に形成される。リブ82’、84’のより広い遠位区画とC形状チャネルとの間の締まりばめは、外科用締結具60’を初回装填後に挿入フォーク上に保持するのに十分強力である。しかしながら、締まりばめは、外科用締結具を組織に挿入した後に、組織に食い込んだ返し部74’、76’によって外科用締結具がフォークから引き抜かれるのを防ぐほど十分に強力でない。
【0074】
1実施形態では、第1及び第2リブ82’、84’のうちの1つだけが、より狭い近位区画及びより広い遠位区画を有し得る。1実施形態では、第1及び第2脚部の両方が、より狭い近位区画及びより広い遠位区画を備えた対応する第1及び第2リブを有する。
図6A、6B、及び6Cでは、第2リブ84’のより広い遠位区画84B’を明瞭化するため、第2脚部70’の返し部76’は切り取られている。
【0075】
本明細書に開示される挿入フォーク及び外科用締結具は、多様な機構を有する多種多様な外科用締結具挿入ツールに組み込まれ得る。アプリケータ器具は、独立型ツールであってもよく、又は他の周知される外科用ツールと組み合わせられてもよい。
【0076】
図7Aを参照すると、1実施形態では、外科用締結具挿入ツール140は、近位端部147及び遠位端部149を有するベース145を含むことが好ましい。ベース145の近位端部147は、近位端部面151の上端部に第1開口部153、及び近位端部面151の下端部に第2開口部155を備えた近位端部面151を有する。1実施形態では、ボディ145の近位端部面151内に形成された第1及び第2開口部153、155は、ボディ145の近位端部147と遠位端部149との間で狭まるテーパ状開口部であることが好ましい。
【0077】
1実施形態では、挿入ツール140はボディ145の遠位端部149に固定された挿入フォーク152を含むことが好ましい。挿入フォーク152はボディ145の長手方向軸A
1に対して横方向に延在することが好ましい。挿入フォーク152は、互いに対向し、かつその間に外科用締結具60を固定するように構成された第1の歯198及び第2の歯202を含む。挿入フォーク152は、
図3A〜3E及び4A〜4Dに示す実施形態に開示される1つ又は複数の機構を有し得る。
【0078】
図7B〜7Dを参照すると、1実施形態では、挿入ツール140は持針器165の遠位端部に固定され得る。1実施形態では、持針器165は、ボディ145の第1開口部153に挿入された第1顎部167、及びボディ145の第2開口部155に挿入された第2顎部169を有する。第1及び第2開口部153、155は、ボディ145が顎部に対してDIR2と指定された近位方向(
図7B)に押し付けられると、ボディ145と顎部167、169との間で密着適合が形成されるようなテーパ状であることが好ましい。
【0079】
図7B〜7Dは、挿入ツール140が持針器165の顎部167、169上に取り付けられた後の挿入ツール140を示す。外科用締結具60をフォーク152に装填するためには、フォーク152上の歯198、202が、外科用締結具60の第1及び第2脚部66、70と位置合わせされることが好ましい。
図7Eは、挿入フォーク152の歯198、202の間に固定された外科用締結具60を示す。
【0080】
図7C〜7Eを参照すると、1実施形態では、フォーク152は、持針器165の長手方向軸A
1と共に角度α
1を定める軸A
2に沿って延在する。1実施形態では、角度α
1は約90度である。1実施形態では、角度は鋭角であっても鈍角であってもよい。1実施形態では、フォーク152は湾曲した縫合針の形状及び構成を模倣する湾曲したシャフトを有する。
【0081】
本発明はいかなる特定の動作理論にも制限されないが、
図7A〜7Eに示す実施形態は、従来型の湾曲型縫合針の使用に非常に精通する外科手術人員に対してある程度の快適性、信頼性、及び効率性を加える外観、触感、及び操作特性を有する挿入ツールを提供するものと考えられる。
【0082】
図8A及び8Bを参照すると、1実施形態では、外科用締結具を組織に挿入するために用いられる挿入ツール240は、近位端部248、及び細長いシャフト242の遠位端部250に取り付けられた挿入フォーク252を備える遠位端部250を有する細長いシャフト242を含む。1実施形態では、細長いシャフト242は、その近位端部248と遠位端部250との間で湾曲していることが好ましい。1実施形態では、湾曲した細長いシャフト242はC形状の湾曲を画定する。
【0083】
挿入ツール240は、第1の歯298、及び第1の歯に対向する第2の歯302を有する挿入フォーク252を含む。挿入フォーク252は、
図3A〜3E及び4A〜4Dに示す実施形態に開示される1つ又は複数の機構を有し得る。挿入フォーク252は、本明細書にて示し、かつ記載した外科用締結具60(
図2A〜2G)、60’(
図5、6A〜6C)を固定するように構成される。
【0084】
図9A〜9Cを参照すると、1実施形態では、外科用締結具挿入ツール240の細長いシャフト242は、持針器165の締付け顎部167、169の間で把持される。外科用締結具60は、挿入ツール240の細長いシャフト242の遠位端部においてフォーク252に装填され得る。
図9Aは外科用締結具60の近位端部に位置合わせされたフォーク252を示す。
図9B及び9Cは、フォーク252の第1及び第2の歯298、302の間に固定された外科用締結具を示す。
【0085】
一旦、外科用締結具60がフォーク252に装填されると、挿入ツール240の細長いシャフト242は顎部167、169の間でクランプされ、挿入フォーク252は持針器165の長手方向軸A
1に対して概して垂直に配向して延在する。挿入フォーク252の歯298、302は、外科用締結具60を組織に挿入するために組織内に前進させられる。挿入ツール240の湾曲した細長いシャフト242は、湾曲した縫合針の外観、触感、及び操作特性を模倣する。
【0086】
図10A〜10Cを参照すると、1実施形態では、外科用締結具用の挿入ツール340は、ループ部を備えた近位端部348、及び挿入フォーク353が固定された遠位端部350を有する細長いシャフト342を含むことが好ましい。挿入ツール340の遠位端部におけるフォークは、外科用締結具60を挿入ツール340に固定するように構成される。挿入フォーク352は、
図3A〜3E及び4A〜4Dに示す実施形態に開示される1つ又は複数の機構を有し得る。挿入フォーク352は、本明細書にて示し、かつ記載した外科用締結具60(
図2A〜2G)、60’(
図5、6A〜6C)のいずれかを固定するように構成されることが好ましい。
【0087】
図10B及び10Cを参照すると、1実施形態では、持針器165の第1顎部167は挿入ツール340の近位端部348のループ部に挿入される。持針器165の第2顎部169は、挿入ツール340の近位端部348を持針器165の第1及び第2顎部167、169の間に固定するために、ループ部の外側上にクランプされる。挿入ツール340の遠位端部におけるフォーク352は、外科用締結具60を挿入ツールの遠位端部に固定するために用いられる。
図10Cは、外科用締結具60が挿入ツール340のフォーク352の歯398、402の間に固定された後の外科用締結具60を示す。挿入ツール340の細長いシャフト342は、持針器165の長手方向軸A
1に対する側面まで横方向に延在する。この構成の結果、挿入ツール340の使用は縫合針の使用を模倣し、これによって外科手術人員に対してある程度の親密性及び快適性が提供される。1実施形態では、細長いシャフト342は持針器の長手方向軸A
1に対して垂直である。1実施形態では、細長いシャフト342は、持針器165の長手方向軸A
1と共に鋭角又は鈍角を形成し得る。
【0088】
図11A〜11Cを参照すると、1実施形態では、挿入ツール440は、近位端部448及び遠位端部450を有するハンドル442を含む。挿入ツール440は、ハンドルの遠位端部に固定された挿入フォーク452を含むことが好ましい。挿入フォーク452は、互いに対向し、かつフォークに外科用締結具を装填するために用いられる歯498、502を有することが好ましい。1実施形態では、挿入フォーク452は、縫合針の形状及び構成を模倣する湾曲したシャフトを有する。挿入フォー352は、
図3A〜3E及び4A〜4Dに示す実施形態に開示される1つ又は複数の機構を有し得る。挿入フォーク352は、本明細書にて示し、かつ記載した外科用締結具60(
図2A〜2G)、60’(
図5、6A〜6C)のいずれかを固定するように構成されることが好ましい。
【0089】
1実施形態では、挿入フォーク452は、ハンドル442の長手方向軸A
1と垂直である軸A
5に沿って延在する。1実施形態では、挿入フォーク452は、ハンドル442の長手方向軸と共に鋭角又は鈍角を形成する軸に沿って延在し得る。
【0090】
1実施形態では、挿入フォーク452はハンドル442の遠位端部450に恒久的に固定される。1実施形態では、フォーク452の遠位端部の歯498、452は、カートリッジのスロットに挿入されて、対向する歯498、452の間の単一の外科用締結具に係合する。ハンドル442は外科手術人員によって把持され、挿入ツール440の使用は、外科用締結具(図示せず)を組織に挿入する工程に関して縫合針の使用を模倣する。
【0091】
図12A及び12Bを参照すると、1実施形態では、挿入ツール540は、近位端部548及び遠位端部550を有するハンドル542を含む。ハンドル542の遠位端部550は、対向する歯598、602を有する挿入フォーク552の近位端部を受容するように構成される軸方向開口部551を含む。フォーク452は、ハンドル542の長手方向軸A
1に沿って延在する細長いシャフトを有する。1実施形態では、フォーク452は使用後に取り外されて、異なる機構を有する別のフォークに交換され得る。1実施形態では、直線状のフォークを使用する代わりに、挿入フォークはその長さに沿って形成された角又は湾曲を有し得る。
【0092】
図13A及び13Bを参照すると、1実施形態では、外科用締結具用の挿入ツール640は、近位端部648及び遠位端部650を有するハンドル642を含むことが好ましい。挿入ツールは、ハンドル642の遠位端部650に固定された挿入フォーク652を有することが望ましい。1実施形態では、挿入フォーク652は、ハンドル642の長手方向軸A
1に沿って延在する近位区画655、及び近位区画655と共に角度を定める軸A
6に沿って延在する遠位区画665を有する。1実施形態では、挿入フォーク652の遠位区画665と近位区画655との間の角度は、約20〜40度、より好ましくは約30度である。フォーク652の遠位端部の歯698、702は、外科用締結具60をフォーク652に装填するために用いられる。
【0093】
図14を参照すると、1実施形態では、外科用締結具挿入ツール740は、近位端部748及び近位端部748から離れた遠位端部750を有するハンドル742を含むことが好ましい。挿入フォーク752はハンドル742の遠位端部750に固定される。挿入フォークは、外科用締結具に係合するように構成された対向する歯798、802を有する。挿入フォーク752は、ハンドル742の長手方向軸A
1と共にα
7と指定された角度を定める軸A
7に沿って延在する細長いシャフトを有する。
【0094】
図15を参照すると、1実施形態では、外科用締結具を組織に挿入するための挿入ツール840は、対向する第1及び第2締付け顎部167、169を有する持針器165を含む。本明細書に開示される挿入フォークと類似することが好ましい挿入フォーク852は、持針器165の対向する締付け顎部167、169の間に保持される。フォーク852は、対向する締付け半体の間に保持され得るか、又は締付け顎部167、169のうちの1つ又は複数に着脱自在に固定され得る。上述したように、フォーク852は外科用締結具を挿入ツール840の遠位端部に装填するために用いられる。
【0095】
図16を参照すると、1実施形態では、挿入フォーク952は、歯998、1002を含む遠位端部を有する。挿入フォーク952は、フォークに外科用締結具を装填し、外科用締結具を組織に挿入するために用いられ得る。挿入フォーク952は、歯998、1002の近位端部の近位にある停止部1005を含むことが好ましい。停止部はフォーク952が組織に挿入し過ぎることを防ぐことが好ましい。
【0096】
図17を参照すると、1実施形態では、外科用締結具挿入ツール1040は、ルアー取付具1005に連結された挿入フォーク1052を含むことが好ましい。ルアー取付具は、ルアー取付具1105に連結され得る医療機器に対して挿入フォークを固定するように構成される。1実施形態では、挿入フォーク1052は、第1軸A
1に沿って延在するルアー取付具1105と連結された近位区画1055、及び近位区画1055の軸A
1に対する角度α
8を定めるA
8と指定された軸に沿って延在する遠位区画1065を有する。1実施形態では、角度α
8は鈍角である。1実施形態では、ルアー取付具に連結されたフォークは、フォークの全長に沿って直線状であり得る。
【0097】
図18を参照すると、1実施形態では、挿入ツール1140は上記の
図17で説明した実施形態と概して類似するが、ルアー取付具1205は、ルアー取付具1205を把針器の遠位端部において締付け顎部に連結するために用いられ得るアダプタ1145を含むことが好ましい。
【0098】
図19A〜19Cを参照すると、1実施形態では、外科用締結具を組織に挿入するための挿入ツール1240は、細長い導管1249を有する外部シース1247及び外部シース1247の遠位端部に位置する遠位端部開口部1251を含むことが好ましい。挿入ツール1240は、細長いシャフト1246の遠位端部1250に固定された挿入フォーク1252を備える遠位端部1250を有する細長いシャフト1246含むことが好ましい。
【0099】
1実施形態では、挿入フォーク1252が、
図19Bに示す後退させられた位置と
図19Cに示す延伸された位置との間で選択的に移動可能となり得るように、細長いシャフト1246及び挿入フォーク1252は外部シース1247の細長い導管1249内に入れ子式に受容される。1実施形態では、フォーク1252は、外科用締結具をフォークに装填するために
図12Cで示す延伸された位置へと前進させられる。続いてフォークが
図19Bに示す位置まで後退させられると、外部シースの遠位端部は組織内を前進させられて、挿入フォーク1252は外部シース1247の遠位端部開口部1251内で後退させられた状態を維持する。
図19Cを参照すると、外部シース1247の遠位端部が外科用締結具のインプラント部位に対する所望の位置に到達すると、細長いシャフト1246及び挿入フォーク1252は、フォーク1252に装填される外科用締結具を組織に挿入するために外部シース1247の遠位端部において遠位端部開口部1251を超えて延伸させられる。1実施形態では、外部シース1247を有する挿入ツール1240は、開放式手術及び腹腔鏡下手術のいずれの間でも外科用締結具を組織に挿入するために用いられ得る。外部シースは、金属、プラスチック、ガラスなどといった生体適合性材料から製造され得る。
【0100】
図20を参照すると、1実施形態では、外科用締結具挿入ツール1340は、近位端部1348及び挿入フォーク1352が遠位端部1350に固定された遠位端部1350を有する細長いシャフト1346を含むことが好ましい。1実施形態では、挿入フォーク1352は、細長いシャフト1346の遠位端部1350に恒久的に固定される。しかしながら別の実施形態では、挿入フォーク1352は、細長いシャフト1346の遠位端部1350に着脱自在に固定される。
【0101】
1実施形態では、細長いシャフト1346は、フォーク1352が身体内の特定の解剖学的領域に到達することを可能にするジグザグ又は複数の湾曲部を有する経路に沿って延在することが望ましい。
図20に示す特定の実施形態では、細長いシャフト1346は、細長いシャフトの向きを変更して、その近位端部1348と遠位端部1350との間に遠回り経路を有する細長いシャフトを提供する、3つの湾曲部1346A、1346B、1346Cを有する。
【0102】
複数の外科用締結具を保持するためのカートリッジの使用は、上記の
図1A、1B、及び1B−1に開示されている。
図21A及び21Bを参照すると、1実施形態では、複数の外科用締結具を保持するためのカートリッジ1454は、外科手術人員がカートリッジ1454から外科用締結具60を取り外したいと所望するまで外科用締結具60の各々をカートリッジ内に保持するための保持機構を有することが好ましい。外科用締結具はカートリッジ1454から1回に1つずつ取り外されることが好ましい。
【0103】
1実施形態では、カートリッジ1454は、第1側壁部1455、第2側壁部1465、及び第1及び第2側壁部1455、1465の間を延在する中央壁部1475を含むことが望ましい。細長いスロット部1458は、第1及び第2側壁部1455、1465の上端部の間を延在して、各外科用締結具60への接近手段を提供する。1実施形態では、カートリッジ1454は、カートリッジの長さに沿って延在する複数の細長いスロット部1458を有することが好ましく、細長いスロット部の各々はカートリッジに装填された複数の外科用締結具のうちの1つに対応する。
【0104】
1実施形態では、第1側壁部1455の内面は、外科用締結具60の第1返し部74と係合するように構成されたレッジ1457を含むことが望ましい。第2側壁部1454の内面は、外科用締結具60の第2返し部76と係合するように構成された第2レッジ1467を含むことが望ましい。第1及び第2レッジ1457、1467は、外科用締結具がカートリッジから取り外されるまで外科用締結具60をカートリッジ内の所定の位置に保持することが好ましい。
【0105】
図21Aに示すように、外科用締結具60がカートリッジ1454の細長いスロット部1458に予備装填される時、外科用締結具60のブリッジ72は中央壁部1475の上端部の頂部に置かれ、返し部74、76の近位端部は第1及び第2側壁部1455、1465の対応するレッジ1457、1467内に位置することが好ましい。
【0106】
図21Bを参照すると、外科用締結具60をカートリッジ1454から取り外すために、挿入フォーク1452がカートリッジ1454の細長いスロット部1458に挿入される。挿入すると、挿入フォーク1452の遠位端部にある第1及び第2の歯1498、1502が、外科用締結具60の第1及び第2脚部66、70を、
図21Aに示す第1位置(即ち、互いから遠ざかるように延在する脚部66、70)から
図21Bに示す第2位置(即ち、概して互いに平行する脚部66、70)へと押し進め、その結果、外科用締結具60がフォーク1452に装填される。その結果、返し部74、76の近位端部はもはや第1及び第2レッジ1457、1467によって拘束されず、それによって外科用締結具60をカートリッジ1454から取り外すことが可能となる。
【0107】
図22A及び22Bを参照すると、1実施形態では、外科用締結具60”の第1及び第2脚部66”、70”は、脚部が一般にある角度で互いから遠ざかるように延在するようにモールド又はアニール処理され、それによってカートリッジ1554の第1側壁部1555及び第2側壁部1565の対向する内面に対する張力が維持される。挿入フォーク1552がカートリッジ1554の細長いスロット部1558に挿入されると、外科用締結具60”がカートリッジ1554から取り外され得るように、歯1598、1602が第1及び第2脚部66”、70”を中央壁部1575に向けて内方に折り曲げる。1実施形態では、カートリッジ1554は、カートリッジから1回に1つずつ取り外され得る複数の外科用締結具を収容することが好ましい。
【0108】
図23A〜23Dを参照すると、1実施形態では、複数の外科用締結具を保持するように設計されたカートリッジ1654は、2つの側壁部及び2つの端壁部によって包囲された中央チャンバ1559への接近手段を提供する頂部開口部1658を含むことが好ましい。カートリッジ1654は、互いに独立して移動する複数の第1可撓性アーム1655A〜1655Lを有する可撓性部材1625と、互いから独立して移動し、かつ第1可撓性アーム1655A〜1655Lのうちの1つと連結される複数の対向する第2可撓性アーム1665A〜1665Lと、第1及び第2可撓性アームの間のカートリッジ1654の長さに沿って延在する中央支持体1675と、を含むことが好ましい。
【0109】
図23Aに示すように、外科用締結具60は、第1可撓性アーム1655のうちの1つ、及び第1可撓性アーム1655のうちの1つに対応する第2可撓性アーム1665のうちの1つからなる各グループの頂部に配置されることが好ましい。
図23A〜23Cは、第1及び第2可撓性アームの平常位置を示す。挿入フォークが外科用締結具をカートリッジから取り外すために用いられる時は、第1及び第2可撓性アームは中央支持体1675に向かって内方に折り曲がるように設計される。
【0110】
図24A〜24Cを参照すると、1実施形態では、単一の外科用締結具60が、挿入フォーク1652の遠位端部にある歯1698、1702を外科用締結具60の脚部66、70と位置合わせすることによって、カートリッジ1654(
図23A〜23C)から取り外される。次に歯1698、1707は、歯1698、1702の遠位端部が挿入先端部68、72の近位端部において挿入ツール座部表面90、92に係合するまで脚部上を前進させられる。
【0111】
図24Bを参照すると、歯1698、1702が第1及び第2アーム66、70上を摺動すると、歯は第1及び第2アーム66、70を内方に押し進め、続いてそれにより可撓性部材1625の第1及び第2可撓性アーム1655、1665が内側に押し進められ、その結果、外科用締結具60が可撓性部材1625から解放される。1実施形態では、
図24Bに示す外科用締結具装填プロセスの段階では、外科用締結具60の第1及び第2アーム66、70は互いに平行であり、また可撓性部材1625の第1及び第2可撓性アーム1655、1665は互いに平行である。
【0112】
図24Cを参照すると、1実施形態では、外科用締結具60が挿入フォーク1652の歯1698、1702に装填された後で、フォークはカートリッジ1654(
図24A)から後退させられる。外科用締結具の脚部66、70が可撓性部材1625の第1及び第2可撓性アーム1655、1665から持ち上げられると、可撓性アームは、
図24Bに示す圧縮された位置から
図24Cに示す圧縮されない位置へと、平常位置に戻るために互いから飛び離れる。
【0113】
図25A及び25Bを参照すると、1実施形態では、カートリッジ1754は、互いに対抗し、かつカートリッジの長さに沿って延在する第1及び第2側壁部1755、1765、並びに互いに対抗し、かつ第1及び第2側壁部の間を延在する第1及び第2端壁部1775、1777を有するボディを含む。1実施形態では、側壁部1755、1765のうちの1つ又は複数の外側表面、及び端壁部1775、1777のうちの1つ又は複数の外側表面は、外科手術人員によるカートリッジの把持及び制御を容易にする凹状表面を有し得る。
【0114】
1実施形態では、カートリッジ1754は、その内部に形成された複数の細長いスロット部1758を有する天板1785を含むことが好ましい。細長いスロット部1758の各々は、カートリッジ1754に予備装填された単一の外科用締結具60(
図2A、
図5)への接近手段を提供することが好ましい。1実施形態では、カートリッジ1754は、カートリッジの底部に沿って延在する底板1795を有することが望ましい。天板1785及び底板1795は、カートリッジの対応する第1及び第2側壁部1755、1765を超えて横方向に延在して、カートリッジの対応する頂部及び底部に沿って延在する保護フランジ及び/又は取付レールを提供する側方縁部を有することが好ましい。1実施形態では、底板1795上の横方向に延在する縁部は、カートリッジが基板にしっかりと取り付けられ、続いて所望の場合は基板から容易に取り外され得るように、カートリッジ1754が基板上で固定要素と相互作用することを可能にする第1及び第2レール1797、1799を画定することが好ましい。1実施形態では、カートリッジが使用者の指によって保持された時、挿入ツールのフォークが細長いスロット部1758のうちの1つに挿入されると、天板1785上の第1及び第2の横方向に延在する縁部が使用者の指を保護する。更に、第1及び第2の横方向に延在する縁部は、カートリッジ1754の制御性を高め得る。
【0115】
1実施形態では、カートリッジ1754は、カートリッジの第1側壁部1755の長さに沿って、かつ天板1785の第1側方縁部と底板1795の第1レール1797との間を延在する第1側部チャネル1759含むことが好ましい。カートリッジは、第2側壁部1769の長さに沿って、かつ天板1785の第2側方縁部と底板1795の第2底部レール1799との間を延在する、第2側部チャネル1769含むことも更に好ましい。
【0116】
図26を参照すると、1実施形態では、支持ベース1856は、本明細書に開示されるカートリッジのうちの1つ又は複数をベースに固定するために用いられる。1実施形態では、ベース1856は、ベース1856の頂面に固定された1つ又は複数のプレート1857を含むことが好ましい。細長いスロット部1859はプレート1857の間を延在することが望ましい。細長いスロット部の幅は、カートリッジの第1及び第2側壁部の間の距離と一致することが好ましく、カートリッジの底板におけるレールは、細長いスロット部1859の幅よりも長い距離を定めることが好ましい。1実施形態では、カートリッジ1854の底部に沿って延在するレールは、カートリッジをベース1856にしっかりと保持するために、細長いスロット部1859内に摺動されることが望ましい。
【0117】
図27A〜27Cを参照すると、1実施形態では、外科用締結具260は、第1脚部266、第2脚部270、並びに第1及び第2脚部266、270の近位端部を相互接続するブリッジ272を含むことが好ましい。外科用締結具260は、第1及び第2脚部266、270の最遠位端部に提供される挿入先端部268、272を含む。1実施形態では、第1挿入先端部268は第1返し部274を有し、第2挿入先端部272は第2返し部276を有する。各挿入先端部では返し部が1つだけ示されているが、他の実施形態では、各挿入先端部は2つ又は3つ以上の返し部を有し得る。第1及び第2脚部266、270は、ブリッジ272と外科用締結具の遠位端部にある挿入先端部268、272との間で湾曲する。第1及び第2脚部は、対応する脚部266、270の長さに沿って延在する、対応するリブ282、284を更に有する。リブ282、284も湾曲しており、また第1及び第2脚部の曲率を正確に反映することが好ましい。
【0118】
図27Cに示す実施形態では、第1及び第2返し部274、276は互いから離れるように延在する。1実施形態では、第1及び第2脚部266、260の遠位端部において提供される返し部は、矢印A、AAによって示されるように互いに向けて延在し得る。
図27Bを参照すると、1実施形態では、対応する第1及び第2脚部の各々の上の返し部は、矢印B、BBによって示されるように(「上方」)、同じ方向に、及び/又は対応する脚部の頂面から上方へと、延在し得る。
図27Bを参照すると、1実施形態では、対応する第1及び第2脚部の各々の上の返し部は、矢印C、CCによって示されるように(「下方」)、同じ方向に、及び/又は対応する脚部の底面から下方へと、延在し得る。
【0119】
図28を参照すると、1実施形態では、本明細書に開示される外科用締結具挿入ツール及び外科用締結具は、インプラントを組織に固定するための開放式鼠径部手術中に用いられ得る。
【0120】
図29を参照すると、1実施形態では、本明細書に開示される外科用締結具挿入ツール及び外科用締結具は、開放式腹側固定手術中に用いられ得る。1実施形態では、外科用締結具及び挿入フォークは、シースの遠位端部が所望の位置に到達するまで保護外部シースによって覆われ、また、その上に装填された外科用締結具を備える挿入フォークは、外科用インプラントを組織に固定するために外部シースの遠位端部を超えて延在する。
【0121】
図30を参照すると、1実施形態では、本明細書に開示される外科用締結具挿入ツール及び外科用締結具は、外科用インプラントを組織に固定するための腹腔鏡手術中に用いられ得る。
【0122】
本明細書で使用する見出しは、組織化する目的のためだけのものであり、説明又は特許請求の範囲を限定するために使用することを意図したものではない。本願の全体を通じて使用される時、「し得る(may)」という語は、義務の意味(即ち必須を意味する)ではなく、許可の意味で使用されている(即ち、あることを行う可能性を有することを意味する)。同様に、「含む(include、including、及びincludes)」は、それらを含むが限定されないことを意味する。理解を容易にするために、各図に共通する同様の要素を示すために、可能な限り、同様の参照符号が使用されている。
【0123】
上記の説明は本発明の実施形態に関するものであるが、本発明の他の及び更なる実施形態も本発明の基本的な範囲から逸脱することなく行われることが可能であり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。例えば、本発明は、本明細書に記載した任意の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴に、本明細書に記載した任意の別の実施形態に示される、又は参照により本明細書に組み込まれる任意の特徴を組み込むことができ、それらは尚、本明細書の範囲内に含まれることが意図されている。
【0124】
〔実施の態様〕
(1) 外科用締結具用のアプリケータシステムであって、
シャフトを有する挿入ツールであって、前記シャフトが、近位端部、遠位端部、及び前記シャフトの前記遠位端部に連結された挿入フォークを備える、挿入ツールと、
複数の外科用締結具を収容する少なくとも1つのカートリッジであって、前記外科用締結具が、前記外科用締結具のうちの1つを前記挿入フォークに係合させ、前記係合された外科用締結具を前記カートリッジから取り外すことによって、前記カートリッジから1回に1つずつ取り外される、カートリッジと、を含む、アプリケータシステム。
(2) 前記挿入ツールの前記シャフトが湾曲状である、実施態様1に記載のアプリケータシステム。
(3) 前記挿入ツールの前記シャフトが傾斜状又は直線状である、実施態様1に記載のアプリケータシステム。
(4) 遠位端部に締付け顎部を有する外科用器具を更に備え、前記挿入ツールが前記外科用器具の前記締付け顎部の間に保持される、実施態様1に記載のアプリケータシステム。
(5) 前記外科用器具が長手方向軸を有し、前記挿入ツールが前記外科用器具の前記締付け顎部の間に保持されるとき、前記挿入ツールの前記シャフトが、前記外科用器具の前記長手方向軸を横断する第2軸に沿って横方向に延在する、実施態様4に記載のアプリケータシステム。
【0125】
(6) 前記挿入ツールの前記シャフトの前記第2軸が、前記外科用器具の前記長手方向軸との角度を定める、実施態様5に記載のアプリケータシステム。
(7) 前記挿入ツールの前記シャフトの前記第2軸が、前記外科用器具の前記長手方向軸に対して垂直である、実施態様5に記載のアプリケータシステム。
(8) 前記挿入ツールの前記第2軸と前記外科用器具の前記長手方向軸との間の前記角度が鈍角である、実施態様6に記載のアプリケータシステム。
(9) 前記挿入ツールの前記第2軸と前記外科用器具の前記長手方向軸との間の前記角度が鋭角である、実施態様6に記載のアプリケータシステム。
(10) 前記外科用締結具の各々が、
近位端部及び遠位端部を有する第1脚部と、
前記第1脚部の前記遠位端部における第1挿入先端部と、
近位端部及び遠位端部を有する第2脚部と、
前記第2脚部の前記遠位端部における第2挿入先端部と、
前記第1及び第2脚部の前記近位端部を相互接続し、前記第1及び第2脚部の前記近位端部間を延在するブリッジと、を含む、実施態様1に記載のアプリケータシステム。
【0126】
(11) 前記第1及び第2脚部が直線状又は湾曲状である、実施態様10に記載のアプリケータシステム。
(12) 前記挿入フォークがその遠位端部から延在する第1及び第2の歯を有し、前記カートリッジから取り外されるよう前記外科用締結具を前記挿入フォークに装填するために、前記第1の歯が前記第1脚部と係合し、前記第2の歯が前記第2脚部と係合する、実施態様10に記載のアプリケータシステム。
(13) 前記第1脚部が、前記第1脚部の前記近位端部と前記遠位端部との間を延在する第1位置合わせリブを有し、前記第2脚部が、前記第2脚部の前記近位端部と前記遠位端部との間を延在する第2位置合わせリブを有する、実施態様12に記載のアプリケータシステム。
(14) 前記第1の歯が第1凹状溝を有し、前記第2の歯が第2凹状溝を有し、前記外科用締結具を前記挿入フォークに装填するために、前記第1及び第2溝が前記第1及び第2脚部の前記第1及び第2位置合わせリブ上をそれぞれ摺動する、実施態様13に記載のアプリケータシステム。
(15) 前記第1及び第2位置合わせリブが第1高さを有し、前記第1及び第2凹状溝が、前記位置合わせリブの前記第1高さよりも高い第2高さを有する、実施態様14に記載のアプリケータシステム。
【0127】
(16) 前記位置合わせリブの各々が、前記歯の前記第1及び凹状溝の前記第2高さよりも高い第3高さを定めるより広い遠位区画を有して、前記歯と前記位置合わせリブの前記より広い遠位区画との間に締まりばめを形成する、実施態様14に記載のアプリケータシステム。
(17) 前記少なくとも1つのカートリッジがその内部に形成された複数のスロットを有し、前記外科用締結具のうちの1つが前記スロットの各々に収容される、実施態様1に記載のアプリケータシステム。
(18) 前記少なくとも1つのカートリッジが、外科用締結具を収容する2つ又は3つ以上のカートリッジを含み、各前記カートリッジ内の前記外科用締結具の特性が異なる、実施態様1に記載のアプリケータシステム。
(19) 前記カートリッジのうちの第1カートリッジ内に収容された前記外科用締結具が、前記カートリッジのうちの第2カートリッジ内に収容された前記外科用締結具よりも大きい、実施態様18に記載のアプリケータシステム。
(20) 外科用締結具用のアプリケータシステムであって、
シャフトを有する挿入ツールであって、前記シャフトが、近位端部、遠位端部、及び前記シャフトの前記遠位端部に連結された挿入フォークを備える、挿入ツールと、
複数の外科用締結具を収容する少なくとも1つのカートリッジであって、前記外科用締結具が、前記外科用締結具のうちの1つを前記挿入フォークに係合させ、前記係合された外科用締結具を前記カートリッジから取り外すことによって、前記カートリッジから1回に1つずつ取り外される、カートリッジと、
遠位端部に締付け顎部を有する外科用器具であって、前記挿入ツールが前記外科用器具の前記締付け顎部間に保持される、外科用器具と、を含む、アプリケータシステム。
【0128】
(21) 外科用締結具用のアプリケータシステムであって、
シャフトを有する挿入ツールであって、前記シャフトが、近位端部、遠位端部、及び前記シャフトの前記遠位端部に連結された挿入フォークを備える、挿入ツールと、
2つ又は3つ以上のカートリッジであって、前記カートリッジの各々が複数の外科用締結具を収容し、前記カートリッジのうちの第1カートリッジ内の前記外科用締結具が、前記カートリッジのうちの第2カートリッジ内の前記外科用締結具とは異なる特性を有し、前記外科用締結具が、前記外科用締結具のうちの1つと前記挿入フォークとを係合させ、前記係合された外科用締結具を前記カートリッジから取り外すことによって、前記カートリッジから1回に1つずつ取り外される、カートリッジと、を含む、アプリケータシステム。
(22) インプラントを組織に固定する方法であって、
インプラントを組織に固定するために使用される複数の外科用締結具を収容するカートリッジを提供する工程と、
シャフトを有する挿入ツールを提供する工程であって、前記シャフトが近位端部、遠位端部、及び前記シャフトの前記遠位端部に連結された挿入フォークを備える、工程と、
前記外科用締結具のうちの1つを前記挿入フォークに装填するために、前記挿入フォークを前記カートリッジに手動的に挿入する工程と、
前記装填された外科用締結具を備える前記挿入フォークを前記カートリッジから取り外す工程と、
前記挿入フォーク及び前記装填された外科用締結具を、組織を覆うインプラントと並置する工程と、
前記挿入フォークを用いて、前記装填された外科用締結具を前記インプラントを通じて前記組織内に手動的に前進させて、前記外科用締結具を前記組織内に挿入する工程と、
前記挿入フォークを前記インプラントから後退させる工程であって、前記挿入された外科用締結具が前記組織内に依然として留まって、前記インプラントを前記組織に固定する、工程と、を含む、方法。
(23) 対向する締付け顎部を備える遠位端部を有する外科用器具を提供する工程と、
前記手動的に前進させる工程の間に前記挿入ツールを前記外科用器具の前記締付け顎部の間に保持する工程であって、前記保持された挿入ツールの前記シャフトが、前記外科用器具の長手方向軸を横断する第2軸に沿って延在する、工程と、を更に含む、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記挿入ツールの前記シャフトが湾曲状である、実施態様23に記載の方法。