(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297691
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】並進運動する弁組立体を備えた生検装置
(51)【国際特許分類】
A61B 10/02 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
A61B10/02 110H
A61B10/02 110K
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-532638(P2016-532638)
(86)(22)【出願日】2014年11月24日
(65)【公表番号】特表2017-500089(P2017-500089A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】US2014067106
(87)【国際公開番号】WO2015077699
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2016年5月19日
(31)【優先権主張番号】61/908,399
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511148271
【氏名又は名称】デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Devicor Medical Products, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
(72)【発明者】
【氏名】ラド・エドワード・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ノック・アンドリュー・ピー
【審査官】
門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−005248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生検装置において、
(a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位に延びる針であって、前記針は、第1の内腔および第2の内腔を画定し、前記第1の内腔は、第1の長さ方向軸に沿って延び、前記第2の内腔は、第2の長さ方向軸に沿って延び、前記針は、前記第1の内腔を前記第2の内腔と流体連結する開口部を含む、針と、
(c)組織を切断するために前記針に対して並進運動するように構成されたカッターと、
(d)弁組立体であって、
(i)通気開口部、および、
(ii)第1の位置と第2の位置との間を前記通気開口部に対して動くことができるスプール本体、
を含む、弁組立体と、
を含み、
前記針の前記第2の内腔は、前記スプール本体が前記第1の位置にあるときに前記通気開口部に連結され、
前記第2の内腔は、前記スプール本体が前記第2の位置にあるときに前記通気開口部に対してシールされ、
前記スプール本体は、前記カッターの並進運動に常時従って動くことによって、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移行するように構成されている、生検装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生検装置において、
前記針は、横方向組織受容孔をさらに画定し、
前記横方向組織受容孔は、前記第1の内腔へと通じており、
前記カッターは、前記組織受容孔を通って突出する組織を切断するように動作可能である、生検装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生検装置において、
前記カッターは、前記第1の長さ方向軸に沿って並進運動するように構成されている、生検装置。
【請求項4】
請求項3に記載の生検装置において、
前記カッターは、前記第1の内腔の中に位置付けられている、生検装置。
【請求項5】
請求項3に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記通気開口部に対して前記第1の長さ方向軸に沿って動くことができる、生検装置。
【請求項6】
請求項5に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記カッターに連結されており、前記カッターの並進運動が、前記第1の長さ方向軸に沿った前記スプール本体の動きに一致する、生検装置。
【請求項7】
請求項6に記載の生検装置において、
前記カッターは、第1の位置と第2の位置との間を並進運動することができ、
前記カッターの前記第1の位置は、前記スプール本体が前記スプール本体の前記第1の位置にあることに対応し、
前記カッターの前記第2の位置は、前記スプール本体が前記スプール本体の前記第2の位置にあることに対応している、生検装置。
【請求項8】
請求項7に記載の生検装置において、
前記カッターは、前記カッターが前記第1の位置にあるときに、前記針に対して遠位に完全に前進した状態にあり、
前記カッターは、前記カッターが前記第2の位置にあるときに、前記針に対して近位に完全に前進した状態にある、生検装置。
【請求項9】
請求項1に記載の生検装置において、
前記弁組立体は、マニホールドをさらに含み、
前記通気開口部は、前記マニホールドによって画定されている、生検装置。
【請求項10】
請求項9に記載の生検装置において、
前記マニホールドは、前記本体の遠位端部にしっかりと固定されており、
前記マニホールドは、前記本体の遠位端部から近位に延びている、生検装置。
【請求項11】
請求項10に記載の生検装置において、
前記針は、前記マニホールドから遠位に延び、
前記針は、前記マニホールドに対して流体シールされている、生検装置。
【請求項12】
請求項11に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記マニホールドの内部に配されており、
前記スプール本体は、前記通気開口部に対して前記マニホールドの内部でスライド可能である、生検装置。
【請求項13】
請求項12に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、遠位端部および近位端部を含み、
前記遠位端部および前記近位端部はそれぞれ、シールを含み、
前記シールは、前記マニホールドの内表面と前記スプール本体の外表面との間に流体シールを作るように動作可能である、生検装置。
【請求項14】
請求項13に記載の生検装置において、
前記スプール本体の前記遠位端部および前記近位端部の前記シールは、ゴムのOリングを含む、生検装置。
【請求項15】
請求項13に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記カッターの周りに同軸に配されている、生検装置。
【請求項16】
生検装置において、
(a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位に延びる針であって、前記針は、第1の内腔および第2の内腔を画定し、前記第2の内腔は、前記第1の内腔からオフセットしており、前記針は、前記第1の内腔を前記第2の内腔と流体連結させる開口部を含む、針と、
(c)組織を切断するために前記針に対して動くことができるカッターと、
(d)弁組立体であって、
(i)通気開口部、および、
(ii)弁部材、
を含む、弁組立体と、
を含み、
前記弁部材は、前記通気開口部を前記針の前記第2の内腔と選択的に連結および分離させるために前記カッターの並進運動と一致して前記通気開口部に対して並進運動するように構成されている、生検装置。
【請求項17】
請求項16に記載の生検装置において、
前記本体の遠位端部から近位に延びるマニホールドをさらに含み、
前記針は、前記マニホールドに対して同軸に位置付けられ、前記針は、前記マニホールドから遠位に延び、
前記通気開口部は、前記マニホールドによって画定されている、生検装置。
【請求項18】
請求項17に記載の生検装置において、
前記弁部材は、前記マニホールドの内部に配され、
前記弁部材は、前記マニホールドの内部と前記弁部材の外部との間をシールするように構成された、少なくとも2つのシールを含み、
前記弁部材は、前記マニホールドの内部をスライド可能であり、前記シールは、第1の位置と第2の位置との間を前記通気開口部に対して動くことができる、生検装置。
【請求項19】
請求項18に記載の生検装置において、
前記通気開口部は、前記シールが前記第1の位置にあるとき、前記弁部材の前記シール間に位置付けられ、
前記通気開口部は、前記シールが前記第2の位置にあるとき、前記シールの近位に位置付けられている、生検装置。
【請求項20】
生検装置において、
(a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位に延びる針であって、前記針は、第1の内腔および第2の内腔を画定し、前記第1の内腔は、第1の長さ方向軸に沿って延び、前記第2の内腔は、第2の長さ方向軸に沿って延び、前記針は、前記第1の内腔を前記第2の内腔と流体連結させる開口部を含む、針と、
(c)組織を切断するために前記針に対して並進運動するように構成されたカッターと、
(d)通気開口部を画定するマニホールドと、
(e)前記カッターに対して長さ方向および同軸に固定されたスプール本体であって、前記スプール本体は、前記通気開口部を前記針の前記第2の内腔と選択的に連結および分離するために前記通気開口部に対して前記マニホールドの内部で並進運動可能である、スプール本体と、
を含む、生検装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔背景〕
生検サンプルは、さまざまな装置を使用した種々の医療処置においてさまざまな方法で得られてきた。生検装置は、定位固定誘導、超音波誘導、MRI誘導、PEM誘導、BSGI誘導、またはその他の下で使用され得る。例えば、一部の生検装置は、ユーザーが片手で十分に操作可能であり、1回の挿入で、患者から1つまたは複数の生検サンプルを捕捉することができる。さらに、一部の生検装置は、例えば流体(例えば、加圧空気、食塩水、大気、真空など)の連通のため、電力伝達のため、および/またはコマンドなどの通信のために、真空モジュールおよび/または制御モジュールにつながれることができる。他の生検装置は、別の装置とつながれたり、別様に接続されたりせずに、完全に、または少なくとも部分的に動作可能とすることができる。他の生検装置は、別の装置とつながれたり、別様に接続されたりせずに、完全に、または少なくとも部分的に動作可能とすることができる。
【0002】
単に例示的な生検装置が、以下に開示されている:「Method and Apparatus for Automated Biopsy and Collection of Soft Tissue」の名称で1996年6月18日に発行された米国特許第5,526,822号;「Control Apparatus for an Automated Surgical Biopsy Device」の名称で2000年7月11日に発行された米国特許第6,086,544号;「MRI Compatible Surgical Biopsy Device」の名称で2003年6月12日に公開された米国特許出願公開第2003/0109803号;「Biopsy Apparatus and Method」の名称で2006年4月6日に公開された米国特許出願公開第2006/0074345号;「Remote Thumbwheel for a Surgical Biopsy Device」の名称で2007年5月24日に公開された米国特許出願公開第2007/0118048号;「Presentation of Biopsy Sample by Biopsy Device」の名称で2008年9月4日に公開された米国特許出願公開第2008/0214955号;「Clutch and Valving System for Tetherless Biopsy Device」の名称で2009年7月2日に公開された米国特許出願公開第2009/0171242号;「Hand Actuated Tetherless Biopsy Device with Pistol Grip」の名称で2010年6月17日に公開された米国特許出願公開第2010/0152610号;「Biopsy Device with Central Thumbwheel」の名称で2010年6月24日に公開された米国特許出願公開第2010/0160819号;「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」の名称で2010年12月16日に公開された米国特許出願公開第2010/0317997号;「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」の名称で2012年5月3日に公開された米国特許出願公開第2012/0109007号;「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」の名称で2012年12月6日に公開された米国特許出願公開第2012/0310110号。前記に列挙した米国特許、米国特許出願公開、および米国非仮特許出願それぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
いくつかのシステムおよび方法が、生検サンプルを入手するために作られ使用されてきたが、発明者らより前に、請求項に記載する発明を行うか、または使用した者はいないと考える。
【0004】
本明細書は、この生検装置を具体的に指し示し明白に主張する請求項で締めくくられるが、この生検装置は、添付図面と共に理解される特定の実施例に関する以下の説明から、より良く理解されると考えられる。添付図面では、同様の参照符号が、同じ要素を特定している。
【0005】
〔詳細な説明〕
この生検装置の特定の実施例に関する以下の説明は、この生検装置の範囲を制限するために使用されるべきではない。この生検装置の他の実施例、特徴、態様、実施形態、および利点が、以下の説明から当業者には明らかとなるであろう。以下の説明は、例として、この生検装置を実施するために企図される最良の方式のうちの1つである。認識されるであろうが、生検装置は、この生検装置の趣旨から逸脱しない、他の異なる明らかな態様が可能である。したがって、図面および説明は、例示的な性質のものとみなされるべきであり、限定的なものではない。
【0006】
参照により本明細書に組み込まれると言われた任意の特許、公報、または他の開示資料は、全体として、または部分的に、組み込まれる資料が本開示に記載される既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることが理解されるべきである。したがって、必要な範囲で、本明細書に明白に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する資料に優先する。参照により本明細書に組み込まれると言われたが、本明細書に記載される既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾する、あらゆる資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲で、組み込まれるに過ぎない。
【0007】
I.例示的な生検装置の概観
図1は、プローブ(20)およびホルスター(30)を含む例示的な生検装置(10)を示している。プローブ(20)は、プローブ(20)のケーシングから遠位側に少なくとも部分的に延びる針組立体(100)を含む。針組立体(100)は、以下に記載するように組織サンプルを得るために患者の組織に挿入可能である。生検装置(10)は、組織サンプルホルダー(40)をさらに含み、組織サンプルホルダー(40)の中に組織サンプルが入れられる。ほんの一例として、プローブ(20)は、使い捨ての構成要素であってよく、ホルスター(30)は、
図2に示すように、プローブ(20)を連結することができる、再利用可能な構成要素であってよい。本明細書で「ホルスター」という用語を使用することは、プローブ(20)の任意の部分がホルスター(30)の任意の部分に挿入されることを必要とするものとして読み取るべきではない。実際、生検装置(10)の1つの構成では、プローブ(20)は、単にホルスター(30)の上に位置付けられてよい。あるいは、プローブ(20)の一部が、ホルスター(30)に挿入されて、プローブ(20)をホルスター(30)に固定することができる。さらに別の構成では、ホルスター(30)の一部が、プローブ(20)に挿入され得る。さらに、プローブ(20)およびホルスター(30)は、1つのユニットとして一体的に形成され得る。
【0008】
プローブ(20)およびホルスター(30)が分離可能な部材である構成では、ポートおよび/またはシール(32)が、ホルスター(30)上に設けられて、プローブ(20)上の第2のポートおよび/または第2のシール(26)と連結してよく、ホルスター(30)内部の真空ポンプ(50)により生じる真空が、プローブ(20)に流体接続され得る。ホルスター(30)は、歯車(34、36)を提供することもでき、歯車(34、36)は、プローブ(20)上の歯車(310、312)と結合し、係合する。ホルスター(30)とプローブ(20)との間で真空および推進力を伝える、
図2に描かれた構成は単に例示的なものであることを、理解されたい。いくつかのバージョンでは、このような構成は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」の名称で2012年6月26日に発行された米国特許第8,206,316号および/または「Biopsy Device Tissue Sample Holder with Removable Tray」の名称で2012年3月15日に公開された米国特許出願公開第2012/0065542号の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。
【0009】
ホルスター(30)およびプローブ(20)が接続された状態で、真空ポンプ(50)は、組織サンプルホルダー(40)および管状カッター(60)を介して、針組立体(100)内部に真空を誘発することができる。しかしながら、真空が他の方法で提供され得ることを、理解されたい。例えば、真空ポンプ(50)は、ホルスター(30)およびプローブ(20)から独立していてよく、また、単に、真空チューブによって、生検装置(10)上の適切なポートに連結され得る。生検装置(10)は、さらに、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」の名称で2014年7月1日に発行された米国特許第8,764,680号および/または「Biopsy Device Tissue Sample Holder with Removable Tray」の名称で2012年3月15日に公開された米国特許出願公開第2012/0065542号の教示の少なくとも一部に従って、構成されてよい。プローブ(20)およびホルスター(30)の他の適切な構造的および機能的組み合わせは、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0010】
II.例示的なホルスター
図3に概略的に示されたホルスター(30)は、真空ポンプ(50)と、モーター(70)と、制御モジュール(1000)と、真空センサー(52)と、任意の他の適切な電気的および/または電気機械的構成要素と、を含む。本実施例の真空ポンプ(50)は、モーター(70)に機械的に連結された、従来的なダイヤフラムポンプを含む。真空センサー(52)は、真空ポンプ(50)に連結されるか、または、そこから任意の真空経路に沿っており、真空センサー(52)は、真空ポンプ(50)が生成する真空のレベルを決定することができる。真空センサー(52)は、制御モジュール(1000)に電気的に連結され、真空センサー(52)は、真空レベルを示す信号を、制御モジュール(1000)に出力することができる。図示の構成では、モーター(70)は、以下に記載するようにカッター(60)を並進運動および/または回転させ、かつ真空ポンプ(50)を作動させるように動作可能であるが、これは、単にオプションであり、第2のモーター(不図示)が真空ポンプ(50)を動作させるために設けられてもよい。具体的には、モーターが、カッター駆動組立体(不図示)に連結され得る。このようなカッター駆動組立体(不図示)は、歯車(34、36)を同時に回転させることができる。前述のとおり、歯車(34、36)は、プローブ(20)の歯車(310、312)と噛み合い、これにより、モーター(70)は、カッター(60)を並進運動および/または回転させることができる。本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろうが、ホルスター(30)の他のさまざまな構成が提供され得る。ほんの一例として、カッター駆動組立体(不図示)および/またはホルスター(30)の他の特徴部は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」の名称で2012年6月26日に発行された米国特許第8,206,316号および/または「Handheld Biopsy Device with Needle Firing」の名称で2014年7月1日に発行された米国特許第8,764,680号の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。
【0011】
III.例示的なプローブ
図4は、針組立体(100)、カッター作動組立体(300)、プローブハウジング(22、24)、および組織サンプルホルダー(40)を示す、プローブ(20)の部分分解組立図を描いている。針組立体(100)は、針部分(110)および弁組立体(200)を含む。以下でさらに詳細に記載するように、針組立体(100)は、一般的に、組織を貫通するように動作可能であり、その組織のところに、カッター(60)が位置付けられて、患者から組織サンプルを切断し、その組織サンプルを組織サンプルホルダー(40)まで運ぶことができる。さらに具体的には、針組立体(100)の針部分(110)は、患者の組織に挿入される。カッター作動組立体(300)は次に、開位置までカッター(60)を選択的に作動させるように動作可能である。いったんカッター(60)が、カッター作動組立体(300)によって開位置へと作動されると、組織は、カッター(60)を通じて伝えられた真空によって、針部分(110)内へと脱出することができる。カッター(60)は次に、カッター作動組立体(300)によって、閉位置へと選択的に作動されることができ、脱出した組織を患者から切断する。次に、通気組立体(300)は、針部分(110)の一部を大気に対して選択的に通気させるように動作可能であり、これによって、脱出した組織の近位端部と遠位端部との間に圧力差を生じさせる。その後、この圧力差により、脱出した組織が、カッター(60)を通じて組織サンプルホルダー(40)まで運ばれる。
【0012】
A.例示的なカッター作動組立体
カッター作動組立体(300)は、一連の歯車(310、312)を含む。歯車(310、312)は、カッター(60)を並進運動および/または回転させるように構成されている。図示の構成では、歯車(310、312)は、プローブ(20)がホルスター(30)に取り付けられると、モーター(70)に連結される。具体的には、2つの歯車(310、312)は、モーター(70)により制御され、一方の歯車(310)は、カッター(60)を並進運動させ、もう1つの歯車(312)は、同時に、カッター(60)を回転させる。異なる歯車(310)の配列を用いて、他の構成を提供することができる。さらに、追加のモーター(70)を含む構成を使用することができる。さまざまな適切なモーター(70)と歯車(310、312)との組み合わせが、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。実際、カッター作動組立体(300)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Tetherless Biopsy Device with Reusable Portion」の名称で2012年6月26日に発行された米国特許第8,206,316号の教示の少なくとも一部に従って、構築され得る。
【0013】
B.例示的な針部分
図5〜
図7は、例示的な針部分(110)を示している。針部分(110)は、カニューレ(120)、部分カニューレ(130)、組織貫通先端部(140)、および側方孔(150)を含む。図示のように、カニューレ(120)は、部分カニューレ(130)の上に位置付けられている。カニューレ(120)および部分カニューレ(130)は、第1の内腔部分(160)および第2の内腔部分(162)を画定している。
図6で最もよく分かるように、カニューレ(120)は、概ね円形の形状であり、部分カニューレ(130)は半円形である。カニューレ(120)および部分カニューレ(130)は、同一の広がりを持っていてよく、それらの近位端部は、弁組立体(200)内部で終端しており、遠位端部は、組織貫通先端部(140)を支持している。針部分(110)は、概ね卵型の断面を有するものとして図示されているが、他の断面形状を用いてよいことを、理解されたい。実際、針部分(110)は、円形のチューブのみで構成されてよく、これにより、概ね8の字形の断面が生じる。あるいは、針部分(110)は、2つの正方形のチューブから構成されてよく、これにより、概ね正方形の断面が生じる。さらに他の構成では、任意の他の適切な形状を使用し得る。
【0014】
図7A〜
図7Cは、カッター(60)がさまざまな状態にある、針部分(110)を描いている。具体的には、カニューレ(120)は、カッター(60)を受容して、カッター(60)が第2の内腔部分(162)内部で並進運動および回転することができるように構成されている。カニューレ(120)は、側方孔(150)をさらに含む。側方孔(150)は、生検装置(10)の動作中に、脱出した組織を受容するようなサイズである。側方孔(150)の反対側にある、カニューレ(120)の側壁は、複数の開口部(170)を含み、これらの開口部(170)は、第1の内腔部分(160)と第2の内腔部分(162)との間を流体連通させる。本実施例では、第1の内腔部分(160)は、複数の開口部(170)を通じて第2の内腔部分(162)を通気させるように、大気を選択的に提供することができる。第2の内腔部分(162)におけるこのような大気による通気によって、切断された組織は、真空ポンプ(50)からの真空の影響を受けて、カッター(60)を通って組織サンプルホルダー(40)へと引き込まれることができる。
【0015】
図7A〜
図7Cに描かれた一連のものは、最初に閉位置にあり、次に開位置にあり、最後に中間位置にある、カッター(60)を示している。描かれた各位置は、組織サンプル抽出プロセスにおける具体的な段階に対応し得る。例えば、
図7Aに描かれるように、カニューレ(120)は、カッター(60)が閉位置にあるときに、患者の組織を貫通することができる。閉位置では、カッター(60)は、側方孔(150)に対して、最も遠くの遠位位置にある。よって、カニューレ(120)は、貫通を妨げ得る、周囲組織の捕獲なしで、滑らかに組織を貫通することができる。
【0016】
図7Bは、開位置にあるカッター(60)を描いており、ここでは、カッター(60)は、側方孔(150)に対して、最も遠くの近位位置にある。この状態は、例えば、組織サンプルが採取され得る患者の内側にカニューレ(120)が向けられている位置に対応し得る。カッター(60)が側方孔(150)に対して最も遠くの近位位置にある状態で、真空が加えられ、側方孔(150)を通じて患者の組織を脱出させることができる。
【0017】
最後に、
図7Cは、中間位置にあるカッター(60)を描いており、ここでは、カッター(60)は、側方孔(150)に対して、最も遠くの遠位位置と最も遠くの近位位置との間の位置にある。この位置では、カッター(60)は、閉位置または開位置のいずれかから閉位置または開位置それぞれへの、起動状態(motive state)にあってよい。例えば、カッター(60)は、カッター(60)が組織サンプルを切断することができるように、開位置から閉位置まで動くことができる。あるいは、カッターは、側方孔(150)を通して患者の組織を脱出させることができるように、閉位置から開位置まで動くことができる。以下でさらに詳細に説明するように、これらのさまざまな位置は、弁組立体(200)のさまざまな空気圧状態に対応している。カッター(60)のさまざまな位置、および組織抽出プロセスにおける対応する段階は単に例示的なものであり、他の適切な組み合わせが、本明細書の教示から当業者に明らかであることを、理解されたい。
【0018】
組織貫通先端部(140)は、平坦なブレードが突出している、概ね円錐形の本体を有するものとして図示されている。組織貫通先端部(140)の形状は、単に例示的なものであり、多くの他の適切な形状を使用することができる。例えば、組織貫通先端部(140)は、円錐形の本体であることを無視して、針部分(110)から突出したブレードの形状であってよい。さらなる変形体では、組織貫通先端部(140)は、さまざまな形状および構成の、平坦なブレード部分を有し得る。本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろうが、一般的に、組織貫通先端部(140)および針部分(110)の、他のさまざまな構成が提供され得る。ほんの一例として、針部分(110)は、開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Needle Assembly and Blade Assembly for Biopsy Device」の名称で2014年8月8日に発行された米国特許第8,801,742号の教示の少なくとも一部に従って構築され得る。
【0019】
C.例示的な弁組立体
図8は、例示的な弁組立体(200)の分解組立図を描いている。弁組立体(200)は、マニホールド(210)、固定シール(240)、およびスプール本体(250)を含む。マニホールド(210)は、弁組立体(200)を、針組立体(100)の針部分(110)の近位端部に連結する。具体的には、マニホールド(210)は、針連結端部(220)、および通気端部(230)を含む。
図9で最もよく分かるように、マニホールド(210)の針連結端部(220)は、針組立体(100)の針部分(110)の近位端部を受容するように構成されている。本実施例では、この連結は、カニューレ(120)および部分カニューレ(130)の末端で行われる。そして、カッター(60)は、弁組立体(200)を通って組織サンプルホルダー(40)まで続いている。以下でさらに詳細に説明するように、針連結端部(220)は、カニューレ(120)および部分カニューレ(130)の周りで気密シールを作り、流体が、通気端部(230)から、第1の内腔部分(160)を通って流れることを可能にする。針部分(110)と、マニホールド(210)の針連結端部(220)との間の連結は、接着、弾性シール特徴部、締まりばめ(interference fitting)、または機械的固定手段などの、任意の適切な手段により容易にされ得る。
【0020】
図9は、カッター(60)の周りで適切な位置にあるマニホールド(210)の通気端部(230)を示している。スプール本体(250)は、
図9には示されておらず、通気端部(230)の細部を見ることができる。通気端部(230)は、針連結端部(220)から近位に延びている。本実施例では、針連結端部(220)および通気端部(230)は、1つのユニットとして一体的に形成されている。他の実施例では、針連結端部(220)および通気端部(230)は、任意の適切な固定手段により互いに接合される、別個の構成要素であってよい。通気端部(230)は、マニホールド(210)の近位端部で終端しており、ここに、固定シール(240)が取り付けられる。通気端部(230)は、互いに長さ方向に同じ場所に設置されている、複数の横方向開口部(232)を画定している。横方向開口部(232)は、それらの共通の長さ方向位置において、通気端部(230)の外周部の周りで互いから等距離に離間している。以下でさらに詳細に説明するように、横方向開口部(232)は、通気端部(230)の内部に大気を連通させて、大気は、第1の内腔部分(160)に流体連通され得る。
【0021】
固定シール(240)は、マニホールド(210)の近位端部に取り付けられる。カッター(60)は、固定シール(240)を通って延びる。カッター(60)は、固定シール(240)を通って自由に回転および並進運動することができるが、固定シール(240)は、カッター(60)と固定シール(240)との間の接合部分において、流体連通を妨げる。よって、固定シール(240)により作られるシール、および針連結端部(220)により作られるシールにより、大気の流れは、横方向開口部(232)から第1の内腔部分(160)に限定され得る。固定シール(240)は、弁組立体(200)の別個の構成要素として図示されている。これにより、スプール本体(250)は、マニホールド(210)に挿入されることができる。しかしながら、固定シール(240)がマニホールド(210)と一体的に形成され得ることを、理解されたい。これは、マニホールド(210)が図示される一体的なデザインではなく、2つ以上の構成要素から構成されている場合に、特に当てはまり得る。
【0022】
図10〜
図12は、スプール本体(250)の詳細な図面を提供している。スプール本体(250)は、スプール本体(250)の遠位端部および近位端部の近くに位置するOリング(252)を有する。以下でさらに詳細に説明するように、Oリング(252)は、スプール本体(250)と、マニホールド(210)の通気端部(230)の内径表面との間に、シールを作る。スプール本体(250)は2つのOリング(252)を備えて図示されているが、任意の適切な数のOリングを使用することができる。
【0023】
スプール本体(250)は、概ね中空のものとして図示されており、内側に延びるカッター係合部材(254)が通気チャネル(256)を画定している。
図12で最もよく分かるように、カッター係合部材(254)により、スプール本体(250)は、カッター(60)上に、カッター(60)と同軸に位置付けられることができる。本実施例では、スプール本体(250)の内部の周りに等距離で方向付けられた4つのカッター係合部材(254)がある。あるいは、スプール本体(250)は、任意の適切な数のカッター係合部材(254)から構成され得る。カッター係合部材(254)は、スプール本体(250)の近位端部から、スプール本体(250)の遠位端部に向かって長さ方向に延びる。カッター係合部材(254)が長さ方向に延びるのは、単に例示的なものであり、他の構成を使用し得ることを、理解されたい。例えば、カッター係合部材(254)は、スプール本体(250)の一部のみにわたり延びることができる。さらに別の構成では、カッター係合部材(254)は、それらが長さ方向に延びる部分(their longitudinal extension)において、途切れを有してよく、これにより、カッター係合部材(254)は、スプール本体(250)の一部にわたって延びて、途切れて、それから、別の部分にわたって続く。
【0024】
通気チャネル(256)により、スプール本体(250)の近位端部から、スプール本体(250)の遠位端部まで、カッター(60)の外径と、スプール本体(250)の内径との間で流体連通が可能となる。本実施例では、4つの通気チャネル(256)が、4つのカッター係合部材(254)により画定されている。しかしながら、カッター係合部材(254)の任意の代替的な構成が、通気チャネル(256)の、対応する代替的な構成をもたらし得ることを、理解されたい。カッター係合部材(254)および通気チャネル(256)のさまざまな他の代替的構成が、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0025】
スプール本体(250)の遠位端部は、カッター固定孔(258)を含み、カッター固定孔(258)により、スプール本体(250)は、止めねじまたは何らかの他の適切なタイプの固定部材によって、カッター(60)に取り付けられる。したがって、スプール本体(250)は、カッター(60)が並進運動および回転すると、回転および並進運動することができる。2つのカッター固定孔(258)が図示されている。任意の適切な数のカッター固定孔(258)を使用し得ることを、理解されたい。さらに、本明細書の教示を鑑みれば当業者に明らかであるように、カッター固定孔(258)は、完全に省略されて、スプール本体(250)をカッター(60)に固定する何らかの他の手段と取り換えられてもよい。
【0026】
IV.例示的な空気圧状態
図13A〜
図13Cは、さまざまな例示的な空気圧状態にあるスプール本体(250)を示している。
図13Aでは、スプール本体(250)は、通気状態で図示されている。通気状態では、スプール本体(250)は、マニホールド(210)に対して、その最も遠くの遠位位置にある。前述したように、スプール本体(250)は、カッター(60)に取り付けられている。したがって、この通気状態は、
図7Aで最もよく分かるような、カッター(60)が、側方孔(150)に対して最も遠くの遠位位置にあることに対応している。スプール本体(250)がマニホールド(210)に対して最も遠くの遠位位置に位置付けられると、横方向開口部(232)は、スプール本体(250)の通気チャネル(256)を通じて第1の内腔部分(160)まで、大気が流体連通するのを可能にする。具体的には、最も近位にあるOリング(252)は、横方向開口部(232)より遠位にある。よって、スプール本体(250)は、横方向開口部(232)と通気チャネル(256)との間に開けた流体経路(clear fluid path)を提供する。これに対応して、第1の内腔部分(160)への大気の流体連通により、負の圧力が、カッター(60)の遠位端部においてカッター(60)の内側にある切断された組織サンプルの後ろに存在する。したがって、真空がカッター(60)に加えられると、切断された組織サンプルは、カッター(60)を通って組織サンプルホルダー(40)まで近位に運ばれ得る。
【0027】
図13Bは、非通気状態にあるスプール本体(250)を描いている。この非通気状態では、スプール本体(250)は、マニホールド(210)に対して最も遠くの近位位置にある。この最も遠くの近位位置では、スプール本体(250)は、マニホールド(210)の通気端部(230)の横方向開口部(232)をシールするように位置付けられる。具体的には、横方向開口部(232)は、スプール本体(250)のOリング(252)間に配されるので、横方向開口部(232)を通じた、通気チャネル(256)への流体連通を妨げる。
図13Bは、カッター(60)の開状態に対応する、非通気状態を描いている。
図7Bで最もよく分かるように、カッター(60)の開状態は、カッター(60)が側方孔(150)に対して最も遠くの近位位置に配されていることに対応している。カッター(60)の開状態では、第1の内腔部分(160)を通じた大気の流体連通はない。言い換えれば、スプール本体(250)は、この段階では、第1の内腔部分(160)を大気に対してシールする。よって、真空がカッター(60)に加えられると、組織は、側方孔(150)を通って脱出し得る。
【0028】
図13Cは、中間の非通気状態にあるスプール本体(250)を描いている。本実施例では、スプール本体(250)は、カニューレ(120)の側方孔(150)の長さ方向長さにほぼ対応する距離だけ離れた、2つのOリング(252)を有する。Oリング(252)間が離れていることにより、また、スプール本体(250)がカッター(60)と共に並進運動するので、スプール本体(250)は、カッター(60)が側方孔(150)に対して、最も遠くの近位位置から最も遠くの遠位位置に並進運動する際、非通気状態のままである。具体的には、
図13Cは、非通気状態から通気状態へ移行しようとしている位置にあるスプール本体(250)を示す。
図7Cは、スプール本体(250)が
図13Cに描かれた位置にあるときの、カッター(60)の対応する位置を描いている。スプール本体(250)のOリング(252)間の距離が、任意の適切な距離であってよいことを、理解されたい。実際、この距離は、カッター(60)が側方孔(150)に対し、より近位の位置にあるときに、大気に通気するのが望ましい場合は、より短くてよい。あるいは、針部分(110)は、異なる距離を必要とする異なる構成のものであってよく、非通気状態と通気状態との移行は、カッター(60)の位置に対して同じままである。スプール本体(250)のOリング(252)間の異なる距離を含む他の構成は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0029】
図14は、生検装置(10)の使用中に実行され得る、例示的な空気圧アルゴリズム(400)を描いている。具体的には、
図14は、カニューレ(120)に関連した、カッター(60)の動きを示しており、この動きは、側方孔(150)のグラフィック表示(420)を含むグラフィック表示(410)により表されている。カッター(60)の動きは、カッター(60)の完全な移動範囲について、線(430)で示されている。線(440)は、組織抽出プロセス中の弁組立体(200)の空気圧状態を表し、これにより、第1の内腔部分(160)の空気圧状態を示している。カッター(60)の内側の第2の内腔部分(162)の空気圧状態は、線(450)で示される。図から分かるように、真空は、組織抽出プロセスの間中、絶えず、第2の内腔部分(162)に加えられる。
図14の「デッドヘッド」という用語は、対応する第1の内腔部分(160)が大気に対してシールされること、また、真空がその段階の間に第2の内腔部分(162)から第1の内腔部分(160)へと自由に流れることができないことを意味することが意図されている。
【0030】
図14に示すように、カッター(60)は、
図7Aに示す閉位置で始まる。この位置では、
図14の線(440)は、弁組立体(200)が大気に通気されることを示し、線(450)は、第2の内腔部分(162)に真空が加えられていることを示している。弁組立体(200)の対応する位置は、
図13Aで見ることができる。
【0031】
図14の線(430)で示すように、また
図7Cに描かれるように、カッター(60)が閉状態から開状態へ向けて近位に並進運動すると、線(440)は、第1の内腔部分(160)が大気に対してシールされる「デッドヘッド」状態へと、弁組立体(200)が対応してシフトすることを示している。弁組立体(200)に対するこの移行は、
図13Cで最もよく分かる。本実施例では、側方孔(150)が効果的にほぼ24%開いている、側方孔(150)に対する位置にカッター(60)が位置しているときに、この移行は生じる。しかしながら、このような移行は、側方孔(150)に対するカッター(60)の他の位置で生じ得ることを、理解されたい。
【0032】
図7Bに描かれるように、いったんカッター(60)が開位置に到達すると、
図14の線(430)は、カッター(60)が孔開放ドエルタイム(open aperture dwell time)(460)にわたり開いたままであってよいことを示している。孔開放ドエルタイム(460)の間、第1の内腔部分(160)は、大気に対してシールされる。弁組立体(200)の対応する位置は、
図13Bで最もよく分かる。しかしながら、線(450)で示すように、真空は、カッター(60)の内側の第2の内腔部分(162)に加えられたままである。よって、真空は、第2の内腔部分(162)を介して側方孔(150)の中を移動することができ、組織は、側方孔(150)を通って脱出することができる。いくつかの実施例では、空気圧アルゴリズム(400)は、カッター(60)が開いているときと同じ速度で、モーター(70)が引き続き回転することを含み得る。このような実施例では、モーター(70)は、孔開放ドエルタイム(460)の持続時間にわたり、カッターのドライブトレインから切り離され得る。しかし、モーター(70)は、線(450)で示すように真空を供給するために、真空ポンプ(50)に連結されたままであってよい。
【0033】
次に、
図14の線(430)は、
図7Cに示すように開位置から閉位置に向かって遠位にシフトするカッター(60)を描いている。カッター(60)が遠位に並進運動して、脱出した組織を切断する際、
図14の線(440)は、デッドヘッド状態から通気状態にシフトする通気組立体(200)を示している。通気組立体(200)に関する、この移行は、
図13Cに示す状態の直後である。前述したように、側方孔(150)が効果的にほぼ13%開いている、側方孔(150)に対する位置にカッター(60)が位置するときに、この移行は生じる。しかしながら、この位置は他のバージョンでは変えられてよいことも、同様に理解されたい。
【0034】
最後に、
図14の線(430)は、
図7Aに描かれたように閉位置に戻ったカッター(60)を示し、この位置に、カッターは、孔閉鎖ドエルタイム(closed aperture dwell time)(470)にわたりとどまる。この状態では、
図14の線(440)は、
図13Aに示すような通気状態にある弁組立体(200)を描いている。よって、第1の内腔(160)は、切断された組織サンプルがカッター(60)を通って組織サンプルホルダー(40)の中へと近位に動くのに適切な圧力差を生じるよう、大気に対して通気され得る。孔開放ドエルタイム(460)について同様に前述したとおり、孔閉鎖ドエルタイム(470)は、モーター(70)が引き続き回転することを含み得る。しかしながら、孔開放ドエルタイム(460)とは異なり、モーター(70)は、カッター(60)が閉じているときと同じ速度で回転し続けることができる。モーター(70)のこのような回転の間、モーター(70)が、孔閉鎖ドエルタイム(470)の持続時間にわたりカッターのドライブトレインから切り離され得ることを、理解されたい。しかしながら、モーター(70)は、線(450)で示したように真空を供給するために、真空ポンプ(50)に連結されたままであってよい。いったん孔閉鎖ドエルタイム(470)が満了したら、前述したプロセスは、所望の数の組織サンプルを得るために必要に応じて繰り返されてよい。当然、前述したさまざまな状態は単に例示的なものであり、カッター(60)の位置と、通気状態と、真空との間の他の関係は、本明細書の教示を鑑みれば、当業者には明らかであろう。
【0035】
参照により本明細書に組み込まれると言われた任意の特許、公報、または他の開示資料は、全体として、または部分的に、組み込まれる資料が本開示に記載される既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることが理解されるべきである。したがって、必要な範囲で、本明細書に明白に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する資料に優先する。参照により本明細書に組み込まれると言われたが、本明細書に記載される既存の定義、陳述、または他の開示資料と矛盾する、あらゆる資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない範囲で、組み込まれるに過ぎない。
【0036】
本発明の実施形態は、従来の内視鏡および切開手術器具(endoscopic and open surgical instrumentation)における適用、ならびにロボット支援手術における適用を有している。
【0037】
本明細書に開示した装置の実施形態は、1回使用した後で廃棄されるように設計されてよく、あるいは、複数回使用されるように設計されてよい。いずれかの場合に、またはどちらの場合も、実施形態は、少なくとも1回使用した後で再利用のため再調整されることができる。再調整は、装置の分解ステップ、その後の、特定の部品の洗浄または置換ステップ、およびその後の再組立ステップの、任意の組み合わせを含むことができる。具体的には、装置の実施形態は、分解されてよく、装置の、任意の数の特定の部品または部分が、任意の組み合わせで、選択的に置換または除去されることができる。特定の部分が洗浄および/または置換されると、装置の実施形態は、再調整施設で、または、外科処置の直前に外科チームによって、その後使用されるように再組立され得る。当業者は、装置の再調整が、分解、洗浄/置換、および再組立のためのさまざまな技術を利用できることを認識するであろう。このような技術の利用、および結果として得られる再調整済み装置はすべて、本出願の範囲内である。
【0038】
ほんの一例として、本明細書に記載した実施形態は、手術前に処理され得る。まず、新しい器具または使用済みの器具を入手し、必要であれば洗浄することができる。この器具は、次に滅菌され得る。1つの滅菌技術では、器具が、プラスチックまたはTYVEKバッグなど、閉じられ密閉された容器の中に置かれる。容器および器具は、その後、γ放射線、x線、または高エネルギー電子などの、容器を貫通できる放射線場の中に置かれ得る。放射線が、器具上および容器内の細菌を死滅させることができる。滅菌された器具は、その後、滅菌容器内に保管され得る。密閉された容器は、医療施設で開封されるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。βもしくはγ放射線、エチレンオキシド、または蒸気を含むがこれらに限定されない、当技術分野で既知の任意の他の技術を使用して、装置を滅菌することもできる。
【0039】
本発明のさまざまな実施形態を図示し説明してきたが、本明細書に記載された方法およびシステムのさらなる改作物が、本発明の範囲を逸脱せずに、当業者による適切な改変により達成され得る。このような潜在的な改変のいくつかには言及しており、他のものは、当業者には明らかであろう。例えば、前述した実施例、実施形態、外形、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の請求項の点で検討されるべきであり、本明細書および図面に示し説明した構造および動作の詳細に限定されないことが理解される。
【0040】
〔実施の態様〕
(1) 生検装置において、
(a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位に延びる針であって、前記針は、第1の内腔および第2の内腔を画定し、前記第1の内腔は、第1の長さ方向軸に沿って延び、前記第2の内腔は、第2の長さ方向軸に沿って延び、前記針は、前記第1の内腔を前記第2の内腔と流体連結する開口部を含む、針と、
(c)組織を切断するために前記針に対して並進運動するように構成されたカッターと、
(d)弁組立体であって、
(i)通気開口部、および、
(ii)第1の位置と第2の位置との間を前記通気開口部に対して動くことができるスプール本体、
を含む、弁組立体と、
を含み、
前記針の前記第2の内腔は、前記スプール本体が前記第1の位置にあるときに前記通気開口部に連結され、
前記第2の内腔は、前記スプール本体が前記第2の位置にあるときに前記通気開口部に対してシールされ、
前記スプール本体は、前記カッターの並進運動に比例して動くことによって、前記第1の位置と前記第2の位置との間を移行するように構成されている、生検装置。
(2) 実施態様1に記載の生検装置において、
前記針は、横方向組織受容孔をさらに画定し、
前記横方向組織受容孔は、前記第1の内腔へと通じており、
前記カッターは、前記組織受容孔を通って突出する組織を切断するように動作可能である、生検装置。
(3) 実施態様1に記載の生検装置において、
前記カッターは、前記第1の軸に沿って並進運動するように構成されている、生検装置。
(4) 実施態様3に記載の生検装置において、
前記カッターは、前記第1の内腔の中に位置付けられている、生検装置。
(5) 実施態様3に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記通気開口部に対して前記第1の軸に沿って動くことができる、生検装置。
【0041】
(6) 実施態様5に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記カッターに連結されており、前記カッターの並進運動が、前記第1の軸に沿った前記スプール本体の動きに直接対応する、生検装置。
(7) 実施態様6に記載の生検装置において、
前記カッターは、第1の位置と第2の位置との間を並進運動することができ、
前記カッターの前記第1の位置は、前記スプール本体が前記第1の位置にあることに対応し、
前記カッターの前記第2の位置は、前記スプール本体が前記第2の位置にあることに対応している、生検装置。
(8) 実施態様7に記載の生検装置において、
前記カッターは、前記カッターが前記第1の位置にあるときに、前記針に対して遠位に十分に前進し、
前記カッターは、前記カッターが前記第2の位置にあるときに、前記針に対して近位に十分に前進する、生検装置。
(9) 実施態様1に記載の生検装置において、
前記弁組立体は、マニホールドをさらに含み、
前記通気開口部は、前記マニホールドによって画定されている、生検装置。
(10) 実施態様9に記載の生検装置において、
前記マニホールドは、前記本体の遠位端部にしっかりと固定されており、
前記マニホールドは、前記本体の遠位端部から近位に延びている、生検装置。
【0042】
(11) 実施態様10に記載の生検装置において、
前記針は、前記マニホールドから遠位に延び、
前記針は、前記マニホールドに対して流体シールされている、生検装置。
(12) 実施態様11に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記マニホールドの内部に配されており、
前記スプール本体は、前記通気開口部に対して前記マニホールドの内部でスライド可能である、生検装置。
(13) 実施態様12に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、遠位端部および近位端部を含み、
前記遠位端部および前記近位端部はそれぞれ、シールを含み、
前記シールは、前記マニホールドの内表面と前記スプール本体の外表面との間に流体シールを作るように動作可能である、生検装置。
(14) 実施態様13に記載の生検装置において、
前記スプール本体の前記遠位端部および前記近位端部の前記シールは、ゴムのOリングを含む、生検装置。
(15) 実施態様13に記載の生検装置において、
前記スプール本体は、前記カッターの周りに同軸に配されている、生検装置。
【0043】
(16) 生検装置において、
(a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位に延びる針であって、前記針は、第1の内腔および第2の内腔を画定し、前記第2の内腔は、前記第1の内腔からオフセットしており、前記針は、前記第1の内腔を前記第2の内腔と流体連結させる開口部を含む、針と、
(c)組織を切断するために前記針に対して動くことができるカッターと、
(d)弁組立体であって、
(i)通気開口部、および、
(ii)弁部材、
を含む、弁組立体と、
を含み、
前記弁部材は、前記通気開口部を前記針の前記第2の内腔と選択的に連結および分離させるために前記カッターの並進運動に対応して前記通気開口部に対して並進運動するように構成されている、生検装置。
(17) 実施態様16に記載の生検装置において、
前記本体の遠位端部から近位に延びるマニホールドをさらに含み、
前記針は、前記マニホールドに対して同軸に位置付けられ、前記針は、前記マニホールドから遠位に延び、
前記通気開口部は、前記マニホールドによって画定されている、生検装置。
(18) 実施態様17に記載の生検装置において、
前記弁部材は、前記マニホールドの内部に配され、
前記弁部材は、前記マニホールドの内部と前記弁部材の外部との間をシールするように構成された、少なくとも2つのシールを含み、
前記弁部材は、前記マニホールドの内部をスライド可能であり、前記シールは、第1の位置と第2の位置との間を前記通気開口部に対して動くことができる、生検装置。
(19) 実施態様18に記載の生検装置において、
前記通気開口部は、前記シールが前記第1の位置にあるとき、前記弁部材の前記シール間に位置付けられ、
前記通気開口部は、前記シールが前記第2の位置にあるとき、前記シールの近位に位置付けられている、生検装置。
(20) 生検装置において、
(a)本体と、
(b)前記本体に対して遠位に延びる針であって、前記針は、第1の内腔および第2の内腔を画定し、前記第1の内腔は、第1の長さ方向軸に沿って延び、前記第2の内腔は、第2の長さ方向軸に沿って延び、前記針は、前記第1の内腔を前記第2の内腔と流体連結させる開口部を含む、針と、
(c)組織を切断するために前記針に対して並進運動するように構成されたカッターと、
(d)通気開口部を画定するマニホールドと、
(e)前記カッターに対して固定されたスプール本体であって、前記スプール本体は、前記通気開口部を前記針の前記第2の内腔と選択的に連結および分離するために前記通気開口部に対して前記マニホールドの内部で並進運動可能である、スプール本体と、
を含む、生検装置。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図2】プローブから切り離されたホルスターを示す、
図1の生検装置の斜視図を描いている。
【
図3】
図2のホルスターの例示的な電気的および/または電気機械的構成要素の概略図を描いている。
【
図4】
図2のプローブの分解組立斜視図を描いている。
【
図5】
図2のプローブの例示的な針組立体および付随する構成要素の斜視図を描いている。
【
図6】
図5の線6-6に沿った、
図5の針組立体の断面図を描いている。
【
図7A】閉位置にあるカッターを示す、
図6の線7-7に沿った、
図5の針組立体の遠位端部の断面斜視図を描いている。
【
図7B】開位置にあるカッターを示す、
図6の線7-7に沿った、
図5の針組立体の遠位端部の断面斜視図を描いている。
【
図7C】部分的に開いた位置にあるカッターを示す、
図6の線7-7に沿った、
図5の針組立体の遠位端部の断面斜視図を描いている。
【
図8】
図5の針組立体の分解組立斜視図を描いている。
【
図9】
図5の針組立体の弁構成要素の側断面斜視図を描いている。
【
図10】遠位端部が離れる方に向けられた、
図9の弁構成要素のスプール本体の斜視図を描いている。
【
図11】近位端部が離れる方に向けられた、
図10のスプール本体の斜視図を描いている。
【
図13A】
図7Aに描かれたカッターの閉位置に対応する通気位置にある弁組立体およびカッターを示す、例示的な針組立体の側面に沿った断面斜視図を描いている。
【
図13B】
図7Bに描かれたカッターの開位置に対応する第1の非通気位置にある弁組立体およびカッターを示す、例示的な針組立体の側面に沿った断面斜視図を描いている。
【
図13C】
図7Cに描かれたカッターの部分的に開いた位置に対応する第2の非通気位置にある弁組立体およびカッターを示す、例示的な針組立体の側面に沿った断面斜視図を描いている。
【
図14】弁の状態とカッターの位置との間の関係を示すグラフを描いている。