特許第6297707号(P6297707)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6297707改善した飛行時間性能のための送信電力制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297707
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】改善した飛行時間性能のための送信電力制御
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/24 20090101AFI20180312BHJP
【FI】
   H04W52/24
【請求項の数】26
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-545840(P2016-545840)
(86)(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公表番号】特表2017-507553(P2017-507553A)
(43)【公表日】2017年3月16日
(86)【国際出願番号】US2014044909
(87)【国際公開番号】WO2015119655
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2016年7月8日
(31)【優先権主張番号】61/937,685
(32)【優先日】2014年2月10日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514045555
【氏名又は名称】インテル アイピー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100135105
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 直満
(72)【発明者】
【氏名】アミズール,ユヴァール
(72)【発明者】
【氏名】シャッツベルク,ユーリ
(72)【発明者】
【氏名】プレヒナー,ガビー
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0163261(US,A1)
【文献】 特開2006−191532(JP,A)
【文献】 特表2013−517742(JP,A)
【文献】 Carlos Aldana,doc.:IEEE 802.11-14/0160r2 CID2164,IEEE 802.11 TGm寄書,[online],2014年 1月22日,URL,https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/14/11-14-0160-02-000m-proposed-resolution-for-revmc-cid-2164.doc
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開始局から、最大送信電力並びに最低変調及び符号化方式(MCS)でファインタイミング測定要求(FTMR)メッセージを受信し、
前記受信したFTMRメッセージの相対受信信号強度(RSSI)を測定し、
前記測定されたRSSIに比例する最大送信電力を決定し、
前記決定された最大送信電力及び前記受信した最低MCSでファインタイミング測定1(FTM1)メッセージを前記開始局に送信するように構成されたトランシーバを有する通信局。
【請求項2】
前記最大送信電力は、β−α・RSSIに等しくなるように決定され、βは、ユーザ装置が前記最低MCSで送信することができる最大電力を表し、RSSIは、前記開始局からの前記FTMRメッセージの受信電力に等しく、αは、前記RSSIの変化を、前記最大電力からの所望の減算に変換する係数である、請求項1に記載の通信局。
【請求項3】
前記最大送信電力は、固定値から決定される、請求項1に記載の通信局。
【請求項4】
前記受信したFTMRメッセージは、最大エラーベクトル振幅(EVM)値を要求するための指示要素フィールドを有する、請求項1に記載の通信局。
【請求項5】
前記受信したFTMRメッセージは、ユーザ装置の最小電力増幅器バックオフ値を要求するための指示要素フィールドを有する、請求項1に記載の通信局。
【請求項6】
前記最大送信電力は、Wi-Fiカバレッジエリアではなく位置性能について最適化される、請求項1に記載の通信局。
【請求項7】
UEは、FTMメッセージの電力制御を最適化するために変更されたファインタイミング測定(FTM)のプロトコルをサポートする、請求項1に記載の通信局。
【請求項8】
ファインタイミング測定メッセージの最大送信電力を決定するように構成された通信局であって、
最大送信電力並びに最低変調及び符号化方式(MCS)でファインタイミング測定要求(FTMR)メッセージを応答局に送信し、
前記応答局から、前記FTMRメッセージの受信を承認する肯定応答(ACK)メッセージを受信し、
前記受信したACKメッセージの相対受信信号強度(RSSI)を測定し、
前記測定されたRSSIに比例する最大送信電力を決定する物理レイヤ回路及び処理要素を有する通信局。
【請求項9】
前記最大送信電力は、β−α・RSSIに等しくなるように決定され、βは、前記通信局が前記最低MCSで送信することができる最大電力を表し、RSSIは、開始局からの前記FTMRメッセージの受信電力に等しく、αは、前記RSSIの変化を、前記最大電力からの所望の減算に変換する係数である、請求項8に記載の通信局。
【請求項10】
前記最大送信電力は、固定値から決定される、請求項8に記載の通信局。
【請求項11】
前記送信されるFTMRメッセージは、最大エラーベクトル振幅(EVM)値を要求するための指示要素フィールドを有する、請求項8に記載の通信局。
【請求項12】
前記送信されるFTMRメッセージは、前記応答局の最小電力増幅器バックオフ値を要求するための指示要素フィールドを有する、請求項8に記載の通信局。
【請求項13】
前記最大送信電力は、Wi-Fiカバレッジエリアではなく位置性能について最適化される、請求項8に記載の通信局。
【請求項14】
前記通信局は、FTMメッセージの電力制御を最適化するために変更されたファインタイミング測定(FTM)のプロトコルをサポートする、請求項8に記載の通信局。
【請求項15】
前記通信局は、基地局又はアクセスポイントであり、前記応答局は、ユーザ装置である、請求項8に記載の通信局。
【請求項16】
機械により実行された場合、前記機械に対して、
開始局から、最大送信電力並びに最低変調及び符号化方式(MCS)でファインタイミング測定要求(FTMR)メッセージを受信し、
前記受信したFTMRメッセージの相対受信信号強度(RSSI)を測定し、
前記測定されたRSSIに比例する最大送信電力を決定し、
前記決定された最大送信電力及び前記受信した最低MCSでファインタイミング測定1(FTM1)メッセージを前記開始局に送信するように通信局を構成する動作を実行させるプログラム。
【請求項17】
前記最大送信電力は、β−α・RSSIに等しくなるように決定され、βは、ユーザ装置が前記最低MCSで送信することができる最大電力を表し、RSSIは、前記開始局からの前記FTMRメッセージの受信電力に等しく、αは、前記RSSIの変化を、前記最大電力からの所望の減算に変換する係数である、請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記最大送信電力は、固定値から決定される、請求項16に記載のプログラム。
【請求項19】
前記受信したFTMRメッセージは、最大エラーベクトル振幅(EVM)値又は最小電力増幅器バックオフ値を要求するための指示要素フィールドを有する、請求項16に記載のプログラム。
【請求項20】
前記開始局は、FTMメッセージの電力制御を最適化するために変更されたファインタイミング測定(FTM)のプロトコルをサポートする、請求項16に記載のプログラム。
【請求項21】
請求項16ないし20のうちいずれか1項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項22】
開始局から、最大送信電力並びに最低変調及び符号化方式(MCS)でファインタイミング測定要求(FTMR)メッセージを受信する動作と、
前記受信したFTMRメッセージの相対受信信号強度(RSSI)を測定する動作と、
前記測定されたRSSIに比例する最大送信電力を決定する動作と、
前記決定された最大送信電力及び前記受信した最低MCSでファインタイミング測定1(FTM1)メッセージを前記開始局に送信する動作と
を有するファインタイミング測定のための方法。
【請求項23】
前記最大送信電力は、β−α・RSSIに等しくなるように決定され、βは、ユーザ装置が前記最低MCSで送信することができる最大電力を表し、RSSIは、前記開始局からの前記FTMRメッセージの受信電力に等しく、αは、前記RSSIの変化を、前記最大電力からの所望の減算に変換する係数である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記最大送信電力は、固定値から決定される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記受信したFTMRメッセージは、最大エラーベクトル振幅(EVM)値を要求するための指示要素フィールドを有する、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記受信したFTMRメッセージは、ユーザ装置の最小電力増幅器バックオフ値を要求するための指示要素フィールドを有する、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
この出願は、2014年2月10日に出願された米国仮特許出願第61/937,685号の優先権の利益を主張し、この全内容を参照により援用する。
【0002】
[技術分野]
実施例は、無線ネットワークに関する。或る実施例は、IEEE802.11-2012標準を含むIEEE802.11標準の1つに従って動作する無線ネットワークに関する。或る実施例は、飛行時間(ToF:time-of-flight)測位における電力制御に関する。或る実施例は、位置決定に関する。或る実施例は、屋内ナビゲーションに関する。
【背景技術】
【0003】
屋外ナビゲーション及び測位は、様々な全地球航法衛星システム(GNSS:global navigation-satellite-system)及び様々なセルラシステムの開発に従って広く展開されている。屋内ナビゲーション及び測位は屋外ナビゲーション及び測位とは異なる。この理由は、屋内環境は、屋外環境ほど正確には衛星又はセルラ基地局からの位置信号の受信を可能にしないからである。その結果、正確且つリアルタイムの屋内ナビゲーション及び測位は、実現することが困難である。屋内ナビゲーション及び測位のための対策は、飛行時間(ToF)測位プロトコルを含む。
【0004】
屋内測位のためにToFプロトコルを使用する場合、リンクアダプテーションは望ましくない。この理由は、クライアントは移動している可能性があり、急速なチャネル変化を生じるからである。更に、ToFプロトコルは、非アソシエーションモード(un-associated mode)で行われる可能性がある。最もロバストな変調プロトコルは、低い変調及び符号化方式(MCS:modulation and coding scheme)を使用し、パケットは非常に短いため、符号化ペナルティは小さい。低いMCSで送信する場合、802.11標準は、高いエラーベクトル振幅(EVM:error vector magnitude)を許容する。この理由は、高いEVMは、高い電力で送信することを可能にするからである。不都合なことに、高い電力で送信することは、非線形範囲で動作するように電力増幅器(PA:power amplifier)を駆動する。高電力送信は、ビットエラー率に影響を与えずにWi-Fiカバレッジを増加させるが、ToF測距測定の性能を劣化させる。この理由は、測定品質はチャネル品質推定に直接関係するからである。特定の事例では、特に見通し線外(NLoS:non line of sight)の事例では、チャネル推定のEVMは非常に重要である。
【0005】
従って、正確な屋内ToFナビゲーション及び測位装置及び方法のニーズが存在する。また、クライアント状況に従って送信EVM電力を最適に制御するToFナビゲーション及び測位装置及び方法の一般的なニーズも存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御に適した例示的なネットワーク環境を示すネットワーク図
図2】或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御におけるチャネル推定を示す図
図3】或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御におけるチャネル性能を示す図
図4】或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御における潜在的なチャネル劣化を示す図
図5】或る例示的な実施例による応答側で決定された飛行時間送信電力制御のハイレベルな概略フローチャートのブロック図
図6】或る例示的な実施例による開始側で決定された飛行時間送信電力制御のハイレベルな概略フローチャートのブロック図
図7】或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御の手順を示す図
図8】或る実施例による例示的な通信局の機能図
図9】ここで説明する1つ以上の技術(例えば、方法)のいずれかが実行され得る機械の例のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明及び図面は、当業者が実施可能なように特定の実施例を十分に示している。他の実施例は、構成的、論理的、電気的、処理的、及び他の変更を取り入れてもよい。或る実施例の部分及び特徴は、他の実施例のものに含まれてもよく、置換されてもよい。請求項に記載の実施例は、これらの請求項の全ての利用可能な均等物を含む。
【0008】
ここで使用される“例示的”という用語は、“一例、事例、又は例証としての役目果たすこと”を意味する。“例示的”としてここに記載のいずれかの実施例は、必ずしも他の実施例より好ましいもの又は有利なものとして解釈されるべきではない。
【0009】
ここで使用される“通信局”、“局”、“ハンドヘルドデバイス”、“モバイルデバイス”、“無線デバイス”及び“ユーザ装置(UE:user equipment)”という用語は、セルラ電話、スマートフォン、タブレット、ネットブック、無線端末、ラップトップコンピュータ、フェムトセル、高データレート(HDR:high data rate)加入者局、アクセスポイント、アクセス端末、又は他のパーソナル通信システム(PCS:personal communication system)デバイスのような無線通信デバイスを示す。デバイスは、移動型でもよく、静止型でもよい。
【0010】
ここで使用される“アクセスポイント”という用語は、固定局でもよい。アクセスポイントはまた、アクセスノード、基地局、又は当該技術分野で既知の他の同様の用語で呼ばれてもよい。アクセスポイントはまた、移動局、ユーザ装置(UE)、無線通信デバイス、又は当該技術分野で既知の他の同様の用語で呼ばれてもよい。
【0011】
図1は、或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御に適した例示的なネットワーク環境を示すネットワーク図である。無線ネットワーク100は、IEEE802.11通信技術に従って通信してもよい複数の通信局(STA)を含む。通信局は、アクセスポイント(AP:Access Point)又はユーザ装置(UE)でもよい。UEは、非静止型であり固定の位置を有さないモバイルデバイスでもよい。APは、静止型であり固定の位置を有してもよい。通信局は、開始局STA-A102と、1つ以上の応答局STA-B104とを含んでもよい。開始局STA-A102は、その位置を決定するために、応答局STA-B104とToF測位を開始する通信局でもよい。飛行時間送信電力制御手順は、以下に図5〜6において詳細に説明するように、メッセージの交換を含んでもよい。
【0012】
或る実施例では、開始局STA-A102は、測位局でもよく、1つ以上の応答局STA-B104(例えば、協調局及び/又は1つ以上のアクセスポイント)に対するその位置を決定してもよい。協調局は、IEEE802.11で構成された通信局(STA)又はAPでもよい。他の実施例では、開始局STA-A102は、地理座標(geo-coordinate)におけるその位置を決定してもよい。或る実施例では、応答局STA-B104は、相対的に或いは地理座標においてその位置を決定することが可能でもよい。
【0013】
図2は、或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御200のチャネル推定を示している。各信号経路202-212は、共に環境により決定されるそのノイズと共に異なる振幅で、受信機において受信される。例示的な環境では、送信(Tx)EVMは、NLoSの事例において-10デシベルミリワット(dBm)でもよい。チャネルにおける直接経路成分212は、最も強い経路206よりかなり低くてもよい。直接経路212が直接経路ノイズ202により不明瞭になるほど十分に低い場合、その信号到達時間は正確には推定することができず、ToF測定におけるエラーを生じる。しかし、EVMが直接経路ノイズ202よりかなり低い場合、信号到達時間は困難な状況であっても正確に計算され得る。この理由は、SNRがかなり高いからである。任意選択で、クライアント状況に従ってToF信号Tx EVM(電力)を制御することが、図3〜8において詳細に説明される。
【0014】
図3は、例示的なMusicアルゴリズム環境による改善した飛行時間測位のための送信電力制御のチャネル性能300を示している。第2のタップより弱い第1の見通し線(LoS:Line of Sight)タップを有する2タイプチャネル302が、17dBのSNR Tx(有色)ノイズエラー304を用いて時間対dBのグラフに示されている。このチャネルについての例示的な潜在的なチャネル劣化のシナリオは、図4において詳細に説明される。
【0015】
図4は、図3におけるMusicの送信を示す例示的なチャネルについて低いEVMを有する電力制御された送信402に対して、低いMCS及び高いEVMを有する現在実施されている送信404との例示的な性能エラー差400を示している。双方の信号は、有色ノイズ(Txノイズ)のため、位置性能において潜在的な劣化を示している。ToF電力制御された信号402は、27dBのSNRで受信され、信号404は、17dBのSNRで受信される。この理由は、信号404のPAは、送信中にその非線形範囲に駆動されているからである。図示のように、高いEVMで送信された信号404は、より大きいWiFiカバレッジエリアに到達し得るが、低いEVMで送信された同じ信号よりかなり高いエラー率を示す。エラー訂正は、高いEVMを有する信号404を通信のために許容可能な品質に回復し得るが、正確なファインタイミング測定(FTM:Fine Timing Measurement)にとって十分な品質を有さない。
【0016】
ファインタイミング測定(FTM)のための開示されるToF送信電力制御プロトコルは、許容最大EVMを制限することによりビットエラー率及びWifiカバレッジエリアではなく位置性能を最適化する。ToF測定送信のための最大の許容EVMを決定する3つの手法は、新規なFTMメッセージングプロトコルに組み込まれた固定手法、暗示手法、及び明示手法を有する。これらの手法及び例示的なToF送信電力制御メッセージングプロトコルは、それぞれ図5及び6に詳細に説明される。
【0017】
図5は、或る例示的な実施例による応答側で決定された飛行時間送信電力制御のハイレベルな概略フローチャートのブロック図を示している。低いMCSにおいて高いEVMにより生じる位置性能の劣化を防ぐための最大許容EVMを計算する方法は、新規なToF FTM手順においてサポートされる。
【0018】
一実施例では、最大許容EVM(又は最小SNR)は、固定のTx電力により決定される。簡単な固定のTx電力により決定された低いEVMは、ToF測定のためのFTMフレームを送信する前に計算を必要としない。しかし、様々な位置での最適なTx電力は、受信電力、MCS、及び他の要因のため変化し得る。
【0019】
最適なTx電力が固定値から変化する通信事例の実施例では、開始側又は応答側は、更新されたFTMメッセージングプロトコルを使用して最適なTx電力を決定してもよい。FTM要求メッセージ(FTMR:FTM request message)及びファインタイミング測定1メッセージ(FTM1)により後続されるその対応する肯定応答(ACK:acknowledgement)を有する更新されたFTMメッセージングプロトコルは、図6に詳細に説明される。
【0020】
例示的な応答側のEVM決定の実施例では、応答局は、ファインタイミング測定手順の開始を通知する開始局からFTMRメッセージを受信する。FTMRは、最大Tx電力及び最低MCSで開始通信局により送信される。応答局は、FTMRを受信し、受信した相対受信信号強度(RSSI:received signal strength)からそのFTM1応答の最適なTx電力を計算する。或る実施例では、応答局は、以下のように最適なEVMの最大許容Tx電力を計算する。
【0021】
MaximumTXPower=β−α・RSSI (式1)
ここで、βは応答側が低いMCSで送信可能な最大電力を表し、RSSIは開始側からのFTMRメッセージの受信電力に等しく、αはRSSIの変化を、最大電力からの所望の減算に変換する実験的な係数である。従って、式1は、RSSIとTx電力との間の反比例関係を反映しており、強いRSSIは低いTx電力、従ってEVMを生じる。応答通信局は、最低MCS及び計算されたMaxTxPower送信電力でFTM1メッセージを開始通信局に送信することにより応答する。
【0022】
方法500における動作は、図1を参照して前述した応答局STA-B104により実行されてもよい。応答局は、ユーザ装置でもよい。図5に示すように、この方法500は、動作502、504、506、及び508を含む。動作502で始まり、応答局STA-B104は、FTM処理の開始を通知するFTMRメッセージを受信する。開始局STA-A102は、開始局STA-A102によりサポートされる最大送信電力及び最低MCSでFTMRメッセージを送信し、応答局STA-B104は、FTMRメッセージを受信する。制御フローは、動作504に進む。
【0023】
動作504において、応答局STA-B104は、受信したFTMRメッセージのRSSIを測定する。制御フローは、動作506に進む。
【0024】
動作506において、応答局STA-B104は、式1、すなわち、MaximumTXPower=β−α・RSSIから導出されたその所望のEVMの最大送信電力を決定する。制御フローは、動作508に進む。
【0025】
動作508において、応答局STA-B104は、決定された最大送信電力及び最低MCSでFTM1メッセージを開始局STA-A102に送信する。ToF測定手順は、図7に詳細に示されている。
【0026】
図6は、或る例示的な実施例による開始側で決定された飛行時間送信電力制御のハイレベルな概略フローチャートのブロック図を示している。例示的な開始側で決定される実施例では、開始側はまた、そのFTMRメッセージにおける応答局から受信したFTMR ACKのRSSIを測定することにより、同じMaximumTXPower計算を実行してもよい。他の例示的な開始側で決定される実施例では、応答側の最大EVM(最小SNR)は、更新されたFTMメッセージングプロトコルのFTMRを使用して開始局により決定される。更新されたFTMプロトコルでは、FTMRメッセージは、最大EVM(最小SNR)又は応答側の最小PAバックオフのフィールドを有する。802.11改訂/維持管理グループの現在の提案では、FTMRメッセージは、開始局が要求されたFTMにおいて応答局から要求する様々なパラメータを示す“指示要素(indication element)”を有する。ToF送信電力制御は、開始局により応答局から要求される最大EVM(Max EVM)の許容値の指示要素フィールドをサポートする。例示的な開始側で決定される実施例では、最大EVMフィールドは、2の補数の符号付き整数で1オクテットの長さである。最大EVM値は、現在のチャネルで応答局により使用されるアンテナコネクタの出力において測定されるEVMの上限を提供する。
【0027】
方法600における動作は、図1を参照して前述した開始局STA-Aにより実行されてもよい。図6に示すように、方法600は、動作602、604、606、及び608を含む。動作602で始まり、開始局STA-A102は、開始局STA-A102によりサポートされる最大送信電力及び最低MCSでFTMRメッセージを送信し、応答局STA-B104は、FTMRメッセージを受信する。制御フローは、動作604に進む。
【0028】
動作604において、開始局STA-A102は、応答局STA-B104からFTMRメッセージの受信を承認するACKメッセージを受信する。制御フローは、動作606に進む。
【0029】
動作606において、開始局STA-A102は、受信したACKメッセージのRSSIを測定する。制御フローは、動作608に進む。
【0030】
動作608において、応答局STA-B104は、式1、すなわち、MaximumTXPower=β−α・RSSIから導出された所望のEVMの最大送信電力を決定する。
【0031】
図7は、或る例示的な実施例による飛行時間送信電力制御の例示的な手順を示している。図7に示すように、開始局STA-A102は、応答局STA-B104への管理フレームを伝達するファインタイミング測定レポート(FTMR)メッセージM1 702を送信するように構成されてもよい。応答局STA-B104は、ACK704で応答してもよい。M1 702は、タイミング測定アクションフレームでもよい。タイミング測定アクションフレームは、ユニキャスト管理フレームでもよい。
【0032】
FTMRメッセージは、最大EVM(最小SNR)又は最小PAバックオフ値の指示要素フィールドを有してもよい。指示要素フィールドは、開始局により応答局から要求される最大EVM(max EVM)の許容値を提供する。例示的な実施例では、最大EVMフィールドは、2の補数の符号付き整数で1オクテットの長さである。最大EVM値は、現在のチャネルで応答局により使用されるアンテナコネクタの出力において測定されるEVMの上限を提供する。
【0033】
応答局STA-B104は、開始局STA-A102への管理フレームを伝達するFTM1メッセージM2 706を送信するように構成されてもよい。開始局STA-A102は、ACK708で応答してもよい。M2 706は、タイミング測定アクションフレームでもよい。M2 706は、応答局STA-B104による最大EVM(max EVM)の許容値を含む指示要素フィールドを有してもよい。タイミング測定アクションフレームは、ユニキャスト管理フレームでもよい。
【0034】
図8は、或る実施例による例示的な通信局800の機能図を示している。図8は、或る実施例による開始局STA-A102又は応答局STA-B104(図2)の機能ブロック図を示している。通信局800はまた、ハンドヘルドデバイス、モバイルデバイス、セルラ電話、スマートフォン、タブレット、ネットブック、無線端末、ラップトップコンピュータ、フェムトセル、高データレート(HDR)加入者局、アクセスポイント、アクセス端末、又は他のパーソナル通信システム(PCS)デバイスとしての使用に適してもよい。
【0035】
通信局800は、1つ以上のアンテナ802を使用して他の通信局に信号を送信し、他の通信局から信号を受信するための物理媒体アクセス制御レイヤ(MAC:medium access control layer)回路804を含んでもよい。通信局800はまた、ここに記載の動作を実行するように構成された処理回路806及びメモリ808を含んでもよい。或る実施例では、物理レイヤ回路804及び処理回路806は、図5〜7に詳細に説明した動作を実行するように構成されてもよい。
【0036】
或る実施例によれば、MAC回路804は、無線媒体で通信するために無線媒体構成フレーム又はパケットを競争するように構成されてもよく、物理回路804は、信号を送信及び受信するように構成されてもよい。物理回路804は、変調/復調、アップコンバート/ダウンコンバート、フィルタリング、増幅等のための回路を含んでもよい。或る実施例では、通信局800の処理回路806は、1つ以上のプロセッサを含んでもよい。或る実施例では、2つ以上のアンテナ802は、信号を送信及び受信するように構成された物理レイヤ回路804に結合されてもよい。メモリ808は、メッセージフレームを構成して送信する動作を実行するように処理回路806を構成し、ここに記載の様々な動作を実行するための情報を記憶してもよい。
【0037】
或る実施例では、通信局800は、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)、無線通信機能を備えたラップトップ又はポータブルコンピュータ、ウェブタブレット、無線電話、スマートフォン、無線ヘッドセット、ページャ、インスタントメッセージングデバイス、デジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ、医療デバイス(例えば、心拍数モニタ、血圧モニタ等)、又は無線で情報を受信及び/又は送信し得る他のデバイスのような、ポータブル無線通信デバイスの一部でもよい。
【0038】
或る実施例では、通信局800は、1つ以上のアンテナ802を含んでもよい。アンテナ802は、例えば、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、又はRF信号の送信に適した他の種類のアンテナを含む1つ以上の指向性又は無指向性アンテナを有してもよい。或る実施例では、2つ以上のアンテナの代わりに、複数の開口を備えた単一のアンテナが使用されてもよい。これらの実施例では、各開口は、別々のアンテナと考えられてもよい。或るMIMO(multiple-input multiple-output)の実施例では、アンテナは、アンテナのそれぞれの間及び送信局のアンテナのそれぞれの間を生じ得る空間ダイバーシチ及び異なるチャネル特性を実現するように効果的に分離されてもよい。
【0039】
或る実施例では、通信局800は、キーボード、ディスプレイ、不揮発性メモリポート、複数のアンテナ802、グラフィックプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、スピーカ、及び他のモバイルデバイスの要素のうち1つ以上を含んでもよい。ディスプレイは、タッチスクリーンを含むLCDスクリーンでもよい。
【0040】
通信局800は、複数の別々の機能要素を有するものとして示されているが、1つ以上の機能要素は結合されてもよく、デジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)を含む処理要素のようなソフトウェアで構成された要素及び/又は他のハードウェア要素の組み合わせにより実現されてもよい。例えば、或る要素は、1つ以上のマイクロプロセッサ、DSP、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、無線周波数集積回路(RFIC:radio frequency integrated circuit)、及びここに記載の機能を少なくとも実行する様々なハードウェア及び論理回路の組み合わせを有してもよい。或る実施例では、通信局800の機能要素は、1つ以上の処理要素で動作する1つ以上の処理を示してもよい。
【0041】
実施例は、ハードウェア、ファームウェア及びソフトウェアの1つ又は組み合わせで実現されてもよい。実施例はまた、コンピュータ読み取り可能記憶デバイスに記憶された命令として実現されてもよい。命令は、ここに記載の動作を実行するために少なくとも1つのプロセッサにより読み取られて実行されてもよい。コンピュータ読み取り可能記憶デバイスは、機械(例えば、コンピュータ)により読み取り可能な形式で情報を記憶するいずれかの過渡的でないメモリ機構808を含んでもよい。例えば、コンピュータ読み取り可能記憶デバイスは、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、及び他の記憶デバイス及び媒体を含んでもよい。或る実施例では、通信局STA800は、1つ以上のプロセッサを含んでもよく、コンピュータ読み取り可能記憶デバイスのメモリ808に記憶された命令で構成されてもよい。
【0042】
図9は、ここで説明した技術(例えば、方法論)のいずれか1つ以上が実行され得る他の例示的な機械900のブロック図を示している。別の実施例では、機械900は、スタンドアローンデバイスとして動作してもよく、他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク接続された配置では、機械900は、サーバクライアントネットワーク環境におけるサーバ機、クライアント機、又は双方のキャパシティで動作してもよい。一例では、機械900は、ピアツーピア(P2P:peer-to-peer)(又は他の分散)ネットワーク環境におけるピア機として動作してもよい。機械900は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、移動電話、ウェブ機器、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は基地局のようなその機械により取られるアクションを指定する命令(順次命令又は別の命令)を実行可能ないずれかの機械でもよい。更に、単一の機械が示されているが、“機械”という用語はまた、クラウドコンピューティング、SaaS(software as a service)、他のコンピュータクラスタ構成のように、ここで説明した方法論のいずれか1つ以上を実行するための一式(又は複数セット)の命令を個別に或いは一緒に実行する機械のいずれかの集合を含むものとして受け取られるものとする。
【0043】
ここに記載の例は、ロジック又は複数の構成要素、モジュール、又は機構を含んでもよく、これらで動作してもよい。モジュールは、動作しているときに指定の動作を実行可能な有形のエンティティ(例えば、ハードウェア)である。モジュールは、ハードウェアを含む。一例では、ハードウェアは、特定の動作(例えば、ハードワイヤード)を実行するように特に構成されてもよい。一例では、ハードウェアは、構成可能な実行ユニット(例えば、トランジスタ、回路等)と、命令を含むコンピュータ読み取り可能媒体とを含んでもよい。命令は、動作しているときに指定の動作を実行するように実行ユニットを構成する。構成は、実行ユニット又はローディング機構の指示で生じてもよい。従って、実行ユニットは、デバイスが動作しているときにコンピュータ読み取り可能媒体に通信可能に結合される。この例では、実行ユニットは、1つより多くのモジュールのメンバでもよい。例えば、動作中に、実行ユニットは、或る時点で第1のモジュールを実現するように第1のセットの命令により構成され、第2のモジュールを実現するように第2のセットの命令により再構成されてもよい。
【0044】
機械(例えば、コンピュータシステム)900は、ハードウェアプロセッサ902(例えば、中央処理装置(CPU:central processing unit)、グラフィック処理ユニット(GPU:graphics processing unit)、ハードウェアプロセッサコア、又はこれらのいずれかの組み合わせ)と、メインメモリ904と、スタティックメモリ906とを含んでもよい。これらの一部又は全部は、インターリンク(例えば、バス)908を介して相互に通信してもよい。機械900は、電力管理デバイス634と、グラフィック表示デバイス910と、英数字入力デバイス912(例えば、キーボード)と、ユーザインタフェース(UI:user interface)ナビゲーションデバイス914(例えば、マウス)とを更に含んでもよい。一例では、グラフィック表示デバイス910、入力デバイス912及びUIナビゲーションデバイス914は、タッチスクリーンディスプレイでもよい。機械900は、記憶デバイス(例えば、ドライブユニット)916と、信号生成デバイス918(例えば、スピーカ)と、ネットワークインタフェースデバイス(トランシーバ)920と、グローバルポジショニングシステム(GPS:global positioning system)センサ、コンパス、加速度計又は他のセンサのような1つ以上のセンサ928とを更に含んでもよい。
【0045】
記憶デバイス916は、ここに記載の技術又は機能のいずれか1つ以上により具現又は利用されるデータ構造及び命令924の1つ以上のセット(例えば、ソフトウェア)が記憶された機械読み取り可能媒体922を含んでもよい。命令924はまた、メインメモリ904、スタティックメモリ906、又は機械900による実行中のハードウェアプロセッサ902の中に完全に或いは少なくとも部分的に存在してもよい。一例では、ハードウェアプロセッサ902、メインメモリ904、スタティックメモリ906、又は記憶デバイス916の1つ又はいずれかの組み合わせが機械読み取り可能媒体を構成してもよい。
【0046】
機械読み取り可能媒体922は、単一の媒体として示されているが、“機械読み取り可能媒体”という用語は、1つ以上の命令924を記憶するように構成された単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース及び/又は関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含んでもよい。
【0047】
“機械読み取り可能媒体”という用語は、機械900による実行のための命令を記憶、符号化又は搬送可能であり、機械900に対してこの開示の技術のいずれか1つ以上を実行させるいずれかの媒体、又は、このような命令924により利用又は関連付けされたデータ構造を記憶、符号化又は搬送可能であるいずれかの媒体を含んでもよい。非限定的な機械読み取り可能媒体922の例は、ソリッドステートメモリと、光及び磁気媒体を含んでもよい。一例では、大容量機械読み取り可能媒体922は、半導体記憶デバイス(例えば、電気的プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM))及びフラッシュメモリデバイス、内部ハードディスク及び取り外し可能ディスクのような磁気ディスク、並びにCD-ROM及びDVD-ROMディスク)のような不揮発性メモリを含んでもよい。
【0048】
更に、命令924は、複数の周知の伝送プロトコル(例えば、フレームリレー、インターネットプロトコル(IP)、伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)等)のいずれか1つを利用して、ネットワークインタフェースデバイス920を介した伝送媒体を使用して通信ネットワーク926で送信又は受信されてもよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、パケットデータネットワーク(例えば、インターネット)、移動電話ネットワーク(例えば、セルラネットワーク)、POTS(Plain Old Telephone)ネットワーク、及び無線データネットワーク(例えば、とりわけWiFiとして知られるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ファミリーの標準、IEEE802.15.4ファミリーの標準、ピアツーピア(P2P)ネットワーク)を含んでもよい。一例では、ネットワークインタフェースデバイス920は、通信ネットワーク926に接続するための1つ以上の物理ジャック(例えば、Ethernet、同軸又は電話ジャック)又は1つ以上のアンテナ930を含んでもよい。一例では、ネットワークインタフェースデバイス920は、SIMO(single-input multiple-output)、MIMO(multiple-input multiple-output)又はMISO(multiple-input single-output)技術の少なくとも1つを使用して無線で通信するための複数のアンテナ930を含んでもよい。“伝送媒体”という用語は、機械900による実行のための命令924を記憶、符号化又は搬送可能であり、このようなソフトウェアの通信を実現するためのデジタル若しくはアナログ通信信号又は他の無形の媒体を含むいずれか無形の媒体を含むものとして考えられるものとする。
【0049】
有線通信は、Ethernet、USB(Universal Serial Bus)、Firewire、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)等のようなシリアル及びパラレル有線媒体を含んでもよい。無線通信は、例えば、近接無線媒体(例えば、近距離通信(NFC:near field communications)標準に基づくもののような無線周波数(RF)、赤外線(IR)、光学式文字認識(OCR)、磁気文字検出等)、短距離無線媒体(例えば、Bluetooth(登録商標)、WLAN、Wi-Fi等)、長距離無線媒体(例えば、GSM(Global System for Mobile Communications)無線通信技術、GPRS(General Packet Radio Service)無線通信技術、EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)無線通信技術、及び/又は3GPP(Third Generation Partnership Project)無線通信技術(例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、FOMA(Freedom of Multimedia Access)、3GPP LTE(Long Term Evolution)、3GPP LTE Advanced(Long Term Evolution Advanced))、CDMA2000(Code division multiple access 2000)、CDPD(Cellular Digital Packet Data)、Mobitex、3G(Third Generation)、CSD(Circuit Switched Data)、HSCSD(High-Speed Circuit-Switched Data)、UMTS (3G)(Universal Mobile Telecommunications System (Third Generation))、W-CDMA UMTS(Wideband Code Division Multiple Access Universal Mobile Telecommunications System)、HSPA(High Speed Packet Access)、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)、HSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)、HSPA+(High Speed Packet Access Plus)、UMTS-TDD(Universal Mobile Telecommunications System-Time-Division Duplex)、TD-CDMA(Time Division-Code Division Multiple Access)、TD-CDMA(Time Division-Synchronous Code Division Multiple Access)、3GPP Rel. 8 (Pre-4G)(3rd Generation Partnership Project Release 8 (Pre-4th Generation))、3GPP Rel. 9(3rd Generation Partnership Project Release 9)、3GPP Rel. 10(3rd Generation Partnership Project Release 10)、3GPP Rel. 11(3rd Generation Partnership Project Release 11)、3GPP Rel. 12(3rd Generation Partnership Project Release 12)、3GPP Rel. 13(3rd Generation Partnership Project Release 13)及び後のリリース(Rel. 14、Rel. 15等)UTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)、E-UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)、LTE Advanced (4G)(Long Term Evolution Advanced (4th Generation))、cdmaOne (2G)、CDMA2000 (3G)(Code division multiple access 2000 (Third generation))、EV-DO(Evolution-Data Optimized又はEvolution-Data Only)、AMPS (1G)(Advanced Mobile Phone System (1st Generation))、
TACS/ETACS(Total Access Communication System/Extended Total Access Communication System)、D-AMPS (2G)(Digital AMPS (2nd
Generation))、PTT(Push-to-talk)、MTS(Mobile Telephone System)、IMTS(Improved Mobile Telephone System)、AMTS(Advanced Mobile Telephone System)、OLT(Offentlig Landmobil Telefoni, Public Land Mobile Telephonyのノルウェー語)、MTD(Mobiltelefonisystem D又はMobile telephony system Dのスウェーデンの略語)、Autotel/PALM(Public Automated Land Mobile)、ARP(Finnish
for Autoradiopuhelin, car radio phoneのフィンランド語)、NMT(Nordic Mobile Telephony)、Hicap(NTT(Nippon Telegraph and Telephone)のHigh capacity version)、CDPD(Cellular Digital Packet Data)、Mobitex、DataTAC、iDEN(Integrated Digital Enhanced Network)、PDC(Personal Digital Cellular)、CSD(Circuit Switched Data)、PHS(Personal Handy-phone System)、WiDEN(Wideband Integrated Digital Enhanced Network)、iBurst、Unlicensed Mobile Access(UMA、3GPP Generic Access Network又はGAN標準とも呼ばれる)等を含んでもよいセルラ広域無線通信技術)、音波を介した電子的相互作用、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ad/af、WiFi、WiFi for TVWS、IEEE802.16e/m、WiMAX等を含んでもよい。
【0050】
一実施例では、ユーザ装置(UE)は、開始局から、最大送信電力並びに最低変調及び符号化方式(MCS)でファインタイミング測定要求(FTMR)メッセージを受信し、受信したFTMRメッセージの相対受信信号強度(RSSI)を測定し、測定されたRSSIに比例する最大送信電力を決定し、決定された最大送信電力及び受信した最低MCSでファインタイミング測定1(FTM1)メッセージを開始局に送信するように構成されたトランシーバ920を有する。
【0051】
他の実施例では、通信局800は、ファインタイミング測定メッセージの最大送信電力を決定するように構成され、通信局800は、最大送信電力並びに最低変調及び符号化方式(MCS)でファインタイミング測定要求(FTMR)メッセージを応答局に送信し、応答局から、FTMRメッセージの受信を承認する肯定応答(ACK)メッセージを受信し、受信したACKメッセージの相対受信信号強度(RSSI)を測定し、測定されたRSSIに比例する最大送信電力を決定する物理レイヤ回路804及び処理要素を有する。
【0052】
更に他の実施例では、記憶した命令924を含む過渡的でないコンピュータ読み取り可能記憶デバイスの命令924は機械900により実行された場合、機械900に対して、開始局から、最大送信電力並びに最低変調及び符号化方式(MCS)でファインタイミング測定要求(FTMR)メッセージを受信し、受信したFTMRメッセージの相対受信信号強度(RSSI)を測定し、測定されたRSSIに比例する最大送信電力を決定し、決定された最大送信電力及び受信した最低MCSでファインタイミング測定1(FTM1)メッセージを開始局に送信することを有する動作を実行させる。
【0053】
<補注>
前述の実施例の説明は、添付図面への参照を含む。添付図面は、詳細な説明の一部を形成する。図面は、例として、ここで説明した方法、装置及びシステムが実施され得る特定の実施例を示している。これらの実施例はまた、ここでは“例”とも呼ばれる。このような例は、図示又は記載のものに加えて要素を含んでもよい。しかし、本発明の発明者はまた、図示又は記載の要素のみが提供される例も検討する。更に、本発明の発明者はまた、ここに図示又は記載の特定の例(又はその1つ以上の態様)又は他の例(又はその1つ以上の態様)に関して、図示又は記載の要素(又はその1つ以上の態様)のいずれかの組み合わせ又は置換を使用した例も検討する。
【0054】
図面のフローチャート及びブロック図は、この開示の様々な態様によるシステム、方法及びコンピュータプログラムプロダクトの可能な実現のアーキテクチャ、機能及び動作を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、指定の論理機能を実現するための1つ以上の実行可能命令924を有するモジュール、セグメント又はコードの一部を表してもよい。或る別の実現では、ブロックに示す機能は、図面に示す順序とは別の順序で生じてもよい点にも留意すべきである。例えば、連続して示す2つのブロックは、関与する機能に応じて、実際には実質的に同時に実行されてもよく、ブロックが場合によっては逆の順序で実行されてもよい。ブロック図及び/又はフローチャートの例の各ブロック、並びにブロック図及び/又はフローチャートの例のブロックの組み合わせは、指定の機能又は動作を実行する特殊目的のハードウェアに基づくシステム、又は特殊目的のハードウェアとコンピュータ命令924との組み合わせにより実現されてもよいことにも留意すべきである。
【0055】
ここに記載の機能又は技術は、ソフトウェア、又はソフトウェアと人間により実現される手順との組み合わせで実現されてもよい。ソフトウェアは、メモリ又は他の種類の記憶デバイス916のようなコンピュータ読み取り可能媒体922に記憶されたコンピュータ実行可能命令924で構成されてもよい。“コンピュータ読み取り可能媒体”という用語もまた、有線又は無線送信の異なる形式等により、コンピュータ読み取り可能命令924がコンピュータにより受信され得るいずれかの手段を表すために使用される。更に、このような機能は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はこれらのいずれかの組み合わせであるモジュールに対応する。複数の機能は、必要に応じて1つ以上のモジュールで実行されてもよく、記載の実施例は単なる例である。ソフトウェアは、デジタルシグナルプロセッサ、ASIC、マイクロプロセッサ、又はパーソナルコンピュータ、サーバ若しくは他のコンピュータシステムのようなコンピュータシステム上で動作する他の種類のプロセッサ902で実行されてもよい。
【0056】
この文献において、単数の用語は、特許文献に一般的であるように、“少なくとも1つ”又は“1つ以上”の他のインスタンス又は使用には無関係に、1つ又は1つより多くを含むために使用される。この文献において、特に別の指示がない限り、“又は”という用語は、非限定的であることを示すため、或いは、“A又はB”が“BではなくA”、“AではなくB”及び“A及びB”を含むように使用される。この文献において“含む”及び“ここで”という用語は、“有する”及び“ただし”というそれぞれの用語の等価なものとして使用される。また、以下の特許請求の範囲において、“含む”及び“有する”は、オープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲に記載のものに加えて要素を含むシステム、デバイス、物、合成物、形成物又は処理は、依然として特許請求の範囲内に入るものと考えられる。更に、以下の特許請求の範囲において、“第1”、“第2”及び“第3”等の用語は、単なるラベルとして使用されており、その対象に数値的な要件を課すことを意図するものではない。
【0057】
ここで使用される、参照符号を示す場合に使用される“-”(ダッシュ)は、ダッシュにより示される範囲内の全ての要素の、前の段落で説明した非限定的な意味における“又は”を意味する。例えば、103A-Bは、103A-103Bが“103Bではなく103A”、“103Aではなく103B”及び“103A及び103B”を含むように、{103A、103B}の範囲の要素の非排他的な“又は”を意味する。
【0058】
前述の説明は、限定的ではなく例示的であることを意図する。例えば、前述の例(又はその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。当業者が前述の説明を検討すること等により、他の実施例が使用されてもよい。要約は、読者が技術的開示の本質を迅速に確認することができるため、37 C.F.R. §1.72(b)に準拠するように提供されている。これは、特許請求の範囲の意味又は範囲を解釈又は限定するために使用されないという理解で提示されている。また、前述の実施例の説明において、様々な特徴が開示を合理化するためにグループ化されることがある。これは、特許請求の範囲に記載されていない開示の特徴がいずれかの請求項に必須であるという意図として解釈されるべきではない。むしろ、発明の対象物は、特定の開示の実施例の全ての特徴未満にあってもよい。従って、以下の特許請求の範囲は、各請求項が別々の実施例として自立した例又は実施例として実施例の説明に組み込まれ、このような実施例が様々な組み合わせ又は置換で互いに組み合わされてもよいことが考えられる。実施例の範囲は、特許請求の範囲を参照して、このような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
図1
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