特許第6297708号(P6297708)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297708
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】蒸発燃料処理装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 25/08 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   F02M25/08 E
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-546594(P2016-546594)
(86)(22)【出願日】2015年8月27日
(86)【国際出願番号】JP2015074146
(87)【国際公開番号】WO2016035655
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2017年1月16日
(31)【優先権主張番号】特願2014-176952(P2014-176952)
(32)【優先日】2014年9月1日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-176953(P2014-176953)
(32)【優先日】2014年9月1日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木本 順也
(72)【発明者】
【氏名】宮部 善和
【審査官】 齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−092685(JP,A)
【文献】 特開2007−009849(JP,A)
【文献】 特開2011−256778(JP,A)
【文献】 特開2003−269693(JP,A)
【文献】 特開2003−035231(JP,A)
【文献】 特開2001−206081(JP,A)
【文献】 特開2001−012325(JP,A)
【文献】 特開平05−180098(JP,A)
【文献】 特許第5400669(JP,B2)
【文献】 特許第5167023(JP,B2)
【文献】 特許第3348568(JP,B2)
【文献】 特許第5525295(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、その吸着された蒸発燃料をエンジンに吸入させ、燃料タンクとキャニスタとを接続する経路上に、燃料タンクとキャニスタとの連通を制御する封鎖弁を備え、且つ燃料タンクから燃料が前記経路上に流出するのを防止するフロート弁を備えた蒸発燃料処理装置において、
燃料タンクへの給油の開始を指示するために操作され、給油開始信号を発する給油スイッチと、
燃料タンク内の空間圧力を内圧として検出する内圧センサと、
前記給油スイッチから給油開始信号が発せられ、且つ前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が予め設定された設定圧力より高いとき、前記フロート弁が作動しない範囲内で前記封鎖弁を開弁させ、開弁開始時から前記燃料タンクの内圧が低下するのに応じて前記封鎖弁の開弁速度を速くする封鎖弁制御手段とを備える蒸発燃料処理装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記封鎖弁制御手段は、開弁開始時からの前記封鎖弁の開度制御を、少なくとも2段階に分けて行い、開弁開始時の第1段階に比べて、その後の第2段階は開度を大きくされ、且つ開弁速度を速くされる蒸発燃料処理装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では前記封鎖弁の開度を燃料タンクの内圧に応じて制御し、前記第2段階では予め決められた量だけ階段状に前記封鎖弁を開くようにする蒸発燃料処理装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では前記封鎖弁の開弁速度が前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧に応じて制御され、内圧が高い程遅くされる蒸発燃料処理装置。
【請求項5】
請求項2において、
前記封鎖弁制御手段の第1及び第2段階では、前記封鎖弁の開度が階段状に大きくされる蒸発燃料処理装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では前記封鎖弁の開弁量が前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧に応じて制御され、内圧が高い程小さくされる蒸発燃料処理装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧の低下勾配が所定値以上とならないように前記封鎖弁の開度制御を行う蒸発燃料処理装置。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかにおいて、
前記封鎖弁制御手段における前記第1段階と第2段階との切り替えは、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が予め決めた切替圧力に達したときに行う蒸発燃料処理装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記封鎖弁制御手段は、前記封鎖弁の開弁開始時に前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が前記切替圧力より低いとき、前記第1段階の封鎖弁の開度制御を行わず、前記第2段階の制御のみを行う蒸発燃料処理装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記封鎖弁制御手段は、前記フロート弁の閉作動を検出したとき、前記封鎖弁の開度を所定量減少させる蒸発燃料処理装置。
【請求項11】
請求項10において、
前記フロート弁の閉作動の検出は、前記封鎖弁を開弁している状態で燃料タンク内圧の低下量が小さいことを検出して行う蒸発燃料処理装置。
【請求項12】
請求項10又は11において、
前記封鎖弁の開度の減少は、階段状に予め決められた所定量だけ封鎖弁を閉じる制御、若しくは前記フロート弁が再び開くまで連続的に封鎖弁の開度を減少させる制御によって行う蒸発燃料処理装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかにおいて、
前記給油スイッチから給油開始信号が発せられ、且つ前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が前記設定圧力より低いとき、燃料タンクの給油口を閉鎖しているリッドドアを開放するリッドドア開手段を備える蒸発燃料処理装置。
【請求項14】
給油中に燃料タンク内で発生した蒸発燃料を燃料タンクの給油口部分に循環させるようにブリーザ管を備え、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、その吸着された蒸発燃料をエンジンに吸入させ、燃料タンクとキャニスタとを接続する経路上に、燃料タンクとキャニスタとの連通を制御する封鎖弁を備えた蒸発燃料処理装置において、
給油開始後、前記封鎖弁の開度を所定開度に制御し、該所定開度は、燃料タンクの内圧が、ブリーザ管を通じて必要量の蒸発燃料を燃料タンクの給油口部分に循環させるために必要な第1圧力より高くなる開度とする封鎖弁制御手段を備える蒸発燃料処理装置。
【請求項15】
請求項14において、
前記所定開度は、燃料タンクの内圧が第2圧力より低くなる開度とし、該第2圧力は、燃料タンクの満タン時に給油ガンによる給油を停止するオートストップ機能が働く圧力に相当する蒸発燃料処理装置。
【請求項16】
請求項14又は15において、
燃料タンク内の空間圧力を内圧として検出する内圧センサを備え、
前記封鎖弁制御手段は、給油開始後、前記封鎖弁の開度を、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧に基づいて制御する蒸発燃料処理装置。
【請求項17】
請求項16において、
前記封鎖弁制御手段は、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が前記第1圧力より低くなると、前記封鎖弁の開度を第1所定量閉じる蒸発燃料処理装置。
【請求項18】
請求項16において、
前記封鎖弁制御手段は、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が予め幅をもって設定された目標圧範囲となるように前記封鎖弁の開度を制御する蒸発燃料処理装置。
【請求項19】
請求項16乃至18のいずれかにおいて、
前記封鎖弁制御手段は、給油開始時に燃料タンク内で発生する蒸発燃料によって上昇する内圧のピークを検出した後、前記封鎖弁の開度制御を行う蒸発燃料処理装置。
【請求項20】
請求項16乃至19のいずれかにおいて、
前記封鎖弁制御手段は、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が前記第2圧力に達したとき、前記封鎖弁を所定開度まで開く、又は第2所定量だけ開く蒸発燃料処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンクとキャニスタとを接続する経路上に、燃料タンクとキャニスタとの連通を制御する封鎖弁を備えた蒸発燃料処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
封鎖弁を備えた蒸発燃料処理装置においては、封鎖弁が閉じられ燃料タンクが密閉状態にあって、しかも燃料タンクの内圧が高い状態にあると、燃料給油時に燃料タンクの給油キャップを開けた際に給油口から燃料タンク内に溜まっていた蒸発燃料が大気中に放出される問題がある。そこで、特開2011−169276号公報の発明では、燃料給油時に燃料タンク内圧が高い状態にあると、給油キャップを開ける前に封鎖弁を開いて燃料タンク内圧を低下させることが行われている。しかも、燃料タンク内圧を低下させる際の低下速度が速いと、燃料タンク内のフロート弁が閉じてしまい、内圧低下を行うことができなくなる等の不具合が生じることに鑑み、低下速度を抑制するように封鎖弁の開度を抑制制御している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、燃料タンクの内圧低下の速度を抑制するため、当初の内圧が高い場合には、燃料給油ができるまで内圧が低下するのに長時間を要する問題がある。
【0004】
このような問題に鑑み本発明の課題は、燃料給油時に燃料タンク内圧が高い状態にあると、給油キャップを開ける前に封鎖弁を開いてフロート弁付きの経路を通じて蒸発燃料をキャニスタに流し燃料タンク内圧を低下させる蒸発燃料処理装置において、フロート弁が作動しない範囲内で蒸発燃料の流量を多くするように封鎖弁の開弁速度を蒸発燃料の減少に応じて速くすることにより、給油可能な圧力まで燃料タンク内圧が低下するのに要する時間を短縮することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明における第1発明は、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、その吸着された蒸発燃料をエンジンに吸入させ、燃料タンクとキャニスタとを接続する経路上に、燃料タンクとキャニスタとの連通を制御する封鎖弁を備え、且つ燃料タンクから燃料が前記経路上に流出するのを防止するフロート弁を備えた蒸発燃料処理装置において、燃料タンクへの給油の開始を指示するために操作され、給油開始信号を発する給油スイッチと、燃料タンク内の空間圧力を内圧として検出する内圧センサと、前記給油スイッチから給油開始信号が発せられ、且つ前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が予め設定された設定圧力より高いとき、前記フロート弁が作動しない範囲内で前記封鎖弁を開弁させ、開弁開始時から前記燃料タンクの内圧が低下するのに応じて前記封鎖弁の開弁速度を速くする封鎖弁制御手段とを備える。
【0006】
第1発明において、封鎖弁制御手段は、内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が低下するのに応じて封鎖弁の開弁速度を段階的、若しくは連続的に速くする制御を採用することができる。
【0007】
第1発明によれば、給油スイッチから給油開始信号が発せられたとき、燃料タンクの内圧が高いと、給油が開始されるまでの間に封鎖弁が開かれ、燃料タンク内の蒸発燃料がキャニスタに送られ吸着される。従って、給油時に給油口から燃料タンク内の蒸発燃料が大気中に放出されることが防止される。このとき、封鎖弁の開弁制御は、フロート弁が閉作動しない範囲で開弁され、燃料タンクの内圧が低下するのに応じて開弁速度を速くされる。そのため、フロート弁が閉作動されないで速やかに燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させることができ、給油スイッチから給油開始信号が発せられてから給油が可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0008】
本発明における第2発明は、上記第1発明において、前記封鎖弁制御手段は、開弁開始時からの前記封鎖弁の開度制御を、少なくとも2段階に分けて行い、開弁開始時の第1段階に比べて、その後の第2段階は開度を大きくされ、且つ開弁速度を速くされる。
【0009】
第2発明において、第1段階と第2段階との切り替えは、内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が予め決めた切替圧力に達したときに行うことができる。また、封鎖弁の開弁開始時に内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が切替圧力より低いとき、第1段階の封鎖弁の開度制御を行わず、第2段階の制御のみを行うこともできる。
【0010】
本発明における第3発明は、上記第2発明において、前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では封鎖弁の開度を燃料タンクの内圧に応じて制御し、第2段階では予め決められた量だけ階段状に封鎖弁を開くようにすることができる。
【0011】
本発明における第4発明は、上記第3発明において、前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では前記封鎖弁の開弁速度が前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧に応じて制御され、内圧が高い程遅くされる。
【0012】
本発明における第5発明は、上記第2発明において、前記封鎖弁制御手段の前記第1及び第2段階では、前記封鎖弁の開度が階段状に大きくされる。
【0013】
本発明における第6発明は、上記第5発明において、前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では前記封鎖弁の開弁量が前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧に応じて制御され、内圧が高い程小さくされる。
【0014】
本発明における第7発明は、上記第5又は第6発明において、前記封鎖弁制御手段は、前記第1段階では前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧の低下勾配が所定値以上とならないように前記封鎖弁の開度制御を行う。
【0015】
本発明における第8発明は、上記第1乃至第7発明のいずれかにおいて、前記封鎖弁制御手段は、前記フロート弁の閉作動を検出したとき、前記封鎖弁の開度を所定量減少させる。
【0016】
第8発明において、フロート弁の閉作動の検出は、封鎖弁を開弁している状態で燃料タンク内圧の低下量が小さいことを検出して行うことができる。また、封鎖弁の開度の減少は、階段状に予め決められた所定量だけ封鎖弁を閉じる制御、若しくはフロート弁が再び開くまで連続的に封鎖弁の開度を減少させる制御によって行うことができる。
【0017】
第8発明によれば、封鎖弁を通って燃料タンクからキャニスタに流れる蒸発燃料の流速が速くなり過ぎてフロート弁が閉作動したとき、一旦、封鎖弁の開度が小さくされる。その結果、封鎖弁を通って燃料タンクからキャニスタに流れる蒸発燃料の流速が抑制され、フロート弁を再び開作動させることができる。従って、フロート弁が一旦閉作動された後も燃料タンクからの蒸発燃料のキャニスタへの吸着を継続させることができ、給油が不可能となることを防止することができる。
【0018】
本発明における第9発明は、上記第1乃至第8発明のいずれかにおいて、前記給油スイッチから給油開始信号が発せられ、且つ前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が前記設定圧力より低いとき、燃料タンクの給油口を閉鎖しているリッドドアを開放するリッドドア開手段を備える。
【0019】
本発明における第10発明は、給油中に燃料タンク内で発生した蒸発燃料を燃料タンクの給油口部分に循環させるようにブリーザ管を備え、燃料タンク内の蒸発燃料をキャニスタに吸着させ、その吸着された蒸発燃料をエンジンに吸入させ、燃料タンクとキャニスタとを接続する経路上に、燃料タンクとキャニスタとの連通を制御する封鎖弁を備えた蒸発燃料処理装置において、給油開始後、前記封鎖弁の開度を所定開度に制御し、該所定開度は、燃料タンクの内圧が、ブリーザ管を通じて必要量の蒸発燃料を燃料タンクの給油口部分に循環させるために必要な第1圧力より高くなる開度とする封鎖弁制御手段を備える。
【0020】
第10発明において、封鎖弁が制御される所定開度は、予め決められた固定開度とすることができる。また、封鎖弁が制御される所定開度は、給油開始前に、燃料タンクに溜まった蒸発燃料を抜くように開放し、給油開始後、給油完了に向けて燃料タンク内で発生する蒸発燃料の減少に合わせて所定量閉じるようにすることができる。
【0021】
第10発明によれば、封鎖弁制御手段によって封鎖弁の開度を制御して、給油時の燃料タンク内圧が、ブリーザ管を通じて燃料タンクの給油口部分に必要量の蒸発燃料を循環させるために必要な第1圧力より高い圧力とされる。そのため、給油中にブリーザ管によって循環される蒸発燃料量を適正量に調整することができる。即ち、困難性の高いブリーザ管の通流抵抗の調整をすることなく、燃料タンクとキャニスタとを接続する経路上にある封鎖弁を圧力調整手段として機能させて燃料タンク内圧を調整し、気温の変化等の環境変化の影響により循環される蒸発燃料量が変動しないように調整することができる。
【0022】
本発明における第11発明は、上記第10発明において、前記所定開度は、燃料タンクの内圧が第2圧力より低くなる開度とし、該第2圧力は、燃料タンクの満タン時に給油ガンによる給油を停止するオートストップ機能が働く圧力に相当する。
【0023】
第11発明において、第2圧力は、オートストップ機能が働く圧力と等しい圧力でもよいし、オートストップ機能が働く圧力より僅かに低い圧力でもよい。
【0024】
本発明における第12発明は、上記第10又は第11発明において、燃料タンク内の空間圧力を内圧として検出する内圧センサを備え、前記封鎖弁制御手段は、給油開始後、前記封鎖弁の開度を、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧に基づいて制御する。
【0025】
本発明における第13発明は、上記第12発明において、前記封鎖弁制御手段は、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が前記第1圧力より低くなると、前記封鎖弁の開度を第1所定量閉じる。
【0026】
本発明における第14発明は、上記第12発明において、前記封鎖弁制御手段は、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が予め幅をもって設定された目標圧範囲となるように前記封鎖弁の開度を制御する。
【0027】
本発明における第15発明は、上記第12乃至第14発明のいずれかにおいて、前記封鎖弁制御手段は、給油開始時に燃料タンク内で発生する蒸発燃料によって上昇する内圧のピークを検出した後、前記封鎖弁の開度制御を行う。
【0028】
第15発明において、上記ピークの検出は、予め決めたピーク圧力よりも僅かに低く設定した圧力に内圧が到達したことを検出して行ってもよいし、内圧が上昇から下降に転じたことを検出して行ってもよい。
【0029】
本発明における第16発明は、上記第12乃至15発明のいずれかにおいて、前記封鎖弁制御手段は、前記内圧センサによって検出される燃料タンクの内圧が前記第2圧力に達したとき、前記封鎖弁を所定開度まで開く、又は第2所定量だけ開く。
【0030】
第16発明によれば、燃料タンク内圧が第2圧力に達したとき封鎖弁が所定開度まで開かれるか、第2所定量開かれる。それによって、燃料タンク内圧は下げられ、燃料タンクが満タンになる前に給油ガンのオートストップ機能が一旦働いた場合でも、直ちにオートストップ機能を解除して給油を継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明に対応する概念図である。
図2】本発明の第1実施形態のシステム構成図である。
図3】第1実施形態における封鎖弁の開弁制御及びリッドドアの開制御処理ルーチンのフローチャートである。
図4】第1実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
図5】第1実施形態における封鎖弁の開弁速度を求めるマップの内容を示すグラフである。
図6】本発明の第2実施形態における封鎖弁の開弁制御及びリッドドアの開制御処理ルーチンのフローチャートである。
図7】第2実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
図8】第2実施形態における封鎖弁の開弁量を求めるマップの内容を示すグラフである。
図9】本発明の第3実施形態における封鎖弁の開弁制御及びリッドドアの開制御処理ルーチンのフローチャートである。
図10】第3実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
図11】本発明の第4実施形態における封鎖弁の開弁制御及びリッドドアの開制御処理ルーチンのフローチャートである。
図12】第4実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
図13】本発明の第5実施形態における封鎖弁の開弁制御及びリッドドアの開制御処理ルーチンのフローチャートである。
図14】第5実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
図15】本発明の第6実施形態における封鎖弁の開弁制御処理ルーチンのフローチャートである。
図16】第6実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
図17】本発明の第7実施形態における封鎖弁の開弁制御処理ルーチンのフローチャートである。
図18】第7実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
図19】本発明の第8実施形態における封鎖弁の開弁制御処理ルーチンのフローチャートである。
図20】第8実施形態における封鎖弁の開弁制御を説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明の第1発明に対応する概念図であり、ここでの説明は繰り返しとなるため省略する。
図2、3は、本発明の第1実施形態を示す。この実施形態は、図2に示すように、車両のエンジンシステム10に蒸発燃料処理装置20を付加している。
【0033】
図2において、エンジンシステム10は、周知のものであり、エンジン本体11に吸気通路12を介して空気に燃料を混ぜた混合気を供給している。空気はスロットル弁14によって流量を制御して供給され、燃料は燃料噴射弁(不図示)によって流量を制御して供給されている。スロットル弁14と燃料噴射弁は共に制御回路16に接続されており、スロットル弁14は制御回路16にスロットル弁14の開弁量に関する信号を供給し、燃料噴射弁は制御回路16によって開弁時間を制御されている。燃料噴射弁には燃料が供給されており、その燃料は燃料タンク15から供給されている。
【0034】
蒸発燃料処理装置20は、給油中に発生する燃料蒸気、又は燃料タンク15内で蒸発した燃料蒸気(以下、蒸発燃料という)をベーパ通路22を介してキャニスタ21に吸着させている。また、キャニスタ21に吸着された蒸発燃料はパージ通路23を介してスロットル弁14の下流側の吸気通路12に供給されている。ベーパ通路22には、この通路22を開閉するようにステップモータ式封鎖弁(本発明における封鎖弁に相当する。以下、単に封鎖弁ともいう)24が設けられ、パージ通路23には、この通路23を開閉するようにパージ弁25が設けられている。封鎖弁24は、ステップモータによる開弁動作開始後、燃料タンク15とキャニスタ21との間が連通状態となるまでの間に弁が閉状態を維持されたままとなる領域を有し、開度を連続的に変更可能とされている。燃料タンク15内でベーパ通路22の入口部分は二股に分けられており、そのうちに一方の入口部分にはフロート弁15aが設けられ、他方の入口部分にはカット弁15bが設けられている。フロート弁15aは、燃料タンク15が満タンとなると閉鎖され、燃料がベーパ通路22に流入しないようにしている。また、カット弁15bは、燃料タンク15が傾いて燃料液面が上昇すると閉鎖され、燃料がベーパ通路22に流入しないようにしている。
【0035】
キャニスタ21内には、吸着材としての活性炭21aが装填されており、ベーパ通路22からの蒸発燃料を活性炭21aにより吸着し、この吸着された蒸発燃料をパージ通路23へ放出するようにしている。キャニスタ21には大気通路28も接続されており、キャニスタ21にパージ通路23を介して吸気負圧が印加されると、大気通路28を通じて大気が供給されてパージ通路23を介した蒸発燃料のパージが行われる。大気通路28は、燃料タンク15に設けられた給油管17の給油口17a付近から大気を吸引するようにされている。
【0036】
燃料タンク15に燃料供給を行うための給油管17には、並行してブリーザ管19が設けられ、ブリーザ管19の給油口17a側端部は、給油口17aに給油のため給油ガン(不図示)が挿入されたとき給油ガンの先端部に対応する位置(本発明の第10発明における給油口部分に相当)に開口するように固定されている。一方、ブリーザ管19の燃料タンク15側端部は、燃料タンク15内の上部空間内に開口するように固定されている。ブリーザ管19の働きは従来のものと同じであり、給油中に燃料タンク15内で発生する蒸発燃料を給油口17a付近に循環させている。
【0037】
給油口17aには給油キャップ18が設けられ、給油時に給油キャップ18を外して給油可能とされている。給油口17aは、車体表面に露出するようにされ、その部分にはリッドドア33が設けられ、給油口17aをリッドドア33によって被うようにしている。リッドドア33には、常時閉鎖状態とされたリッドドア33を開くためのリッドオープナ32が設けられている。リッドオープナ32は、リッドスイッチ(本発明の第1発明における給油スイッチに相当)31が車両乗員によって操作されて制御回路16に給油開始信号が入力されたとき、制御回路16から供給される作動信号を受けてリッドドア33を開放させる。また、リッドドア33には、その開閉を検出するリッドドアセンサ34が設けられている。
【0038】
制御回路16には、燃料噴射弁の開弁時間等を制御するために必要な各種信号が入力されている。上述のスロットル弁14の開弁量信号の他、図2に示されているものでは、燃料タンク15の内圧を検出する圧力センサ(本発明の内圧センサに相当し、以下、内圧センサという)26の検出信号、リッドスイッチ31のリッドドア開信号、並びにリッドドアセンサ34の検出信号を制御回路16に入力している。また、制御回路16は、上述のように燃料噴射弁の開弁時間の制御の他、図2に示されているものでは、封鎖弁24及びパージ弁25の開弁制御、並びにリッドオープナ32の開作動を行っている。
【0039】
次に制御回路16にて行われるステップモータ式封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンについて、図4のタイムチャート及び図5のグラフを参照しながら図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
このルーチンの処理が実行されると、ステップS1では、リッドスイッチ31がオン操作されてリッドドア開信号が発せられているか否かが判定される。リッドスイッチ31がオン操作されるまではステップS1は否定判断されるが、リッドスイッチ31がオン操作されるとステップS1は肯定判断され、ステップS2において、内圧センサ26によって検出される燃料タンク15の内圧(以下、タンク圧ともいう)が計測され取り込まれる。ステップS3では、タンク圧が所定値A(本発明の第1発明の封鎖弁制御手段における設定圧力に相当)より高いか否か判定される。
【0041】
タンク圧が所定値Aより高いと、ステップS3は肯定判断され、ステップS11において、封鎖弁24の開弁速度が算出される。この算出は、予め制御回路16内のメモリに格納されたマップに基づき行われる。図5はマップの内容を示している。図5から明らかなようにステップS11では、タンク圧に応じて開弁速度が設定されており、タンク圧が高い程開弁速度が遅くなるようにされている。次のステップS12では、ステップS11にて算出した開弁速度で封鎖弁24を開弁する。図4のタイミングT1では、リッドスイッチ31がオンされ、タンク圧が所定値Aより高い状態で、算出した開弁速度で封鎖弁24が開弁されることを示している。図4では、封鎖弁24の開弁に伴ってタンク圧が低下していることを示している。
【0042】
図3のステップS13では、封鎖弁24の開弁量が所定量Bに到達したか否かを判定している。開弁量が所定量Bに到達するまではステップS13は否定判断されて、ステップS12における開弁を継続する。開弁量が所定量Bに到達してステップS13が肯定判断されると、ステップS4において、再びタンク圧を計測し、ステップS5では、そのタンク圧が所定値A以下となったか否かを判定する。タンク圧が所定値A以下となるまではステップS5は否定判断されるが、タンク圧が所定値A以下となると、ステップS5は肯定判断され、ステップS6において封鎖弁24の開弁量を所定量Cまで開弁量を増大する。図4のタイミングT2では、タンク圧が所定値A以下となった時点で封鎖弁24の開弁量が所定量Cまで増大されることが示されている。
【0043】
図3のステップS7では、リッドドア33を開放する信号をリッドオープナ32に対して出力する。これによりリッドドア33が開放され、給油が可能とされる。図4のタイミングT3では、封鎖弁24の開弁量を所定量Cまで開弁した後にリッドドア33が開放されることが示されている。ここでは、ステップS6において封鎖弁24の開弁量を所定量Cまで開弁した直後に、ステップS7においてリッドドア33を開放しており、封鎖弁24の開弁量が所定量Cまで開弁するより先にリッドドア33が開放される可能性がある。しかし、現実にはリッドドア33が開放されても給油キャップ18が開かれるまでには若干の時間が必要で、その間に封鎖弁24は開弁される。
【0044】
ステップS3において、タンク圧が所定値Aより高くない場合は、ステップS3は否定判断され、ステップS11以降の処理をスキップし、ステップS6において封鎖弁24が所定量Cまで一気に開弁される。この場合は、給油時の燃料タンク15内の蒸発燃料が少ないため、封鎖弁24をいきなり大きく開いてもベーパ通路22を流れる蒸発燃料は少なくフロート弁15aが閉じてしまうことはない。従って、リッドスイッチ31のオン操作後、リッドドア33を開けて給油を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0045】
以上の説明において、図4のタイミングT1〜T2が、本発明における封鎖弁24の開度制御の第1段階であり、タイミングT2〜T3が第2段階である。第1段階では、フロート弁15aが閉作動しないように封鎖弁24がタンク圧に応じた速度で開かれ、第2段階では、タンク圧が低く封鎖弁24を速く開いてもフロート弁15aが閉作動することはないため、封鎖弁24を速度制御なく一気に開くようにしている。ここで、封鎖弁24の開度制御が第1段階から第2段階に移行するのはタンク圧が所定値A以下になる時点であり、所定値Aが本発明における第1段階から第2段階に切り換えられる切替圧力に相当する。
【0046】
第1実施形態によれば、リッドスイッチ31からリッドドア開信号が発せられたとき、燃料タンクの内圧が所定値Aより高いと、リッドドア33が開放されて給油が開始されるまでの間に、第1段階では封鎖弁24がタンク圧に応じた速度で開かれ、燃料タンク15内の蒸発燃料がキャニスタ21に送られ吸着される。タンク圧が所定値A以下となった時点では、第2段階として封鎖弁24を所定量Cまで一気に開弁される。従って、給油時に給油口17aから燃料タンク15内の蒸発燃料が大気中に放出されることが防止される。
【0047】
このとき、第1段階では、封鎖弁24の開弁制御は、タンク圧に応じた速度で行われることにより、フロート弁15aが閉作動しない範囲で開弁され、燃料タンク15の内圧が低下するのに応じて開弁量を大きくされる。また、第2段階では、第1段階よりも速い速度で封鎖弁24は開弁される。そのため、第1段階、第2段階を通じて、フロート弁15aが閉作動されない範囲で速やかに燃料タンク15内の蒸発燃料をキャニスタ21に吸着させることができ、リッドスイッチ31からリッドドア開信号が発せられてからリッドドア33が開放されて給油が可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0048】
図6は、本発明の第2実施形態における封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンを示す。第2実施形態は、第1実施形態に対して、上記第1段階における封鎖弁24の開弁制御を上記第2段階におけるのと同様に階段状に行うようにした点を特徴とする。その他の点については、第2実施形態においても第1実施形態と同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
【0049】
図6において、ステップS1〜ステップS7の処理は、図3におけるステップS1〜ステップS7の処理と同一である。
【0050】
図6のステップS21では、封鎖弁24の開弁量が算出される。この算出は、予め制御回路16内のメモリに格納されたマップに基づき行われる。図8はマップの内容を示している。図8から明らかなようにステップS21では、タンク圧に応じて開弁量が設定されており、タンク圧が高い程開弁量が小さくなるようにされている。次のステップS22では、ステップS21にて算出した開弁量まで封鎖弁24を開弁する。
【0051】
図7のタイミングT1では、リッドスイッチ31がオンされ、タンク圧が所定値Aより高い状態で、算出した開弁量まで封鎖弁24が開弁されることを示している。図4では、封鎖弁24の開弁に伴ってタンク圧が低下していることを示している。
【0052】
第2実施形態では、第1実施形態と同様にリッドスイッチ31がオン操作されてからリッドドア33が開放されるまでの期間を2段階に分け、タンク圧が所定値A以下となるまでの最初の第1段階(図7のタイミングT1からT2までの間)では、フロート弁15aが閉作動しない範囲で封鎖弁24を抑制された開度で開弁制御するが、次の第2段階(図7のタイミングT2からT3までの間)では、フロート弁15aの閉作動を意識することなく封鎖弁24を一気に開いて燃料タンク15内からの蒸発燃料の抜き取りをより早めている。
【0053】
このように2段階に分けて徐々に封鎖弁24の開弁速度を速くしているので、フロート弁15aが閉作動されない範囲で速やかに燃料タンク15内の蒸発燃料をキャニスタ21に吸着させることができ、リッドスイッチ31からリッドドア開信号が発せられてからリッドドア33が開放されて給油が可能となるまでの時間を短縮することができる。しかも、第1段階においてフロート弁15aが閉作動されない範囲で封鎖弁24を階段状に一気に開放するため、第1実施形態のように封鎖弁24の開度を徐々に大きくしてゆく場合に比べてタンク圧の低下速度を速めてリッドドア33の開放を更に早くすることができる。
【0054】
図9は、本発明の第3実施形態における封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンを示す。第3実施形態は、第2実施形態に対して、第1段階におけるタンク圧の変化量が所定値Xとなるように封鎖弁24の開弁量をフィードバック制御するようにした点を特徴とする。その他の点については、第3実施形態においても第2実施形態と同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
【0055】
図9において、ステップS1〜ステップS3の処理、ステップS21〜ステップS22の処理、及びステップS6〜ステップS7の処理は、図6におけるステップS1〜ステップS3の処理、ステップS21〜ステップS22の処理、及びステップS6〜ステップS7の処理と同一である。
【0056】
図9のステップS31、S32では、ステップS2、S3と同様、内圧センサ26によって検出される燃料タンク15の内圧が計測され取り込まれる。ステップS32では、タンク圧が所定値Aより高いか否か判定される。タンク圧が所定値Aより高いと、ステップS32は肯定判断され、ステップS33において、タンク圧の変化量が算出される。ここでは、所定時間毎のタンク圧の変化量が求められる。次のステップS34では、求められたタンク圧の変化量が所定値X以上か否かが判定される。所定値X以上でステップS34が肯定判断されれば、ステップS35において封鎖弁24が所定量αだけ閉じられる。また、タンク圧の変化量が所定値Xより小さい場合は、ステップS34が否定判断されてステップS36において封鎖弁24が所定量βだけ開かれる。つまり、ステップS31〜ステップS36の処理では、タンク圧が所定値Aより高い間、タンク圧の変化量が所定値Xとなるように封鎖弁24の開度がフィードバック制御される。
【0057】
図10のタイミングT1〜T4の間のタンク圧と封鎖弁24の開弁量の変化は、フィードバック制御の様子を示している。タイミングT4の時点では、タンク圧が所定値Aより低くなるためステップS32が否定判断され、ステップS6以降の処理に進んで、第1実施形態において説明したとおり封鎖弁24の開度が一気に所定量Cまで増大され、タイミングT5の時点でリッドドア33が開放される。
【0058】
第3実施形態では、封鎖弁24の開弁制御における第1段階で、フロート弁15aが閉作動しない範囲で封鎖弁24をタンク圧に応じた開度で開弁制御され、その後、タンク圧の変化量が所定値Xとなるように封鎖弁24の開度がフィードバック制御される。即ち、第2実施形態と同様に、封鎖弁24を階段状に開いて燃料タンク15内の蒸発燃料の抜き取りを早めながら、その速度が速過ぎてフロート弁15aが閉作動されることがないように封鎖弁24の開度を制御している。従って、第3実施形態によれば、フロート弁15aが閉作動されない範囲で速やかに燃料タンク15内の蒸発燃料をキャニスタ21に吸着させて、リッドスイッチ31からリッドドア開信号が発せられてからリッドドア33が開放されて給油が可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0059】
図11は、本発明の第4実施形態における封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンを示す。第4実施形態は、第3実施形態に対して、第1段階において封鎖弁24を開弁制御している間にフロート弁15aが閉作動したとき、再度フロート弁15aを開かせて、第1段階における封鎖弁24の開弁制御を継続できるようにした点を特徴とする。その他の点については、第4実施形態においても第3実施形態と基本的に同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
【0060】
図11において、ステップS1〜ステップS3の処理、及びステップS6〜ステップS7の処理は、図9におけるステップS1〜ステップS3の処理、及びステップS6〜ステップS7の処理と同一である。
【0061】
図11のステップS41、S42では、ステップS3においてタンク圧が所定値Aより高いと判定されたとき、一度だけ封鎖弁24の開度が所定量Bまで開弁される。ステップS42において一度開弁されるとフラグFがセットされて次回の処理時にはステップS41が否定判断されステップS42の処理はスキップされて実行されない。
【0062】
図12のタイミングT1では、リッドスイッチ31がオンされ、タンク圧が所定値Aより高い状態で、所定量Bまで封鎖弁24が開弁されることを示している。そして、封鎖弁24の開弁に伴ってタンク圧が低下している。
【0063】
次にステップS43では、タンク圧の変化量が算出される。ここでは、所定時間毎のタンク圧の変化量が求められる。次のステップS44では、求められたタンク圧の変化量が所定値Yより小さいか否かが判定される。所定値Yはフロート弁15aが開かれていれば変化する最低のタンク圧の変化量とされており、制御中にフロート弁15aが閉作動されてタンク圧の変化量が所定値Yより小さくなると、ステップS44は肯定判断されてステップS45において封鎖弁24の開度が所定量Dまで閉弁される。
【0064】
図12のタイミングT2は、そのときの様子を示している。このようにフロート弁15aが閉作動されたときに封鎖弁24の開度が所定量Dまで閉弁された結果、フロート弁15aが再度開かれると、図12のタイミングT2以降のようにタンク圧は再び時間と共に低下する状態となる。
【0065】
タンク圧が正常に低下していれば、ステップS44は否定判断され、タンク圧が所定値A以下となるまで以上の処理を継続し、タンク圧が所定値A以下となるタイミングT3の時点でステップS3が否定判断され、ステップS6以降の処理に進んで、第1実施形態において説明したとおり封鎖弁24の開度が一気に所定量Cまで増大され、タイミングT4の時点でリッドドア33が開放される。そして、ステップS8においてフラグFがリセットされ、初期状態とされる。
【0066】
第4実施形態では、封鎖弁24の開弁制御における第1段階で、封鎖弁24を比較的大きく階段状に開弁制御され、その後、フロート弁15aが閉作動されたことが検出されると、封鎖弁24の開度を減少させている。即ち、初めから封鎖弁24を大きく開いて、フロート弁15aが閉作動されたら少し閉じるようにして、フロート弁15aが閉作動しない限りは速やかに燃料タンク15内の蒸発燃料の抜き取るように封鎖弁24の開度を制御している。
【0067】
従って、第4実施形態によれば、フロート弁15aが閉作動されない範囲で速やかに燃料タンク15内の蒸発燃料をキャニスタ21に吸着させて、リッドスイッチ31からリッドドア開信号が発せられてからリッドドア33が開放されて給油が可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0068】
図13は、本発明の第5実施形態における封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンを示す。第5実施形態は、第4実施形態に対して、第1段階において封鎖弁24を開弁制御している間にフロート弁15aが閉作動したとき、再度フロート弁15aが開くまで少しずつ封鎖弁24の開度を減少させて、タンク圧を低くするための封鎖弁24の開弁制御を復活できるようにした点を特徴とする。その他の点については、第5実施形態においても第4実施形態と同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
【0069】
図13において、ステップS1〜ステップS3の処理、ステップS41〜ステップS44の処理、及びステップS6〜ステップS7の処理は、図11におけるステップS1〜ステップS3の処理、ステップS41〜ステップS44の処理、及びステップS6〜ステップS8の処理と同一である。
【0070】
図13のステップS46では、制御中にフロート弁15aが閉作動されてタンク圧の変化量が所定値Yより小さくなり、ステップS44が肯定判断されたのを受けて、封鎖弁24の開度が所定量αだけ閉弁される。その後、ステップS43〜ステップS46の処理が繰り返される。
【0071】
図14のタイミングT2〜T5は、この間の様子を示している。タイミングT5以降、タンク圧の変化量が所定値Y以上となると、ステップS44が否定判断され、タンク圧が所定値A以下となるまで以上の処理を継続し、タンク圧が所定値A以下となるタイミングT6の時点でステップS3が否定判断され、ステップS6以降の処理に進んで、第1実施形態において説明したとおり封鎖弁24の開度が一気に所定量Cまで増大され、タイミングT7の時点でリッドドア33が開放される。そして、ステップS8においてフラグFがリセットされ、初期状態とされる。
【0072】
第5実施形態では、封鎖弁24の開弁制御における第1段階で、封鎖弁24を比較的大きく階段状に開弁制御され、その後、フロート弁15aが閉作動されたことが検出されると、再度フロート弁15aが開くまで所定量αずつ封鎖弁24の開度を減少させている。即ち、初めから封鎖弁24を大きく開いて、フロート弁15aが閉作動されたら再度フロート弁15aが開くまで封鎖弁24を閉じるようにして、フロート弁15aが閉作動しない限りは速やかに燃料タンク15内の蒸発燃料の抜き取るように封鎖弁24の開度を制御している。
【0073】
従って、第5実施形態によれば、フロート弁15aが閉作動されない範囲で速やかに燃料タンク15内の蒸発燃料をキャニスタ21に吸着させて、リッドスイッチ31からリッドドア開信号が発せられてからリッドドア33が開放されて給油が可能となるまでの時間を短縮することができる。
【0074】
上記第1〜第5の各実施形態における各フローチャートのステップS7を除く処理は、本発明の第1発明における封鎖弁制御手段に相当する。また、上記第1〜第5の各実施形態における各フローチャートのステップS7の処理は、本発明の第9発明におけるリッドドア開手段に相当する。
【0075】
図15は、本発明の第6実施形態を示す。第6実施形態は、封鎖弁24を開閉制御して燃料タンク15の内圧を調整することにより、給油中に燃料タンク内で発生し、ブリーザ管19を通じて循環される蒸発燃料量を適正に調整するものである。従って、上述の第1実施形態に加えて第6実施形態を実施することにより、第1実施形態に基づく作用効果に加えて次の作用効果を達成することができる。即ち、困難性の高いブリーザ管19の通流抵抗の調整をすることなく、封鎖弁24を圧力調整手段として機能させて燃料タンク15の内圧を調整し、気温の変化等の環境変化に係わらず、ブリーザ管19により循環される蒸発燃料量を適正に調整することができる。
【0076】
ここでは、制御回路16にて行われるステップモータ式封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンについて、図16のタイムチャートを参照しながら図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0077】
このルーチンの処理が実行されると、ステップS101では、後述するフラグF2がリセット状態にあるか否か判定される。フラグF2は最初はリセット状態にあるため、ステップS101は肯定判断され、次のステップS102においてリッドスイッチ31がオンとされているか否かが判定される。ここでリッドスイッチ31がオンとされるのを待って、リッドスイッチ31がオンとされると、ステップS102が肯定判断され、ステップS103においてリッドスイッチ31がオンされたことを記録するためのフラグF1がセットされる。次のステップS104では、封鎖弁24が第1所定値まで開弁される。この処理は、給油開始前に燃料タンク15内に溜まった蒸発燃料を抜くために行われる。その結果、燃料タンク15の内圧(以下、タンク圧ともいう)は低下する。図16のタイミングT1〜T2は、この間の様子を示している。
【0078】
燃料タンク15内の蒸発燃料が順調に抜けてキャニスタ21に吸着され、タンク圧が低下して所定圧A以下になると、ステップS105は肯定判断され、ステップS107においてリッドオープナ32に開信号が出力されてリッドドア33が開放される。リッドスイッチ31がオンされて以降の上述の処理によって給油キャップ18を外したとき燃料タンク15内の蒸発燃料が給油口17aから漏れ出さないようにしている。ステップS107の処理によってリッドドア33が開放されると、その状態を記録するためのフラグF2がセットされる。そして、ステップS108では、そのときの封鎖弁24の開弁量が保持される。
【0079】
リッドスイッチ31はワンタッチ操作されるのみであるため、図16に示すようにパルス状の信号しか発生しない。上述のようにリッドスイッチ31が一旦オン操作されると、フラグF1がセット状態とされて、オン操作されたことが記憶されており、リッドスイッチ31のオン操作が終了してステップS102が否定判断されても、次のステップS106は否定判断され、ステップS104以降の処理が継続される。
【0080】
リッドドア33が開放されて給油が開始されると、図16のタイミングT2〜T3の間に示されるようにタンク圧が急上昇する。これは給油に伴って燃料タンク15内で蒸発燃料が発生するためである。その結果、タンク圧が所定圧B(本発明の第15発明における内圧のピークに相当)を超えると、ステップS111が肯定判断される。そして、次のステップS112にてフラグF3がセット状態とされて、タンク圧が一旦所定圧Bを超えたことが記録される。このようにタンク圧が所定圧Bを超えたことを確認する処理は、予定どおり給油が行われていることを確認するためである。
【0081】
以上のようにフラグF2及びフラグF3がセット状態とされると、以後の処理時にはステップS101が否定判断され、ステップS113も否定判断されるため、ステップS121においてタンク圧が所定圧C(本発明の第10発明における第1圧力に相当)以上か否かが判定される。図16のタイミングT4に示すように、タンク圧が所定圧Cより低くなっていると、ステップS121は否定判断され、ステップS122において封鎖弁24が所定量α(本発明の第13発明における第1所定量に相当)だけ閉弁される。図16のタイミングT5においてもタンク圧が所定圧Cより低くなっていると、再度ステップS122において封鎖弁24が所定量αだけ閉弁される。
【0082】
これらの処理は、給油開始後、一旦上昇したタンク圧が、蒸発燃料の減少に伴って低下するのに対して、タンク圧の低下を抑制して、ブリーザ管19によって燃料タンク15の給油口17a部分に循環される蒸発燃料量が少なくなり過ぎないように調整することにある。即ち、ブリーザ管19を通じて循環される蒸発燃料の量が減少すると、大気が給油口17aを通じて燃料タンク15内に巻き込まれて流入する問題が生じるため、その問題に対応している。燃料タンク15内に大気が流入すると、燃料タンク15内の蒸発燃料密度が流入する大気によって薄められるため、燃料タンク15内で蒸発燃料が新たに発生し易くなり、最終的にはキャニスタ21を大型化する必要が生じる。
【0083】
図16のタイミングT6に至ると、タンク圧が急上昇して所定圧Dを超える状態となる。タンク圧が所定圧Dを超えると給油ガンのオートストップ機能が働いて給油ガンからの給油が停止される。このようなタンク圧の急上昇は、フロート弁15aが閉じたことによる。フロート弁15aが閉じる原因としては、燃料が満タン状態となった場合と、ベーパ通路22を通って封鎖弁24に流れる蒸発燃料の流速が速い場合がある。フロート弁15aが閉じた原因が後者である場合には、その原因を除いて給油を継続する必要がある。そこで、タンク圧が所定圧Dを超えてステップS131が肯定判断されると、ステップS132において封鎖弁24を第2所定値まで開弁する。フロート弁15aが閉じた原因が後者である場合には、このように封鎖弁24を開くことによって、フロート弁15aは再び開き、給油を継続することができる。
【0084】
しかし、フロート弁15aが閉じた原因が前者である場合には、封鎖弁24を開いてもフロート弁15aは開かず、給油を終了することになる。そのときリッドドア33が閉じられると、それをリッドドアセンサ34が検出して検出信号を発生する。ステップS141では、その検出信号を受けてリッドドア33が閉じられたことを検出し、次のステップS142において各フラグF1、F2、F3をリセットして初期状態に戻し、ステップS143では封鎖弁24を閉鎖する。図16のタイミングT7以降は、その様子を示している。
【0085】
第6実施形態によれば、従来のように困難性の高いブリーザ管19の通流抵抗の調整をすることなく、燃料タンク15とキャニスタ21とを接続する経路上にある封鎖弁24を圧力調整手段として機能させて燃料タンク15の内圧を調整し、給油中にブリーザ管19によって循環される蒸発燃料量を適正に調整することができる。
【0086】
図17は、本発明の第7実施形態における封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンを示す。第7実施形態は、第6実施形態が給油中のタンク圧を所定圧C以下に抑制しているのに対して、タンク圧を目標圧範囲内となるようにした点を特徴とする。その他の点については、第7実施形態においても第6実施形態と同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
【0087】
図17においては、図15におけるステップS121及びステップS122の処理が、ステップS151〜ステップS154に置換されているのみで、その他の処理は同一である。
【0088】
図17におけるステップS151では、タンク圧が目標圧範囲の下限より低いか否かが判定されている。タンク圧が目標圧範囲の下限より低い場合は、ステップS151は肯定判断され、ステップS152において封鎖弁24が所定量αだけ閉弁される。図18のタイミングT4はその様子を示している。一方、タンク圧が目標圧範囲の下限以上の場合は、ステップS151は否定判断され、ステップS153においてタンク圧が目標圧範囲の上限より高いか否かが判定される。タンク圧が目標圧範囲の上限より高い場合は、ステップS153は肯定判断され、ステップS154において封鎖弁24が所定量αだけ開弁される。図18のタイミングT5はその様子を示している。タイミングT6では、再びタンク圧が目標圧範囲の下限より低くなって、封鎖弁24が所定量αだけ閉弁される様子を示している。
【0089】
このようにしてタンク圧が目標圧範囲内となるように封鎖弁24が開閉制御される。これらの処理は、給油開始後、一旦上昇したタンク圧が、蒸発燃料の減少に伴って低下するのに対して、タンク圧を目標圧範囲内として、ブリーザ管19によって燃料タンク15の給油口17a部分に循環される蒸発燃料量が少なくなり過ぎないように調整することにある。
【0090】
図19は、本発明の第8実施形態における封鎖弁24の開弁制御及びリッドドア33の開制御処理ルーチンを示す。第8実施形態は、第6実施形態が給油中のタンク圧を所定圧C以下に抑制しているのに対して、タンク圧を給油ガンのオートストップ機能が働く圧力より低くなるようにした点を特徴とする。その他の点については、第8実施形態においても第6実施形態と実質同一であり、同一部分についての再度の説明は省略する。
【0091】
図19において、ステップS101〜ステップS108の処理は、図15におけるステップS101〜ステップS108の処理と同一である。
【0092】
図19においてステップS131では、タンク圧が所定圧Dを超えたか否かを判定している。タンク圧が所定圧Dを超えていなければ、ステップS131は否定判断され、ステップS108において封鎖弁24の開弁量は保持されるが、タンク圧が所定圧Dを超えると、ステップS131は肯定判断され、ステップS133において封鎖弁24の開弁量がαだけ増加される。図20のタイミングT3はその様子を示している。タンク圧が所定圧Dを超えるのはフロート弁15aが閉じているためであり、給油ガンのオートストップ機能が働いて給油ガンからの給油が停止されるため、給油に伴う蒸発燃料の発生がなくなり、タンク圧は急速に低下する。このとき、フロート弁15aが閉じた原因がベーパ通路22を通って封鎖弁24に流れる蒸発燃料の流速が速いことによる場合、タンク圧の低下によってフロート弁15aは再び開くことができ、給油は継続される。
【0093】
図20のタイミングT3とT4との間では、給油の再開に伴って燃料タンク15内での蒸発燃料の発生が多くなり、タンク圧は再び上昇する。そして、タイミングT4で再度タンク圧が所定圧Dを超えて給油が停止される。このとき、封鎖弁24は再度αだけ開度を増加される。このときのフロート弁15aの閉作動が、燃料が満タン状態となったことによる場合は、給油の停止に伴って蒸発燃料の発生が抑制されてタンク圧が急速に低下したとしてもフロート弁15aは再度開かれないため、給油は停止したままとなり、給油終了のためリッドドア33が閉じられる。図20のタイミングT5でリッドドア33が閉じられ、リッドドアセンサ34が検出信号を発生すると、ステップS141は肯定判断され、ステップS144において各フラグF1、F2をリセットして初期状態に戻し、ステップS143では封鎖弁24が閉じられる。
【0094】
第8実施形態では、燃料タンク15の内圧が高くなり過ぎる状況に対して、高くなり過ぎとなる都度封鎖弁24をαだけ余分に開いて、タンク圧が高過ぎるのを抑制している。こうすることにより、ブリーザ管19によって燃料タンク15の給油口17a部分に循環される蒸発燃料量が多くなり過ぎないように調整している。ここで、所定圧Dは、本発明の第16発明における第2圧力に相当し、封鎖弁24の開弁量αは本発明の第16発明における第2所定量に相当する。
【0095】
以上の説明では、所定圧Dを給油ガンのオートストップ機能が働く圧力と等しくされたが、給油ガンのオートストップ機能が働く圧力より僅かに低い圧力とすることもできる。その場合、給油ガンのオートストップ機能が働く前に封鎖弁24の開度が大きくされてタンク圧が低く抑えられる。このようにすることにより、タンク圧はオートストップ機能が働くより僅かに低い圧力に抑制でき、しかもオートストップ機能が不用意に働かないようにすることができ、給油を中断させることなくスムースに行わせることができる。
【0096】
上記6実施形態における図15のフローチャートにおけるステップS121、S122及びステップS131、S132の処理は、本発明の第10発明及び第13発明における封鎖弁制御手段に相当する。また、上記7実施形態における図17のフローチャートにおけるステップS151〜ステップS154及びステップS131、S132の処理は、本発明の第10発明及び第14発明における封鎖弁制御手段に相当する。更に、上記8実施形態における図19のフローチャートにおけるステップS131、S133の処理は、本発明の第10発明及び第16発明における封鎖弁制御手段に相当する。
【0097】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、上記実施形態では、流量制御弁をステップモータ式封鎖弁24としたが、ボール状の弁体の回転によって開弁量が連続的に変わる構造のボールバルブとしてもよい。また、上記実施形態では、車両用のエンジンシステムに本発明を適用したが、本発明は車両用に限定されない。車両用のエンジンシステムの場合、エンジンとモータとを併用したハイブリッド車でもよい。
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