特許第6297773号(P6297773)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297773
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】プリンタ装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/36 20060101AFI20180312BHJP
   B41J 2/32 20060101ALI20180312BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20180312BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20180312BHJP
   B41J 15/04 20060101ALI20180312BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   B65H5/36
   B41J2/32 Z
   B41J3/36 Z
   B41J11/70
   B41J15/04
   B41J29/13 103
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-241055(P2012-241055)
(22)【出願日】2012年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-91585(P2014-91585A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年9月10日
【審判番号】不服2017-2465(P2017-2465/J1)
【審判請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小口 達也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 寿美男
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅広
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲寛
【合議体】
【審判長】 森次 顕
【審判官】 黒瀬 雅一
【審判官】 畑井 順一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−169149(JP,A)
【文献】 特開2012−20809(JP,A)
【文献】 特開昭61−246082(JP,A)
【文献】 特開2002−207259(JP,A)
【文献】 特開2005−88305(JP,A)
【文献】 特開平9−323854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/66-11/70
B41J 15/04-15/14
B65H 5/36-5/38
B65H 29/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に印字をする印字部と、
前記印字がなされた前記記録紙を切断するカッター部と、
前記カッター部を介し前記印字部において印字がなされた前記記録紙を搬送する搬送路を備える搬送部と、
を有し、
前記搬送路は湾曲しており、
前記搬送路には、湾曲したフラッパーが開閉可能に設けられており、
前記フラッパーが開いた部分より、前記記録紙が弛むものであって、
前記搬送部には、開閉可能な状態で搬送路カバーが取り付けられており、
前記搬送路カバーには、前記フラッパーが開閉可能に設けられており、
前記搬送路カバーは、前記フラッパーと一体となって開閉するものであって、
前記搬送路カバーが開いているときには、前記記録紙を挟んで搬送する対のローラが互いに離れていることを特徴とするプリンタ装置。
【請求項2】
前記フラッパーは、前記記録紙の自重により開くものであることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ装置。
【請求項3】
前記フラッパーは、弾性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項に記載のプリンタ装置。
【請求項4】
前記搬送部において、前記フラッパーとの接続部分にはバネが設けられていることを特徴とする請求項に記載のプリンタ装置。
【請求項5】
記録紙に印字をする印字部と、
前記印字がなされた前記記録紙を切断するカッター部と、
前記カッター部を介し前記印字部において印字がなされた前記記録紙を搬送する搬送路を備える搬送部と、
を有し、
前記搬送路は湾曲しており、
前記搬送路には、湾曲したフラッパーが開閉可能に設けられており、
前記フラッパーが開いた部分より、前記記録紙が弛むものであって、
前記フラッパーの開閉は、モータの駆動によりなされるものであり、
前記モータは、前記搬送部において前記記録紙を搬送するためのモータであって、
前記モータの回転を伝達するギアの位置を変えることにより、前記搬送部における前記記録紙の搬送の動作と前記フラッパーの開閉動作とを切り替えることができるものであることを特徴とするプリンタ装置。
【請求項6】
前記記録紙は、一方の面に感熱層が形成されている感熱紙であって、
前記フラッパーは、前記記録紙の他方の面の側に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のプリンタ装置。
【請求項7】
前記記録紙を回収する場合には、前記フラッパーを開き、
前記フラッパーが開かれた部分より、前記記録紙が回収されるものであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプリンタ装置。
【請求項8】
前記フラッパーの開閉状態を検出するためのセンサが設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプリンタ装置。
【請求項9】
前記センサは光学式センサであって、前記フラッパーの一部により遮光されるか否かにより、前記フラッパーの開閉状態が検出されるものであることを特徴とする請求項8に記載のプリンタ装置。
【請求項10】
前記センサは機械式センサであって、前記フラッパーの動作により前記フラッパーの開閉状態が検出されるものであることを特徴とする請求項8に記載のプリンタ装置。
【請求項11】
前記搬送部には、開閉可能な状態で搬送路カバーが取り付けられており、
前記フラッパーが閉じている状態において、前記センサにより、前記搬送路カバーの開閉状態が検出されるものであることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のプリンタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レシート等を発行するプリンタは、商店等のレジスタ、銀行等におけるATM(Automated Teller Machine)やCD(Cash dispenser)等の用途に幅広く用いられている。このようなレシート等を発行するプリンタは、記録紙となる感熱紙を搬送しながらサーマルヘッド等により記録紙に印字等を行ない、所定の長さまで記録紙を搬送した後、カッターで所定の長さで記録紙を切断するものである。
【0003】
このようなレシート等を発行するプリンタにおいては、カッターによりカットされた記録紙を搬送するためのプレゼンタが設けられているものがある。このようなプレゼンタを設けることにより、印字のなされた記録紙がプレゼンタ内に入り込みカットされ、プレゼンタを介して排出される。このように排出された印字のなされた記録紙は抜き取られる。
【0004】
また、このようなプレゼンタにおいては、プレゼンタとしての機能の他、排出された記録紙、即ち、印字がされているレシート等を取り忘れた場合に、他人に印字のなされたレシート等を抜き取られてしまうことを防ぐため、印字のなされた記録紙を回収するリトラクタ機能を有するものもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−19845号公報
【特許文献2】特開2007−130842号公報
【特許文献3】特開平10−52956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、プレゼンタが装着されているプリンタ装置では、プレゼンタの分だけプリンタ装置が大きくなってしまう。特に、記録紙を長い位置で切断するプレゼンタの場合、切断される記録紙の長さに応じてプレゼンタが大きくなるため、プリンタ装置の大型化が顕著なものとなってしまう。
【0007】
例えば、図1に示されるような印字部920、カッター部930、プレゼンタ部940を有するプリンタ装置に基づき説明する。尚、このプリンタ装置においては、印字部920には、記録紙910に印字を行うためのサーマルヘッド921及びプラテンローラ922を有しており、カッター部930には、記録紙910を切断するための固定刃931及び可動刃932を有しており、プレゼンタ部940には、記録紙910を搬送するためのローラ941等を有している。このようなプリンタ装置においては、切断される記録紙910の長さに依存して、プレゼンタ部940における記録紙910の搬送路長を長くする必要があり、これに伴いプレゼンタ部940が大きくなるため、プリンタ装置も大型化してしまう。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、小型であって、記録紙を長い位置で切断することのできるプリンタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施の形態の一観点によれば、記録紙に印字をする印字部と、前記印字がなされた前記記録紙を切断するカッター部と、前記カッター部を介し前記印字部において印字がなされた前記記録紙を搬送する搬送路を備える搬送部と、を有し、前記搬送路は湾曲しており、前記搬送路には、湾曲したフラッパーが開閉可能に設けられており、前記フラッパーが開いた部分より、前記記録紙が弛むものであって、前記搬送部には、開閉可能な状態で搬送路カバーが取り付けられており、前記搬送路カバーには、前記フラッパーが開閉可能に設けられており、前記搬送路カバーは、前記フラッパーと一体となって開閉するものであって、前記搬送路カバーが開いているときには、前記記録紙を挟んで搬送する対のローラが互いに離れていることを特徴とする。
また、本実施の形態の他の一観点によれば、記録紙に印字をする印字部と、前記印字がなされた前記記録紙を切断するカッター部と、前記カッター部を介し前記印字部において印字がなされた前記記録紙を搬送する搬送路を備える搬送部と、を有し、前記搬送路は湾曲しており、前記搬送路には、湾曲したフラッパーが開閉可能に設けられており、前記フラッパーが開いた部分より、前記記録紙が弛むものであって、前記フラッパーの開閉は、モータの駆動によりなされるものであり、前記モータは、前記搬送部において前記記録紙を搬送するためのモータであって、前記モータの回転を伝達するギアの位置を変えることにより、前記搬送部における前記記録紙の搬送の動作と前記フラッパーの開閉動作とを切り替えることができるものであることを特徴とする。


【0010】
また、本実施の形態の他の一観点によれば、記録紙に印字をする印字部と、前記印字がなされた前記記録紙を切断するカッター部と、前記カッター部を介し前記印字部において印字がなされた前記記録紙を搬送する搬送部と、を有し、前記搬送部において搬送されている前記記録紙を弛ませる際には、前記記録紙は重力が働く方向に弛むものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、小型であって、記録紙を長い位置で切断することのできるプリンタ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】従来のプリンタ装置の説明図
図2】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の構造図
図3】記録紙の構造図
図4】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(1)
図5】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(2)
図6】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(3)
図7】第1の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(4)
図8】第1の実施の形態におけるプリンタ装置のフラッパーの説明図(1)
図9】第1の実施の形態におけるプリンタ装置のフラッパーの説明図(2)
図10】第1の実施の形態におけるプリンタ装置のフラッパーの説明図(3)
図11】第2の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(1)
図12】第2の実施の形態におけるプリンタ装置のフラッパーの説明図(1)
図13】第2の実施の形態におけるプリンタ装置のフラッパーの説明図(2)
図14】第2の実施の形態におけるプリンタ装置のフラッパーの説明図(3)
図15】第2の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(2)
図16】第2の実施の形態におけるプリンタ装置のフラッパーの説明図(4)
図17】機械式センサの説明図
図18】第3の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(1)
図19】第3の実施の形態におけるプリンタ装置の説明図(2)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0014】
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態におけるプリンタ装置について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、図2に示されるように、記録紙10に印字を行うための印字部20、記録紙10を切断するためのカッター部30、カッター部30から排紙された記録紙10を搬送する搬送部40等を有している。
【0015】
印字部20では、サーマルヘッド21とプラテンローラ22とを有しており、サーマルヘッド21とプラテンローラ22との間に記録紙10が挟まれた状態で、サーマルヘッド21により記録紙10に印字等がなされる。記録紙10は印字面が上側となって排紙されるため、サーマルヘッド21は記録紙10の上側の位置に設けられている。
【0016】
カッター部30は、サーマルヘッド21により印字のなされた記録紙10を切断するための固定刃31及び可動刃32を有しており、固定刃31と可動刃32の間に通された印字等のなされた記録紙10は、固定刃31と可動刃32とにより所望の長さで切断することができる。尚、カッター部30には、可動刃32を上下方向に駆動するためのモータ33が設けられている。
【0017】
搬送部40は、カッター部30の後段に設置されており、記録紙10を搬送する機能を有している。搬送部40には、記録紙10を搬送するためのローラ41、42、43、44が設けられており、モータ45の駆動により、これらのローラ41、42、43、44が回転することにより、記録紙10が搬送される。搬送部40においては、カッター部30とローラ41、42、43、44との間には、開閉可能な蓋となる開閉可能なフラッパー50が取り付けられている。フラッパー50は、不図示の回転軸を中心に回転可能な状態で取り付けられており、フラッパー50が回転軸を中心に回転することにより開閉する。尚、本実施の形態におけるプリンタ装置では、フラッパー50が記録紙10の搬送路を形成しており、フラッパー50が開くことにより、記録紙10の搬送路の一部が開放されるものである。
【0018】
本実施の形態におけるプリンタ装置においては、フラッパー50が開くことにより、搬送部40において搬送されている記録紙10が、開いたフラッパー50より搬送部40の外側の下方向に弛ませることができるものである。このように、本実施の形態においては、搬送部40の外側に、記録紙10を弛ませることができるため、長い搬送路を有するプレゼンタ部を用いなくとも、記録紙10を長い位置で切断することができる。よって、小型であっても、長い記録紙10を排紙することができる。
【0019】
一般的に、サーマルプリンタに用いられる記録紙10は、サーマルヘッド21により加えられた熱により発色等する感熱紙であり、図3に示されるように、ベースとなる紙11の表面に感熱層12が形成されている。一般的には、このような記録紙10は、印字等のなされた面が上側となっている状態で、即ち、感熱層12が上側となっている状態で搬送される。このため、サーマルヘッド21は、記録紙10において感熱層12が形成されている側となる上側に設けられている。尚、本実施の形態においては、感熱層12の形成されている記録紙10の表面を一方の面とし、記録紙10の裏面を他方の面と記載する場合がある。
【0020】
本実施の形態では、記録紙10は下方向に撓むため、記録紙10における感熱層12と搬送部40における部材とが接触することはない。このため、記録紙10における感熱層12と搬送部40における部材とが接触し、感熱層12がこすれて発色等してしまうことはない。
【0021】
(印刷方法)
次に、本実施の形態におけるプリンタ装置における印刷方法について説明する。最初に、図4に基づき、本実施の形態におけるプリンタ装置より排紙される記録紙10が短い場合について説明する。この場合、記録紙10は、短い位置でカッター部30において切断されるため、搬送部40におけるフラッパー50が閉じた状態で、記録紙10が搬送される。この際、フラッパー50は、記録紙10の搬送のためのガイドとしての機能を有しており、記録紙10が詰まったり、折れ曲がったりすることを防ぐことができる。
【0022】
次に、図5に基づき、本実施の形態におけるプリンタ装置より排紙される記録紙10が長い場合について説明する。この場合、記録紙10は、長い位置でカッター部30において切断されるため、搬送部40におけるフラッパー50が開いた状態で、開いたフラッパー50より記録紙10が搬送部40より外側に出て、下方向に弛む。このように開いたフラッパー50より、記録紙10が搬送部40から出て弛むことにより、記録紙10を長い位置で切断することができる。尚、フラッパー50は、記録紙10の自重により開くものであってもよく、不図示のモータ等により開くものであってもよい。
【0023】
(リトラクト)
次に、本実施の形態におけるプリンタ装置において、リトラクト動作を行う場合について説明する。記録紙10は、印字部20におけるサーマルプリンタ21により印字等がなされた後、カッター部30を介し、搬送部40に搬送される。搬送部40に搬送された後、カッター部30における固定刃31と可動刃32により、記録紙10は所望の長さに切断され、図6に示されるように、ローラ41、42、43、44により搬送部40における記録紙排出口46に向けて搬送される。この際、記録紙排出口46に搬送された記録紙10を矢印6Aに示す方向に人が抜き取れば、一連の印字動作は終了する。しかしながら、記録紙排出口46に搬送された記録紙10を人が抜き取らなかった場合、第三者に抜き取られてしまうことを防ぐため、記録紙排出口46に搬送された記録紙10を回収する必要がある。
【0024】
この場合には、図7に示されるように、搬送部40におけるローラ41、42、43、44を逆回転させる。この際、フラッパー50は開いた状態となっており、これにより、記録紙10は矢印7Aに示す方向に搬送され、記録紙10を回収することができる。尚、図6及び図7は、フラッパー50が不図示のモータ等により開くものであってもよい。
【0025】
(フラッパー)
次に、フラッパー50について、より詳細に説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置において、図8に示されるように、フラッパー50は、樹脂材料により形成されたフィルム等の弾性材料に形成されていてもよい。この場合、記録紙10を長い位置で切断する場合には、ローラ41、42、43、44とカッター部30との間で記録紙10を弛ませ、記録紙10の自重により、フラッパー50が押され、図8(b)に示すように、フラッパー50が開き、記録紙10を弛ませることができる。この後、記録紙10が排紙された場合には、自重によりフラッパー50を押していた記録紙10がなくなるため、フラッパー50は自然に閉じられる。尚、図8(a)は、フラッパー50が閉じている状態を示すものであり、図8(b)は、フラッパー50が開いている状態を示すものである。
【0026】
また、図9に示されるように、フラッパー50は、搬送部40との接続部分に弾性体である巻バネ61が設けられているものであってもよい。この場合、記録紙10を長い位置で切断する場合には、ローラ41、42、43、44とカッター部30との間で記録紙10を弛ませ、記録紙10の自重により、巻バネ61の復元力に抗してフラッパー50が押され、図9(b)に示すように、フラッパー50が開き、記録紙10を弛ませることができる。この後、記録紙10が排紙された場合には、自重によりフラッパー50を押していた記録紙10がなくなるため、巻バネ61の復元力によりフラッパー50は自然に閉じられる。尚、図9(a)は、フラッパー50が閉じている状態を示すものであり、図9(b)は、フラッパー50が開いている状態を示すものである。
【0027】
また、図10に示されるように、フラッパー50は、搬送部40との接続部分に弾性体である板バネ62が設けられているものであってもよい。この場合、記録紙10を長い位置で切断する場合には、ローラ41、42、43、44とカッター部30との間で記録紙10を弛ませ、記録紙10の自重により、板バネ62の復元力に抗してフラッパー50が押され、図10(b)に示すように、フラッパー50が開き、記録紙10を弛ませることができる。この後、記録紙10が排紙された場合には、自重によりフラッパー50を押していた記録紙10がなくなるため、板バネ62の復元力によりフラッパー50は自然に閉じられる。尚、図10(a)は、フラッパー50が閉じている状態を示すものであり、図10(b)は、フラッパー50が開いている状態を示すものである。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態におけるプリンタ装置について説明する。本実施の形態におけるプリンタ装置は、フラッパー50の開閉状態を検出することのできるものである。具体的には、図11に示すように、フラッパー50は、搬送部40における搬送路カバー47に、回転軸50aを中心に回転可能な状態で搬送部40に取り付けられている。また、フラッパー50には突起部51が設けられており、突起部51の近傍には光学式センサ52が設けられている。図12及び図13に示されるように、光学式センサ52は、発光部52aと受光部52bとを有しており、発光部52aにおいて発光した光が受光部52bにおいて受光されるか否かにより、発光部52aと受光部52bとの間に、遮蔽物となるフラッパー50の突起部51が存在しているか否かを検出し、フラッパー50の開閉状態を検出することができる。
【0029】
具体的には、図12に示されるように、フラッパー50が閉じている状態においては、発光部52aと受光部52bとの間に、フラッパー50における突起部51が存在しているため、発光部52aにおいて発光した光は、突起部51において遮られ、受光部52bにおいて受光されない。このように、発光部52aにおいて発光した光が受光部52bにおいて受光されない場合には、フラッパー50は閉じているものと判断される。
【0030】
一方、図13に示されるように、フラッパー50が開いている状態においては、発光部52aと受光部52bとの間に、フラッパー50における突起部51は存在してはいないため、発光部52aにおいて発光した光は受光部52bにおいて受光される。このように、発光部52aにおいて発光した光が受光部52bにおいて受光された場合には、フラッパー50は開いているものと判断される。
【0031】
また、本実施の形態においては、光学式センサ52により搬送部40における搬送路カバー47の開閉状態についても検出することができる。具体的には、搬送路カバー47が開いている状態では、ローラ41、42、43、44により記録紙10を搬送することができないため、搬送路カバー47が閉じている状態であることが検出された後、印字動作を行う制御がなされる。
【0032】
具体的には、図11及び図14に示されるように、フラッパー50が閉じている状態において、搬送路カバー47が閉じている場合には、発光部52aと受光部52bとの間には、フラッパー50における突起部51が存在しているため、発光部52aにおいて発光した光は、突起部51において遮られ、受光部52bにおいて受光されない。よって、この場合には、搬送路カバー47は閉じているものと判断される。
【0033】
また、図15及び図16に示されるように、フラッパー50が閉じている状態において、搬送路カバー47が開いている場合には、発光部52aと受光部52bとの間に、フラッパー50における突起部51は存在してはいないため、発光部52aにおいて発光した光は受光部52bにおいて受光される。よって、この場合には、搬送路カバー47は開いているものと判断される。
【0034】
尚、本実施の形態においては、光学式センサ52に代えて機械式センサを用いてもよい。具体的には、図17に示されるように、機械式スイッチ等による機械式センサ152を設け、フラッパー50における突起部51により、機械式センサ152が押下されるものであってもよい。図17(a)は、フラッパー50が閉じており、機械式センサ152が押されている状態を示しており、図17(b)は、フラッパー50が開いており機械式センサ152が押されている状態から解放されている状態を示している。
【0035】
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0036】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、フラッパー50の開閉動作をモータ45により行うものである。具体的には、図18に示されるように、モータ45とフラッパー50の回転軸50aとの間には、第1のギア53及び第2のギア54等が設けられている。第1のギア53は、モータ45の回転軸に設けられた図18には不図示のギアと噛み合っており、第1のギア53は第2のギア54と噛み合っており、第2のギア54は、フラッパー50の回転軸50aに設けられた図18には不図示のギアと噛み合っている。これにより、モータ45を回転させることにより、第1のギア53及び第2のギア54を介し、回転軸50aを中心にフラッパー50の開閉を行うことができる。
【0037】
また、本実施の形態におけるプリンタ装置においては、第2のギア54の位置を移動させることにより、一つのモータ45によりフラッパー50の開閉動作と、ローラ41、42、43、44の回転による記録紙10の搬送動作とを切り替えて行うことができるものであってもよい。
【0038】
具体的には、図19(a)に示されるように、フラッパー50の開閉動作を行う場合には、第2のギア54とフラッパーギア55とが噛み合った状態となるように、第2のギア54を移動させる。この状態においては、モータ45の回転軸に設けられたモータギア45aと第1のギア53とが噛み合っており、第1のギア53と第2のギア54とが噛み合っており、第2のギア54とフラッパー50の回転軸50aに設けられたフラッパーギア55とが噛み合っている。これにより、モータ45を回転させることにより、モータギア45a、第1のギア53、第2のギア54及びフラッパーギア55が回転し、回転軸50aを中心にフラッパー50の回転させることができ、フラッパー50の開閉動作を行うことができる。
【0039】
また、図19(b)に示されるように、記録紙10を搬送する場合には、第2のギア54とローラギア56とが噛み合った状態となるように、第2のギア54を移動させる。尚、ローラギア56は、図19(b)には不図示のローラ41、42、43、44を回転させるためのものであり、ローラギア56とローラ44等の間には、更にギアが設けられていてもよい。この状態においては、モータ45の回転軸に設けられたモータギア45aと第1のギア53とが噛み合っており、第1のギア53と第2のギア54とが噛み合っており、第2のギア54とローラ44等を回転させるローラギア56とが噛み合っている。これにより、モータ45を回転させることにより、モータギア45a、第1のギア53、第2のギア54及びローラギア56が回転し、図19(b)には不図示のローラ44等を回転させることができ、記録紙10を搬送することができる。
【0040】
尚、上記以外の内容については、第1または第2の実施の形態と同様である。
【0041】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0042】
10 記録紙
20 印字部
21 サーマルヘッド
22 プラテンローラ
30 カッター部
31 固定刃
32 可動刃
33 モータ
40 搬送部
41 ローラ
42 ローラ
43 ローラ
44 ローラ
45 モータ
45a モータギア
46 記録紙排出口
47 搬送路カバー
50 フラッパー
50a 回転軸
51 突起部
52 光学式センサ
52a 発光部
52b 受光部
53 第1のギア
54 第2のギア
55 フラッパーギア
56 ローラギア
152 機械式センサ
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