特許第6297788号(P6297788)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297788
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   A63F5/04 512D
【請求項の数】3
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2013-96892(P2013-96892)
(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公開番号】特開2014-217462(P2014-217462A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2015年5月27日
【審判番号】不服2017-4801(P2017-4801/J1)
【審判請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】篠根 春貴
【合議体】
【審判長】 瀬津 太朗
【審判官】 藤田 年彦
【審判官】 青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−63220(JP,A)
【文献】 「パチスロ創聖のアクエリオンII」,パチスロ必勝ガイド2013年5月号,株式会社ガイドワークス,2013年5月1日,p.3−5
【文献】 「戦国パチスロ花の慶次」,パチスロ攻略マガジンドラゴン2013年1月号,日本,株式会社双葉社,2012年11月21日,p.4−17
【文献】 「パチスロ創聖のアクエリオン」,パチスロ必勝ガイドMAX2011年6月号,日本,株式会社白夜書房,2011年6月1日,p.51−55
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始され、遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、停止操作に基づき前記図柄表示手段に表示結果が導出される遊技機において、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態での遊技となる特定状態から、前記特定状態の延長が可能な特別状態に移行可能に制御する状態制御手段と、
前記特別状態において所定の延長条件が成立すると前記特定状態の延長を行う延長制御手段と、
前記特定状態において特定期間条件の成立により特定期間に制御する特定期間制御手段と、
前記特定期間において前記特別状態への移行に関する示唆を行う示唆演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段と、
報知手段を制御する報知制御手段と、を備え、
前記特別状態には、第1特別状態と、前記第1特別状態よりも前記特定状態を延長させ易い第2特別状態とが含まれており、
前記状態制御手段は、前記特定期間に制御され、且つ該特定期間において前記停止操作が特定操作条件を満たすことを条件として、前記特定状態から前記第1特別状態又は前記第2特別状態へ移行可能とさせる制御を行い、前記第1特別状態は第1グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態は第2グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態における前記第2グループの役の当選確率と、前記第2グループの役に当選したときに行う抽選において前記第2特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第2特別状態の滞在の長くなり易さは、前記第1特別状態における前記第1グループの役の当選確率と、前記第1グループの役に当選したときに行う抽選において前記第1特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第1特別状態の滞在の長くなり易さよりも低く、
前記演出制御手段は、前記特定期間において実行される示唆演出として、前記第1特別状態又は前記第2特別状態への移行を示唆する単一の示唆演出を前記演出実行手段に実行させる制御を行い、
前記報知制御手段は、前記演出実行手段によって実行される示唆演出の種類に対応する確率で、前記特定操作条件を報知する報知演出を前記報知手段に実行させる制御を行い、前記報知演出と前記示唆演出とは異なる演出である遊技機。
【請求項2】
開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始され、遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、停止操作に基づき前記図柄表示手段に表示結果が導出される遊技機において、
役抽選を行う役抽選手段と、
通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態での遊技となる特定状態から、前記特定状態の延長が可能な特別状態に移行可能に制御する状態制御手段と、
前記特別状態において所定の延長条件が成立すると前記特定状態の延長を行う延長制御手段と、
前記特定状態において特定期間条件の成立により特定期間に制御する特定期間制御手段と、
前記特定期間において前記特別状態への移行に関する示唆を行う示唆演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段と、を備え、
前記特別状態には、第1特別状態と、前記第1特別状態よりも前記特定状態を延長させ易い第2特別状態とが含まれており、
前記状態制御手段は、前記特定期間に制御されたことを条件として、前記特定状態から前記第1特別状態又は前記第2特別状態へ移行可能とさせる制御を行い、前記第1特別状態は第1グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態は第2グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態における前記第2グループの役の当選確率と、前記第2グループの役に当選したときに行う抽選において前記第2特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第2特別状態の滞在の長くなり易さは、前記第1特別状態における前記第1グループの役の当選確率と、前記第1グループの役に当選したときに行う抽選において前記第1特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第1特別状態の滞在の長くなり易さよりも低く、
前記演出制御手段は、前記特定期間において実行される示唆演出として、前記第1特別状態又は前記第2特別状態への移行を示唆する単一の示唆演出を前記演出実行手段に実行させる制御を行う遊技機。
【請求項3】
前記特定期間は、連続する複数回の遊技が行われる期間であり、
前記示唆演出には、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のうち前記第1特別状態への移行確率が高いことを特定可能な第1示唆演出と、前記第2特別状態への移行確率が高いことを特定可能な第2示唆演出と、がある請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の一種である回胴式遊技機(以下「パチスロ」と示す)では、メダルが用いられ、パチスロへのメダルの投入により遊技が開始され、所定の絵柄の当りが容易に得られる遊技者にとって有利な状態(以下「有利遊技状態」という)が行われるようになっている。
【0003】
そして、特許文献1のパチスロでは、このような有利遊技状態で行われる遊技中において、遊技者の利益を大きく左右することになる該有利遊技状態で行われる遊技の回数を上乗せして加算することで、該有利遊技状態で行われる遊技の期間を延長させるようにする上乗せ抽選を行わせるようにしている。
【0004】
このようにして特許文献1のパチスロでは、遊技者の利益を大きく左右することになる上乗せ抽選を行う権利を如何に多く獲得するかが遊技者の最大の関心事となるようにしている。また、上乗せ抽選が実行可能な状態に移行させるか否かを示唆する示唆演出が実行されるパチスロもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−160844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような特許文献1のパチスロにあっては、示唆演出が実行されるものの、結局のところ上乗せ抽選が実行可能な状態などの有利な状態に移行されるか否か自体にしか遊技者の関心を惹き付ける程度に過ぎず、遊技に対する更なる興趣の向上が望まれている。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技に対する興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決する遊技機は、開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始され、遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、停止操作に基づき前記図柄表示手段に表示結果が導出される遊技機において、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態での遊技となる特定状態から、前記特定状態の延長が可能な特別状態に移行可能に制御する状態制御手段と、前記特別状態において所定の延長条件が成立すると前記特定状態の延長を行う延長制御手段と、前記特定状態において特定期間条件の成立により特定期間に制御する特定期間制御手段と、前記特定期間において前記特別状態への移行に関する示唆を行う示唆演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段と、報知手段を制御する報知制御手段と、を備え、前記特別状態には、第1特別状態と、前記第1特別状態よりも前記特定状態を延長させ易い第2特別状態とが含まれており、前記状態制御手段は、前記特定期間に制御され、且つ該特定期間において前記停止操作が特定操作条件を満たすことを条件として、前記特定状態から前記第1特別状態又は前記第2特別状態へ移行可能とさせる制御を行い、前記第1特別状態は第1グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態は第2グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態における前記第2グループの役の当選確率と、前記第2グループの役に当選したときに行う抽選において前記第2特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第2特別状態の滞在の長くなり易さは、前記第1特別状態における前記第1グループの役の当選確率と、前記第1グループの役に当選したときに行う抽選において前記第1特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第1特別状態の滞在の長くなり易さよりも低く、前記演出制御手段は、前記特定期間において実行される示唆演出として、前記第1特別状態又は前記第2特別状態への移行を示唆する単一の示唆演出を前記演出実行手段に実行させる制御を行い、前記報知制御手段は、前記演出実行手段によって実行される示唆演出の種類に対応する確率で、前記特定操作条件を報知する報知演出を前記報知手段に実行させる制御を行い、前記報知演出と前記示唆演出とは異なる演出であることを要旨とする。
【0009】
上記問題点を解決する遊技機は、開始操作が行われることに基づいて複数列の図柄を変動させて行う遊技が図柄表示手段で開始され、遊技の開始に基づき各列の図柄の変動が開始された後、停止操作に基づき前記図柄表示手段に表示結果が導出される遊技機において、役抽選を行う役抽選手段と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態での遊技となる特定状態から、前記特定状態の延長が可能な特別状態に移行可能に制御する状態制御手段と、前記特別状態において所定の延長条件が成立すると前記特定状態の延長を行う延長制御手段と、前記特定状態において特定期間条件の成立により特定期間に制御する特定期間制御手段と、前記特定期間において前記特別状態への移行に関する示唆を行う示唆演出を演出実行手段に実行させる演出制御手段と、を備え、前記特別状態には、第1特別状態と、前記第1特別状態よりも前記特定状態を延長させ易い第2特別状態とが含まれており、前記状態制御手段は、前記特定期間に制御されたことを条件として、前記特定状態から前記第1特別状態又は前記第2特別状態へ移行可能とさせる制御を行い、前記第1特別状態は第1グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態は第2グループの役に当選したときに行う抽選の結果に基づいて終了し、前記第2特別状態における前記第2グループの役の当選確率と、前記第2グループの役に当選したときに行う抽選において前記第2特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第2特別状態の滞在の長くなり易さは、前記第1特別状態における前記第1グループの役の当選確率と、前記第1グループの役に当選したときに行う抽選において前記第1特別状態の終了に当選する当選確率と、から規定される前記第1特別状態の滞在の長くなり易さよりも低く、前記演出制御手段は、前記特定期間において実行される示唆演出として、前記第1特別状態又は前記第2特別状態への移行を示唆する単一の示唆演出を前記演出実行手段に実行させる制御を行うことを要旨とする。
【0010】
上記遊技機について、前記特定期間は、連続する複数回の遊技が行われる期間であり、前記示唆演出には、前記第1特別状態及び前記第2特別状態のうち前記第1特別状態への移行確率が高いことを特定可能な第1示唆演出と、前記第2特別状態への移行確率が高いことを特定可能な第2示唆演出と、がある
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】パチスロの機表側を示す正面図。
図2】賞態様を示す模式図。
図3】パチスロの電気的構成を示すブロック図。
図4】(a)は、当選役決定テーブルを示す模式図、(b)及び(c)は、リプレイ役の詳細を示す模式図。
図5】遊技状態及び演出状態の移行の態様を示す模式図。
図6】(a)〜(d)は、各リールの動作態様を示す模式図、(e)〜(p)は、示唆演出の表示態様を示す模式図。
図7】演出内容決定テーブルを示す模式図。
図8】移行演出状態決定テーブルを示す模式図。
図9】ナビ演出決定テーブルを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、図1図9を参照して本実施形態におけるパチンコ式スロットマシン(回胴式遊技機、以下、「パチスロ」と示す)について説明する。
【0014】
図1に示すように、パチスロ10は、前面を開口した直方体状の本体11と、当該本体11の左側縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉12とを備えている。前面扉12の前面上部には、遊技中(変動ゲーム中)に表示演出を行う液晶表示装置からなる演出実行手段及び報知手段としての演出表示装置14が配設されている。また、前面扉12には、該前面扉12を囲うように各種の演出効果光を発する装飾ランプLaが設けられている。また、前面扉12の左右上部には、音声演出を行うスピーカSpが配設されている。
【0015】
前面扉12の前面中央には、中央パネル15が設けられているとともに、当該中央パネル15には、演出表示装置14とは別体であり、機内部に配設される図柄表示手段としてのドラムユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。透視窓16は、中央パネル15と一体形成された合成樹脂板から構成されている。ドラムユニット13は、各種の21個の図柄が印刷された透光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール13Lと、中リール13Cと、右リール13Rとから構成されている。また、透視窓16には、左リール13Lを第1図柄列として、該第1図柄列が配置される隣には第2図柄列としての中リール13Cが配置され、該第2図柄列が配設される隣には第3図柄列としての右リール13Rが配置されている。ドラムユニット13の各リール(左リール13L、中リール13C、及び右リール13R)に印刷される各図柄は、予め定められた順に各図柄がそれぞれに配列されている。
【0016】
なお、本実施形態において各リールでは、「ベル」を模した図柄(ベル図柄)、「REPLAY」の文字が装飾された図柄(リプレイ図柄)、「スイカ(すいか)」を模した図柄(スイカ図柄)、「チェリー」を模した図柄(チェリー図柄)がそれぞれ配列されている。以下では、各図柄を、「図柄」を省いて、「ベル」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」という場合もある。
【0017】
各リールは、各々に対応して設けられたステッピングモータにより独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リールが回転することによって透視窓16には各種図柄が連続的に変化しつつ表示(変動)される。そして、各リールの回転が停止した場合、透視窓16には、各リールのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に停止表示される。このため、透視窓16は、各リールにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。また、各リールには、該各リールの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(図3に示す)が各リールにそれぞれ対応するように設けられている。
【0018】
また、パチスロ10には、透視窓16から透視可能な図柄の表示領域において、停止表示される図柄の組み合わせ(導出される表示結果)を規定する複数(本実施形態では5本)の図柄停止ラインが形成されている。本実施形態では、図柄停止ラインとして、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定しうる1本の入賞ラインL1(実線で示す)と、停止表示される図柄の組み合わせを入賞と判定し得ない4本の非入賞ラインL2〜L5(破線で示す)が形成されている。
【0019】
透視窓16では、各列の図柄が停止表示される図柄停止位置D1〜D9のうち、図柄停止位置D2,D5,D8によって入賞ラインL1(有効)が形成される。また、図柄停止位置D1,D4,D7によって非入賞ラインL2(無効)が形成され、図柄停止位置D3,D6,D9によって非入賞ラインL3(無効)が形成される。また、図柄停止位置D1,D5,D9によって非入賞ラインL4(無効)が形成され、図柄停止位置D3,D5,D7によって非入賞ラインL5(無効)が形成される。
【0020】
また、中央パネル15には、変動ゲームに関わる情報を報知する各種情報表示部17が構成されている。
また、前面扉12の前面において中央パネル15の右下方位置には、メダル投入口18が配設されている。メダル投入口18の奥方には、メダルの通過を検知するメダルセンサSE4(図3に示す)が配設されている。また、前面扉12の前面において中央パネル15の左下方位置には、左から順にBETボタン19とMAXBETボタン20とが設けられている。BETボタン19は、機内部で貯留記憶されているクレジットから1ベット分(1枚分)を変動ゲームのベット数(賭数)としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。また、MAXBETボタン20は、1回の変動ゲームにおいて許容されるベット数の最大ベット数(本実施例では、3ベット分(3枚分))を変動ゲームのベット数としてベットする(賭ける)際に押圧(操作)するボタンである。
【0021】
また、前面扉12の前面において各BETボタン19,20の左下方位置には、精算スイッチ21が設けられている。精算スイッチ21は、変動ゲームの開始に伴ってベットされたメダル(遊技媒体)、又は機内部に貯留記憶されているクレジットを払い戻すときに使用(操作)するスイッチである。また、精算スイッチ21の右方位置には、変動ゲームを開始する際に操作する遊技開始操作手段としてのスタートレバー22が設けられている。そして、本実施形態では、ベット数の設定終了後にスタートレバー22を操作することにより、各リールの回転動作が開始される。
【0022】
スタートレバー22の右方位置には、遊技者により操作される導出操作受付手段としてのストップボタン23L,23C,23Rが設けられている。ストップボタン23L,23C,23Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リールに対応して3個のストップボタンがある。
【0023】
また、前面扉12の前面における下部中央部にはメダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルを受ける受皿25が配設されている。
【0024】
また、図1に破線で示すように、パチスロ10本体においてドラムユニット13の下方となる位置には、パチスロ10内部において、投入されたメダルを貯留するためのホッパー26が配置されている。このホッパー26の下方側にはメダル排出口24が位置し、図柄の組み合わせが遊技者に賞メダルを付与する予め定める賞態様(役)になった場合には、ホッパー26に貯留されたメダルがメダル排出口24へと払出される。前面扉12の裏面側においてメダル投入口18の下方位置には、該メダル投入口18とホッパー26とを繋ぐようにメダルセレクター27が配設されている。
【0025】
次に、遊技者が遊技として変動ゲームを行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況について説明する。
変動ゲームに対するメダルの投入又は各BETボタン19,20の操作が可能な状態において、各BETボタン19,20を操作することでベット数を設定することができる。BETボタン19の操作によっては、貯留記憶されているクレジットから1ベット分の枚数(メダル1枚)相当分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。また、MAXBETボタン20の操作によっては、貯留されているクレジットから対象とする変動ゲームで設定可能な最大ベット数分のクレジットがベット数(賭数)として設定される。なお、本実施形態では、3ベットによる変動ゲームを許容する。本実施形態では、遊技者の各BETボタン19,20の操作により、それぞれに応じたベット数が設定され、1本の入賞ラインが有効となるように設定される。
【0026】
上記のようにベット数が設定され、スタートレバー22の操作が受付可能な状態、すなわち、ゲーム開始可能な状態で遊技者がスタートレバー22を操作する開始操作を行えば、ドラムユニット13の各リールが回転し、透視窓16には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リールが回転して所定時間が経過すると、各ストップボタン23L,23C,23Rの操作が受付可能になる。続いて、遊技者により各ストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、対応する各リールが停止され、対応する列の上段、中段及び下段に図柄が透視窓16に表示される。
【0027】
そして、各リールの全てが停止された時点で、入賞ラインに停止表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に入賞となり、入賞した賞態様に応じた賞として、賞メダルの払い出し等が遊技者に付与される。
【0028】
本実施形態の変動ゲームは、ベット数の設定後のスタートレバー22の開始操作を契機に開始し、ストップボタン23L,23C,23Rの停止操作による図柄の組み合わせの停止表示を契機に終了することを1回として行われる。なお、賞メダルの払い出しを伴う変動ゲームは、賞メダルの払い出しを完了して終了する。
【0029】
次に、図2を参照して本実施形態のパチスロ10において入賞ライン上に停止表示される図柄の組み合わせについて説明する。
図2に示すように、内部で決定される当選役に基づき入賞ライン上に停止表示可能となる図柄の組み合わせ(停止結果)と、該図柄の組み合わせに対応する賞と、が定められている。
【0030】
具体的に、図2に示す当選役に基づき停止表示可能となる図柄の組み合わせの何れも入賞ライン上に停止表示されない場合、賞メダルの遊技者への付与が行われない(1枚以上の賞メダルを付与しない)。以下の説明で、図2に示す何れにも対応しない図柄の組み合わせにより入賞ラインを形成する場合の図柄の組み合わせを「はずれ停止目」という。
【0031】
また、[チェリー・ANY・ANY]が入賞ライン上に停止表示される場合には、2枚の賞メダルを払い出すことを定めている。なお、入賞ラインを形成する中リール13C及び右リール13Rの停止位置に停止表示される図柄は何れの図柄(「ANY」)でもよい。以下の説明で、[チェリー・ANY・ANY]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「チェリー停止目」という。このチェリー停止目は、当選役として「チェリー役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0032】
また、[スイカ・スイカ・スイカ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、6枚の賞メダルを払い出すことを定めている。以下の説明で、[スイカ・スイカ・スイカ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「スイカ停止目」という。このスイカ停止目は、当選役として「スイカ役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0033】
また、[ベル・ベル・ベル]が入賞ライン上に停止表示される場合には、12枚の賞メダルを払い出すことを定めている。以下の説明で、[ベル・ベル・ベル]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「ベル停止目」という。このベル停止目は、当選役として「ベル役」の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0034】
本実施形態において、これら「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」は、入賞に基づいて賞メダルの払い出しを定めた当選役(払出役)となる。
また、[リプレイ・リプレイ・リプレイ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することが定められている。以下、[リプレイ・リプレイ・リプレイ]により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「通常停止目」という。この通常停止目は、当選役として通常リプレイ役(通常入賞役)の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0035】
また、[リプレイ・リプレイ・ベル]をはじめとして、図示しない[リプレイ・ベル・リプレイ]、[ベル・リプレイ・リプレイ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することを定めている。以下、[リプレイ・リプレイ・ベル]等により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「特殊停止目」という。この特殊停止目は、当選役として特殊リプレイ役の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0036】
また、[リプレイ・リプレイ・スイカ]をはじめとして、図示しない[リプレイ・スイカ・リプレイ]、[スイカ・リプレイ・リプレイ]が入賞ライン上に停止表示される場合には、上述した再遊技を付与することを定めている。以下、[リプレイ・リプレイ・スイカ]等により入賞ラインを形成する賞態様(図柄の組み合わせ)を「突入停止目」という。この突入停止目は、当選役として突入リプレイ役の決定により入賞可能(停止表示可能)とされている。
【0037】
なお、本実施形態において、これら各種リプレイ役は、入賞に基づいて再遊技の付与を定めた再遊技役となる。また、上述した再遊技では、遊技者がベット数をベットすることなく変動ゲームを行うことができるのであって、賞メダルの遊技者への付与が行われない(1枚以上の賞メダルを付与しない)。このため、リプレイ役の入賞に基づいて遊技者は賞メダルの払い出しを得ることはない。
【0038】
また、本実施形態において、各賞態様の入賞により賞メダルの払い出しや再遊技といった各賞の入賞の発生を許容する「チェリー役」、「スイカ役」、「ベル役」、及び「リプレイ役」といった当選役が小役となる。
【0039】
また、本実施形態のパチスロ10は、リプレイ役の当選確率を変動させて、一般遊技を制御するRT機能(再遊技役確率変動機能)が搭載されている。本実施形態における一般遊技は、RT機能の作動態様に応じた状態に制御されるとともに、RT機能の作動中にはその種類に応じた状態に制御される。
【0040】
そして、RT機能により一般遊技では、RT機能の非作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態(低確率)に設定された低確RT遊技に制御される場合がある。また、RT機能により一般遊技では、RT機能の作動の状態であってリプレイ役の合算の当選確率が低確率抽選状態から高確率抽選状態(高確率)へ変動(向上)される高確RT遊技に制御される場合がある。また、本実施形態において、高確RT遊技でも、ベル役の当選確率が通常抽選状態に設定された高確RT1遊技と、ベル役の当選確率が通常抽選状態から高確率抽選状態(高確率)へ変動(向上)される高確RT2遊技との何れかに制御される。また、本実施形態において、「高確RT遊技」という場合には、「高確RT1遊技」、及び「高確RT2遊技」を纏めて意味する。
【0041】
次に、図3に示すパチスロ10の電気的構成について説明する。
パチスロ10の機裏側には、遊技機全体を制御する主制御基板40が装着されている。主制御基板40は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板41が装着されている。サブ制御基板41は、主制御基板40が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。
【0042】
以下、主制御基板40について説明する。
主制御基板40は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU40aと、主制御用CPU40aの制御プログラムを格納する主制御用ROM40bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM40cが設けられている。また、主制御用CPU40aには、ドラムユニット13を構成する各リール(左リール13L、中リール13C及び右リール13R)、リールセンサSE1〜SE3、メダルセンサSE4が接続されている。また、主制御用CPU40aには、各種情報表示部17が接続されている。また、主制御用CPU40aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算スイッチ21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23L,23C,23Rと、ホッパー26とが接続されている。
【0043】
主制御用CPU40aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓16で表示されている図柄(回転中の各リールの回転位置)に応じて第1〜第3の位置信号が入力される。第1の位置信号には左リール13Lが対応し、第2の位置信号には中リール13Cが対応し、第3の位置信号には右リール13Rが対応している。そして、主制御用CPU40aは、第1〜第3の位置信号により各リールの回転位置及び停止位置を把握し、該第1〜第3の位置信号に基づき各リールの回転及び停止の制御を行う。
【0044】
また、主制御用CPU40aには、接続されるメダルセンサSE4から該メダルセンサSE4でメダルを検知する毎に、メダルを検知したことを示すメダル検知信号が入力される。また、主制御用CPU40aには、接続されるBETボタン19、MAXBETボタン20、精算スイッチ21、スタートレバー22及びストップボタン23L,23C,23Rが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力される。
【0045】
また、主制御用CPU40aは、各種抽選で用いる当選役決定乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。なお、当選役決定乱数は、主制御用CPU40aが当選役決定テーブルにしたがい役(当選情報群に基づく当選役)を決定する際に使用する乱数である。主制御用CPU40aが決定する当選情報群には、変動ゲームで入賞可能とする単数又は複数の当選役が対応付けられている。当選情報群では、単数の当選役が対応付けられている場合に当該当選役の単独当選を意味し、複数の当選役が対応付けられている場合にこれら当選役の重複当選を意味する。このため、主制御用CPU40aは、当選情報群を決定することで当選とする当選役を決定する。
【0046】
また、主制御用ROM40bには、メイン制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM40bには、遊技状態別、並びに当選情報群別の内部当選確率が、当選役決定乱数の値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブルが記憶されている。
【0047】
また、主制御用ROM40bには、役毎に図柄の組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、各ストップボタン23L,23C,23Rを遊技者が操作した時の操作のタイミングによって停止表示させる図柄を役毎に定めたものである。また、主制御用RAM40cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。
【0048】
次に、サブ制御基板41について説明する。
サブ制御基板41は、制御動作を所定の手順で実行するサブ制御用CPU41aと、サブ制御用CPU41aの制御プログラムを格納するサブ制御用ROM41bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるサブ制御用RAM41cが設けられている。そして、サブ制御用CPU41aには、演出表示装置14、スピーカSp、装飾ランプLaが接続されている。
【0049】
サブ制御用CPU41aは、各種抽選で用いる各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、サブ制御用ROM41bには、サブ制御プログラムが記憶されている。また、サブ制御用ROM41bには、演出表示装置14の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカSpの音声出力態様が示される音声演出パターンや、装飾ランプLaの発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。また、サブ制御用RAM41cには、パチスロ10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)される。具体的に、サブ制御用RAM41cには、遊技状態に係るサブ用状態情報(フラグなど)がサブ制御用CPU41aにより記憶(設定)される。
【0050】
ここで、図4に示す主制御用ROM40bに記憶される当選役決定テーブルT1〜T3について説明する。
主制御用ROM40bには、抽選対象となる当選情報群の種類と、抽選対象となる各当選情報群の当選確率(抽選対象となる各当選情報群に振分けられる乱数値(乱数の値の範囲に基づく個数))を遊技状態毎にテーブル化したものが記憶されている。各当選役決定テーブルは、遊技状態に応じて主制御用CPU40aにより用いられる。一般遊技において、低確RT遊技に当選役決定テーブルT1が、高確RT1遊技に当選役決定テーブルT2が、高確RT2遊技に当選役決定テーブルT3がそれぞれ対応付けられている。
【0051】
図4(a)に示すように、当選役決定テーブルT1〜T3では、当選情報群に基づくチェリー役、スイカ役、ベル役、リプレイ役の各当選確率が規定されている。そして、一般遊技では、リプレイ役の当選確率が高確RT遊技(1/1.9)で、低確RT遊技(1/7.3)に比べて大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている。
【0052】
このため、本実施形態では、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態に設定される高確RT遊技において、再遊技が付与され易い分、遊技者が保有するメダルの消費(投入)を減少させることができるといった利益を遊技者に付与することができる。このような高確RT遊技は、遊技者にとって有利な状態である。
【0053】
また、一般遊技では、ベル役の当選確率が高確RT2遊技(1/2.3)で、低確RT遊技及び高確RT1遊技(1/3.3)に比べて大きく高まるように当選役決定乱数が振分けられている一方、リプレイ役、ベル役以外の各小役の当選確率が同一確率となるように当選役決定乱数が振分けられている。
【0054】
また、図4(b)に示すように、リプレイ役の当選確率は、低確RT遊技(当選役決定テーブルT1)において、通常リプレイ役(不問)を対応付けた当選情報群と、突入リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群とのそれぞれの当選確率を規定している。なお、この突入リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群には、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4が設定されている。
【0055】
また、リプレイ役の当選確率は、高確RT1遊技(当選役決定テーブルT2)において、通常リプレイ役(不問)を対応付けた当選情報群と、突入リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群と、特殊リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群とのそれぞれの当選確率を規定している。なお、この特殊リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群には、特殊重複リプレイ群1〜特殊重複リプレイ群6が設定されている。
【0056】
また、リプレイ役の当選確率は、高確RT2遊技(当選役決定テーブルT3)において、通常リプレイ役(不問)を対応付けた当選情報群と、特殊リプレイ役と通常リプレイ役との重複当選を対応付けた当選情報群とのそれぞれの当選確率を規定している。
【0057】
また、ベル役の当選確率は、ベル役を対応付けた当選情報群のそれぞれの当選確率の合算を規定している。このベル役の当選情報群には、ベル群1〜ベル群3が設定されている。
【0058】
以下の説明で、「通常リプレイ役の当選」という場合には、通常リプレイ役(不問)を対応付けた当選情報群の当選を意味する。また、「突入リプレイ役の当選」という場合には、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4の当選を意味する。また、「特殊リプレイ役の当選」という場合には、特殊重複リプレイ群1〜特殊重複リプレイ群6の当選を意味する。また、「ベル役の当選」という場合には、ベル群1〜ベル群3の当選を意味する。また、「チェリー役の当選」という場合には、チェリー役の単独当選を対応付けた当選情報群の当選を意味する。また、「スイカ役の当選」という場合には、スイカ役の単独当選を対応付けた当選情報群の当選を意味する。また、「突入入賞」という場合には、各突入重複リプレイ群に対応付けた突入リプレイ役に基づく突入停止目の停止表示を意味する。また、「特殊入賞」という場合には、各特殊重複リプレイ群に対応付けた特殊リプレイ役に基づく特殊停止目の停止表示を意味する。
【0059】
以下、主制御用CPU40aがメイン制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
主制御用CPU40aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。そして、主制御用CPU40aは、各種操作信号の入力や各種制御により、各種情報表示部17の表示制御をその都度実行する。また、主制御用CPU40aは、賞態様の入賞に基づいて賞メダルを払い出す場合、クレジット上限枚数(本実施形態では、「50(枚)」)を超えるとき、駆動信号をホッパー26に出力して、駆動信号を1回出力する毎に賞メダルを1枚払い出させるように制御する。なお、主制御用CPU40aは、クレジットの清算時、駆動信号をホッパー26に出力して、クレジット分のメダルを遊技者に払い出させるように制御する。
【0060】
そして、主制御用CPU40aは、メダル投入口18よりメダルが投入される、又は各BETボタン19,20の操作信号を入力すると、ベット数を設定する。また、主制御用CPU40aは、各BETボタン19,20の操作毎に、クレジット数を更新する。また、主制御用CPU40aは、メダルの投入によりクレジット数を増加させる場合、クレジット数を更新させる。そして、主制御用CPU40aは、3ベットのベット数を設定するときに変動ゲームを行うことができるゲーム開始可能な状態を生起する。
【0061】
続いて、主制御用CPU40aは、ゲーム開始可能な状態において、スタートレバー22の操作信号を入力すると、役抽選(内部抽選)を行う。そして、主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから当選役決定乱数の値を取得し、該値が主制御用ROM40bに記憶されている当選役決定テーブルの各当選役の値の範囲に属しているか否かを判定する役抽選を行う。役抽選において、主制御用CPU40aは、遊技状態に応じた当選役決定テーブルを用いて当選とする当選情報群を決定する。このように主制御用CPU40aは、当選情報群を決定することで、当該当選情報群に対応付けられた当選役の当選を決定する。なお、主制御用CPU40aは、遊技状態を示す状態情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに設定して遊技状態を把握している。本実施形態では、このようにして役抽選を行う主制御用CPU40aが当選役抽選手段として機能する。
【0062】
そして、主制御用CPU40aは、当選情報群を決定すると、決定した当選情報群に対応付けられた当選役の種類を示す役情報(フラグなど)を主制御用RAM40cに記憶(設定)する。すなわち、主制御用CPU40aは、小役の当選を決定すると、該小役の入賞の発生の有無に関係なく役抽選の対象とする変動ゲーム(1回)の終了により、主制御用RAM40cの小役の役情報を消去(クリア)する。このため、小役は、当選の決定を入賞が発生するか否かに関係なく次以後の変動ゲームに跨って持越不可能な当選役となる。
【0063】
また、主制御用CPU40aは、遊技者によるスタートレバー22の操作を検出したタイミング(役抽選等の所定の処理を行った後)で、変動ゲームの開始を指示するとともに、役抽選の抽選結果を示した変動ゲーム開始コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この変動ゲーム開始コマンドは、重複当選であれば複数の役情報を合わせて指示する。なお、主制御用CPU40aは、遊技者によるスタートレバー22の操作を検出して直前の変動ゲームの終了からウェイトタイムが経過している状態において、各リールの回転動作を開始させるように各リールを制御する。また、サブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)への変動ゲーム開始コマンドは、各リールの回転動作の開始に合わせて出力するようにもできる。
【0064】
続いて、主制御用CPU40aは、遊技者の操作に基づくストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号を入力すると、各種操作信号に対応するリールを停止させるための制御(停止制御)を行う。また、主制御用CPU40aは、各リールに対応するリールセンサSE1〜SE3からの位置信号により、各リールの変動又は停止の情報を把握する。すなわち、各リールセンサSE1〜SE3からの位置信号は、各リールの変動中に各リールの変動状況を主制御用CPU40aに把握させる一方、各リールの停止中に各リールの停止状況を主制御用CPU40aに把握させる。なお、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rからの各種操作信号が入力されるまでの間、回転中のリールについて停止制御を行わないで回転動作を維持させる。
【0065】
また、主制御用CPU40aは、ストップボタン23L,23C,23Rの各種操作信号を入力すると、各種リール停止コマンドをサブ制御用CPU41aに出力する。このストップボタン23L,23C,23Rの各種リール停止コマンドは、ストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による操作状況、すなわち何れのストップボタンが操作されたかや、各リールの停止位置、ストップボタンが操作された押し順をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に把握させる。
【0066】
次に、主制御用CPU40aが行う停止制御について説明する。
主制御用CPU40aは、決定した当選情報群に基づき各ストップボタン23L,23C,23Rが遊技者により操作されるタイミングから所定の範囲内(最大で4図柄分)で各リールを停止させて、任意の図柄の組み合わせを停止表示させる。主制御用CPU40aは、回転中の各リールを停止させる場合、当選している当選役と各ストップボタン23L,23C,23Rの操作タイミングから主制御用ROM40bに記憶される停止テーブルに基づく図柄の組み合わせを停止表示させる停止制御を行う。このため、各リールは、ストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による停止操作のタイミングで停止するとは限らず、遊技者による停止操作のタイミングと各リールの停止するタイミングとが一致しない場合(所謂、「すべり」)がある。例えば、「すべり」を伴う制御では、停止させる図柄に対する遊技者による停止操作のタイミングが早いとき、各リールを各リールの変動方向に強制的にすべらせて該停止させる図柄を入賞ライン上に停止させる。
【0067】
このため、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が5つ以上の部分を有していない場合、すべり制御を伴う結果、何れかの入賞ライン上に停止させたい種類の図柄を停止表示させることができる。一方、各リールでは、停止させたい種類の図柄の間に挟む他の種類の図柄が5つ以上の部分を有している場合、すべり制御を伴っても、何れの入賞ラインにも停止させたい種類の図柄を停止表示させることができない場合がある。このようにしてストップボタン23L,23C,23Rの遊技者による停止操作に基づいて各リールの停止制御を行う主制御用CPU40aが、導出制御手段として機能する。
【0068】
具体的に、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われる場合、チェリー停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、チェリー役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングが予め定めたタイミングで行われない場合、チェリーこぼし停止目を停止表示させる。この場合には、チェリー役の取りこぼしを発生させる。
【0069】
また、主制御用CPU40aは、スイカ役の当選時、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくスイカ停止目を停止表示させる。
また、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、遊技者による停止操作の押し順がベル停止目を停止させる押し順である場合、ベル停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、ベル役の当選時、遊技者による停止操作の押し順がベル停止目を停止させる押し順ではない場合、ベルこぼし停止目を停止表示させる。この場合には、ベル役の取りこぼしを発生させる。
【0070】
また、主制御用CPU40aは、特殊リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作の押し順が特殊停止目を停止させる押し順である場合、特殊停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、特殊リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作の押し順が特殊停止目を停止させる押し順ではない場合、通常停止目を停止表示させる。
【0071】
また、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作の押し順が突入停止目を停止させる押し順である場合、突入停止目を停止表示させる。一方、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選時、遊技者による停止操作の押し順が突入停止目を停止させる押し順ではない場合、通常停止目を停止表示させる。なお、主制御用CPU40aは、通常リプレイ役(不問)の当選時、遊技者による停止操作に拘わらず、通常停止目を停止表示させる。
【0072】
そして、小役の何れの当選役も決定しない、すなわちはずれ役の当選時、主制御用CPU40aは、遊技者による停止操作のタイミングに関係なくはずれ停止目を停止表示させる。
【0073】
続いて、主制御用CPU40aは、各リールの全てを停止させて図柄の組み合わせを停止表示させると入賞判定を行う。この場合に主制御用CPU40aは、主制御用RAM40cから役情報を読み出し、読み出した役情報(当選役)に対応する図柄の組み合わせが入賞ライン上に停止表示されているかを判定する入賞判定を行う。また、入賞判定において主制御用CPU40aは、各リールの停止に伴って入力する位置信号から入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせがどのような組み合わせであるかを特定し、その組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様であるか否かを判定する。なお、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様である場合、該役情報に基づく当選役の入賞(肯定)を判定する。一方、主制御用CPU40aは、入賞ライン上に停止表示した図柄の組み合わせが役情報(当選役)に対応する賞態様でない場合、該役情報に基づく当選役の非入賞(否定)、すなわち該役情報に基づく当選役の取りこぼしを判定する。本実施形態では、このようにして入賞役を判定する主制御用CPU40aが入賞判定手段として機能する。
【0074】
そして、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した賞態様に応じた制御を行う。すなわち、主制御用CPU40aは、賞態様に応じて遊技状態を移行させる制御や賞メダルを払い出す制御を行う。また、主制御用CPU40aは、入賞判定で入賞と判定する場合、該入賞と判定した旨を示す入賞指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される当選役の入賞をサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に把握させる。
【0075】
具体的に、チェリー役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、2枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、チェリー役の入賞の判定時、チェリー役の取りこぼしを判定する場合、1枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。
【0076】
また、スイカ役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、6枚の賞メダルを払い出す制御を行う。
また、ベル役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、12枚の賞メダルを払い出す制御を行う。なお、主制御用CPU40aは、ベル役の入賞の判定時、ベル役の取りこぼしを判定する場合、1枚以上の賞メダルを払い出さないように制御する。さらにベル役の入賞を判定する場合、後述する遊技状態の移行に関する制御を行う。本実施形態では、このようにして入賞役に基づいて遊技価値を付与する主制御用CPU40aが遊技価値付与手段として機能する。
【0077】
また、リプレイ役の入賞を判定する場合、主制御用CPU40aは、次の変動ゲームを再遊技させるための制御を行う。このような制御として主制御用CPU40aは、入賞を判定した変動ゲームと同一のベット数を設定することになる。さらに突入入賞を判定する場合、後述する遊技状態の移行に関する制御を行う。
【0078】
ここで、ベル役の当選時における停止制御について説明する。
本実施形態では、ベル役の当選時、3つのストップボタンを操作する押し順に基づいて行う制御が異なる。
【0079】
本実施形態では、ベル群毎にベル停止目を停止表示させるためのベル入賞用の押し順がそれぞれ定められている。また、これに対応するように、ベル群毎に専用の停止目(例えば、[ベル・ベル・リプレイ]等)のベルこぼし停止目を停止表示させるためのベルこぼし用の押し順がそれぞれ定められている。
【0080】
主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づきベル入賞用の押し順となることで、入賞ラインにベル停止目を停止表示させる。このベル停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。一方、主制御用CPU40aは、ベル役の当選に基づきベルこぼし用の押し順となることで、入賞ラインにベルこぼし停止目を停止表示させる。このベルこぼし停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
【0081】
ベル群1〜ベル群3には、それぞれストップボタン23L,23C,23Rが最初であればその後の順を問わない停止操作がベル入賞用の押し順に定められているとともに、そのストップボタン以外が最初であればその後の順を問わない停止操作がベルこぼし用の押し順に定められている。このため、ベル群1〜ベル群3は、最初に停止操作されるストップボタンに基づく「3択」の押し順が定められていることとなる。
【0082】
次に、リプレイ役の当選時における停止制御について説明する。
主制御用CPU40aは、通常リプレイ役が当選する場合、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく入賞ラインに[リプレイ・リプレイ・リプレイ]となる通常入賞の停止態様による通常停止目を停止表示させる。
【0083】
また、本実施形態では、リプレイ役の当選の中でも重複当選となるリプレイ役の当選時、3つのストップボタンを操作する押し順に基づいて行う制御が異なる。
具体的に、図4(b)に示すように、本実施形態では、突入重複リプレイ群毎に突入停止目(図4(b)では、「突入」と示す)を停止表示させるための特定の停止操作となる突入入賞用の押し順がそれぞれ定められている。また、これに対応するように、突入重複リプレイ群毎に通常停止目を停止表示させるための通常の停止操作となる通常用の押し順がそれぞれ定められている。
【0084】
主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選に基づき突入入賞用の押し順となることで、遊技者による停止操作が特定の停止操作と一致する場合、入賞ラインに突入入賞の停止態様による突入停止目を停止表示させる。この突入入賞の停止態様による突入停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
【0085】
一方、主制御用CPU40aは、突入リプレイ役の当選に基づき通常用の押し順となることで、遊技者による停止操作が通常の停止操作と一致する場合、入賞ラインに通常入賞の停止態様による通常停止目を停止表示させる。この通常入賞の停止態様による通常停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
【0086】
例えば、突入重複リプレイ群1には、[中左右]の突入入賞用の押し順が定められているとともに、[中左右]以外の通常用の押し順が定められている。また、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4には、当選情報群の種類に関係なく、[左]が最初となる通常用の押し順が定められており、[左]が最初となる突入入賞用の押し順が定められていない。このため、突入重複リプレイ群1〜突入重複リプレイ群4は、[左]が最初となる突入入賞用の存在しない「左無し4択」の押し順が定められていることとなる。また、突入重複リプレイ群が当選した場合、突入停止目、及び通常停止目のうち何れの図柄組み合わせが入賞ライン上に停止表示された場合であっても、同じように再遊技が遊技者に付与されることになる。
【0087】
次に、図4(c)に示すように、本実施形態では、特殊重複リプレイ群毎に特殊停止目(図4(c)では、「特殊」と示す)を停止表示させるための特定の停止操作となる特殊入賞用の押し順がそれぞれ定められている。また、これに対応するように、特殊重複リプレイ群毎に通常停止目を停止表示させるための通常の停止操作となる通常用の押し順がそれぞれ定められている。
【0088】
主制御用CPU40aは、特殊リプレイ役の当選に基づき特殊入賞用の押し順となることで、遊技者による停止操作が特定の停止操作と一致する場合、入賞ラインに特殊入賞の停止態様による特殊停止目を停止表示させる。この特殊入賞の停止態様による特殊停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
【0089】
一方、主制御用CPU40aは、特殊リプレイ役の当選に基づき通常用の押し順となることで、遊技者による停止操作が通常の停止操作と一致する場合、入賞ラインに通常入賞の停止態様による通常停止目を停止表示させる。この通常入賞の停止態様による通常停止目は、遊技者による停止操作のタイミングに関係なく停止表示可能となっている。
【0090】
例えば、特殊重複リプレイ群1には、[左中右]の突入入賞用の押し順が定められているとともに、[左中右]以外の通常用の押し順が定められている。このため、特殊重複リプレイ群1〜特殊重複リプレイ群6は、全ての停止操作されるストップボタンに基づく「6択」の押し順が定められていることとなる。
【0091】
次に、図5を参照して主制御用CPU40aが遊技状態に応じた変動ゲームに基づいて制御する遊技状態の移行の態様について説明する。
主制御用CPU40aは、変動ゲームの開始時、変動ゲーム開始コマンドの出力前に、制御されている遊技状態を示す状態指示コマンドをサブ制御基板41(サブ制御用CPU41a)に出力する。この状態指示コマンドは、変動ゲーム毎にサブ制御用CPU41aに出力されるコマンドであり、主制御用CPU40aで管理している遊技状態をサブ制御用CPU41aに把握させる。
【0092】
図5に示すように、主制御用CPU40aは、低確RT遊技の制御中、突入リプレイ役が当選して突入入賞用の押し順により突入入賞の発生を契機に、次の変動ゲームから高確RT1遊技に移行(突入)させる。すなわち、低確RT遊技では、突入リプレイ役が当選して突入入賞となる突入停止目が停止表示される場合、高確RT1遊技への移行条件が満たされる。一方、主制御用CPU40aは、低確RT遊技の制御中、突入入賞しない場合、高確RT1遊技への移行条件が満たされずに次の変動ゲームからも低確RT遊技を継続させる。
【0093】
また、主制御用CPU40aは、高確RT1遊技の制御中、ベル役が当選してベルこぼしの発生を契機に、次の変動ゲームから低確RT遊技に移行させる。すなわち、高確RT1遊技では、ベル役が当選してベルこぼしとなるベルこぼし停止目が停止表示された場合、低確RT遊技への移行条件が満たされる。また、主制御用CPU40aは、高確RT1遊技の制御中、突入リプレイ役が当選して突入入賞用の押し順により突入入賞の発生を契機に、次の変動ゲームから高確RT2遊技に移行(突入)させる。すなわち、高確RT1遊技では、突入リプレイ役が当選して突入入賞となる突入停止目が停止表示される場合、高確RT2遊技への移行条件が満たされる。一方、主制御用CPU40aは、高確RT1遊技の制御中、ベルこぼしを発生させない場合であって、かつ突入入賞されなかった場合、低確RT遊技への移行条件と高確RT2遊技への移行条件との両方が満たされずに次の変動ゲームからも高確RT1遊技を継続させる。
【0094】
また、主制御用CPU40aは、高確RT2遊技の制御中、当選役に基づいて、高確RT2遊技の滞在を継続させるか否かを決定する高確RT2継続抽選を行う。この高確RT2継続抽選は、当選役に基づいて所定の当選確率(例えば合算約1/1.2)となるように、「当選」、「非当選」の何れかに乱数を振り分けて行われる。そして、主制御用CPU40aは、高確RT2継続抽選に当選しなかった場合、次の変動ゲームから高確RT1遊技に移行させる。すなわち、高確RT2遊技では、高確RT2継続抽選に当選しなかった場合、高確RT1遊技への移行条件が満たされる。一方、主制御用CPU40aは、高確RT2遊技の制御中、高確RT2継続抽選に当選した場合、高確RT1遊技への移行条件が満たされずに次の変動ゲームからも高確RT2遊技を継続させる。
【0095】
次に、サブ制御用CPU41aがサブ制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに係る処理について説明する。
サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドや入賞指示コマンドの各コマンドを入力すると、該コマンドに指示される内容に基づいて各種演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容、スピーカSpの音声出力内容、装飾ランプLaの発光態様を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、各リールの停止状況も把握可能なことから、この停止状況から当選役の取りこぼしを把握することもできる。
【0096】
また、サブ制御用CPU41aは、状態指示コマンドを入力すると、遊技状態が何れの遊技状態に制御されているかを示すサブ用状態情報をサブ制御用RAM41cに記憶(設定)する。また、サブ制御用CPU41aは、変動ゲーム開始コマンドや各種リール停止コマンドが入力される毎に各種演出を行わせるための制御を行う。
【0097】
また、サブ制御用CPU41aは、演出表示装置14の演出状態を、状態指示コマンドにより指定される遊技状態に応じて管理する。本実施形態における演出状態は、複数種類に分類されている。また、サブ制御用CPU41aは、演出情報から特定可能な演出状態に対応する画像表示用データ(特に背景画像用データ)を選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置14の表示内容(表示画像)を制御する。
【0098】
具体的に、演出状態には、遊技状態が低確RT遊技であって、後述するARTモードへの移行権利の未発生時の状況で行われる通常モードがある。この場合に演出表示装置14では、通常モード用の表示画像が表示される。この通常モードは、リプレイ役の当選確率が低確率抽選状態であるとともに、当選した突入リプレイ役に対応する特定の停止操作を報知することで突入入賞を補助(アシスト)する突入リプナビ演出や、当選したベル役に対応する特定の停止操作を報知することでベル入賞を補助(アシスト)するベルナビ演出を行わない状態である。
【0099】
また、演出状態には、遊技状態が低確RT遊技であって、後述するARTモードへの移行権利の発生時の状況で行われる準備モードがある。なお、準備モードの場合に演出表示装置14では、通常モード用の表示画像と大まかには同一に構成されるとともに、該表示画面中に「準備中」等の文字画像が表示される。この準備モードは、リプレイ役の当選確率が通常モード同様に低確率抽選状態である一方、突入リプナビ演出やベルナビ演出を行う状態である。
【0100】
また、演出状態には、遊技状態が高確RT1遊技である場合に行われるART特定モードがある。この場合に演出表示装置14では、ART特定モード用の表示画像が表示される。このART特定モードは、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベルナビ演出を行う状態である。また、このART特定モードは、所定の確率で突入リプナビ演出を行うとともに、更には、所定の確率で、当選した特殊リプレイ役に対応する特定の停止操作を報知することで特殊入賞を補助(アシスト)する特殊リプナビ演出を行う状態である。
【0101】
また、演出状態には、遊技状態が高確RT1遊技である場合に行われる第1上乗せモードがある。この場合に演出表示装置14では、第1上乗せモード用の表示画像が表示される。この第1上乗せモードは、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベルナビ演出を行い、更には、所定の確率で各種リプナビ演出を行う状態である。また、この第1上乗せモードでは、変動ゲームが行われる毎に、ART特定モードに滞在する変動ゲームの上限回数を上乗せする制御が行われる。
【0102】
また、演出状態には、遊技状態が高確RT1遊技である場合に行われる第2上乗せモードがある。この場合に演出表示装置14では、第2上乗せモード用の表示画像が表示される。この第2上乗せモードは、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベルナビ演出を行い、更には、所定の確率で各種リプナビ演出を行う状態である。また、この第2上乗せモードでも、変動ゲームが行われる毎に、ART特定モードに滞在する変動ゲームの上限回数を上乗せする制御が行われる。なお、本実施形態において、第2上乗せモードのほうが、第1上乗せモードよりもART特定モードに対する上乗せが有利となるように制御される。また、本実施形態において、「上乗せモード」という場合には、「第1上乗せモード」、及び「第2上乗せモード」を纏めて意味し、「ARTモード」という場合には、「ART特定モード」、及び「上乗せモード」を纏めて意味する。
【0103】
また、演出状態には、遊技状態が高確RT1遊技である場合に行われる高確RT演出がある。この場合に演出表示装置14では、リプレイ役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、各種リプナビ演出やベルナビ演出を行わない状態である。
【0104】
また、演出状態には、遊技状態が高確RT2遊技である場合に行われるART特殊モードがある。この場合に演出表示装置14では、ART特殊モード用の表示画像が表示される。このART特殊モードは、リプレイ役の当選確率と、ベル役の当選確率とが高確率抽選状態であるとともに、ベルナビ演出を行う状態である。
【0105】
以下、主制御用CPU40aからの各種制御信号に基づきサブ制御用CPU41aが行う演出状態にかかる制御について説明する。なお、サブ制御用CPU41aは、演出フラグから特定可能な演出状態に対応する背景画像用の画像表示用データを選択するとともに、この選択した画像表示用データをもとに演出表示装置14の表示内容(表示画像)を制御する。また、本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、サブ制御用RAM41cに演出状態の種類を示す演出フラグを設定することで、制御させている演出状態を把握(管理)する。
【0106】
まず、通常モードに関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、通常モード中(通常モードを示す演出フラグの設定中)、当選役の当選及び入賞(取りこぼし)に基づいた処理を行う。なお、準備モード中は、リプレイ役として、通常リプレイ役(不問)と、突入リプレイ役と、当該突入リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役の当選及び入賞が発生し得る。
【0107】
サブ制御用CPU41aは、通常モード中、突入リプレイ役やベル役の当選が指示される場合、突入リプナビ演出やベルナビ演出を実行させないように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0108】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の当選が指示される場合、ART突入抽選を行う。このART突入抽選は、当選役に基づいて所定の当選確率(例えば合算が約1/300)となるように、「当選」、「非当選」の何れかに乱数を振り分けて行われる。なお、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で当選した場合、ARTモードへの移行権利を発生させる。一方、サブ制御用CPU41aは、ART突入抽選で当選しなかった場合、ARTモードへの移行権利を発生させない。
【0109】
また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モードや上乗せモード、高確RT演出が終了して通常モードに移行する場合に、解除ゲーム数(所謂「天井ゲーム数」)を決定する。そして、サブ制御用CPU41aは、通常モードで行われた変動ゲームの回数(以下、「実行回数」という)が解除ゲーム数に達した場合、ARTモードへの移行権利を発生させる。具体的に、サブ制御用CPU41aは、決定した解除ゲーム数を、サブ制御用RAM41cに割り当てられた解除ゲーム数カウンタに記憶する。そして、サブ制御用CPU41aは、通常モードで変動ゲームの開始が指示される毎に、解除ゲーム数カウンタの値を「1」減算し、解除ゲーム数カウンタの値が「0」となった場合に、解除ゲーム数に達したと判定する。
【0110】
また、サブ制御用CPU41aは、ARTモードへの移行権利を発生させる場合、サブ制御用RAM41cの所定の記憶領域に記憶しているARTフラグにARTモードへの移行権利の発生を示す値を設定する。なお、このARTフラグには、ARTモードへの移行権利が発生していないときは、ARTモードへの移行権利の未発生を示す値が設定される。また、ARTフラグにARTモードへの移行権利の発生を示す値が設定されると、ARTモードへ移行可能とし、その後ARTモードに移行した場合においてARTモードが終了することでARTフラグにARTモードへの移行権利の未発生を示す値が設定される。
【0111】
そして、サブ制御用CPU41aは、ARTフラグにARTモードへの移行権利の発生を示す値を設定する場合、その変動ゲーム又は所定回数経過後の変動ゲームから、ARTモードへの移行権利の発生を報知する準備モードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、準備モードを示す演出フラグを設定する。
【0112】
また、サブ制御用CPU41aは、通常モードから準備モードへ移行させる場合には、通常モードから準備モードへ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
なお、本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、通常モードにおいて、各変動ゲームにてストップボタン23Lが最初に操作されなければ、遊技者による停止操作が予め定められた操作条件を満たしていないとして、遊技者にとって不利な状態となるペナルティを付与する。例えば、ペナルティとしては、ART突入抽選を行わない、又はART突入抽選を行うが必ず当選しないように制御する。また、本実施形態では、ストップボタン23Lの最初の停止操作により突入停止目で停止表示され得ない構成、すなわち突入入賞用の押し順としてストップボタン23Lが最初に停止操作される押し順を設定していない。これにより、通常モード中には、ARTフラグにARTモードへの移行権利の未発生を示す値が設定されている場合、ARTモードへの移行、すなわち高確RT遊技への移行が想定されない状況となる。
【0113】
次に、準備モードに関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、準備モード中(準備モードを示すサブ演出フラグの設定中)、当選役の当選及び入賞(取りこぼし)に基づいた処理を行う。なお、準備モード中は、リプレイ役として、通常リプレイ役(不問)と、突入リプレイ役と、当該突入リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役の当選及び入賞が発生し得る。
【0114】
また、サブ制御用CPU41aは、準備モード中、ベル役の当選が指示される場合、変動ゲームの開始に伴って、ベルナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。このため、準備モード中には、ベル入賞を補助するように演出が行われ、遊技者がベルナビ演出に従って遊技を行うことでベル入賞が発生する。
【0115】
演出表示装置14では、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、3つのうちの一つに対して「1」の数字を付す態様でベルナビ演出が行われる。例えば、ベル群2の場合であれば、3つの画像のうち真ん中の画像に「1」が付されている場合には、ストップボタン23Cを最初に停止操作すべきことを遊技者に把握させる。
【0116】
また、サブ制御用CPU41aは、小役の中でもストップボタンの押し順により停止態様が変化する突入リプレイ役の当選が指示される場合、変動ゲームの開始に伴って、突入入賞を補助する突入リプナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。このため、準備モード中には、突入入賞を補助するように演出が行われ、遊技者が突入リプナビ演出に従って遊技を行うことで突入入賞が発生する。
【0117】
演出表示装置14では、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、それぞれに「1」、「2」、「3」の数字を付す態様で突入リプナビ演出が行われる。例えば、突入重複リプレイ群1の場合であれば、3つの画像のうち、真ん中の画像に「1」が、左の画像に「2」が、右の画像に「3」がそれぞれ付されている場合には、[中左右]という押し順で停止操作すべきことを遊技者に把握させる。
【0118】
そして、サブ制御用CPU41aは、準備モード中、突入入賞する場合、次の変動ゲームからART特定モードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、ART特定モードを示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、低確RT遊技から高確RT1遊技に移行する。
【0119】
また、サブ制御用CPU41aは、準備モードからART特定モードへ移行させる場合には、準備モードからART特定モードへ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0120】
次に、ART特定モードに関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中(ART特定モードを示す演出フラグの設定中)、当選役の当選及び入賞に基づいた処理を行う。なお、ART特定モード中は、リプレイ役として、通常リプレイ役(不問)と、突入リプレイ役と、当該突入リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役と、特殊リプレイ役と、当該特殊リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役の当選及び入賞が発生し得る。
【0121】
サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、ベル役の当選が指示される場合、ベルナビ演出を実行するように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、ART特定モード中、ベルこぼしの回避が補助され、ベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、ART特定モード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。
【0122】
また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、ベル役を取りこぼしする場合、通常モードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、通常モードを示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT1遊技から低確RT遊技へ移行する。
【0123】
また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モードの制御を開始する際、ART特定モードの変動ゲームの上限回数(初期回数)を示す値をサブ制御用RAM41cに割り当てられた残G数に記憶する。なお、本実施形態において、初期回数としては、「30」が規定されている。そして、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、変動ゲームを行う毎に、残G数から「1」減算する。
【0124】
また、サブ制御用CPU41aは、残G数が「0(零)」となる場合、次の変動ゲームから高確RT演出へ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、高確RT演出を示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT1遊技が継続する。また、サブ制御用CPU41aは、ARTモードから高確RT演出へ移行させることに合わせて、ARTフラグにARTモードへの移行権利の未発生を示す値を設定する。
【0125】
また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、残G数について表示するように演出表示装置14の表示内容を制御するように演出表示装置14の表示内容を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モードから高確RT演出へ移行させる場合には、ART特定モードから高確RT演出へ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モードから通常モードへ移行させる場合には、ART特定モードから通常モードへ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0126】
また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、突入リプレイ役の当選が指示される場合には、突入リプナビ演出を実行させるか否かを決定するための特定時突入リプナビ抽選を行う。この特定時突入リプナビ抽選は、所定の当選確率(例えば約1/100)となるように、「当選」、「非当選」の何れかに乱数を振り分けて行われる。サブ制御用CPU41aは、この特定時突入リプナビ抽選で当選すると、変動ゲームの開始に伴って、突入入賞を補助する突入リプナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。このため、ART特定モード中には、突入入賞を補助するように演出が行われ、遊技者が突入リプナビ演出に従って遊技を行うことで突入入賞が発生する。
【0127】
そして、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、突入リプレイ役の当選が指示される場合に、突入入賞すると、次の変動ゲームからART特殊モードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、ART特殊モードを示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT1遊技から高確RT2遊技に移行する。
【0128】
一方、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、突入リプレイ役の当選が指示される場合に、突入入賞しないと、ART特殊モードへ移行させず、ART特定モードの滞在を継続させる。
【0129】
また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、特殊リプレイ役の当選が指示される場合には、移行先としての各上乗せモードの何れかを決定するとともに、特殊リプナビ演出を実行させるか否かを決定するための特殊リプナビ抽選を行う。サブ制御用CPU41aは、この特殊リプナビ抽選で当選すると、変動ゲームの開始に伴って、特殊入賞を補助する特殊リプナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。このため、ART特定モード中には、特殊入賞を補助するように演出が行われ、遊技者が特殊リプナビ演出に従って遊技を行うことで特殊入賞が発生する。
【0130】
演出表示装置14では、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、それぞれに「1」、「2」、「3」の数字を付す突入リプナビ演出と同じ態様で、特殊リプナビ演出が行われる。なお、本実施形態においては、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、何れかに「1」の数字を付す態様で、特殊リプナビ演出が行われる場合もある。
【0131】
そして、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、特殊リプレイ役の当選が指示される場合に、特殊入賞すると、次の変動ゲームから、決定された上乗せモードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、決定された上乗せモードを示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT1遊技が継続する。
【0132】
一方、サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、特殊リプレイ役の当選が指示される場合において特殊入賞しないときには、ART特殊モードへ移行させず、ART特定モードの滞在を継続させる。
【0133】
また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モードから上乗せモードへ移行させる場合には、ART特定モードから上乗せモードへ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、ART特定モードからART特殊モードへ移行させる場合には、ART特定モードからART特殊モードへ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0134】
次に、高確RT演出に関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、高確RT演出中(高確RT演出を示す演出フラグの設定中)、当選役の当選及び入賞に基づいた処理を行う。なお、ART特定モード中は、リプレイ役として、通常リプレイ役(不問)と、突入リプレイ役と、当該突入リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役と、特殊リプレイ役と、当該特殊リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役の当選及び入賞が発生し得る。
【0135】
サブ制御用CPU41aは、高確RT演出中、ベル役の当選が指示される場合であっても、ベルナビ演出及び各種リプナビ演出を実行させない。
また、サブ制御用CPU41aは、高確RT演出中、ベル役を取りこぼしする場合、通常モードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、通常モードを示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT1遊技から低確RT遊技へ移行する。
【0136】
また、サブ制御用CPU41aは、高確RT演出から通常モードへ移行させる場合には、高確RT演出から通常モードへ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0137】
次に、上乗せモードに関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中(上乗せモードを示す演出フラグの設定中)、当選役の当選及び入賞に基づいた処理を行う。なお、上乗せモード中は、リプレイ役として、通常リプレイ役(不問)と、突入リプレイ役と、当該突入リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役と、特殊リプレイ役と、当該特殊リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役の当選及び入賞が発生し得る。
【0138】
サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、ベル役の当選が指示される場合、ベルナビ演出を実行するように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、上乗せモード中、ベルこぼしの回避が補助され、ベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、上乗せモード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。
【0139】
また、サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、ベル役を取りこぼしする場合、通常モードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、通常モードを示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT1遊技から低確RT遊技へ移行する。
【0140】
また、サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、変動ゲームを行う毎に、所定の延長条件が成立し、残G数に加算する回数(上乗せする際の上乗せ回数)を決定し、決定した上乗せ回数を残G数に加算する。特に、本実施形態において、サブ制御用CPU41aは、第2上乗せモード中のほうが、第1上乗せモード中よりも高い確率で、大きい上乗せ回数を決定する。本実施形態において、このようにART特定モードの滞在を延長させるサブ制御用CPU41aが延長制御手段として機能する。
【0141】
また、サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、変動ゲームを行う毎に、残G数を減算しない。このため、上乗せモードは、ART特定モードと同じように、ベルナビ演出が実行されるが、ART特定モードとは異なり、ART特定モードに対する上乗せを行うとともに、ART特定モードの滞在の上限回数を減少させないので、ART特定モードよりも有利な状態といえる。
【0142】
また、サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、残G数について表示するように演出表示装置14の表示内容を制御する。また、サブ制御用CPU41aは、上乗せモードから通常モードへ移行させる場合には、ART特定モードから通常モードへ移行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
【0143】
また、サブ制御用CPU41aは、第1上乗せモード中、ベル役又は通常リプレイ役(第1当選役)の当選が指示された場合において、変動ゲームの終了が指示された場合、当選役に基づいて、第1上乗せモードの滞在を継続させるか否かを決定するための第1上乗せ継続抽選を行う。この第1上乗せ継続抽選は、当選役に基づいて所定の当選確率(例えば合算が約1/1.3)となるように、「当選」、「非当選」の何れかに乱数を振り分けて行われる。なお、サブ制御用CPU41aは、第1上乗せ継続抽選で当選した場合、ART特定モードへ移行させず、第1上乗せモードの滞在を継続させる。また、サブ制御用CPU41aは、ベル役、通常リプレイ役以外の当選が指示された場合、第1上乗せ継続抽選自体を行わないが、この場合も、ART特定モードへ移行させず、第1上乗せモードの滞在を継続させる。一方、サブ制御用CPU41aは、第1上乗せ継続抽選で当選しなかった場合、次の変動ゲームからART特定モードへ移行させる。
【0144】
また、サブ制御用CPU41aは、第2上乗せモード中、通常リプレイ役(第2当選役)の当選が指示された場合において、変動ゲームの終了が指示されたときに、第2上乗せモードの滞在を継続させるか否かを決定するための第2上乗せ継続抽選を行う。この第2上乗せ継続抽選は、当選役に基づいて所定の当選確率(例えば約1/5)となるように、「当選」、「非当選」の何れかに乱数を振り分けて行われる。なお、サブ制御用CPU41aは、第2上乗せ継続抽選で当選した場合、ART特定モードへ移行させず、第2上乗せモードの滞在を継続させる。また、サブ制御用CPU41aは、通常リプレイ役以外の当選が指示された場合、第2上乗せ継続抽選自体を行わないが、この場合も、ART特定モードへ移行させず、第2上乗せモードの滞在を継続させる。一方、サブ制御用CPU41aは、第2上乗せ継続抽選で当選しなかった場合、次の変動ゲームからART特定モードへ移行させる。
【0145】
なお、本実施形態において、小役の当選確率を鑑みると、第2上乗せモードの第2上乗せ継続抽選のほうが、第1上乗せモードの第1上乗せ継続抽選よりも高い確率で実行されるものの、更に各上乗せ継続抽選の当選確率を鑑みると、第1上乗せモードのほうが、第2上乗せモードよりも高い確率で、上乗せモードの滞在が継続され易くなっている。しかし、上記の上乗せ回数の決定確率を合わせて鑑みると、第2上乗せモード中のほうが、第1上乗せモード中よりも高い確率で、大きい上乗せ回数が決定されるため、第2上乗せモードは、第1上乗せモードよりも有利に上乗せ制御を行う状態といえる。
【0146】
また、サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、突入リプレイ役の当選が指示される場合に、ART特定モードと同じように、突入リプナビ演出を実行させるか否かを決定するための上乗せ時突入リプナビ抽選を行う。この上乗せ時突入リプナビ抽選は、第1上乗せモード中では、所定の当選確率(例えば平均約1/30)となるように、第2上乗せモード中では、所定の当選確率(例えば平均約1/15)となるように、それぞれ「当選」、「非当選」の何れかに乱数を振り分けて行われる。サブ制御用CPU41aは、この上乗せ時突入リプナビ抽選で当選すると、変動ゲームの開始に伴って、突入入賞を補助する突入リプナビ演出を行わせるように演出表示装置14の表示内容を制御する。このため、ART特定モード中には、突入入賞を補助するように演出が行われ、遊技者が突入リプナビ演出に従って遊技を行うことで突入入賞が発生する。
【0147】
そして、サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、突入リプレイ役の当選が指示される場合に、突入入賞すると、特殊移行条件が成立し、次の変動ゲームからART特殊モードへ移行させる。このときサブ制御用CPU41aは、ART特殊モードを示す演出フラグを設定する。因みに、このときの遊技状態は、高確RT1遊技から高確RT2遊技に移行する。
【0148】
一方、サブ制御用CPU41aは、上乗せモード中、突入リプレイ役の当選が指示される場合に、突入入賞しないと、ART特殊モードへ移行させず、上乗せモードの滞在を継続させる。
【0149】
このように、突入リプレイ役の当選が指示される場合には、ART特定モード中には特定時突入リプナビ抽選が行われ、上乗せモード中には上乗せ時突入リプナビ抽選が行われる。突入リプレイ役の当選が指示される確率は、同じ高確RT1遊技であるART特定モードと各上乗せモードとでは同じ確率となる。また、これら各突入リプナビ抽選の当選確率を比較すると、第2上乗せモード中に行われる上乗せ時突入リプナビ抽選のほうが、第1上乗せモード中に行われる上乗せ時突入リプナビ抽選よりも高い確率で当選するように規定されている。また、第1上乗せモード中に行われる上乗せ時突入リプナビ抽選のほうが、ART特定モード中に行われる特定時突入リプナビ抽選よりも高い確率で当選するように規定されている。つまり、第2上乗せモード中のほうが第1上乗せモード中よりも高い確率で突入リプナビ演出が実行され、突入入賞される可能性が高く、ART特殊モードに移行する可能性が高くなる。また、第1上乗せモード中のほうがART特定モード中よりも高い確率で突入リプナビ演出が実行され、突入入賞される可能性が高く、ART特殊モードに移行する可能性が高くなる。
【0150】
次に、ART特殊モードに関する制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、ART特殊モード中(ART特殊モードを示す演出フラグの設定中)、当選役の当選及び入賞に基づいた処理を行う。なお、ART特殊モード中は、リプレイ役として、通常リプレイ役(不問)と、特殊リプレイ役と、当該特殊リプレイ役と重複当選する通常リプレイ役の当選及び入賞が発生し得る。
【0151】
サブ制御用CPU41aは、ART特殊モード中、ベル役の当選が指示される場合、ベルナビ演出を実行するように演出表示装置14の表示内容を制御する。すなわち、ART特定モード中、ベルこぼしの回避が補助され、ベル入賞が補助されるように演出が行われる。なお、ART特定モード中、ベル役の当選時に遊技者がベルナビ演出にしたがうことでベル入賞が発生する。
【0152】
なお、本実施形態において、このART特殊モードは、ART特定モードとは異なり、高確RT2遊技において制御されており、ベル役の当選確率が高確率抽選状態であるとともに、ベルナビ演出が行われる状態である。このため、ART特殊モードは、ART特定モードよりもベル役が入賞し易く、多くの枚数の賞メダルを払い出す状態といえる。
【0153】
なお、ART特殊モード中、主制御用CPU40aにより当選役に基づいて高確RT2継続抽選に当選しなかった場合、高確RT1遊技を示す状態指示コマンドが入力される。サブ制御用CPU41aは、高確RT1遊技を示す状態指示コマンドの入力を契機として、実行を開始する変動ゲームからART特定モードへ移行させる。
【0154】
このように、サブ制御用CPU41aは、通常モード、準備モード、ART特定モード、高確RT演出、上乗せモード、ART特殊モードについての制御を行う。なお、本実施形態において、このような処理を実行するサブ制御用CPU41aが状態制御手段として機能する。
【0155】
なお、本実施形態において、各種の演出状態が制御されるが、ART特定モードにおいて特殊リプレイ役の当選が指示される場合に、示唆演出が実行される特定期間に移行される。この示唆演出は、ART特定モードから、第1上乗せモードに移行され易いか第2上乗せモードに移行され易いかを示唆する演出である。また、上乗せモード毎にART特殊モードに移行する可能性が異なり、第2上乗せモードのほうが第1上乗せモードよりもART特殊モードに移行する可能性が高くなるように規定されている。つまり、この示唆演出は、ART特定モードから、第1上乗せモードに移行され易いか第2上乗せモードに移行され易いかを示唆することによって、ART特殊モードに移行し易いか移行し難いかを示唆する演出でもある。なお、本実施形態における特定期間としては、ART特定モードで、特殊リプレイ役の当選が指示される1回の変動ゲームが相当する。
【0156】
ここで、図6を参照して、示唆演出の演出態様について説明する。
図6(a)に示すように、変動ゲームの開始が許容されている状態で、スタートレバー22の開始操作により、1回の変動ゲームが開始されると、スタートレバー22の開始操作からウェイトタイムが経過した後に各リール13L,13C,13Rの演出上の変動が開始される。
【0157】
この場合、図6(e)に示すように、特殊リプレイ役が当選すると、演出表示装置14では、ねずみを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出が実行される。この示唆演出では、キャラクタ画像が、ストップボタン23L,23C,23Rに対応するように左右方向に3つ並べて表示される。
【0158】
また、演出表示装置14では、ストップボタンを模した画像を3つ並べて表示させるとともに、それぞれに「?」を付す態様で表示される。つまり、ストップボタンを模した画像自体が表示されているものの、ストップボタンの押し順自体が報知されておらず、特殊リプナビ演出が実行されていないこととなる。
【0159】
そして、図6(b)に示すように、遊技者によってストップボタン23Cが最初に停止操作されると、中リール13Cが停止され、中段にリプレイが停止される。この場合、図6(f)に示すように、演出表示装置14では、ストップボタン23Cに対応するように真ん中のキャラクタ画像と、真ん中のストップボタンを模した画像とが消去される。
【0160】
次に、図6(c)に示すように、遊技者によってストップボタン23Lが停止操作されると、左リール13Lが停止され、中段にリプレイが停止される。この場合、図6(g)に示すように、演出表示装置14では、ストップボタン23Lに対応するように左のキャラクタ画像と、左のストップボタンを模した画像とが消去される。
【0161】
最後に、図6(d)に示すように、遊技者によってストップボタン23Rが停止操作されると、右リール13Rが停止される。そして、この停止操作の押し順が、当選した特殊リプレイ群に対応する押し順と一致した場合には、中段にベルが停止され、入賞ラインL1に特殊入賞され、次に変動ゲームから上乗せモードに移行される。この場合、図6(h)に示すように、演出表示装置14では、ストップボタン23Rに対応するように右のキャラクタ画像と、右のストップボタンを模した画像とが消去される。そして、大きなサイズのキャラクタ画像が表示され、上乗せモードへの移行を示す画像が表示される。一方、停止操作の押し順が、当選した特殊リプレイ群に対応する押し順と一致しなかった場合には、中段にリプレイが停止され、入賞ラインL1に通常停止目が入賞され、上乗せモードに移行されない。
【0162】
図6(e)〜図6(h)に示すように、ねずみを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出が実行されたが、それ以外に、図6(i)〜図6(l)に示すように、ウサギを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出や、図6(m)〜図6(p)に示すように、パンダを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出が実行可能である。
【0163】
パンダを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出が実行される場合のほうが、ウサギを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出が実行される場合よりも第2上乗せモードに移行しやすくなっている。また、ウサギを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出が実行される場合のほうが、ねずみを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出が実行される場合よりも第2上乗せモードに移行しやすくなっている。
【0164】
また、図6(e)〜図6(h)に示すように、特殊リプナビ演出が実行されない場合もあるが、図6(i)〜図6(l)に示すように、最初の停止操作に対する押し順のみを報知する特殊リプナビ演出(第1停止の特殊リプナビ演出)が実行される場合もある。また、図6(m)〜図6(p)に示すように、3つ全ての停止操作に対する押し順を報知する特殊リプナビ演出(全停止の特殊リプナビ演出)が実行される場合もある。
【0165】
なお、特殊リプナビ演出が実行されない場合には、押し順の報知が行われないので、特殊入賞する確率(可能性)は1/6となる。また、第1停止の特殊リプナビ演出では、最初の停止操作に対応する押し順のみが報知され、第2停止操作、第3停止操作の押し順が報知されないので、特殊入賞する確率(可能性)は1/2となる。全停止の特殊リプナビ演出では、3つ全ての停止操作に対応する押し順が報知されるので、特殊入賞する確率(可能性)は1/1となる。このため、全停止の特殊リプナビ演出が実行される場合のほうが、第1停止の特殊リプナビ演出が実行される場合よりも、特殊入賞し易い。また、第1停止の特殊リプナビ演出が実行される場合のほうが、特殊リプナビ演出が実行されない場合よりも、特殊入賞し易い。
【0166】
この特殊リプナビ演出の実行可否、実行される種類を含む特殊リプナビ演出の演出内容としては、示唆演出の演出内容によって異なる確率で決定される。具体的には、パンダを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出のほうが、ウサギを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出よりも、特殊リプナビ演出の演出内容により特殊入賞し易くなっている。また、ウサギを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出のほうが、ねずみを模したキャラクタ画像が表示される示唆演出よりも特殊リプナビ演出の演出内容により特殊入賞し易くなっている。
【0167】
ここで、サブ制御用CPU41aによって実行される示唆演出の制御について説明する。
サブ制御用CPU41aは、ART特定モード中、特定役としての特殊リプレイ役の当選が指示される場合には、特定期間条件が成立し、示唆演出を実行させる特定期間の制御を行う。そして、サブ制御用CPU41aは、図7に示す演出内容決定テーブルを参照して、示唆演出の演出内容を決定し、サブ制御用RAM41cの所定領域に記憶する。
【0168】
また、サブ制御用CPU41aは、図8に示す移行演出状態決定テーブルを参照して、決定された示唆演出の演出内容に基づいて、特殊入賞した場合に移行させる演出状態として第1上乗せモードにするか第2上乗せモードにするかを決定し、サブ制御用RAM41cの所定領域に記憶する。
【0169】
また、サブ制御用CPU41aは、図9に示すナビ演出決定テーブルを参照して、決定された示唆演出の演出内容に基づいて、特殊リプナビ演出を実行させるか否か、特殊リプナビ演出の種類を含む特殊リプナビ演出の演出内容を決定し、サブ制御用RAM41cの所定領域に記憶する。本実施形態において、このような処理を実行するサブ制御用CPU41aが特定期間制御手段として機能する。
【0170】
そして、サブ制御用CPU41aは、変動ゲームの開始に伴って、決定された演出内容で示唆演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。本実施形態において、このような演出表示装置14が示唆演出を実行する演出実行手段として機能し、このような処理を実行するサブ制御用CPU41aが演出制御手段として機能する。
【0171】
また、サブ制御用CPU41aは、変動ゲームの開始に伴って、決定された演出内容で特殊リプナビ演出を実行させるように演出表示装置14の表示内容を制御する。本実施形態において、このような演出表示装置14が遊技者による停止操作についての特定操作条件を報知可能な報知手段として機能し、このような処理を実行するサブ制御用CPU41aが報知制御手段として機能する。
【0172】
ここで、図7を参照して演出内容決定テーブルについて説明する。
図7に示すように、演出内容決定テーブルは、ART特定モードの特定期間に移行する際に、第1上乗せモードへの移行、第2上乗せモードへの移行を示唆する示唆演出の演出内容(種類)を決定するためのテーブルであり、サブ制御用ROM41bに記憶されている。演出内容決定テーブルにおいて、示唆演出の演出内容と、その示唆演出の演出内容を決定するための決定確率とが対応するように規定されている。また、本実施形態において、示唆演出の演出内容としては、ねずみを模したキャラクタ画像が表示される演出内容E1と、ウサギを模したキャラクタ画像が表示される演出内容E2と、パンダを模したキャラクタ画像が表示される演出内容E3とが規定されている。
【0173】
具体的には、示唆演出の演出内容としては、60/100の確率で演出内容E1が、39/100の確率で演出内容E2が、1/100の確率で演出内容E3が、それぞれ決定される。
【0174】
このように、示唆演出の演出内容として、演出内容E1のほうが演出内容E2よりも高い確率で決定され、演出内容E2のほうが演出内容E3よりも高い確率で決定される。
次に、図8を参照して移行演出状態決定テーブルについて説明する。
【0175】
図8に示すように、移行演出状態決定テーブルは、決定された演出内容で示唆演出が実行された後、特殊入賞された場合に、移行先の演出状態を決定するためのテーブルであり、サブ制御用ROM41bに記憶されている。移行演出状態決定テーブルにおいて、示唆演出の演出内容と、移行先の演出状態と、その演出状態を決定するための決定確率とが対応するように規定されている。移行先の演出状態としては、第1上乗せモードと第2上乗せモードとが規定されている。
【0176】
具体的な一例としては、示唆演出の演出内容が演出内容E1である場合、90/100の確率で第1上乗せモードが、10/100の確率で第2上乗せモードが、それぞれ決定される。また、示唆演出の演出内容が演出内容E3である場合、10/100の確率で第1上乗せモードが、90/100の確率で第2上乗せモードが、それぞれ決定される。
【0177】
このように、決定された示唆演出の演出内容に基づいて、移行先となる演出状態が決定される。特に、示唆演出の演出内容が演出内容E3である場合のほうが演出内容E2である場合よりも高い確率で、移行先となる演出状態として第2上乗せモードが決定される。また、示唆演出の演出内容が演出内容E2である場合のほうが演出内容E1である場合よりも高い確率で、移行先となる演出状態として第2上乗せモードが決定される。また、言い換えると、示唆演出の演出内容が演出内容E1である場合のほうが演出内容E2である場合よりも高い確率で、移行先となる演出状態として第1上乗せモードが決定される。また、示唆演出の演出内容が演出内容E2である場合のほうが演出内容E3である場合よりも高い確率で、移行先となる演出状態として第1上乗せモードが決定される。
【0178】
つまり、示唆演出の演出内容として演出内容E3が実行される場合には、演出内容E2が実行される場合よりも、特殊入賞したときに、第2上乗せモードに移行され易く、第1上乗せモードに移行され難くなる。また、示唆演出の演出内容として演出内容E2が実行される場合には、演出内容E1が実行される場合よりも、特殊入賞したときに、第2上乗せモードに移行され易く、第1上乗せモードに移行され難くなる。
【0179】
また、演出内容E1のほうが演出内容E2よりも高い確率で決定され、演出内容E2のほうが演出内容E3よりも高い確率で決定されるため、上乗せが不利であってART特殊モードに移行し難い第1上乗せモードに移行され易く、上乗せが有利であってART特殊モードに移行し易い第2上乗せモードに移行され難くなるように規定されている。
【0180】
最後に、図9を参照してナビ演出決定テーブルについて説明する。
図9に示すように、ナビ演出決定テーブルは、決定された演出内容で示唆演出が実行される場合に、特殊リプナビ演出を実行させるか否か、特殊リプナビ演出の種類を含む特殊リプナビ演出の演出内容を決定するためのテーブルであり、サブ制御用ROM41bに記憶されている。ナビ演出決定テーブルにおいて、示唆演出の演出内容と、特殊リプナビ演出の演出内容と、その演出内容を決定するための決定確率とが対応するように規定されている。特殊リプナビ演出の演出内容としては、特殊リプナビ演出の非実行と、最初の停止操作に対する押し順のみを報知する第1停止の特殊リプナビ演出の実行と、3つ全ての停止操作に対する押し順を報知する全停止の特殊リプナビ演出の実行と、が規定されている。
【0181】
具体的な一例としては、示唆演出の演出内容が演出内容E1である場合、90/100の確率で特殊リプナビ演出の非実行が、9/100の確率で第1停止の特殊リプナビ演出の実行が、1/100の確率で全停止の特殊リプナビ演出の実行が、それぞれ決定される。また、示唆演出の演出内容が演出内容E3である場合、70/100の確率で特殊リプナビ演出の非実行が、20/100の確率で第1停止の特殊リプナビ演出の実行が、10/100の確率で全停止の特殊リプナビ演出の実行が、それぞれ決定される。
【0182】
このように、決定された示唆演出の演出内容に基づいて(示唆演出の演出内容に対応する確率で)、特殊リプナビ演出の演出内容が決定される。特に、示唆演出の演出内容が演出内容E3である場合のほうが演出内容E2である場合よりも、特殊入賞され易くなる。また、示唆演出の演出内容が演出内容E2である場合のほうが演出内容E1である場合よりも、特殊入賞され易くなる。
【0183】
つまり、示唆演出の演出内容として演出内容E3が実行される場合には、演出内容E2が実行される場合よりも、上乗せモードに移行され易く、示唆演出の演出内容として演出内容E2が実行される場合には、演出内容E1が実行される場合よりも、上乗せモードに移行され易くなる。
【0184】
また、演出内容E1のほうが演出内容E2よりも高い確率で決定され、演出内容E2のほうが演出内容E3よりも高い確率で決定されるため、特殊リプナビ演出の非実行のほうが、第1停止の特殊リプナビ演出の実行よりも高い確率で実行され、第1停止の特殊リプナビ演出の実行のほうが、全停止の特殊リプナビ演出の実行よりも高い確率で実行される。
【0185】
なお、本実施形態において、通常モードが通常遊技状態に、ART特定モードが特定状態に、上乗せモードが特別状態に、第1上乗せモードが第1特別状態に、第2上乗せモードが第2特別状態に、ART特殊モードが特殊状態に、それぞれ相当する。
【0186】
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)特定期間が制御されたことを1つの条件として、ART特定モードから、ART特定モードに上乗せし難い第1上乗せモード、又はART特定モードに上乗せし易い第2上乗せモードへ移行可能に制御される。特定期間において実行される示唆演出として、第1上乗せモードへの移行と第2上乗せモードへの移行とを示唆する示唆演出が実行される。このため、ART特定モードの特定期間において示唆演出が実行されることによって、上乗せモードへの移行のみならず、第1上乗せモードへの移行、第2上乗せモードへの移行が個別に予測可能となる。したがって、ART特定モードの上乗せに対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0187】
(2)また、特定期間が制御されたことを条件として、ART特定モードから、ART特殊モードを制御し難い第1上乗せモード、又はART特殊モードを制御し易い第2上乗せモードへ移行可能に制御される。特定期間において実行される示唆演出として、第1上乗せモードへの移行と第2上乗せモードへの移行とを示唆する示唆演出が実行される。このため、第1上乗せモードへの移行、第2上乗せモードへの移行が個別に予測可能となることからART特殊モードを制御し易いか制御し難いかも予測可能となり、ART特殊モードの制御に対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0188】
(3)また、ART特定モードの特定期間において示唆演出が実行されることによって、第1上乗せモードへの移行、第2上乗せモードへの移行を直接的に示唆することによって、ART特殊モードの制御について間接的に示唆することができ、示唆演出の意味合いに多様性を持たせることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0189】
(4)特定期間において停止操作についての特定操作条件を満たすことを前提として、第1上乗せモード又は第2上乗せモードに移行される。このため、遊技者の停止操作に応じて、第1上乗せモード又は第2上乗せモードに移行されることとなり、遊技に積極的に参加する遊技性を提供することによって、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0190】
(5)実行される示唆演出の種類に対応する確率で特定の停止操作が報知される。このため、ART特定モードの特定期間において示唆演出が実行されることによって、上乗せモードへの移行のみならず、特定の停止操作が報知されるか否かが予測可能となり、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0191】
(6)第1上乗せモードと第2上乗せモードとにおいて変動ゲームが行われると、ART特定モードの上乗せを行うが、第2上乗せモードのほうが第1上乗せモードよりもART特定モードの上乗せが有利となる。第1上乗せモードにおいてベル役又は通常リプレイ役が当選したことを条件として、第1上乗せモードからART特定モードに移行され、第2上乗せモードにおいて通常リプレイ役が当選したことを条件として、第2上乗せモードからART特定モードに移行される。このため、ART特定モードの上乗せについては、第2上乗せモードのほうが第1上乗せモードよりもART特定モードの上乗せが有利となり、更には、当選役の当選確率についても、第2上乗せモードのほうが第1上乗せモードよりもART特定モードに移行し難くなっている。したがって、ART特定モードの特定期間において示唆演出が実行されることによって、これらのような第1上乗せモードへの移行、第2上乗せモードへの移行の少なくとも何れかが個別に予測可能となり、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0192】
(7)ART特定モードにおいて特殊リプレイ役(特定役)の当選に基づいて、特定期間条件が成立し、特定期間に制御される。このため、特殊リプレイ役の当選に応じて特定期間に移行されることとなり、当選役に対する関心を持たせることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0193】
(8)また、ART特殊モードのほうがART特定モードよりも多くの遊技価値を付与し易くなる。このため、示唆演出が実行されることによって、遊技者にとってより有利な状態での遊技となるか否かについての示唆を行うこととなり、有利な状態での遊技に対する期待感を高揚させることができ、遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0194】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、示唆演出の演出内容が決定された後に、移行先となる演出状態や特殊リプナビ演出の演出内容が決定されたが、これに限らず、例えば、移行先となる演出状態が決定された後に、示唆演出の演出内容や特殊リプナビ演出の演出内容が決定されてもよい。また、例えば、移行先となる演出状態と特殊リプナビ演出の演出内容とが決定された後に、示唆演出の演出内容が決定されてもよい。なお、図7図9における各種の決定確率についてもこれに限らず、変更してもよい。例えば、演出内容E2が演出内容E1よりも第2上乗せモードに移行し易いが、特殊リプナビ演出が不利となるように規定してもよく、演出内容E2が演出内容E1よりも第1上乗せモードに移行し易いが、特殊リプナビ演出が有利となるように規定してもよい。
【0195】
・上記実施形態において、第1上乗せモードへの移行と第2上乗せモードへの移行とが相互に関連して示唆するように示唆演出が実行されたが、これに限らず、例えば、第1上乗せモードへの移行の示唆と、第2上乗せモードへの移行の示唆とが独立していてもよい。また、この場合、例えば、第1上乗せモードへの移行の示唆と、第2上乗せモードへの移行の示唆との両方が実行されなくても、少なくも何れかが実行されていればよい。
【0196】
・上記実施形態において、第1上乗せモードにおいてベル役又は通常リプレイ役が当選したときに第1上乗せ継続抽選を行い、その抽選結果に基づいてART特定モードに移行させ、第2上乗せモードにおいて通常リプレイ役が当選したときに第2上乗せ継続抽選を行い、その抽選結果に基づいてART特定モードに移行させたが、これに限らない。例えば、各上乗せモードにおいて、スイカ役やチェリー役等の別の小役が当選した場合に、各上乗せ継続抽選を行ってもよく、これらの組み合わせであってもよく、小役の当選に拘わらず、各上乗せ継続抽選を行ってもよい。
【0197】
・上記実施形態において、第1上乗せ継続抽選が当選しない確率のほうが、第2上乗せ継続抽選が当選しない確率よりも高く規定されたが、これに限らず、例えば、第2上乗せ継続抽選が当選しない確率のほうが、第1上乗せ継続抽選が当選しない確率よりも高く規定されてもよく、同じ確率であってもよい。また、第2上乗せ継続抽選が実行される確率のほうが、第1上乗せ継続抽選が実行される確率よりも高く規定されたが、これに限らず、例えば、第1上乗せ継続抽選が実行される確率のほうが、第2上乗せ継続抽選が実行される確率よりも高く規定されてもよく、同じ確率であってもよい。また、第1上乗せモードのほうが第2上乗せモードよりも滞在が長くなるように規定されたが、これに限らず、例えば、第2上乗せモードのほうが第1上乗せモードよりも滞在が長くなるように規定されてもよい。つまり、第2上乗せモードのほうが第1上乗せモードよりもART特定モードに対して有利に上乗せを行うように制御されれば好ましい。
【0198】
・上記実施形態において、各上乗せモードにおいて変動ゲームが行われる毎にART特定モードに対する上乗せが必ず行われたが、これに限らず、例えば、上乗せを行わない変動ゲームがあってもよく、例えば、複数回の変動ゲーム毎に上乗せが必ず行われてもよい。また、例えば、変動ゲームが行われる毎に、多くの上乗せ回数が決定されてもよい。また、例えば、変動ゲームが行われる毎に上乗せを行うか否かを決定するための抽選が行われてもよい。また、各上乗せモードにおいて、スイカ役やチェリー役の当選が指示されたことを契機として、所定の確率でART特定モードに対する上乗せが行われてもよく、これらの組み合わせであってもよい。つまり、各上乗せモードにおいて、ART特定モードに対する上乗せが可能であればよく、上乗せが可能でなくてもよい。
【0199】
・上記実施形態において、各上乗せモードにおいてART特定モードに対する上乗せが行われたが、これに限らず、例えば、ART特定モードやART特殊モード、準備モードにおいてART特定モードに対する上乗せが行われてもよい。また、例えば、各種モードにおいて各上乗せモードやART特殊モードに対する上乗せが行われてもよい。
【0200】
・上記実施形態において、ART特定モードにおいて特殊リプレイ役の当選が指示された場合に、示唆演出が実行される特定期間に制御され、特定期間において特殊入賞されると、ART特定モードから各上乗せモードへ移行されたが、これに限らない。例えば、ART特定モードにおいて特殊リプレイ役の当選が指示された場合に特定期間に制御されない場合があってもよい。また、例えば、特定期間に制御され、特殊入賞した場合であっても、ART特定モードから各上乗せモードへ移行させない場合があってもよい。また、例えば、特定期間に制御されなくても、ART特定モードから各上乗せモードへ移行可能に制御してもよい。また、例えば、遊技者による停止操作が特定操作条件を満たした場合に、特殊入賞させたが、遊技者による停止操作が特定操作条件を満たしたか否かに拘わらず、特殊入賞させてもよい。また、例えば、遊技者による停止操作が特定操作条件を満たさずに、特殊入賞しなくても、当選役に基づいてART特定モードから各上乗せモードへ移行させてもよい。また、例えば、ART特定モードにおいて特殊リプレイ役以外の小役の当選が指示されたことを条件に上記制御を行ってもよく、例えば、当選役に拘わらず、所定の抽選で当選したことを条件に上記制御を行ってもよい。
【0201】
・上記実施形態において、低確RT遊技、高確RT1遊技、高確RT2遊技の3種類の遊技状態の制御が行われたが、これに限らず、例えば、2種類以下の遊技状態の制御が行われてもよく、4種類以上の遊技状態の制御が行われてもよい。具体的な一例としては、低確RT遊技、高確RT遊技の2種類の遊技状態の制御が行われる場合、上記実施形態における高確RT1遊技と高確RT2遊技とが同じ高確RT遊技として制御される。この場合、ART特定モードとART特殊モードとにおいてベル役の当選確率が同じ確率となるが、例えば、ベルナビ演出の実行確率を異ならせることによって、ART特殊モードのほうがART特定モードよりも有利に賞メダルが払出されるように制御してもよい。また、例えば、ART特殊モードにおいてART特定モードに対する上乗せが行われ、ART特殊モードのほうがART特定モードよりも有利に上乗せが行われるように制御してもよい。また、例えば、ART特殊モードにおいて、ART特定モードの終了後に、再度ART特定モードに移行させる再移行権利が発生可能に制御してもよく、ART特殊モードのほうがART特定モードよりも有利にART特定モードの滞在の延長が行われるように制御してもよい。また、例えば、ART特殊モードにおいて特定期間を制御可能とし、上乗せモードへの移行を実現してもよく、ART特殊モードのほうがART特定モードよりも、特殊リプレイ役の当選が指示された場合に特定期間に移行され易く、特殊リプナビ演出が実行され易くなるように制御してもよい。つまり、ART特殊モードのほうがART特定モードよりも、上乗せモードに移行し易くなるように制御してもよい。
【0202】
・上記実施形態において、1回の変動ゲームを特定期間としたが、これに限らず、例えば、連続する複数回の変動ゲームを特定期間としてもよい。具体的な一例としては、特殊リプレイ役の当選が指示された場合に、予め定められた回数の変動ゲームを特定期間として、示唆演出を実行させてもよい。また、例えば、当選役に拘わらず、所定の抽選が当選した場合に、予め定められた回数の変動ゲームを特定期間として、示唆演出を実行させてもよい。このように、連続する複数回の変動ゲームで特定期間が制御される場合、特定期間の開始の際に決定した示唆演出の演出内容、移行先となる演出状態、特殊リプナビ演出の演出内容が、次回以降の変動ゲームでも継続されるように制御してもよい。また、例えば、所定の変動ゲームで特定期間の開始の際に決定した示唆演出の演出内容、移行先となる演出状態、特殊リプナビ演出の演出内容が変更されてもよい。
【0203】
・上記実施形態において、停止操作の押し順を報知することによって、特定操作条件を報知したが、これに限らず、例えば、チェリー役の当選が指示された場合など、停止操作の操作タイミングを報知することによって、特定操作条件を報知してもよく、報知しなくてもよい。
【0204】
・上記実施形態において、各種演出、各種報知が演出表示装置14によって行われたが、これに限らず、例えば、スピーカSpや装飾ランプLaなどの手段を用いてもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0205】
・上記実施形態において、高確RT1遊技において突入入賞されると、高確RT2遊技へ移行され、ART特殊モードに移行されたが、これに限らない。例えば、チェリー役の当選が指示されることにより、チェリー停止目が停止されると、所定の確率で、高確RT2遊技へ移行され、ART特殊モードに移行されてもよい。この場合、例えば、各上乗せモードでチェリー停止目が停止される操作タイミングが報知される確率を異ならせて、各上乗せモードでART特殊モードへの移行度合いを異ならせてもよい。例えば、各上乗せモードが異なる遊技状態として制御され、それら各上乗せモードでチェリー役やスイカ役の当選確率が異なるように規定されると、チェリー役やスイカ役の当選が指示されることにより、各上乗せモードからART特殊モードへの移行度合いを異ならせることが可能である。つまり、入賞役に拘わらず、当選役に基づいて、各上乗せモードからART特殊モードに移行されてもよい。
【0206】
・上記実施形態において、各種のARTモードが採用されたが、これに限らず、例えば、高い確率でベル役等の小役が当選するボーナス等が採用されてもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0207】
・上記実施形態において、主制御基板40とサブ制御基板41との何れかに各種の機能を備えたが、これに限らず、例えば、主制御基板40における機能をサブ制御基板41に備えてもよく、サブ制御基板41における機能を主制御基板40に備えてもよい。具体的な一例としては、サブ制御基板41で演出状態が管理されたが、主制御基板40で演出状態が管理されてもよい。また、サブ制御基板41で残G数が管理されたが、主制御基板40で管理されてもよい。また、サブ制御基板41で各種ナビ演出が決定されたが、主制御基板40で各種ナビ演出が決定されてもよい。
【0208】
・上記実施形態において、サブ制御基板41を備えない構成としてもよい。この場合、主制御基板40が、演出表示装置14やスピーカSp、装飾ランプLaなどの手段を制御することになる。
【0209】
・上記実施形態は、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いるパチンコ式スロット機(パチスロ機)に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0210】
(イ)前記開始操作に基づいて複数の当選役の中から当選役を抽選する当選役抽選手段を備え、前記延長制御手段は、前記第1特別状態と前記第2特別状態との両方において、所定回の遊技が行われると前記特定状態の延長を行い、前記第2特別状態のほうが前記第1特別状態よりも前記特定状態の延長が有利となり、前記状態制御手段は、前記第1特別状態において前記当選役抽選手段により第1当選役が当選したことを条件として、前記第1特別状態から前記特定状態に移行させる制御を行い、前記第2特別状態において前記当選役抽選手段により前記第1当選役の当選よりも当選確率が低い第2当選役が当選したことを条件として、前記第2特別状態から前記特定状態に移行させる制御を行うことを特徴とする。
【0211】
(ロ)前記開始操作に基づいて複数の当選役の中から当選役を抽選する当選役抽選手段を備え、前記特定期間制御手段は、前記当選役抽選手段により特定役の当選を条件として、前記特定期間条件が成立し、前記特定期間に制御することを特徴とする。
【符号の説明】
【0212】
L1…入賞ライン、L2〜L5…非入賞ライン、10…パチンコ式スロットマシン、13…ドラムユニット(図柄表示手段)、13L…左リール、13C…中リール、13R…右リール、14…演出表示装置(演出実行手段、報知手段)、22…スタートレバー(遊技開始操作手段)、23L、23C、23R…ストップボタン(導出操作受付手段)、40…主制御基板、40a…主制御用CPU(当選役抽選手段、導出制御手段、入賞判定手段、遊技価値付与手段)、40b…主制御用ROM、40c…主制御用RAM、41…サブ制御基板、41a…サブ制御用CPU(状態制御手段、延長制御手段、特定期間制御手段、演出制御手段、報知制御手段)、41b…サブ制御用ROM、41c…サブ制御用RAM。
図1
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図8
図9