特許第6297832号(P6297832)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297832
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】トンネル掘削機およびトンネル掘削工法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/10 20060101AFI20180312BHJP
   E21D 9/12 20060101ALI20180312BHJP
   E21F 13/06 20060101ALI20180312BHJP
   E21F 13/08 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   E21D9/10 G
   E21D9/12 B
   E21F13/06
   E21F13/08
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-264885(P2013-264885)
(22)【出願日】2013年12月24日
(65)【公開番号】特開2015-121034(P2015-121034A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】516308364
【氏名又は名称】JIMテクノロジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000228811
【氏名又は名称】日本シビックコンサルタント株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000235543
【氏名又は名称】飛島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】230112449
【弁護士】
【氏名又は名称】光石 春平
(74)【代理人】
【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100182224
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲三
(72)【発明者】
【氏名】杉山 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】保苅 実
(72)【発明者】
【氏名】近藤 紀夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 由梨
(72)【発明者】
【氏名】松原 利之
(72)【発明者】
【氏名】兼松 亮
【審査官】 袴田 知弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−020680(JP,A)
【文献】 特開2013−199822(JP,A)
【文献】 特開2012−036609(JP,A)
【文献】 特開平11−173079(JP,A)
【文献】 特開2001−254595(JP,A)
【文献】 国際公開第94/017282(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/10
E21D 9/12
E21F 13/06
E21F 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転させたカッタヘッドによって地山を掘削しながら、その掘削に伴って発生したずりを、掘削機本体内に取り込んで、当該掘削機本体の後方に搬送することにより、トンネルを掘進するようにしたトンネル掘削機であって、
前記カッタヘッドに開口され、前記掘削機本体内と地山の切羽側とを連通させる開口部と、
前記開口部を開閉するように、前記カッタヘッドに支持される中心部カッタヘッドと、
前記カッタヘッドに形成されるずり取込口から取り込んだずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する第1ベルトコンベヤと、
前記第1ベルトコンベヤの後端部を、下方に向けて押し下げる押し下げ手段と、
前記第1ベルトコンベヤをトンネル軸方向に移動させる第1移動手段と、
前端部が、前記第1ベルトコンベヤの後端部の下方に位置して、当該第1ベルトコンベヤの後端部と上下方向において重なり合うように配置される一方、後端部が、前記前端部よりも上方に配置され、前記第1ベルトコンベヤから受け渡されたずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する傾斜ベルトコンベヤと、
前記傾斜ベルトコンベヤの後端部を上下方向に回転可能に支持し、前記傾斜ベルトコンベヤから受け渡されたずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する水平ベルトコンベヤと、
前記水平ベルトコンベヤに設けられ、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部を、当該傾斜ベルトコンベヤの後端部を回転中心として、上方に向けて跳ね上げる跳ね上げ手段と、
前記傾斜ベルトコンベヤ及び前記水平ベルトコンベヤをトンネル軸方向に移動させる第2移動手段とを備え、
前記第1ベルトコンベヤは、
前端部が前記開口部の近傍に位置して、前記ずり取込口から取り込んだずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する水平部と、
前端部が、前記水平部の後端部に上下方向に回転可能に支持され、前記水平部から受け渡されたずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する傾斜部と、
を備えたものであり、
前記押し下げ手段は、前記傾斜部の後端部を、前記傾斜部の前端部を回転中心として、下方に向けて押し下げることによって、前記傾斜部が跳ね上げられた傾斜ベルトコンベヤの下側に潜り込むことができるようにするものであり、
前記第1移動手段は、前記水平部の下部に配置されるものである
ことを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項2】
請求項1に記載のトンネル掘削機において、
前記跳ね上げ手段は、
前記傾斜ベルトコンベヤ及び前記水平ベルトコンベヤが前記第2移動手段によってトンネル軸方向後方に向けて移動した後に、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部を跳ね上げ、
前記第1移動手段は、
前記傾斜ベルトコンベヤが前記跳ね上げ手段によって跳ね上げられた後に、前記第1ベルトコンベヤをトンネル軸方向後方に向けて移動させる
ことを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項3】
請求項1または2に記載のトンネル掘削機において、
前記傾斜ベルトコンベヤの後端部に形成される長孔と、
前記水平ベルトコンベヤの前端部に設けられ、前記長孔を回転可能に支持する支持軸とを備え、
前記傾斜ベルトコンベヤの後端部を、前記支持軸及び前記長孔を介して、前記水平ベルトコンベヤの前端部に回転可能に支持することにより、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部をトンネル幅方向に揺動可能とする
ことを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のトンネル掘削機において、
前記押し下げ手段は、
前記傾斜ベルトコンベヤ及び前記水平ベルトコンベヤが前記第2移動手段によってトンネル軸方向後方に向けて移動した後に、前記第1ベルトコンベヤの後端部を押し下げる
ことを特徴とするトンネル掘削機。
【請求項5】
回転させたカッタヘッドによって地山を掘削しながら、その掘削に伴って発生したずりを、掘削機本体内に取り込んで、当該掘削機本体の後方に搬送することにより、トンネルを掘進するようにしたトンネル掘削工法であって、
前記カッタヘッドに形成されるずり取込口から取り込んだずりをトンネル軸方向後方に向けて搬送する第1ベルトコンベヤを、水平部と傾斜部とで構成し、
前記第1ベルトコンベヤから受け渡されたずりをトンネル軸方向後方に向けて搬送する第2ベルトコンベヤを、傾斜ベルトコンベヤと水平ベルトコンベヤとで構成し、
前記カッタヘッドの後方に作業スペースを確保する際に、
前記第2ベルトコンベヤをトンネル軸方向後方に向けて移動した後に、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部を跳ね上げて当該傾斜ベルトコンベヤを前記水平ベルトコンベヤと同じ高さで水平状態とし、
さらに、前記傾斜部の後端部を押し下げて当該傾斜部を前記水平部と同じ高さで水平状態とした後に、前記第1ベルトコンベヤをトンネル軸方向後方に向けて移動することによって、前記傾斜部を傾斜ベルトコンベヤの下側に潜り込ませる
ことを特徴とするトンネル掘削工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削により発生したずりを複数段のベルトコンベヤによって搬送するトンネル掘削機およびトンネル掘削工法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、トンネル掘削機においては、カッタヘッドを回転させると共に、既設の覆工体やトンネル坑壁から推進反力を得て、掘削機本体を前進させることにより、前方の地山(切羽)を、カッタヘッドに装着されたカッタによって掘削することができる。このとき、地山の掘削に伴って発生したずりは、カッタヘッドを介して掘削機本体内に取り込まれた後、そのカッタヘッドの後方に設けられた複数段のコンベヤによって、所定の場所に搬送される。
【0003】
また、上述したトンネル掘削機の中には、所謂、トンネルボーリングマシンを代表とした、硬質地盤掘削用のトンネル掘削機も提供されている。そして、このような、掘削対象地山を岩盤等の硬質地盤としたトンネル掘削機としては、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−4776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、硬質地盤掘削用のトンネル掘削機によって、トンネルを掘進していると、当該トンネル掘削機が、粘土層を含む断層破砕帯等の軟弱地盤に遭遇する場合がある。このように、トンネル掘削機が軟弱地盤に遭遇すると、当該トンネル掘削機が切羽の崩落や地山の変位によって拘束されることになる。この結果、その推進反力に抗する摩擦力が増大したり、掘削機本体におけるスライド部分に崩落土砂が噛み込んだりして、トンネル掘削機が掘進不能となるおそれがある。
【0006】
そこで、従来から、硬質地盤掘削用のトンネル掘削機が軟弱地盤に遭遇した際には、掘進を一旦停止させて、薬液を切羽前方に注入して、地山改良を行った後、人力や小型機械を利用して、トンネル掘削機に先行する先行トンネルを、軟弱地盤が終わるまで掘削するようにしていた。このとき、カッタヘッドには分割構造が採用されており、その分割されたカッタヘッド片を取り外すことにより、カッタヘッドに開口部を形成し、機材や小型機械の出し入れをその開口部を介して行うようにしている。
【0007】
しかしながら、上述したように、カッタヘッドの後方には、複数段のコンベヤが設置されているため、機材や小型機械の出し入れを行うための作業スペースを十分に確保することができない。
【0008】
このような問題を解決するため、複数段のコンベヤを取り外すことも考えられるが、これらのコンベヤを取り外すためには、コンベヤ自体を分解してばらす必要がある。よって、段取り時間を要するだけでなく、コンベヤの復元等の観点からも、そのような対処については、得策ではないと考えられる。
【0009】
従って、本発明は上記課題を解決するものであって、軟弱地盤に遭遇した際に、人力や小型機械による先行トンネルの掘削作業を容易に行うことができるトンネル掘削機およびトンネル掘削工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する第1の発明に係るトンネル掘削機は、
回転させたカッタヘッドによって地山を掘削しながら、その掘削に伴って発生したずりを、掘削機本体内に取り込んで、当該掘削機本体の後方に搬送することにより、トンネルを掘進するようにしたトンネル掘削機であって、
前記カッタヘッドに開口され、前記掘削機本体内と地山の切羽側とを連通させる開口部と、
前記開口部を開閉するように、前記カッタヘッドに支持される中心部カッタヘッドと、
前記カッタヘッドに形成されるずり取込口から取り込んだずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する第1ベルトコンベヤと、
前記第1ベルトコンベヤの後端部を、下方に向けて押し下げる押し下げ手段と、
前記第1ベルトコンベヤをトンネル軸方向に移動させる第1移動手段と、
前端部が、前記第1ベルトコンベヤの後端部の下方に位置して、当該第1ベルトコンベヤの後端部と上下方向において重なり合うように配置される一方、後端部が、前記前端部よりも上方に配置され、前記第1ベルトコンベヤから受け渡されたずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する傾斜ベルトコンベヤと、
前記傾斜ベルトコンベヤの後端部を上下方向に回転可能に支持し、前記傾斜ベルトコンベヤから受け渡されたずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する水平ベルトコンベヤと、
前記水平ベルトコンベヤに設けられ、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部を、当該傾斜ベルトコンベヤの後端部を回転中心として、上方に向けて跳ね上げる跳ね上げ手段と、
前記傾斜ベルトコンベヤ及び前記水平ベルトコンベヤをトンネル軸方向に移動させる第2移動手段とを備え、
前記第1ベルトコンベヤは、
前端部が前記開口部の近傍に位置して、前記ずり取込口から取り込んだずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する水平部と、
前端部が、前記水平部の後端部に上下方向に回転可能に支持され、前記水平部から受け渡されたずりを、トンネル軸方向後方に向けて搬送する傾斜部と、
を備えたものであり、
前記押し下げ手段は、前記傾斜部の後端部を、前記傾斜部の前端部を回転中心として、下方に向けて押し下げることによって、前記傾斜部が跳ね上げられた傾斜ベルトコンベヤの下側に潜り込むことができるようにするものであり、
前記第1移動手段は、前記水平部の下部に配置されるものである
ことを特徴とする。
【0011】
上記課題を解決する第2の発明に係るトンネル掘削機は、
前記跳ね上げ手段は、
前記傾斜ベルトコンベヤ及び前記水平ベルトコンベヤが前記第2移動手段によってトンネル軸方向後方に向けて移動した後に、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部を跳ね上げ、
前記第1移動手段は、
前記傾斜ベルトコンベヤが前記跳ね上げ手段によって跳ね上げられた後に、前記第1ベルトコンベヤをトンネル軸方向後方に向けて移動させる
ことを特徴とする。
【0012】
上記課題を解決する第3の発明に係るトンネル掘削機は、
前記傾斜ベルトコンベヤの後端部に形成される長孔と、
前記水平ベルトコンベヤの前端部に設けられ、前記長孔を回転可能に支持する支持軸とを備え、
前記傾斜ベルトコンベヤの後端部を、前記支持軸及び前記長孔を介して、前記水平ベルトコンベヤの前端部に回転可能に支持することにより、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部をトンネル幅方向に揺動可能とする
ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決する第4の発明に係るトンネル掘削機は、
前記押し下げ手段は、
前記傾斜ベルトコンベヤ及び前記水平ベルトコンベヤが前記第2移動手段によってトンネル軸方向後方に向けて移動した後に、前記第1ベルトコンベヤの後端部を押し下げる
ことを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係るトンネル掘削工法は、
回転させたカッタヘッドによって地山を掘削しながら、その掘削に伴って発生したずりを、掘削機本体内に取り込んで、当該掘削機本体の後方に搬送することにより、トンネルを掘進するようにしたトンネル掘削工法であって、
前記カッタヘッドに形成されるずり取込口から取り込んだずりをトンネル軸方向後方に向けて搬送する第1ベルトコンベヤを、水平部と傾斜部とで構成し、
前記第1ベルトコンベヤから受け渡されたずりをトンネル軸方向後方に向けて搬送する第2ベルトコンベヤを、傾斜ベルトコンベヤと水平ベルトコンベヤとで構成し、
前記カッタヘッドの後方に作業スペースを確保する際に、
前記第2ベルトコンベヤをトンネル軸方向後方に向けて移動した後に、前記傾斜ベルトコンベヤの前端部を跳ね上げて当該傾斜ベルトコンベヤを前記水平ベルトコンベヤと同じ高さで水平状態とし、
さらに、前記傾斜部の後端部を押し下げて当該傾斜部を前記水平部と同じ高さで水平状態とした後に、前記第1ベルトコンベヤをトンネル軸方向後方に向けて移動することによって、前記傾斜部を傾斜ベルトコンベヤの下側に潜り込ませる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
従って、本発明に係るトンネル掘削機およびトンネル掘削工法によれば、ずり搬送用に設けた複数段のベルトコンベヤを、トンネル軸方向後方に向けて効率良く退避させることができるので、カッタヘッドの後方において、機材や小型機械の出し入れを行うための作業スペースを、十分に確保することができる。これにより、軟弱地盤に遭遇した際における、人力や小型機械による先行トンネルの掘削作業を、その作業スペースを使用して、容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例に係るトンネル掘削機の断面図である。
図2】本発明の一実施例に係るトンネル掘削機の正面図である。
図3】カッタヘッドの中心部カッタヘッドが全開したときの様子を示した図である。
図4】第2ベルトコンベヤにおけるヒンジ構造を示した図であって、(a)はそのヒンジ構造の平面図、(b)はそのヒンジ構造の側面図である。
図5】第1ベルトコンベヤ及び第2ベルトコンベヤの後退動作を順に示した図であって、(a)はずりを搬送するときの様子を示した図、(b)は第2ベルトコンベヤを後退させたときの様子を示した図、(c)は傾斜ベルトコンベヤを跳ね上げたときの様子を示した図、(d)は第1ベルトコンベヤを後退させたときの様子を示した図である。
図6】第1ベルトコンベヤ及び第2ベルトコンベヤの他の後退動作を順に示した図であって、(a)は第2ベルトコンベヤを後退させたときの様子を示した図、(b)は傾斜部を押し下げると共に傾斜ベルトコンベヤを跳ね上げたときの様子を示した図、(c)は第1ベルトコンベヤを後退させたときの様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るトンネル掘削について、図面を用いて詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
図1及び図2に示すように、トンネル掘削機1は、例えば、硬質地盤掘削用のトンネルボーリングマシンであって、円筒状の掘削機本体(スキンプレート)10と、円盤状のカッタヘッド20とを備えている。
【0019】
カッタヘッド20の中央部には、枠状の支持部材21が設けられており、この支持部材21の内側には、矩形の開口部21aが形成されている。この開口部21aは、掘削機本体10と地山の切羽側とを連通するものとなっている。そして、開口部21aには、中心部カッタヘッド22が開閉可能に支持されている。この枠状の中心部カッタヘッド22は、その下辺部が支持部材21の下辺部にヒンジを介して支持されており、掘削機本体10の後方(トンネル軸方向後方)に向けて開くようになっている。
【0020】
また、カッタヘッド20の前面には、長尺となる1本のカッタスポーク23と、短尺となる2本のカッタスポーク24とが、そのカッタヘッド20の径方向に延設されている。これらカッタスポーク23,24は、支持部材21を跨ぐように配置されると共に、中心部カッタヘッド22内において互いに直交するように接続されている。つまり、カッタスポーク23は、カッタヘッド20の中心を通るように配置されており、カッタスポーク24は、その径方向内側端部がカッタスポーク23の中央部を左右両側から挟み込むように配置されている。
【0021】
更に、カッタヘッド20の前面には、4枚の面板25が設けられている。これら面板25は、支持部材21及びカッタスポーク23,24に囲まれた位置において、扇状をなして配置されている。
【0022】
ここで、中心部カッタヘッド22には、ずり取込口22aが、その中心部カッタヘッド22の外枠とカッタスポーク23,24とに囲まれた4つの角部において、開口している。また、カッタスポーク23には、ずり取込口23aが開口している。更に、カッタヘッド20の前面には、ずり取込口26が、支持部材21、カッタスポーク23,24、及び、面板25に囲まれた位置において、開口している。
【0023】
そして、カッタスポーク23,24及び面板25には、複数のディスクカッタ27が回転可能に支持されている。これらディスクカッタ27は、カッタスポーク23,24及び面板25の前面から突出した状態で、支持されている。一方、カッタスポーク23,24の長手方向左右両縁部には、複数のカッタビット28が、その長手方向に沿うように、且つ、ずり取込口22a,26を臨むように装着されている。
【0024】
また、掘削機本体10の前端部における内周面には、カッタ旋回用モータ11及び軸受13が設けられており、このうち、カッタ旋回用モータ11の出力軸には、駆動ギヤ12が装着されている。一方、カッタヘッド20の後部には、リング状の摺動部31が形成されており、この摺動部31の後端面には、内歯を有するリングギヤ32が設けられている。即ち、摺動部31は、軸受13を介して、掘削機本体10の内周面に回転可能に支持されており、リングギヤ32は、カッタ旋回用モータ11の駆動ギヤ12と噛み合っている。
【0025】
従って、カッタ旋回用モータ11を駆動させることにより、駆動ギヤ12及びリングギヤ32を介して、カッタヘッド20をその中心軸周りに回転させることができる。これにより、カッタヘッド20に装着されたディスクカッタ27及びカッタビット28が、カッタヘッド20の中心軸周りに旋回することになり、当該ディスクカッタ27及びカッタビット28によって、地山の切羽を掘削することができる。このとき、地山の掘削に伴って発生したずりは、ずり取込口22a,23a,26を介して、カッタヘッド20の後方に(掘削機本体10の前端部内に)取り込まれる。
【0026】
また、掘削機本体10の後端部内には、覆工部材としてのセグメントSを組み立てるためのエレクタ装置(図示省略)が設けられている。セグメントSは、掘削したトンネルの内壁面形状に沿うような環片となっている。従って、エレクタ装置を駆動させることにより、複数のセグメントSをトンネル周方向に沿ってリング状に組み付けて、その真円保持を行うことができる。これにより、トンネル構造体を構築することができる。
【0027】
更に、掘削機本体10に設けられたエレクタ装置の後方には、推進装置(図示省略)が設けられている。この推進装置においては、グリッパによって、組み立てられたセグメントS(トンネル構造体)から推進反力を取り、スラストジャッキによって、回転駆動するカッタヘッド20を前進させることが基本構成となっており、それぞれが独立駆動する2組のグリッパ及びスラストジャッキを備えたダブルグリッパ方式を採用している。
【0028】
つまり、トンネル掘削機1においては、一方の組のグリッパをセグメントSの内周面に押し付けて、そのセグメントSとの摩擦力を推進反力として掘進し、一方の組のスラストジャッキのストローク分掘進した後、他方の組のグリッパをセグメントSの内周面に押し付けて、一方の組のグリッパを縮めてから、一方の組のスラストジャッキを縮めるようにしている。
【0029】
このように、一方の組のグリッパ及びスラストジャッキの伸長によって掘進を行っている間に、他方の組のグリッパ及びスラストジャッキの短縮によって次の掘進準備を行い、これら掘進及び掘進準備を交互に繰り返すことにより、トンネル掘削機1全体が絶え間なく掘進することができる。
【0030】
そして、掘削機本体10の前端部内に取り込まれたずりは、第1ベルトコンベヤ41及び第2ベルトコンベヤ51によって、ずり台車60に搬送されるようになっている(図5(a)参照)。
【0031】
ここで、図1図4,及び、図5(a)に示すように、第1ベルトコンベヤ41及び第2ベルトコンベヤ51は、掘削機本体10の内部から既設のセグメントS(トンネル構造体)の内部に亘って順に配置されている。
【0032】
第1ベルトコンベヤ41は、前方側の水平部41aと、後方側の傾斜部41bとから構成されている。
【0033】
水平部41aは、トンネル軸方向に水平となるように延在しており、掘削機本体10の内部とトンネル構造体とに跨って配置されている。そして、水平部41aの前端部は、カッタヘッド20の中心部カッタヘッド22が後方に向けて全開したときにその中心部カッタヘッド22と接触する程度に、カッタヘッド20の後部に接近して配置されている。
【0034】
また、水平部41aの前端部には、ホッパ42が設けられており、このホッパ42は、カッタヘッド20のずり取込口22a,23a,26を介して取り込まれたずりを捕集するものとなっている。更に、水平部41aの下部には、第1移動台車(第1移動手段)43が設けられており、この第1移動台車43は、トンネル軸方向に移動可能となっている。即ち、第1移動台車43を移動させることにより、第1ベルトコンベヤ41をトンネル軸方向に移動させることができる。
【0035】
一方、傾斜部41bは、その前端部から後端部に向かうに従って、上方に漸次傾斜しており、トンネル構造体の内部に配置されている。つまり、傾斜部41bの前端部は、水平部41aと同じ高さに位置しており、傾斜部41bの後端部は、水平部41aよりも上方に位置している。そして、その傾斜部41bの後端部は、吊り具44によって、セグメントSの内周面に支持されている。なお、吊り具44は、セグメントS及び傾斜部41bに対して、取り外し可能となっている。
【0036】
これに対して、第2ベルトコンベヤ51は、前方側の傾斜ベルトコンベヤ52と、後方側の水平ベルトコンベヤ53とから構成されており、それら双方がトンネル構造体の内部に配置されている。
【0037】
傾斜ベルトコンベヤ52は、その前端部から後端部に向かうに従って、上方に漸次傾斜するように配置されている。傾斜ベルトコンベヤ52の前端部は、傾斜部41bの後端部よりも下方に位置しており、その傾斜部41bの後端部とは上下方向において重なり合うように配置されている。更に、傾斜ベルトコンベヤ52の後端部は、傾斜部41bの後端部よりも上方に位置しており、水平ベルトコンベヤ53の前端部に上下方向に回転可能に支持されている。
【0038】
一方、水平ベルトコンベヤ53は、トンネル軸方向に水平となるように延在している。また、水平ベルトコンベヤ53の下部には、第2移動台車(第2移動手段)56が設けられており、この第2移動台車56は、トンネル軸方向に移動可能となっている。即ち、第2移動台車56を移動させることにより、第2ベルトコンベヤ51をトンネル軸方向に移動させることができる。
【0039】
ここで、第2ベルトコンベヤ51においては、傾斜ベルトコンベヤ52の後端部と水平ベルトコンベヤ53の前端部との連結に、ヒンジ構造を採用している。
【0040】
具体的に、図4(a),(b)に示すように、水平ベルトコンベヤ53の前端部における左右両側部には、左右一対の支持軸54が固定されると共に、左右一対の連結板53aが形成されている。連結板53aは、水平ベルトコンベヤ53の前端部から前方に向かうに従って下方に傾斜して、その下端部が傾斜ベルトコンベヤ52の後端部の下側に潜り込むように配置されている。そして、連結板53aの下端部には、油圧式のリフトジャッキ(跳ね上げ手段)55が支持されている。
【0041】
更に、対向した連結板53a間には、傾斜板53bが支持されている。この傾斜板53bは、所定の傾斜角度で前方に向かうに従って下方に傾斜しており、傾斜ベルトコンベヤ52の後端部における下面をその下方から支えるものとなっている。
【0042】
一方、傾斜ベルトコンベヤ52の後端部における左右両側部には、左右一対の長孔52aが形成されている。この長孔52aは、水平ベルトコンベヤ53に固定された支持軸54に回転可能に支持されており、その長径が傾斜ベルトコンベヤ52の長手方向に沿うように開口されている。また、上記左右両側部には、リフトジャッキ55が連結されている。
【0043】
これにより、リフトジャッキ55を短縮させた状態では、傾斜ベルトコンベヤ52の後端部が水平ベルトコンベヤ53の傾斜板53b上に保持されることになる。よって、傾斜ベルトコンベヤ52は、所定の傾斜角度で傾斜する傾斜状態となり、ずりの搬送が可能となる。
【0044】
また、リフトジャッキ55を伸長させた状態では、傾斜ベルトコンベヤ52の前端部が、その後端部(支持軸54)を回転中心として、上方に向けて跳ね上がることになる。よって、傾斜ベルトコンベヤ52は、水平ベルトコンベヤ53と同じ高さで水平状態となり、詳細は後述するが、第1ベルトコンベヤ41のトンネル軸方向後方への退避を許可とする。
【0045】
更に、傾斜ベルトコンベヤ52を水平ベルトコンベヤ53に回転可能に支持する際の支持孔(取付孔)として、長孔52aを採用し、この長孔52aをその長径が傾斜ベルトコンベヤ52の長手方向に沿うように形成させることにより、傾斜ベルトコンベヤ52の前端部は、その後端部(支持軸54)を支点として、トンネル幅方向に揺動可能となる。
【0046】
よって、トンネル掘削機1が屈曲したトンネルを掘削する場合には、その曲率の大きさに応じて、傾斜ベルトコンベヤ52の前端部をトンネル幅方向に揺動させることができるので、傾斜ベルトコンベヤ52の前端部を第1ベルトコンベヤ41における傾斜部41bの後端部に追従させることができる。よって、屈曲したトンネルを掘削する場合でも、第1ベルトコンベヤ41から第2ベルトコンベヤ51へのずりの受け渡しを高精度に行うことができる。
【0047】
次に、上述したトンネル掘削機1の動作について、図1図3図5を用いて詳細に説明する。
【0048】
先ず、トンネル掘削機1が岩盤等の硬質地盤を掘削する場合には、図1に示すように、カッタヘッド20を回転させながら、上述した推進装置及びエレクタ装置を駆動させることにより、地山の切羽をディスクカッタ27及びカッタビット28によって掘削すると共に、セグメントSをトンネル周方向に沿って組み立てる。つまり、掘削作業と覆工作業とが同時進行で行われることになる。
【0049】
これと同時に、第1ベルトコンベヤ41及び第2ベルトコンベヤ51も駆動されている。これにより、図1及び図5(a)に示すように、地山の掘削に伴って発生したずりは、カッタヘッド20のずり取込口22a,23a,26を介して、ホッパ42内に取り込まれた後、第1ベルトコンベヤ41における水平部41aの前端部上に受け渡される。
【0050】
次いで、水平部41aの前端部上に受け渡されたずりは、その第1ベルトコンベヤ41における傾斜部41bの後端部に向けて搬送された後、第2ベルトコンベヤ51における傾斜ベルトコンベヤ52の前端部上に受け渡される。そして、傾斜ベルトコンベヤ52の前端部上に受け渡されたずりは、その第2ベルトコンベヤ51における水平ベルトコンベヤ53の後端部に向けて搬送された後、ずり台車60に排出される。
【0051】
ここで、トンネル掘削機1による掘削対象地山が、岩盤等の硬質地盤から、粘土層を含む断層破砕帯等の軟弱地盤に変化した場合、即ち、トンネル掘削機1が軟弱地盤に遭遇した場合には、トンネル掘削機1が切羽の崩落や地山の変位によって拘束され、その推進反力に抗する摩擦力が増大することになり、当該トンネル掘削機1が掘進不能となるおそれがある。
【0052】
そこで、本発明に係るトンネル掘削機1においては、軟弱地盤の掘削に対応するため、当該軟弱地盤に遭遇すると、掘進を一旦停止して、薬液を薬液注入装置(図示省略)によって切羽前方に注入して、地山改良を行う。その後、人力や小型機械を利用して、トンネル掘削機1に先行する先行トンネルT(図3参照)を、軟弱地盤が終わるまで掘削する。
【0053】
そして、トンネル掘削機1においては、上述したような先行トンネルTの掘削作業に先立って、開口部21aに対して機材や小型機械の出し入れを行うための作業スペースを確保することを目的として、ずり搬送用に設けた第1ベルトコンベヤ41及び第2ベルトコンベヤ51の後退作業を行うようにしている。
【0054】
具体的には、先ず、図5(a)に示すように、トンネル掘削機1が硬質地盤中を掘進しているときには、取り込んだずりを、第1ベルトコンベヤ41と第2ベルトコンベヤ51とに順に受け渡して、ずり台車60に排出する。
【0055】
ここで、カッタヘッド20が軟弱地盤に到達すると、トンネル掘削機1の掘進を停止させる。即ち、カッタ旋回用モータ11、エレクタ装置、推進装置、第1ベルトコンベヤ41、及び、第2ベルトコンベヤ51等の駆動を停止させる。
【0056】
次いで、図5(b)に示すように、第2移動台車56をトンネル軸方向後方に移動させることにより、第2ベルトコンベヤ51をトンネル軸方向後方に退避させる。このとき、第2ベルトコンベヤ51を後退させる際には、傾斜部41bの後端部と傾斜ベルトコンベヤ52の前端部との間で、上下方向において重なり合う部分が無くなるまで、第2移動台車56を移動させる。
【0057】
そして、図5(c)に示すように、リフトジャッキ55を伸長させることにより、傾斜ベルトコンベヤ52の前端部を、その後端部を回転中心として、上方に向けて跳ね上げる。このとき、跳ね上げられた傾斜ベルトコンベヤ52の前端部は、傾斜部41bの後端部よりも上方に配置され、当該傾斜ベルトコンベヤ52は、水平ベルトコンベヤ53と同じ高さで水平状態となる。
【0058】
次いで、図5(d)に示すように、吊り具44を取り外した後、第1移動台車43をトンネル軸方向後方に移動させることにより、第1ベルトコンベヤ41をトンネル軸方向後方に退避させる。これにより、傾斜部41bが、跳ね上げられた傾斜ベルトコンベヤ52の下側に潜り込み、第1ベルトコンベヤ41は掘削機本体10内から完全に後退する。これに伴って、カッタヘッド20の後方(掘削機本体10内)に、開口部21aに対して機材や小型機械の出し入れを行うための作業スペースが確保される。
【0059】
そして、図3及び図5(d)に示すように、カッタヘッド20の中心部カッタヘッド22を開けて、開口部21aを開放する。このとき、第1ベルトコンベヤ41が掘削機本体10内から完全に後退しているため、中心部カッタヘッド22は、第1ベルトコンベヤ41に接触することなく、開閉可能となっている。
【0060】
次いで、作業者が使用する機材や、ショベルカー等の小型機械を、掘削機本体10内の作業スペースに運んだ後、その作業スペースに運んだ機材や小型機械を、開口部21aを介して、切羽側に搬出して、それらを利用して先行トンネルTを掘削する。
【0061】
そして、上述した先行トンネルTが硬質地盤に到達すると、その掘削済みの先行トンネルTに沿って、トンネル掘削機1を前進(掘進)させ、再び、トンネル掘削機1によって、硬質地盤の掘削を開始する。
【0062】
なお、上述した実施形態においては、第1移動手段及び第2移動手段を、第1移動台車43及び第2移動台車56としているが、これらに替えて、油圧ジャッキによって、第1ベルトコンベヤ41及び第2ベルトコンベヤ51をトンネル軸方向に移動させるようにしても構わない。
【0063】
また、第2ベルトコンベヤ51においては、傾斜ベルトコンベヤ52を水平ベルトコンベヤ53に対して跳ね上げ可能としているが、これに加えて、第1ベルトコンベヤ41においても、傾斜部41bを水平部41に対して押し下げ可能としても構わない。即ち、図6(a)に示すように、傾斜部41bの後端部を、その前端部を回転中心として、油圧ジャッキ(押し下げ手段)45によって、下方に向けて押し下げるようにしても構わない。
【0064】
これにより、第1ベルトコンベヤ41及び第2ベルトコンベヤ51を後退させる場合には、先ず、図6(b)に示すように、第2ベルトコンベヤ52を、第2移動台車56の移動によって、トンネル軸方向後方に退避させた後、リフトジャッキ55を伸長させることにより、傾斜ベルトコンベヤ52の前端部を、その後端部を回転中心として、上方に向けて跳ね上げる。一方、水平部41aに支持された油圧ジャッキ45を伸長させることにより、傾斜部41bの後端部を、その前端部を回転中心として、下方に押し下げる。このとき、傾斜部41bは、水平部41aと同じ高さで水平状態となる。
【0065】
次いで、図6(c)に示すように、第1移動台車43をトンネル軸方向後方に移動させることにより、第1ベルトコンベヤ41をトンネル軸方向後方に退避させる。これにより、押し下げられた傾斜部41bが、跳ね上げられた傾斜ベルトコンベヤ52の下側に潜り込み、第1ベルトコンベヤ41は掘削機本体10内から完全に後退する。
【0066】
但し、上述したように、傾斜部41bを押し下げると共に、傾斜ベルトコンベヤ52を跳ね上げる場合には、それらの動作の順番は、どちらが先でも後でも良く、同時でも構わない。
【0067】
従って、本発明に係るトンネル掘削機1によれば、ずり搬送用に設けた複数段のベルトコンベヤ41,52,53を、トンネル軸方向後方に向けて効率良く退避させることができるので、カッタヘッド20の後方(掘削機本体10内)において、機材や小型機械の出し入れを行うための作業スペースを十分に確保することができる。これにより、崩落性の高い軟弱地盤に遭遇した際における、人力や小型機械による先行トンネルTの掘削作業を、その作業スペースを使用して、容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、硬質地盤における掘削作業と軟弱地盤における掘削作業との切り替えを容易に行うことを目的としたトンネル掘削機に適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 トンネル掘削機
10 掘削機本体
20 カッタヘッド
21 支持部材
21a 開口部
22 中心部カッタヘッド
26 ずり取込口
41 第1ベルトコンベヤ
41a 水平部
41b 傾斜部
43 第1移動台車
45 油圧ジャッキ
51 第2ベルトコンベヤ
52 傾斜ベルトコンベヤ
52a 長孔
53a 連結板
53b 傾斜板
53 水平ベルトコンベヤ
54 支持軸
55 リフトジャッキ
56 第2移動台車
S セグメント
T 先行トンネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6