特許第6297867号(P6297867)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297867
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】皮膚化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20180312BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20180312BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20180312BHJP
   A61K 8/39 20060101ALI20180312BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20180312BHJP
   A61K 8/68 20060101ALI20180312BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61K8/86
   A61K8/37
   A61K8/39
   A61K8/92
   A61K8/68
   A61Q19/00
【請求項の数】7
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-51113(P2014-51113)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-205664(P2014-205664A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年12月9日
(31)【優先権主張番号】特願2013-56058(P2013-56058)
(32)【優先日】2013年3月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】堀住 輝男
(72)【発明者】
【氏名】照沼 絵美
【審査官】 森井 隆信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−326823(JP,A)
【文献】 特開2003−231608(JP,A)
【文献】 特開平11−263707(JP,A)
【文献】 特開2000−247826(JP,A)
【文献】 特開2013−147434(JP,A)
【文献】 特開2012−012315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(E):
(A)アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステルから選ばれる、HLB値が4〜7であり、25℃で液状で、グリセリル基を有する非イオン性界面活性剤 0.005〜1質量%、
(B)数平均分子量2000〜200000のポリエチレングリコール 0.01〜10質量%、
(C)エタノール 5〜50質量%、
(D)冷感剤 0.01〜5質量%、殺菌剤 0.01〜10質量%、セラミド類 0.0001〜10質量%、紫外線防御剤 0.01〜20質量%及び粉体 0.01〜20質量%から選ばれる1種又は2種以上の有効成分、
(E)水 40〜95質量%
を含有する皮膚化粧料。
【請求項2】
成分(A)と成分(B)の質量比((A)/(B))が、0.03〜10である請求項1記載の皮膚化粧料。
【請求項3】
成分(A)及び(B)と成分(C)の質量比(((A)+(B))/(C))が、0.001〜2である請求項1又は2記載の皮膚化粧料。
【請求項4】
更に、(F)水溶性高分子を0.05〜5質量%含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項5】
更に、(G)25℃で粘度50mPa・s以下の油剤を0.05〜10質量%含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項6】
成分(A)が、アルキルグリセリルエーテルである請求項1〜5のいずれか1項記載の皮膚化粧料。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布し、成分(D)を肌に保持させる化粧料の使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
近年、肌や髪に潤いを与える保湿化粧料や、肌や髪を清潔に維持し、健やかに保つためのデオドラント商品、パール剤などで美しく魅せる化粧料等、多くの商品が上市されている。これらの製品は化粧水タイプのものや軟膏タイプ、固形状のものやスプレーやシート状のものまで、様々な剤型が提案されている。また、近年では、それらの化粧料による効果の持続を意識した商品が開発されている。
例えば、特許文献1には、清涼感付与剤と界面活性能を有するグアニジン誘導体を含有する毛髪化粧料が、良好な使用感と清涼感付与効果が持続することが記載され、特許文献2には、吸水性ポリマー粒子と抗菌剤、及び消臭剤を含有する化粧料組成物が、消臭効果が持続する旨の記載がされている。
また、特許文献3には、フッ素変性シリコーン、親水性シリカ、低HLBの非イオン界面活性剤を組み合わせた油中水型乳化化粧料が、化粧持続性に優れていることが記載されている。
さらに、特許文献4には、高重合ポリエチレンオキサイド、非イオン界面活性剤、エタノール 、水、噴射剤を含有するクラッキングローションが、冷涼感が強く、肌になじみやすく、べたつきのないことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2003−104846号公報
【特許文献2】特開2004−161693号公報
【特許文献3】特開2004−67648号公報
【特許文献4】特開2009−191064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、化粧料の有する効果を持続させるための検討がなされている。しかしながら、実際の使用場面では服や手による化粧料塗布部位との接触により、塗布した化粧料が剥がれ落ちたり、汗により化粧料が流れてしまい、その効果を持続することが困難である。
また、これらの化粧料は、目的とする効果の持続性を高めるために多数の成分を組み合わせる必要があり、結果として使用感が悪くなったり、持続の効果が一時的で満足のいくものではなかった。
本発明は、単純な組成でありながら、有効成分の肌上での残留・持続性が高く、有効成分の効果が長時間持続し、かつべたつきが抑制され使用感に優れた皮膚化粧料に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明者らは、特定の非イオン性界面活性剤と特定分子量のポリエチレングリコール、及びエタノールを組み合わせることで、肌上での化粧料の残留・持続性を向上させ、上記課題を解決した皮膚化粧料が得られることを見出した。
【0005】
本発明は、次の成分(A)〜(E):
(A)HLB値が4〜7であり、25℃で液状で、グリセリル基を有する非イオン性界面活性剤 0.005〜1質量%、
(B)数平均分子量2000〜200000のポリエチレングリコール 0.01〜10質量%、
(C)エタノール 5〜50質量%、
(D)冷感剤、温感剤、殺菌剤、制汗剤、収斂剤、消臭剤、美白剤、セラミド類、抗炎症剤、血行促進剤、紫外線防御剤、酸化防止剤及び粉体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分、
(E)水
を含有する皮膚化粧料に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の皮膚化粧料は、肌への密着性に優れ、化粧料の肌への残留・持続性が高く、有効成分の効果を長時間持続させることができるものである。特に、汗に対する持続性に優れている。また、べたつきがなく、使用感に優れたものである。
本発明においては、成分(A)〜(E)を含有する化粧料を皮膚に塗布した後、化粧料中の成分(C)や溶媒が揮散すると、密着性の高いゲル状組成物が形成される。通常、肌に塗布した化粧料は服や手が塗布部位へ接触して、肌から脱落してしまう。また、発汗などにより塗布部位から拡散したり、流出したりするため、塗布した化粧料が肌上でその効果を持続して発揮することが難しかった。
本発明の皮膚化粧料は、肌への密着性と残留性が高く、肌からの脱落が抑制されるため、その効果を長時間持続させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
成分(A)の非イオン性界面活性剤は、HLB値が4〜7であり、好ましくは5〜6のものである。HLBが7以下であることで、水や汗に溶解し難くなり、発汗した肌にも残留しやすくなる。また、後述する成分(B)とコンプレックスを形成し、成分(D)の肌へのバインダーとしての働きをする。
【0008】
ここで、HLB値は、親水性−親油性のバランス(Hydrophile Lipophile Balance)を示す指標であり、本発明においては小田・寺村らによる次式を用いて算出した値を用いている。
【0009】
【数1】
【0010】
また、成分(A)の非イオン性界面活性剤は、25℃で液状で、グリセリル基を有するものである。
25℃で液状とは、25℃での粘度が10万mPa・s以下のものをいう。
かかる非イオン性界面活性剤としては、炭素数8〜22の分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、グリセリル基とエーテル結合若しくはエステル結合したもの、又は、アルキレンオキサイド基を介して結合しているものが好ましい。
【0011】
成分(A)の非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。中でも、成分(B)とのコンプレックスの形成しやすさ、或いは、得られたコンプレックスの柔軟性、コンプレックスの耐汗性、耐磨耗性の点から、アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、更にはアルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0012】
このような成分(A)としては、例えば、イソステアリルグリセリルエーテル(HLB 5.4)、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル(HLB 7)、モノイソステアリン酸グリセリル(HLB 6)、モノイソステアリン酸(重合度2)ポリグリセリル(HLB 5.5)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油(HLB 4)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油(HLB 5)、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油(HLB 7)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油(HLB 4)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(15)硬化ヒマシ油(HLB 5)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油(HLB 6)、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油(HLB 7)などが挙げられる。
これらのうち、肌への残留性の観点から、イソステアリルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノイソステアリン酸グリセリルが好ましく、感触の点から、イソステアリルグリセリルエーテルがより好ましい。
【0013】
成分(A)は、1種又は2種以上を用いることができ、肌への残留性の点から、含有量は、全組成中に0.005質量%以上であり、0.01質量%以上が好ましく、1質量%以下であり、0.7質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。また、成分(A)の含有量は、全組成中に0.005〜1質量%であり、0.01〜0.7質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
【0014】
成分(B)のポリエチレングリコールは、数平均分子量2000〜200000であり、溶媒が揮散した際にできる成分(A)とのゲル、又は皮膜、及び汗をかいた際のゲルの肌への密着性の点から、その数平均分子量は、3000〜150000が好ましく、4000〜100000がより好ましく、5000〜80000が更に好ましく、6000〜60000が更により好ましく、6000〜40000が特に好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を用いることができ、肌への密着性の点から、含有量は、全組成中に0.01質量%以上であり、0.02質量%以上が好ましく、10質量%以下であり、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。また、成分(B)の含有量は、全組成中に0.01〜10質量%であり、0.01〜5質量%が好ましく、0.02〜3質量%がより好ましい。
【0015】
本発明の皮膚化粧料において、成分(A)と成分(B)の質量比((A)/(B))は、成分(A)と(B)から作られるコンプレックスのゲルの性質、皮膜物性の点から、0.03以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、2以下が更に好ましい。また、成分(A)と成分(B)の質量比((A)/(B))は、0.03〜10が好ましく、0.05〜5がより好ましく、0.1〜2が更に好ましい。なお、成分(A)と(B)から作られるコンプレックスは、水には溶解しない。
【0016】
成分(C)のエタノールは、成分(A)と(B)から作られるコンプレックスの溶解剤として用いられ、含有量は、成分(A)と(B)から作られるコンプレックスの溶解の点から、全組成中に5質量%以上であり、10質量%以上が好ましく、50質量%以下であり、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。また、成分(C)の含有量は、全組成中に5〜50質量%であり、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
【0017】
本発明の皮膚化粧料において、成分(A)及び(B)と成分(C)の質量比(((A)+(B))/(C))は、コンプレックスのゲルの性質、皮膜物性とコンプレックスの溶解性の点から、0.001以上が好ましく、0.005以上がより好ましく、0.01以上が更に好ましく、2以下が好ましく、1以下がより好ましく、0.35以下が更に好ましい。また、成分(A)及び(B)と成分(C)の質量比(((A)+(B))/(C))は、0.001〜2が好ましく、0.005〜1がより好ましく、0.01〜0.35が更に好ましい。
【0018】
成分(D)の有効成分は、冷感剤、温感剤、殺菌剤、制汗剤、収斂剤、消臭剤、美白剤、セラミド類、抗炎症剤、血行促進剤、紫外線防御剤、酸化防止剤及び粉体から選ばれる1種又は2種以上ものであり、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良い。
冷感剤としては、メントール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、N−[[5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル]カルボニル]グリシンのエチルエステル(3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)酢酸エチル;WS−5)、N−エチル−2,2−ジイソプロピルブタンアミド、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,2−ジエチルブタンアミド、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(L−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオールなどのメンタンジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種ハッカ油、ペパーミント油、メントン、イソメントン、メントングリセロールケタール、乳酸メンチル、3−(L−メントキシ)エタン−1−オール、3−(L−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(L−メントキシ)ブタン−1−オール、L−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸L−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸L−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−trans−2−cis−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルコハク酸アミド、ピロリドンカルボン酸メンチル、キシリトール、エリスリトール、メンタン、メントンケタール、置換されたp−メンタン、非環式カルボキサミド、グルタル酸モノメンチル、置換されたシクロヘキサンアミド、置換されたシクロヘキサンカルボキサミド、置換されたメンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロデカノン、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノール、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、イシリン、樟脳、ボルネオール、ユーカリ油、ペパーミント油、酢酸ボルニル、ラベンダー油、ワサビエキス、セイヨウワサビエキス、3,1−メントキシプロパン 1,2−ジオール等が挙げられる。
【0019】
温感剤としては、トウガラシチンキ、トウガラシエキス、トウガラシ末、ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸フェニル、ニコチン酸トコフェロールなどのニコチン酸誘導体、カプサイシン、オランダガラシエキス、サンショウエキス、ショウキョウエキス、カンタリエキス等が挙げられる。
【0020】
殺菌剤としては、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、3,4,4−トリクロロカルバニリド、トリエチルシトレート、塩化ベンゼトニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、レゾルシン、フェノール、ソルビン酸、サリチル酸、ヘキサクロロフェン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジンイソプロピルメチルフェノール、銀担持ゼオライト、銀担持シリカ等が挙げられる。
【0021】
制汗剤としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、クロルヒドロキシアルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム等のアルミニウム化合物;パラフェノールスルホン酸亜鉛などが挙げられる。
【0022】
収斂剤としては、植物抽出物(例えば、キュウリエキス、モモの葉エキス、キャロットエキス、オウゴンエキス、セージエキス、グレープフルーツ、コーヒーエキス、ハマメリスエキスなど)、有機酸(例えば、乳酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸など)、金属塩化物(例えば、海塩、岩塩、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化第二鉄など)、金属酸化物(例えば、カラミン、酸化亜鉛など)、ハチミツ、ビタミン(例えば、レチノイン酸およびその誘導体、アスコルビン酸およびその誘導体、トコフェロールおよびその誘導体、カルニチンおよびその誘導体)、油または皮脂制御剤(例えば、ユーカリ油、ラベンダー油、カフェインなど)などが挙げられる。
【0023】
消臭剤としては、硫酸鉄、塩酸鉄等の鉄塩、両性イオン交換樹脂、カチオン性イオン交換樹脂、アニオン性イオン交換樹脂などのイオン交換樹脂、活性炭、繊維化炭素吸着剤、ゼオライト、活性白土、クロラミンT、パラベン、フェノール、フェノキシエタノール、ポリフェノール、サイクロデキストリン、シャンピニオンエキス、ルイボス抽出物、鉄クロロフィンナトリウム、活性炭、ゼオライト酸化亜鉛、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシエチル−1,3−プロパンジオール等のポリヒドロキシアミン化合物が挙げられる。
【0024】
美白剤としては、カミツレ抽出物、アルブチン、コウジ酸、アラントイン、ビタミンE及びその誘導体、グリチルリチン、アスコルビン酸及びその誘導体、パンテティン酸誘導体、プラセンタエキス、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、コガネバナ(オウゴン)抽出物、センプクカ抽出物、ブドウ抽出物、トマト抽出物、カロチノイド(カロチン、リコピン、アスタキサンチン等)、ハイドロキノン及びその誘導体、システイン及びその誘導体、アスパラガス抽出物、イブキトラノオ抽出物、ノイバラ(エイジツ)抽出物、エゾウコギ抽出物、エンドウ豆抽出物、クララ(クジン)抽出物、コーヒー抽出物、ゴカヒ抽出物、サイシン抽出物、シャクヤク抽出物、トウキ抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、ユキノシタ抽出物等が挙げられる。
【0025】
セラミド類としては、セラミド、スフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0026】
抗炎症剤としては、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール等のサリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン、インドメタシン、イブプロフェン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、γ−オリザノール、酢酸トコフェロール、ビタミンB及びその誘導体、イオウ及びその誘導体、ウコン抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オトギリソウ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、クレソン抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物等が挙げられる。
【0027】
血行促進剤としては、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸メチルイノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール、3−オクチルフタリド、シャクヤク、トウキ、センキュウ、チョウジ、センブリ、ソウジュツ、チンピ、ローズマリー、カラシナ、トウガラシ、カッコン、ピャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、トウヒ、ニンジン、ケイヒ、ハッカ、サンシシ、ショウブ、ガイヨウ、オウレン、オウバク、イチョウ等の生薬及びその抽出エキス等が挙げられる。
【0028】
紫外線防御剤としては、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸塩、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸塩等のベンゾフェノン誘導体、メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル等のメトキシ桂皮酸誘導体、ベンゼン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、ウロカニン酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、ベンゾトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体、カンファー誘導体、フラン誘導体、ピロン誘導体、核酸誘導体、アラントイン誘導体、ピリドキシン誘導体、ピリドキサール誘導体、ピリドキサミン誘導体、アメトフラボン、ネオサクラニン、6−デヒドロカワイン、トリアジン誘導体(4,4',4''−(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリイミノ)トリス安息香酸トリス−2−エチルヘキシル等)、ホスファチジルクロマノール誘導体、L−カルノシン亜鉛錯体、ウンベリフェロン、エスクリン、桂皮酸ベンジル、シノキサート、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、オクタベンゾン、スリソベンゾン、ベンゾレソルシノール、アルブチン、グアイアズレン、シコニン、バイカリン、バイカレイン、ベルベリン、ネオヘリオパン、クロロフィル類、キサントフィル類、エスカロール、酸化亜鉛、タルク、カオリン、アンソッコウ(安息香)エキス、ハブエキス、オオシオグサエキス、アサミドリシオグサエキス、カワシオグサエキス、カワタケエキス、イシクラゲエキス、ハッサイエキス、スピルリナエキス、アイアカシオエキス、フノリノウシケエキス、ヒメテングサエキス、ハイテングサエキス、オオブサエキス、チノリモエキス等が挙げられる。
【0029】
酸化防止剤としては、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0030】
また、粉体としては、ナイロン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル系樹脂、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴムパウダー、セルロースビーズ等の有機粉体;粘土鉱物、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ミョウバン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム等の無機粉体が挙げられる。
粘土鉱物としては、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイト等のカオリン群に属する粘土鉱物;アンティゴライト、アメサイト、クロンステダイト等のアンティゴライト群に属する粘土鉱物;パイロフィライト、滑石、タルク等のパイロフィライト群に属する粘土鉱物;イライト、海緑石、セラドナイト、セリサイト、白雲母等のマイカ等に属する雲母型粘土鉱物;モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチープンサイト、ベントナイト等のスメクタイト群に属する粘土鉱物;バーミキュライト等に属する粘土鉱物;緑泥石(クロライト)等に属する粘土鉱物が挙げられ、粘土鉱物は天然又は合成品のいずれであってもよい。
本発明においては、肌へのべたつきを抑制するとともに、冷感剤を用いる場合に、塗布直後の冷涼感をより高める観点から、上記の粘土鉱物を含有することが好ましく、同様の観点から、スメクタイト群に属する粘土鉱物が好ましく、ヘクトライト、ベントナイト、サポナイトがより好ましい。市販品では、クニピア、スメクトン(いずれもクニミネ工業社製)、ビーガム(バンダービルド社製)、ラポナイト(ロックウッド社製)、フッ素四ケイ素雲母(トピー工業社製)等が挙げられる。
【0031】
成分(D)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、各有効成分の有効量が配合される。
例えば、成分(D)として、冷感剤、温感剤を用いる場合、含有量は、全組成中に0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましい。
【0032】
成分(D)として、殺菌剤、制汗剤、収斂剤、消臭剤を用いる場合、含有量は、全組成中に0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.05〜1質量%が更に好ましい。
成分(D)として、美白剤、セラミド類、抗炎症剤、血行促進剤を用いる場合、含有量は、全組成中に0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。
成分(D)として、紫外線防御剤、酸化防止剤、粉体を用いる場合、含有量は、全組成中に0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい。
成分(D)の粉体のうち、粘土鉱物を用いる場合、含有量は、肌へのべたつきを抑制する観点、有効成分の効果の発現性を向上させる観点、該粘土鉱物と冷感剤を併用する場合に、塗布直後の冷涼感を高める観点から、全組成中に0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.1質量%以下が好ましく、0.05%以下がより好ましい。また、粘土鉱物の含有量は、同様の観点から、全組成中に0.001〜0.1質量%が好ましく、0.01〜0.05質量%がより好ましい。
本発明においては、肌へのべたつきを抑制する観点から、成分(D)として、冷感剤、殺菌剤及び消臭剤から選ばれる少なくとも1種と、粉体とを含有することが好ましい。粉体としては前述の粘土鉱物が好ましい。
冷感剤、殺菌剤及び消臭剤から選ばれる少なくとも1種と、粉体との質量比(冷感剤、殺菌剤及び消臭剤から選ばれる少なくとも1種/粘土鉱物)は、肌へのべたつきを抑制する観点から、1/1〜60/1が好ましく、5/1〜55/1がより好ましく、10/1〜50/1がさらに好ましく、20/1〜50/1がさらにより好ましい。
【0033】
成分(D)としては、成分(A)、(B)で作られるコンプレックスの成分(D)の保持性の観点から、殺菌剤、冷感剤、粉体、セラミド類、紫外線防御剤が好ましく、より具体的には、イソプロピルメチルフェノール、メントール、カンファー、粉体、セラミド、メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルなどが好ましい。
【0034】
本発明において、成分(E)の水の含有量は、製剤の粘度と使用感の点から、全組成中に、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。また、水の含有量は、全組成中に、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。
【0035】
本発明の皮膚化粧料においては、成分(A)、(B)で水不溶性のコンプレックスを作り、水中でゲルを形成する。ここで、成分(C)を含有することで、このコンプレックスは、水に溶解することができる。本発明の皮膚化粧料を肌に塗布した際、成分(C)エタノールが蒸発することにより、水不溶性のコンプレックスが析出し、このコンプレックスがゲル状となり、成分(D)を保持した形で皮膚に残留する。従って、本発明の皮膚化粧料において、成分(D)は、固体か、液体かといった性状にとらわれることなく、成分(A)、(B)で作られるゲルに保持される。
【0036】
成分(D)としてイソプロピルメチルフェノール等の殺菌剤を含有する場合、当該成分は、肌上でゲル状組成物となった化粧料中に存在し、肌から脱落することなく、肌上に留まることができ、高い殺菌性を長時間維持することができ、高いデオドラント性能を有する。
また、成分(D)としてメントール等の冷感剤を含有する場合においても、化粧料が乾燥し、肌上でゲル状又は皮膜状となった化粧料中に存在する。メントールを含む化粧料は、塗布直後には高い冷涼感を感じるが、その冷涼感の持続性は低い。本発明においては、乾燥後のゲル状組成物中にメントールを留めることにより、発汗や不感蒸泄による肌からの水分の供給により、再びメントールの冷涼感を得ることができる。
【0037】
更に、成分(D)としてセラミド類のような結晶性が高い難溶解性成分を含有する場合、一般の化粧料は、塗布した後、溶媒の蒸発に伴い、成分の結晶化が生じ、肌への浸透性は極めて低くなる。本発明においては、ゲル状組成物中に、成分(D)が取り込まれ、結晶化が疎外され、長時間皮膚上に存在することができるため、肌への浸透性に優れる。
更に、成分(D)として粉体を含有する場合、粉体がゲル状組成物に吸着し、肌からの脱落がないため、粉体特有の使用感の持続や皮脂吸収能の維持、化粧持ちの持続、紫外線散乱剤などの日焼け止め効果の持続などが可能となる。
また、成分(D)として紫外線吸収剤を含有する場合、紫外線吸収剤が肌に高密着、高残留するために、日焼け止め効果の持続が可能となる。
これらの効果の発現には上述のような、成分の含有量と組み合わせにより実現可能であり従来の持続技術とは大きく異なるものである。
【0038】
本発明の皮膚化粧料は、更に(F)水溶性高分子を含有することができ、肌への残留性をより向上させることができる。成分(F)の水溶性高分子は、成分(B)以外のものをいう。水溶性高分子は、天然高分子、半合成高分子、合成高分子のいずれでも使用することができる。
天然高分子の例としては、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸等が挙げられる。半合成多糖系高分子としては、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等の変性多糖類が挙げられる。合成高分子としてはカルボマー(架橋ポリアクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体等のアクリル系ポリマー;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルピロリドン等が挙げられる。これらのうち、カルボマー、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。
【0039】
カルボマーの市販品としては、カーボポール910、カーボポール934、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980、カーボポール981(以上、Lubrizol Advanced Materials,Inc.製)等が挙げられ、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体の市販品としては、カーボポール1382、カーボポールETD2020、PEMULEN TR−1、PEMULEN TR−2(以上、Lubrizol Advanced Materials,Inc.製)等が挙げられ、ヒドロキシプロピルセルロースの市販品としては、HPC−M、HPC−H(日本曹達製)等が挙げられ、カルボキシメチルセルロースナトリウムの市販品としては、CMCダイセル(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
【0040】
成分(F)の水溶性高分子は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、残留性と使用感の点から、全組成中に、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。また、成分(F)の含有量は、全組成中に0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。
【0041】
本発明の皮膚化粧料は、更に、(G)25℃で粘度50mPa・s以下の油剤を含有することができ、べたつきを抑制するとともに、成分(D)が難溶解性物質の場合には、浸透性をより高めることができる。
ここで、粘度は、B型粘度計(60rpm、1min、30℃)により測定されるものである。
【0042】
かかる油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであればいずれでも良く、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、エーテル油等が挙げられ、例えば、軽質イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、スクワレン等の直鎖又は分岐の炭化水素油;脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、シクロメチコン、ジメチコン、トリシロキサンメチルトリメチコン、エチルトリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン油;フルオロポリエーテル、パーフルオロアルキルエーテルシリコーン等のフッ素油などが挙げられる。
【0043】
エステル油としては、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル等;ホホバ油、オリーブ油等の植物油;液状ラノリン等の動物油が挙げられる。
エーテル油としては、アルキル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ジカプリリルエーテル、ジカプリリルエーテル等が挙げられる。
これらのうち、成分(F)としては、使用感の点から、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルが好ましく、更には、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールが好ましい。
【0044】
成分(G)の油剤は、1種又は2種以上を用いることができ、含有量は、使用感の点から、全組成中に0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。また、成分(G)の含有量は、全組成中に0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
【0045】
本発明の皮膚化粧料は、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられるその他の成分を含有することができる。
本発明の皮膚化粧料は、水に成分(B)、成分(C)を溶解させ、更に成分(A)、成分(D)を加え、必要に応じて、その他成分を加え、均一にすることで製造することができ、ファンデーション、ローション、クリーム、乳液、化粧水、制汗剤、デオドラント剤等として適用することができる。なかでも、デオドラント剤として好適である。
本発明の皮膚化粧料は、適量を手に取り、あるいは、織物や不織布等に含ませても良く、皮膚、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布することにより、使用することができる。
上述した実施形態に関し、本発明は、更に以下の組成物を開示する。
【0046】
<1>次の成分(A)〜(E):
(A)HLB値が4〜7であり、25℃で液状で、グリセリル基を有する非イオン性界面
活性剤 0.005〜1質量%、
(B)数平均分子量2000〜200000のポリエチレングリコール 0.01〜10質量%、
(C)エタノール 5〜50質量%、
(D)冷感剤、温感剤、殺菌剤、制汗剤、収斂剤、消臭剤、美白剤、セラミド類、抗炎症剤、血行促進剤、紫外線防御剤、酸化防止剤及び粉体から選ばれる1種又は2種以上の有効成分、
(E)水
を含有する皮膚化粧料。
【0047】
<2>成分(A)の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、HLB値が5〜6であり、25℃での粘度が10万mPa・s以下である前記<1>記載の皮膚化粧料。
<3>成分(A)の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、炭素数8〜22の分岐のアルキル基又はアルケニル基を有し、グリセリル基とエーテル結合若しくはエステル結合したもの、又は、アルキレンオキサイド基を介して結合しているものである前記<1>又は<2>記載の皮膚化粧料。
<4>成分(A)の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル等から選ばれる1種又は2種以上であって、アルキルグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、アルキルグリセリルエーテルから選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましい前記<1>〜<3>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<5>成分(A)の非イオン性界面活性剤は、好ましくは、イソステアリルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、モノイソステアリン酸グリセリルであって、イソステアリルグリセリルエーテルがより好ましい前記<1>〜<4>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
【0048】
<6>成分(A)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.01〜0.7質量%であって、0.01〜0.5質量%がより好ましい前記<1>〜<5>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<7>成分(B)のポリエチレングリコールは、数平均分子量が、好ましくは3000〜150000であり、4000〜100000がより好ましく、5000〜80000が更に好ましく、6000〜60000が更により好ましく、6000〜40000が特に好ましく、6000〜20000が更好ましい前記<1>〜<6>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<8>成分(B)の含有量は、好ましくは、全組成中に0.01〜5質量%であって、0.02〜3質量%がより好ましい前記<1>〜<7>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<9>成分(A)と成分(B)の質量比((A)/(B))は、好ましくは、0.03〜10であって、0.05〜5がより好ましく、0.1〜2が更に好ましい前記<1>〜<8>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
【0049】
<10>成分(C)のエタノールの含有量は、好ましくは、全組成中に5〜40質量%であって、10〜30質量%がより好ましい前記<1>〜<9>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<11>成分(A)及び(B)と成分(C)の質量比(((A)+(B))/(C))は、好ましくは、0.001〜2であって、0.005〜1がより好ましく、0.01〜0.35が更に好ましい前記<1>〜<10>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<12>成分(D)が、好ましくは、殺菌剤、冷感剤、粉体、セラミド類及び紫外線防御剤から選ばれる1種又は2種以上であって、イソプロピルメチルフェノール、メントール、カンファー、粉体、セラミド、メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルがより好ましい前記<1>〜<11>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
【0050】
<13>成分(D)が、冷感剤、温感剤である場合、含有量は、好ましくは、全組成中に0.01〜5質量%であって、0.05〜1質量%がより好ましく、0.1〜0.5質量%が更に好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<14>成分(D)が、殺菌剤、制汗剤、収斂剤、消臭剤である場合、含有量は、好ましくは、全組成中に0.01〜10質量%であって、0.05〜5質量%がより好ましく、0.05〜1質量%が更に好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<15>成分(D)が、美白剤、セラミド類、抗炎症剤、血行促進剤である場合、含有量は、好ましくは、全組成中に0.01〜10質量%であって、0.05〜5質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<16>成分(D)が、紫外線防御剤、酸化防止剤、粉体である場合、含有量は、好ましくは、全組成中に0.01〜20質量%であって、0.05〜10質量%がより好ましく、0.05〜5質量%が更に好ましい前記<1>〜<12>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
【0051】
<17>成分(D)が、少なくとも粉体を含有し、粉体が、好ましくは、粘土鉱物であって、カオリナイト,ナクライト,ディッカイト,ハロイサイト等のカオリン群に属する粘土鉱物;アンティゴライト,アメサイト,クロンステダイト等のアンティゴライト群に属する粘土鉱物;パイロフィライト,滑石、タルク等のパイロフィライト群に属する粘土鉱物、イライト,海緑石,セラドナイト,セリサイト,白雲母等のマイカ等に属する雲母型粘土鉱物、モンモリロナイト,バイデライト,ノントロナイト,サポナイト,ヘクトライト、ソーコナイト、スチープンサイト、ベントナイト等のスメクタイト群に属する粘土鉱物;バーミキュライト等に属する粘土鉱物;緑泥石(クロライト)等に属する粘土鉱物から選ばれる少なくともいずれか一種がより好ましく、スメクタイト群に属する粘土鉱物がさらに好ましく、ヘクトライト、ベントナイト、サポナイトがよりさらに好ましい前記<1>〜<16>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<18>成分(D)として、粉体としての粘土鉱物を用いる場合、含有量は、好ましくは、全組成中に0.001質量%以上であって、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以下が好ましく、0.05%以下がより好ましく、0.001〜0.1質量%が好ましく、0.01〜0.05質量%がより好ましい前記<17>記載の皮膚化粧料。
<19>成分(D)として、少なくとも、冷感剤、殺菌剤及び消臭剤から選ばれる少なくとも1種と、粉体とを含み、冷感剤、殺菌剤及び消臭剤から選ばれる少なくとも1種と、粉体との質量比(冷感剤、殺菌剤及び消臭剤から選ばれる少なくとも1種/粘土鉱物)が、好ましくは、1/1〜60/1であって、5/1〜55/1がより好ましく、10/1〜50/1がさらに好ましく、20/1〜50/1がさらにより好ましい前記<1>〜<18>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<20>成分(E)の水の含有量は、好ましくは、全組成中に、40〜95質量%であっ
て、50〜90質量%がより好ましい前記<1>〜<19>のいずれか1記載の皮膚化粧
料。
【0052】
<21>更に、成分(B)以外の(F)水溶性高分子を0.01〜5質量%含有する前記<1>〜<20>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<22>成分(F)の水溶性高分子が、好ましくは、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、カルボマー(架橋ポリアクリル酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルピロリドンであって、カルボマー、アクリル酸/メタクリル酸アルキル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムがより好ましい前記<21>記載の皮膚化粧料。
<23>成分(F)の水溶性高分子の含有量は、好ましくは、全組成中に0.05〜3質量%である前記<21>又は<22>記載の皮膚化粧料。
【0053】
<24>更に、(G)25℃で粘度50mPa・s以下の油剤を0.05〜10質量%含有する前記<1>〜<23>のいずれか1記載の皮膚化粧料。
<25>成分(G)の油剤が、好ましくは、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、エーテル油であって、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシルがより好ましく、ジカプリン酸ネオペンチルグリコールがさらに好ましい前記<24>記載の皮膚化粧料。
<26>成分(G)の油剤の含有量が、好ましくは、全組成中に0.1〜5質量%である前記<24>又は<25>記載の皮膚化粧料。
<27>前記<1>〜<26>のいずれか1記載の皮膚化粧料を、皮膚、好ましくは頭皮を除く皮膚、より好ましくは顔、身体、手足等のいずれかに塗布する皮膚化粧料の使用方法。
<28>前記<1>〜<26>のいずれか1記載の皮膚化粧料を皮膚に塗布し、成分(D)を肌に保持させる化粧料の使用。
【実施例】
【0054】
製造例1(メタクリル酸ラウリル・ジメタクリル酸エチレングリコール・メタクリル酸ナトリウム共重合体の製造)
ビーカーにラウリルメタクリレート82g、メタクリル酸3g、エチレングリコールジメタクリレート15g、ラウロイルパーオキサイド2gを仕込み、混合攪拌して溶解させた。ここに、N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム(SMT)を0.75g溶解させたイオン交換水400gを加え、ホモミキサーで粒径が2.2μmになるまで分散させた。4つ口フラスコにこの分散液を注ぎ込み、攪拌しながら窒素置換を30分行った。オイルバスによりフラスコ内部の温度を80℃まで加温し、80℃に達してから5時間重合を行った後、1N NaOH3.9gを滴下して中和を行った。中和後、室温まで冷却した。重合した粒子の分散液を凍結乾燥し、粒子を回収した。中和品は、カルボキシル基の中和度が11.2%であった。
【0055】
実施例1〜20、比較例1〜3
表1及び表2に示す組成の皮膚化粧料を製造し、塗布直後のべたつきのなさ、殺菌剤の残留性及び回復冷涼感の強さを評価した。結果を表1及び表2に併せて示す。
【0056】
(製造方法)
成分(E)水の一部に成分(B)ポリエチレングリコール、成分(F)水溶性高分子を添加し、分散液を得る。成分(C)エタノールに、成分(A)イソステアリルグリセリルエーテル、成分(D)有効成分、成分(G)油剤を添加し、分散液を得る。得られた2種の分散液を混合、攪拌し、均一にした。次に、残りの成分(E)と水酸化カリウムを添加して、水溶性高分子を中和し、攪拌して均一にして、皮膚化粧料を得た。
【0057】
(評価方法)
(1)塗布直後のべたつきのなさ:
専門パネラー4名により、各皮膚化粧料を、前腕内側(5×5cm2)に塗布したとき、塗布直後のべたつき感のなさを、以下の基準で評価した。結果を4名の平均値で示した。
5;全くべたつき感がない。
4;わずかにべたつき感がある。
3;べたつき感が少ない。
2;ややべたつき感がある。
1;べたつき感がある。
【0058】
(2)殺菌剤の残留性(カップシェイク法):
各皮膚化粧料を前腕内側(5×5cm2)に0.1g塗布し室温で7時間放置する。化粧料塗布部位を上方に向け、直径3.5cmのガラスカップを当て固定する。ここにアセトン1mLを入れ、化粧料塗布部とよく接触させた後回収する。これを3回繰り返す。回収した液から液体クロマトグラフィでイソプロピルメチルフェノールを定量する。塗布した化粧料のイソプロピルメチルフェノールの含有量より、その残存率(%)を求めた。
【0059】
(3)回復冷涼感の強さ:
冷感剤であるメントールは塗布後しばらくすると、冷涼感を失うが、本発明においては、化粧料塗布後、乾燥して形成されるジェル状組成物中に保持されたメントールが発汗などの水分の増加により再び経皮吸収され、冷涼感を感じることができるものである。このような冷涼感の回復についての評価を行った。
すなわち、各皮膚化粧料5gを体幹部に塗布し、7時間後、25度40%下の環境下で10分間の踏み台昇降運動を実施し、強制的に発汗させ、その時の冷涼感を、以下の基準で官能評価(N=4)した。結果を4名の平均値で示した。
4;強い冷涼感を感じる。
3;冷涼感を感じる。
2;かすかに冷涼感を感じる。
1;冷涼感を感じない。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
実施例21〜23及び比較例4〜6
実施例1〜20と同様にして、表3に示す組成の皮膚化粧料を製造し、塗布直後のべたつきのなさ、殺菌剤の残留性及び回復冷涼感の強さを評価した。また、粉体の残留性、セラミド類の浸透性及び紫外線吸収剤の残留性を評価した。結果を表3に併せて示す。
【0063】
(評価方法)
(1)粉体の残留性:
粉体の皮膚への残留性の評価はコールターカウンター(Multisizer4:ベックマンコールター)を用いて行った。
各皮膚化粧料を前腕内側(5×5cm2)に0.1g塗布し、室温で7時間放置する。化粧料塗布部位を上方に向け、直径3.5cmのガラスカップを当て固定する。ここにアセトン1mLを入れ、化粧料塗布部とよく接触させた後回収する。これを3回繰り返す。回収した液に8M尿素溶液を加え、10倍に希釈し、皮膚から剥がれ落ちた角層を溶解させる。その後、遠心分離(10000rpm×10min)を行い、粉体を沈殿させ、上澄みを除去する。沈殿した粉体を水で分散させ、得られた溶液中の粉体量をコールターカウンターで定量した。残留性の評価は、皮膚上へ塗布した直後に回収した粉体量と、7時間後に回収した粉体量との関係から、残留率(%)を算出した。
【0064】
(2)セラミド類の浸透性:
セラミド類の皮膚への浸透性の評価は、蛍光ラベルされたセラミドを化粧料中に配合して行った。蛍光ラベルセラミドは、蛍光標識セラミド(BODIPY-FL-C5-Ceramide インビトロジェン社製)を用いた。
3次元培養皮膚:TESTSKIN LSE-high(東洋紡績社製)を縦型拡散セル(37℃一定)に取りつけ、皮膚上に化粧料を20μg/cm2塗布する。18時間後、皮膚表面をエタノールで洗浄し、表面に残留している化粧料を除去する。バイオプシパンチで皮膚を一定量切り出し、エタノールに浸漬させる。1時間の超音波処理を行い、皮膚中に浸透した蛍光ラベルセラミドを抽出する。抽出した溶液をろ過し、蛍光分光器を用いて、蛍光量を定量した。塗布したセラミドの蛍光量と、皮膚中に浸透したセラミドの蛍光量との関係から、浸透量(%)を算出した。塗布した化粧料中の蛍光ラベルセラミドが全て皮膚に吸収された場合、100%となる。
【0065】
(3)紫外線吸収剤の残留性:
各皮膚化粧料中にメトキシケイ皮酸エチルヘキシル(ユビナールMC80:BASF社)を化粧料中に含有させ、評価を行った。
各皮膚化粧料試料0.1mgを、石英板(10×10cm、2mm)に塗布し、バーコーダーにて均一に引き伸ばし、10分間乾燥させる。乾燥後、SPFアナライザー(Optometices社)を用いてSPF値を測定した。その後、80分間、温水(約40℃)中に浸漬処理後、再びSPF値を測定した。それぞれのSPF値から下記式に記載のSPF持続性を算出し、下記の判定基準にて評価を行った。
SPF持続性(%)=水処理後のSPF値/水処理前のSPF値×100
【0066】
(判定基準)
5:SPF持続性が90%以上(持続性が非常に高い)。
4:SPF持続性が70%以上90%未満(持続性が高い)。
3:SPF持続性が50%以上70%未満(持続性がある)。
2:SPF持続性が30%以上50%未満(持続性が少ない)。
1:SPF持続性が30%未満(持続性がない)。
【0067】
【表3】
【0068】
実施例24〜27、比較例7〜10
実施例1〜20と同様にして、表4に示す皮膚化粧料を製造し、塗布直後のべたつきのなさ、殺菌剤の残留性及び回復冷涼感の強さを評価した。結果を表4に併せて示す。
【0069】
【表4】
【0070】
実施例28〜31
実施例1〜20と同様にして、表5に示す組成の皮膚化粧料を製造し、塗布直後のべたつきのなさ及び回復冷涼感の強さを評価した。また、塗布直後の冷涼感を評価した。結果を表5に併せて示す。
【0071】
(評価方法)
塗布直後の冷涼感:
専門パネラー4名により、各皮膚化粧料を、前腕内側(5×5cm2)に塗布したとき、塗布直後の冷涼感を、以下の基準で評価した。結果を4名の平均値で示した。
5:強い冷涼感がある。
4:冷涼感がある。
3:やや冷涼感がある。
2:わずかに冷涼感を感じられる。
1:冷涼感がない。
【0072】
【表5】