特許第6297877号(P6297877)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6297877シート貼付装置、並びに、シート成形装置およびシート成形方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297877
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】シート貼付装置、並びに、シート成形装置およびシート成形方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   H01L21/68 N
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-64288(P2014-64288)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-188002(P2015-188002A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2017年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【審査官】 鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−238966(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/078195(WO,A1)
【文献】 特開2007−123411(JP,A)
【文献】 特開2013−062431(JP,A)
【文献】 特開平10−233430(JP,A)
【文献】 特開2013−120902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面接着シートの一方の面を第1被着体の被着面に押圧して貼付する押圧手段と、
前記第1被着体に貼付された両面接着シートの厚みを変更して、当該両面接着シートの他方の面にテーパ面を形成するテーパ面形成手段とを備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記第1被着体に貼付された前記両面接着シートの前記他方の面上にシート材を供給するシート材供給手段を備え、
前記テーパ面形成手段は、前記シート材越しに前記テーパ面を形成することを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記テーパ面の頂部を第2被着体の被着面に当接させ、前記第1被着体および第2被着体の面形状を維持した状態でそれらを接近させ、前記頂部から前記両面接着シートの外縁に向けて徐々に貼付領域を広げて当該第2被着体を前記第1被着体に積層する積層手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
一方の面が第1被着体の被着面に貼付された両面接着シートの厚みを変更して、当該両面接着シートの他方の面にテーパ面を形成するテーパ面形成手段を備えていることを特徴とするシート成形装置。
【請求項5】
一方の面が第1被着体の被着面に貼付された両面接着シートの厚みを変更して、当該両面接着シートの他方の面にテーパ面を形成する工程を備えていることを特徴とするシート成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置、並びに、シート成形装置およびシート成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造工程において、半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という場合がある)に接着シートを貼付するシート貼付装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のシート貼付装置は、基板保持ピンを突出させ、粘着テープの中央部位を膨らませた後、第1、第2減圧室の圧力を操作することで、第1被着体と粘着テープとの間に気泡が形成されないようにこれらを貼付している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−233430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の装置では、粘着テープの中央部を第1被着体側に近づけるように変形させて貼付するため、例えば、第1被着体と第2被着体とを両面接着シートを介して積層する場合、少なくとも一方の第1被着体を変形させなければならず、第1被着体と第2被着体との両方が例えばウエハのように脆弱な物体の場合、当該ウエハを破損させてしまうという不都合がある。
【0005】
本発明の目的は、両面接着シートを介して第1被着体に第2被着体を積層する場合にでも、当該第2被着体と両面接着シートとの間に気泡が形成されないように、第1被着体に両面接着シートを貼付しておくことができるシート貼付装置、並びに、シート成形装置およびシート成形方法を提供することにある。
また、両面接着シートを介して第1被着体に第2被着体を積層する場合にでも、第1、第2被着体が破損すること抑制できるように、第1被着体に両面接着シートを貼付しておくことができるシート貼付装置、並びに、シート成形装置およびシート成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のシート貼付装置は、両面接着シートの一方の面を第1被着体の被着面に押圧して貼付する押圧手段と、前記第1被着体に貼付された両面接着シートの厚みを変更して、当該両面接着シートの他方の面にテーパ面を形成するテーパ面形成手段とを備えている、という構成を採用している。
【0007】
この際、本発明のシート貼付装置では、前記第1被着体に貼付された前記両面接着シートの前記他方の面上にシート材を供給するシート材供給手段を備え、前記テーパ面形成手段は、前記シート材越しに前記テーパ面を形成する、ことが好ましい。
また、本発明のシート貼付装置では、前記テーパ面の頂部を第2被着体の被着面に当接させ、前記第1被着体および第2被着体の面形状を維持した状態でそれらを接近させ、前記頂部から前記両面接着シートの外縁に向けて徐々に貼付領域を広げて当該第2被着体を前記第1被着体に積層する積層手段を備えている、ことが好ましい。
【0008】
一方、本発明のシート成形装置は、一方の面が第1被着体の被着面に貼付された両面接着シートの厚みを変更して、当該両面接着シートの他方の面にテーパ面を形成するテーパ面形成手段を備えている、という構成を採用している。
【0009】
また、本発明のシート成形方法は、一方の面が第1被着体の被着面に貼付された両面接着シートの厚みを変更して、当該両面接着シートの他方の面にテーパ面を形成する工程を備えている、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0010】
以上のような本発明によれば、両面接着シートの他方の面にテーパ面を形成することができるので、初めにテーパ面の頂部を第2被着体に当接させ、第1被着体および第2被着体の面形状を維持した状態でそれらを接近させるだけで、両面接着シートと第2被着体との間から空気を追い出すようにして貼付することができ、両面接着シートを介して第1被着体に第2被着体を積層する場合にでも、当該第2被着体と両面接着シートとの間に気泡が形成されないように、第1被着体に両面接着シートを貼付しておくことができる。また、両面接着シートを介して第1被着体に第2被着体を積層する場合にでも、第1、第2被着体が破損すること抑制できるように、第1被着体に両面接着シートを貼付しておくことができる。
【0011】
この際、シート材供給手段を備えれば、テーパ面形成手段が両面接着シートに接着することによるテーパ面の形成不良を抑制することができる。
さらに、積層手段を備えれば、第1被着体と第2被着体とを両面接着シートを介して積層する際に、第1、第2被着体と両面接着シートとの間に気泡が形成されることを抑制することができ、また、第1、第2被着体が破損すること抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係るシート貼付装置の側面図。
図2】第1実施形態のシート貼付装置の動作説明図。
図3】本発明の第2実施形態に係るシート貼付装置の側面図。
図4】本発明の第3実施形態に係るシート貼付装置の要部の側面図。
図5】本発明の第4実施形態に係るシート貼付装置の要部の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、各実施形態での同様の構成および動作については、詳細な説明を省略する。
また、以下において、基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を正規の方向(付した番号が適切な向きとなる方向)から観た場合を基準とし、上、下、左、右方向が紙面に平行な方向であり、前が紙面に直交する手前方向、後が紙面に直交する奥側方向とする。
【0014】
図1において、シート貼付装置10は、一方の面としての第1接着面FA1と他方の面としての第2接着面FA2とを有する両面接着シートASを供給する両面接着シート供給手段20と、両面接着シートASの第1接着面FA1を第1被着体WK1の被着面WA1に押圧して貼付する押圧手段としての押圧ローラ30と、第1被着体WK1に貼付された両面接着シートASの厚みを変更して、当該両面接着シートASの第2接着面FA2にテーパ面TAを形成するテーパ面形成手段40と、剥離シートRLを剥離縁50Aで折り返し当該剥離シートRLから第1被着体WK1に貼付された両面接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板50と、テーパ面TAの頂部TTを第2被着体WK2の被着面WA2に当接させ、第1被着体WK1および第2被着体WK2の面形状を維持した状態でそれらを接近させ、頂部TTから両面接着シートASの外縁EDに向けて徐々に貼付領域を広げて第2被着体WK2を第1被着体WK1に積層する積層手段60と、第1被着体WK1を支持する支持手段70とを備えている。なお、両面接着シートASは、第1、第2接着面FA1、FA2が平坦面とされるとともに、第1、第2被着体WK1、WK2の平面形状に合わせた平面形状(例えば円形)の接着剤AD層により構成されている。
【0015】
両面接着シート供給手段20は、両面接着シートASの第2接着面FA2が剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ21と、駆動機器としての回動モータ22によって駆動する駆動ローラ23との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ24と、駆動機器としての回動モータ25によって駆動し、剥離シートRLを回収する回収ローラ26とを備えている。
【0016】
テーパ面形成手段40は、シート成形装置を構成し、駆動機器としてのリニアモータ41のスライダ41A、41Bにそれぞれ支持された駆動機器としてのリニアモータ42、43と、当該リニアモータ42、43のスライダ42A、43Aにそれぞれ支持された第1、第2テーパ形成ローラ44、45と、第1、第2テーパ形成ローラ44、45にそれぞれ内蔵され、両面接着シートASの変形を促進させる第1、第2変形促進手段46、47とを備えている。第1、第2変形促進手段46、47としては、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段、ペルチェ素子やヒートパイプの冷却側等の冷却手段、光照射手段、マイクロ波照射手段、紫外線照射手段、赤外線照射手段、マイクロ波照射手段、X線照射手段、超音波振動装置や偏心モータ等の振動付与装置等、接着剤AD層の特性によって適宜選択することができ、接着剤AD層を軟化させたり振動させたりすることで、当該接着剤AD層が所定形状に変形することを促進させるものである。なお、第1、第2変形促進手段46、47は、第1、第2テーパ形成ローラ44、45の外部に設けてもよい。
【0017】
積層手段60は、駆動機器としての直動モータ63の出力軸63Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない吸引手段によって第2被着体WK2を吸着保持可能な押圧面61を有する押圧プレート62を備えている。
【0018】
支持手段70は、図示しない減圧ポンプや真空エジェクタ等の吸引手段によって第1第1被着体WK1を吸着保持可能な支持面71を有するテーブル72と、そのスライダ73Aでテーブル72を支持するリニアモータ73とを備えている。
【0019】
以上のシート貼付装置10の動作を説明する。
先ず、作業者が原反RSを図1に示すようにセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の入力手段を介して運転開始の信号を入力すると、両面接着シート供給手段20が回動モータ22、25を駆動し、両面接着シートASを繰り出す。そして、両面接着シートASの繰出方向先端部が図1中実線で示す押圧ローラ30の近傍所定位置に到達したことを光学センサや撮像手段等の図示しない検知手段が検知すると、両面接着シート供給手段20が回動モータ22、25の駆動を停止し、スタンバイ状態となる。
【0020】
そして、人手または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が支持面71上に第1被着体WK1を配置し、押圧面61に第2被着体WK2を配置すると、支持手段70および積層手段60が図示しない吸引手段を駆動し、テーブル72および押圧プレート62それぞれで第1被着体WK1および第2被着体WK2を吸着保持する。その後、支持手段70がリニアモータ73を駆動し、テーブル72を図1実線で示す初期位置から右方向に搬送する。そして、テーブル72が所定位置に到達したことを図示しない検知手段が検知すると、両面接着シート供給手段20が回動モータ22、25を駆動し、第1被着体WK1の搬送速度に合わせて両面接着シートASを繰り出し、図1中符号AAを付した二点鎖線で示すように、押圧ローラ30が両面接着シートASを第1被着体WK1に押圧して貼付する。次いで、テーブル72が、図1中符号BBを付した二点鎖線で示す位置に到達したことを図示しない検知手段が検知すると、両面接着シート供給手段20および支持手段70が回動モータ22、25およびリニアモータ73の駆動を停止する。
【0021】
次に、テーパ面形成手段40がリニアモータ42、43を駆動し、図1中実線で示す初期位置にある第1、第2テーパ形成ローラ44、45を下降させ、図2(A)中実線で示す位置に到達すると、リニアモータ42、43の駆動を停止する。次いで、テーパ面形成手段40が第1変形促進手段46およびリニアモータ41を駆動し、第1テーパ形成ローラ44を右方に移動させ、図2(B)中二点鎖線で示す位置に到達すると、リニアモータ42をも駆動し、第1テーパ形成ローラ44を右斜め上方に移動させる。そして、図2(B)中実線で示すように、第1テーパ形成ローラ44が両面接着シートASの中央に到達すると、テーパ面形成手段40がリニアモータ41、42の駆動を停止する。これにより、両面接着シートASの厚みが左側から中央に向かって厚くなるテーパ面TAの一方の面である第1テーパ部TA1を形成する。次いで、テーパ面形成手段40がリニアモータ41、42を駆動し、第1テーパ形成ローラ44を初期位置に復帰させる。
【0022】
その後、テーパ面形成手段40がリニアモータ41、43を駆動し、第1テーパ形成ローラ44を鏡映しにした動作で第2テーパ形成ローラ45を移動させ、図2(C)に示すように、両面接着シートASの厚みが右側から中央に向かって厚くなるテーパ面TAの他方の面である第2テーパ部TA2を形成する。なお、第1、第2テーパ部TA1、TA2を形成するとき、第1、第2変形促進手段46、47が駆動することで、第2接着面FA2の変形が促進される。
【0023】
次いで、両面接着シート供給手段20および支持手段70が回動モータ22、25およびリニアモータ73を駆動し、テーブル72を右方向に搬送することで、剥離板50によって両面接着シートASから剥離シートRLが剥離され、当該両面接着シートASから剥離シートRLが全て剥離されると、両面接着シート供給手段20が回動モータ22、25の駆動を停止する。そして、テーブル72が図1中符号CCを付した二点鎖線で示す位置に到達したことを図示しない検知手段が検知すると、支持手段70がリニアモータ73の駆動を停止する。
【0024】
次いで、積層手段60が直動モータ63を駆動し、図1に示す初期位置にある押圧プレート62を下降させ、当該押圧プレート62で第2被着体WK2を両面接着シートASに押圧して貼付し、第2被着体WK2を第1被着体WK1に積層する。このとき、初めにテーパ面TAの頂部TTを第2被着体WK2の被着面WA2に当接させ、第1被着体WK1および第2被着体WK2の面形状を維持した状態でそれらを接近させる。これにより、両面接着シートASと第2被着体WK2との間から空気を追い出すようにして貼付することができる。また、両面接着シートASと第2被着体WK2との間から空気を追い出すように貼付するために、第2被着体WK2を変形させる必要もない。
【0025】
次に、積層手段60が図示しない吸引手段の駆動を停止した後、直動モータ63を駆動し、押圧プレート62を初期位置に復帰させる。次いで、支持手段70が図示しない吸引手段の駆動を停止した後、人手または図示しない搬送手段が両面接着シートASを介して積層された第1、第2被着体WK1、WK2を次工程に搬送し、リニアモータ73を駆動し、テーブル72を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0026】
以上のような第1実施形態によれば、両面接着シートASを介して第1被着体WK1に第2被着体WK2を積層する場合にでも、当該第2被着体WK2と両面接着シートASとの間に気泡が形成されないように、第1被着体WK1に両面接着シートASを貼付しておくことができる。また、両面接着シートASを介して第1被着体WK1に第2被着体WK2を積層する場合にでも、第1、第2被着体WK1、WK2が破損すること抑制できるように、第1被着体WK1に両面接着シートASを貼付しておくことができる。
【0027】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図3において、シート貼付装置10Aは、第1実施形態のシート貼付装置10に対し、両面接着シート供給手段20および剥離板50の代わりに両面接着シート供給手段90およびシート材供給手段100を設けた点と、押圧ローラ30の配置位置とが相違する。
【0028】
両面接着シート供給手段90は、原反RSを支持する支持ローラ91と、原反RSを案内する複数のガイドローラ92と、剥離シートRLを折り返し当該剥離シートRLから両面接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板93と、駆動機器としての回動モータ94によって駆動する駆動ローラ95との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ96と、図示しない駆動機器によって駆動し、剥離シートRLを回収する回収ローラ97とを備えている。
押圧ローラ30は、両面接着シート供給手段90で供給された両面接着シートASを第1被着体WK1に貼付可能な位置に設けられている。
シート材供給手段100は、シート材としての剥離シートRL1を支持する支持ローラ101と、一対のガイドローラ102、103と、駆動機器としての回動モータ104によって駆動する駆動ローラ105との間に剥離シートRL1を挟み込むピンチローラ106と、駆動機器としての回動モータ107によって駆動し、剥離シートRL1を回収する回収ローラ108とを備えている。
【0029】
以上のシート貼付装置10Aの動作を説明する。
先ず、作業者が原反RSおよび剥離シートRL1を図3に示すようにセットした後、図示しない入力手段を介して運転開始の信号を入力すると、両面接着シート供給手段90が回動モータ94を駆動し、両面接着シートASを繰り出し、両面接着シートASの繰出方向先端部が剥離板93で所定量剥離されたことを図示しない検知手段が検知すると、両面接着シート供給手段90が回動モータ94の駆動を停止し、スタンバイ状態となる。
【0030】
そして、第1実施形態と同様にしてテーブル72および押圧プレート62それぞれで第1被着体WK1および第2被着体WK2を吸着保持した後、支持手段70がリニアモータ73を駆動し、テーブル72を右方向に搬送して当該テーブル72が所定位置に到達すると、両面接着シート供給手段90が回動モータ94を駆動し、第1被着体WK1の搬送速度に合わせて両面接着シートASを繰り出し、図3中符号DDを付した二点鎖線で示すように、押圧ローラ30で両面接着シートASを第1被着体WK1に押圧して貼付する。そして、テーブル72が図3中符号EEを付した二点鎖線で示す位置に到達すると、支持手段70がリニアモータ73の駆動を停止する。
【0031】
その後、第1、第2テーパ形成ローラ44、45を第1実施形態と同様に移動させ、剥離シートRL1越しに第1、第2テーパ部TA1、TA2からなるテーパ面TAを形成する。その後、シート材供給手段100および支持手段70が回動モータ104、107およびリニアモータ73を駆動し、テーブル72を右方向に搬送して当該テーブル72が図3中付号FFを付した二点鎖線で示す位置に到達すると、シート材供給手段100および支持手段70が回動モータ104、107およびリニアモータ73の駆動を停止し、以後第1実施形態と同様にして、第2被着体WK2を第1被着体WK1に積層する。
以上のような第2実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
[第3実施形態]
第3実施形態のシート貼付装置10Bは、図4に示すテーパ面形成手段110を備え、このテーパ面形成手段110は、駆動機器としての直動モータ112の出力軸112Aに支持されるとともに、第2接着面FA2に第1、第2テーパ部TA1、TA2からなるテーパ面TAを形成するテーパ形成面111Aが下面に設けられたプレート111と、プレート111内に設けられ両面接着シートASの変形を促進させる第1変形促進手段46と同等の変形促進手段113と、剥離シートRLを介してテーパ形成面111Aと両面接着シートASとで形成される領域を減圧する減圧手段114とを備えている。
テーパ形成面111Aは、第2接着面FA2に頂部TTおよびテーパ面TAを形成する頂部形成部111Bおよびテーパ形成部111Cを備えている。
減圧手段114は、頂部形成部111Bに設けられた孔114Aだけで構成されてもよいし、当該孔114Aを介して強制的に減圧する減圧ポンプや真空エジェクタ等の減圧装置114Bを含んで構成されてもよい。なお、減圧手段114を孔114Aだけで構成する場合、当該孔114Aは、底有りでも底なしでもよい。
【0033】
以上のシート貼付装置10Bの動作は、第1、第2実施形態のテーパ面形成手段40の代わりにテーパ面形成手段110が作動し、プレート111を下降させて、剥離シートRL越しにテーパ形成面111Aを両面接着シートASの第2接着面FA2に押圧し、当該第2接着面FA2にテーパ面TAを形成する。このとき、テーパ形成面111Aと剥離シートRLとの間に形成される領域を減圧手段114で減圧してもよい。
【0034】
[第4実施形態]
第4実施形態のシート貼付装置10Cは、図5に示すテーパ面形成手段120を備え、このテーパ面形成手段120は、剥離縁50Aの反対側の端部が駆動機器としての回動モータ121の出力軸121Aで支持された剥離板50によって構成されている。
【0035】
以上のシート貼付装置10Cの動作は、第1、第2実施形態のテーパ面形成手段40の代わりにテーパ面形成手段120が作動し、剥離縁50Aの下方を通過する両面接着シートASに対し、当該テーパ面形成手段120が回動モータ121を駆動し、剥離板50を揺動させて第2接着面FA2に第1、第2テーパ部TA1、TA2からなるテーパ面TAを形成する。
【0036】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0037】
例えば、第1実施形態において、図1中二点鎖線で示すように、両面接着シートASの第1接着面FA1にカバーシートCSが仮着されている場合、剥離用テープPTを支持する支持ローラ131と、剥離用テープPTをカバーシートCSに貼付して当該カバーシートCSを剥離する剥離ローラ132と、駆動機器としての回動モータ133によって駆動し、剥離用テープPTおよびカバーシートCSを回収する回収ローラ134とを備えたカバーシート剥離手段130を設けてもよい。
また、第4実施形態において、図5中符号GGで示すように、剥離板50の剥離縁50Aに回動軸122Aを中心にして回動するローラ122を設け、テーパ面TAを形成するときの剥離板50と剥離シートRLとの摩擦を小さくするようにしてもよい。
【0038】
さらに、第1、第2実施形態において、スライダ41B、リニアモータ43、第2テーパ形成ローラ45、第2変形促進手段47を設けずに、第1テーパ形成ローラ44が両面接着シートASの左端から右端まで移動することで、第1、第2テーパ部TA1、TA2を形成してもよい。
また、第1、第2実施形態において、第1変形促進手段46および第2変形促進手段47の少なくとも一方を設けなくてもよい。
さらに、第3実施形態において、変形促進手段113および減圧手段114の少なくとも一方を設けなくてもよい。
また、第4実施形態において、剥離板50やローラ122の内部や外部に両面接着シートASの変形を促進させる変形促進手段を設けてもよい。
【0039】
さらに、第2、第3、第4実施形態において、シート材供給手段100を設けずに、剥離シートRL1を介さないでテーパ面形成手段40、110、120がテーパ面TAを形成してもよい。
また、各実施形態において、積層手段60を設けなくてもよいし、減圧雰囲気下で積層手段60によって第2被着体WK2を第1被着体WK1に積層してもよい。
【0040】
さらに、頂部TTの位置は、両面接着シートASの中心であってもよいし、当該中心からずれていてもよい。
また、テーパ面TAを構成する第1、第2テーパ部TA1、TA2は、図1〜5の左方または右方から視て湾曲したり、折れ曲がったりした形状でもよいし、円錐形状や角錐形状などの頂点によって第2被着体WK2に点接触可能な頂部を有する形状に形成してもよく、それら錐面は側方から視て湾曲したり、折れ曲がったりした形状でもよい。なお、テーパ面TAを円錐形状や角錐形状とするには、例えば、テーパ形成面111Aを逆円錐形状や逆角錐形状とすればよいし、第1テーパ形成ローラ44の回転軸線を支持面71に対して傾けた状態で、当該第1テーパ形成ローラ44と両面接着シートASが貼付された第1被着体WK1とを支持面71と平行な面内で相対回転させて円錐形状のテーパ面TAを形成してもよい。
さらに、テーパ面形成手段110は、テーパ形成部111Cが図4の左方または右方から視て湾曲したり、折れ曲がったりした形状でもよいし、円錐形状や角錐形状などの頂点によって頂部形成部111Bを形成してもよく、それら錐面は側方から視て湾曲したり、折れ曲がったりした形状でもよい。
また、両面接着シートASは、第1被着体WK1や第2被着体WK2の平面形状に合わせた形状でなくてもよく、例えば、第1被着体WK1や第2被着体WK2からはみ出したり、はみ出さない形状でもよく、例えば、円形、多角形、楕円形等、どのような形状であってもよい。
さらに、両面接着シートASは、枚葉でなく帯状に形成されていてもよく、第1被着体WK1に貼付する前または貼付した後に、切断刃やレーザカッタ、圧縮エア切断、圧縮水切断等の適宜な切断手段で切断して使用してもよい。
また、テーパ面TAにおける頂部TTの高さは、当該テーパ面TAの最下部に比べて1μm〜5mm高くなっているものが例示できるが、それ以上の高低差でもよいしそれ以下の高低差でもよい。
さらに、シート材は、紙、樹脂、ゴム等からなる任意のシートであってよい。
【0041】
また、支持手段70を固定しておき、他のものを移動させたり、支持手段70および他のもの両方を相対移動させたりして上述と同等の動作を行ってもよい。
さらに、剥離手段は、丸棒やローラ等で構成してもよい。
また、押圧手段は、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用することができ、エア噴き付けにより押圧する構成も採用することができる。
さらに、支持手段70および積層手段60は、第1、第2被着体WK1、WK2をメカチャックやクーロン力等で保持する構成でもよい。
【0042】
また、本発明における両面接着シートおよび第1、第2被着体の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、両面接着シートは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の両面接着シートが採用された場合は、当該両面接着シートを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプ等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような両面接着シートは、例えば、接着剤層だけの単層のものの他、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、第1、第2被着体としては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂板等、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
【0043】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、押圧手段は、両面接着シートの一方の面を第1被着体の被着面に押圧して貼付可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(他の手段および工程についての説明は省略する)。
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0044】
10、10A、10B、10C…シート貼付装置
30…押圧ローラ(押圧手段)
40、110、120…テーパ面形成手段(シート成形装置)
60…積層手段
100…シート材供給手段
AS…両面接着シート
FA1…第1接着面(一方の面)
FA2…第2接着面(他方の面)
RL1…剥離シート(シート材)
TA…テーパ面
TT…頂部
WA1、WA2…被着面
WK1、WK2…第1、第2被着体
図1
図2
図3
図4
図5