(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297881
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】包装体用蓋体及び包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20180312BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20180312BHJP
A47K 10/42 20060101ALI20180312BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
B65D83/08 B
A47K7/00 C
A47K7/00 B
A47K10/42 B
B65D83/08 D
B65D77/20 J
B65D77/20 H
B65D77/20 L
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-68100(P2014-68100)
(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公開番号】特開2015-189491(P2015-189491A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2016年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】三浦 昭晃
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−165574(JP,A)
【文献】
特開2004−182292(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 77/20
A47K 10/42
A47K 7/00
B65D 53/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用薄葉紙を包装するとともに、前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体に取り付けられる包装体用蓋体であって、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した中央部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離方向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴とする包装体用蓋体。
【請求項2】
家庭用薄葉紙を包装するとともに、前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体に取り付けられる包装体用蓋体であって、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した両端部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離方向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴とする包装体用蓋体。
【請求項3】
前記蓋体本体は、前記包装体本体に接着され、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体の前記開口部と反対側に貼着されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装体用蓋体。
【請求項4】
前記開口部は、所定方向に延在するように前記包装体本体に形成され、
前記伸縮性部は、前記開口部の延在方向に沿うように前記蓋体本体に配設されてなることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の包装体用蓋体。
【請求項5】
前記開口部を開状態及び閉状態とするように前記包装体本体に繰り返し剥離自在に接着されてなることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の包装体用蓋体。
【請求項6】
家庭用薄葉紙を包装する包装体であって、
前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体と、
前記包装体本体に取り付けられる蓋体と、を備え、
前記蓋体は、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した中央部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離方向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴とする包装体。
【請求項7】
家庭用薄葉紙を包装する包装体であって、
前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体と、
前記包装体本体に取り付けられる蓋体と、を備え、
前記蓋体は、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した両端部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離方向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴とする包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体本体に取り付けて使用される包装体用蓋体及び当該包装体用蓋体を備える包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水分、アルコールや液体の薬剤を含有させたウェットティシューやティシューペーパー等の家庭用薄葉紙を収納する包装体が知られている。この包装体本体には、家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部が設けられ、非使用の際にはこの開口部の周縁部にフィルム状の蓋体を接着させて当該開口部を塞ぐことができるようになっている。
一方、使用の際には開口部を露出させるために蓋体を剥がすようになっているが、剥がされた蓋体が開口部側に戻ってしまい家庭用薄葉紙を取り出し難いという問題がある。そこで、蓋体の本体部分に対して一部分が強い接着力で包装体本体に接着された構成として、本体部分と一部分との境界部分をヒンジとして機能させる包装体の開封構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−268783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、本体部分と一部分とで接着の強度を変化させる必要があり、製造工程の複雑化やコストアップを招いてしまう。
さらに、本体部分と一部分との境界部分をヒンジとして機能させるためには、当該境界部分まで剥がさなければならず開口部が露出される面積がより大きくなってしまう。結果として、ゴミや埃が付着し易くなったり、ウェットシート等の場合には水分が蒸発し易くなるという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明の課題は、包装体本体からの蓋体の剥離度合を相対的に小さくしても家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる包装体用蓋体及び包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
家庭用薄葉紙を包装するとともに、前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体に取り付けられる包装体用蓋体であって、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した中央部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離方向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が
前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
家庭用薄葉紙を包装するとともに、前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体に取り付けられる包装体用蓋体であって、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した両端部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離方向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2に記載の包装体用蓋体において、
前記蓋体本体は、前記包装体本体に接着され、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体の前記開口部と反対側に貼着されてなることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項
1から3の何れか一項に記載の包装体用蓋体において、
前記開口部は、所定方向に延在するように前記包装体本体に形成され、
前記伸縮性部は、前記開口部の延在方向に沿うように前記蓋体本体に配設されてなることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の包装体用蓋体において、
前記開口部を開状態及び閉状態とするように前記包装体本体に繰り返し剥離自在に接着されてなることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、
家庭用薄葉紙を包装する包装体であって、
前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体と、
前記包装体本体に取り付けられる蓋体と、を備え、
前記蓋体は、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した中央部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離方向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が
前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、
家庭用薄葉紙を包装する包装体であって、
前記家庭用薄葉紙の取り出し用の開口部を有する包装体本体と、
前記包装体本体に取り付けられる蓋体と、を備え、
前記蓋体は、
前記開口部を閉状態とするように前記包装体本体に接着されるとともに、前記包装体本体に接着された当該蓋体をその一端部側から剥離させていくことで前記開口部が開状態となるように構成され、
蓋体本体と、
前記蓋体本体に貼着され、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部と、を有し、
前記伸縮性部は、前記蓋体本体を前記剥離方向に直交する方向に略三等分した両端部にのみ、前記蓋体本体の前記剥離向の全体に亘って配設され、
前記開口部側の面に対して当該開口部と反対側の面が前記剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、包装体本体からの蓋体の剥離度合を相対的に小さくしても家庭用薄葉紙を取り出し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明を適用した一実施形態の包装体を示す斜視図である。
【
図2】
図1のII−II線における包装体の断面図である。
【
図3】本発明を適用した包装体の蓋シールの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の包装体100を示す斜視図である。また、
図2は、
図1のII−II線における包装体100の断面図であり、
図2(a)は、包装体100内の家庭用薄葉紙Pの非使用状態を表し、
図2(b)は、家庭用薄葉紙Pの使用状態を模式的に表している。
また、以下の説明では、家庭用薄葉紙Pの使用の際に上側となる面を包装体100の上面とし、その反対側を包装体100の下面とする。また、上下方向に略直交し、蓋シール2の剥離方向を左右方向とし、上下方向及び左右方向に略直交する方向を前後方向とする。
【0015】
包装体100は、例えば、ウェットティシューやティシューペーパー等の家庭用薄葉紙P(
図2(a)等参照)を包装するものである。具体的には、
図1に示すように、包装体100は、家庭用薄葉紙Pを包装する包装体本体1と、包装体本体1に取り付けられる蓋シール(包装体用蓋体)2とを備えている。
【0016】
包装体本体1は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂から形成されている。また、家庭用薄葉紙Pとして、アルコール等の薬液を含ませたウェットティシューを包装する場合には、内側の面にアルミなどが用いられるのが好ましい。また、包装体本体1は、例えば、熱を加えることにより溶融して結合する性質(ホットシール)の積層フィルムを用いて加工され、ホットシールによって密封されている。
なお、ホットシールによって密封された部分(例えば、図中、右側の端部)には、例えば、店頭に陳列される際に用いられる吊るし孔11が形成されていても良い。
【0017】
包装体本体1の上面には、家庭用薄葉紙Pの取り出し用の開口部12が形成されている。開口部12は、所定方向(例えば、左右方向)に長尺に形成されている。そして、包装体本体1の内側に収納されている複数の家庭用薄葉紙Pを、所定枚数(例えば、一枚等)ずつ開口部12を介して取り出し可能となっている。
なお、家庭用薄葉紙Pは、継続して当該包装体本体1から取り出せるように交互に折り重ねられているのが好ましい。
【0018】
また、包装体本体1の上面には、家庭用薄葉紙Pの非使用状態にて開口部12を閉状態とするように蓋シール2が接着されている。
蓋シール2は、例えば、開口部12の延在方向(左右方向)に沿うように長尺に形成されている。具体的には、蓋シール2は、包装体本体1に接着されるシール本体(蓋体本体)21と、このシール本体21に貼着される伸縮性部22とを有して構成されている。
【0019】
シール本体21は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂から形成されている。また、シール本体21は、開口部12を十分に覆う大きさを有し、開口部12に対向する部分、すなわち、家庭用薄葉紙Pに対向する部分は粘着層を有さず、その周囲の包装体本体1の上面に接する部分が粘着層を有するように構成されている。また、シール本体21の一端部(例えば、右側端部)には、ユーザにより摘まれる摘み部21aが突出して形成されており、開口部12を閉状態とするように包装体本体1の上面に接着されたシール本体21の摘み部21aをユーザが摘んで一端部側(例えば、右側)から他端部側(例えば、左側)に剥離させていくことで、開口部12を開状態とするようになっている。
【0020】
伸縮性部22は、シール本体21の開口部12と反対側に貼着されている。具体的には、伸縮性部22は、開口部12の延在方向に沿うようにシール本体21に配設されてなり、例えば、シール本体21の開口部12と反対側の略全面に貼着されている。
また、伸縮性部22は、剥離方向(例えば、左右方向)に沿って収縮する伸縮性を有する素材(例えば、ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)から形成されている。具体的には、例えば、ゴム等からなる伸縮性部22を剥離方向に引っ張った状態でシール本体21の開口部12と反対側に貼着することで、剥離方向に沿って収縮する伸縮性を具備させている。
これにより、蓋シール2は、シール本体21と伸縮性部22の二層構造をなし、開口部12側の面(シール本体21)に対して当該開口部12と反対側の面(伸縮性部22)が剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備している。
【0021】
ここで、伸縮性部22の伸縮性の調整は、例えば、当該伸縮性部22の素材やシール本体21に対する貼着時の引張度合等を変更することで行われても良い。
具体的には、伸縮性部22は、後述するように、蓋シール2が包装体本体1の上面に接着された状態(開口部12の閉状態)でほぼ平らな状態が維持されるように、すなわち、蓋シール2(特に、シール本体21)が変形せず、一方、蓋シール2が包装体本体1の上面から剥離された状態(開口部12の開状態)で、当該伸縮性部22の収縮力により蓋シール2の摘み部21aが設けられている先端部側ほど開口部12から離間したような状態が維持される程度の伸縮性を有するのが好ましい。
【0022】
また、蓋シール2は、開口部12を開状態及び閉状態とするように包装体本体1の上面に繰り返し剥離自在に接着されている。
すなわち、蓋シール2は、シール本体21が包装体本体1の上面における開口部12の周縁部に接着されることで、当該開口部12が閉状態となる(
図2(a)参照)。ここで、伸縮性部22の収縮力よりもシール本体21の粘着力の方が相対的に強いため、蓋シール2は包装体本体1の上面にほぼ平らな状態で接着された状態となっている。
そして、シール本体21の摘み部21aをユーザが摘んで一端部側(例えば、右側)から他端部側(例えば、左側)に剥離させていくことで開口部12が開状態となる(
図2(b)参照)。このとき、伸縮性部22の収縮力によって、蓋シール2の包装体本体1からの剥離をより小さな力で行うことができる。さらに、蓋シール2は、伸縮性部22により開口部12側の面に対して当該開口部12と反対側の面が剥離方向に沿ってより収縮することで、右斜め下向きに凸の円弧状に沿った状態となる。つまり、蓋シール2の摘み部21aが設けられている先端部側ほど開口部12から離間したような状態を維持するため、蓋シール2の先端部側が家庭用薄葉紙Pの開口部12を介した取り出しの邪魔になり難くなる。
【0023】
そして、例えば、家庭用薄葉紙Pの使用後に、包装体本体1の上面から剥離された蓋シール2を他端部側(例えば、左側)から一端部側(例えば、右側)に接着していくことで、開口部12を再度閉状態とすることができる。このとき、蓋シール2の摘み部21aが設けられている先端部側ほど開口部12から離間するよう円弧状に沿った状態となっているため、蓋シール2の再度の接着作業を他端部側(例えば、左側)から一端部側(例えば、右側)にかけて気泡やヨレを生じさせることなく滑らかに行うことができる。
【0024】
以上のように、本実施形態の包装体100によれば、蓋シール2が開口部12側の面に対して当該開口部12と反対側の面が剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備するので、包装体本体1から剥離された蓋シール2が家庭用薄葉紙Pの開口部12を介した取り出しの邪魔になり難くすることができる。すなわち、蓋シール2は、開口部12側の面に対して当該開口部12と反対側の面が剥離方向に沿ってより収縮することで当該蓋シール2の先端部(一端部)側ほど開口部12から離間したような状態を維持するため、従来のように本体部分と一部分との境界部分まで剥離させる必要がなくなって、家庭用薄葉紙Pにゴミや埃が付着し難くなり、例えば、ウェットシートであっても水分が蒸発し難くすることができる。これにより、包装体本体1からの蓋シール2の剥離度合を相対的に小さくしても家庭用薄葉紙Pを取り出し易くすることができる。
さらに、包装体本体1から剥離されることで先端部側ほど開口部12から離間するよう円弧状に沿った状態となった蓋シール2の再度の接着作業を、他端部側(例えば、左側)から一端部側(例えば、右側)にかけて気泡やヨレを生じさせることなく滑らかに行うことができ、包装体本体1に繰り返し剥離自在に接着されている蓋シール2を用いて開口部12を開状態及び閉状態とする作業をより容易に行うことができる。
【0025】
また、蓋シール2は、シール本体21と、このシール本体21に貼着され、当該蓋シール2の剥離方向に沿って収縮する伸縮性を有する伸縮性部22とを有している。具体的には、シール本体21は、包装体本体1に接着され、伸縮性部22は、シール本体21の開口部12と反対側に開口部12の延在方向に沿うように貼着されている。これにより、蓋シール2をシール本体21と伸縮性部22の二層構造にするだけで、蓋シール2に開口部12側の面に対して当該開口部12と反対側の面が剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備させることができ、当該蓋シール2をより単純な構成としてコストアップの抑制を図ることができる。
【0026】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
以下に、本発明を適用した包装体100の蓋シール2の変形例について説明する。なお、下記に説明する以外の点は、上記実施形態と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0027】
<変形例1>
図3(a)は、本発明を適用した包装体100の蓋シール2の変形例1を示す斜視図である。
図3(a)に示すように、変形例1の蓋シール2Aは、シール本体21の前後方向略中央部に開口部12の延在方向(左右方向)に沿うように伸縮性部22Aが配設されている。具体的には、シール本体21を前後方向に略三等分して、そのうちの真ん中の部分に伸縮性部22Aが貼着されている。
【0028】
<変形例2>
図3(b)は、本発明を適用した包装体100の蓋シール2の変形例2を示す斜視図である。
図3(b)に示すように、変形例2の蓋シール2Bは、シール本体21の前後方向両縁部に開口部12の延在方向(左右方向)に沿うように伸縮性部22Bがそれぞれ配設されている。具体的には、シール本体21を前後方向に略三等分して、そのうちの前側の部分及び後側の部分に伸縮性部22Bがそれぞれ貼着されている。
【0029】
上記した伸縮性部22A(22B)のシール本体21に対する貼着領域の大きさや貼着位置等は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
すなわち、伸縮性部22A(22B)のシール本体21に対する貼着領域の大きさや貼着位置等は、蓋シール2A(2B)が包装体本体1の上面に接着された状態(開口部12の閉状態)でほぼ平らな状態が維持されるように、一方、蓋シール2A(2B)が包装体本体1の上面から剥離された状態(開口部12の開状態)で、当該伸縮性部22A(22B)の収縮力により蓋シール2A(2B)の先端部側ほど開口部12から離間したような状態が維持されるように調整されていれば良い。
【0030】
したがって、上記変形例1及び変形例2のような構成としても、上記実施形態と略同様に、蓋シール2A(2B)は、開口部12側の面に対して当該開口部12と反対側の面が剥離方向に沿ってより収縮することで当該蓋シール2A(2B)の先端部(一端部)側ほど開口部12から離間したような状態を維持するため、包装体本体1からの蓋シール2A(2B)の剥離度合を相対的に小さくしても家庭用薄葉紙Pを取り出し易くすることができる。
【0031】
また、上記実施形態並びに各変形例にあっては、蓋シール2、2A、2Bをシール本体21と伸縮性部22、22A、22Bの二層構造とするようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、開口部12側の面に対して当該開口部12と反対側の面が剥離方向に沿ってより収縮するように伸縮性を具備する構成であれば蓋シール2の構成は適宜任意に変更可能である。すなわち、例えば、開口部12側の面と当該開口部12と反対側の面とで収縮力を変化させた一層構造の蓋シールであっても良い。
【0032】
さらに、上記実施形態並びに各変形例にあっては、ウェットティシューを包装する包装体100を例示したが、これに限られるものではなく、ウェットシート等の湿性の家庭用薄葉紙Pやティシューペーパー等のその他の家庭用薄葉紙Pを包装する包装体100であっても良い。また、包装体100の形状や素材等は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0033】
加えて、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0034】
100 包装体
1 包装体本体
12 開口部
2、2A、2B 蓋シール(包装体用蓋体)
21 シール本体(蓋体本体)
22、22A、22B 伸縮性部
P 家庭用薄葉紙