(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297890
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】折れ戸
(51)【国際特許分類】
E06B 7/18 20060101AFI20180312BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20180312BHJP
E06B 3/48 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
E06B7/18 A
E06B7/22 M
E06B3/48
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-74777(P2014-74777)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-196976(P2015-196976A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2016年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】井上 聡
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−059867(JP,A)
【文献】
特開平11−350843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/16−7/24
E06B 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸枠と、框及び障子からなり、前記戸枠に支持される複数の戸体とを備えるとともに、隣り合う前記戸体の縦框同士を上下方向に延びる回動軸線周りに回動自在に連結してなる折れ戸であって、
前記戸枠の上枠における前記戸体と対向する室外側を向く面に、前記折れ戸を閉じた状態で前記戸体の上框及び縦框の室内側を向く面に当接する戸当りパッキンが設けられ、
前記戸当りパッキンは、前記戸枠の上枠に該上枠の長手方向に沿う回動軸線周りに回動自在に、且つ前記上枠の長手方向全長に亘って設けられた回動部材に一体に取り付けて構成されており、
折れ戸の開閉動作中は、前記回動部材が前記戸体の挙動に連動して回動し、前記戸当りパッキンが前記上框及び前記縦框に対して離間した状態を保持するように構成されていることを特徴とする折れ戸。
【請求項2】
請求項1記載の折れ戸において、
前記回動部材は、前記上枠内に配置され、前記上枠の長手方向に沿う回動軸線の上方に延びる上側片と、下方に延びる下側片と、を備え、
前記戸当りパッキンは、前記下側片に設けられ、
前記折れ戸の開動作直後、前記戸体が前記下側片を押圧することで前記回動部材が回動し、前記戸当りパッキンが前記戸体から離間し、
前記折れ戸の閉止直前、前記戸体が前記上側片を押圧することで前記回動部材が回動し、前記戸当りパッキンが前記戸体に当接するように構成されていることを特徴とする折れ戸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折れ戸に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の開口部を大きく開いて開放感を得ることができ、建物の快適性、利便性を高めることができるため、例えば住宅のリビングなどに折れ戸を設置するケースが増えている。
【0003】
従来、折れ戸は、アルミ型材を用いて形成され、建物の開口部の周縁に設置される上枠、下枠、一対の縦枠からなる戸枠と、アルミ型材を用いて形成された上框(上桟)、下框(下桟)、一対の縦框(縦桟)からなる方形枠状の框にガラスパネルなどの障子を保持させてなる複数の戸体とを備えて構成されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
また、戸枠の下枠には、下方に凹み、下枠の長手方向、すなわち折れ戸の幅方向に沿って一端部から他端部まで延びるガイドレール(ガイド溝)が形成され、上枠には、上枠の長手方向に沿って一端部から他端部まで延びる吊りレールが形成されている。
【0005】
一方、複数の戸体は、隣り合う戸体の縦框同士が上下方向に延びる回動軸線に回動自在に連結されている。また、このとき、
図5に示すように、折れ戸A(複数の戸体1)を折り畳んで開いた際に建物の開口部よりも外側に配される連結部S1にはアルミ型材の連結框2が設けられ、連結框2にそれぞれ回動自在に連結することにより、この部分の隣り合う戸体1の一方の縦框3同士が回動自在に連結されている。
【0006】
さらに、戸先側などの戸体1の他方の縦框4には、アルミ型材のマリオン5が連結框2と同様に回動自在に連結されている。また、折れ戸Aを折り畳んだ際に建物の開口部上に配されるマリオン5には、下端部から下方に突設されるとともに下枠6のガイドレールに係合し、ガイドレールに案内されて移動するガイドローラーや、上端部から上方に突設されるとともに上枠の吊りレールに係合し、戸体1を吊り下げ支持しつつ吊りレールに案内されて移動する吊車が設けられている。また、吊車は、上下方向T1に延びる回転軸周りに回転自在に戸体1に取り付けられている。
【0007】
これにより、折れ戸Aを折り畳んだ際に建物の開口部上に配される戸体1の縦框4及びマリオン5がそれぞれ、吊りレール及びガイドレールに案内されて戸枠7の上枠や下枠6の長手方向T2に沿ってスライド移動し、折れ戸Aを開閉することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−303494号公報
【特許文献2】特開2006−188909号公報
【特許文献3】特開2006−37424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方、本願の発明者らは、
図6に示すように、戸先などのマリオン5をなくし、戸体1の縦框4に吊車やガイドローラーを設け、この縦框4を直接的に吊りレールやガイドレールに係合させるようにし、折れ戸の部品点数を減らして組立て設置時の施工性の向上、製品コストの削減を図ることを試みた。
【0010】
ここで、従来、戸枠7の上枠8には、折れ戸Aを閉じるとともに、各戸体1の上框の側面、連結框2の上端側の側面2a、マリオン5の上端側の側面が当接して水密性や気密性を確保するための戸当りパッキン9が設けられている。また、この戸当りパッキン9は、例えばゴム等の弾性材を用いた帯板やビードであり、上枠8の室外側を向く面に固設されるとともに上枠8の長手方向T1一端部から他端部まで連続して延設されている。
【0011】
そして、上記のようにマリオン5をなくし、戸体1の縦框4を直接的に戸枠7の上枠8や下枠6の吊りレール、ガイドレールに係合させるように構成すると、折れ戸Aが閉じた状態から開くとき、また、開いた状態から閉じるときに、
図6に示すように縦框4が上下方向T1の材軸周りに回動し、この回動とともに縦框4の一部が室内側などの外側に突出する。
【0012】
このため、戸体1の縦框4を直接的に戸枠7の上枠8や下枠6の吊りレール、ガイドレールに係合させるように構成すると、縦框4の回動に伴い、外側に突出した縦框4の一部が戸当りパッキン9に当たってしまい、折れ戸Aを開閉する度に戸当りパッキン9に縦框4が擦れ、破損するおそれがあった。また、戸当りパッキン9に縦框4が当接して抵抗が発生することで、折れ戸Aを開閉する際に重くなり、大きな開閉力が必要になってスムーズに折れ戸Aを開閉できなくなる。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑み、戸体の縦框を直接的に上枠や下枠にスライド移動可能に係合させて戸体を設置するように構成した場合であっても、戸当りパッキンに縦框が擦れることを防止できる折れ戸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
【0015】
本発明の折れ戸は、戸枠と、框及び障子からなり、前記戸枠に支持される複数の戸体とを備えるとともに、隣り合う前記戸体の縦框同士を上下方向に延びる回動軸線周りに回動自在に連結してなる折れ戸であって、前記戸枠の上枠
における前記戸体と対向する室外側を向く面に、前記折れ戸を閉じた状態で前記戸体の上框
及び縦框の室内側を向く面に当接する戸当りパッキンが設けられ、
前記戸当りパッキンは、前記戸枠の上枠に該上枠の長手方向に沿う回動軸線周りに回動自在に
、且つ前記上枠の長手方向全長に亘って設けられた回動部材に一体に取り付けて構成されて
おり、折れ戸の開閉動作中は、前記回動部材が前記戸体の挙動に連動して回動し、前記戸当りパッキンが前記上框及び前記縦框に対して離間した状態を保持するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の折れ戸においては、
前記回動部材は、前記上枠内に配置され、前記上枠の長手方向に沿う回動軸線の上方に延びる上側片と、下方に延びる下側片と、を備え、前記戸当りパッキンは、前記下側片に設けられ、前記折れ戸の開動作直後、前記戸体が前記下側片を押圧することで前記回動部材が回動し、前記戸当りパッキンが前記戸体から離間し、前記折れ戸の閉止直前、前記戸体が前記上側片を押圧することで前記回動部材が回動し、前記戸当りパッキンが前記戸体に当接するように構成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の折れ戸においては、戸枠の上枠に回動自在に設けられた回動部材に戸当りパッキンを一体に取り付けるようにしたことで、回動部材に従動させて戸当りパッキンを回動軸線周りに回動させることができる。
【0018】
これにより、マリオンをなくし、戸体の縦框を上枠や下枠にスライド移動可能に係合させて折れ戸を構成し、折れ戸の開閉時に縦框の一部が外側に突出する場合であっても、例えば、この縦框が戸当りパッキンに当たるとともに回動部材が回動軸線周りに回動し、戸当りパッキンに大きな力が加わることを防止できる。
【0019】
すなわち、折れ戸の開閉時に、戸体の挙動に応じて戸体の縦框から離れるように回動部材ひいては戸当りパッキンを移動させることができる。これにより、マリオンをなくし、戸体の縦框を上枠や下枠にスライド移動可能に係合させて折れ戸を構成した場合であっても、折れ戸を開閉する度に戸当りパッキンに縦框が擦れることを防止でき、戸当りパッキンが破損するという不都合を回避することができる。また、戸当りパッキンが回動部材とともに回動することで、縦框が当接した際に大きな抵抗が発生しないため、折れ戸が重くならず、通常の開閉力でスムーズに折れ戸を開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係る折れ戸を示す斜視図であり、折れ戸を閉じた状態を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る折れ戸を示す斜視図であり、折れ戸を開いた状態を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る折れ戸を示す縦断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る折れ戸の上部側戸当り構造を示す縦断面図である。
【
図5】従来のマリオンを備えた折れ戸を示す横断面図である。
【
図6】マリオンを設けずに構成した折れ戸を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、
図1から
図5を参照し、本発明の一実施形態に係る折れ戸について説明する。
【0022】
本実施形態の折れ戸Bは、例えば
図1及び
図2に示すように、建物の開口部の内周に設置される戸枠7と、戸枠7に開閉可能に支持される複数の戸体1と、連結框2とを備えて構成されている。
【0023】
戸枠7は、アルミ型材を用いて形成された上枠8、下枠6、一対の縦枠10、11を組み付けて方形枠状の形成されている。
【0024】
また、上枠8は、一端部から他端部まで長手方向(折れ戸の幅方向)T2に延びる吊りレール12を備えて形成されている。下枠6は、一端部から他端部まで長手方向T2に延びるガイドレール(ガイド溝)13を備えて形成されている。
【0025】
複数の戸体1はそれぞれ、アルミ型材を用いて形成された上框(上桟)15、下框(下桟)16、一対の縦框(縦桟)17a、17b、18、19からなる方形枠状の框20にガラスパネル(障子)21を保持させて構成されている。また、これら戸体1は、隣り合う戸体1同士が上下方向T1に延びる回動軸線周りに回動自在に連結されている。
【0026】
さらに、一部の戸体1には、
図3(a)に示すように、縦框18の上端部から上方に吊車22が突設されており、この吊車22を上枠8の吊りレール12に係合させることで、戸体1が吊り下げ支持されて戸枠7内に配設されている。また、吊車22は上下方向T1に延びる回動軸線周りに回動自在に縦框18に取り付けられており、この吊車22が吊りレール12で案内されて走行することにより、戸体1を円滑にスライド移動させることができる。
【0027】
さらに、一部の戸体1には、
図3(a)に示すように、縦框18の下端部から下方に突設してガイドローラー23が設けられており、このガイドローラー23を下枠6のガイドレール13に挿入して係合させることで下端部側が支持されて、戸体1が戸枠7内に配設されている。また、ガイドローラー23が下枠6のガイドレール13に案内されて移動することにより、戸体1を円滑にスライド移動させることができる。
【0028】
また、縦枠10、11に隣接して配設される戸体1の縦框19には、
図3(b)に示すように、上端部から上方に突出するピボット(旋回軸)24が設けられ、このピボット24が上枠8に軸支されている。さらに、一部の戸体1、例えば戸先を形成する戸体1の縦框18などに、下端部から下方に突出可能(上下方向に出没可能)にストッパー部材が設けられている。そして、操作レバーを操作し、ストッパー部材を下方に突出させつつ下枠6に係止させることで、戸体1(折れ戸B)を閉じた状態で固定することができる。
【0029】
また、本実施形態の折れ戸Bにおいては、隣り合う戸体1を連結する連結部S1がヒンジ構造を備え、このヒンジ構造によって互いの縦框17a、17b同士を連結框2を介して連結するように構成されている。
【0030】
なお、連結框2を設けず、隣り合う戸体1の縦框17a、17b同士をヒンジ構造によって直接的に連結するように構成してもよい。さらに、隣り合う戸体1を連結する連結部S1として、連結框2を設けた連結部と、連結框2を設けずに隣り合う戸体1の縦框17a、17b同士をヒンジ構造によって直接的に連結する連結部とを備えて構成してもよい。この場合、例えば、折れ戸Bを開くとともに戸枠7(建物の開口部)から室内側あるいは室外側の外側に配される連結部を、アルミ型材を用いて形成された連結框2を介して戸体1の縦框17a、17b同士を連結するようにし、折れ戸Bの開閉時に常に戸枠7上に配される連結部を、戸体1の縦框17a、17b同士を直接連結するように構成することが好ましい。
【0031】
一方、本実施形態の折れ戸Bにおいては、
図3及び
図4に示すように、戸枠7の上枠8に、複数の戸体1(折れ戸B)を閉じた状態で、各戸体1の上框15の側面15aや連結框2の上端部側の側面2aが当接し、この部分の水密性、気密性を確保するための上部側戸当り構造25が設けられている。
【0032】
本実施形態の上部側戸当り構造25は、上枠8に一体形成され、一端部から他端部まで長手方向T2に延びる軸部26と、この軸部26に、軸部26の回動軸線O1周りに回動自在(揺動自在)に繋げて設けられ、且つ上枠8の一端部から他端部までの長手方向に延びる回動部材27と、上枠8の一端部から他端部までの長手方向T2に延設するように回動部材27に一体に取り付けられたゴム製などの戸当りパッキン28とを備えて構成されている。
【0033】
また、この上部側戸当り構造25は、折れ戸Bを閉じた状態で、戸体1の上框15に戸当りパッキン28が当接するように構成され、且つ、折れ戸Bの開閉動作時に、回動部材27が戸体1の挙動に連動して自動的に回動し、戸当りパッキン28が上框15に対して離間した状態を保持するように構成されている。
【0034】
なお、このように戸体1の挙動に連動させて戸当りパッキン28を上框15に対して当接/離間させる構成としては、折れ戸Bを開閉する際に戸体1が直接戸当りパッキン28や回動部材27を押圧して回動させるようにしたり、戸体1の上框15に突起部を設け、折れ戸Bを開閉する際にこの突起部で戸当りパッキン28や回動部材27を押圧して回動させるようにしたり、戸体1と回動部材27に繋げてバネ部材(弾性部材)を設け、折れ戸Bを開閉する際にバネ部材に生じた付勢力で回動部材27を回動させるなど、適宜手法を用いればよい。
【0035】
さらに、本実施形態の折れ戸Bにおいては、
図3に示すように、戸枠7の下枠6に、複数の戸体1(折れ戸B)を閉じた状態で、各戸体1の下框16の側面16aや連結框2の上端部側の側面2aが当接し、この部分の水密性、気密性を確保するための下部側戸当り構造30が設けられている。
【0036】
本実施形態の下部側戸当り構造30は、下枠6の一端部から他端部までの長手方向T2に延びる軸部31と、軸部31に回動軸線O2周りに回動可能に繋げて設けられ、回動軸線O2を中心とした円弧状に形成された回動部材32と、回動部材32に一体に取り付けられた戸当りパッキン33とを備えて構成されている。
【0037】
また、この下部側戸当り構造30は、折れ戸Bを閉じた状態で、戸体1の下框16に戸当りパッキン33が当接するように構成され、且つ、折れ戸Bの開閉動作時に、回動部材32が戸体1の挙動に連動して自動的に回動し、戸当りパッキン33が下框16に対して離間した状態を保持するように構成されている。
【0038】
そして、本実施形態の折れ戸Bにおいては、折れ戸Bが閉じた状態から開くとき、また、開いた状態から閉じるときに、縦框18、19が上下方向T1の材軸周りに回動し、この回動とともに縦框18、19の一部が室内側などの外側に突出して戸当りパッキン28を押圧すると、上部側戸当り構造25の回動部材27が回動軸線O1周りに回動する。このため、戸当りパッキン28に大きな力が加わることがない。
【0039】
また、複数の戸体1(折れ戸B)を閉じるとともに下部側戸当り構造30の回動部材32が自動的に回動軸線O2周りの正方向に回動し、下枠6の内部から上方に突出する。これとともに、戸体1の下枠6の側面や連結框2の下端部側の側面に下部側戸当り構造30の戸当りパッキン33が当接し、この部分の水密性、気密性が確保される。また、複数の戸体1を開くと、回動部材32が連動して自動的に回動軸線O2周りの逆方向に回動し、下枠6の内部に収容される。
【0040】
したがって、本実施形態の折れ戸Bにおいては、戸枠7の上枠8に回動自在に設けられた回動部材27に戸当りパッキン28を一体に取り付けるようにしたことで、回動部材27に従動させて戸当りパッキン28を回動軸線O1周りに回動させることができる。
【0041】
これにより、マリオン5をなくし、戸体1の縦框18を上枠8や下枠6にスライド移動可能に係合させて折れ戸Bを構成し、折れ戸Bの開閉時に縦框18の一部が外側に突出する場合であっても、例えば、この縦框17が戸当りパッキン28に当たるとともに回動部材27が回動軸線O1周りに回動し、戸当りパッキン28に大きな力が加わることを防止できる。
【0042】
すなわち、折れ戸Bの開閉時に、戸体1の挙動に応じて戸体1の縦框17から離れるように回動部材27ひいては戸当りパッキン28を移動させることができる。これにより、マリオン5をなくし、戸体1の縦框18を上枠8や下枠6にスライド移動可能に係合させて折れ戸Bを構成した場合であっても、折れ戸Bを開閉する度に戸当りパッキン28に縦框18が擦れることを防止でき、戸当りパッキン28が破損するという不都合を回避することができる。また、戸当りパッキン28が回動部材27とともに回動することで、縦框18が当接した際に大きな抵抗が発生しないため、折れ戸Bが重くならず、通常の開閉力でスムーズに折れ戸Bを開閉することができる。
【0043】
以上、本発明に係る折れ戸の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0044】
例えば、本実施形態では、マリオン5を設けずに構成した折れ戸Bに上部側戸当り構造25が設けられているものとして説明を行ったが、マリオン5を備えて構成した折れ戸に対して、軸部26、回動部材27、戸当りパッキン28を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 戸体
2 連結框
3 縦框
4 縦框
5 マリオン
6 下枠
7 戸枠
8 上枠
10 縦枠
11 縦枠
12 吊りレール
13 ガイドレール
15 上框
16 下框
17a 縦框
17b 縦框
18 縦框
19 縦框
20 框
21 ガラスパネル(障子)
22 吊車
23 ガイドローラー
24 ピボット
25 上部側戸当り構造
26 軸部
27 回動部材
28 戸当りパッキン
30 下部側戸当り構造
31 軸部
32 回動部材
33 戸当りパッキン
A 従来の折れ戸
B 折れ戸
O1 回動軸線
O2 回動軸線
S1 隣り合う戸体の連結部
T1 上下方向
T2 長手方向(折れ戸の幅方向)