特許第6297958号(P6297958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297958
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】手持ち式電気器具
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   A45D20/12 K
   A45D20/12 B
【請求項の数】35
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-196286(P2014-196286)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2015-66447(P2015-66447A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2014年9月26日
【審判番号】不服2016-13526(P2016-13526/J1)
【審判請求日】2016年9月9日
(31)【優先権主張番号】1317099.8
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508032310
【氏名又は名称】ダイソン テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ フランソワ アトキンソン
【合議体】
【審判長】 田村 嘉章
【審判官】 井上 哲男
【審判官】 莊司 英史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0111777(US,A1)
【文献】 特開2006−288516(JP,A)
【文献】 特開昭64−72705(JP,A)
【文献】 特開2003−153731(JP,A)
【文献】 実開平3−54166(JP,U)
【文献】 特開平7−155219(JP,A)
【文献】 特開昭60−249907(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D20/12
A45D20/48
A45D20/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘヤケア電気器具であって、
内側壁と該内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドル、
を含み、
前記内側壁は、少なくとも部分的に該内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、
前記外側壁は、前記内側壁の前記穿孔から離間している複数の穿孔を含む、
ことを特徴とする電気器具。
【請求項2】
前記内側壁は、少なくとも部分的に該内側壁の周りに延びる複数の穿孔を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気器具。
【請求項3】
前記外側壁は、少なくとも部分的に該外側壁の周りに延びる複数の穿孔を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気器具。
【請求項4】
前記外側壁は、少なくとも部分的に該外側壁に沿って延びる複数の穿孔を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項5】
前記ハンドルは、第1の端部及び第2の端部を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項6】
前記内側壁は、第1の端部及び第2の端部を含み、該内側壁は、前記ハンドルの第1の端部から該ハンドルの前記第2の端部に向かって延びることを特徴とする請求項5に記載の電気器具。
【請求項7】
前記ハンドルの前記外側壁は、該ハンドルの前記第1の端部から該ハンドルの前記第2の端部に向かって延びることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電気器具。
【請求項8】
前記外側壁は、前記ハンドルの前記第2の端部まで延びることを特徴とする請求項7に記載の電気器具。
【請求項9】
前記外側壁内の穿孔が、前記ハンドルの前記第2の端部に隣接していることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項10】
前記外側壁前記穿孔は、前記ハンドルに沿って前記ハンドルの前記第1の端部に向かって延びることを特徴とする請求項9に記載の電気器具。
【請求項11】
前記外側壁前記穿孔は、前記内側壁前記穿孔から長さ方向に離間していることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項12】
ヘヤケア電気器具であって、
内側壁と該内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドル、
を含み、
前記内側壁は、少なくとも部分的に該内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、
前記外側壁は、前記内側壁の前記穿孔から長さ方向に離間している複数の穿孔を含む、
ことを特徴とする電気器具。
【請求項13】
前記外側壁内に配置され該外側壁前記穿孔を内側から覆って延びるフィルタを含むことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項14】
前記ハンドルは、第1の端部及び第2の端部を含み、前記フィルタは、該ハンドルの該第2の端部から延びることを特徴とする請求項13に記載の電気器具。
【請求項15】
前記内側壁は、第1の端部及び第2の端部を有し、前記フィルタは、前記ハンドルの前記第2の端部から延びて該内側壁の該第2の端部に当接することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の電気器具。
【請求項16】
ヘヤケア電気器具であって、
第1の端部及び第2の端部を有するハンドルと、
第1の端部及び第2の端部を有し、該第1の端部が前記ハンドルの前記第1の端部から延びる内側壁と、
前記内側壁に沿ってかつその周りに延びる、複数の穿孔を含む外側壁と、
を含み、
前記内側壁は、少なくとも部分的に該内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、前記外側壁内に配置されて該外側壁穿孔を内側から覆って延びるフィルタを含み、
前記フィルタは、前記ハンドルの前記第2の端部から延びて前記内側壁の前記第2の端部に当接する、
ことを特徴とする電気器具。
【請求項17】
前記内側壁の前記第2の端部は、湾曲していることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の電気器具。
【請求項18】
前記内側壁は、該内側壁と前記外側壁の間に突出する少なくとも1つの支持リブを含むことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項19】
前記少なくとも1つの支持リブは、前記内側壁に沿って長さ方向に延びることを特徴とする請求項18に記載の電気器具。
【請求項20】
裏張り材料が、前記ハンドルの前記外側壁及び内側壁の間に設けられることを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項21】
前記ハンドルは、ファンユニットを含み、
前記内側壁は、前記ファンユニットを前記ハンドルに収容するためのハウジングを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気器具。
【請求項22】
前記ハウジングは、前記ハンドルの第1の端部と該ハンドルの第2の端部の間にあることを特徴とする請求項21に記載の電気器具。
【請求項23】
前記内側壁は、前記第2の端部と前記ファンユニットのための前記ハウジングとの間に複数の穿孔を含むことを特徴とする請求項22に記載の電気器具。
【請求項24】
前記内側壁は、前記ファンユニットのための前記ハウジングと前記ハンドルの前記第1の端部との間で穿孔されないことを特徴とする請求項22又は請求項23に記載の電気器具。
【請求項25】
前記内側壁は、第1半部及び第2半部から形成されることを特徴とする請求項1から請求項24のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項26】
前記第1半部及び前記第2半部は、互いに接合されて連続内側壁を形成することを特徴とする請求項25に記載の電気器具。
【請求項27】
前記第1半部は、前記内側壁の第1の端部から該内側壁の第2の端部まで延びることを特徴とする請求項25または請求項26に記載の電気器具。
【請求項28】
前記第2半部は、前記内側壁の第1の端部から該内側壁の第2の端部まで延びることを特徴とする請求項25から請求項27のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項29】
前記内側壁の前記第1半部及び前記第2半部は、接続支柱を通じて互いに接続されることを特徴とする請求項25から請求項28のいずれか1項に記載の電気器具。
【請求項30】
前記接続支柱は、前記内側壁のための補強リブであることを特徴とする請求項29に記載の電気器具。
【請求項31】
前記内側壁は、前記ハンドルの前記第2の端部に隣接して複数の穿孔を含む第1の部分と、穿孔されずに前記ファンユニットのための前記ハウジングを含む第2の部分と、該内側壁の該第2の部分から穿孔されていない前記第1の端部に向けて延びる第3の部分とを含むことを特徴とする請求項21に記載の電気器具。
【請求項32】
手持ち式電気器具であって、
内側壁と該内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドル、
を含み、
前記内側壁は、少なくとも部分的に該内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、
前記外側壁は、前記内側壁の前記穿孔から離間している複数の穿孔を含む、
ことを特徴とする電気器具。
【請求項33】
手持ち式電気器具であって、
内側壁と該内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドル、
を含み、
前記内側壁は、少なくとも部分的に該内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、
前記外側壁は、前記内側壁の前記穿孔から長さ方向に離間している複数の穿孔を含む、
ことを特徴とする電気器具。
【請求項34】
手持ち式電気器具であって、
第1の端部及び第2の端部を有するハンドルと、
第1の端部及び第2の端部を有し、該第1の端部が前記ハンドルの前記第1の端部から延びる内側壁と、
前記内側壁に沿ってかつその周りに延びる、複数の穿孔を含む外側壁と、
を含み、
前記内側壁は、少なくとも部分的に該内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、前記外側壁内に配置されて該外側壁の穿孔を内側から覆って延びるフィルタを含み、
前記フィルタは、前記ハンドルの前記第2の端部から延びて前記内側壁の前記第2の端部に当接する、
ことを特徴とする電気器具。
【請求項35】
ヘヤードライヤであることを特徴とする請求項1から請求項34のいずれか1項に記載の電気器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち式電気器具、特に、ヘヤードライヤ又は温風整髪ブラシのようなヘヤケア電気器具に関する。
【背景技術】
【0002】
送風機及び特に温風送風機は、塗料又は毛髪のような物質を乾燥させて表層を清掃し又ははぎ取るような様々な用途に対して使用される。これに加えて、温風整髪ブラシのような温風送風機は、髪を濡れた又は乾いた状態から整髪するのに使用される。
【0003】
一般的に、流体を本体内へ引き込むモーター及びファンが与えられ、流体は、本体から出る前に加熱することができる。モーターは、ほこり又は毛髪のような異物によって損傷し易いので、従来、送風機の流体取入端にフィルタが設けられる。従来、そのような電気器具には、電気器具に取り付けてそこから取り外すことができ、かつ電気器具から出る流体流れの形状及び速度を変更するノズルが備えられる。そのようなノズルは、その時点のユーザの要求に応じて電気器具の流出流れを集束させるか又は流出流れを拡散させるのに使用することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様により、本発明は、内側壁と内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドルを含むヘヤケア電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含む。
【0005】
好ましくは、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁の周りに延びる複数の穿孔を含む。
【0006】
好ましい実施形態において、外側壁は、少なくとも部分的に外側壁の周りに延びる複数の穿孔を含む。好ましくは、外側壁は、少なくとも部分的に外側壁に沿って延びる複数の穿孔を含む。
【0007】
好ましい実施形態において、外側壁内の穿孔は、内側壁内の穿孔から離間している。従って、外側壁内の穿孔と内側壁内の穿孔の間に重なりはない。
【0008】
好ましくは、ハンドルは、第1の端部及び第2の端部を含む。
【0009】
好ましい実施形態において、内側壁は、第1の端部及び第2の端部を含み、内側壁は、ハンドルの第1の端部からハンドルの第2の端部に向かって延びる。
【0010】
好ましくは、ハンドルの外側壁は、ハンドルの第1の端部からハンドルの第2の端部に向かって延びる。好ましい実施形態において、外側壁は、ハンドルの第2の端部まで延びる。
【0011】
好ましくは、外側壁内の穿孔は、ハンドルの第2の端部に隣接している。好ましい実施形態において、外側壁内の穿孔は、ハンドルに沿ってハンドルの第1の端部に向かって延びる。
【0012】
好ましくは、外側壁内の穿孔は、内側壁内の穿孔から長さ方向に離間している。
【0013】
本発明により、内側壁と内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドルを含むヘヤケア電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、外側壁穿孔は、内側壁穿孔から長さ方向に離間している。
【0014】
好ましい実施形態において、電気器具は、外側壁内に配置されて外側壁の穿孔を内側から覆って延びるフィルタを含む。
【0015】
好ましくは、フィルタは、ハンドルの第2の端部から延びる。好ましくは、フィルタは、ハンドルの第2の端部からハンドルの第1の端部に向かって延びる。好ましい実施形態において、フィルタは、ハンドルの第2の端部から延びて内側壁の第2の端部に当接する。
【0016】
本発明は、第1の端部及び第2の端部を有するハンドルと、第1の端部及び第2の端部を有し、その第1の端部がハンドルの第1の端部から延びる内側壁と、内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを含むヘヤケア電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、外側壁内に配置されて外側壁穿孔を内側から覆って延びるフィルタを含み、フィルタは、ハンドルの第2の端部から延びて内側壁の第2の端部に当接する。
【0017】
好ましくは、内側壁の第2の端部は湾曲している。
【0018】
本発明は、第1の端部及び第2の端部を有するハンドルと、第1の端部及び第2の端部を有し、その第1の端部がハンドルの第1の端部から延びる内側壁と、内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを含むヘヤケア電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、内側壁の第2の端部は湾曲している。
【0019】
好ましい実施形態において、内側壁は、内側壁と外側壁の間に突出する少なくとも1つの支持リブを含む。好ましくは、少なくとも1つの支持リブは、内側壁の周りで湾曲している。これに代えて又はこれに加えて、少なくとも1つの支持リブは、内側壁に沿って縦方向に延びる。
【0020】
好ましくは、ハンドルの外側壁と内側壁の間に裏張り材料が設けられる。
【0021】
好ましい実施形態において、外側壁穿孔は、ハンドル内への流体入口を含む。
【0022】
好ましくは、電気器具は、ハンドルに沿って流体入口から延びる流体流路を含み、流体流路は、少なくとも部分的に内側壁によって形成される。
【0023】
好ましい実施形態において、ハンドルは、ファンユニットを含む。好ましくは、内側壁は、ファンユニットをハンドルに収容するためのハウジングを含む。好ましい実施形態において、ハウジングは、ハンドルの第1の端部とハンドルの第2の端部の間にある。
【0024】
好ましくは、ハンドルの第1の端部は、ハンドルの上流端である。好ましい実施形態において、ハンドルの第2の端部は、ハンドルの下流端である。
【0025】
好ましくは、ハンドルの第2の端部は、流体入口を含む。
【0026】
好ましい実施形態において、内側壁は、第2の端部とファンユニットのためのハウジングとの間に複数の穿孔を含む。
【0027】
好ましくは、内側壁は、ファンユニットのためのハウジングとハンドルの第1の端部との間で穿孔されない。
【0028】
好ましい実施形態において、内側壁は、第1半部及び第2半部から形成される。好ましくは、第1半部及び第2半部は、連続内側壁を形成するように互いに接合している。
【0029】
好ましい実施形態において、第1半部は、内側壁の第1の端部から内側壁の第2の端部まで延びる。
【0030】
好ましくは、第2半部は、内側壁の第1の端部から内側壁の第2の端部まで延びる。
【0031】
好ましい実施形態において、内側壁の第1半部及び第2半部は、接続支柱によって互いに接続される。好ましくは、接続支柱は、内側壁のための補強リブである。
【0032】
好ましい実施形態において、内側壁は、ハンドルの第2の端部に隣接し、複数の穿孔を含む第1の部分と、穿孔されず、ファンユニットのためのハウジングを含む第2の部分と、第2の部分ら穿孔されない内側壁の第1の端部に向けて延びる第3の部分とを含む。
【0033】
好ましくは、電気器具は、内側壁と内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドルを含み、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含む。
【0034】
好ましくは、ヘヤケア電気器具は、ヘヤードライヤである。
【0035】
フィルタが、複数の開口の各1つの周りに延びるので、複数の開口を通って流れるあらゆる流体はフィルタを通って流れる。
【0036】
好ましくは、電気器具は外側壁を含み、入口は外側壁にある。開口は、少なくとも部分的に外側壁に沿って延びることが好ましい。
【0037】
好ましくは、外側壁は管状である。開口は、少なくとも部分的に外側壁の周りに延びることが好ましい。
【0038】
好ましくは、フィルタは、発泡体ブロックである。フィルタは、円筒形であることが好ましい。
【0039】
入口は、第2の端部から第1の端部に向けて延びることが好ましい。
【0040】
好ましくは、フィルタは、入口よりも第2の端部からより遠くに延びる。
【0041】
好ましい実施形態において、電気器具は、第2の端部に外側壁を横切って延びる端壁を含む。好ましくは、端壁は複数の開口を含み、好ましくは、複数の開口は、端壁を通って延びる。端壁を通って延びる開口は、電気器具内への流体入口の一部を形成することが好ましい。
【0042】
好ましくは、フィルタは、端壁を通る複数の開口の周りに延びる。フィルタは、端壁を横切って延びることが好ましい。
【0043】
好ましくは、電気器具は、電力ケーブルを含み、電力ケーブルは、端壁を通って電気器具に入る。フィルタは、電力ケーブルを収納するための開口部を含むことが好ましい。好ましくは、端壁内の複数の開口は、開口部から離間している。フィルタは、電力ケーブルに当接することが好ましい。
【0044】
好ましくは、電気器具は、入口と、出口と、入口から出口まで流れる流体流路と、フィルタとを含み、入口は複数の開口を含み、フィルタは、複数の開口の各々の周りに延びる。
【0045】
好ましくは、ヘヤケア電気器具はヘヤードライヤである。
【0046】
好ましくは、複数の開口は、電気器具内への流体入口を含む。
【0047】
好ましい実施形態において、端壁は可撓性である。好ましくは、端壁はプラスチック材料から作られる。プラスチック材料は、ポリプロピレン又はアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)の一方であることが好ましい。
【0048】
好ましくは、端壁は、リムと、リムから半径方向内向きに延びるリップとを含む。リップは、リムからの延長部によってリムから離間することが好ましい。好ましくは、1対のリップが設けられる。電気器具は、リップを収納する凹部を含むことが好ましい。好ましくは、凹部は、ハンドルの内面に形成される。1対の凹部を設けることが好ましい。
【0049】
好ましくは、ハンドルは、取外可能フィルタを更に含む。取外可能フィルタは、洗浄可能であることが好ましい。好ましくは、フィルタは、端壁をハンドルから取り外した時に取外可能である。
【0050】
好ましい実施形態において、電気器具は、フィルタに対して保持されたフィルタ台を含む。好ましくは、フィルタ台は、フィルタを超えて延び、ハンドルからフィルタを引出すアクセスを提供する。
【0051】
ハンドルは、外部からアクセス可能な外面とハンドルの内部区域を定める内面とを有する外側壁を有することが好ましい。好ましくは、端壁は、外側壁を半径方向に横切って延びる。端壁は、外側壁の外径に適合することが好ましい。これに代えて、端壁の直径は壁よりも大きい。端壁は、少なくとも部分的に端壁の外周囲の周りに外向きに延びる外側リップを含むことが好ましい。
【0052】
好ましくは、端壁は、端壁の内側リムによって形成される更に別の開口を含む。更に別の開口は、端壁の中心に配置することが好ましい。
【0053】
好ましい実施形態において、電気器具は、電源から電気器具へ電力を供給するための電力ケーブルを含み、電力ケーブルは、更に別の開口を通って延びる。好ましくは、電力ケーブルは、ハウジング内に位置付けられ、ハウジングの周りで半径方向に延びる。
【0054】
ハウジングは、ハウジングの周りで半径方向に延びる凹部を含むことが好ましい。好ましくは、更に別の開口は、内側リムから半径方向内向きに延びるリップを含み、リップは、凹部と協働するようになっている。
【0055】
端壁は、端壁がハンドルから取り外された時に電力ケーブル上に保持されることが好ましい。
【0056】
好ましい実施形態において、電気器具は、流体を電気器具内に引き込むためのファンユニットを含む。好ましくは、ファンユニットは、端壁を通して流体を引き込む。ファンユニットは、ハンドルにあることが好ましい。
【0057】
好ましくは、ハンドルの第2の端部は、ハンドルの周りで少なくとも部分的に半径方向にかつ第2の端部からハンドルに沿って延びる複数の開口を含む。
【0058】
好ましくは、電気器具は、本体と、本体に接続された第1の端部及び第1の端部に対して遠位の第2の端部を有するハンドルと、ハンドルの第2の端部でハンドルを横切って延びる端壁とを含み、端壁は、ハンドルから取外可能である。
【0059】
別の態様により、本発明は、内側壁と内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドルを含む手持ち式電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含む。
【0060】
本発明は、内側壁と内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを有するハンドルを含む手持ち式電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、外側壁内の穿孔は、内側壁内の穿孔から縦方向に離間している。
【0061】
本発明は、第1の端部及び第2の端部を有するハンドルと、第1の端部及び第2の端部を有し、その第1の端部がハンドルの第1の端部から延びる内側壁と、内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを含む手持ち式電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、外側壁内に配置されて外側壁の穿孔を内側から覆って延びるフィルタを含み、フィルタは、ハンドルの第2の端部から延びて内側壁の第2の端部に当接する。
【0062】
本発明は、第1の端部及び第2の端部を有するハンドルと、第1の端部及び第2の端部を有し、その第1の端部がハンドルの第1の端部から延びる内側壁と、内側壁に沿ってかつその周りに延びる外側壁とを含む手持ち式電気器具を提供し、内側壁は、少なくとも部分的に内側壁に沿って延びる複数の穿孔を含み、内側壁の第2の端部は湾曲している。
【0063】
ここで、添付図面を参照して本発明を一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明による電気器具の斜視図である。
図2図1の電気器具を通る断面図である。
図3a】入口を分解した電気器具の異なる図である。
図3b】入口を分解した電気器具の異なる図である。
図3c】入口を分解した電気器具の異なる図である。
図4】本発明による電気器具の分解斜視図である。
図5】異なるハンドル部の分解側面図である。
図6】内側ハンドルの斜視図である。
図7】組み立てた内側ハンドルを示す図である。
図8】入口の傾斜図である。
図9図8の入口を取外可能部分を取り外して示す図である。
図10】フィルタブロック及び取外可能部分の平面図である。
図11】代わりの内側壁の等角投影図である。
図12図11の内側壁を組み立てて示す図である。
図13a】代わりの電気器具の等角投影図である。
図13b図13aの電気器具を取外可能部分なしに示す図である。
図14a図13aの代わりの電気器具を入口を分解して示す図である。
図14b図14aの取外可能部分をより詳しく示す図である。
図14c図14aのフィルタ台をより詳しく示す図である。
図15図13aの代わりの電気器具の入口を通る断面図である。
図16a図15の断面図をより詳しく示す図である。
図16b図15の断面図をより詳しく示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図1及び図2は、ハンドル20と本体30とを含むヘヤードライヤ10を示している。ハンドルは、本体30に接続された第1の端部22と、本体30から遠位であり、かつ主流体入口40を含む第2の端部24とを有する。ヘヤードライヤ10には、ケーブル50を通して電力が供給される。
【0066】
本体30は、第1の端部32及び第2の端部34を有し、かつ2つの部分を有すると考えられる。第1の端部32から延びる第1部36は、ほぼ管状であり、第2の端部34から延びる第2部38は、第1部36に接合している。第2部38は、円錐形であり、本体30の第1部36の直径から本体の第2の端部34のより小さい直径へと、直径がその長さに沿って変化している。この例では、第2部38は、一定の勾配を有し、本体30の第1部36の外側壁360に対する角度αは、約40°である。
【0067】
ハンドル20は、本体30からハンドルの遠位端24まで延びる外側壁200を有する。ハンドルの遠位端24で、外側壁200を横切って端壁210が延びる。端壁210を貫通してケーブル50がハンドドライヤー内に入っている。ハンドル20の主流体入口40は、ハンドルの外側壁200の周りにかつそれに沿って延びる第1の開口42と、ハンドル20の端壁210を横切ってかつそれを通って延びる第2の開口46とを有する。ケーブル50は、端壁210のほぼ中央に位置付けられ、ハンドル20の中心から延びる。端壁210は、ハンドルの外側壁200及び内側壁220と直交している。
【0068】
ケーブル50は、ハンドル20の中心から延びることが好ましく、こうすれば、ユーザが手に有するハンドル20の向きに関係なくヘヤードライヤが平衡を保つ。同じく、ユーザがハンドル20上で彼ら/彼女らの手の位置を変えても、移動した手の位置に対するケーブルの位置は変わらないので、ケーブル50からの引っ張りはないことになる。仮にケーブルがオフセットしてハンドルの一方の側面により近くなれば、ヘヤードライヤの重量分布が向きに応じて変化し、ユーザの気がそらされる。
【0069】
主流体入口40の上流にはファンユニット70が設けられる。ファンユニット70はファン及びモーターを含む。ファンユニット70は主流体入口40を通して流体を引き込み、流体は、主流体入口40から本体30まで流れる流体流路400を通って本体30に向かい、ハンドル20と本体30との接合部90で本体30に入る。流体流路400は、本体の第2の端部34に向かい加熱器80を取り囲み主流体出口440へ至るように本体30を通って続き、ファンユニットが引き込んだ流体は、主流体出口で主流体流路400から出る。主流体流路400は、非直線状であり、ハンドル20を第1の方向に通り、本体30を第1の方向と直交する第2の方向に通って延びる。
【0070】
本体30は、外側壁360及び内側ダクト310を含む。主流体流路400は、ハンドル20と本体30との接合部90から外側壁360とダクト310との間を本体30の第2の端部34にある主流体出口440へ向けて本体に沿って延びる。
【0071】
本体には別の流体流路が設けられ、この流れは、ファンユニット又は加熱器によって直接処理されず、ファンユニットの作用によってヘヤードライヤ内へ引き込まれ、ヘヤードライヤを通る主流れを生成する。この流体流れは、主流体流路400を通って流れる流体によってヘヤードライヤ内へ同伴される。
【0072】
本体の第1の端部32は流体入口320を含み、本体の第2の端部34は流体出口340を含む。流体入口320及び流体出口340は両方とも、本体30の内側壁であって本体内でかつ本体に沿って延びる内側ダクト310によって少なくとも部分的に形成される。流体流路300は、ダクト内で流体入口320から流体出口340まで延びる。本体30の第1の端部32で、外側壁360と内側ダクト310の間に側壁350が延びる。この側壁350は、流体入口320を少なくとも部分的に形成する。本体の第2の端部34では、外側壁360とダクトの間に間隙が設けられ、この間隙は主流体出口440を形成している。主流体出口440は、環状であって流体流路を取り囲んでいる。主流体出口440は内部にあることができ、そうすれば主流体流路400は、本体30内で流体流路300と合流する。これに代えて、主流体出口440は、外部にあって流体出口340で流体流路300から出る流体とは別々に本体30から出る。
【0073】
本体の外側壁360は、ダクト310及び本体30の中心線A−Aに向けて収束する。ダクト310に向けて収束する外側壁360を有することにより、主流体出口440から出る主流れが本体30の中心線A−Aに向けて誘導される利点がある。流体が主流体出口440から出ると、この流体の運動に起因して、ヘヤードライヤの外側から一部の流体の外部同伴490が生じる。この効果は、ダクト310に向けて収束する外側壁360によって強められる。効果が強まるのは、部分的には、主流れが発散ではなく集束するからであり、かつ部分的には、本体30の外側壁360がヘヤードライヤの第2の端部34に向けて傾斜しているからである。
【0074】
ダクト310は、ヘヤードライヤの外側からアクセス可能なヘヤードライヤの内部壁である。従って、ダクト310は、ヘヤードライヤの外部壁である。ダクト310は、本体30内の凹部に置かれるので、外側壁360とダクト310との間を接続する側壁350は、外側壁360に対して角度を成している。
【0075】
本体30内で側壁350及び流体入口320の近くに、ヘヤードライヤのための制御電子機器を含むPCB75が位置付けられる。PCB75は、リング形状を有してダクト310と外側壁360との間でダクト310の周りに延びる。PCB75は主流体流路400と流体連通している。PCB75は、流体流路300の周りに延びかつダクト310によって流体流路300から隔離される。
【0076】
PCB75は、加熱器80の温度及びファンユニット70の回転速度のようなパラメータを制御する。内部配線(図示しない)が、PCB75を加熱器80及びファンユニット70及びケーブル50へ電気的に接続している。制御ボタン62、64が設けられてPCB75に接続され、ユーザが、例えば、温度設定値及び流量の範囲を選択することができるようになっている。
【0077】
使用時に、流体は、ファンユニット70の作用によって主流体流路400内へ引き込まれ、任意的に加熱器80によって加熱され、主流体出口440から出る。この処理された流れは、流体入口320で流体を流体流路300内へ同伴される。流体は、処理された流れと本体の第2の端部34で合流する。図2に示す例では、処理された流れが主流体出口440及びヘヤードライヤから出るのは、同伴された流れを取り囲む環状流れが流体出口340を通ってヘヤードライヤから出る時である。従って、ファンユニット及び加熱器によって処理された流体は、同伴された流れによって増強される。
【0078】
図3a、図3b、及び図3cは、ヘヤードライヤ10の主流体入口40の斜視分解組立図をより詳しく示している。電気器具10は、本体30及びハンドル20を含む。ハンドル20は管状であり、ハンドル20の外側壁200は、アルミニウム、アルミニウム合金、又は鋼のような金属の板を巻いて作られた円筒形スリーブである。
【0079】
ハンドルは、第1の端部22で本体30に接続し、遠位の第2の端部24には主流体入口40が設けられる。主流体入口40は、主流体流路400に入る流体を濾過する第1の手段である。
【0080】
使用時にハンドル20の第2の端部24に挿入される発泡体ブロック48が設けられる。発泡体ブロック48は、主流体入口40を通って主流体流路400内へ流れる流体を濾過する第2の手段である。発泡体ブロック48は、主流体入口40を超えて更にハンドルの第1の端部22に向けて延びることが有利であり、そうすれば主流体入口40に入った流体は発泡体ブロック48を通過し、二段階に濾過されるからである。
【0081】
図示の発泡体ブロック48は円筒形であり、ハンドル20内で実質的に主流体入口40のその区域を充填する。それによってハンドルの周りにかつそれに沿って延びる第1の開口42を通って主流体入口に入る全ての流体、及び端壁210を横切ってかつそれを通って延びる第2の開口46を通って入る流体は、この濾過の第2段階を確実に通過する。発泡体ブロック48は、ハンドル20の第2の端部24から主流体入口40の第1の開口42よりも遠くまで長さ方向に延びる。
【0082】
主流体入口40が、専らハンドル20の外側壁の周りにかつそれに沿って(42)延びていれば、発泡体ブロック48は、リングに形成されハンドル20の外側壁200の内面を背にして位置する矩形のブロックを含むことができる。端壁210を通ってハンドル20に入る流体はないので、ハンドル20の端壁210を覆う必要はない。
【0083】
図4は本発明による電気器具の分解斜視図を示し、図5は異なるハンドル部の分解側面図を示し、図6は内側ハンドルの斜視図を示し、図7は組み立てた内側ハンドルを示している。
【0084】
ハンドル20は、外側壁200と、ハンドル20を通る主流体流路400を少なくとも部分的に形成する内側壁220とを有する。内側壁220は、本体30から下流端220aへ至り、ハンドル20の第2の端部24に向けて延びるが、それは、主流体入口40の一部を形成する第1の開口42ほど遠くには延びない。内側壁220は、下流端220aで発泡体ブロック48に当接している。内側壁220は、主流体入口40の第1の開口42から離間している。
【0085】
内側壁220は、主流体流路400の断面積が変化している部分の周りに流体流れを案内するような形状を有する。例えば、内側壁220の下流端220aで、内側壁は、主流体流路400に沿って外側壁200から半径方向内向きに湾曲している。この湾曲部分228は、フィルタブロック48から出る流体を内側壁220内に案内し、内側壁220の直径は、内側壁220と外側壁200の間に位置する裏張り材料222を収納するために外側壁200の直径と比べて減少している。裏張り材料222は、ファンユニット70が流体をハンドル20内に引き込む時に発生するノイズを少なくとも軽減する(消音効果を有する)発泡体又はフェルトである。明確化のために、裏張り材料222は、内側壁220の一部の周りだけに示されている。実際には、裏張り材料222は、補強リブ226によって形成される内側壁220の各八分円を実質的に充填している。裏張り材料222と主流体流路400を流れる流体とを接触させ、それによってノイズを軽減するために、内側壁220は、その周りにかつ長さ方向の少なくとも一部に沿って延びる穿孔224を含む。内側壁220が主流体入口40の第1の開口42を覆うように延びないので、内側壁220内の各穿孔224は、主流体入口40の第1の開口42から長さ方向に離間している。
【0086】
本体30の外側壁360とハンドル20の内側壁220の第1部220cとは、単一部分として成形される。内側壁220の第2部220bは、第1部220cと共に、外側壁200の内側の周りに延びる連続内側壁220を形成している。内側壁220は、本体からハンドルの主流体入口40に向けて延びる。この例では、内側壁220は、ハンドル20の外側壁200の主流体入口40と重なっていない。内側壁220の端部220aとハンドル20の端壁210との間には、発泡体ブロック48がある。
【0087】
外側壁200に沿ってかつその周りに延びる第1の開口42は、外側壁200の形成の元になる金属板から機械加工、穴開け、又はレーザ切断される。外側壁200は、内側ハンドル220の上を摺動し、完成品を形成する。
【0088】
特に図8図9、及び図10を参照すると、主流体入口40は、毛髪及び非液体ヘヤケア製品(例えば、ムース及びワックス)が主流体流路400に入るのを防止するように意図している。主流体入口40の外部面は、毛髪、繊維、及び埃を除去するために拭うことができ、主流体入口40の第1の開口42の障害物を取り除く。発泡体ブロック48は、網目状の発泡体ブロックであることが好ましく、進入した毛髪及び空気が運んだ粒子が主流体流路400に入るのを防止するように意図している。清掃又は交換のために発泡体ブロック48へ外部からアクセスすることは可能ではないので、主流体入口40は取外可能部分44を含み、この取外可能部分44は、取り外された時に、清掃又は交換のためにユーザが発泡体ブロック48を外側壁200の内側から取外可能である。
【0089】
取外可能部分44は、ハンドル20の端壁210を含み、かつリップ440を含む外部リム430を有し、リップ440は、ハンドルの外側壁200の端部200aにわたってかつ外側壁200の少なくとも半径を横切って延びる。また、取外可能部分44は、ハンドル20への主流体入口40の一部を形成する第2の開口46を含む。
【0090】
この例において、リップ440は、ハンドル20の外側壁200を超えて延び、それによってユーザはリップ440で握って端壁110をハンドルの端部200aから剥がすことができる。取外可能部分44は、プラスチック又はゴムのような可撓性材料から作られ、それによってハンドル20の遠位端24をオン及びオフに操作することができる。
【0091】
また、取外可能部分44は内側部分402を含み、この内側部分402は、ハンドルの第2の端部24に取り付けられた時に外側壁200の内側に延び、それによって主流体入口40の2つの部分42、44間が確実に良好に密封される。
【0092】
更に、取外可能部分44は、ハンドル20内に入る電力ケーブル50が通る更に別の開口406を含む。更に別の開口406は、取外可能部分44の中心にある。電力ケーブル50はハンドル20へ固定されるので、主流体入口40の取外可能部分44がハンドルの24から除去された時に、取外可能部分44は、電力ケーブル50上に残ったままになる。これらは、洗浄又は交換のために発泡体ブロック48が除去される時に、取外可能部分44をうっかり間違った場所に置けないことを意味する。取外可能部分44をハンドルの端部24へ戻すために、人は、取外可能部分44を電力ケーブル50に沿って引っ張り、その後、取外可能部分44をハンドルの端部24内へ押すだけでよい。
【0093】
発泡体ブロック48は円筒形であり、電力ケーブル50を収納するための中心開口48a(図3及び図10)を含む。電力ケーブル50から発泡体ブロック48を除去するために、発泡体ブロック48を厚み方向に通ってスリット148が設けられる。発泡体ブロック48は、スリット148で引っ張って離すのに十分な可撓性があり、それによって発泡体ブロック48を電力ケーブル50の周囲から除去することができる。
【0094】
取外可能部分44に形成された第2の開口46を通って主流体入口40に入る全ての流体を発泡体ブロック48に流通させることによって確実に濾過するように、各第2の開口46は、取外可能部分44に形成された更に別の開口406から離間している。発泡体ブロック48の中心開口48aの直径は、第2の開口46の最も内側の列46aと取外可能部分44の更に別の開口406との間の2倍を加えた取外可能部分44の更に別の開口406の直径よりも小さい。こうすれば、発泡体ブロック48は、全ての第2の開口46と確実に重なる。
【0095】
取外可能部分44は、可撓性であるので電力ケーブル50の外縁の周りを密封し、それによって流体が主流体入口40を通過せずに流体流路に入ることが防止される。
【0096】
特に図4から図7を参照すると、内側壁220は、いくつかの異なる機能を有する。1つの機能は、ハンドル20内に配置された裏張り材料222を区切ることである。内側壁220は、裏張り材料222を外側壁200に向けて押して圧壊し、それによって主流体流路400が確実に裏張り材料222によって制約されなくなる。明確化の理由で、裏張り材料222は、内側壁220の一部だけに沿ってかつその周りに示されているが、実際には、それは、ハンドル20の外側壁200と内側壁220の間で実質的に連続している。裏張り材料222は、発泡体又はフェルトであり、ハンドル20のための音響障壁及び熱障壁を提供する。
【0097】
内側壁220の別の機能は、ファンユニット70が内部に配置されるハウジング230を提供することである。ハウジング230は、円筒形であり、かつその各端部に配置されてハンドル20内でファンユニット70の位置を保つ内向きに突出する出っ張り232、234を有する。ファンユニット70は、主流体入口40内へかつ主流体流路400に沿って本体30まで流体を引き込む。この過程で発生するノイズ及び振動は、裏張り材料によって部分的に軽減されるが、外側壁200及び内側壁220に沿ってかつその周りに設けられた穿孔224の形状によっても軽減される。
【0098】
内側壁220は、その外径の周りで螺旋状になった補強リブ226を含む。補強リブ226は、ヘヤードライヤ10を落とすか又はぶつけた時のために、ハンドル20のための構造的な支持を提供する。この実施形態において、裏張り材料222は、各補強リブ226の間に適合する部分に切り分けられるが、裏張り材料は、連続部分として設けることもできるであろう。組み立て、ノイズ及び振動の緩和、並びに補強リブ226の有効性の観点から、両方の選択肢には長所及び短所がある。
【0099】
更に、長さ方向の補強リブが接続支柱236の形態で設けられる。接続支柱は、内側壁220の第1半部220c及び第2半部220bの協働する縁部に沿って長さ方向に延びる。接続支柱は2つの機能を有し、一方は、内側壁220を補強することであり、他方は、内側壁の第1半部220cと第2半部220bの間に確実な接続を提供することである。
【0100】
補強リブの使用は、同じ強度のハンドルに対して内側壁220を薄くすることができ、それによって製品の重量が減少することを意味する。また、各穿孔224は、他の利益をもたらすことに加えて、内側壁220の重量を低減する。
【0101】
内側壁220は、2つの部分、すなわち、本体30の外側壁360から延びかつこれと一体的に成形される第1半部220cと、個別に成形される第2半部220bとから作られる。こうすれば、ワンピース内側壁に比べて、ハンドル内のファンユニット70の組立てが容易になる。
【0102】
内側壁250の代わりの配置が図11及び図12に示されている。内側壁250は、2つの部分、すなわち、本体30と一体的に成形される第1半部250aと、第1半部250aと接合して完全な内側壁250を形成する第2半部250bとから形成される。
【0103】
内側壁250は、本体30に接続された第1の端部252から本体30から離れた第2の端部254まで延びる。第2の端部254及びファンユニットハウジング230への行程に沿った延長部において、内側壁250の周りに複数の穿孔256が形成され、これが内側壁の第1の部分260を形成している。内側壁の第2の部分262は、ファンユニット70のためのファンユニットハウジング230を含む。大きい開口258が、接続支柱266によって2つに分割される。接続支柱266は2つの主な機能を有し、第1の機能は、内側壁250の第1半部250aと第2半部250bの間に接続を提供することである。内側壁の第3の部分264は、ファンユニットハウジング230の上端から内側壁の第1の端部252まで延びる。内側壁250の第3の部分264には、開口又は穿孔がない
【0104】
内側ハンドル250の第1の部分260に沿って裏張り材料270が設けられる。明確化のために、内側壁の第1半部250a上にある裏張り材料270だけが示されているが、使用時に、裏張り材料270は、内側壁250の第1の部分260の周りの全体に延びる。この裏張り材料270は、2つの部分として設けられ、内側壁の第1半部250aに関連して設けたもの、及び第2半部250bに関連して設けたものである。
【0105】
裏張り材料270は、ファンユニット70の作用によって流体が主流体入口40内へ引き込まれる時に発生するノイズを低減するために設けられる。裏張り材料270は、主流体流路400を流れる流体に直接に露出される時に最も効果がある。しかし、発泡体ブロック48によって濾過された後の流体流れが流路で内側壁250まで運ばれている場所では、流れ誘導面の背後に裏張り材料270を配置することが有益である。内側壁250の第2の端部254は、流体がフィルタブロック48から主流体流路400に移動する時に、この流体のための滑らかな面を提供するような形状の湾曲部分258である。
【0106】
内側壁220の各穿孔256の直径は、ノイズを最も有効に軽減するように選択される。適切な直径は、1mmから10mmであり、小さい直径は良好な音響パワーを得る(人間の主な音響範囲にわたる音を低減する)のに適し、大きい直径は高周波の軽減に適している。穿孔は、内側壁220、250の面積の少なくとも40%を形成することが好ましい。
【0107】
内側壁220、250の背後に配置された裏張り材料222を有することにより、裏張り材料222を主流体流路に露出するように向ける時に比べて、人が使用することができる裏張り材料の厚みがより大きくなる。これが可能になるのは、主流体流路400の直径が、ハンドル20の内側壁220、250と外側壁200の間の間隙に裏張り材料222を押し潰す内側壁220、250によって決定されるからである。
【0108】
図13aから図16は、代わりの取外可能部分244の様々な図である。この取外可能部分244は、外側壁の端部220a上に押し込まれる剛性プラスチック材料から作られる。取外可能部分244は、ハンドル20への主流体入口40の一部を形成する第2の開口46を含む端面246を有する。取外可能部分244は、ほぼ「U」形状を有して指グリップ302を含む外側リム300を有する。指グリップ302は、原則的に凹部であり、凹部は、例えば、指の爪又は硬貨のための手掛かりを与えるためにリム300への行程の一部に延び、手掛かりは、取外可能部分244をてこ作用でハンドル20の端部200aから外すのに利用される。
【0109】
2つの半径方向に対向する指グリップ302(図14b、図16)を設けることができる。こうすれば、取外可能部分244をハンドル20及び電力ケーブル50によって形成される縦軸線に沿って引っ張ることができるので、取外し作業が容易になる。
【0110】
この取外可能部分244は、外側リム300でハンドル20の端部220aに当接し、かつ1対の弾性クリップ308によってハンドルの20の端部で所定位置に固定される。各弾性クリップ308は「L」形状を有し、取外可能部分244の内側リム304から上方の延長部208aを有する。内側リム304は、ハンドル20に入る電力ケーブル50が通る取外可能部分の中心開口306を形成する。内側リム304から上方に離れた延長部208aの遠位端に、弾性クリップ308はリップ308bを有し、このリップ308bは、内側リム304から半径方向内向きに取外可能部分244の中心開口306によって形成される空間内まで延びる。
【0111】
電力ケーブル50は、ハンドル20内で電力ケーブル50の周りに延びるハウジング52に収容される。ハウジングは、弾性クリップ308を保持するようになった円形凹部54を含む。取外可能部分244がハンドル20の端部220aに挿入された時に、弾性クリップ308のリップ308bは、取外可能部分244がその取付け位置になるまでハウジング52によって半径方向外向きに押され、取付け位置でリップ308bが円形凹部54内に移動して取外可能部分244を所定位置に保持する。
【0112】
取外可能部分244を取り外すために、人は、十分な力で指グリップ302を引っ張るだけでよく、それによって弾性クリップ308のリップ308bは、円形凹部54から飛び出すほど十分に撓む。
【0113】
ハウジング52内の凹部は円形である必要はなく、これに代えて、それは、1対のリップ308bを収容する大きさ及び間隔の1対の凹部とすることができる。1対の凹部は、ハウジング52及び従ってハンドル20に対する取外可能部分244の向きを制御することができるので有利である。
【0114】
1対の指グリップ302を用いて指グリップ302及び弾性クリップ308の対を形成し、取外可能部分244の周りに半径方向で同じ位置に位置付けすることが好ましい。これは、弾性クリップ308に加わるいずれの力も、取外可能部分244を横切って関連する弾性クリップ308へ直接に伝達されることを意味する。
【0115】
図13b、図14a、及び図14cを参照すると、ハンドル20の内部からのフィルタブロック48の取り出しを容易にするためにフィルタ台480を設けることができる。フィルタ台480は、いくつかのリブ482を有し、リブ482は、フィルタブロックの中心開口48aによって形成されるフィルタブロック48の内面48bでフィルタブロック48の長さに沿って延びる(図3b、図10、及び図14b)。リブ482は、その半径方向外向きにフィルタブロック48の材料内まで延びる保持特徴部484を含む。保持特徴部484は、この例では矢印形状を有するが、他の形状を使用することができる。フィルタ台の下流端480aに1対の下向きに延びるラグ486が設けられる。フィルタ48及びフィルタ台480がハンドル20内に位置付けられると、これらの下向きに延びるラグ486は、外部からアクセス可能であるので(図13b)、握ってハンドルの端部200aから下向きに引っ張ることができ、それによってフィルタブロック48をハンドル20から引っ張り出す。
【0116】
ハンドル20の外側壁200は、圧延金属シートから作られるものとして説明したが、代わりの製造方法及び材料を使用することができ、これらは、以下に限定されるものではないが、押出し管及びプラスチック押出し/成形管、又は炭素繊維強化プラスチックのような複合管を含む。
【0117】
本発明は、ヘヤードライヤに関して詳しく説明したが、それは、流体を引き込み、電気器具からその流体の流出流れを誘導するあらゆる電気器具に適用可能である。
【0118】
電気器具は、加熱器と共に又は加熱器なしで使用することができ、高速での流体の流出流れの作用は、乾燥効果を有する。
【0119】
電気器具を通って流れる流体は、一般的に空気であるが、1つ又は複数の気体の異なる組合せとすることができ、かつ電気器具の性能又は例えば毛髪及びその毛髪の整髪に出力が向けられる物体に対して電気器具が有する影響を改善する添加物を含むことができる。
【0120】
本発明は、上述の詳しい説明に限定されない。変形は、当業者に明らかであろう。
【符号の説明】
【0121】
220c 内側壁の第1半部
222 裏張り材料
224 穿孔
230 ハウジング
236 接続支柱
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13a
図13b
図14a
図14b
図14c
図15
図16a
図16b