【実施例】
【0012】
比較例1
4℃でpH5.2のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
乳酸でpHを5.2に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液に、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス株由来の16.300nkat/gの活性を有するトランスグルタミナーゼ(Activa(登録商標)TG、味の素)を274nkat/gの活性で溶かした。酵素活性を7日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日7に、トランスグルタミナーゼの活性の50%だけが残っていた。7日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0013】
比較例2
4℃でpH5.2の水中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標)TG(味の素)
乳酸で調整したpH5.2を有する水にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を274nkat/gの活性で溶かした。懸濁液は0.7%の安息香酸Naをも保存料として含有した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の43%だけが残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0014】
実施例1
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
乳酸で調整したpH4.6を有する50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を274nkat/gの活性で溶かした。
酵素活性を7日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日7に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。7日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0015】
実施例2
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
乳酸で調整したpH4.6を有する50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を326nkat/gの活性で溶かした。懸濁液は0.7%の安息香酸Naをも保存料として含有した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0016】
実施例3
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG-YG(味の素)
乳酸で調整したpH4.6を有する50%グリセロール-水(w/w)懸濁液に、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス株由来のトランスグルタミナーゼとグルタチオンを含有する味の素のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標)TG-YGを溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0017】
実施例4
4℃でpH4.4のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
pHを乳酸でpH4.4に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を274nkat/gの活性で溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0018】
実施例5
4℃でpH4.8のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
pHを乳酸でpH4.8に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を274nkat/gの活性で溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0019】
実施例6
4℃でpH5.1のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
pHを4℃にて乳酸でpH5.1に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を274nkat/gの活性で溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0020】
実施例7
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Saprona TG(Yiming Biological Products Co, China)
pHを乳酸でpH4.6に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にストレプトベルチシリウム・モバラエンス株由来のトランスグルタミナーゼYiming Saprona TGを溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0021】
実施例8
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤 Reactyn CL 1000 TG (Campus SpA, Italy)
pHを乳酸でpH4.6に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼCampus Reactyn CL 1000 TGを溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0022】
実施例9
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤TG-PG(味の素)
乳酸で調整したpH4.6を有する50%グリセロール-水(w/w)懸濁液に酵素製剤TG-PG(味の素)を溶かすことによって液体製剤を調製した。製剤TG-PG(味の素)は、ストレプトベルチシリウム・モバラエンス株由来のトランスグルタミナーゼ及びクリセオバクテリウム・プロテオリチカム(Chryseobacterium proteolyticum)由来のタンパク質グルタミナーゼを含有する。
液体製剤のトランスグルタミナーゼ活性は100U/gであり、液体製剤のタンパク質グルタミナーゼ活性は100U/gであった。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%及びタンパク質グルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0023】
実施例10
4℃でpH4.6の75%グリセロール/25%水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
乳酸で調整したpH4.6を有する75%グリセロール/25%水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を326nkat/gの活性で溶かした。
酵素活性を4℃の温度で50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0024】
実施例11
4℃でpH4.6の25%グリセロール/75%水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標)TG(味の素)
乳酸で調整したpH4.6を有する25%グリセロール/75%水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を326nkat/gの活性で溶かした。
酵素活性を4℃の温度で50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の72%が残っていた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0025】
実施例12
22℃でpH4.4〜4.8のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標)TG(味の素)
pHを乳酸でpH4.4〜4.8に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を2789nkat/gの活性で溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
製剤の酵素活性を22℃の温度で13週間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
2週間の貯蔵後、製剤中の酵素の活性は低下し始めた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0026】
実施例13
4℃でpH4.4〜4.8のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標)TG(味の素)
pHを乳酸でpH4.4〜4.8に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を2789nkat/gの活性で溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
製剤の酵素活性を4℃の温度で26週間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
26週間の貯蔵後、酵素の活性の89%が残っていた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0027】
実施例14
-20℃でpH4.4〜4.8のグリセロール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標)TG(味の素)
pHを乳酸でpH4.4〜4.8に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を2789nkat/gの活性で溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
製剤の酵素活性を-20℃の温度で26週間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
26週間の貯蔵後、酵素の活性の97%が残っていた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0028】
実施例15
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のチロシナーゼ製剤
pHを乳酸でpH4.6に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にチロシナーゼ酵素を100U/gの活性で溶かした。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
50日の貯蔵後、チロシナーゼの活性の97%が残っていた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0029】
実施例16
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液中のタンパク質グルタミナーゼ製剤
pHを乳酸でpH4.6に調整した50%グリセロール-水(w/w)懸濁液にタンパク質グルタミナーゼを100U/gの活性で溶かした。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
50日の貯蔵後、タンパク質グルタミナーゼの活性の96%が残っていた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0030】
実施例17
4℃でpH4.6のソルビトール-水懸濁液中のトランスグルタミナーゼ製剤Activa(登録商標) TG(味の素)
pHを乳酸でpH4.6に調整した50%ソルビトール-水(w/w)懸濁液にトランスグルタミナーゼActiva(登録商標)TG(味の素)を274nkat/gの活性で溶かすことによって液体トランスグルタミナーゼ製剤を調製した。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%が残っていた。50日の保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0031】
実施例18
4℃でpH4.6のグリセロール-水懸濁液にTG-PG(味の素)及びチロシナーゼを含有する液体酵素製剤
乳酸で調整したpH4.6を有する50%グリセロール-水(w/w)懸濁液に酵素製剤TG-PG(味の素)及びチロシナーゼを溶かすことによって液体製剤を調製した。液体製剤のトランスグルタミナーゼ活性は100U/gであり、液体製剤のタンパク質グルタミナーゼ活性は100U/gであり、液体製剤のチロシナーゼ活性は100U/gであった。
酵素活性を50日間モニターした。さらに、製剤の微生物学的純度をモニターした。
日50に、トランスグルタミナーゼの活性の100%、タンパク質グルタミナーゼの活性の100%及びチロシナーゼの活性の98%が残っていた。保存試験中に微生物の成長は検出されなかった。
【0032】
当業者には、技術が進歩するにつれて、本発明の概念を種々の方法で実施できることが明白であろう。本発明及びその実施形態は、上記実施例に限定されるのではなく、特許請求の範囲内で変動しうる。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕25%〜100%(w/w)のポリオールを含み、4.4〜5.1の範囲内のpH値を有するポリオール-水懸濁液に少なくとも1種の乳タンパク質架橋及び/又は修飾酵素を含むことを特徴とする、液体酵素製剤。
〔2〕前記ポリオール-水懸濁液が50%〜75%のポリオールを含むことを特徴とする、前記〔1〕に記載の製剤。
〔3〕前記ポリオールがグリセロール又はソルビトールであることを特徴とする、前記〔1〕又は〔2〕に記載の製剤。
〔4〕前記pHが4.6であることを特徴とする、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の製剤。
〔5〕前記製剤がトランスグルタミナーゼ、チロシナーゼ又はタンパク質グルタミナーゼを含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の製剤。
〔6〕前記製剤がトランスグルタミナーゼ及びタンパク質グルタミナーゼを含むことを特徴とする、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の製剤。
〔7〕前記製剤がラッカーゼ及び/又はチロシナーゼをも含むことを特徴とする、前記〔5〕又は〔6〕に記載の製剤。
〔8〕前記製剤が保存料を含まないことを特徴とする、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の製剤。
〔9〕25%〜100%(w/w)のポリオールを含み、4.4〜5.1の範囲内のpH値を有するポリオール-水懸濁液に少なくとも1種の乳タンパク質架橋及び/又は修飾酵素を添加することを特徴とする、液体酵素製剤の調製方法。
〔10〕下記工程:
a)ポリオール-水懸濁液のpHを食品等級酸で4.4〜5.1の範囲内の値に調整する工程、
b)少なくとも1種の乳タンパク質架橋及び/又は修飾酵素を前記懸濁液に添加する工程、c)任意に保存料を添加する工程
を含むことを特徴とする、前記〔9〕に記載の方法。
〔11〕下記工程:
a)25%〜100%のポリオールを含むポリオール-水懸濁液に少なくとも1種の乳タンパク質架橋及び/又は修飾酵素を添加する工程、
b)前記懸濁液のpHを食品等級酸で4.4〜5.1の範囲内の値に調整する工程、
c)任意に保存料を添加する工程
を含むことを特徴とする、前記〔9〕に記載の方法。
〔12〕前記ポリオール-水懸濁液が50%〜75%のポリオールを含むことを特徴とする、前記〔9〕〜〔11〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13〕前記ポリオール-水懸濁液のpHが4.6であることを特徴とする、前記〔9〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14〕前記ポリオールがグリセロール又はソルビトールであることを特徴とする、前記〔9〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の方法。
〔15〕前記酵素がトランスグルタミナーゼ、チロシナーゼ又はタンパク質グルタミナーゼであることを特徴とする、前記〔9〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の方法。
〔16〕前記酵素がトランスグルタミナーゼ及びタンパク質グルタミナーゼであることを特徴とする、前記〔9〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の方法。
〔17〕前記懸濁液にラッカーゼ及び/又はチロシナーゼをも添加することを特徴とする、前記〔15〕又は〔16〕に記載の方法。
〔18〕前記方法が保存料の添加を含まないことを特徴とする、前記〔9〕〜〔17〕のいずれか1項に記載の方法。