特許第6297994号(P6297994)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6297994
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】ガスコンロ
(51)【国際特許分類】
   F24C 3/12 20060101AFI20180312BHJP
   F24C 3/08 20060101ALI20180312BHJP
   F23N 5/24 20060101ALI20180312BHJP
   F23N 5/02 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   F24C3/12 X
   F24C3/08 P
   F24C3/12 K
   F23N5/24 101B
   F23N5/02 341Z
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-33959(P2015-33959)
(22)【出願日】2015年2月24日
(65)【公開番号】特開2016-156546(P2016-156546A)
(43)【公開日】2016年9月1日
【審査請求日】2016年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】橋本 道弘
(72)【発明者】
【氏名】水谷 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】市川 弥生
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−257092(JP,A)
【文献】 実開平04−083137(JP,U)
【文献】 特開2003−028428(JP,A)
【文献】 特開2004−225921(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C3/00−3/14
F23N1/08−1/10
F23N5/02−5/16
F23N5/20−5/22
F23D14/00−14/18
F23D14/26−14/84
H05B6/12
F24C7/00−7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主バーナ部と主バーナ部よりも定格燃焼量の小さな副バーナ部とを有するバーナを備えるガスコンロであって、天板で覆われるコンロ本体内に、主バーナ部用の混合管と副バーナ部用の混合管とをこれら両混合管の上流端の流入口が同方向に開口するように並設するものにおいて、
両混合管の流入口の開口方向をX軸方向、流入口から遠ざかる方向をX軸方向外方、流入口に近づく方向をX軸方向内方、両混合管の並び方向をY軸方向、副バーナ部用混合管側をY軸方向一方、主バーナ部用混合管側をY軸方向他方として、コンロ本体内に、両混合管の流入口のX軸方向外方への投影空間をX軸方向所定位置に亘り上方から覆う共通の遮熱板が設置され、遮熱板のY軸方向一方の側縁に下方に屈曲した垂下板部が設けられ、遮熱板の下方の投影空間内に、両混合管の流入口よりもX軸方向外方で、両混合管の流入口の中心高さよりも上方に位置させて、単一の感熱素子が配置されることを特徴とするガスコンロ。
【請求項2】
請求項1記載のガスコンロであって、前記主バーナ部用混合管の流入口が前記副バーナ部用混合管の流入口よりもX軸方向外方に位置するものにおいて、前記遮熱板は、副バーナ部用混合管の流入口よりもX軸方向外方に張出す主バーナ部用混合管の部分を上方から覆う板部を有することを特徴とするガスコンロ。
【請求項3】
請求項1記載のガスコンロであって、前記主バーナ部用混合管の流入口が前記副バーナ部用混合管の流入口よりもX軸方向外方に位置し、前記遮熱板は、副バーナ部用混合管の流入口よりもX軸方向外方に張出す主バーナ部用混合管の部分を上方から覆う板部を有していないものにおいて、副バーナ部用混合管の流入口と主バーナ部用混合管の流入口との間のX軸方向範囲に存する遮熱板の部分のY軸方向他方の側縁に下方に屈曲した垂下板部が設けられることを特徴とするガスコンロ。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項記載のガスコンロであって、前記感熱素子が前記副バーナ部用混合管の流入口の中心と前記遮熱板のY軸方向他方の側縁との間のY軸方向位置に配置されているものにおいて、遮熱板のX軸方向外方の端縁に、少なくとも感熱素子の配置位置と遮熱板のY軸方向一方の側縁との間のY軸方向範囲に亘り、下方に屈曲した垂下板部が設けられることを特徴とするガスコンロ。
【請求項5】
前記遮熱板のY軸方向一方の側縁の前記垂下板部又は遮熱板のY軸方向他方の側縁に設けた下方に屈曲する垂下板部に前記感熱素子たるサーミスタが挿通固定されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のガスコンロ。
【請求項6】
前記遮熱板の上面に、前記サーミスタを挿通固定した前記垂下板部の部分よりもX軸方向内方に位置させて、Y軸方向にのびる突条が形成されることを特徴とする請求項5記載のガスコンロ。
【請求項7】
前記副バーナ部用混合管の流入口の中心と前記主バーナ部用混合管の流入口の中心との間のY軸方向位置に前記感熱素子たるバイメタルスイッチ又は温度ヒューズが配置されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のガスコンロ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主バーナ部と主バーナ部よりも定格燃焼量の小さな副バーナ部とを有するバーナを備えるガスコンロに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガスコンロでは、天板で覆われるコンロ本体内に、主バーナ部用の混合管と副バーナ部用の混合管とをこれら両混合管の上流端の流入口が同方向に開口するように並設している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、ガスコンロでは、煮こぼれを生じて、バーナの炎孔の大部分が煮こぼれ汁で閉塞されると、バーナの混合管内を火炎が逆流して、混合管の流入口から火炎が吹出すことがある。そこで、従来、主副のバーナ部を有するバーナではないが、混合管の流入口に臨ませて感熱素子を配置し、流入口から火炎が吹出して、これを感熱素子が検知したとき、バーナへのガス供給を停止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
然し、上記の如く感熱素子を設けても、火炎が吹出してからこれを検知するまでには多少とも時間がかかるため、その間に吹出した火炎による天板の異常過熱を生ずることがある。また、主副のバーナ部を有するバーナでは、主バーナ部の炎孔が閉塞されて、主バーナ部用混合管の流入口から火炎が吹出す場合と、副バーナ部の炎孔が閉塞されて、副バーナ部用混合管の流入口から火炎が吹出す場合とがある。そのため、主バーナ部用混合管の流入口に臨む感熱素子と、副バーナ部用混合管の流入口に臨む感熱素子とを設けることが考えられるが、これではコストが高くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−107777号公報
【特許文献2】特開2003−28428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、主バーナ部用と副バーナ部用の何れの混合管の流入口から火炎が吹出してもこれを単一の感熱素子で検知でき、且つ、天板の異常過熱も防止できるようにしたガスコンロを提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、主バーナ部と主バーナ部よりも定格燃焼量の小さな副バーナ部とを有するバーナを備えるガスコンロであって、天板で覆われるコンロ本体内に、主バーナ部用の混合管と副バーナ部用の混合管とをこれら両混合管の上流端の流入口が同方向に開口するように並設するものにおいて、両混合管の流入口の開口方向をX軸方向、流入口から遠ざかる方向をX軸方向外方、流入口に近づく方向をX軸方向内方、両混合管の並び方向をY軸方向、副バーナ部用混合管側をY軸方向一方、主バーナ部用混合管側をY軸方向他方として、コンロ本体内に、両混合管の流入口のX軸方向外方への投影空間をX軸方向所定位置に亘り上方から覆う共通の遮熱板が設置され、遮熱板のY軸方向一方の側縁に下方に屈曲した垂下板部が設けられ、遮熱板の下方の投影空間内に、両混合管の流入口よりもX軸方向外方で、両混合管の流入口の中心高さよりも上方に位置させて、単一の感熱素子が配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、主バーナ部用と副バーナ部用の何れの混合管の流入口から火炎が吹出しても、火炎が立ち上って天板に触れることを遮熱板により阻止し、天板の異常過熱を防止できる。
【0009】
また、主バーナ部の炎孔が閉塞された場合に主バーナ部用混合管の流入口から吹出す火炎は大きく、遮熱板のY軸方向全幅に亘り遮熱板の下面に沿ってX軸方向外方に火炎からの燃焼ガスが流れる。そのため、感熱素子が主バーナ部用と副バーナ部用の両混合管の流入口の中心高さより上方に位置している限り、感熱素子に燃焼ガスが到達して、主バーナ部用混合管の流入口からの火炎の吹出しを検知できる。一方、副バーナ部の炎孔が閉塞された場合に副バーナ部用混合管の流入口から吹出す火炎は小さく、火炎からの燃焼ガスが遮熱板の下でY軸方向に拡散して感熱素子に到達しにくくなる。然し、本発明では、遮熱板のY軸方向一方の側縁に設けた垂下板部により燃焼ガスが遮熱板の側縁から上方に抜け出てしまうことを阻止できるため、副バーナ部用混合管の流入口から火炎が吹出したときも、燃焼ガスが感熱素子に到達して、副バーナ部用混合管の流入口からの火炎の吹出しを検知できる。従って、主バーナ部用と副バーナ部用の何れの混合管の流入口から火炎が吹出してもこれを単一の感熱素子で検知でき、コストダウンを図ることができる。
【0010】
ところで、主バーナ部用混合管の流入口が副バーナ部用混合管の流入口よりもX軸方向外方に位置する場合は、遮熱板が、副バーナ部用混合管の流入口よりもX軸方向外方に張出す主バーナ部用混合管の部分を上方から覆う板部を有しているか、または、この板部を有していなくても、副バーナ部用混合管の流入口と主バーナ部用混合管の流入口との間のX軸方向範囲に存する遮熱板の部分のY軸方向他方の側縁に下方に屈曲した垂下板部が設けられていることが望ましい。これによれば、副バーナ部用混合管の流入口から火炎が吹出したときに、副バーナ部用混合管の流入口のX軸方向外方への投影空間の上方に位置する遮熱板の部分のY軸方向他方の側部から燃焼ガスが上方に抜け出てしまうことを阻止でき、感熱素子に燃焼ガスが到達しやすくなる。
【0011】
また、感熱素子が副バーナ部用混合管の流入口の中心と遮熱板のY軸方向他方の側縁との間のY軸方向位置に配置されている場合には、遮熱板のX軸方向外方の端縁に、少なくとも感熱素子の配置位置と遮熱板のY軸方向一方の側縁との間のY軸方向範囲に亘り、下方に屈曲した垂下板部を設けることが望ましい。これによれば、副バーナ部用混合管の流入口から火炎が吹出したときに、遮熱板の下面に沿ってX軸方向外方に流れた燃焼ガスが遮熱板のX軸方向外方の端縁から上方に抜け出てしまうことを阻止でき、感熱素子に燃焼ガスが到達しやすくなる。
【0012】
また、感熱素子としてはサーミスタを用いることができる。ここで、サーミスタは、温度変化を応答性よく検知できるため、遮熱板のY軸方向一方の側縁からY軸方向他方の側縁までのどのY軸方向位置にサーミスタを配置しても、主バーナ部用混合管の流入口からの火炎の吹出しだけでなく副バーナ部用混合管の流入口からの火炎の吹出しを応答性よく検知できる。そして、遮熱板のY軸方向一方の側縁の垂下板部又は遮熱板のY軸方向他方の側縁に設けた下方に屈曲する垂下板部にサーミスタを挿通固定すれば、垂下板部の外側にサーミスタに接続されるリード線が配置されることになり、リード線が高温の燃焼ガスに晒されることを垂下板部により防止できる。
【0013】
また、この場合は、遮熱板の上面に、サーミスタを挿通固定した垂下板部の部分よりもX軸方向内方に位置させて、Y軸方向にのびる突条を形成することが望ましい。これによれば、遮熱板のX軸方向内方側の部分に煮こぼれ汁が落下しても、突条よりもX軸方向外方に位置する、サーミスタを挿通固定した垂下板部の部分までは煮こぼれ汁が流れず、サーミスタに接続されるリード線に煮こぼれ汁がかかることを防止できる。
【0014】
また、感熱素子としてバイメタルスイッチ又は温度ヒューズを用いることもできる。但し、バイメタルスイッチや温度ヒューズは、温度検知の応答性がサーミスタほどよくないため、遮熱板のY軸方向一方や他方に片寄った位置に配置した場合、主バーナ部用混合管と副バーナ部用混合管のうちバイメタルスイッチや温度ヒューズの配置位置からY軸方向に離れた混合管の流入口からの火炎の吹出しを検知するまでに時間がかかってしまう。そのため、副バーナ部用混合管の流入口の中心と主バーナ部用混合管の流入口の中心との間のY軸方向位置にバイメタルスイッチ又は温度ヒューズを配置することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態のガスコンロのバーナ配置部の切断側面図。
図2】第1実施形態のガスコンロのバーナを含む要部の斜め右前方から見た斜視図。
図3】第1実施形態のガスコンロのバーナを含む要部の斜め左前方から見た斜視図。
図4】第1実施形態のガスコンロの遮熱板配置部の平面図。
図5】第1実施形態のガスコンロの遮熱板配置部の正面図。
図6】第1実施形態のガスコンロのバーナを含む要部の分解状態の斜視図。
図7】第2実施形態のガスコンロのバーナを含む要部の斜め右前方から見た斜視図。
図8】第2実施形態のガスコンロのバーナを含む要部の斜め左前方から見た斜視図。
図9】第2実施形態のガスコンロの遮熱板配置部の平面図。
図10】第2実施形態のガスコンロの遮熱板配置部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照して、1は、本発明の実施形態のガスコンロに備えられているバーナを示している。このバーナ1は、副バーナ部2と副バーナ部2を囲う主バーナ部3とを有している。
【0017】
図2乃至図6も参照して、バーナ1は、副バーナ部用混合管21と主バーナ部用混合管31とを有している。これら両混合管21,31は、天板4で覆われるコンロ本体5内に、両混合管21,31の上流端の流入口21a,31aが同方向に開口するように並設した状態で、コンロ本体5の底部に設置したバーナ支持台51上に固定されている。各混合管21,31の流入口21a,31aは、中心に副バーナ部用と主バーナ部用の各ガス供給管22,32の先端のガスノズル22a,32aを挿入するノズル挿入孔23a,33aとその周りに一次空気孔23b,33bとを有する蓋板23,33で覆われており、蓋板23,33の外面に回動調節自在に取付けたダンパ板24,34により一次空気孔23b,33bの開度を調節できるようにしている。そして、ガスノズル22a,32aからの燃料ガスの噴射に伴い一次空気孔23b,33bから一次空気が吸引され、各混合管21,31内で燃料ガスと一次空気との混合気が生成されるようにしている。
【0018】
副バーナ部用と主バーナ部用の両混合管21,31は、その下流側の端部において一体化されている。この一体化部分は、副バーナ部用混合管21の下流端部である上方に開口する内筒21bと、主バーナ部用混合管31の下流端部である上方に開口する外筒31bとから成る内外2重の筒状に形成されており、天板4に開設したバーナ用開口41に隙間を存して挿通されている。そして、一体化部分の上部に、バーナ用開口41の口縁部に装着したパッキン42に外周縁部を着座させた状態でカバーリング43を固定し、このカバーリング43を囲うようにして天板4上に複数の五徳爪44aを有する五徳44を載置している。尚、パッキン42は、下方にのびる液切り部42aを有しており、煮こぼれ汁がカバーリング43とパッキン42間から侵入しても、液切り部42aから煮こぼれ汁が垂れ落ち、天板4の下面を伝ってバーナ用開口41から離れた位置まで煮こぼれ汁が達することを防止できるようにしている。
【0019】
また、バーナ1は、内筒21bの上端部に嵌合する副バーナボディ25と、副バーナボディ25を囲う環状の主バーナボディ35とを有している。主バーナボディ35は、外筒31bの上端部に嵌合して主バーナ部用混合管31からの混合気を主バーナボディ35に導く周方向複数個所の通路部35aを介して副バーナボディ25と一体化されている。
【0020】
副バーナボディ25上には副バーナキャップ26が載置されており、副バーナ部用混合管21と副バーナボディ25と副バーナキャップ26とで副バーナ部2が構成される。副バーナキャップ26の周壁部には、周方向の間隔を存して大小複数の副バーナ炎孔27が形成されている。そして、副バーナ部用混合管21からの混合気が副バーナボディ25と副バーナキャップ26との間に画成される分布空間を介して副バーナ炎孔27から噴出して燃焼するようにしている。
【0021】
また、主バーナボディ35上には環状の主バーナキャップ36が載置されており、主バーナ用混合管31と主バーナボディ35と主バーナキャップ36とで主バーナ部3が構成される。主バーナキャップ36の外周の周壁部には、周方向の間隔を存して大小複数の主バーナ炎孔37が形成されている。そして、主バーナ部用混合管31からの混合気が通路部35aと、主バーナボディ35と主バーナキャップ36との間に画成される分布空間とを介して主バーナ炎孔37から噴出して燃焼するようにしている。
【0022】
ここで、副バーナ炎孔27の総開口面積は主バーナ炎孔37の総開口面積よりも小さく、定格燃焼量(最大燃焼量)は副バーナ部2の方が主バーナ部3よりも小さい。また、バーナ1には、主バーナキャップ36の周囲一箇所に臨む点火プラグ11と、副バーナキャップ26の周囲一箇所に臨む火炎検知素子たる熱電対12とが設けられている。そして、点火プラグ11により主バーナ部3に点火し、主バーナ部3から副バーナ部2に火移りさせて、副バーナ部2への火移りを熱電対12で検出するようにしている。
【0023】
ところで、バーナ1の燃焼中に煮こぼれを生じて、主バーナ炎孔37の大部分が煮こぼれ汁で閉塞されると、主バーナ部用混合管31内を火炎が逆流して、主バーナ部用混合管31の流入口31aから一次空気孔33bを介して火炎が吹出すことがあり、同様に、副バーナ炎孔27の大部分が煮こぼれ汁で閉塞されると、副バーナ部用混合管21内を火炎が逆流して、副バーナ部用混合管21の流入口21aから一次空気孔23bを介して火炎が吹出すことがある。
【0024】
そこで、本実施形態では、副バーナ部用と主バーナ部用の各混合管21,31の流入口21a,31aからの火炎の吹出しを検知すると共に、吹出した火炎により天板4が異常過熱することを防止するため、以下の如く構成している。即ち、副バーナ部用と主バーナ部用の各混合管21,31の流入口21a,31aの開口方向をX軸方向、流入口21a,31aから遠ざかる方向をX軸方向外方、流入口21a,31aに近づく方向をX軸方向内方、両混合管21,31の並び方向をY軸方向、副バーナ部用混合管21側をY軸方向一方、主バーナ部用混合管31側をY軸方向他方として、コンロ本体5内に、両混合管21,31の流入口21a,31aのX軸方向外方への投影空間をX軸方向所定位置に亘り上方から覆う共通の遮熱板6を設置し、遮熱板6の下に、両混合管21,31の流入口21a,31aの中心高さよりも上方に位置させて、単一の感熱素子たるサーミスタ7を配置している。
【0025】
尚、本実施形態では、副バーナ部用混合管21の流入口21aの中心高さと主バーナ部用混合管31の流入口31aの中心高さが等しいが、副バーナ部用混合管21の流入口21aの中心高さと主バーナ部用混合管31の流入口31aの中心高さが異なる場合、上述した「両混合管21,31の流入口21a,31aの中心高さよりも上方に位置させて、」とは、より上方に位置する流入口の中心高さよりも上方に位置させることを意味する。また、上記「X軸方向所定位置」は、主バーナ部用混合管31の流入口31aから吹出す火炎が到達する可能性があるX軸方向最外方の位置と同等に設定される。
【0026】
本実施形態によれば、主バーナ部用と副バーナ部用の何れの混合管21,31の流入口21a,31aから火炎が吹出しても、火炎が立ち上って天板4に触れることを遮熱板6により阻止し、天板4の異常過熱を防止できる。
【0027】
また、主バーナ部炎孔37が閉塞された場合に主バーナ部用混合管31の流入口31aから吹出す火炎は大きく、遮熱板6のY軸方向全幅に亘り遮熱板6の下面に沿ってX軸方向外方に火炎からの燃焼ガスが流れる。そのため、サーミスタ7が主バーナ部用と副バーナ部用の両混合管21,31の流入口21a,31aの中心高さより上方に位置している限り、サーミスタ7に燃焼ガスが到達して、主バーナ部用混合管31の流入口31aからの火炎の吹出しを検知できる。
【0028】
一方、副バーナ部炎孔27が閉塞された場合に副バーナ部用混合管21の流入口21aから吹出す火炎は小さく、火炎からの燃焼ガスが遮熱板6の下でY軸方向に拡散してサーミスタ7に到達しにくくなる。そこで、本実施形態では、遮熱板6のY軸方向一方の側縁に下方に屈曲する垂下板部61を設けている。また、主バーナ部用混合管31の流入口31aは副バーナ部用混合管21の流入口21aよりもX軸方向外方に位置しているが、遮熱板6は、副バーナ部用混合管21の流入口21aよりもX軸方向外方に張出す主バーナ部用混合管31の部分を上方から覆う板部を有している。これによれば、副バーナ部用混合管21の流入口21aから吹出す火炎からの燃焼ガスが遮熱板6のY軸方向一方の側縁や、流入口21aのX軸方向外方への投影空間の上方に位置する遮熱板6の部分のY軸方向他方の側部から上方に抜け出てしまうことを阻止できる。そのため、副バーナ部用混合管21の流入口21aから火炎が吹出したときも、燃焼ガスがサーミスタ7に到達して、副バーナ部用混合管21の流入口21aからの火炎の吹出しを検知できる。従って、主バーナ部用と副バーナ部用の何れの混合管21,31の流入口21a,31aから火炎が吹出してもこれを単一のサーミスタ7で検知でき、コストダウンを図ることができる。
【0029】
尚、サーミスタ7からの信号は、ガスコンロに設けたコントローラに入力されている。そして、サーミスタ7の検出温度が所定の判定温度以上になったときに、主バーナ部用と副バーナ部用の何れかの混合管21,31の流入口21a,31aから火炎が吹出したと判断して、親副バーナ部1へのガス供給路に介設した電磁安全弁を閉弁する。
【0030】
ところで、サーミスタ7は、温度変化を応答性よく検知できるため、遮熱板6のY軸方向一方の側縁からY軸方向他方の側縁までのどのY軸方向位置にサーミスタ7を配置しても、主バーナ部用混合管31の流入口31aからの火炎の吹出しだけでなく副バーナ部用混合管21の流入口21aからの火炎の吹出しを応答性よく検知できる。但し、サーミスタ7を副バーナ部用混合管21の流入口21aの中心と遮熱板6のY軸方向他方の側縁との間のY軸方向位置に配置した場合、副バーナ部用混合管21の流入口21aから火炎が吹出したときに、遮熱板6の下面に沿ってX軸方向外方に流れた燃焼ガスが遮熱板6のX軸方向外方の端縁から上方に抜け出て、サーミスタ7に燃焼ガスが到達しにくくなる。
【0031】
そのため、サーミスタ7を副バーナ部用混合管21の流入口21aの中心と遮熱板6のY軸方向他方の側縁との間のY軸方向位置に配置する場合は、遮熱板6のX軸方向外方の端縁に、少なくともサーミスタ7の配置位置と遮熱板6のY軸方向一方の側縁との間のY軸方向範囲に亘り、下方に屈曲した垂下板部62を設けることが望ましい。これによれば、副バーナ部用混合管21の流入口21aから火炎が吹出したときに、遮熱板6の下面に沿ってX軸方向外方に流れた燃焼ガスが遮熱板6のX軸方向外方の端縁から上方に抜け出てしまうことを垂下板部62により阻止でき、サーミスタ7に燃焼ガスが到達しやすくなって、副バーナ部用混合管21の流入口21aからの火炎吹出しの検知精度が向上する。尚、本実施形態では、サーミスタ7を遮熱板6のY軸方向他方の側縁の近傍位置に配置すると共に、垂下板部62を遮熱板6のY軸方向全幅に亘って設けている。
【0032】
また、本実施形態では、遮熱板6のY軸方向他方の側縁にも下方に屈曲する垂下板部63を設けて、この垂下板部63にサーミスタ7を挿通固定している。これによれば、垂下板部63の外側にサーミスタ7に接続されるリード線71が配置される。ここで、リード線71は耐熱被覆71aで覆われているが、リード線71が高温の燃焼ガスに晒されたのでは耐久性に悪影響が及ぶ。本実施形態の如く垂下板部63の外側にリード線71が配置されていれば、リード線71が燃焼ガスに晒されることを垂下板部63により防止できる。尚、サーミスタ7を遮熱板6のY軸方向一方の側縁近傍に配置する場合は、遮熱板6のY軸方向一方の側縁の垂下板部61にサーミスタ7を挿通固定してもよい。
【0033】
更に、本実施形態では、遮熱板6の上面に、サーミスタ7を挿通固定した垂下板部63の部分よりもX軸方向内方に位置させて、Y軸方向にのびる突条64を形成している。これによれば、遮熱板6のX軸方向内方側の部分に煮こぼれ汁が落下しても、突条64よりもX軸方向外方に位置する、サーミスタ7を挿通固定した垂下板部63の部分までは煮こぼれ汁が流れず、サーミスタ7に接続されるリード線71に煮こぼれ汁がかかることを防止できる。
【0034】
次に、図7乃至図10に示す第2実施形態について説明する。第2実施形態の基本的な構造は、上記第1実施形態のものと特に異ならず、第1実施形態と同様の部材部位に上記と同一の符号を付している。
【0035】
第2実施形態の第1実施形態との主たる相違点は、感熱素子としてバイメタルスイッチ7´を用いたことである。このバイメタルスイッチ7´は、親副バーナ部1に付設した火炎検知素子たる熱電対12を電磁安全弁又はコントローラに接続する熱電対回路に介設されている。バイメタルスイッチ7´に燃焼ガスが到達して所定温度以上になると、バイメタルスイッチ7´がオフして、親副バーナ部1へのガス供給路に介設した電磁安全弁又はコントローラに熱電対12の出力が入力されなくなり、電磁安全弁が閉弁される。
【0036】
ここで、バイメタルスイッチ7´は、温度検知の応答性がサーミスタ7ほどよくないため、遮熱板6のY軸方向一方や他方に片寄った位置に配置した場合、主バーナ部用混合管31と副バーナ部用混合管21のうちバイメタルスイッチ7´の配置位置からY軸方向に離れた混合管の流入口からの火炎の吹出しを検知するまでに時間がかかってしまう。そこで、第2実施形態では、遮熱板6の下に、副バーナ部用と主バーナ部用の両混合管21,31の流入口21a,31aよりも上方位置で、且つ、副バーナ部用混合管21の流入口21aの中心と主バーナ部用混合管31の流入口31aの中心との間のY軸方向位置にバイメタルスイッチ7´を配置している。これによれば、副バーナ部用と主バーナ部用の何れの混合管21,31の流入口21a,31aから火炎が吹出しても、比較的短時間でバイメタルスイッチ7´がオフする。
【0037】
また、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、遮熱板6のY軸方向一方の側縁に下方に屈曲する垂下板部61を設けると共に、遮熱板6のX軸方向外方の端縁に、バイメタルスイッチ7´の配置位置と遮熱板6のY軸方向一方の側縁との間のY軸方向範囲に亘り、下方に屈曲した垂下板部62を設けている。
【0038】
また、第2実施形態において、遮熱板6は、第1実施形態のものと異なり、副バーナ部用混合管21の流入口21aよりもX軸方向外方に張出す主バーナ部用混合管31の部分を上方から覆う板部を有していない。その代り、副バーナ部用混合管21の流入口21aと主バーナ部用混合管31の流入口31aとの間のX軸方向範囲に存する遮熱板6の部分のY軸方向他方の側縁に下方に屈曲した垂下板部65を設け、当該側縁から燃焼ガスが上方に抜け出ることを垂下板部65により防止できるようにしている。
【0039】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2実施形態において、感熱素子としてバイメタルスイッチ7´に代えて温度ヒューズを用いてもよい。また、第1と第2の実施形態の各垂下板部61〜63,65の下端は、遮熱板6の下面に沿って流れる燃焼ガスがそのまま遮熱板6の外方に流れ出ることを阻止できる高さに位置していれば十分であり、バーナ支持台51に達していなくてもよい。
【0040】
また、上記実施形態のガスコンロは、副バーナ部2とこれを囲う主バーナ部3とを有する内外2重タイプのバーナ1を備えているが、主バーナ部の炎孔の下側に副バーナ部の炎孔を有する特開2009−63201号公報等で公知の上下2段タイプのバーナを備えるガスコンロにも同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0041】
1…バーナ、2…副バーナ部、21…副バーナ部用混合管、21a…流入口、3…主バーナ部3、31…主バーナ部用混合管、31…流入口、4…天板、5…コンロ本体、6…遮熱板、61…Y軸方向一方の側縁に設けた垂下板部、62…X軸方向外方の端縁に設けた垂下板部、63…Y軸方向他方の側縁に設けた垂下板部、64…突条、65…副バーナ部用混合管の流入口と主バーナ部用混合管の流入口との間のX軸方向範囲に存する遮熱板の部分のY軸方向他方の側縁に設けた垂下板部、7…サーミスタ(感熱素子)、7´…バイメタルスイッチ(感熱素子)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10