【文献】
三宅 英明 Hideaki Miyake,新しいLinuxの教科書 初版,SBクリエイティブ株式会社 小川 淳,第1版,第99頁−第105頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マニュアル生成手段は、前記コマンドの名称又は説明に第1の文字列を付加し、前記コマンドの前記パラメータの名称又は説明に第2の文字列を付加したマニュアルを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載のマニュアル生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、すべての図面において、同等の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、以下の説明で使用される用語について説明する。
【0014】
「コマンドリスト情報」とは、入力可能なCLIコマンドの名称のリストの情報である。コマンドリスト情報は、各CLIコマンドの概要説明等を更に含んでもよい。
【0015】
「コマンド個別情報」とは、特定のCLIコマンドの利用方法に関する情報である。コマンド個別情報は、例えば、特定のCLIコマンドにおいて指定可能なパラメータの、名称又は説明である。
【0016】
「コマンド情報」とは、CLIコマンドの利用方法に関する情報である。コマンドリスト情報及びコマンド個別情報は、コマンド情報の一種である。
【0017】
「コマンドリスト情報取得コマンド」とは、コマンドリスト情報を取得するためのCLIコマンドである。コマンドリスト情報取得コマンドを示す文字列には、“help”、“?”等が使用される。
【0018】
「コマンド個別情報取得コマンド」とは、コマンド個別情報を取得するためのCLIコマンドである。コマンド個別情報取得コマンドを示す文字列には、“help”、“?”等が使用され、“help cmd”、“cmd ?”等(“cmd”はコマンドの名称)のように対象であるCLIコマンドが指定される。
【0019】
「コマンド情報取得コマンド」とは、コマンドリスト情報を取得するためのCLIコマンドである。コマンドリスト情報取得コマンド及びコマンド個別情報取得コマンドは、コマンド情報取得コマンドの一種である。コマンド情報取得コマンドの機能は、「コマンドヘルプ」とも呼ばれる。
【0021】
本実施形態における構成について説明する。
【0022】
図1は、本発明の第1の実施形態のマニュアル生成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
まず、マニュアル生成装置100を含むマニュアル生成システム500の構成について説明する。マニュアル生成システム500は、情報処理装置200とマニュアル生成装置100とを含む。情報処理装置200とマニュアル生成装置100とは、CLIを介して通信を行う。なお、マニュアル生成装置100は情報処理装置200をCLIを介して操作できればよく、マニュアル生成装置100と情報処理装置200との間の接続方式は任意の接続方式であってよい。マニュアル生成装置100と情報処理装置200との間の接続方式は、例えば、シリアルポート(RS-232)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、各種のLAN(Local Area Network)、パラレルポート(IEEE1284)等の通信規格に従う接続方式である。また、マニュアル生成装置100と情報処理装置200が、プログラムである場合には、マニュアル生成装置100と情報処理装置200との間の接続方式は、プロセス間通信であってもよい。
【0024】
情報処理装置200は、CLIにより操作される情報処理装置である。情報処理装置200は、例えば、通信機器、入出力機器、記憶装置、コンピュータである。情報処理装置200は、CLI手段210を含む。CLI手段210は、CLIのコマンドを入力して、コマンドに対応する操作を行い、コマンドに対するCLIのレスポンスを出力する。特に、CLI手段210は、コマンド情報取得コマンドを入力して、コマンド情報を出力する。
【0025】
マニュアル生成装置100は、CLIを介して情報処理装置200のコマンド情報を取得し、コマンド情報に基づいてマニュアルを生成する。マニュアル生成装置100は、コマンド情報の取得やマニュアルの生成以外の機能を含んでもよい。例えば、マニュアル生成装置100は、情報処理装置200のコンソールとしての機能を含んでもよい。マニュアル生成装置100は、コマンド情報取得手段120と、マニュアル生成手段140とを含む。
【0026】
コマンド情報取得手段120は、情報処理装置200へコマンド情報取得コマンドを出力し、情報処理装置200からコマンド情報を入力する。
【0027】
マニュアル生成手段140は、コマンド情報取得手段120により取得されたコマンド情報に基づいてマニュアルを生成する。
【0028】
次に、本実施形態における動作について説明する。
【0029】
図2は、本発明の第1の実施形態のマニュアル生成装置100の動作を示すフローチャートである。なお、
図2に示されるフローチャート及び以下の説明は一例であり、適宜求める処理に応じて、処理順等を入れ替えたり、処理を戻したり、又は処理を繰り返したりしてもよい。
【0030】
コマンド情報取得手段120は、情報処理装置200からCLIを介してコマンドリスト情報を取得する(ステップS110)。
【0031】
コマンド情報取得手段120は、情報処理装置200からCLIを介してコマンド個別情報を取得する(ステップS120)。
【0032】
マニュアル生成手段140は、情報処理装置200により取得されたコマンド情報に基づいてマニュアルを生成する(ステップS130)。
【0033】
次に、本実施形態における処理の具体例について説明する。なお、本実施形態ではコマンド情報取得コマンドを示す文字列は限定されないが、本具体例では、コマンド情報取得コマンドを示す文字列として“help”を例に説明する。情報処理装置200のCLI手段210は、コマンドリスト情報取得コマンド“help”に対して、コマンドの名称を含むコマンドリスト情報を返す。情報処理装置200のCLI手段210は、コマンド個別情報取得コマンド“help CMD”(“CMD”はコマンドの名称)に対して、コマンドの説明を含むコマンド個別情報を返す。
【0034】
図3は、本発明の第1の実施形態のマニュアル生成装置100の処理の具体例を説明するための図である。
【0035】
マニュアル生成装置100は、コマンドリスト情報取得コマンド811を使用して、情報処理装置200からコマンドリスト情報821を取得する(ステップS110)。コマンドリスト情報取得コマンド811は、文字列“help”のみを含む。取得したコマンドリスト情報821には、コマンドの名称の一覧が含まれる。
【0036】
マニュアル生成装置100は、コマンドリスト情報821から各コマンドの名称を抽出し、コマンド個別情報取得コマンド812、813を使用して、情報処理装置200からコマンド個別情報822、823を取得する(ステップS120)。具体的には、マニュアル生成装置100は、コマンドの名称として“CMD1”、“CMD2”を抽出する。また、マニュアル生成装置100は、コマンド個別情報として“explanation-1”、“explanation-2”を取得する。なお、余分な、文字列、区切り文字、空白、改行等は、抽出結果及び取得結果から除外される。
【0037】
マニュアル生成装置100は、コマンド毎に、コマンドの名称とコマンド個別情報とを含む、マニュアル841を生成する(ステップS130)。具体的には、マニュアル生成装置100は、1行目にコマンド“CMD1”の名称“CMD1”を、2行目にコマンド“CMD1”の説明“explanation-1”を含む、マニュアル841を生成する。同様に、マニュアル生成装置100は、4行目にコマンド“CMD2”の名称“CMD2”を、5行目にコマンド“CMD2”の説明“explanation-2”を含む、マニュアル841を生成する。なお、マニュアル841には、所定のフォーマットに従って、文字列、区切り文字、空白、改行等が追加されてもよい。
図3では、マニュアル841の、コマンドの名称の直前に文字列“Name:”が、コマンドの説明の直前に文字列“Desctiption:”が、末尾に空行が追加されている。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のマニュアル生成装置100は、CLIを介して操作される情報処理装置200からコマンド情報を取得し、取得したコマンド情報に基づいてマニュアルを自動的に生成する。つまり、本実施形態のマニュアル生成装置100では、生成されるマニュアルの部分や、コマンドの仕様を示すデータを予め用意する必要がない。従って、本実施形態のマニュアル生成装置100では、CLIを介して操作される情報処理装置のマニュアルの作成を効率化することができるという効果がある。
【0039】
なお、CLIにおいて複数の「入力モード」が存在する場合には、マニュアル生成装置100は、各入力モードへ順次移行して、各入力モードにおけるコマンド情報を取得することにより、マニュアルを生成してもよい。「入力モード」とは、入力可能なコマンドが限定されたCLIにおける各状態である。入力モードは、メニュー上の、階層、カテゴリー等に対応して設定される。例えば、最上位の入力モードでは、各入力モードへの移行、及び各入力モードの概要説明に関するコマンド情報の取得が可能である。また、例えば、下位の入力モードでは、各入力モードのコマンドの実行、現在の入力モードの詳細説明に関するコマンド情報の取得、及び最上位の入力モードへの移行が可能である。
【0040】
また、マニュアル生成装置100は、指定されたコマンド又は入力モードについて、マニュアルを生成してもよい。
【0041】
また、マニュアル作成者は、マニュアル生成装置100により生成されたマニュアルを元に、マニュアルの作成を行ってもよい。
(第2の実施形態)
次に、上述した第1の実施形態のマニュアル生成装置を基本とする、本発明の第2の実施形態のマニュアル生成装置について説明する。本実施形態のマニュアル生成装置は、通信回線を介して情報処理装置に接続される。また、本実施形態のマニュアル生成装置では、第1の実施形態のマニュアル情報取得手段が3つの手段に分割されている。以下の説明において、第1の実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0042】
本実施形態における構成について説明する。
【0043】
図4は、本発明の第2の実施形態のマニュアル生成装置105の構成の一例を示すブロック図である。
【0044】
まず、マニュアル生成装置105を含むマニュアル生成システム505の構成について説明する。マニュアル生成システム505は、情報処理装置205とマニュアル生成装置105とを含む。情報処理装置205とマニュアル生成装置105とは、通信回線240を介して接続される。通信回線240では、例えば、シリアルポートの通信規格に従ってデータ交換が行われる。
【0045】
情報処理装置205は、通信回線240においてCLIにより操作される情報処理装置である。情報処理装置205は、例えば、通信機器、入出力機器、記憶装置、コンピュータである。情報処理装置205は、CLI手段210を含む。CLI手段210は、CLIのコマンドを入力して、コマンドに対応する操作を行い、コマンドに対するCLIのレスポンスを出力する。特に、CLI手段210は、コマンド情報取得コマンドを入力して、コマンド情報を出力する。
【0046】
マニュアル生成装置105は、通信回線240においてCLIを介して情報処理装置205のコマンド情報を取得し、コマンド情報に基づいてマニュアルを生成する。マニュアル生成装置105は、コマンド情報の取得やマニュアルの生成以外の機能を含んでもよい。例えば、マニュアル生成装置105は、情報処理装置205のシリアルコンソールとしての機能を含んでもよい。なお、本実施形態のマニュアル生成装置105は情報処理装置205をCLIを介して操作できればよく、マニュアル生成装置105と情報処理装置205との間の接続方式はシリアル接続には限定されない。マニュアル生成装置105は、コマンド入出力手段115と、コマンド情報取得手段125と、コマンド情報解析手段135と、マニュアル生成手段145とを含む。
【0047】
コマンド入出力手段115は、情報処理装置205のCLI手段210を介して情報処理装置205の操作を行う。コマンド入出力手段115は、通信回線240において、CLIを介して、情報処理装置205へコマンドを出力し、情報処理装置205からコマンドに対するレスポンスを入力する。特に、コマンド入出力手段115は、情報処理装置205へコマンド情報取得コマンドを出力し、情報処理装置205からコマンド情報を入力する。
【0048】
コマンド情報取得手段125は、コマンド入出力手段115に対してコマンド情報の取得を指示し、コマンド入出力手段115からコマンド情報を取得する。
【0049】
コマンド情報解析手段135は、コマンド情報取得手段125により取得されたコマンド情報を解析する。
【0050】
マニュアル生成手段145は、コマンド情報解析手段135により解析されたコマンド情報に基づいてマニュアルを生成する。
【0051】
次に、本実施形態における動作について説明する。
【0052】
図5は、本発明の第2の実施形態のマニュアル生成装置105の動作を示すフローチャートである。なお、
図5に示されるフローチャート及び以下の説明は一例であり、適宜求める処理に応じて、処理順等を入れ替えたり、処理を戻したり、又は処理を繰り返したりしてもよい。
【0053】
コマンド情報取得手段125は、情報処理装置205から通信回線240上のCLIを介してコマンドリスト情報を取得する(ステップS220)。
【0054】
コマンド情報解析手段135は、コマンド情報取得手段125により取得されたコマンドリスト情報を解析する(ステップS230)。
【0055】
コマンド情報取得手段125は、コマンドリスト情報に含まれる特定のコマンドについて、情報処理装置205から通信回線240上のCLIを介してコマンド個別情報を取得する(ステップS240)。
【0056】
コマンド情報解析手段135は、コマンド情報取得手段125により取得されたコマンド個別情報を解析する(ステップS250)。
【0057】
コマンド情報解析手段135は、コマンド情報解析手段135によるコマンド情報の解析結果に基づいて、コマンド個別情報を未取得のコマンドの有無を判定する(ステップS260)。コマンド個別情報を未取得のコマンドがある場合には(ステップS260:No)、コマンド情報解析手段135は、コマンド個別情報を未取得の特定のコマンドについて、ステップS240の処理へ戻る。コマンド個別情報を未取得のコマンドがない場合には(ステップS260:Yes)、コマンド情報解析手段135は、ステップS270の処理へ進む。
【0058】
マニュアル生成手段145は、コマンド情報解析手段135によるコマンド情報の解析結果に基づいてマニュアルを生成する(ステップS270)。
【0059】
次に、本実施形態における処理の具体例について説明する。なお、本実施形態ではコマンド情報取得コマンドを示す文字列は限定されないが、本具体例では、コマンド情報取得コマンドを示す文字列として“?”を例に説明する。情報処理装置205のCLI手段210は、コマンドリスト情報取得コマンド“?”に対して、コマンドの名称及び概要説明を含むコマンドリスト情報を返す。情報処理装置205のCLI手段210は、コマンド個別情報取得コマンド“CMD ?”(“CMD”はコマンドの名称)に対して、コマンドのパラメータの名称及び概要説明を含むコマンド個別情報を返す。
【0060】
図6は、本発明の第2の実施形態のマニュアル生成装置105の処理の具体例を説明するための図である。具体的には、
図6は、マニュアルのタイトル部分の生成例を示す。
【0061】
マニュアル生成装置105は、コマンドリスト情報取得コマンド911を使用して、情報処理装置205からコマンドリスト情報921を取得する(ステップS220)。コマンドリスト情報取得コマンド911は、文字列“?”のみを含む。取得したコマンドリスト情報921には、コマンドの名称の一覧と、各コマンドの説明とが含まれる。
【0062】
マニュアル生成装置105は、コマンドリスト情報921を解析して、コマンドの名称とコマンドの説明とを抽出する(ステップS230)。具体的には、マニュアル生成装置105は、コマンドの名称として“CMD1”、“CMD2”、“CMD3”を、コマンドの説明として“explanation1”、“explanation2”、“explanation3”を抽出する。なお、余分な、文字列、区切り文字、空白、改行等は、抽出結果から除外される。
【0063】
マニュアル生成装置105は、コマンドの説明をタイトルとして含み、タイトルの次の行にコマンドの名称を含む、マニュアルの部分931を生成する(ステップS270)。具体的には、マニュアル生成装置105は、1行目にコマンド“CMD1”の説明“explanation1”を、2行目にコマンド“CMD1”の名称を含む、マニュアルの部分931を生成する。同様に、マニュアル生成装置105は、4行目にコマンド“CMD2”の説明“explanation2”を、5行目にコマンド“CMD2”の名称を含む、マニュアルの部分931を生成する。同様に、マニュアル生成装置105は、7行目にコマンド“CMD3”の説明“explanation3”を、8行目にコマンド“CMD3”の名称を含む、マニュアルの部分931を生成する。なお、マニュアルの部分931には、所定のフォーマットに従って、文字列、区切り文字、空白、改行等が追加されてもよい。
図6では、マニュアルの部分931の、先頭に区切り文字(四角の記号)が、末尾に空行が追加されている。
【0064】
図7は、本発明の第2の実施形態のマニュアル生成装置105の処理の具体例を説明するための図である。具体的には、
図7は、マニュアルのコマンド毎の説明部分の生成例を示す。
【0065】
マニュアル生成装置105は、コマンドリスト情報921に含まれる特定のコマンド“CMD1”について、コマンド個別情報取得コマンド912を使用して、情報処理装置205からコマンド個別情報922を取得する(ステップS240)。コマンド情報取得コマンド912は、個々のコマンド名に続く文字列“?”を含む。取得したコマンド個別情報922には、コマンド毎の、パラメータの名称と、パラメータの説明とが含まれる。
【0066】
マニュアル生成装置105は、コマンド個別情報922を解析して、パラメータの名称とパラメータの説明とを抽出する(ステップS250)。具体的には、マニュアル生成装置105は、パラメータの名称として“PARAM-A”、“PARAM-B”を、パラメータの説明として“explanationA”、“explanationB”を抽出する。なお、余分な、文字列、区切り文字、空白、改行等は、抽出結果から除外される。
【0067】
マニュアル生成装置105は、マニュアルの部分931において、コマンドの名称の次の行にパラメータの名称を記載し、各パラメータの説明を各パラメータの名称の右側に記載した、マニュアルの部分932を生成する。具体的には、マニュアル生成装置105は、マニュアルの部分931において、3行目にパラメータ“PARAM-A”の名称、及びパラメータ“PARAM-A”の説明“explanationA”を、4行目にパラメータ“PARAM-B”の名称、及びパラメータ“PARAM-B”の説明“explanationB”が挿入されたマニュアルの部分932を生成する。同様に、マニュアル生成装置105は、コマンド個別情報を未取得の特定のコマンド“CMD2”、“CMD3”について、パラメータの名称及びパラメータの説明が挿入されたマニュアルの部分を生成することにより、マニュアル全体を生成する(ステップS270)。なお、マニュアルの部分932には、所定のフォーマットに従って、文字列、区切り文字、空白、改行等が追加されてもよい。
図7では、マニュアルの部分932の、先頭に区切り文字(四角の記号)が、末尾に空行が追加されている。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のマニュアル生成装置105は、CLIを介して操作される情報処理装置205からコマンド情報を取得し、取得したコマンド情報に基づいてマニュアルを生成する。従って、本実施形態のマニュアル生成装置105では、CLIを介して操作される情報処理装置のマニュアルの作成を効率化することができるという効果がある。
【0069】
なお、CLIにおいて複数の入力モードが存在する場合には、マニュアル生成装置105は、各入力モードへ順次移行して、各入力モードにおけるコマンド情報を取得することにより、マニュアルを生成してもよい。
【0070】
また、マニュアル生成装置105は、指定されたコマンド又は入力モードについて、マニュアルを生成してもよい。
【0071】
また、マニュアル作成者は、マニュアル生成装置105により生成されたマニュアルを元に、マニュアルの作成を行ってもよい。
(第3の実施形態)
次に、上述した第2の実施形態のマニュアル生成装置を基本とする、本発明の第3の実施形態のマニュアル生成装置について説明する。本実施形態のマニュアル生成装置は、指定された特定のコマンドのみについて、マニュアルの生成を行う。以下の説明において、第2の実施形態と同等の構成要素には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0072】
本実施形態における構成について説明する。
【0073】
図8は、本発明の第3の実施形態のマニュアル生成装置106の構成の一例を示すブロック図である。
【0074】
マニュアル生成装置106は、第2の実施形態のマニュアル生成装置105の各手段に加えて、コマンド名取得手段156を含む。
【0075】
コマンド名取得手段156は、利用者により入力された、マニュアルに記載される対象であるコマンド示す文字列を取得する。
【0076】
本実施形態におけるその他の構成は、第2の実施形態における構成と同じである。ただし、本実施形態のマニュアル生成装置106のマニュアル生成手段146は、第2の実施形態のマニュアル生成装置105のマニュアル生成手段145と動作が異なる。すなわち、マニュアル生成手段146は、コマンド名取得手段156により取得されたコマンドに関するマニュアルの部分を抽出して出力する。
【0077】
次に、本実施形態における動作について説明する。
【0078】
図9は、本発明の第3の実施形態のマニュアル生成装置106の動作を示すフローチャートである。なお、
図9に示されるフローチャート及び以下の説明は一例であり、適宜求める処理に応じて、処理順等を入れ替えたり、処理を戻したり、又は処理を繰り返したりしてもよい。
【0079】
コマンド名取得手段156は、利用者により入力された、マニュアルに記載される対象であるコマンドを示す文字列を取得する(ステップS210)。
【0080】
本実施形態におけるステップS220からステップS270までの動作については、第2の実施形態における動作と同一であるため、説明を省略する。
【0081】
マニュアル生成手段146は、コマンド名取得手段156により取得された文字列が、コマンドの名称として含まれるマニュアルの部分を抽出し、抽出した部分をマニュアルとして出力する(ステップS280)。
【0082】
次に、本実施形態における処理の具体例について説明する。
【0083】
図10は、本発明の第3の実施形態のマニュアル生成装置106の処理の具体例を説明するための図である。具体的には、
図10は、“dhcp”コマンドに関するマニュアルの部分を抽出する処理の例を示す。
【0084】
マニュアル941は、全てのコマンドを含む、抽出前のマニュアルである。つまり、マニュアル941は、第2の実施形態で述べたステップS270の処理が終了した直後のマニュアルである。マニュアル941は、コマンド“route”、“ip”、“dhcp”、及び“snmp”に関する部分を含む。また、各コマンドに関するマニュアルの部分は、区切り文字(四角の記号)により開始され、空行により終了される。
【0085】
マニュアル942は、“dhcp”コマンドに関する部分のみを含む、抽出後のマニュアルである。つまり、マニュアル942は、ステップS280の処理が終了した直後のマニュアルである。
【0086】
まず、コマンド名取得手段156は、利用者により入力された、マニュアルに記載される対象であるコマンドを示す文字列“dhcp”を取得する(ステップS210)。
【0087】
次に、マニュアル生成装置106は、ステップS220からステップS270の処理を実行した結果、マニュアル941を生成する。ステップS220からステップS270の処理は、第2の実施形態における処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0088】
次に、マニュアル生成手段146は、コマンド名取得手段156により取得された文字列“dhcp”が、コマンドの名称として含まれるマニュアルの部分を抽出してマニュアル942を生成する(ステップS280)。具体的には、マニュアル生成手段146は、マニュアル941における“dhcp”コマンドに関する部分を、指定された“dhcp”コマンドに関するマニュアル942として抽出する。“dhcp”コマンドに関するマニュアル942には、“dhcp”コマンドにおいて指定可能なパラメータ“server”とパラメータ“client”の名称及び説明も含まれる。なお、1つのコマンドに関するマニュアルの部分は、区切り文字(四角の記号)により開始され、空行により終了される部分として識別される。
【0089】
以上説明したように、本実施形態のマニュアル生成装置106は、特定のコマンドの名称を取得し、特定のコマンドに関するマニュアルの部分を抽出して、特定のコマンドに関する部分のみを含むマニュアルを生成する。従って、本実施形態のマニュアル生成装置106には、本発明の第2の実施形態のマニュアル生成装置の効果に加えて、利用者により必要とされるコマンドのみに関するマニュアルを生成することができるという効果がある。
【0090】
なお、本実施形態のマニュアル生成装置106は、コマンド名取得手段156により取得されたコマンドについてのみ、コマンド情報を取得し、解析する処理を行ってもよい。すなわち、本実施形態のマニュアル生成装置106は、ステップS280の処理を行う代わりに、ステップS210で取得されたコマンドについてのみ、ステップS230からステップS260までの処理を行ってもよい。この場合には、本実施形態のマニュアル生成装置106には、上述の効果に加えて、マニュアルを生成するために必要な計算量及び時間を低減することができるという効果がある。
【0091】
また、上述した本発明の各実施形態のマニュアル生成装置は、専用の装置によって実現してもよいが、コンピュータ(情報処理装置)によっても実現可能である。この場合、係るコンピュータは、メモリ(不図示)に格納されたソフトウェア・プログラムをCPU(Central_Processing_Unit、不図示)に読み出し、読み出したソフトウェア・プログラムをCPUにおいて実行することにより、実行結果を、例えば、ユーザ・インタフェースに出力する。上述した各実施形態の場合、係るソフトウェア・プログラムには、上述したところの、
図1に示したマニュアル生成装置100の各手段、
図4に示したマニュアル生成装置105の各手段、
図8に示したマニュアル生成装置106の各手段の機能を実現可能な記述がなされていればよい。ただし、マニュアル生成装置100、マニュアル生成装置105、及びマニュアル生成装置106の各手段には、適宜ハードウェアを含むことも想定される。そして、このような場合、係るソフトウェア・プログラム(コンピュータ・プログラム)は、本発明を構成すると捉えることができる。更に、係るソフトウェア・プログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体も、本発明を構成すると捉えることができる。
【0092】
以上、本発明を、上述した各実施形態およびその変形例によって例示的に説明した。しかしながら、本発明の技術的範囲は、上述した各実施形態およびその変形例に記載した範囲には限定されない。当業者には、係る実施形態に対して多様な変更又は改良を加えることが可能であることは明らかである。そのような場合、係る変更又は改良を加えた新たな実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれ得る。そしてこのことは、特許請求の範囲に記載した事項から明らかである。