【実施例】
【0032】
下記に提供される次の特定の例は、本発明の性質を例示するよう作用する。それらの例は、例示的目的のためにのみ包含され、そして本発明を制限するものではない。
【0033】
(実施例1)
ヘパリンナトリウム100gを水725mlに溶解させ、その溶液に、50%(w/v)濃度の塩化ベンザルコニウムの溶液880mlを添加した。生成物を濾過し、水で洗浄し、凍結乾燥した。233gのヘパリン酸ベンザルコニウムが得られた。
【0034】
先の工程で得られた10gのヘパリン酸ベンザルコニウムをジクロロメタン30mlに溶解し、35℃に加温した。その溶液に2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,3−ジアザ−2−ホスホリン、BEMP、を以下の3つに添加した。
− BEMP 1.72ml、35℃で8時間反応が維持された。
− BEMP 1.72ml、35℃で16時間反応が維持された。
− BEMP 1.72ml、35℃で8時間反応が維持された。
【0035】
その溶液に、過酸化水素の溶液1mlを添加し、16時間35℃で反応を維持し、その後メタノール中10%(w/v)の酢酸ナトリウムの溶液60ml中に沈殿させた。沈殿物を遠心分離により回収し、メタノールで洗浄した。得られた生成物を5mlの水に溶解し、中和し、塩化ナトリウムを10%(w/v)の濃度まで添加し、メタノール125ml中で沈殿させた。沈殿物を濾過により回収し、メタノールで洗浄し、35℃の真空オーブンで乾燥させた。生成物3.39gが得られた。
【0036】
解重合生成物2gを、水14.5mlに溶解させ、その溶液に、50%(w/v)の濃度の塩化ベンザルコニウムの水溶液17.6mlを添加した。生成物を濾過し、水で洗浄し、凍結乾燥した。得られた生成物4.84gを14.5mlのジクロロメタンに溶解し、35℃に加温した。BEMP 0.83mlを添加し、35℃で16時間反応が維持された。時間経過後、26mlのメタノール中の酢酸ナトリウムの溶液10%(w/v)に沈殿させた。沈殿物を遠心分離により回収し、メタノールで洗浄した。得られた生成物を5mlの水に溶解し、中和し、塩化ナトリウムを10%(w/v)の濃度まで添加し、メタノール50ml中で沈殿させた。沈殿物を濾過により回収し、メタノールで洗浄し、35℃の真空オーブンで乾燥させた。生成物1.32g(収率52.1%)が得られた。得られた生成物の特性は以下の通りであった。
− 平均分子量:2903 Da
− 抗FXa活性:193 IU/mg
− 抗第IIa因子活性:9.3 IU/mg
【0037】
(実施例2)
ヘパリンナトリウム50gを水365mlに溶解させ、その溶液に、50%(w/v)の濃度の塩化ベンザルコニウムの溶液221gを加えた。生成物を濾過し、水で洗浄し、凍結乾燥した。128.18gのヘパリン酸ベンザルコニウムが得られた。
【0038】
先の工程で得られた5gのヘパリン酸ベンザルコニウムをジクロロメタン15mlに溶解し、35℃に加温した。その溶液にBEMPを以下の3つに添加した。
− BEMP 0.86ml、35℃で8時間反応が維持された。
− BEMP 0.86ml、35℃で16時間反応が維持された。
− BEMP 0.86ml、35℃で8時間反応が維持された。
【0039】
その溶液に、過酸化水素の溶液0.50mlを添加し、16時間35℃で反応を維持し、その後メタノール中の酢酸ナトリウムの溶液30ml中10%(w/v)に沈殿させた。沈殿物を遠心分離により回収し、メタノールで洗浄した。得られた生成物を2.5mlの水に溶解し、中和し、塩化ナトリウムを10%(w/v)の濃度まで添加し、メタノール75ml中で沈殿させた。沈殿物を濾過により回収し、メタノールで洗浄し、35℃の真空オーブンで乾燥させた。生成物1.40gが得られた。
【0040】
解重合生成物1.40gを、水10mlに溶解させ、その溶液に、50%(w/v)の濃度の塩化ベンザルコニウムの溶液6.18gを添加した。生成物を濾過し、水で洗浄し、凍結乾燥した。得られた3.40gを10mlのジクロロメタンに溶解し、35℃に加温した。その溶液にBEMPを以下の3つに添加した。
− BEMP 0.58ml、35℃で8時間反応が維持された。
− BEMP 0.58ml、35℃で16時間反応が維持された。
− BEMP 0.58ml、35℃で8時間反応が維持された。
【0041】
その溶液に、過酸化水素の溶液0.34mlを添加し、16時間35℃で反応を維持し、その後メタノール中の酢酸ナトリウムの溶液20ml中10%(w/v)に沈殿させた。沈殿物を遠心分離により回収し、メタノールで洗浄した。得られた生成物を1.7mlの水に溶解し、中和し、塩化ナトリウムを10%(w/v)の濃度まで添加し、メタノール50ml中で沈殿させた。沈殿物を濾過により回収し、メタノールで洗浄し、35℃の真空オーブンで乾燥させた。生成物0.85gが得られた(収率43.6%)。得られた生成物の特性は次の通りである。
− 平均分子量:2787 Da
− 抗FXa活性:121.5 IU/mg
− 抗第IIa因子活性:8.2 IU/mg
【0042】
(実施例3)
実施例2で得られた生成物0.50gを5mlの水に溶解し、中和し、塩化ナトリウムを10%(w/v)の濃度まで添加し、メタノール6ml中で沈殿させた。沈殿物を濾過により回収し、メタノールで洗浄し、35℃の真空オーブンで乾燥させた。生成物0.13gが得られた。得られた生成物の特性は次の通りである。
− 平均分子量:3534 Da
− 抗FXa活性:125.2 IU/mg
− 抗第IIa因子活性:19.4 IU/mg
【0043】
前の段落と同じ工程を繰り返したが、塩基をBEMPからTTMGに変更した。
【0044】
得られた生成物の特性は次の通りである。
− 平均分子量:3704 Da
− 抗FXa活性:118.5 IU/mg
− 抗第IIa因子活性:16.2 IU/mg
【0045】
(実施例4、比較例)
この例では、本発明の方法における塩基の変更の影響が調査された。本発明の方法におけるホスファゼン塩基の使用の影響を実証するため、トリトンBとBEMPと同様の試験を実施した。
【0046】
ヘパリンナトリウム50gを水に溶解させ、その溶液に、50%(w/v)の濃度の塩化ベンザルコニウムの溶液221gを添加した。生成物を濾過し、水で洗浄し、凍結乾燥した。128.18gのヘパリン酸ベンザルコニウムが得られた。
【0047】
先の工程で得られた25gのヘパリン酸ベンザルコニウムをジクロロメタン75mlに溶解し、35℃に加温した。その溶液にトリトンBを以下の3つに添加した。
− トリトンB 6.25ml、35℃で8時間反応が維持された。
− トリトンB 6.25ml、35℃で16時間反応が維持された。
− トリトンB 6.25ml、35℃で8時間反応が維持された。
【0048】
その溶液に、過酸化水素の溶液2.5mlを添加し、続いて、対応するナトリウム塩を得るために精製した。得られた生成物は、前記の条件と比率に従い、ベンザルコニウム塩を得るために、塩転移反応させる。
【0049】
先の工程で得られた15.68gのヘパリン酸ベンザルコニウムをジクロロメタン47mlに溶解し、35℃に加温した。その溶液にトリトンBを以下の3つに添加した。
− トリトンB 3.92ml、35℃で8時間反応が維持された。
− トリトンB 3.92ml、35℃で16時間反応が維持された。
− トリトンB 3.92ml、35℃で8時間反応が維持された。
【0050】
以下によって特徴づけられる生成物が得られた。
− 平均分子量:2387 Da
− 抗FXa活性:94 IU/mg
【0051】
同様の試験を行ったが、塩基性BEMPを解重合に使用した。
【0052】
5gのヘパリン酸ベンザルコニウムをジクロロメタン15mlに溶解し、35℃に加温した。その溶液にBEMPを以下の3つに添加した。
− BEMP 0.86ml、35℃で8時間反応が維持された。
− BEMP 0.86ml、35℃で16時間反応が維持された。
− BEMP 0.86ml、35℃で8時間反応が維持された。
【0053】
その溶液に、過酸化水素の溶液0.5mlを添加し、続いて、対応するナトリウム塩を得るために精製した。得られた生成物は、前記の条件と比率に従い、ベンザルコニウム塩を得るために、塩転移反応させる。
【0054】
先の工程で得られた3.40gのヘパリン酸ベンザルコニウムをジクロロメタン10mlに溶解し、35℃に加温した。その溶液にBEMPを以下の3つに添加した。
− BEMP 0.58ml、35℃で8時間反応が維持された。
− BEMP 0.58ml、35℃で16時間反応が維持された。
− BEMP 0.58ml、35℃で8時間反応が維持された。
以下によって特徴づけられる生成物が得られた。
− 平均分子量:2787 Da
− 抗FXa活性:121.5 IU/mg
【0055】
本比較例では、ホスファゼン塩基が本工程内で、得られた生成物の抗FXa活性を非常に著しく増加させて行くことを確認できる。
【0056】
サンプル中の単糖類の平均含有量は、Marco Guerrini et al.に記載の方法により
13C−
1H HSQC(Heteronuclear Single Quantum Coherence)定量的二次元検定を用いて、核磁気共鳴(NMR)技術によって決定される。二次元で達成される解像度の増加は、一次元スペクトルに重複するシグナルを定量化するため、本技術は、複合炭水化物の研究にとって特に重要である。これらの分子は、一次元
1Hスペクトルにおいて重大な重複を有し、定量化の1Dにおいて分離されたピーク面積の決定を妨げる。
【0057】
天然のヘパリンから得られたGAG中に存在するN−スルホ−3−O−スルホ−D−グルコサミンG−(ANS、3S)に結合されるD−グルクロン酸の単位の量は、M.Guerrini et al.によって記載されているように、その抗Xa活性と直接相互作用できる。この二糖は、抗トロンビンIIIとの相互作用を担当する五糖に属し、活性配列でのみ検出される。直接結合した水素とグルクロン酸のこの種のアノマー炭素の相関信号は、特徴領域に現れ、HSQCスペクトルにおいて重複がなく、したがってサンプル中五糖の割合を定量化することができる。
【0058】
トリトンBおよびBEMPを解重合することにより得られた生成物の
13C−
1H HSQCは、添付の
図1および2にそれぞれ示されているが、各図では五糖の酸単位グルクロンに対応するアノマープロトンの相関信号
1H−
13Cが、円により強調されている。
【0059】
スペクトルにおけるこのシグナル強度測定により五糖の割合を決定することが可能になる。
【0060】
〔表1〕トリトンBおよびBEMPを用いた異なる分画
【0061】
【表1】
【0062】
表1に示すように、トリトンBの代わりに塩基BEMPを使用することは、ATIIIの活性化五糖類を多く維持する解重合反応において高い選択性が得られ、そして、トリトンBで解重合したものと比較し、BEMPで解重合した生成物中で、ANS、3Sの%は、ほぼ93%、およびG−ANS、3Sの%は、25%増加したが、この五糖画分は、本発明に係る方法によって得られる生成物に明確に保持され、これらの生成物に高い活性を与え、反応選択率を高めることによって、本発明に係る方法の収率を達成し得る。