【実施例】
【0072】
特に規定がなければ、出発原料は、一般的に、商用の供給源、例えばTCI Fine Chemicals(Japan)、Shanghai Chemhere Co.,Ltd.(Shanghai、China)、Aurora Fine Chemicals LLC(San Diego、CA)、FCH Group(Ukraine)、Aldrich Chemicals Co.(Milwaukee、Wis.)、Lancaster Synthesis,Inc.(Windham、N.H.)、Acros Organics(Fairlawn、N.J.)、Maybridge Chemical Company,Ltd.(Cornwall、England)、Tyger Scientific(Princeton、N.J.)、AstraZeneca Pharmaceuticals(London、England)、Chembridge Corporation(USA)、Matrix Scientific(USA)、Conier Chem&Pharm Co.,Ltd(China)、Enamine Ltd(Ukraine)、Combi−Blocks,Inc.(San Diego、USA)、Oakwood Products,Inc.(USA)、Apollo Scientific Ltd.(UK)、Allichem LLC.(USA)およびUkrorgsyntez Ltd(Latvia)、Johnson Matthey Chemicals(India)、Fluorochem(UK)から入手できる。
【0073】
下で使用される、本明細書の以下の略語は、対応する意味を有する:
h 時間
rt 室温
aq. 水溶液
sat. 飽和
Cs
2CO
3 炭酸セシウム
DCM ジクロロメタン
NMR 核磁気共鳴
MS 質量分析
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
DMSO ジメチルスルホキシド
MeOH メタノール
EtOH エタノール
EtOAc 酢酸エチル
MeCN アセトニトリル
DMF ジメチルホルムアミド
THF テトラヒドロフラン
NaH 水素化ナトリウム
Na
2SO
4 硫酸ナトリウム
NaOH 水酸化ナトリウム
NaHCO
3 炭酸水素ナトリウム
NH
4OH 水酸化アンモニウム
HCl 塩酸
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
KHSO
4 硫酸水素カリウム
(COCl)
2 塩化オキサリル
MeI ヨウ化メチル
NaOMe ナトリウムメトキシド
K
2CO
3 炭酸カリウム
TBAI テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
SOCl
2 塩化チオニル
PCl
5 五塩化リン
NH
3 アンモニア
NBS N−ブロモスクシンイミド
BnBr 臭化ベンジル
Ag
2CO
3 炭酸銀
Ac
2O 無水酢酸
BBr
3 三臭化ホウ素
Pd(PPh
3)
2Cl
2 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド
【0074】
一般的な手順
方法1〜5で例示されるように、スキーム1〜7(下記)は、式(I)の化合物を生成するための有望な経路について記載している。
【0075】
方法1:
方法1で例示されるスキーム1は、US007396936B1に記載の手順に従って、対応する酸または酸塩化物からの、4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートの合成に使用できる。
【0076】
【化3】
【0077】
塩化オキサリル(3当量)をDCM中の酸の溶液(1当量)に加え、一晩室温で撹拌した。減圧下で蒸発させ、高真空で乾燥させた後、粗塩素(1当量)を、0℃でDCM中の2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(1.1当量)およびDMAP(1当量)の混合物に加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。反応混合物をKHSO
4水溶液によりクエンチし、DCMを用いて抽出した。KHSO
4水溶液、ブラインを用いて有機層を洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。溶離液として石油エーテル中のEtOAcの溶媒グラジエントを使用したシリカゲル(100〜200メッシュ)を通したカラムクロマトグラフィーにより、粗化合物を精製して5−(置換−1−ヒドロキシエチリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンを得、EtOHに溶解し、6時間還流した。反応混合物を真空で蒸発させ、高真空下で乾燥させた。EtOH中の粗エチル4−置換3−ヒドロキシブト−2−エノエート(1当量)に、25%のNH
4OH溶液(1mL/6mmol)を加え、生じた溶液を室温で撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、溶離液として石油エーテル中のEtOAcの溶媒グラジエントを使用したシリカゲル(100〜200メッシュ)を通したカラムクロマトグラフィーにより、望ましい化合物を単離して、4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートおよび副産物アミドを得た。
【0078】
方法2:
方法2で例示されるスキーム2は、Org.Lett.9,3469〜3472頁(2007)に記載の手順に従って、マロン酸ジエチルからの、2−置換アリールマロネート(2-substituted aryl malonate)の合成に使用できる。
【0079】
【化4】
【0080】
THF(5mL/mmol)中のヨウ化アリール(1当量)の溶液に、マロン酸ジエチル(2当量)、CuI(0.05当量)2−ピコリン酸(0.2当量)または2−ヒドロキシビフェニル、続いてCs
2CO
3(1.5当量)を加え、80℃で還流した。飽和NH
4Cl水溶液を用いて、生じた反応混合物をクエンチし、EtOAcを用いて生成物を抽出した。ブラインを用いて合わせた抽出物を洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。溶離液として石油エーテル中のEtOAcの溶媒グラジエントを使用したシリカゲル(100〜200メッシュ)を通したカラムクロマトグラフィーにより粗生成物を精製して、2−置換アリールマロネート(2-substituted aryl malonate)を得た。
【0081】
方法3A:
方法3Aで例示されるスキーム3は、Eur.J.Med.Chem.26,599〜604頁(1991)に記載の手順に従って、対応する4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートおよび2−置換マロネート(2-substituted malonate)からの、置換ピリドンの合成に使用できる。
【0082】
【化5】
【0083】
4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエート(1当量)および2−置換マロネート(2-substituted malonate)(1当量)の混合物を220℃で45分間にわたり無溶媒で加熱した。出発原料の消費、および中間体Aの形成を、LC−MSによりモニターした。次いで、残渣を2NのNaOH溶液に溶解し、生じた混合物を、Biotageマイクロ波反応器中にて160℃で1時間加熱した。中間体Aの望ましい生成物Bへの変換を、LC−MSによりモニターした。反応混合物を冷却し、6NのHCl溶液を用いて酸化させた。沈殿した固体を収集し、真空で乾燥させた。粗置換ピリドンをDMSOに溶解し、逆相HPLCにより精製した。
【0084】
方法3B:
方法3Bで例示されるスキーム4は、Eur.J.Med.Chem.26,599〜604頁(1991)に記載の手順に従って、対応する4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートおよび2−置換マロネート(2-substituted malonate)からの、置換ピリドンの合成に使用できる。
【0085】
【化6】
【0086】
無溶媒の、またはダウサム中もしくはジフェニルエーテル中の2−置換マロネート(2-substituted malonate)(1当量)および4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエート(1当量)の混合物を、250℃まで加熱した。生じた反応混合物を室温に冷却し、石油エーテルまたは石油エーテル中の25%ジエチルエーテルを、反応混合物に加えた。ペンタンを用いて固体を洗浄し、乾燥させて、置換ピリドンを固体として得た。
【0087】
方法3C
方法3Cで例示されるスキーム5は、Eur.J.Med.Chem.26,599〜604頁(1991)に記載の手順に従って、対応する4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートおよび2−置換マロネート(2-substituted malonate)からの、置換ピリドンの合成に使用できる。
【0088】
【化7】
【0089】
無溶媒の、またはダウサム中もしくはジフェニルエーテル中の2−置換マロネート(2-substituted malonate)(1当量)および4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエート(1当量)の混合物を250℃まで加熱した。生じた反応混合物を室温に冷却し、石油エーテルまたは石油エーテル中の25%ジエチルエーテルを反応混合物に加えた。ペンタンを用いて固体を洗浄し、乾燥させて、置換ピリドンを固体として得た。
【0090】
方法4:
方法4(4Aおよび4Bを含む)で例示されるスキーム6は、Eur.J.Med.Chem.26,599〜604頁(1991)に記載の手順に従って、置換ピリドンの脱炭酸に使用できる。
【0091】
【化8】
【0092】
方法4A(塩基条件下での脱炭酸):
2NのNaOH水溶液中のエチル4−ヒドロキシ−2,5−二基置換−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレートの溶液を、24時間まで130℃で維持した。反応塊を室温に冷却し、1NのHClを用いて酸化させた。形成された固体を濾過し、石油エーテルを用いて洗浄し、乾燥させて、4−ヒドロキシ−3,6−二基置換ピリジン−2(1H)−オンをオフホワイトの固体として得た(沈殿が観察されなかった例の場合、EtOAcを用いて反応混合物を抽出し、水、5%重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインを用いて合わせた有機層を洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、4−ヒドロキシ−3,6−二基置換ピリジン−2(1H)−オンを固体として得た)。
【0093】
方法4B(酸性条件下での脱炭酸):
エチル4−ヒドロキシ−2,5−二基置換−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレートおよび2NのHClを130℃で24時間まで維持した。反応塊を室温に冷却し、飽和NaHCO
3水溶液を用いて中和した。濾過により固体を収集し、石油エーテルを用いて洗浄し、乾燥させて4−ヒドロキシ−3,6−二基置換ピリジン−2(1H)−オンを得た。沈殿が観察されなかった例において、EtOAcを用いて反応混合物を抽出した。水、5%重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインを用いて合わせた有機層を洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、4−ヒドロキシ−3,6−二基置換ピリジン−2(1H)−オンを固体として得た。
【0094】
方法5:
方法5で例示されるスキーム7は、PCT出願国際公開第WO2009/099929A1号パンフレットに記載の手順に従って、2−置換マロン酸からの、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)2−置換マロネート(2-substituted malonate)の合成に使用できる。
【0095】
【化9】
【0096】
0℃で、DCM中の2−置換マロン酸(1当量)の溶液に、塩化オキサリル(2.6当量)を加え、室温で1時間十分に撹拌した。次いで、2,4,6−トリクロロフェノール(2.7当量)を加え、生じた反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、MeOHを用いて、得られた残渣を希釈した。沈殿した固体を濾過により収集し、乾燥させてビス(2,4,6−トリクロロフェニル)2−置換マロネート(2-substituted malonate)を得た。
【0097】
重要な中間体の調製
対応する市販の酸(スキーム1を参照されたい)を使用して、方法1に従って、以下の4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートを調製した。US2004/0077618A1で報告されている手順を使用して、市販されていない(4,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸を調製し、Tetrahedron 51,10259〜10280頁(1995)およびUS2006/264489で報告されている手順に従って(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)酢酸を調製した。
エチル4−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)−3−オキソブタノエートの調製
【0098】
【化10】
【0099】
ステップ1:エチル2−(4,4−ジメチルシクロヘクス−2−エニリデン)アセテートの調製
【0100】
【化11】
0℃でTHF(1.5L)中のNaH(38.02g、0.990mol、油中に60%)の溶液に、トリエチルホスホノアセテート(157.2mL、0.792mol)を加え、混合物を室温で1時間十分に撹拌した。次いで、4,4−ジメチルシクロヘキサノン(100g、0.792mol)を加え、混合物を60℃で2時間十分に撹拌した。氷冷した飽和NH
4Cl水溶液(1L)を用いて反応混合物をクエンチし、EtOAc(3×350mL)を用いて生成物を抽出した。ブライン(3×150mL)を用いて合わせた有機層を洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して、170gの粗エチル2−(4,4−ジメチルシクロヘキシリデン)アセテートを淡黄色の液体として得た。これを、さらに精製することなく、次のステップにてそれ自体を使用した。
1H NMR: (400 MHz, CDCl
3): δ 5.50 (s, 1H), 4.16 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.10-1.95 (br s, 2H), 1.90-1.80 (br s, 2H), 1.50-1.30 (m, 7H), 0.90 (s, 6H).
【0101】
ステップ2:エチル2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)アセテートの調製
【0102】
【化12】
EtOH(1.2L)中のエチル2−(4,4−ジメチルシクロヘキシリデン)アセテート(155g、789.64mmol)の溶液に、10%Pd/C(13.0g)を加え、50psiの水素圧力で12時間水素化した。セライトを通して反応混合物を濾過し、濃縮して、150g(96%、2ステップ)のエチル2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)アセテートを淡黄色の液体として得た。
1H NMR: (400 MHz, CDCl
3): δ 4.12 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 2.19 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.80-1.60 (m, 1H), 1.60-1.50 (m, 2H), 1.40-1.10 (m, 9H), 0.89 (s, 3H), 0.86 (s, 3H).
【0103】
ステップ3:2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸の調製
【0104】
【化13】
エチル2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)アセテートの溶液(150g、756.42mmol)に、無水EtOH(800mL)中の50%NaOH水溶液(800mL)を加え、室温で15時間撹拌した。これを、エーテル(3×120mL)を用いて洗浄して、不純物を除去した。次いで、2NのHCl水溶液を使用して、反応混合物をpH2に酸化させた。EtOAc(3×350mL)を用いてHCl溶液および生成物を抽出した。ブライン(3×150mL)を用いて、合わせた有機層を洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮して、120g(93%)の2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸を粘液として得た。
1H NMR: (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.98 (s, 1H), 2.10 (d, J = 6.4 Hz, 2H), 1.60-1.40 (m, 3H), 1.40-1.25 (m, 2H), 1.20-1.05 (m, 4H), 0.87 (s, 3H), 0.84 (s, 3H).
【0105】
ステップ4:5−(2−シクロヘキシル−1−ヒドロキシエチリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンの調製
【0106】
【化14】
0℃で、DCM(1.2L)中の2−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)酢酸(120g、0.704mol)の溶液に、メルドラム酸(132.2g、0.92mol)およびDMAP(129.1g、1.06mol)、続いてDCC(218.1g、1.06mol)を加え、混合物を室温で4時間十分に撹拌した。DCM(500mL)を用いて、反応混合物を希釈し、10%クエン酸水溶液(3×150mL)、続いて水(3×150mL)、ブライン(3×150mL)を用いて洗浄し、濃縮して、100gの粗5−(2−シクロヘキシル−1−ヒドロキシエチリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオンを無色の液体として得た。粗5−(2−シクロヘキシル−1−ヒドロキシエチリデン)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(100g)を、EtOH(700mL)に溶解し、4時間還流した。反応混合物を減圧下で濃縮した。溶離液としてヘキサン中の15〜20%EtOAcを使用した100〜200のシリカにより、粗化合物を精製して、90g(53%)の純粋なエチル4−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)−3−オキソブタノエートを無色の液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 4.18 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.41 (s, 2H), 2.44 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 1.80-1.70 (m, 1H), 1.56-1.48 (m, 2H), 1.40-1.05 (m, 9H), 0.89 (s, 3H), 0.85 (s, 3H).
【0107】
ステップ5:エチル3−アミノ−4−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)ブト−2−エノエートの調製
【0108】
【化15】
トルエン(750mL)中のエチル4−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)−3−オキソブタノエート(90g、644.5mmol)の溶液に、酢酸アンモニウム(144.3g、1.87mol)、AcOH(21.4mL、374.5mmol)を加え、Dean−Stark装置を使用して36時間混合物を還流した。減圧下で反応混合物を濃縮して、75g(84%)のエチル3−アミノ−4−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)ブト−2−エノエートを無色の液体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 4.51 (s, 1H), 4.15 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.08-1.98 (m, 2H), 1.60-1.54 (m, 2H), 1.50-1.34 (m, 3H), 1.26 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.22-1.05 (m, 4H), 0.89 (s, 3H), 0.86 (s, 3H).
ESI MS:m/z 240.4(M+H)。
【0109】
上に記載の方法に従って、以下の中間体化合物を合成した:
【0110】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【0111】
対応する市販のマロネートおよびアリール/ヘテロ環式ヨウ化物を使用した方法2(スキーム2を参照されたい)に従って、以下の2−アリールマロネート(2-aryl malonate)を調製した。
【0112】
【表4】
【0113】
〔実施例1〕
6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オンの調製
ステップ1:エチル2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレートの調製
【0114】
【化16】
ダウサム(45mL)中に入れたエチル3−アミノ−4−(4,4−ジメチルシクロヘキシル)ブト−2−エノエート(10g、41.8mmol)およびビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−2−フェニルマロネート(22.51g、41.8mmol)の混合物を、予熱した砂浴にて、260℃で30分間加熱した。得られた残渣を石油エーテル中で粉砕し、沈殿した固体を濾過し、石油エーテルを用いて洗浄し、乾燥させて7.3g(46%)のエチル2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレートをオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.85-11.75 (br s, 2H), 7.42-7.30 (m, 5H), 4.35 (q, J = 6.8 Hz, 2H), 2.83 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 1.70-1.50 (m, 1H), 1.50-1.05 (m, 11H), 0.88 (s, 6H).
ESI MS:m/z 384.21(M+H)。
【0115】
ステップ2:6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オンの調製
【0116】
【化17】
封管中のエチル2−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート溶液(55g、143.4mmol)に、2NのNaOH水溶液(550mL)を加え、24時間130℃に加熱した。冷水を用いて反応混合物を希釈し、2NのHCl水溶液を使用してpH2に酸化させ、CHCl
3中の10%MeOHに生成物を抽出した。ブライン(3×150mL)を用いて、合わせた有機層を洗浄し、無水Na
2SO
4で脱水し、真空下で濃縮した。溶離液として、n−ペンタンおよびジエチルエーテルと共に、粗化合物を粉砕することにより精製して、39g(87%)の6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オンをオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.08 ( s, 1H), 10.20 (s, 1H), 7.38-7.26 (m, 4H), 7.18-7.14 (m, 1H), 5.78 (s, 1H), 2.30 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 1.46-1.34 (m, 5H), 1.25 (br s, 4H) 0.87 (d, J = 5.3 Hz, 6H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6): δ 163.46, 162.82, 146.87, 134.18, 130.77, 126.93, 125.58, 108.39, 98.20, 38.33, 36.76, 32.38, 29.68, 27.99, 24.38.
ESI MS:m/z 312.4[M+H]。C
20H
26NO
2[M+H]のHRMS計算値、312.1958;実測値、312.1956。HPLC純度:>99%。
【0117】
以下の化合物を、上に記載されている方法に従って、類似した手順により調製した:
3−(2−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−6−イソブチルピリジン−2(1H)−オン
【0118】
【化18】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.10 (s, 1H), 10.30 (br s, 1H), 7.30-7.22 (m, 2H), 7.14-7.09 (m, 2H), 5.78 (s, 1H), 2.27 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 1.96-1.89 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.6 Hz, 6H).
ESI MS:m/z 262.20(M+H)。HPLC純度:97.30%。
【0119】
4−ヒドロキシ−6−イソブチル−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0120】
【化19】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.18 (br s, 1H), 10.2 (s, 1H), 7.39-7.26 (m, 4H), 7.18-7.15 (m, 1H), 5.80 (s, 1H), 2.30 (d, J = 7.10 Hz, 2H), 1.95-1.93 (m, 1H), 0.90-0.88 (d, J = 6.42 Hz, 6H).
ESI MS:m/z 244.37(M+H)。HPLC純度:99.95%。
【0121】
6−(シクロペンチルメチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0122】
【化20】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.10 (s, 1H), 10.18 (br s, 1H), 7.38 (d, J = 7.50 Hz, 2H), 7.27 (t, J = 7.50 Hz, 2H), 7.17 (t, J = 7.0 Hz, 1H), 5.86 (s, 1H), 2.40 (s, 2H), 2.16-2.10 (m, 1H), 1.70-1.50 (m, 6H), 1.23-1.19 (m, 2H).
ESI MS:m/z 270.1(M+H)。HPLC純度:95.96%。
【0123】
6−((4,4−ジフルオロシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0124】
【化21】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.08 (s, 1H), 10.18 (s, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.17 (m, 1H), 5.80 (s, 1H), 2.36 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 2.10-1.80 (br. s., 2H), 1.85-1.65 (m, 5H), 1.22 (m, 2H).
ESI MS:m/z 320.2(M+H)。HPLC純度:99.68%。
【0125】
〔実施例2〕
対応する2−置換マロネート(2-substituted malonate)および方法1または市販の供給源を使用して調製した4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートを使用した方法3A(スキーム3を参照されたい)に従って、式(I)の以下の化合物を調製した。
3−(3−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−6−イソブチルピリジン−2(1H)−オン
【0126】
【化22】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.13 (br s, 1H), 10.59-10.36 (m, 1H), 7.47 (t, J = 1.76 Hz, 1H), 7.43-7.38 (m, 1H), 7.31 (t, J = 7.91 Hz, 1H), 7.24-7.19 (m, 1H), 5.79 (s, 1H), 2.26 (d, J = 7.28 Hz, 2H), 1.98-1.86 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.78 Hz, 6H).ESI MS:m/z 278[M+H]。HPLC純度:99.0%。
【0127】
3−(2−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−6−イソブチルピリジン−2(1H)−オン
【0128】
【化23】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.06 (br s, 1H), 10.25 (br s, 1H), 7.46-7.39 (m, 1H), 7.31-7.24 (m, 2H), 7.22-7.18 (m, 1H), 5.76 (s, 1H), 2.27 (d, J = 7.53 Hz, 2H), 1.98-1.84 (m, 1H), 0.90 (d, J = 6.50 Hz, 6H).ESI MS:m/z 278[M+H]。HPLC純度:96.4%。
【0129】
3−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−6−イソブチルピリジン−2(1H)−オン
【0130】
【化24】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.08 (br s, 1H), 10.32 (br s, 1H), 7.49-7.38 (m, 2H), 7.17-7.04 (m, 2H), 5.78 (s, 1H), 2.25 (d, J = 7.28 Hz, 2H), 1.98-1.86 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.53 Hz, 6H).ESI MS:m/z 262[M+H]。HPLC純度:99.2%。
【0131】
3−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−6−イソブチルピリジン−2(1H)−オン
【0132】
【化25】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.10 (br s, 1H), 7.33-7.28 (m, 2H), 7.24 (d, J = 8.53 Hz, 1H), 7.02-6.94 (m, 1H), 5.79 (s, 1H), 2.26 (d, J = 7.53 Hz, 2H), 1.92 (td, J = 6.93, 13.49 Hz, 1H), 0.89 (d, J = 6.53 Hz, 6H).ESI MS:m/z 262[M+H]。HPLC純度:99.6%。
【0133】
4−ヒドロキシ−6−イソブチル−3−(2,4,6−トリフルオロフェニル)ピリジン−2(1H)−オン
【0134】
【化26】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.18 (br s, 1H), 10.68 (br s, 1H), 7.13-7.09 (m, 2H), 5.77 (s, 1H), 2.28 (d, J = 7.60 Hz, 2H), 1.96-1.89 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.40 Hz, 6H).ESI MS:m/z 298[M+H]。HPLC純度:99.4%。
【0135】
4−ヒドロキシ−6−イソプロピル−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0136】
【化27】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.05 (br s, 1H), 10.17 (br s, 1H), 7.37 (d, J = 6.80 Hz, 2H), 7.28 (t, J = 7.20 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 7.20 Hz, 1H), 5.82 (s, 1H), 2.71-2.66 (m, 1H), 1.17 (d, J = 7.20 Hz, 6H).ESI MS:m/z 230[M+H]。HPLC純度:98.4%。
【0137】
4−ヒドロキシ−6−イソペンチル−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0138】
【化28】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.09 (br s, 1H), 10.16 (br s, 1H), 7.38 (d, J = 7.03 Hz, 2H), 7.28 (t, J = 7.53 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 8.00 Hz, 1H), 5.81 (s, 1H), 2.39 (t, J = 8.00 Hz, 2H), 1.55 (td, J = 6.56, 13.24 Hz, 1H), 1.50-1.41 (m, 2H), 0.90 (d, J = 6.53 Hz, 6H).ESI MS:m/z 258[M+H]。HPLC純度:99.0%。
【0139】
4−ヒドロキシ−6−ネオペンチル−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0140】
【化29】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.92 (br s, 1H), 10.22 (br s, 1H), 7.40 (d, J = 6.80 Hz, 2H), 7.28 (t, J = 7.60 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 7.20 Hz, 1H), 5.77 (s, 1H), 2.31 (s, 2H), 0.94 (s, 9H).ESI MS:m/z 258[M+H]。HPLC純度:95.7%。
【0141】
6−(シクロプロピルメチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0142】
【化30】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.08 (br s, 1H), 7.42-7.35 (m, 2H), 7.32-7.23 (m, 2H), 7.20-7.13 (m, 1H), 5.94 (s, 1H), 2.30 (d, J = 7.03 Hz, 2H), 1.06-0.94 (m, 1H), 0.55-0.45 (m, 2H), 0.25-0.18 (m, 2H).ESI MS:m/z 242[M+H]。HPLC純度:99.3%。
【0143】
6−(シクロブチルメチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0144】
【化31】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.04 (br s, 1H), 10.16 (br s, 1H), 7.40-7.35 (m, 2H), 7.27 (t, J = 7.65 Hz, 2H), 7.19-7.13 (m, 1H), 5.77 (s, 1H), 2.62-2.52 (m, 1H), 2.08-1.99 (m, 2H), 1.88-1.79 (m, 2H), 1.74-1.63 (m, 2H).ESI MS:m/z 256[M+H]。HPLC純度:99.8%。
【0145】
6−(シクロヘキシルメチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0146】
【化32】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.00 (br s, 1H), 10.19 (s, 1H), 7.39 (d, J = 7.03 Hz, 2H), 7.27 (t, J = 7.53 Hz, 2H), 7.19-7.12 (m, 1H), 5.76 (s, 1H), 2.26 (d, J = 6.78 Hz, 2H), 1.73-1.52 (m, 6H), 1.27-1.09 (m, 3H), 0.85-0.99 (m, 2H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6): δ 163.45, 162.73, 146.75, 134.13, 130.76, 126.92, 125.59, 108.39, 98.17, 36.82, 32.24, 25.82, 25.52.HPLC純度:>99%。ESI MS:m/z 284[M+H]。C
18H
22NO
2[M+H]
+のHRMS計算値、284.1645;実測値、284.1647。
【0147】
6−ベンジル−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン
【0148】
【化33】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.27 (br s, 1H), 10.18 (br s, 1H), 7.40-7.31 (m, 6H), 7.27 (t, J = 7.65 Hz, 3H), 7.19-7.13 (m, 1H), 5.70 (s, 1H), 3.75 (s, 2H).ESI MS:m/z 278[M+H]。HPLC純度:98.9%。
【0149】
4−ヒドロキシ−3−フェニル−6−((テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル)ピリジン−2(1H)−オン
【0150】
【化34】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.08 (br s, 1H), 10.18 (br s, 1H), 7.40-7.35 (m, 2H), 7.31-7.24 (m, 2H), 7.20-7.13 (m, 1H), 5.80 (s, 1H), 3.83 (dd, J = 3.01, 11.54 Hz, 2H), 3.30-3.22 (m, 2H), 2.33 (d, J = 7.28 Hz, 2H), 1.82 (br. s., 1H), 1.52 (d, J = 12.30 Hz, 2H), 1.28-1.15 (m, 2H).ESI MS:m/z 286[M+H]。HPLC純度:98.5%。
【0151】
〔実施例3
対応する2−アリールマロネート(2-aryl malonate)および方法1または市販の供給源を使用して作られた4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートを使用した方法3Bおよび方法4B(スキーム4およびスキーム6)に従って、式(I)の以下の化合物を調製した。
4−ヒドロキシ−3−フェニル−6−(ピリジン−4−イルメチル)ピリジン−2(1H)−オン
【0152】
【化35】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.39 (s, 1H), 10.3 (br s, 1H), 8.54 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.36-7.26 (m, 6H), 7.18 (m, 1H), 5.75 (s, 1H), 3.8 (s, 2H).ESI MS:m/z 279.1(M+H)。HPLC純度:94.77%。
【0153】
〔実施例4〕
対応する2−アリールマロネート(2-aryl malonate)および方法1または市販の供給源を使用して調製した4−置換エチル3−アミノブト−2−エノエートを使用した方法3C(スキーム5)に従って、式(I)の以下の化合物を調製した。1ステップで、塩基および酸なしでの環化および脱炭酸を観察した。
3−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−6−イソブチルピリジン−2(1H)−オン(NV−035−PD−54−C)
【0154】
【化36】
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.10 (s, 1H), 10.60 (br s, 1H), 7.29-7.25 (m, 1H), 7.16-6.99 (m, 2H), 5.77 (s, 1H), 2.26 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 1.90-1.94 (m, 1H), 0.89 (d, J = 6.1 Hz, 6H).ESI MS:m/z 280.23(M+H)
+。HPLC純度:99.03%。
【0155】
〔実施例5〕
4−ヒドロキシ−6−イソブチル−1−メチル−3−フェニルピリジン−2(1H)−オンの調製
【0156】
【化37】
【0157】
ステップ1:6−イソブチル−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルアセテートの調製
【0158】
【化38】
0℃に冷却した1,4−ジオキサン(3mL)中のピリドン1の懸濁液(50.8mg、0.209mmol)に、塩化アセチル(16μL、0.219mmol)およびピリジン(18.5μL、0.230mmol)を加えた。混合物を徐々に室温まで温め、室温で2時間撹拌した。反応混合物を真空で濃縮し、残渣をDCM(3mL)中に取り込んだ。水、ブラインを用いて有機層を洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空で濃縮して、淡黄色の残渣を得た。カラムクロマトグラフィー(ISCO Combiflash(登録商標)、4gのシリカゲルカラム、0〜40%EtOAc/シクロヘキサン)により残渣を精製して、化合物2を白色固体(37.6mg、63%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.47-7.33 (m, 5H), 6.21 (s, 1H), 2.50 (d, J = 7.28 Hz, 2H), 2.15-2.09 (m, 1H), 2.07 (s, 3H), 1.00 (d, J = 6.53 Hz, 6H).ESI MS:m/z 286[M+H]。
【0159】
ステップ2:6−イソブチル−1−メチル−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルアセテート(3)および6−イソブチル−2−メトキシ−3−フェニルピリジン−4−イルアセテート(4)の調製
【0160】
【化39】
乾燥MeCN(2mL)中のピリドン2(37.6mg、0.132mmol)の溶液に、K
2CO
3(18.2mg、0.132mmol)およびMeI(11μL、0.172mmol)を加えた。生じた混合物を、Biotageマイクロ波反応器中で、30分間にわたり100℃に加熱した。反応混合物を冷却し、EtOAc(4mL)を用いて希釈した。有機物を、水およびブラインを用いて連続して洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、無色の油を得た。カラムクロマトグラフィー(ISCO Combiflash(登録商標)、4gのシリカゲルカラム、0〜50%EtOAc/シクロヘキサン)により、粗材料を精製して、化合物3(26mg、65%収率)を得た。
6−イソブチル−1−メチル−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルアセテート(3):
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.16 - 7.32 (m, 5H), 5.83 (s, 1H), 3.45 (s, 3H), 2.42 (d, J = 7.20 Hz, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.83 - 1.88 (m, 1H), 0.94 (d, J = 6.40 Hz, 6H).ESI MS:[M−Ac]m/z 258。
【0161】
ステップ3:4−ヒドロキシ−6−イソブチル−1−メチル−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン(5)の調製
【0162】
【化40】
MeOH(2mL)中の3(26mg、0.087mmol)の溶液に、室温でMeOH(0.2mL、10%v/v)中の30%NaOMeを加えた。生じた混合物を、真空下で濃縮する前に、室温で30分間にわたり撹拌して、白色の残渣を得た。白色の残渣をEtOAc(3mL)中に取り込み、10%クエン酸溶液を用いて洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して白色の残渣を得た。粗材料をMeOHに溶解し、H
2O中の20〜95%MeCN/0.1%ギ酸の溶媒グラジエントを使用した逆相HPLCで精製して、望ましい生成物5を白色の固体として得た(10.3mg、46%収率)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 7.35 (d, J = 7.20 Hz, 2H), 7.28 (t, J = 7.60 Hz, 2H), 7.17 (t, J = 7.20 Hz, 1H), 5.89 (s, 1H), 3.36 (s, 3H), 2.47 (s, 2H), 1.94-1.87 (m, 1H), 0.97 (d, J = 6.80 Hz, 6H)).ESI MS:m/z 258[M+H]。HPLC純度:>99%。
[実施例6]
【0163】
4−ヒドロキシ−2−イソブチル−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの調製
【0164】
【化41】
0.5NのNaOH中の、200mgのエチル4−ヒドロキシ−2−イソブチル−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレートの懸濁液を、還流温度で加熱した。4時間後、氷水を用いて反応塊を希釈し、1NのHClを用いて酸化し、生じた固体を濾過した。固体塊を酢酸エチルに溶解し、飽和NaHCO
3溶液(4×30mL)を用いて抽出した。濃縮HClを用いて、合わせた重炭酸塩溶液を酸化させ、生じた固体を濾過し、水を用いて洗浄し、乾燥させて、20mgの4−ヒドロキシ−2−イソブチル−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸3をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 13.6-13.2 (br s, 1H), 11.78 (s, 1H), 7.42-7.3 (m, 4H), 7.27-7.2 (m, 1H), 2.91 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 1.61 (br s, 1H), 1.42-1.05 (m, 8H), 0.87 (s, 6H).
ESI MS:m/z 356.4(M+H)。HPLC純度:92.3%。
【0165】
【化42】
4−ヒドロキシ−2−イソブチル−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸3(400mg、13.94mmol)、DCM(20mL)中のDMF(4滴)の冷溶液に塩化オキサリル(1.2mL、139.4mmol)を0℃で徐々に加え、室温で2時間撹拌した。1,4−ジオキサン中のNH
3を用いて反応塊をクエンチし、10分間にわたり撹拌し、濃縮した。分取HPLCにより粗生成物を精製して、28mg(7%)の4−ヒドロキシ−2−イソブチル−6−オキソ−5−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドをオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 10.85 (br s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.43-7.34 (m, 2H), 7.28-7.13 (m, 3H), 2.7 (d, J = 6.7 Hz, 2H), 1.99-1.90 (m, 1H), 0.86 (d, J = 6.4 Hz, 6H).ESI MS:m/z 287.19(M+H)。HPLC純度:94.32%。
【0166】
〔実施例7〕
((6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)オキシ)メチルジハイドロジェンホスフェートの調製
【0167】
【化43】
【0168】
ステップ1:ジベンジル(6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルオキシ)メチルホスフェート9の調製
【0169】
【化44】
DMF(20mL)およびTHF(20mL)中の6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−4−ヒドロキシ−3−フェニルピリジン−2(1H)−オン8(4g、12.84mmol)およびCs
2CO
3(4.59g、14.12mmol)の混合物を、140℃で1時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却し、DMF−THF(1:1、4mL)中のジベンジルクロロメチルホスフェートの溶液(4.88g、14.97mmol)を、徐々に滴加した。反応混合物を室温で12時間撹拌した。冷水を用いて、すべての反応混合物を希釈し、EtOAc(3×50mL)を用いて抽出した。水(3×50mL)、ブラインを用いて合わせた有機層を洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濃縮して、7.5gの粗ジベンジル(6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルオキシ)メチルホスフェート9を得た。粗生成物にさらなる精製をせずに、次のステップを施した。
9:ESI MS:m/z 602.21[M+H]
+& 603.23[M+H]
+
【0170】
ステップ2:(6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルオキシ)メチルジハイドロジェンホスフェートの調製
【0171】
【化45】
EtOH(150mL)中のジベンジル(6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルオキシ)メチルホスフェート9(7.5g、粗製)の溶液に、10%Pd/C(2.2g)を加えた。生じた混合物を、水素バルーン圧力下で1時間撹拌した。セライトベッドを通して反応混合物を濾過し、MeOHを用いて洗浄した。減圧下で濾液を濃縮して、5gの粗材料を得た。H
2O中の0〜95%MeCN/0.05%TFAの溶媒グラジエントを使用したXBridgeカラム(C−18、150×30mm ID5)を使用して、逆相HPLCで、この粗材料を精製して、表題化合物を白色の固体(840mg、2ステップの15.5%)として得た。
((6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル)オキシ)メチルジハイドロジェンホスフェート:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.7-11.3 (br, 1H), 7.37 (d, J = 7.2 Hz, 2H), 7.30 (dd, J = 7.6, 7.2 Hz, 2H), 7.21 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.17 (s, 1H), 5.47 (s, 1H), 5.45 (s, 1H), 2.40 (d, J = 6.8 Hz, 2H) 1.60-1.42 (m, 3H), 1.40-1.30 (m, 2H), 1.20-1.10 (m, 4H), 0.90 (s, 3H), 0.87 (s, 3H).
13C NMR (100 MHz, DMSO-d
6): δ 163.1 (1C), 161.7 (1C), 148.5 (1C), 133.1 (1C), 130.9 (2C), 127.25 (2C), 126.3 (1C), 111.9 (1C), 95.4 (1C), 86.8 (1C), 38.4 (1C), 37.1 (1C), 32.5 (1C), 29.8 (2C), 28.1 (2C), 24.4 (1C).ESI MS:m/z 422.20[M+H]。HPLC純度:96.9%。
【0172】
〔実施例8〕
6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルジハイドロジェンホスフェートの調製
【0173】
【化46】
【0174】
ステップ1:テトラベンジル(6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−3−フェニルピリジン−2,4−ジイル)ビス(ホスフェート)の調製
【0175】
【化47】
乾燥DMF(10mL)中のピリドン1(614.7mg、1.974mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、K
2CO
3(818mg、5.92mmol)、続いてジベンジルホスホロクロリデート(11.7mL、3.965mmol、ベンゼン中で10%w/v)を加えた。生じた混合物を室温まで徐々に温め、室温で18時間撹拌した。EtOAc(15mL)を用いて、反応混合物を希釈し、水(10mL)を加えた。有機物を分離し、EtOAc(3×8mL)を用いて水液層を抽出した。水およびブラインを用いて合わせた有機物を洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、黄色の油を得た。カラムクロマトグラフィー(ISCO Combiflash(登録商標)、40gのシリカゲルカラム、0〜30%EtOAc/シクロヘキサン)により、粗材料を精製して、ピリドン7を白色の固体(1.45g、89%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.44-7.28 (m, 17H), 7.25-7.21 (m, 4H), 7.21-7.13 (m, 4H), 7.07 (s, 1H), 5.11-5.02 (m, 4H), 4.87-4.75 (m, 4H), 2.56 (d, J = 7.03 Hz, 2H), 1.47 (br s, 2H), 1.43 (s, 1H), 1.34-1.27 (m, 2H), 1.19-1.03 (m, 4H), 0.86 (s, 6H).ESI MS:m/z 832[M+H]
+。
【0176】
ステップ2:6−((4,4−ジメチルシクロヘキシル)メチル)−2−オキソ−3−フェニル−1,2−ジヒドロピリジン−4−イルジハイドロジェンホスフェートの調製
【0177】
【化48】
10%Pd/C(150mg、15%w/w)を加える前に、2:1EtOH/EtOAc(45mL)中の二リン酸化した材料6の溶液(1.00g、1.326mmol)をアルゴンでパージした。生じた混合物を放置して、室温で、水素雰囲気下で3時間撹拌した。反応混合物を、セライトのプラグを通して濾過する前に、アルゴンでパージし、MeOHを用いて洗浄した。濾液を真空で濃縮して、褐色の残渣を得た。粗材料をDMSOに溶解し、H
2O中の10〜95%MeCN/0.1%ギ酸の溶媒グラジエントを使用して逆相HPLCで精製して、表題化合物を白色の固体(280.5mg、54%収率)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6): δ 11.59 (br s, 1H), 7.41-7.35 (m, 2H), 7.34-7.27 (m, 2H), 7.27-7.20 (m, 1H), 6.36 (s, 1H), 2.37 (d, J = 6.78 Hz, 2H), 1.47 (br s, 3H), 1.35 (d, J = 8.53 Hz, 2H), 1.21-1.08 (m, 4H), 0.89 (s, 3H), 0.87 (s, 3H).ESI MS:m/z 392[M+H]
+。HPLC純度:95%。C
20H
25NO
5P[M−H]
−のHRMS計算値390.1476;実測値、390.1487。
【0178】
薬理学的データ
本発明の化合物の実用性は、本明細書で下に記載されているアッセイのいずれか1つを使用することで、証拠立てることができる。
【0179】
本明細書において下で使用される以下の略語は、対応する意味を有する:
Mtb:結核菌(Mycobacterium tuberculosis)
TB:結核
H37Rv:ATCCからのMtbの実験室株(カタログ#27294)
ATCC:American type culture collection
ADS:アルブミン:デキストロース:塩化ナトリウム
DMSO:ジメチルスルホキシド
MoA:作用機序
MIC:最小発育阻止濃度
【0180】
菌株、培地および化学物質
0.05%Tween80および10%ADS supplementを添加したMiddlebrook 7H9肉汁培地中で、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)H37Rv(ATCC#27294)(Mtb)株を維持した。ADS supplementは、5%ウシ血清アルブミン分画V、2%D−デキストロースおよび0.8%の塩化ナトリウムを含有する。10%OADC(オレイン酸、アルブミン、デキストロースおよびカタラーゼ)を添加したMiddlebrook 7H11の寒天培地を、Mtbを成長させる固体培地として使用した。90%DMSOを使用して、化合物の保存溶液を調製した。
【0181】
最小発育阻止濃度(MIC
50)測定
下の表2では、MIC
50は、非処理の対照と比較して、野生型株の50%の増殖を阻害する化合物の最低濃度と定義される。試験化合物を、連続的に2回または3回繰り返して希釈し、mosquito HTSにより、384ウェルクリアプレートに配置し、各化合物の10倍の希釈度とした。50μlの体積のMtb培養物(0.02の最終OD
600)を各ウェルに加え、アッセイプレートを37℃で5日間インキュベートした。Spectramax M2分光計を使用して、600nMで吸光度を読み取ることにより、細菌の増殖を測定した。Activity Baseソフトウェアを使用することにより、MIC
50値を測定した。
【0182】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【0183】
様々なin vitroおよびin vivoアッセイを使用して、本発明の化合物の実用性、例えば殺菌活性、低酸素下において複製しない細菌の飢餓に対する活性、マクロファージ細胞内の細菌に対する活性、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、サルなど多様な種の、急に罹患した、および既に罹患している動物に関する効果の研究を示すことができる。Pethe Kら、「A chemical genetic screen in Mycobacterium tuberculosis identifies carbon-source-dependent growth inhibitors devoid of in vivo efficacy」、Nat. Commun、1(57)、1〜8頁(2010);およびWayne, L. G. In Mycobacterium T uberculosis Protocols、Parish, T.、Stoker, N. G.、Eds.、Humana Press、Totowa、NJ、247〜270頁(2001)を参照されたい。
【0184】
作用機序(MoA):
作用様式の研究。
式(I)の化合物の作用様式を評価するために、選択した式(I)の化合物(例えば化合物の番号PD12、PD10およびPD2)に対して、Mtbの自然耐性変異体を発生させた。簡潔には、7.5および10μMの濃度のPD12、PD10およびPD2を含有する7H11のプレートに、10
9コロニー形成単位のMtb H37Rvを蒔いた。これらのプレートを37℃のインキュベータで3週間インキュベートした。プレート上に形成したコロニーを、抗生物質なしでさらに二次培養し、MIC測定によりPD12、PD10およびPD2への耐性を確認した。選択した6種の自然耐性分離株のゲノムDNAを単離し、Pethe Kら、「A chemical genetic screen in Mycobacterium tuberculosis identifies carbon-source-dependent growth inhibitors devoid of in vivo efficacy」、Nat. Commun、1(57)、1〜8頁(2010)において報告されているようにSolexaシステムを使用して、全体のゲノムシークエンシングを施した。コンピュータ分析、およびさらにキャピラリーシークエンシングの結果により、すべての自然耐性変異体における変異がinhAをコードするRv1484遺伝子にマップされることが明らかになった。変異体のうち5種は、単一ヌクレオチド多型を示し、inhAにおける以下のアミノ酸変化、すなわちD148G、S94A、G96VおよびD148Vの変化のうち1つを引き起こす(下の表3を参照されたい)。
【0185】
【表6】
【0186】
同様に、ウシ型結核菌BCG(M bovis BCG)およびスメグマ菌(M. smegmatis)に関して、PD12およびPD2の自然耐性変異体は、InhA(M161I、M161VおよびT17A)における変異もマップし(下の表4を参照されたい)、エノイル−ACP還元酵素は、長鎖トランス−2−エノイル−ACP脂肪酸のNADH依存性還元を触媒し、マイコバクテリアのFAS(脂肪酸合成酵素)IIシステムの重要な成分である(Quemardら、1995)。さらに、遺伝的相補性および脂質をプロファイルする
14C酢酸トレーサ取り込み研究により、Mtbにおける式(I)の化合物の分子標的はinhAであることが確認された。最も効果的に、および広範に使用される薬剤の1つは、TBを処理するためのイソニアジド(INH)である。INHは、KatG(マイコバクテリアのカタラーゼペルオキシダーゼ)酵素による活性化を必要とするプロドラッグであり、INHの活性化形態は、NADH+と反応して、INH−NAD付加体を形成する(Zhangら、1992)。これらの付加体は、結合し、inhA酵素の生理学的な機能を阻害する。inhAの阻害により、ミコール酸の生合成は遮られ、それにより、細胞壁の完全性は損なわれ、最終的には細胞死が引き起こされる(Vilchezeら、2000)。INHに対してほぼ70〜80%の薬剤耐性は、最初に、KatGの変異から生じる。その結果として、式(I)の化合物のような、KatGによる活性化を必要としない新規なInhA阻害剤は、TBを処置するためには魅力的な薬剤候補である。
【0187】
【表7】
本願は以下の発明に関するものである。
(1) 式(I)
【化49】
式中、
R1がH、メチルもしくはエチルであり;
R2がフェニル、ピロールもしくはピラゾールであり、前記フェニルが、場合により、フルオロもしくはクロロから独立して選択される1個または複数の置換基で置換され;但し前記置換基がクロロである場合、前記クロロが前記フェニルのメタ位もしくはオルト位に位置し、クロロ置換基の数が1個以下であり;
R3が、
【化50】
(式中、R100およびR200が、H、(C1〜C6)アルキル、シクロアルキル、有機カチオンおよび無機カチオンからなる群からそれぞれ独立して選択される)
からなる群から選択される構造式であり;
R4がHもしくは−C(=O)NH2であり;
R5が(C1〜C6)アルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロ環およびヘテロアリールからなる群から選択され、場合により1個または複数の独立したR300置換基で置換され;ならびに
R300が、H、(C1〜C6)アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ、アミノおよびFからなる群から選択される;
の化合物、または、薬学的に許容されるその塩。
(2) R1がHである、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(3) R2がフェニルである、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(4) R3が(Ia)である、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(5) R3が(Ic)であり、R100およびR200がいずれもHである、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(6) R4がHである、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(7) R5が(C1〜C6)アルキル、フェニル、テトラヒドロ−2H−ピランまたはピリジンである、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(8) R5がシクロアルキルである、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(9) R5がシクロヘキサンである、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(10) R5がシクロヘキサン((C1〜C6)アルキル、シクロアルキルもしくはFから独立して選択される、1個もしくは複数の置換基で置換される)である、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(11) R5がシクロヘキサン(メチル、シクロプロパンもしくはFから独立して選択される、1個もしくは複数の置換基で置換される)である、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(12) R5がシクロヘキサン(2個のメチル置換基で置換される)である、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(13)
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【表8-5】
【表8-6】
【表8-7】
からなる群から選択される、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(14) 以下の構造
【化51】
を有する、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(15) 以下の構造
【化52】
を有する、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(16) 以下の構造
【化53】
を有する、前記(1)に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩。
(17) 前記(1)から前記(16)のいずれか一項の式(I)の化合物、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む、医薬組成物。
(18) 少なくとも1つの追加の医薬品をさらに含む、前記(17)に記載の医薬組成物。
(19) 前記少なくとも1つの追加の医薬品が、抗結核剤である、前記(18)に記載の医薬組成物。
(20) 前記抗結核剤が、イソニアジド、リファンピシン、ピラジンアミド、エタンブトール、ストレプトマイシン、カナマイシン、アミカシン、カプレオマイシン、オフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、シクロセリン、パラアミノサリチル酸、エチオナミド、プロチオナミド、チオアセタゾンクロファジミン、クラブラン酸を伴うアモキシシリン、イミペネム、リネゾリド、クラリスロマイシンおよびチオリダジンからなる群から選択される、前記(19)に記載の医薬組成物。
(21) 結核菌(M. tuberculosis)のエノイルアシルキャリアータンパク質還元酵素(InhA)の阻害を通じたミコール酸生合成の阻害により介在される疾患、障害または症候群を処置する方法であって、それを必要とする患者に、前記(1)から(16)のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与するステップを含む方法。
(22) 前記患者がヒトである、前記(21)に記載の方法。
(23) 前記疾患、障害または症候群が結核である、前記(21)に記載の方法。
(24) 前記ヒトが(i)喀痰塗抹陽性、喀痰塗抹陰性または肺外結核;(ii)薬剤耐性結核菌(M. tuberculosis)群の微生物によって引き起こされる結核;または(iii)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に合併する結核を有する、前記(22)に記載の方法。
(25) 結核を処置する方法であって、それを必要とする患者に、前記(17)に記載の医薬組成物を投与するステップを含む、方法。
(26) 前記患者がヒトである、前記(25)に記載の方法。
(27) 前記ヒトが(i)喀痰塗抹陽性、喀痰塗抹陰性または肺外結核;(ii)薬剤耐性結核菌(M. tuberculosis)群の微生物によって引き起こされる結核;または(iii)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に合併する結核を有する、前記(26)に記載の方法。
(28) 治療に使用する、前記(1)から(16)に記載の化合物。
(29) 前記治療が、結核菌(M. tuberculosis)のエノイルアシルキャリアータンパク質還元酵素(InhA)の阻害を通じたミコール酸生合成の阻害により介在される疾患、障害または症候群を処置するためのものである、前記(28)に記載の化合物。
(30) 結核菌(M. tuberculosis)のエノイルアシルキャリアータンパク質還元酵素(InhA)の阻害を通じたミコール酸生合成の阻害により介在される疾患、障害または症候群を処置するための方法が、それを必要とする患者に、
(i)前記(1から16)に記載の化合物のいずれか1つ、または薬学的に許容されるその塩、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む第1の組成物;ならびに
(ii)少なくとも1つの追加の医薬品、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含む第2の組成物
を投与するステップを含む、方法。
(31) 前記患者がヒトである、前記(30)に記載の方法。
(32) 前記ヒトが(i)喀痰塗抹陽性、喀痰塗抹陰性または肺外結核;(ii)薬剤耐性結核菌(M. tuberculosis)群の微生物によって引き起こされる結核;または(iii)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に合併する結核を有する、前記(31)に記載の方法。
(33) 前記第1および第2の組成物が同時に投与される、前記(30)、(31)または(32)に記載の方法。
(34) 前記第1および第2の組成物が、任意の順序で順次投与される、前記(30)、(31)または(32)に記載の方法。