(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記訪問制御手段は、前記場所を基準とする範囲に前記ユーザがいることを示す位置関係が取得された場合、前記訪問情報を変更せず、前記範囲に前記ユーザがいないことを示す位置関係が取得された場合、前記訪問情報を変更する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の訪問管理システム。
前記訪問判定手段は、前記場所情報と前記訪問者端末の位置情報とに基づいて算出される、前記場所までの所要時間又は所要距離が基準を満たすか否かを判定することによって、訪問が近づいたか否かを判定し、
前記訪問制御手段は、前記場所情報と前記ユーザ端末の位置情報とに基づいて算出される、前記場所までの時間又は距離が基準を満たすか否かを判定し、
前記訪問判定手段における基準と、前記訪問制御手段における基準と、が対応していることを特徴とする、請求項6又は7に従属する場合の請求項8に記載の訪問管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.訪問管理システムの全体構成]
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る訪問管理システムの全体構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態では、訪問管理システム1は、訪問管理サーバ10、訪問者端末20、及びユーザ端末30を含む。なお、ここでは説明の簡略化のため、各装置を1つとして説明するが、これらの装置は複数であってもよい。
【0009】
訪問管理サーバ10は、一般的なサーバコンピュータであり、制御部11、記憶部12、及び通信部13を含む。制御部11は、例えば、一又は複数のマイクロプロセッサを含む。記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の主記憶部やハードディスク等の補助記憶部を含む。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムやデータに従って処理を実行する。通信部13は、ネットワークカードを含み、ネットワークを介して外部とのデータ送受信が可能になっている。
【0010】
訪問者端末20は、訪問者が操作するコンピュータであり、例えば、携帯端末や車載器等である。訪問者端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、表示部25、及び位置取得部26を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23のハードウェア構成は、制御部11、記憶部12、及び通信部13と略同様であるので説明を省略する。操作部24は、ユーザが操作を行うための入力デバイス(例えば、タッチパネル)である。表示部25は、各種画面を表示するモニタである。位置取得部26は、外部から信号を受信して位置情報を取得する機器であり、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機を含む。
【0011】
ユーザ端末30は、ユーザが操作するコンピュータであり、例えば、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等である。ユーザ端末30は、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、表示部35、及び位置取得部36を含む。これらのハードウェア構成は、それぞれ制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、表示部25、及び位置取得部26と略同様であるので説明を省略する。以降の説明では、ユーザが訪問管理システム1を利用するにあたり、ユーザ端末30の位置情報の提供を許可しているものとする。即ち、ユーザ端末30の位置情報の取得要求をユーザが許可しない場合には、ユーザ端末30の位置情報は提供されない。
【0012】
なお、上記説明した各装置は、一般的なハードウェアを適用すればよく、各装置のハードウェア構成は、上記の例に限られない。また、各装置に記憶されるものとして説明するプログラムやデータは、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体(例えば、メモリカード)に記憶されたものが供給されるようにしてもよいし、ネットワークを介して供給されるようにしてもよい。
【0013】
本実施形態では、物流業者が複数の配達先に荷物を順番に配達する場面を例に挙げて、訪問管理システム1が実行する処理を説明する。荷物は、例えばユーザが電子商取引により注文し店舗から発送された商品であってもよいし、あるいはCtoCすなわちあるユーザから発送され別のユーザに配達される荷物であってもよい。
図2は、訪問管理システム1が実行する処理の概要を示す図である。
図2に示すように、物流業者がユーザA、B及びCの順番で荷物を配達する場合、物流業者がユーザA宅への配達を終えてユーザB宅に近付くと、ユーザBが操作するユーザ端末30の位置情報に基づいて、ユーザBが自宅又はその付近にいるか(
図2の破線L内に示すB1又はB2の状態か)否かが特定される。
【0014】
ユーザBが自宅又はその付近にいれば、訪問管理システム1は、配達時間や配達順を変更せず、物流業者はそのままユーザB宅に配達する。一方、ユーザBが自宅から離れた位置にいれば(
図2の破線L外に示すB3の状態)、訪問管理システム1は、配達を遅らせるか否かをユーザBに問い合わせて、その回答次第で、配達をユーザCよりも後回しにすることによって、物流業者が配達のためにユーザB宅を訪れたときに、ユーザBがユーザB宅にいる可能性を高める構成になっている。別の言い方をすれば、訪問管理システム1は、物流業者が配達のためにユーザB宅を訪れたときに、ユーザBが不在にしている確率を低減する構成になっている。以降、当該技術の詳細について説明する。
【0015】
[2.訪問管理システムにおいて実現される機能]
図3は、訪問管理システム1の機能ブロック図である。本実施形態では、訪問管理サーバ10、訪問者端末20、及びユーザ端末30により、下記に説明する機能が実現される。
【0016】
[2−1.訪問管理サーバにおいて実現される機能]
訪問管理サーバ10は、情報記憶部101、場所情報取得部102、訪問者位置取得部103、訪問判定部104、応答要求部105、応答取得部106、訪問制御部107、通知情報送信部108、要否問い合わせ部109、及び要否回答受信部110を含む。情報記憶部101は、記憶部12を主として実現され、訪問判定部104及び訪問制御部107は、制御部11を主として実現され、他の各機能は、制御部11及び通信部13を主として実現される。
【0017】
[情報記憶部]
情報記憶部101は、ユーザに関連付けられた場所(以降、単に訪問場所という。)を訪れるべき時(すなわち、訪問時刻)および訪れるべき順番の一方または両方を含む訪問情報を記憶する。訪問場所を訪れるべき時とは、訪問場所を訪問すべき日時、時間帯、又はタイミングである。訪問場所を訪れるべき順番とは、複数の訪問場所のうちでその訪問場所を訪れるべき順番である。本実施形態では、ユーザ宛ての荷物を物流業者が配達する配達先が訪問場所に相当するので、訪問情報は、配達先に物流業者が配達すべき配達日時及び配達順の少なくとも一方を含むことになる。
【0018】
図4は、訪問情報の一例を示す図である。
図4に示すように、ここでは、訪問情報には、ユーザを識別するユーザ識別情報、訪問場所を示す場所情報、及び訪問済みフラグが関連付けられている。ユーザ識別情報は、訪問対象のユーザを識別する情報であり、例えば、ユーザを一意に識別するユーザID、ユーザの氏名や連絡先、及びユーザ端末30の個体識別情報を含む。場所情報は、訪問先の場所を識別する情報であり、例えば、配達先の住所及び配達先の緯度経度情報を含む。
【0019】
訪問済みフラグは、物流業者がユーザを訪問したか否かを識別する情報であり、例えば、訪問して配達済みであることを示す値、訪問したが不在で配達できなかったこと示す値、まだ訪問していないことを示す値の何れかをとる。訪問済みフラグは、訪問者端末20からの操作に応じて変化する。例えば、訪問済みフラグの初期値は、まだ訪問していないことを示す値を取る。そして、訪問者端末20から配達が完了した旨の操作や不在で配達できなかった旨の操作を訪問管理サーバ10が受信すると、訪問済みフラグは、その操作に応じた値に変化する。
【0020】
なお、情報記憶部101が記憶するデータは、上記の例に限られない。例えば、情報記憶部101は、各住所の緯度経度情報を定義したデータや移動ルートの計算に必要な地図データを記憶するようにしてもよい。また、情報記憶部101は、ユーザ端末30の個体識別情報とユーザIDとの対応付けを示すデータを記憶するようにしてもよい。
【0021】
[場所情報取得部]
場所情報取得部102は、訪問場所を示す場所情報を取得する。場所情報取得部102は、情報記憶部101に記憶された場所情報を取得する。
【0022】
[訪問者位置取得部]
訪問者位置取得部103は、訪問者端末20の位置情報を取得する。訪問者位置取得部103は、後述する訪問者位置送信部201から送信された位置情報を取得する。
【0023】
[訪問判定部]
訪問判定部104は、予め定められた方法に基づいて、訪問が近づいたか否かを判定する。本実施形態では、訪問判定部104は、場所情報と訪問者端末20の位置情報とに基づいて訪問が近づいたか否かを判定する。例えば、訪問判定部104は、場所情報が示す位置と、訪問者端末20の位置情報が示す位置と、の位置関係が所定の位置関係であるか否かを判定する。
【0024】
より具体的には、訪問判定部104は、場所情報と訪問者端末20の位置情報とに基づいて算出される、訪問場所までの所要時間又は所要距離が基準を満たすか否かを判定する。ここでは、所要時間又は所要距離が閾値以内であることが、基準を満たすことに相当する。訪問判定部104は、所要時間又は所要距離が基準を満たす場合、訪問が近づいたと判定し、所要時間又は所要距離が基準を満たさない場合、訪問が近づいたと判定しない。
【0025】
所要時間は、場所情報が示す位置と訪問者端末20の位置情報が示す位置とを所定の数式に代入することで得られる時間であり、例えば、物流業者が現在の位置から配達先に到達するのに必要な時間(即ち、現時点から到達予想時刻までの時間)であってもよい。
【0026】
所要距離は、場所情報が示す位置と訪問者端末20の位置情報が示す位置とを所定の数式に代入することで得られる距離であり、例えば、所定の配達ルートに沿って測定された、物流業者の現在の位置と配達先との距離(配達先に到達するまでに必要な移動距離)であってもよいし、現在位置と配達先とを結ぶ直線距離であってもよい。
【0027】
なお、所要時間又は所要距離の算出方法自体は、公知の種々の手法を適用可能である。例えば、訪問判定部104は、訪問者端末20の位置情報が示す位置から、場所情報が示す位置までの移動ルートを決定し、その移動ルートに基づいて所要時間又は所要距離を算出する。その際に、道路の渋滞状況や予め定められた移動速度が考慮されるようにしてもよい。
【0028】
[応答要求部]
応答要求部105は、訪問が近づいたと判定された場合、ユーザ端末30に所定の応答要求をする。例えば、応答要求部105は、応答要求として、ユーザ端末30の位置情報を要求する。
【0029】
[応答取得部]
応答取得部106は、応答要求に対するユーザ端末30からの応答を取得する。例えば、応答取得部106は、ユーザ端末30からの応答として、ユーザ端末30の位置情報を取得する。
【0030】
[訪問制御部]
訪問制御部107は、ユーザ端末30からの応答により取得される位置関係であって訪問場所とユーザとの位置関係、に基づいて、訪問情報を変更するか否かを決定し、かつその決定に応じて訪問情報(例えば、配達日時及び配達順の少なくとも一方)を制御する。ここでは、訪問情報が示す時や順番を遅めたり早めたりすることが、訪問情報を変更することに相当する。また、訪問情報を変更しないと決定した場合に訪問情報を変更せず、訪問情報を変更すると決定した場合に訪問情報を変更する処理を実行することが、訪問情報を制御することに相当する。
【0031】
訪問制御部107は、上記取得される位置関係が所定の位置関係である場合、訪問情報を変更する。例えば、訪問制御部107は、訪問場所を基準とする範囲(以降、基準範囲という。)にユーザがいることを示す位置関係が取得された場合、訪問情報を変更せず、その範囲にユーザがいないことを示す位置関係が取得された場合、訪問情報が含む時及び順番の少なくとも一方を遅らせることがある。ここでは、訪問場所にユーザがいること、又は、訪問場所とユーザの場所とのずれが所定以内であること(訪問場所付近にユーザがいること)が、基準範囲にユーザがいることに相当する。
【0032】
より具体的には、訪問制御部107は、場所情報とユーザ端末30の位置情報とに基づいて取得される位置関係に基づいて制御を行う。例えば、訪問制御部107は、場所情報とユーザ端末30の位置情報とに基づいて算出される、訪問場所までの時間又は距離(以降、先述した所要時間又は所要距離と明確に区別するために、推定時間又は推定距離という。)が基準を満たすか否かを判定する。
【0033】
推定時間は、場所情報が示す位置とユーザ端末30の位置情報が示す位置とを所定の数式に代入することで得られる時間であり、例えば、ユーザが現在の位置から配達先に到達する(戻る)のに必要な時間(即ち、現時点から到達予想時刻までの時間)であってもよい。なお、場所情報が示す位置とユーザ端末30の位置情報が示す位置とがほぼ一致している場合(例えば、後述の推定距離がほぼ0の場合)には、推定時間を0とみなすようにしてもよい。
【0034】
推定距離は、場所情報が示す位置とユーザ端末30の位置情報が示す位置と、を所定の数式に代入することで得られる距離であり、例えば、所定の移動ルートに沿って測定された、ユーザの現在の位置と配達先との距離(配達先に到達するまでに必要な移動距離)であってもよいし、ユーザの現在の位置と配達先とを結ぶ直線距離であってもよい。
【0035】
なお、推定時間又は推定距離の算出方法として公知の種々の手法を適用可能な点は、所要時間又は所要距離と同様である。例えば、訪問制御部107は、ユーザ端末30の位置情報が示す位置から、場所情報が示す位置までの移動ルートを決定し、その移動ルートに基づいて推定時間又は推定距離を算出する。その際に、ユーザが利用する移動手段(例えば、徒歩や乗り物の種類)や道路の渋滞状況、及び予め定められた移動速度が考慮されるようにしてもよい。
【0036】
ここでは、推定時間又は推定距離が閾値以内であることが、基準を満たすことに相当する。訪問判定部104は、推定時間又は推定距離が基準を満たす場合、基準範囲にユーザがいると判定し、推定時間又は推定距離が基準を満たさない場合、基準範囲にユーザがいないと判定する。
【0037】
[通知情報送信部]
通知情報送信部108は、基準範囲にユーザがいることを示す位置関係が取得された場合、訪問が近づいた旨を通知するための情報をユーザ端末30に送信する。例えば、通知情報送信部108は、所定のメッセージをユーザ端末30に表示させるための情報を送信する。
【0038】
[要否問い合わせ部]
要否問い合わせ部109は、基準範囲にユーザがいないことを示す位置関係が取得された場合、ユーザ端末30に対して、訪問制御部107による変更の要否に関する問い合わせを行う。要否問い合わせ部109は、所定の問い合わせメッセージをユーザ端末30に表示させるための情報を送信する。
【0039】
[要否回答受信部]
要否回答受信部110は、ユーザ端末30において入力された、問い合わせに対する回答を受信する。要否回答受信部110は、回答送信部303が送信した回答を受信する。要否回答受信部110が変更不要を示す回答を受信した場合、訪問制御部107は、訪問情報を変更せず、要否回答受信部110が変更不要を示す回答を受信しない場合、訪問制御部107は、訪問情報が含む時及び順番の少なくとも一方を遅らせる。
【0040】
[2−2.訪問者端末において実現される機能]
訪問者端末20は、訪問者位置送信部201を含む。訪問者位置送信部201は、制御部31及び通信部33を主として実現される。訪問者位置送信部201は、訪問者端末20の位置情報を送信する。訪問者位置送信部201は、位置取得部26により取得された位置情報を、訪問管理サーバ10に定期的に送信する。
【0041】
[2−3.ユーザ端末において実現される機能]
ユーザ端末30は、応答送信部301、訪問通知部302、及び回答送信部303を含む。これらは、制御部21及び通信部23を主として実現される。
【0042】
応答送信部301は、訪問管理サーバ10から応答要求を受信した場合、当該受信した応答要求に対する応答を訪問管理サーバ10に送信する。例えば、応答送信部301は、位置取得部36により取得された位置情報を訪問管理サーバ10に送信する。
【0043】
訪問通知部302は、訪問管理サーバ10から受信した情報に基づいて、訪問が近づいた旨をユーザに通知する。
図5は、ユーザ端末30に表示される画面の一例を示す図である。
図5に示すように、通知情報送信部108が送信した情報をユーザ端末30が受信すると、訪問通知部302は、物流業者による荷物の配達が近づいた旨のメッセージを含む訪問通知画面40を表示させる。
【0044】
なお、本実施形態では、通知の一態様として、所定のメッセージを含む画面を表示させる場合を説明するが、他の種々の通知方法を適用可能である。例えば、電子メール、チャット(いわゆる、インスタントメッセンジャーを含む)、又は音声出力により通知が行われてもよい。訪問通知部302による通知以外にも、後述する各種画面(問い合わせ画面50、配達時期指定画面60、及び変更通知画面70)を用いて行われる通知についても同様である。
【0045】
回答送信部303は、要否問い合わせ部109からの問い合わせに対するユーザの回答を送信する。
図6は、ユーザ端末30に表示される画面の一例を示す図である。
図6に示すように、要否問い合わせ部109による問い合わせをユーザ端末30が受け付けると、ユーザ端末30の表示部35には、配達を遅らせるか否かの回答をユーザに促す問い合わせ画面50が表示される。問い合わせ画面50には、問い合わせに対する回答をするための回答ボタン51,52が表示される。回答送信部303は、問い合わせ画面50において選択された回答を、訪問管理サーバ10に送信する。
【0046】
なお、変更を要する旨を示す回答ボタン52をユーザが選択した場合は、配達日時や配達順を指定するための画面が表示されるようにしてもよい。
図7は、ユーザ端末30に表示される画面の一例を示す図である。
図7に示すように、配達時期指定画面60において、ユーザが変更後の配達日時や配達順をボタン61により指定できるようにしてもよい。この場合、回答送信部303は、ユーザが指定した配達日時や配達順を訪問管理サーバ10に送信する。訪問制御部107は、当該指定された配達日時や配達順に基づいて、訪問情報を変更することになる。
【0047】
[3.実施形態において実行される処理]
図8及び
図9は、訪問管理システム1で実行される処理を示す図である。ここでは、制御部11,21,31が、それぞれ記憶部12,22,32に記憶されたプログラムに従って動作することにより、
図8及び
図9に示す処理が実行され、各機能ブロックが実現される。
【0048】
図8に示すように、まず、訪問者端末20においては、制御部21は、位置情報の送信タイミングが到来したか否かを判定する(S1)。S1においては、制御部21は、前回の送信タイミングから所定時間(例えば、15分)が経過したか否かを判定する。なお、制御部21は、リアルタイムクロック等の計時手段を含み、前回の送信タイミングからの経過時間を示す情報が記憶部22に記憶されているものとする。
【0049】
送信タイミングが到来したと判定された場合(S1;Y)、制御部21は、位置取得部26により位置情報を取得して、訪問管理サーバ10に送信する(S2)。S2においては、制御部21は、位置情報を、訪問者端末20の個体識別情報とともに、訪問管理サーバ10に送信する。なお、訪問者端末20の個体識別情報は、予め記憶部22に記憶されているものとする。
【0050】
訪問管理サーバ10においては、訪問者端末20から位置情報を受信すると、制御部11は、その位置情報と場所情報とに基づいて、次の配達先までの所要時間を算出する(S3)。なお、制御部11は、訪問者端末20の個体識別情報を取得することで、どの訪問者端末20の位置情報を受信したかを特定することができる。
【0051】
S3においては、まず、制御部11は、
図4に示すデータの配達済みフラグを参照して、次の配達先を特定する。例えば、制御部11は、配達済みフラグが訪問していないことを示す配達先のうち配達順が最も若いものを、次の配達先として特定する。そして、制御部11は、次の配達先の場所情報と訪問者端末20の位置情報とに基づいて、次の配達先までの所要時間を算出する。
【0052】
制御部11は、S3で算出した所要時間が閾値以内であるか否かを判定する(S4)。S3で算出された所要時間が閾値以内ではないと判定された場合(S4;N)、本処理は終了する。この場合、物流業者が次の配達先にまだ近付いていないため、以降の処理は実行されない。
【0053】
一方、所要時間が閾値以内であると判定された場合(S4;Y)、制御部11は、次の配達先に関連付けられたユーザ端末30に対して、位置情報の取得要求を送信する(S5)。S5においては、制御部11は、
図4に示すデータを参照して、次の配達先に関連付けられたユーザIDやユーザ端末30の個体識別情報を参照して、位置情報の取得要求をすべきユーザ端末30を特定する。そして、制御部11は、当該特定されたユーザ端末30に対して、位置情報を送信するように要求する。
【0054】
ユーザ端末30においては、位置情報の取得要求を受信すると、制御部31は、位置取得部36により位置情報を取得して、訪問管理サーバ10に送信する(S6)。S6においては、制御部21は、位置取得部36が取得した位置情報を、ユーザ端末30の個体識別情報とともに、訪問管理サーバ10に送信する。なお、ユーザ端末30の個体識別情報は、予め記憶部22に記憶されているものとする。
【0055】
訪問管理サーバ10においては、ユーザ端末30の位置情報を受信すると、制御部11は、受信した位置情報と場所情報とに基づいて、配達先までの推定時間を算出する(S7)。S7における推定時間の算出方法は、S3と同様、公知の種々の算出方法を適用可能である。なお、ここでは、S3及びS7において所要時間及び推定時間が算出される場合を説明するが、所要距離及び推定距離が算出されるようにしてもよい。
【0056】
制御部11は、S7で算出した推定時間が閾値以内であるか否かを判定する(S8)。なお、詳細は後述するが、S4における閾値とS8における閾値とは、互いに対応していてもよいし全く別個であってもよい。S7で算出された推定時間が閾値以内であると判定された場合(S8;Y)、制御部11は、そのまま配達に伺う旨のメッセージをユーザ端末30に送信する(S9)。この場合、配達時間や配達順は変更されないことになる。
【0057】
ユーザ端末30においては、メッセージを受信すると、制御部31は、そのメッセージを訪問通知画面40に表示させ(S10)、本処理は終了する。
【0058】
一方、S7で算出された所要時間が閾値以内であると判定されない場合(S8;N)、
図9に移り、制御部11は、配達を遅らせるか否かをユーザ端末30に問い合わせる(S11)。S11においては、制御部11は、問い合わせ画面50の表示データ(例えば、HTML形式等)を生成して、ユーザ端末30に送信する。
【0059】
ユーザ端末30においては、問い合わせを受信すると、制御部31は、問い合わせ画面50を表示部35に表示させ、ユーザによる回答の入力を受け付ける(S12)。ユーザが回答ボタン51を選択して、そのまま配達する旨の回答を入力した場合(S12;そのまま)、制御部31は、そのまま配達する旨の回答を訪問管理サーバ10に送信する(S13)。S13においては、例えば、制御部31は、ユーザが回答ボタン51を選択したことを示す情報を訪問管理サーバ10に送信する。
【0060】
一方、ユーザが回答ボタン52を選択して、配達を遅らせる旨の回答を入力した場合(S12;遅らせる)、制御部31は、配達時期指定画面60を表示させ、ユーザにより指定された配達日時や配達順とともに、配達を遅らせる旨の回答を訪問管理サーバ10に送信する(S14)。S14においては、例えば、制御部31は、ユーザが回答ボタン52を選択したことを示す情報と、配送時期指定画面60においてユーザが選択したボタン61を示す情報と、を訪問管理サーバ10に送信する。
【0061】
訪問管理サーバ10においては、制御部11は、ユーザ端末30から回答を受信したか否かを判定する(S15)。S15においては、制御部11は、ユーザ端末30に対して問い合わせをしてから所定期間の間に回答を受信したか否かを判定する。回答を受信しないと判定された場合(S15;N)、後述のS17の処理に移行する。
【0062】
一方、回答を受信したと判定された場合(S15;Y)、制御部11は、その回答を参照する(S16)。そのまま配達する旨の回答を受信した場合(S16;そのまま)、本処理は終了する。この場合、配達時間や配達順は変更されない。
【0063】
一方、配達を遅らせる旨の回答を受信した場合(S16;遅らせる)、制御部11は、訪問情報が含む配達時間や配達順を遅らせる(S17)。ユーザが回答ボタン52を選択した場合には、その後に配達日時や配達順も指定されるので、S17においては、制御部11は、その指定内容(例えば、ユーザが選択したボタン61に対応する配達日時や配達順)に基づいて訪問情報を更新する。なお、ユーザからの回答を受信せずにS17の処理に移行した場合(即ち、S15の判定が「N」であり、S17の処理に移行した場合)には、ユーザが配達日時や配達順を指定したわけではないので、制御部11は、配達時間を所定時間だけ遅らせるように訪問情報を更新したり、配達順を現在よりも所定だけ後の順番(例えば、2つ後の順番)になるように訪問情報を更新したりするようにしてもよい。
【0064】
制御部11は、配達を遅らせた旨のメッセージを、訪問者端末20に送信する(S18)。S18においては、制御部11は、所定のメッセージを生成して、訪問者端末20に送信する。
【0065】
訪問者端末20においては、メッセージを受信すると、制御部21は、そのメッセージを表示部25に表示させ(S19)、本処理は終了する。物流業者は、訪問者端末20に表示されたメッセージを見ることで、次の配達先が変更されたことを把握することができ、次に向かうべき配達先を特定することができる。
【0066】
上記実施形態の訪問管理システム1によれば、物流業者が配達先に近付いた場合に配達先又はその近くにユーザがいるか否かを判定し、配達を遅らせるか否かを制御するので、物流業者が配達先でユーザに会える可能性を高めることができる。つまり、訪問管理システム1を、物流業者が荷物を配達する場面に適用することで、物流業者が荷物を配達できる可能性を高めることができる。より具体的には、物流業者がせっかく配達先を訪れてもユーザが不在であれば、荷物を配達することができないため再配達をする必要があるが、訪問管理システム1の上記処理を実行することで、物流業者がユーザに会える可能性を高める(ユーザが不在の配達先に物流業者が訪問してしまう可能性を低減する)ことができるので、再配達の発生を低減して効率的な配達をすることができ、物流業者にとっての利便性が向上する。また、再配達が発生する可能性を低減すれば、ユーザが再配達の連絡をする手間(例えば、電話やインターネット等で再配達を依頼する手間)を省くことができるので、物流業者だけでなくユーザにとっての利便性も向上する。更に、予め定められた配達先に荷物が届くので、例えば、ユーザが外出先で受け取った荷物をいちいち自宅に持ち帰るような手間も発生しないようにすることもできる。
【0067】
また、訪問管理システム1は、配達先又はその近くにユーザがいる場合に訪問通知画面40をユーザ端末30に表示させるので、ユーザが配達を忘れて外出してしまい、物流業者の訪問時に不在にしてしまうことを効果的に防止することができる。
【0068】
また、訪問管理システム1は、配達先又はその近くにユーザがいる場合には配達日時や配達順を変更しないので、物流業者が配達先を訪問したときに、その配達先でユーザに会える可能性が高い場合にはそのまま配達させることができる。一方、配達先又はその近くにユーザがいない場合には、物流業者がそのまま配達先を訪問してもユーザが不在にしている可能性が高いので、配達日時や配達順を変更することにより、物流業者がせっかく配達先を訪れても、ユーザが不在のために再配達をしなければならないような無駄の発生を防止することができる。
【0069】
また、訪問管理システム1は、配達日時や配達順を変更する前に、その変更の要否の問い合わせをユーザに送るため、ユーザが配達先に戻れると自分で判断した場合に配達日時や配達順が変更されてしまうことを防止することができる。即ち、配達先又はその近くにユーザがいないと判定された場合に無条件で配達日時や配達順を変更してしまうと、ユーザが急いで配達先に戻ったとしても物流業者が来ない可能性があるが、ユーザ自身の判断を仰ぐことで、物流業者が配達先を訪問したときに、その配達先でユーザに会える可能性を高め、物流業者がユーザに荷物を配達できる可能性を向上させることができる。別の言い方をすれば、配達を遅らせるか否かをユーザ自身に選ばせることで、再配達を手配する手間が発生してしまうことをより確実に防止することができるので、特にユーザにとっての利点が大きくなり、荷物を受け取る際の顧客満足度が向上する。
【0070】
また、訪問管理システム1は、物流業者が配達先に近付いたか否かを訪問者端末20の位置情報に基づいて判定することによって、物流業者の訪問が近付いたか否かを正確かつリアルタイムに判定することができる。
【0071】
また、訪問管理システム1は、配達先又はその近くにユーザがいるか否かを、ユーザ端末の位置情報に基づいて判定することによって、ユーザが配達先又はその近くにいるか否かを正確かつリアルタイムに判定することができる。
【0072】
[4.変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
【0073】
図10は、変形例の機能ブロック図である。
図10に示すように、変形例では、上記実施形態の機能に加えて、基準指定受付部111及び蓄積部112が実現される。基準指定受付部111は、制御部11及び通信部13を主として実現され、蓄積部112は、制御部11を主として実現される。
【0074】
(1)例えば、訪問判定部104が用いる基準(例えば、S4における閾値)は、ユーザにより指定されたものであってもよい。即ち、ユーザが指定した基準を用いることで、配達業者が配達先に近付いたか否かを判断するための基準を、ユーザごとに異ならせるようにしてもよい。
【0075】
変形例(1)では、基準指定受付部111が実現される。基準指定受付部111は、時間又は距離に関する基準の指定を受け付ける。例えば、基準指定受付部111は、ユーザによる数値(例えば、時間や距離)の指定を受け付ける。基準指定受付部111が受け付けた基準は、その基準を指定したユーザに関連付けられて情報記憶部101に記録される。
【0076】
訪問判定部104は、場所情報と訪問者端末20の位置情報とに基づいて算出される、訪問場所までの所要時間又は所要距離が上記指定された基準を満たすか否かを判定することによって、訪問が近づいたか否かを判定する。例えば、訪問判定部104は、所要時間又は所要距離が、次の配達先に関連付けられたユーザが指定した基準を満たすか否かを判定することになる。
【0077】
変形例(1)によれば、物流業者による訪問が近付いたか否かの判断基準をユーザの好みに応じて変更することができるので、例えば、早めの事前通知を欲しい場合には閾値を比較的大きく設定させ、配達直前の事前通知でよい場合には閾値を比較的小さく設定させることができる。
【0078】
(2)また例えば、訪問判定部104が用いる基準(例えば、S4の閾値)と、訪問制御部107が用いる基準(例えば、S8の閾値)と、が対応していてもよい。例えば、これらの基準が同じであってもよいし、これらの基準のずれ(例えば、閾値の差)が所定以内となるようにしてもよい。他にも、S8の閾値をS4の閾値よりも小さくなるようにしてもよい。例えば、S4の閾値が15分であり、S8の閾値が30分であった場合は、物流業者が配達先に訪れても、ユーザがまだ戻っていない可能性があるが、上記のように互いに対応する基準を用いることで、配達業務の実態に沿った制御を実行することができる。
【0079】
(3)また例えば、訪問制御部107が用いる基準(例えば、S8の閾値)がユーザにより指定されたものであってもよい。即ち、ユーザが指定した基準を用いることで、配達先の近くにユーザがいるか否かを判断するための基準を、ユーザごとに異ならせるようにしてもよい。
【0080】
なお、変形例(3)でも、変形例(1)と同様に、基準指定受付部111が実現され、ユーザによる基準の指定が受け付けられる。訪問制御部107は、場所情報とユーザ端末30の位置情報とに基づいて算出される、訪問場所までの推定時間又は推定距離が指定された基準を満たすか否かを判定する。例えば、訪問制御部107は、推定時間又は推定距離が、次の配達先に関連付けられたユーザが指定した基準を満たすか否かを判定することになる。
【0081】
変形例(3)によれば、配達先又はその近くにユーザがいるか否かの判断基準をユーザの好みに応じて変更することができるので、例えば、配達先から離れた場所にいることが多い場合には閾値を比較的大きく設定し、配達先の近くの場所にいることが多い場合には閾値を比較的小さく設定することができるので、ユーザの実態に沿った制御が可能になる。
【0082】
(4)また例えば、訪問制御部107は、訪問情報を変更する場合、ユーザ端末30の位置情報に基づいて、訪問情報を変更するようにしてもよい。この場合、訪問制御部107は、ユーザ端末30の位置情報に基づいて、訪問情報が示す時や順番の変更の程度(変更量)を決定する。
【0083】
例えば、訪問制御部107は、ユーザ端末30の位置情報が示す位置と、場所情報が示す配達先と、の位置関係に基づいて、訪問情報を変更する。より具体的には、訪問制御部107は、ユーザ端末30の位置情報が示す位置が場所情報が示す配達先から離れているほど(例えば、所要時間又は所要距離が大きいほど)、訪問情報が示す時や順番が後になるように、訪問情報を設定する。
【0084】
変形例(4)によれば、ユーザ端末30の位置情報に応じた配達時間や配達順となるように訪問情報を変更することができるので、物流業者が配達に成功する可能性をより効果的に高めることができる。
【0085】
(5)また例えば、ユーザ端末30が屋内にある場合には位置取得部36がGPSを利用して位置情報を取得できないので、その場合は、過去のユーザ端末30の位置情報を蓄積しておき、その蓄積した位置情報から、ユーザ端末30の位置を推測するようにしてもよい。
【0086】
変形例(5)では、蓄積部112が実現される。蓄積部112は、ユーザ端末30の位置情報を情報記憶部101に蓄積する。蓄積部112は、ユーザ端末30から位置情報が取得されると、そのユーザ端末30の個体識別情報又はユーザIDや取得日時に関連付けて情報記憶部101に記録する。
【0087】
訪問制御部107は、ユーザ端末30の位置情報を受信しない場合、場所情報と蓄積された位置情報とに基づいて取得される位置関係に基づいて制御を行う。例えば、訪問制御部107は、情報記憶部101に蓄積された位置情報の何れかを使用してもよいし、蓄積された複数の位置情報に基づいて定まる位置(例えば、各位置の平均値)を使用してもよい。複数の位置情報が使用される場合、訪問制御部107は、過去の全ての位置情報を使用してもよいし、一部の期間(例えば、現時点の所定時間前から現時点までの期間)の位置情報を使用してもよい。訪問制御部107は、上記のようにして推測されたユーザ端末30の位置に基づいて位置関係を取得して制御を行う。位置関係を取得する方法自体は、実施形態で説明した方法と同様である。
【0088】
変形例(5)によれば、ユーザ端末30からの位置情報を取得できない場合であっても、過去の位置情報からユーザの現在位置を推測することがで、物流業者が配達に成功する可能性を高めることができる。
【0089】
(6)また例えば、要否問い合わせ部109がユーザ端末30に対して問い合わせをしない場合や、訪問管理システム1が要否問い合わせ部109を含まない場合には、訪問管理システム1は、配達を遅らせるか否かの事前の問い合わせをユーザに対して行わない。この場合には、ユーザの知らないうちに、訪問制御部107が配達を遅らせていることがあるので、例えば、配達が後回しになっているにも関わらず、ユーザがそれに気付かずに、急いで自宅に戻ってしまう可能性がある。
【0090】
このため、通知情報送信部108は、ユーザ端末30に対して訪問制御部107による変更の要否に関する問い合わせを行うことなく訪問情報が変更された場合、その旨を通知するための情報をユーザ端末30に送信するようにしてもよい。即ち、要否問い合わせ部109による問い合わせが実行されない場合に、通知情報送信部108が上記情報を送信する。この場合、訪問通知部302は、当該情報を受信すると、配達先への配達時間や配達順が変更されたことをユーザに通知する。
【0091】
図11は、ユーザ端末30において表示される画面の一例を示す図である。
図11に示すように、訪問通知部302は、配達先への配達時間や配達順が変更されたことを変更通知画面70に表示させる。また、訪問通知部302は、変更後の訪問情報に基づいて、変更後の配達時期をユーザに通知するようにしてもよい。例えば、訪問通知部302は、変更後の配達日時(例えば、予想配達時刻)や配達順を変更通知画面70において通知するようにしてもよい。
【0092】
変形例(6)によれば、配達日時や配達順が変更されたことをユーザに通知することができる。例えば、配達日時や配達順の変更の要否を問い合わせない場合には、システム側で配達日時や配達順を変更したとしても、ユーザはそのことを知ることができないが、上記のような通知をすることで、いつ配達先に荷物が届くかを把握することができる。
【0093】
なお、ユーザが配達先から非常に離れている場所におり、その日のうちに配達先に戻ることができないと判定された場合(例えば、ユーザが自宅から100km圏内等を旅行中でどう考えてもその日のうちに帰宅できない場合)には、訪問管理システム1は、別の日に配達するか否かをユーザに問い合わせるようにしてもよい。即ち、訪問制御部107が算出した推定時間又は推定距離が、この問い合わせを行うために定められた閾値以上であると判定された場合に、要否問い合わせ部109は、ユーザ端末30に対してその問い合わせを行うようにしてもよい。この場合、訪問制御部107は、要否回答受信部110が受信した回答結果に基づいて、ユーザへの配達が別の日になるように、訪問情報が示す配達日時や配達順を変更することになる。
【0094】
(7)また、上記では、訪問者端末20の位置情報を利用して訪問が近づいたか否かを判定する場合を説明したが、この判定方法は、上記説明した例に限られない。他にも例えば、訪問判定部104は、訪問情報に基づいて訪問が近付いたか否かを判定するようにしてもよい。例えば、訪問判定部104は、配達日時と現在時刻とのずれが閾値以内となったか否かを判定したり、ユーザの配達順よりも所定だけ前の訪問まで(例えば、2つ前の配達まで)が完了したか否かを判定したりすることによって、訪問が近づいたか否かを判定する。
【0095】
また例えば、訪問判定部104は、訪問者端末20が所定の入力を受け付けたか否かを判定するようにしてもよい。例えば、配達先をもうすぐ訪れるか否かを示す所定の操作を、訪問者端末20の操作部24から物流業者に入力させる。訪問判定部104は、訪問者端末20から当該操作を取得したか否かを判定することによって、訪問が近づいたか否かを判定する。
【0096】
また、上記では、ユーザ端末30の位置情報を利用して配達先又はその近くにユーザがいるか否かを判定する場合を説明したが、この判定方法は、上記説明した例に限られない。他にも例えば、訪問制御部107は、ユーザ端末30が所定の入力を受け付けたか否かを判定するようにしてもよい。例えば、配達先又はその近くにいるか否かを示す操作(即ち、配達先とユーザ端末30との位置関係を示す操作)をユーザ端末30の操作部34からユーザに入力させ、訪問制御部107は、ユーザ端末30から取得した操作に基づいて、配達先とユーザ端末30との位置関係を取得して、配達先又はその近くにユーザがいるか否かを判定するようにしてもよい。
【0097】
また例えば、実施形態では、ユーザ端末30の位置情報の提供が予め許可されている場合を説明したが、ユーザが電子商取引システムを利用して購入した商品がそのユーザに配達される場合には、その商品購入の際に、配達のオプションとして上記説明した配達方法を利用するか否かを選択させ、利用することをユーザが選択した場合に、位置情報の提供も許可したものとみなすようにしてもよい。
【0098】
図12は、ユーザ端末において表示される画面の一例を示す図である。
図12に示す配達オプション設定画面80は、ユーザが電子商取引システムで商品を購入する際に表示部35に表示される。例えば、電子商取引システムは、配達オプション設定画面80において、ユーザが注文した商品の配達オプションとして、訪問管理システム1に係る配達方法を利用するか否かを問い合わせる。
【0099】
ユーザがラジオボタン81を選択すると、訪問管理システム1に係る配達方法を利用することができる。この場合、ユーザが位置情報の提供に同意したとみなすようにしてもよい。その際に、S4又はS8において用いられる閾値の入力を、入力フォーム82から受け付けるようにしてもよい。例えば、ユーザが閾値を入力フォーム82で指定することで、その閾値を、家から100mや1000m等以内にいるときに設定したり、家から徒歩5分圏内又は車で10分圏内にいるときに設定したりすることができる。なお、ユーザがラジオボタン83を選択すると、訪問管理システム1に係る配達方法を利用せずに商品を発注することになる。この場合、ユーザ端末30から位置情報が提供されない。
【0100】
また、ユーザは、自分宛の商品を購入するようにしてもよいし、他のユーザ宛ての商品を購入するようにしてもよい。ユーザが他のユーザ宛ての商品を購入する場合には、当該他のユーザは、予め配達オプションを利用するか否か及び上記閾値を、訪問管理システム1に登録しておくようにしてもよい。訪問管理システム1は、上記他のユーザによる登録内容に基づいて、商品の配達日時や配達順を遅らせたり、そのまま配達させるようにしたりする。更に、ユーザが位置情報の提供を許可したか否かに応じて、配達先又はその近くにユーザがいるか否かを判定する方法を使い分けるようにしてもよい。
【0101】
また例えば、訪問管理システム1が、訪問情報に基づいて物流業者の訪問ルートを計算する場合には、訪問制御部107により訪問情報が変更された場合に、変更後の訪問情報に基づいて訪問ルートを再計算するようにしてもよい。なお、訪問ルートの計算方法自体は、公知の種々のルート計算方法を適用可能である。
【0102】
また例えば、上記においては、ユーザが配達先又はその近くにいない場合に配達を遅らせる場合を説明したが、訪問制御部107は、ユーザが配達先又はその近くにいる場合に、訪問情報が示す配達時間や配達順を早めるようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが配達先又はその近くにいて荷物を受け取れる可能性が高い場合に、配達を早めることで、物流業者は効率的な配達を行うことが可能になる。
【0103】
また例えば、訪問管理サーバ10は、ユーザを訪問する物流業者が管理してもよいし、訪問管理サーバ10の管理者と物流業者とが異なっていてもよい。例えば、ユーザが商品を購入する電子商取引システムの運営会社が訪問管理サーバ10を管理する場合には、その電子商取引システムと提携している物流業者による商品の配達日時や配達順が制御されることになる。
【0104】
また例えば、上記においては、物流業者が訪問する場合の一例として、配達先に荷物を配達する場合を説明したが、物流業者が荷物の集荷に訪問する場面に、訪問管理システム1を利用するようにしてもよい。この場合、上記説明した各処理における「配達」を「集荷」と読み替えることができる。即ち、訪問判定部104は、物流業者が集荷先に近付いたか否かを判定し、訪問制御部107は、集荷先又はその近くにユーザがいるか否かに基づいて、訪問情報が示す集荷日時や集荷順を変更するか否かを制御することになる。
【0105】
また例えば、訪問管理サーバ10で実現されるものとして説明した機能の一部が、訪問者端末20やユーザ端末30により実現されるようにしてもよい。例えば、訪問者端末20において訪問判定部104が実現され、判定結果のみが訪問管理サーバ10に送信されるようにしてもよい。同様に、配達先又はその付近にユーザがいるか否かがユーザ端末30において判定され、その判定結果のみが訪問管理サーバ10に送信されるようにしてもよい。
【0106】
また例えば、訪問管理サーバ10、訪問者端末20、及びユーザ端末30が訪問管理システム1に含まれる場合を説明したが、訪問管理システム1を構成するコンピュータは、訪問管理サーバ10だけであってもよい。この場合、訪問者端末20及びユーザ端末30は、訪問管理システム1に対して位置情報を送信したり、訪問管理システム1から各種情報を受信したりすることになる。更に、訪問管理システム1では、応答要求部105、応答取得部106、及び訪問制御部107以外の機能を省略してもよい。この場合、省略した各機能は、訪問管理システム1に接続される他のシステムにより実現されるようにしてもよい。
【0107】
また例えば、上記においては、物流業者がユーザを訪問する場合を例に挙げて説明したが、本発明に係る訪問管理システムは、訪問情報を管理する種々のシステムに適用可能である。他にも例えば、ユーザに関連付けられた場所に集金に伺う訪問者が訪問する場面等にも、本発明に係る訪問管理システムを適用可能である。
【0108】
すなわち、配達に限らず、集荷や集金や訪問契約等、訪問者が訪問先で被訪問者と会う(顔を合わせる)必要のある任意の場面に、実施の形態に係る技術的思想を適用可能である。特に、本人確認が必要な場合、被訪問者が訪問先にいるというのは、一種の本人確認情報として扱われてもよい。