特許第6298084号(P6298084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6298084
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】射撃玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/18 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   A63H33/18 A
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-562125(P2015-562125)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-509910(P2016-509910A)
(43)【公表日】2016年4月4日
(86)【国際出願番号】EP2014054840
(87)【国際公開番号】WO2014140102
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年1月17日
(31)【優先権主張番号】PA201370148
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】594012623
【氏名又は名称】レゴ エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ガーリン,アスケ クランストゥルップ
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公開第171649(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0071456(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3047305(JP,U)
【文献】 特開2003−236228(JP,A)
【文献】 特開平08−173643(JP,A)
【文献】 米国特許第5653442(US,A)
【文献】 特開2007−292430(JP,A)
【文献】 実公昭49−4314(JP,Y1)
【文献】 特表2003−517907(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0077283(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0263962(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0000942(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00−37/00
F41B 3/00− 3/04
A63F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射撃装置(5)と、前記射撃装置から放出される投射物(4)とを備え、前記射撃装置(5)は、射撃装置本体(7)と、前記投射物(4)を挟むことで前記投射物(4)を前記射撃装置本体(7)において装填位置で保持するように構成された少なくとも1つの挟持要素(8)と、前記投射物(4)がその装填位置を前記射撃装置本体(7)において占め得る受動位置と作動位置との間で移動可能に前記射撃装置本体(7)に搭載された引き金要素(6)とを含み、前記引き金要素(6)は、その受動位置からその作動位置へと移動されるとき、前記投射物(4)をその装填位置から離れる方に押すように構成された押し部(10)を有し、前記引き金要素(6)が、操作者によって作動されるように構成された指接触部(11)を有し、前記投射物(4)が円筒面(12)を有する、射撃玩具(1)であって、
前記射撃装置(5)は、前記投射物(4)の前記円筒面(12)の中心軸線(16)に沿って前記投射物(4)を放出するように構成され、前記少なくとも1つの挟持要素(8)は、前記少なくとも1つの挟持要素(8)の少なくとも1つの挟持面(17)と前記投射物(4)の前記円筒面(12)との間で作用する摩擦力によって、前記射撃装置本体(7)における前記投射物(4)の装填位置での前記投射物(4)の前記方向への放出を防止するように構成され、前記少なくとも1つの挟持面(17)が、前記投射物の放出の間、前記投射物(4)の前記円筒面(12)の前記中心軸線(16)に沿う前記投射物(4)の放出方向において、前記投射物(4)の前記円筒面(12)を案内するように構成され
前記少なくとも1つの挟持要素(8)を形成している前記管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素は、少なくともその長さの一部に沿って、前記要素の壁(21)における少なくとも1つの切欠き(23)によって、複数の部分(22)へと分割されることを特徴とする、射撃玩具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの挟持要素(8)は、前記少なくとも1つの挟持面(17)によって、前記投射物(4)の前記円筒面(12)と協働するように構成された管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の形態を有する、請求項1に記載の射撃玩具。
【請求項3】
前記少なくとも1つの挟持面(17)は、前記管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の少なくとも部分的に円筒形の面(20)において、隆起した面の形態を有する、請求項又はに記載の射撃玩具。
【請求項4】
前記射撃装置本体(7)は、前記少なくとも1つの挟持要素(8)を形成する第1の部分(24)と、前記引き金要素(6)を収容する第2の部分(25)とを有する管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素によって少なくとも部分的に形成される、請求項1乃至のいずれか1項に記載の射撃玩具。
【請求項5】
前記引き金要素(6)は、前記押し部(10)が前記少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の内部に配置されるように、および、前記指接触部(11)が前記要素の外部に配置されるように、前記射撃装置本体(7)の壁(27)においてスロット(26)に回動可能に搭載される、請求項に記載の射撃玩具。
【請求項6】
前記引き金要素(6)は、前記押し部(10)および前記指接触部(11)を通って延びる線(28)が、前記射撃装置本体(7)の前記管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の中心軸線(29)と鋭角を形成するように前記射撃装置本体(7)に配置される、請求項に記載の射撃玩具。
【請求項7】
前記引き金要素(6)はV字型部を有し、V字型の各々の脚部がその端部において別々の押し部(10)を形成し、前記引き金要素(6)全体が、V字型の対称軸線の周りで対称的または実質的に対称的である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の射撃玩具。
【請求項8】
前記投射物(4)は、その上面において連結スタッド(14)と、その下側において前記連結スタッド(14)に対して相補的である連結スカート(15)とを備える回転対称ユニットの形態で、円形スタッド連結部(13)の形態を有し、前記少なくとも1つの挟持要素(8)は、前記投射物(4)の前記連結スタッド(14)と相互作用するように構成され、前記射撃装置本体(7)には、前記円形スタッド連結部(13)の前記連結スタッド(14)に対応し、前記円形スタッド連結部(13)の前記連結スカート(15)と相互連結するように構成される連結スタッド(31)が、前記少なくとも1つの挟持要素(8)に対向して設けられる、請求項1乃至のいずれか1項に記載の射撃玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射撃装置と、射撃装置から放出される投射物とを備える射撃玩具であって、射撃装置が、射撃装置本体と、投射物を挟むことで投射物を射撃装置本体において装填位置で保持するように構成された少なくとも1つの挟持要素と、投射物がその装填位置を射撃装置本体において占め得る受動位置と作動位置との間で移動可能に射撃装置本体に搭載された引き金要素とを備え、引き金要素が、その受動位置からその作動位置へと移動されるとき、投射物をその装填位置から離れる方に押すように構成された押し部を有し、引き金要素が、操作者によって作動されるように構成された指接触部を有し、投射物が円筒面を有し、射撃装置は、投射物の円筒面の中心軸線に沿って投射物を放出するように構成され、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つの挟持要素の少なくとも1つの挟持面と投射物の円筒面との間で作用する摩擦力によって、射撃装置本体における投射物の装填位置での投射物の前記方向への放出を防止するように構成され、前記少なくとも1つの挟持面は、投射物の放出の間、投射物の円筒面の中心軸線に沿う投射物の放出方向において、投射物の円筒面を案内するように構成される、射撃玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4,277,068号は、ピストルと、前記ピストルから発射される飛行円盤とから成る飛行円盤玩具を開示している。ピストルは、飛行円盤がその装填位置において間に保持される一対の弾性挟持板を備えており、一方の挟持板は、第1の比較的大きい摩擦の角を有しており、他方の挟持板は、第2の滑りやすいまたは比較的小さい摩擦の角を有している。円盤の装填位置では、円盤は、前記第1の角および前記第2の角が円盤の直径より若干小さく互いから離間されるため、前記第1の角と前記第2の角との間で機械的に掴まれ、それによって、円盤の周辺の周りで保持する。円盤が発射されるとき、押し出す力が挟持板によって円盤へと与えられ、第1の比較的大きい摩擦の角と第2の滑りやすいまたは比較的小さい摩擦の角との間でトルクへと変換され、それによって円盤を回転する。飛行円盤は、揚力を効果的に受けるように構成された内側に凹んだ底を有している。しかしながら、回転動作を飛行円盤に加えるように構成されたその構造のため、この玩具は、平らな円盤に形成された要素を放出するのに特に適しており、例えば、ボールまたは短いスタッドに形成された要素など、別の形を有する投射物には適していない。さらに、この玩具は、引き金を操作するときに装置を保持するために適切な大きさとされた把持部が必要であるため、比較的小さい規模の様式では操作するのが難しいと思われる。
【0003】
特開平10−216370号は、ピストルと、前記ピストルから発射される飛行円盤とから成る同様の飛行円盤玩具を開示している。円盤の装填位置において、円盤は、円盤の周辺に接する2つの相対する半円形のアームの間で機械的に掴まれ、それによって円盤を所定位置に機械的に固定する。この玩具も、平らな円盤に形成された要素を放出するのに特に適しており、例えば、ボールまたは短いスタッドに形成された要素など、別の形を有する投射物には適していない。この玩具も、引き金を操作するときに装置を保持するために適切な大きさとされた把持部が必要であるため、比較的小さい規模の様式では操作するのが難しいと思われる。
【0004】
米国特許第6,460,527号は、投射物と発射装置との組み合わせを開示しており、発射装置は、収束的に先細りとされた内側端を有する管状の通路で形成されている。投射物要素には、その後端において、環状の通路の収束的に先細りとされた部分に受け入れられてその部分によって径方向内向きに変位されるように配置された複数の後方に延在する片持ち梁搭載弾性板バネ要素が、設けられている。投射物が発射装置に装填されるとき、板バネ要素が投射物を前方へと放出しようとする。保持機構が、投射物が放出される準備ができるまで投射物を保持するために、設けられている。案内シャフトが、板バネ要素の自由端を越えてかなり後方に延在し、発射装置の浅い環状の溝に受け入れられるように構成された丸められた環状の拡大部が設けられている。したがって、投射物を装填する操作の最後の部分の間、投射物要素を所定位置に押すために、余分な力を投射物要素に加えなければならない。投射物が保持から解放されるとき、収束した壁における板バネ要素の外向きの圧力が、投射物を発射装置の通路から強制的に放出する。しかしながら、この玩具は、投射物に前記の前もっての負荷を加えた弾性板バネ要素を設けなければならないため、比較的長い投射物だけに適している。さらに、これらの板バネ要素は時間と共にその弾力性を失うことになり、その結果、投射物が、例えば1年間以上といった間、発射装置に装填されていた場合、板バネ要素はもはや適切に作動しなくなってしまう。これは、これらの玩具製品がしばしば何年もの間保管され、そして年下の子供に対して再び使われるため、質の良い玩具製品として実際に満足できるものではない。
【0005】
上記の先行技術の射撃玩具は、円盤の形またはミサイルの形のいずれかの投射物に特に適している。例えば、これらの先行技術の射撃玩具は、LEGO(登録商標)の名で入手可能な様々なプラスチック玩具構造要素のうちの1つである特定の良く知られている比較的小さい円形の連結デバイスを放出するのには適していない。この円形の連結デバイスは、この記載において、1×1円形スタッド連結部と表され、回転対称ユニットの形態で提供され、その上面において連結スタッドと、その下側において連結スタッドに対して相補的である連結スカートとを備えており、そのため、これらの連結デバイスのうちの2つが相互に連結され得るか、または、連結デバイスは、LEGOの名で入手可能な前述のいくつかの他の様々なプラスチック玩具構造要素のうちのいずれか1つに連結され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,277,068号
【特許文献2】特開平10−216370号
【特許文献3】米国特許第6,460,527号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、比較的小さい投射物を放出するのに適した簡単な射撃玩具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を考慮して、射撃装置は、投射物の円筒面の中心軸線に沿って投射物を放出するように構成され、少なくとも1つの挟持要素は、少なくとも1つの挟持要素の少なくとも1つの挟持面と投射物の円筒面との間で作用する摩擦力によって、射撃装置本体における投射物の装填位置での投射物の前記方向への放出を防止するように構成され、前記少なくとも1つの挟持面は、投射物の放出の間、投射物の円筒面の中心軸線に沿う投射物の放出方向において、投射物の円筒面を案内するように構成される。
【0009】
この方法では、挟持要素の挟持面と投射物の円筒面との間で作用する静摩擦力が、引き金要素の押し部によって投射物に作用する適切な放出力の蓄積(building-up)の間、投射物をその装填位置で保持できる。必要な放出力が達成されたとき、静摩擦力が克服され、投射物は、解放され、空中をある距離で飛行できるだけの強さで放出され得る。
【0010】
一実施形態では、少なくとも1つの挟持要素が、少なくとも1つの挟持面によって、投射物の円筒面と協働するように構成された管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の形態を有する。それによって、その最も簡単な形態で、管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素は、挟持面を形成する、または、1つ若しくは複数の挟持面が設けられる円筒面を、有することができる。例えば、前述の1×1円形スタッド連結部は、その上面における連結スタッドを、挟持要素を形成する管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素へと挿入することによって装填され得るか、または、代替で、挟持要素を形成する前記管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素が、スタッド連結部の下側において連結スカートへと挿入され得る。
【0011】
一実施形態では、少なくとも1つの挟持要素を形成している管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素が、少なくともその長さの一部に沿って、前記要素の壁における少なくとも1つの切欠きによって、複数の部分(parts)へと分割される。それによって、壁における少なくとも1つの切欠きの間に形成される壁の複数の部分は、挟持要素を形成する材料に依存して、好ましくは弾性的に、多かれ少なかれ、曲がることが可能とされ得る。それによって、投射物がその装填位置へと射撃装置本体において挿入されるとき、より大きな摩擦力が、挟持要素の挟持面と投射物の円筒面との間で作り上げられ得る。
【0012】
一実施形態では、少なくとも1つの挟持面が、管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の少なくとも部分的に円筒形の面において、隆起した面の形態を有する。それによって、挟持面と投射物の円筒面との間の接触面の領域(extent)の特定の限度によって、実際、挟持面が投射物の円筒面の一部に対して均一に適切に押し付けられることが確保でき、また、挟持要素が、投射物の挿入の間、弾性的に曲がることが許容される場合でも同様である。一方、挟持面が、管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の円筒面によってほとんど全体的に形成される場合、挟持要素の曲げは、挟持面が投射物の円筒面に対して均一に押し付けられない結果をもたらす可能性がある。
【0013】
一実施形態では、射撃装置本体が、少なくとも1つの挟持要素を形成する第1の部分と、引き金要素を収容する第2の部分とを有する管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素によって少なくとも部分的に形成される。それによって、コンパクトな装置が獲得され得る。
【0014】
一実施形態では、引き金要素は、押し部が少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の内部に配置されるように、および、指接触部が前記要素の外部に配置されるように、射撃装置本体の壁においてスロットに回動可能に搭載される。
【0015】
一実施形態では、引き金要素は、押し部および指接触部を通って延びる線が、射撃装置本体の管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の中心軸線と鋭角を形成するように射撃装置本体に配置される。それによって、射撃玩具を2本の指先の間で押すだけで、つまり、一方の指先が引き金要素の指接触部を押し、他方の指先が射撃装置本体の反対の部分を押すだけで、射撃玩具の引き金を引くことが可能であり得る。それによって、非常に小さい規模の様式の射撃玩具であってもその操作が容易にされ得る。
【0016】
一実施形態では、引き金要素がV字型部を有し、V字型の各々の脚部がその端部において別々の押し部を形成し、引き金要素全体が、V字型の対称軸線の周りで対称的または実質的に対称的である。それによって、引き金要素は、引き金要素を誤って搭載する可能性なく、使用者によって射撃装置本体に搭載され得る。
【0017】
一実施形態では、投射物が、その上面において連結スタッドと、その下側において連結スタッドに対して相補的である連結スカートとを備える回転対称ユニットの形態で、円形スタッド連結部の形態を有し、少なくとも1つの挟持要素が、投射物の連結スタッドと相互作用するように構成され、射撃装置本体には、円形スタッド連結部の連結スタッドに対応し、円形スタッド連結部の連結スカートと相互連結するように構成される連結スタッドが、少なくとも1つの挟持要素に対向して設けられる。それによって、いくつかの予備の投射物が、それらを射撃装置本体の連結スタッドに連結することで、射撃装置本体に保管され得る。
【0018】
ここで、本発明は、非常に概略的な図面を参照しつつ、実施形態の例を用いて、以下でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による射撃玩具を保持するLego小形フィギュアの斜視図である。
図2】投射物が装填されていない、本発明による射撃玩具の斜視図である。
図3図2の射撃玩具の射撃装置本体の側面図である。
図4図2の射撃玩具の引き金要素の側面図である。
図5】右側から見た、図3の射撃装置本体の端面図である。
図6】右側から見た、図4の引き金要素の端面図である。
図7】投射物が装填されている、図2の射撃玩具の側面図である。
図8】左側から見た、図7の射撃玩具の端面図である。
図9】線IX−IXに沿って切り取った、図8の射撃玩具を通る軸方向断面図である。
図10図7の射撃玩具の上面図である。
図11】線XI−XIに沿って切り取った、図7の射撃玩具を通る軸方向断面図である。
図12】右側から見た、図7の射撃玩具の端面図である。
図13】投射物が装填されていない、図7に対応する図である。
図14】投射物が装填されていない、図8に対応する図である。
図15】投射物が装填されていない、図9に対応する図である。
図16】投射物が装填されていない、図10に対応する図である。
図17】投射物が装填されていない、図12に対応する図である。
図18】線XVIII−XVIIIに沿って切り取った、図16の射撃玩具を通る断面図である。
図19図1に示した投射物の側面図である。
図20図19の投射物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明による射撃玩具1の射撃装置5を左手3で保持しているLego小形フィギュア2を示しており、前述の1×1円形スタッド連結部の形態の投射物4が、射撃玩具1の射撃装置5からちょうど放出されている。投射物4は、例えば小形フィギュア2で遊んでいる子供といった使用者の指によって、引き金要素6を押すことで放出される。
【0021】
図2は、投射物4が装填されていないが、射撃装置5をより詳細に示している。射撃装置5は、射撃装置本体7と、投射物4を挟むことで投射物4を射撃装置本体7において、例えば図7および図9に示しているような装填位置で、保持するように構成された挟持要素8とを備えている。射撃装置5は、さらに、例えば図2図7、および図9に示すような、投射物4がその装填位置を射撃装置本体7において占め得る受動位置と、例えば図1図13、および図15に示すような作動位置との間で移動可能に射撃装置本体7に搭載された引き金要素6を備えている。
【0022】
引き金要素6は、その受動位置からその作動位置へと移動されるとき、投射物4をその装填位置から離れる方に押すように構成された押し部10を有し、その結果、投射物4は射撃装置本体7から放出され得る。引き金要素6は、さらに、操作者の指によって作動されるように構成された指接触部11を有する。この指接触部11は、指の先によって指接触部11を押すことで都合よく作動され得るが、当然ながら、例えば玩具のブロックといった玩具の用具を用いるなど、任意の他の適切な手段によって作動されてもよい。
【0023】
前述のように、投射物4は、例えば図20に示されている、1×1円形スタッド連結部13の形態を有し得る。1×1円形スタッド連結部13は、回転対称ユニットの形態で提供され、その上面において連結スタッド14と、その下側において連結スタッド14に対して相補的である連結スカート15とを備えており、そのため、よく知られているように、これらの連結デバイスのうちの2つは、一方の連結デバイスの連結スタッド14を他方の連結デバイスの連結スカート15へと挿入することで、相互に連結され得るか、または、連結デバイスは、LEGOの名で入手可能な前述のいくつかの他の様々なプラスチック玩具構造要素のうちのいずれか1つに連結され得る。連結スタッド14は、投射物4が放出されるとき、引き金要素6の押し部10が接し得る上面18を有している。図19および図20に示しているように、1×1円形スタッド連結部13は、連結スタッド14と連結スカート15との間に円筒部19を有している。しかしながら、投射物4は、図示した1×1円形スタッド連結部13の円筒部19および円形連結スカート15の代わりに、図示されていないがよく知られている、正方形のスカートを有する1×1正方形スタッド連結部であってもよい。
【0024】
同じく図20に示すように、投射物4は円筒面12を有している。射撃装置5は、例えば図1および図9に示されているように、投射物4の円筒面12の中心軸線16に沿って、投射物4を放出するように構成されている。
【0025】
挟持要素8は、挟持要素8の挟持面17と投射物4の円筒面12との間で作用する摩擦力によって、射撃装置本体7における投射物4の装填位置での投射物4の前述の方向への放出を防止するように構成されている。さらに、理解されるように、前記挟持面17は、投射物4の放出の間、投射物4の円筒面12の中心軸線16に沿う投射物4の放出方向において、投射物4の円筒面12を案内するように構成されている。
【0026】
図示した実施形態では、挟持要素8は、4つの挟持面17によって、投射物4の円筒面12と協働するように構成された管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の形態を有し、各々の挟持面17は、図18に示しているように、挟持要素8を形成している管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の円筒面20において、隆起した面の形態を有している。2つの相対する挟持面17の間の距離は、円筒面20の直径より若干小さい。任意の適切な数の挟持面17が可能であり、挟持面17は、円筒面20の直径より若干小さい直径38に単に位置決めされ得る。
【0027】
さらに、図18に示しているように、少なくとも1つの挟持要素8を形成している管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素は、前記要素の壁21における2つの相対する切欠き23によって、2つの相対する部分22へと分割されている。少なくとも1つの挟持要素8を形成している管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素は、3つ、4つ、5つ、または、さらに任意のより多くの数など、任意の適切な数の部分へと分割され得る。
【0028】
射撃装置本体7は、少なくとも1つの挟持要素8を形成する第1の部分24と、引き金要素6を収容する第2の部分25とを有する管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素によって少なくとも部分的に形成されている。引き金要素6は、押し部10が少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の内部に配置されるように、および、指接触部11が前記要素の外部に配置されるように、射撃装置本体7の壁27においてスロット26に回動可能に搭載されている。引き金要素6には、射撃装置本体7の壁27において、軸受33に搭載されるように構成された回動ピン32が設けられている。軸受33は、弾性的に曲がり、それによって、使用者が回動ピン32を軸受33と係合させるように押すとき、回動ピン32を掴むように構成されている。そのため、軸受33は、回動ピン32の直径に対応する、または、その直径より若干大きい直径の第1の区域34と、前記直径より若干小さい断面直径の第2の区域35とを有している。
【0029】
射撃装置本体7には、射撃装置本体7の下方部から下向きに延在する若干斜めにされたピンの形態で把持部36が設けられており、Lego小形フィギュア2がその手3に前記把持部36によって射撃装置5を保持できるようになっている。
【0030】
引き金要素6は、図9および図15に示すように、押し部10および指接触部11を通って延びる線28が、射撃装置本体7の管状の要素、少なくとも部分的に管状の要素、または、実質的に管状の要素の中心軸線29と鋭角を形成するように射撃装置本体7に配置されている。それによって、射撃玩具1を2本の指先の間で押すだけで、つまり、一方の指先が引き金要素の指接触部を押し、他方の指先が射撃装置本体の反対の部分を押すだけで、射撃玩具1の引き金を引くことが可能であり得る。それによって、非常に小さい規模の様式の射撃玩具であってもその操作が容易にされ得る。好ましくは、射撃装置本体7は、15mm未満、より好ましくは12mm未満、最も好ましくは10mm未満の直径を有している。好ましくは、射撃装置本体7は、25mm未満、より好ましくは20mm未満、最も好ましくは18mm未満の長さを有している。
【0031】
引き金要素6はV字型部30を有し、V字型の各々の脚部がその端部において別々の押し部10を形成し、引き金要素6全体が、図4で最もよく示しているように、V字型の対称軸線の周りで対称的または実質的に対称的である。
【0032】
図で示しているように、射撃装置本体7には、1×1円形スタッド連結部13の連結スタッド14に対応し、1×1円形スタッド連結部13の連結スカート15と相互連結するように構成されている連結スタッド31が、挟持要素8に対向して設けられており、それによって、使用者はいくつかの投射物4を射撃装置本体7の後部に保管できる。
【0033】
有利には、挟持要素8とおそらく射撃装置本体7とは、例えば、数あるその特性のうちでも優れた堅牢性および剛性と、小さなクリープと、優れた寸法安定性とを有するABSから射出成型によって、形成され得る。それによって、挟持要素8は、10年以上など、非常に長い時間にわたってその弾力性を保つことができる。
【0034】
図に示した実施形態では、投射物4は、その装填位置において、挟持面17と投射物4の円筒面12との間の摩擦力だけによって実際に保持されていることが理解できる。さらに、射撃装置本体7における投射物4の装填位置において、挟持要素8の2つの相対する部分22が、投射物4が装填されていないときにそれら部分22が取る静止位置に対して、互いから若干離れる方に曲げられ得ることは、理解され得る。これは、挟持面17が2つの相対する部分22の静止位置において配置されているときの直径を、投射物4の円筒面12の直径より若干小さく、例えば、1%超、3%超、または5%超でより小さく形成することで得ることができる。この構成によって、より大きな摩擦力が、投射物4の装填位置において、挟持面17と投射物4の円筒面12との間に存在することが獲得され得る。さらに、それによって、挟持面17の先端部37を丸め、そのため、2つの相対する部分22がそれらの静止位置へと戻るように曲がるとき、この丸められた先端部37が投射物4を放出方向に「跳ね飛ばす」ことができることで、投射物4が射撃装置本体7を離れる直前、投射物4の放出を若干増加させることが可能であり得る。図に示した実施形態では、挟持要素8の2つの相対する部分22が、投射物4の放出の間、互いからさらに離れる方には曲げられないことも理解され得る。しかしながら、図示していない実施形態において、挟持要素8の2つ以上の相対する部分22が、投射物4の装填位置において1×1円形スタッド連結部13の円筒部19または他の部分を掴む、若干フック状に形成された先端部で形成されている場合には、このような状態も起こり得る。
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