特許第6298103号(P6298103)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6298103アンテナモジュール、および当該アンテナモジュールを用いたモバイル端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6298103
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】アンテナモジュール、および当該アンテナモジュールを用いたモバイル端末
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/10 20060101AFI20180312BHJP
   H01Q 1/24 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   H01Q13/10
   H01Q1/24 Z
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-119327(P2016-119327)
(22)【出願日】2016年6月15日
(65)【公開番号】特開2017-85540(P2017-85540A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】201510700339.7
(32)【優先日】2015年10月26日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515342457
【氏名又は名称】エーエーシー テクノロジーズ ピーティーイー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC TECHNOLOGIES PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】タン、マーク
(72)【発明者】
【氏名】ン、グァン−ホン
(72)【発明者】
【氏名】タイ、ユー−ショウ
【審査官】 宮田 繁仁
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0254741(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/059088(WO,A1)
【文献】 特開平09−116321(JP,A)
【文献】 特開2009−124397(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/077956(WO,A1)
【文献】 特開2003−078333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q1/00−1/52、13/00−13/28
H04M1/02−1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の放射部と、前記第1の放射部に部分的に接続する第2の放射部と、前記第1の放射部と前記第2の放射部との間に設けられたカップリング隙間とを備える放射体と、
システムグランドと、前記システムグランドに電気的に接続する接地ラインと、給電ラインと、前記接地ラインのオンオフを制御するチューニングスイッチとを備え、前記放射体に対向して予め定められた距離で離間する回路基板と、
前記第1の放射部における前記回路基板に対向する側に配置され、前記第1の放射部に絶縁して接続されるとともに前記給電ラインに電気的に接続される静電容量給電シートとを備え、
前記接地ラインは、前記第1の放射部に電気的に接続され、前記システムグランドは、前記第2の放射部に電気的に接続されているアンテナモジュールであって、
前記第1の放射部に取り付けられるプラスティック実装部材をさらに備え、前記静電容量給電シートは、前記プラスティック実装部材における前記回路基板に面する側に固定されることを特徴とするアンテナモジュール。
【請求項2】
前記チューニングスイッチは、チューニング可能なLC共振回路であり、前記LC共振回路は、システムグランドと前記接地ラインとの間に電気的に接続される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記LC共振回路は、並列に接続された一定インダクタンスと変更可能な静電容量とを備える、請求項2に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記給電ラインは、第1のピンを介して前記給電静電容量シートに直接接触される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記接地ラインは、第2のピンを介して前記第1の放射部に直接接触される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記システムグランドは、第3のピンを介して前記第2の放射部に直接接触される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
放射周波数の範囲が700MHz〜960MHzである、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
金属バックカバーと、請求項1〜のいずれかに記載のアンテナモジュールとを備え、前記金属バックカバーが前記アンテナモジュールの放射体とされることを特徴とするモバイル端末。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアンテナ技術に関し、特に、低周波数アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発展に伴い、たとえば携帯電話、パネルコンピュータ、携帯型マルチメディアプレヤーなどのような、モバイル端末デバイスは、人々の生活において広く適用されている。モバイル端末デバイスの内部には、一般には、無線信号を送受信するためのアンテナモジュールが配置されて、モバイル端末デバイスの無線通信機能をサポートする。
【0003】
製品全体の堅牢性を向上するために、従来のスマートフォンなどのモバイル端末デバイスは、たとえば、金属バックカバーまたは金属フレームのような金属ケーシングを用いることが多くなるが、金属ケーシングが、電磁波に対して一定のシールドまたは吸収の作用を生じるため周波数帯域が狭く、効率が低いという問題を生じる。モバイル通信技術の進化に伴い、モバイル端末デバイスが覆う必要があるモードはますます多くなり、GSM(登録商標)、DCS、PCS、WCDMA(登録商標)、TD-SCDMA、LTEなどを含み、異なるモバイル通信モードは、異なる周波数帯域を用いる。
【0004】
従来技術では、モバイル端末デバイスは、アンテナが外部に設けられる、または、特殊な設計によりアンテナが金属ケーシングに囲まれないようにする必要がある。しかしながら、このような形態は、アンテナの放射空間を制限するためアンテナの周波数帯域を制限する一方、モバイル端末デバイス全体の美観に影響を与える。
【0005】
したがって、新型のアンテナモジュールを提供して、上記の技術問題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、低周波数で放射することができるとともに全体としての外観が良好であるアンテナモジュール、および当該アンテナモジュールを有するモバイル端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るアンテナモジュールは、第1の放射部と、前記第1の放射部に部分的に接続する第2の放射部と、前記第1の放射部と前記第2の放射部との間に設けられたカップリング隙間とを備える放射体と、
システムグランドと、前記システムグランドに電気的に接続された接地ラインと、給電ラインと、前記接地ラインのオンオフを制御するチューニングスイッチとを備え、前記放射体に対向して予め定められた距離で離間する回路基板と、
前記第1の放射部における回路基板に対向する側に配置され、前記第1の放射部に絶縁して接続されるとともに前記給電ラインに電気的に接続される静電容量給電シートとを備え、
前記接地ラインは、前記第1の放射部に電気的に接続され、前記システムグランドは、前記第2の放射部に電気的に接続されていることを特徴とするアンテナモジュール。
【0008】
本発明に係るアンテナモジュールでは、前記チューニングスイッチは、チューニング可能なLC共振回路であり、前記LC共振回路は、システムグランドと前記接地ラインとの間に電気的に接続される。
【0009】
本発明に係るアンテナモジュールでは、前記LC共振回路は、並列に接続された一定インダクタンスと変更可能な静電容量とを備える。
【0010】
本発明に係るアンテナモジュールでは、前記第1の放射部に取り付けられるプラスティック実装部材をさらに備え、前記静電容量給電シートは、前記プラスティック実装部材における前記回路基板に面する側に固定される。
【0011】
本発明に係るアンテナモジュールでは、前記給電ラインは、第1のピンを介して前記給電静電容量シートに直接接触される。
【0012】
本発明に係るアンテナモジュールでは、前記接地ラインは、第2のピンを介して前記第1の放射部に直接接触される。
【0013】
本発明に係るアンテナモジュールでは、前記システムグランドは、第3のピンを介して前記第2の放射部に直接接触される。
【0014】
本発明に係るアンテナモジュールでは、放射周波数の範囲が700MHz〜960MHzである。
【0015】
モバイル端末であって、金属バックカバーと、本発明に係るいずれかのアンテナモジュールとを備え、前記金属バックカバーが前記アンテナモジュールの放射体とされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るアンテナモジュールは、低周波数で放射することができるとともに全体としての外観が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係るモバイル端末を示す部分分解模式図である。
図2図2は、図1における回路基板の裏面の構成を示す模式図である。
図3図3は、図1におけるチューニングスイッチの回路構成を示す図である。
図4図4は、本発明に係るモバイル端末のアンテナモジュールの700MHzの周波数帯域での電流の流れを示す模式図である。
図5図5は、本発明に係るモバイル端末のアンテナモジュールの900MHzの周波数帯域での電流の流れを示す模式図である。
図6図6は、本発明に係るモバイル端末のアンテナモジュールの異なる静電容量値でのエコー損失を示すグラフである。
図7図7は、本発明に係るモバイル端末のアンテナモジュールの異なる静電容量値での効率を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面、および、実施形態を結合して、本発明をさらに説明する。
【0019】
図1と、図2とを参照する。これらの図面は、本発明に関するモバイル端末デバイスの一つの実施形態を示す模式図である。
【0020】
本実施形態で示すモバイル端末デバイス10は、携帯電話、パネルコンピュータ、または他のモバイル端末であってもよい。モバイル端末デバイス10は、本発明に係るアンテナモジュール200を用いることができる。具体的には、モバイル端末デバイス10は、金属バックカバー110とアンテナモジュール200とを備える。本実施形態のモバイル端末デバイス10では、金属バックカバー110は、アンテナモジュール200の放射体として用いられ、即ち放射体110と標示される。アンテナモジュール200は、放射体110に対向し、かつ、予め設定された距離で離間して設けられた回路基板210と、静電容量給電シート220とをさらに備える。
【0021】
放射体110は、概ね長方形のボックス体状(盆状)であり、第1の放射部111と、第1の放射部111に部分的に連結する第2の放射部112と、第1の放射部111と第2の放射部112との間に位置するカップリング隙間113とを備える。本実施形態において、第1の放射部111と第2の放射部112とは、同一の金属基板であり、横方向(即ち金属バックカバー110の短辺方向)に沿って延伸するカップリング隙間113によって金属基板が二つの放射部に分割される。しかしながら、この隙間は、横方向に沿って金属基板を貫通してはいないため、二つの放射部は非貫通の箇所で互いに連結されている。このような構成を採用することで、金属バックカバーの外観を良好とするとともに、二つの放射部の間の導電を確保することができる。本実施形態において、カップリング隙間113には、プラスティック物体を充填することができる。
【0022】
静電容量給電シート220は、第1の放射部111における回路基板210に対向する側に設けられ、第1の放射部111に絶縁して接続される。具体的には、静電容量給電シート220は、第1の放射部111と第2の放射部112との連結箇所から離れる位置に設けられる。本実施形態において、アンテナモジュール200は、静電容量給電シート220を実装するためのプラスティック実装部材221を備える。プラスティック実装部材221は、粘着、嵌め込みなどの方法によって第1の放射部111に固定される。静電容量給電シート220は、印刷、レーザ光による直接成形などの技術により、プラスティック実装部材221における回路基板210に面する側に成形される。プラスティック実装部材221に用いられるプラスティックと、隙間113に充填されるプラスティックとは、同じ材質を用いることができる。本実施形態において、プラスティック実装部材221の厚みは、約0.5mmである。このような静電容量給電シート220と第1の放射部111とが絶縁して接続される構成を用いることにより、アンテナモジュールが700MHzで放射するときに、静電容量給電シート220は静電容量カップリング効果によって放射体110への給電を実現する。
【0023】
回路基板210は、モバイル端末を接地させるためのシステムグランド211と、回路基板210における放射体110に面する側に実装されて、第1の放射部111に対向して設けられた接地ライン212と、モバイル端末の電源ラインに電気的に接続されて、アンテナモジュール200に電力を供給する給電ライン213とを備える。給電ライン213は静電容量給電シート220に対向して設けられる。回路基板210は、さらに、システムグランド211と接地ライン212との間に電気的に接続され、接地ライン212のオンオフを制御するためのチューニングスイッチ214を備える。
【0024】
本実施形態において、給電ライン213は、第1のピン215を介して静電容量給電シート220に直接接触することによって、静電容量給電シート220との電気的接続を実現する。接地ライン212は、第2のピン216を介して第1の放射部111に直接に接触することによって、第1の放射部111との電気的接続を実現する。システムグランド211は、第3のピン217を介して第2の放射部112に直接接触によって、第2の放射部112との電気的接続を実現する。当該実施形態において、回路基板と放射体との予め設定された距離は、第2のピンまたは第3のピンの長さである。第1のピン、第2のピン、第3のピンは、弾力性針型ピン、または、他のばね接触構成であってもよい。システムグランド211と第2の放射部112とは、他の位置での大量のピンにより電気的接続を実現することができるため、放射部が安定的に接地することを確保することができる。
【0025】
図3を参照すれば、チューニングスイッチ214は、チューニング可能なLC共振回路である。当該共振回路は、システムグランドと接地ラインとの間に接続されるとともに、並行に設けられた固定インダクタンス2141と調節可能な静電容量2142とを備える。調節可能な静電容量2142の静電容量値を段階的に調節することによって、アンテナモジュールが導通状態と静電容量状態との間での段階的な調節が実現される。
【0026】
図4を参照すれば、調節可能な静電容量2142の静電容量値が比較的高いときに、電流は第1のピン215を介して静電容量給電シート220に流れる。静電容量給電シート220の電力は、静電容量カップリング給電の効果によって第1の放射部111にカップリングされる。電流は、図4における矢印で示す方向に第3のピン217まで流れる。これにより、アンテナループを形成する。このとき、アンテナが放射可能な周波数は、700MHzである。
【0027】
図5を参照すれば、調節可能な静電容量2142の静電容量値が比較的低いときに、電流は、第2のピン216を介して直接に第1の放射部111に流れる。電流は、図5における矢印で示す方向に、第3のピン217まで流れる。これにより、もう一つのアンテナループを形成する。このとき、アンテナが放射可能な周波数は960MHzである。
【0028】
図6は、異なる静電容量値(0.3pF、0.66pF、1.37pF、および、2.26pF)の場合のアンテナモジュールのエコー損失のグラフを示している。図面から分かるように、静電容量値が比較的に低いときに、アンテナモジュールが放射する周波数は900MHzの帯域にある。静電容量値が徐々に増大するにつれて、放射周波数は、低周波数の帯域に徐々に移動し、最終的に700MHzの帯域に位置する。
【0029】
図7は、上記した異なる静電容量値の場合のアンテナモジュールの効率を示している。図面から分かるように、静電容量値が比較的に低いときに、824MHz〜960MHzの周波数帯域の範囲内の効率は、比較的に良好である。静電容量値が比較的に高いときに、700MHz〜800MHz周波数帯域の範囲内の効率は、向上した。図7において、静電容量値を0.66pF、および、1.37pFとした例の場合、700MHz〜960MHzの周波数帯域の範囲内の効率が最適化された。
【0030】
以上の記述は、本発明の実施形態に過ぎない。当然に、当業者にとっては、本発明の進歩構想を脱逸しない限り、改良することができるが、これらの改良は全て本発明の保護範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7