【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の形態の原子層成長装置は、
基板上に薄膜を形成するための原子層成長装置であって、
成膜容器と、
前記成膜容器内に位置し、前記基板を保持するためのステージと、
前記ステージの上方に位置し、高周波電源と接続される電極と、
前記成膜容器に形成された、前記成膜容器内に原料ガスを供給するためのガス導入部と、
前記成膜容器に形成された、前記成膜容器から前記原料ガスを排気するための
開口部を含み、
前記
開口部
の内周面および前記開口部周りの前記成膜容器の内壁を覆うように、
取り外し可能な防着材が取り付けられ、
前記成膜容器の前記内壁と前記防着材の間の空間に不活性ガスを流すことが可能である。
【0009】
他の形態の原子層成長装置の発明は、前記形態の発明において、
前記成膜容器の外部に位置し、前記
開口部と接続する排気配管接続部と、
前記排気配管接続部と接続する排気配管を有し、
前記原料ガスは、前記排気配管を介して前記成膜容器から排出され、
前記排気配管接続部内に接続部不活性ガス供給路が形成され、
前記成膜容器の前記内壁と前記防着材の間の前記空間によって防着材不活性ガス供給路が形成され、
前記接続部不活性ガス供給路は前記防着材不活性ガス供給路と接続され、
不活性ガス供給部から供給された前記不活性ガスが、前記接続部不活性ガス供給路を介して前記防着材不活性ガス供給路に流入する。
【0010】
他の形態の原子層成長装置の発明は、前記形態の発明において、前記防着材は前記成膜容器の前記内壁に、ビスを用いて固定される。
【0011】
他の形態の原子層成長装置の発明は、前記形態の発明において、前記防着材はフランジ部を有し、
前記フランジ部は前記成膜容器の前記内壁に前記ビスを用いて固定される。
【0012】
他の形態の原子層成長装置の発明は、前記形態の発明において、前記不活性ガスは前記ビスの位置まで流入する。
【0015】
他の形態の原子層成長装置の発明は、前記形態の発明において、前記不活性ガスは窒素またはアルゴンである。
【0016】
他の形態の原子層成長装置の発明は、前記形態の発明において、前記基板はガラス基板である。
【0017】
他の形態の原子層成長装置の発明は、前記形態の発明において、前記電極と前記ステージとの間にプラズマが発生する。
【0018】
また、本発明の他の原子層成長装置の形態は、
成膜容器と、
前記成膜容器に設けられた排気用の開口部の外側に取り付けられ、外周面が前記開口部を超える大きさを有し、筒穴側に排気路が位置する筒状の排気配管接続部と、
前記成膜容器内側に位置して前記開口部に挿入して取り付けられ、筒穴側に排気路が位置する筒状の排気防着材と、を備え、
前記排気配管接続部に、
前記排気路と区画されて、不活性ガスが流れる接続部不活性ガス供給路と、前記接続部不活性ガス供給路に設けられて前記不活性ガスが前記開口部側に流れ出る接続部不活性ガス供給口と、が設けられ、
前記排気防着材に、
前記排気路と区画されて、前記開口部内周面および前記開口部周りの前記成膜容器内壁と前記排気防着材の間の隙間により形成され、前記接続部不活性ガス供給口に連通する防着材不活性ガス供給路と、前記防着材不活性ガス供給路に設けられて前記不活性ガスが前記成膜容器内部に流れ出る防着材不活性ガス排出口と、が設けられていることを特徴とする。
【0019】
上記形態の本発明によれば、接続部不活性ガス供給路を流れる不活性ガスが防着材不活性ガス供給路に流れ、防着材不活性ガス排出口に流れ出すことで、排気防着材と成膜容器内壁や開口部、排気配管接続部との隙間に着膜が生じるのを抑止する。
【0020】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記防着材不活性ガス排出口が、前記排気防着材の全周に亘って形成されていることを特徴とする。
【0021】
上記形態の本発明によれば、排気防着材と成膜容器内壁との隙間に着膜を生じるのを全周に亘り確実に防止することができる。
【0022】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記開口部の内周面と前記開口部に挿入された前記排気防着材の外周面との間の隙間が、10mm以下であることを特徴とする。
【0023】
上記形態の本発明によれば、開口部の内周面と開口部に挿入された防着材外周面との間の隙間を適切に確保することで、不活性ガスの流れを確実に確保して着膜を防止し、適正なガスの流速を得ることを容易にする。この隙間は、10mm以下が望ましい。上記隙間が10mmを超えると、適正な流速を得るためにガスの流量が多く必要になる。隙間の下限は特に限定されず、不活性ガスの流出が得られるものであればよい。部材同士を当接させる場合にも、粗面同士であれば、その隙間によりガス流出が得られる。例えば、防着材外周面を、敢えて粗面(例えばRa(算術平均粗さ)=3〜6μm)として、防着材外周面を成膜容器に当接させて取り付けるようにしてもよい。この点で、隙間の下限は、0.01mmを例示することができる。
【0024】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記開口部の周りの前記成膜容器内壁と前記排気防着材との間の隙間が、10mm以下であることを特徴とする。
【0025】
上記形態の本発明によれば、開口部の周りの成膜容器内壁と防着材との間の隙間により、不活性ガスの流れを確実に確保して着膜を防止し、適正なガスの流速を得ることを容易にする。上記隙間が10mmを超えると、ガスの流れが十分に得られない。一方、隙間の下限は特に限定されず、ガスの流出が得られるものであればよい。部材同士を当接させる場合にも、粗面同士であれば、その隙間によりガス流出が得られる。この点で、隙間の下限は、0.001mm以上を例示することができる。
【0026】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記接続部不活性ガス供給路は、前記排気路の外周側で、排気ガスの流れ方向に沿って1または複数が設けられていることを特徴とする。
【0027】
上記形態の本発明によれば、1または複数の接続部不活性ガス供給路を通して、不活性ガスを供給することができる。特に複数を設ければ、できるだけ均等にガスを供給することができる。複数の接続部不活性ガス供給路は、例えば、少なくとも排気穴の上方、下方、両側方に設けることができる。
【0028】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記排気防着材は、前記排気配管接続部の筒穴内に挿入され、前記筒穴に沿って伸長する防着排気配管を有し、該防着排気配管は前記排気防着材の筒穴に連通しており、前記筒穴および前記防着排気配管の管穴が、長さ方向において前記排気路の少なくとも一部を構成していることを特徴とする。
【0029】
上記形態の本発明によれば、防着排気配管の配置により、排気防着材と排気配管接続部との隙間および排気配管接続部の内周面が覆われて着膜が防止される。
【0030】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記防着排気配管と前記排気配管接続部の筒穴との間に、前記防着排気配管の先端に至る接続部不活性ガス第2供給路を有し、該接続部不活性ガス第2供給路の先端側に、不活性ガスが流れ出る接続部不活性ガス第2供給口が設けられていることを特徴とする。
【0031】
上記形態の本発明によれば、接続部不活性ガス第2供給路によって、防着排気配管の先端側への着膜を抑止され、排気配管接続部への着膜を抑止する。
【0032】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記接続部不活性ガス第2供給路が前記接続部不活性ガス供給路に連通していることを特徴とする。
【0033】
上記形態の本発明によれば、接続部不活性ガス供給路に供給された不活性ガスの一部を接続部不活性ガス第2供給路に送り出すことができる。
【0034】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記排気配管接続部に排気配管が接続されていることを特徴とする。
【0035】
上記形態の本発明によれば、排気配管を通して排ガスを移送することができる。
排気配管は、排気配管接続部に取り付け可能なものであってもよく、また、排気配管接続部に排気配管が一体になって接続されているものであってもよい。
【0036】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記排気防着材は、前記排気配管接続部の筒穴内に挿入され、前記筒穴に沿って伸長する防着排気配管を有し、前記防着排気配管は、前記排気配管接続部に接続された前記排気配管内に挿入される長さを有していることを特徴とする。
【0037】
上記形態の本発明によれば、排気配管接続部での着膜を抑止する。
【0038】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記防着排気配管は、防着排気延長管を有し、該防着排気延長管は前記排気配管に挿入される長さを有し、前記防着排気延長管は、前記排気配管が接続される側から取り付け可能であることを特徴とする。
【0039】
上記形態の本発明によれば、防着排気配管の長さを延長管で調整することができ、排気配管との接続側から容易に取り付けすることができる。
【0040】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記防着排気配管外周面は、前記排気配管内周面と隙間を有していることを特徴とする。
【0041】
上記形態の本発明によれば、防着排気配管と排気配管との幅方向の隙間によって、接続部不活性ガス供給路の一部を構成することができ、防着排気配管と排気配管との接続隙間への着膜を防止することができる。結果、排気配管接続部への着膜を抑止することができる。
【0042】
他の形態の本発明の原子層成長装置は、前記本発明の形態において、前記排気防着材は、前記開口部の周りの前記成膜容器内壁に沿い、かつ前記内壁と間隙を有するフランジを有しており、該フランジ周縁内面と前記成膜容器内壁との間に前記防着材不活性ガス排出口が設けられていることを特徴とする。
【0043】
上記形態の本発明によれば、フランジ周辺から側方に不活性ガスを排出することができ、粒子などが排ガス方向に沿って内部に侵入するのを抑止する。
【0044】
他の形態の原子層成長装置排気部は、
成膜容器に設けられた排気用の開口部の外側に取り付けられ、外周面が前記開口部を超える大きさを有し、筒穴側に排気路が位置する筒状の排気配管接続部と、
前記成膜容器内側に位置して前記開口部に挿入して取り付けられ、筒穴側に排気路が位置する筒状の排気防着材と、を備え、
前記排気配管接続部に、
前記排気路と区画されて、不活性ガスが流れる接続部不活性ガス供給路と、前記接続部不活性ガス供給路に設けられて前記不活性ガスが前記開口部側に流れ出る接続部不活性ガス供給口と、が設けられ、
前記排気防着材に、
前記排気路と区画されて、前記開口部内周面および前記開口部周りの前記成膜容器内壁と前記排気防着材の間の隙間により形成され、前記接続部不活性ガス供給口に連通する防着材不活性ガス供給路と、前記防着材不活性ガス供給路に設けられて前記不活性ガスが前記成膜容器内部に流れ出る防着材不活性ガス排出口と、が設けられていることを特徴とする。