特許第6298148号(P6298148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6298148
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】喫煙者用物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   A24D3/04
【請求項の数】21
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-504841(P2016-504841)
(86)(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公表番号】特表2016-514473(P2016-514473A)
(43)【公表日】2016年5月23日
(86)【国際出願番号】IB2014060228
(87)【国際公開番号】WO2014155340
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年3月24日
(31)【優先権主張番号】BO2013A000129
(32)【優先日】2013年3月27日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ リ ビーニ
(72)【発明者】
【氏名】イバン エウゼピ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ペーシ
(72)【発明者】
【氏名】マッシモ サルトニ
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/000967(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第0317154(EP,A1)
【文献】 国際公開第2012/156697(WO,A1)
【文献】 米国特許第2890703(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0261807(US,A1)
【文献】 米国特許第3994306(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙者用物品であって、
添加剤(6)のための少なくとも一つのチャンバ(5)を備えるフィルタ機能要素(2)と、
シガレット・スティック(3)と、
前記フィルタ機能要素(2)を前記シガレット・スティック(3)に対して接続するために前記フィルタ機能要素(2)と前記シガレット・スティック(3)との間で作用する接続手段(4、17)と、
当該喫煙者用物品は、前記チャンバ(5)に対するアクセスを与えるダクト(7)を備えることを特徴としており、
閉じ手段であって、当該閉じ手段により前記ダクト(7)が閉じられ得ると共に、当該閉じ手段は、前記ダクト(7)が閉じられ第1位置と前記ダクト(7)が開かれ第2位置との間において前記ダクト(7)に対して移動可能であるという閉じ手段(13、16、18、22、24、28)と、
を備える、長手対称軸心(A)を備える実質的に円筒形状を有する喫煙者用物品(1)において、
前記ダクト(7)は、前記長手対称軸心(A)を横断する方向(D)において前記フィルタ機能要素(2)を貫通して延在することを特徴とする、喫煙者用物品(1)。
【請求項2】
前記ダクト(7)は、前記フィルタ機能要素(2)の好適には円筒状である外側面上の取入口(7a)と、前記チャンバ(5)と連通する吐出口とを有することを特徴とする、請求項1に記載の喫煙者用物品。
【請求項3】
前記フィルタ機能要素(2)は、内部空洞(9)を有するフィルタ・プラグ(8、10、25、26、27)を備え、前記チャンバ(5)は前記内部空洞(9)内に画成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の喫煙者用物品。
【請求項4】
前記内部空洞(9)は前記ダクト(7)を構成し、該空洞(9)は、前記ダクト(7)の前記取入口(7a)に対応する開口(9a)を有することを特徴とする、請求項3に記載の喫煙者用物品。
【請求項5】
前記フィルタ・プラグ(8、10、25、26、27)は“非包装アセテート”として知られる形式であることを特徴とする、請求項3または4に記載の喫煙者用物品。
【請求項6】
前記フィルタ・プラグ(8、10、25、26、27)は、フィルタ材料製の芯部(11)と、フィルタ材料製の該芯部(11)の回りに包装された包装材料の薄寸体(12)とを備えることを特徴とする、請求項3または4に記載の喫煙者用物品。
【請求項7】
前記ダクト(7)は前記チャンバ(5)を構成することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一つの請求項に記載の喫煙者用物品。
【請求項8】
前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は前記フィルタ機能要素(2)に対して組み合わされることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一つの請求項に記載の喫煙者用物品。
【請求項9】
前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は前記フィルタ機能要素(2)に対して接続されることを特徴とする、請求項8に記載の喫煙者用物品。
【請求項10】
前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は回転継手(18)を備え、
該閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は、前記回転継手(18)により実現され得る回転により、前記ダクト(7)に対し、前記閉じられた第1位置と前記開かれた第2位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項9に記載の喫煙者用物品。
【請求項11】
前記フィルタ機能要素(2)は、前記回転継手(18)を画成する如き様式で形状化されることを特徴とする、請求項10に記載の喫煙者用物品。
【請求項12】
前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は、前記フィルタ機能要素(2)と同軸的なスリーブ(13)であって、前記ダクト(7)に対して回転可能であるというスリーブ(13)を備え、
前記スリーブ(13)は、前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)が前記開かれた第2位置に在るという前記ダクト(7)の前記取入口(7a)における第1位置と、前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)が前記閉じられた第1位置に在るという、前記ダクト(7)の前記取入口(7a)から離間された第2位置と、の間で移動可能な開口(14)を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一つの請求項に記載の喫煙者用物品。
【請求項13】
前記フィルタ機能要素(2)は、第1フィルタ・プラグ(8)及び第2フィルタ・プラグ(10)を備え、
前記チャンバは前記第1フィルタ・プラグ(8)内に配備され、
前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は、前記第2フィルタ・プラグ(10)に対して組み合わされ、
前記接続手段(4、17)は前記第1フィルタ・プラグ(8)と前記シガレット・スティック(3)との間で作用することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一つの請求項に記載の喫煙者用物品。
【請求項14】
前記第2フィルタ・プラグ(10)は、回転継手(18)を画成すべく形状化され、
前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は、前記回転継手(18)を備えると共に、該継手(18)により実現され得る回転により前記閉じられた第1位置と前記開かれた第2位置との間で前記ダクト(7)に対して移動可能であることを特徴とする、請求項13に記載の喫煙者用物品。
【請求項15】
前記ダクト(7)は前記フィルタ機能要素(2)を貫通して延在し、
前記閉じ手段(13、16、18、22、24、28)は、前記ダクト(7)の前記取入口(7a)の閉じ位置と開き位置との間において前記フィルタ機能要素(2)に沿い移動可能であるカラー(24)を備えることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一つの請求項に記載の喫煙者用物品。
【請求項16】
当該喫煙者用物品は前記チャンバ(5)の内側に添加剤(6)を備えることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一つの請求項に記載の喫煙者用物品。
【請求項17】
前記添加剤(6)は、カプセル、粉体、粒子、ゲル、液体、または、フィルタ材料の風味付きペレットの形態である、請求項1から16のいずれか一つの請求項に記載の喫煙者用物品。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一つの請求項に記載された、長手対称軸心(A)を備える実質的に円筒形状を有する喫煙者用物品を製造するプロセスであって、
該プロセスは、少なくとも前記フィルタ機能要素(2)を穿孔することで、少なくとも、前記長手対称軸心(A)を横断する方向(D)において前記フィルタ機能要素(2)を貫通して延在する前記ダクト(7)を画成する段階を有することを特徴とする、プロセス。
【請求項19】
当該プロセスは、前記スリーブ(13)及び前記フィルタ機能要素(2)を穿孔し、前記スリーブにおいては前記開口(14)を画成し、且つ、前記フィルタ機能要素においては前記ダクト(7)を画成する段階を有することを特徴とする、請求項18に記載の喫煙者用物品を製造するプロセス。
【請求項20】
請求項1から17のいずれか一つの請求項に記載の少なくとも一本の喫煙者用物品(1)、好適にはパケット内に囲繞された一群の喫煙者用物品(1)と、
前記添加剤(6)を前記チャンバ(5)内に挿入するための少なくとも一つのアプリケータ(100)とを備える、
キット。
【請求項21】
前記アプリケータ(100)は、一種類の風味の添加剤(6)、または、異なる風味の二種類以上の添加剤(6)を収容する、請求項20に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙者用物品に関し、特に、明示的参照が為されるシガレット(cigarette)に関する。
【背景技術】
【0002】
公知形式の喫煙者用物品は概略的に、当該フィルタから消費者が口を通して吸入を行うと共に、例えばタバコなどを構成するシガレット・スティックに対して接続されたというフィルタを備える。
【0003】
吸入されるべき添加剤を収容する一つ以上のカプセルであって、シガレットが喫煙されているときに当該カプセルの内容物が放出され得る如き様式でフィルタ内に形成された空洞内に挿入されるという一つ以上のカプセルを備えるシガレットが知られている。
【0004】
斯かる製品の一例は、そのフィルタが、吸入されるべき添加剤を収容するカプセルを収納するというシガレットに関する米国特許出願公開公報第US2011/0023896号に記述されている。
【0005】
上記カプセルは、上記フィルタの内側に位置されると共に、該カプセルは、シガレットが喫煙される前に消費者により上記フィルタに対して付与される圧力に応じて破壊されることで、該カプセルの内容物が吸入され得るべく適合化される。
【0006】
その様にして、喫煙者は、上記カプセルを破壊しないことで上記添加剤を吸入せずにシガレットを喫煙するか、または、カプセルの内容物を吸入するかを選択し得る。
【0007】
直上で言及された如き先行技術の解決策は、幾つかの不都合を有している。
【0008】
上記カプセルはシガレットの製造の間においてフィルタ内に挿入されることから、該シガレットは、添加剤なしで、または、カプセル内に収容された添加剤のみを以て喫煙され得る。
【0009】
実際問題として消費者は、シガレットを購入する時点において、変更の可能性なしで、添加剤の種類を選択せねばならない。
【0010】
上述の種類のカプセルが配備されたシガレットを一旦保有したなら、消費者は、それを添加剤有りでもしくは無しで喫煙することのみを選択し得ると共に、異なる添加剤が所望されたなら、別の種類のシガレットが購入されねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これに関連して、本発明の主たる技術的課題は、上述の不都合のない喫煙者用物品、特にシガレットを提案するに在る。
【0012】
本発明は、先行技術の解決策よりも更にカスタマイズ可能な喫煙者用物品を提案することを目的とする。
【0013】
本発明の別の目的は、シガレットが購入された後においてさえも、複数種類の添加剤の選択を許容する喫煙者用物品を提案するに在る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
特定された技術的課題及び目的は、請求項1に係る喫煙者用物品により達成される。
【0015】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付図面中に示された喫煙者用物品の好適であるが非排他的な実施例を参照した以下の非限定的な説明において更に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る喫煙者用物品の第1実施例の第1構成における概略的斜視図である。
図2図1の喫煙者用物品の適切に中断された概略的な長手断面図である。
図3図1の喫煙者用物品の第2構成における概略的斜視図である。
図4】先行図における喫煙者用物品の詳細を概略的横断面で示す図である。
図5】本発明に係る喫煙者用物品の第2実施例の適切に中断された概略的な長手断面図である。
図6】本発明に係る喫煙者用物品の第3実施例の適切に中断された概略的な長手断面図である。
図7図6の喫煙者用物品の横断面図である。
図8】本発明に係る喫煙者用物品の第4実施例の第1構成における概略的斜視図である。
図9図8の喫煙者用物品の第2構成における概略的斜視図である。
図10図9の喫煙者用物品の適切に中断された概略的な長手断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照すると、番号1は、本発明に係る喫煙者用物品を表している。
【0018】
例えば、以下において本発明の有効範囲を制限せずに参照が為されるシガレットなどである物品1は、実質的に円筒形状と、長手対称軸心Aとを有している。
【0019】
物品1は、フィルタ機能要素2と、該フィルタ機能要素2に対して接続されたシガレット・スティック3とを備える。
【0020】
フィルタ機能要素2は、シガレット・スティック3の一端に対して結合された第1端部2aと、シガレット・スティック3とは逆側にて喫煙者の口内に載置されることが意図された端部2bとを有する。
【0021】
シガレット・スティック3は、実質的に公知形式であり、詳細には記述されない。
【0022】
物品1は、フィルタ機能要素2をシガレット・スティック3に対して接続する接続手段を備える。
【0023】
上記接続手段は、例えば、以下において詳細に記述されるパッチ4を備える。該パッチは好適には、フィルタ機能要素2とシガレット・スティック3との回りに巻き付けられて、両者を一体的に接続する。
【0024】
フィルタ機能要素2は、例えば図2に示された如き添加剤6を受容することが意図された内部チャンバ5を有する。
【0025】
チャンバ5は好適には、喫煙者用物品1の対称軸心Aに沿って配置される。
【0026】
添加剤6は、シガレット1を喫煙するときに消費者(喫煙者)により吸入されるものに風味付けすべく使用される。それは、例えば、カプセル、粉体、粒子、ゲル、液体、または、例えばフィルタ・プラグ10が作成される材料などのフィルタ材料の風味付きペレットの形態であり得る。
【0027】
好適には、添加剤6は、その放出が、シガレットの燃焼により決定され、または、斯かる燃焼により生成された熱もしくは煙により決定されるという種類である。
【0028】
物品1は、チャンバ5に対するアクセスを与えるダクト7を備える。
【0029】
更に詳細には、ダクト7は、添加剤6をチャンバ5内に挿入するために使用される。実際問題として、添加剤6は、チャンバ5自体内へと到達するダクト7を通して該チャンバ5内に挿入可能である。
【0030】
ダクト7は、対称軸心Aを横断する方向Dにおいて、フィルタ機能要素2を貫通して延在する。好適には、ダクト7は直線状である。
【0031】
ダクト7の横断的位置によれば、添加剤6はチャンバ5内へと容易に挿入され得る。更に詳細には、ダクト7は対称軸心Aを横断する方向であることから、喫煙者用物品1の通気は正しいレベルに維持され得ると共に、夫々のフィルタ機能要素2のフィルタ作用機能は良好なままである。上記横断的位置によれば、チャンバ5内に挿入された後で、それから添加剤6が偶発的に抜け落ちることを防止することも可能である。
【0032】
更に詳細には、ダクト7は、フィルタ機能要素2の円筒状の外側面上の取入口7aと、チャンバ5と連通する吐出口とを有する。
【0033】
特に図2図6及び図10を参照すると、図示された実施例において、フィルタ機能要素2は、チャンバ5が内部に画成される内部空洞9を有するフィルタ・プラグ8を備える。
【0034】
空洞9は主として、シガレット1の対称軸心Aに沿い長手方向に延在する。
【0035】
好適には、フィルタ・プラグ8は、“非包装アセテート(non wrapped acetate)”(NWA)として知られる形式である。
【0036】
公知の如く、NWAフィルタは、セルロース・アセテートを適切に処理することにより作成された“可塑化された”円筒状の外側ケース内に囲繞されたフィルタ材料、特にセルロース・アセテートの芯部を備える。
【0037】
この処理は、NWAフィルタに対し、それを所定形状に維持する強固な構造を与える。
【0038】
好適には、NWAフィルタは任意の形態で作成され得ることから、フィルタ・プラグ8は、その内側に形成された空洞9を有する。
【0039】
特に図4を参照すると、一実施例において、空洞9は、好適にはU形状の横断面を備えた溝の形態である。
【0040】
特に図2及び図4に示された如く、空洞9は、チャンバ5及びダクト7の両方を画成する。
【0041】
実際問題として、空洞9は、ダクト7の取入口7aに対応する開口9aを有する。
【0042】
空洞9の開口9aは、フィルタ機能要素2の円筒状の外側面に向けて指向される。更に詳細には、開口9aは、フィルタ・プラグ8の円筒状の外側面に向けて指向される。
【0043】
空洞9の溝形状によれば、実際問題として、該空洞9の底部により画成されたチャンバ5内へと添加剤6が直接的に開口9aを通して挿入されることが許容される。
【0044】
故に、チャンバ5を形成するために、上記フィルタの非常に小寸の部分のみが除去される。
【0045】
更に詳細には、除去される部分は、喫煙者用物品1の通気に対する不都合な影響を回避するために、対称軸心Aを横断する方向である。同様に、チャンバ5の横断的位置によれば、チャンバ5内に挿入された後で、それから添加剤6が偶発的に抜け落ちることが防止され得る。
【0046】
好適には、フィルタ機能要素2は更なるフィルタ・プラグ10を備える。
【0047】
フィルタ・プラグ10は、フィルタ材料製の芯部11と、該芯部11の回りに包装された(公知形式であり不図示とされた)包装材料の薄寸体とを備える。
【0048】
フィルタ・プラグ8及び10は、端部同士を接して結合され、且つ、各フィルタ・プラグは、それらの外側面に対して接着剤結合された好適には紙材である管状包装材12により接続される。
【0049】
更に厳密には、フィルタ・プラグ8は、更なるフィルタ・プラグ10とシガレット・スティック3との間に介設される。
【0050】
そして更に詳細には、フィルタ・プラグ8とシガレット・スティック3との間には、介設された仕切り要素8'が在る。この要素は好適には、ディスク形式で円筒の形状である。図2図6及び図10に示された実施例において、仕切り要素8'もまた“非包装アセテート”(NWA)形式のフィルタであるが、それはまた、一般的なフィルタが作成される如き異なる材料から作成されることもある。
【0051】
仕切り要素8'の機能は本質的に、フィルタ・プラグ8がシガレット・スティック3に対して結合されることを許容すると同時に、シガレット・スティック3におけるタバコがチャンバ5内に届き、または、それを遮断さえすることを防止することである。
【0052】
ダクト7は好適には、特に図5図6及び図10に示された実施例に関し、1mm〜5mmの直径を備えた円形の断面を有する。
【0053】
更に概略的には、ダクト7の最小幅は好適には、1mm〜5mmである。
【0054】
ダクト7の直径の好適な値は、添加剤6の容易な挿入を許容する3mmである。
【0055】
更に概略的には、ダクト7の最小幅は、好適には3mmである。
【0056】
本発明に依れば、喫煙者用物品1は、ダクト7が閉じられ得る閉じ手段を備える。
【0057】
上記閉じ手段はダクト7に対し、該ダクトが閉じられる第1位置と、ダクト7が開かれる第2位置との間で移動可能である。更に詳細には、閉じられた第1位置において、ダクト7は閉じられると共に、チャンバ5は、喫煙者用物品1の外部からアクセスできない。同様に、開かれた第2位置において、チャンバ5はダクト7を通してアクセス可能であると共に、添加剤6がその内部に挿入され得る。
【0058】
好適には、消費者に対して入手可能な喫煙者用物品1のダクト7は最初は閉じられる。
【0059】
故に消費者は上記閉じ手段の形態を変更せずに、添加剤なしでシガレットを喫煙するために、単にそれに着火し得る。
【0060】
その場合、上記閉じ手段は好適には、燃焼の間における最適な通気を保証するためにも、上記閉じ位置に維持される。
【0061】
代替的に、もし消費者がシガレットに対し、所望の風味または他の選択された特性を与えることを望むなら、消費者は、上記閉じ手段を開かれた第2位置に位置させることでダクト7を開き得る。これにより、添加剤6はダクト7を通してチャンバ5内へと挿入され得る。
【0062】
その様にして、消費者は、喫煙者用物品1内に挿入されて所望の風味を獲得すべき添加剤6を選択し得る。
【0063】
図示された各実施例において、上記閉じ手段は、フィルタ機能要素2に対して組み合わされる。
【0064】
上記閉じ手段は、フィルタ機能要素2に対し、故に、ダクト7に対して移動可能である。
【0065】
特に図2図5及び図6を参照すると、上記閉じ手段はフィルタ機能要素2に対して接続されることが観察され得る。
【0066】
更に詳細には、上記閉じ手段は、フィルタ機能要素2の回りに嵌装され且つそれに対して対称軸心Aの回りで回転可能である管状要素またはスリーブ13を備える。
【0067】
スリーブ13は、ダクト7に対して回転可能であり、且つ、該スリーブは、例えば図1に示されたダクト7の取入口7aにおける第1位置と、第2の離間した、すなわち、例えば図3に示されたダクト7の取入口7aから離間された位置との間で移動可能な開口14を有している。
【0068】
開口14は好適には、円形であり、且つ、直径が1mm〜5mmである。
【0069】
更に概略的には、開口14の最小幅は好適には1mm〜5mmである。
【0070】
開口14の直径の好適な値は、添加剤6の容易な挿入を許容する3mmである。
【0071】
更に概略的には、開口14の最小幅は好適には3mmである。
【0072】
更に詳細には、開口14により採用される上記第2位置は、対称軸心Aの回りにおけるスリーブ13の回転により、取入口7aから角度的に離間される。
【0073】
ダクト7の取入口7aにおける開口14の第1位置は、上記閉じ手段の開かれた第2位置に対応する。同様に、ダクト7から離間した開口14の第2の離間位置は、上記閉じ手段の閉じられた第1位置に対応する。
【0074】
開口14をダクト7の取入口7aに位置決めすると、添加剤6は、開口14が取入口7aから角度的に離間されたときにはアクセスできないチャンバ5内へと挿入され得る。
【0075】
ダクト7を閉じると、喫煙者用物品1の正しい程度の通気が維持されることに加え、添加剤6が偶発的にチャンバ5から離脱することが阻止される。
【0076】
好適には、正しい通気を保証するために、スリーブ13は、開口14を備える帯状領域であって、その幅は好適に、まさにダクト7の取入口7aの幅よりも大きいという帯状領域を有する。この帯状領域は、空気に対して透過性でなく、または、スリーブ13の残部よりも空気に対する透過性が小さい。
【0077】
特に図2図5及び図6に示された如く、スリーブ13は、フィルタ機能要素2の端部2bにおいて該フィルタ機能要素の円筒状外側面に対して接続され、特に接着剤Gにより接着剤結合される。
【0078】
更に厳密には、スリーブ13は、フィルタ・プラグ8及び10を相互に対して結合する上述の管状包装材12に対して接続される。
【0079】
スリーブ13は好適には、フィルタ機能要素2の回りに包装された紙材の薄寸体である。更に詳細には、スリーブ13は好適には、上述の接続パッチ4の一部として作成される。
【0080】
上述された如く、接続パッチ4は通常は、シガレット・スティック3に対してフィルタ機能要素2を接続する如き様式で、それを包装すべく使用される。図示された各実施例において接続パッチ4は、その外周上に、実際問題として、それを2つの別個の部分へと分割するスリット15を有している。
【0081】
パッチ4の第1部分16はスリーブ13を形成する一方、第2部分17は、フィルタ機能要素2とシガレット・スティック3との間の接続部を形成する。
【0082】
故に第2部分17は、上述の管状包装材12及びシガレット・スティック3の両方に対し、接続され、特に接着剤結合される。故に第2部分17は、仕切り要素8'も含んでいる。
【0083】
上述された如くスリーブ13が回転することを許容するために、ダクト7を閉じる上記閉じ手段は、スリーブ13とダクト7との間で作用する回転継手18を備える。
【0084】
更に詳細には、継手18は、スリーブ13と、ダクト7が貫通して延在するフィルタ機能要素2との間で作用する。
【0085】
例えば図2図5図6に示された如く、継手18は、フィルタ機能要素2内に作成される。更に詳細には、フィルタ機能要素2は、回転継手18を画成する如き様式で形状化される。
【0086】
拡大図において概略的に示された如く、継手18は、フィルタ機能要素2上で、好適にはシガレット1の対称軸心Aと同軸的である円形スリット19により画成される。
【0087】
スリット19は、円形の王冠の形状を有すると共に、該スリットは、対称軸心Aの近傍において、フィルタ材料製の芯部11の一部として、継手18を境界決定する。
【0088】
スリット19は、フィルタ機能要素2の自由端部2bと、パッチ4上に作成されたスリット15との間に配置される。
【0089】
好適には、スリット19は、フィルタ・プラグ10の軸心方向の中間区域に配置される。
【0090】
スリーブ13を画成するパッチ4の第1部分16は、対称軸心Aに関し、自由端部2bとスリット15との間に含まれたフィルタ機能要素2の部分の回りに装着される。
【0091】
パッチ4の第1部分16は、フィルタ機能要素2の自由端部2bとスリット19との間に含まれる円筒状表面20に沿い、フィルタ機能要素2に対して接続される。好適には、この接続は、接着剤Gによる接着剤結合により達成される。
【0092】
パッチ4の第2部分17は、スリット15と、仕切り要素8'を構成するシガレット・スティック3自体の第1端部と、の間に含まれる円筒状表面21に沿い、フィルタ機能要素2に対し且つシガレット・スティック3に対して接続される。好適には、この接続は接着剤Gによる接着剤結合により達成される。
【0093】
故に、パッチ4の第1部分16、すなわち、スリーブ13は、フィルタ機能要素2自体上のスリット19と、パッチ4上のスリット15との間において、フィルタ機能要素2上で自由に回転する。この回転によれば、上記閉じ手段は、上記閉じられた第1位置と上記開かれた第2位置との間で移動することが許容される。
【0094】
好適には、継手18は、包装された形式のフィルタ・プラグ10により画成されたフィルタ機能要素2の一部として作成される。
【0095】
その場合、パッチ4の第1部分16は管状包装材12に対して接着剤結合される。
【0096】
例えば図5に示された実施例において、喫煙者用物品1は、パッチ4上に包装された好適には紙材料製である環状要素またはカラー22を備える。
【0097】
カラー22は、対称軸心Aに沿い、パッチ4の第1部分16と第2部分17との間に延在する。
【0098】
更に詳細には、カラー4は、パッチ4のスリット15の頂部上に載置されることで、それを隠すと共に、喫煙者用物品1を美観的に更に魅力的とする。
【0099】
一実施例において、カラー22はパッチ4の第1部分16に対して接続され、好適には接着剤結合されるが、代替実施例において、それは、パッチ4の第2部分17に対して接続され、好適には接着剤結合される。
【0100】
添加剤6の挿入を許容するために、カラー22は、スリーブ13における開口14にて、開口23を有する。
【0101】
図10に示された一実施例において、ダクト7はフィルタ機能要素2を貫通して延在し、且つ、その開口7aはフィルタ機能要素2の外側面上に与えられる。
【0102】
上記閉じ手段は、図8に示された、ダクト7の取入口7aが閉じられる位置と、図9及び図10に示された、それが開かれる位置との間で、フィルタ機能要素2に沿って移動可能である環状要素またはカラー24を備える。更に詳細には、取入口7aの開き位置において、ダクト7は開いており、且つ、チャンバ5は添加剤6の挿入のためにアクセス可能である。
【0103】
フィルタ機能要素2は、チャンバ5が内部に形成されるNWAフィルタ製のプラグ25を備える。
【0104】
図示された例において、フィルタ機能要素2は、プラグ25の各端部における第1及び第2のフィルタ・プラグ26、27を備える。
【0105】
接続パッチ4は、チャンバ5に対するアクセスを与えるべくプラグ25上で移動可能なカラー24を画成する摺動部分28を備える。
【0106】
接続パッチ4は、カラー24に対する夫々の端部停止部を画成する2つの端部29、30を備える。
【0107】
本発明に係る喫煙者用物品1のダクト7は、好適には、少なくともフィルタ機能要素2を穿孔することにより作成される。
【0108】
長手対称軸心Aを備える実質的に円筒形状を有する喫煙者用物品1を作成するプロセスは、フィルタ機能要素2を穿孔して、長手対称軸心Aを横断する方向Dに沿うダクト7を作成する段階を備える。このプロセスは特に、包装された形式のフィルタ・プラグ内にダクト7が作成されるときに有効である。
【0109】
好適にはレーザにより行われる、上記フィルタ機能要素を穿孔する段階は、もし存在するなら、パッチ4を穿孔して開口14を作成する段階も備える。
【0110】
同様に、上記穿孔段階は、もし存在するなら、カラー22も穿孔する段階を備える。
【0111】
好適には、ダクト7がチャンバ5も画成する場合、上記穿孔段階は、喫煙者用物品1の外側面上の各開口、すなわちダクト7及びチャンバ5の作成を許容する。
【0112】
更に詳細には、例えば図5に示された実施例において、ダクト7はチャンバ5を構成する。
【0113】
ダクト7は、フィルタ機能要素2の外側の側部表面から、好適にはシガレット1の対称軸心Aまで延在する。
【0114】
特にNWAフィルタの場合において、もしチャンバ5が上記フィルタ・プラグに事前形成されるなら、上記穿孔段階は、スリーブ13を画成する部分にてパッチ4を穿孔する。
【0115】
チャンバ5、アクセス・ダクト7、及び、開口14、23の比較的減少された寸法に依り、且つ、消費者が添加剤6をチャンバ5内に挿入することを更に容易とするために、本発明は、目的として、例えばシガレットのパケットであるというパケット内に囲繞された前述の如き少なくとも一本の喫煙者用物品1、好適には一群の喫煙者用物品1と、添加剤6をチャンバ5内に挿入するための、図2においては破線で描かれた少なくとも一つの回分供与器もしくはアプリケータ100とを備えるキットも提供する。回分供与器もしくはアプリケータ100は、一種類のみの風味の添加剤6、または、異なる風味の二種類以上の添加剤6を収容し得る。
【0116】
回分供与器100は、添加剤6に対する(部分的に示された)タンク101と、開口14に係合すべく形状化され且つタンク101と連通する吐出ノズル102とを備える。
【0117】
使用に際し、上述された如く、チャンバ5内に添加剤6を挿入することを意図する消費者は、例えば、スリーブ13を回転させることにより、または、カラー24を軸心方向に移動させることにより、ダクト7を開く。
【0118】
ダクト7が一旦開かれたなら、消費者は、必要であれば、または、更に好適には、回分供与器100を用いて添加剤6をチャンバ5内に挿入し得る。
【0119】
消費者は次に、ダクト7を閉じ、喫煙者用物品1の喫煙に進展し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10