特許第6298219号(P6298219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6298219
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】固定型ガラス破壊装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/00 20060101AFI20180312BHJP
   B63B 19/00 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   B60R21/00 630A
   B63B19/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-512613(P2017-512613)
(86)(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公表番号】特表2017-515751(P2017-515751A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】KR2014010727
(87)【国際公開番号】WO2015178550
(87)【国際公開日】20151126
【審査請求日】2016年11月11日
(31)【優先権主張番号】14/285,241
(32)【優先日】2014年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10-2014-0068221
(32)【優先日】2014年6月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516339597
【氏名又は名称】キム,ジョンシク
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョンシク
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103112424(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0082331(US,A1)
【文献】 特表2013−505806(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102795185(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00
B63B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運送手段の窓を構成する強化ガラスを破壊するためのガラス破壊装置であって、
前記強化ガラス面と少なくとも一部が面接触するように設置される付着道具
前記面接触した強化ガラス面に、垂直方向に前記付着道具に装着されて前記強化ガラス面に疵を形成する損傷道具であって、前記損傷道具は、前記付着道具に対して回転するように前記付着道具に結合する回転軸部および前記回転軸部の両端中の前記付着道具に隣接した一端に設置される切断エッジ部を含む、損傷道具および
前記回転軸部の他端に設置されて前記回転軸部を回転させるための力を加える把持道具;を含み、
前記把持道具は前記回転軸部の他端と螺子連結されハンドルスリーブおよび前記ハンドルスリーブに連結されるピボットハンドルを含み、
前記回転軸部に前記ピボットハンドルが挿入され得る中空部がさらに形成され、前記中空部には加圧道具が挿入される、固定型ガラス破壊装置。
【請求項2】
前記付着道具は、前記強化ガラス面のうち前記窓を構成するフレームに挿入された部分と面接触するように前記フレーム側に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の固定型ガラス破壊装置。
【請求項3】
前記付着道具は、一定厚さを有する平板または、前記強化ガラス面に面接触する下部平板と離隔して上部平板が平行に形成されて内部に空間が形成された板状立体であって、前記平板または、前記板状立体は前記損傷道具が装着される貫通ホールが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の固定型ガラス破壊装置。
【請求項4】
前記回転軸部は、前記付着道具と外部の表面に形成された外部螺子山によって螺合する支持シリンダー構造および前記支持シリンダー構造の内部中空部に形成された内部螺子山と螺合する回転シャフト構造を含むことを特徴とする、請求項に記載の固定型ガラス破壊装置。
【請求項5】
前記回転軸部は、強化ガラス面と接しない第1位置と前記把持道具によって回転して強化ガラス面に接して疵を形成する第2位置との間で動くことを特徴とする、請求項に記載の固定型ガラス破壊装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラスを破壊する工具に関するもので、より詳細には、固定された状態で使用できる固定型ガラス破壊装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一部の用途においては、破壊に対して強固で弾力的なガラスを提供する必要がある。このような用途は、自動車、トラック、バス、鉄道およびすべての種類の船舶である。これら乗り物におけるガラスは強い影響を受けて破壊に対して弾力的でなければならない。しかし、このような特徴はすべての環境において必ずしも好ましいものではない。例えば事故後には事故車両の搭乗者が脱出できるようにするためにガラスが破壊されるのが好ましいこともある。これは特に車両が水中に落ちたときや火災にあった場合に重要である。このような状況においては、搭乗者が負傷することなく脱出できるようにガラスが破壊されることが必ず必要である。
【0003】
今のところ、搭乗者が車両のガラスを破壊できるようにするためにハンマーなどが用意されてある。しかし、搭乗者は車両のガラスを破壊するのに十分な力を具備していない場合もある。これは特に搭乗者が力のない子供である場合や車両が水中に落ちて水圧がガラスを強化させるように作用する場合にそうである。また、バスおよび列車は開放ハンドルを回して窓を押して窓を開放するためのシステムを有している。しかし、水没事故の場合には水圧のため窓を開けることが容易ではないこともある。
【0004】
特に、非常時に大勢の人々が非常口の付近に集まる場合は危険が大きいので、誰でも短い時間例えば10秒以内にガラスを破壊して脱出できるガラス破壊装置に関する開発が必要である。このような技術を通じて、韓国のセウォル号事故で発生したような多くの人の命が奪われることを防止することができるであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、強化ガラス窓を有する運送手段の内部に既設置され、必要な場合、運送手段と分離せず固定された状態で運送手段の内部にいる人が最小の力で動作させて容易に強化ガラスを破壊できる構造のガラス破壊装置を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、誰でも非常に短い時間、すなわち数秒〜数十秒内に強化ガラスを破壊できる構造のガラス破壊装置を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、現在の運送手段に適用されている非常口システムに比べて使用が便利で値段も安い構造のガラス破壊装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、既に運行されている運送手段への付着が容易な構造のガラス破壊装置を提供することである。
【0009】
本発明の目的は以上で言及した目的に制限されず、明示して言及されていなくても後述する発明の詳細な説明の記載から通常の知識を有した者が認識することができる発明の目的も当然含まれるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した本発明の目的を達成するために、本発明は運送手段の窓を構成する強化ガラスを破壊するためのガラス破壊装置として、前記強化ガラス面と少なくとも一部が面接触するように設置される付着道具;および前記面接触した強化ガラス面に、垂直方向に前記付着道具に装着されて前記強化ガラス面に疵を形成する損傷道具;を含む固定型ガラス破壊装置を提供する。
【0011】
好ましい実施例において、前記付着道具は前記強化ガラス面のうち前記窓を構成するフレームに挿入された部分と面接触するように前記フレーム側に設置される。
【0012】
好ましい実施例において、前記付着道具は一定厚さを有する平板または、前記強化ガラス面に面接触する下部平板と離隔して上部平板が平行に形成され、内部に空間が形成された板状立体であって、前記平板または、前記板状立体は前記損傷道具が装着される貫通ホールが形成される。
【0013】
好ましい実施例において、前記損傷道具は前記付着道具に対して回転するように前記付着道具に結合する回転軸部および前記回転軸部の両端中の前記付着道具に隣接した一端に設置される切断エッジ部を含む。
【0014】
好ましい実施例において、前記回転軸部は前記付着道具と外部表面に形成された外部螺子山によって螺合する支持シリンダー構造および前記支持シリンダー構造の内部中空部に形成された内部螺子山と螺合する回転シャフト構造を含む。
【0015】
好ましい実施例において、前記回転軸部の他端に設置されて前記回転軸部を回転させるための力を加える把持道具をさらに含む。
【0016】
好ましい実施例において、前記把持道具は前記回転軸部の他端と螺子連結されるハンドルスリーブおよび前記ハンドルスリーブに連結されるピボットハンドルを含む。
【0017】
好ましい実施例において、前記回転軸部に前記ピボットハンドルが挿入され得る中空部がさらに形成され、前記中空部には加圧道具が挿入される。
【0018】
好ましい実施例において、前記回転軸部は強化ガラス面と接しない第1位置と前記把持道具によって回転し、強化ガラス面に接して疵を形成する第2位置の間で動く。
【発明の効果】
【0019】
本発明は次のような優秀な効果を有する。
【0020】
先ず、本発明は船舶、車両または、列車の事故などの非常時に強化ガラスを迅速かつ簡単に破損させて搭乗者が脱出できるようにすることができる。
【0021】
また、本発明はガラスの厚さに関わらず、すべての強化ガラスの破壊にもちいることができ、また価格が適正であるので、現在の非常口システムと比較して費用的に効果的な解決策を提供する。
【0022】
また、本発明はすべての船舶または列車およびその他、窓が設置される陸上の運送手段のいずれにも簡単に設置でき、既に運営している車両にも適用することができる。
【0023】
したがって、本発明は、運送手段内に着脱可能に用意されてあるハンマーなどのその他のガラス破壊工具が平常時に武器として使用され得るのとは違って、窓のフレーム側に固定されて分離できない状態であるので、平常時にはより安全であり、非常時には25ポンドくらいの小さい力で強化ガラスを簡単かつ迅速に破壊することができ、車などの水没事故が発生する場合に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る付着道具の一具現例である付着板の側面図。
図2図1に図示された付着板の平面図。
図3】本発明に係る損傷道具のうち回転軸部の一実施例である連結シリンダーの断面図。
図4図3に図示された連結シリンダーの端部図。
図5図3に図示された連結シリンダーの側面図。
図6】本発明に係る損傷道具のうち回転軸部の一実施例であるスライディングシャフトの断面図。
図7図6に図示されたスライディングシャフトの端部図。
図8】本発明に係る損傷道具のうち加圧道具の一実施例である加圧道具の側面図。
図9】本発明に係る把持道具の一実施例に含まれたピボットハンドルの側面図。
図10】本発明に係る把持道具の一実施例に含まれたハンドルスリーブの側面図。
図11図10に図示されたハンドルスリーブの端部図。
図12図10に図示されたハンドルスリーブの断面図。
図13】本発明に係る固定型ガラス破壊装置に使用でき得る保持板の一実施例にともなう断面図。
図14図13に図示された保持板の端部図。
図15図13に図示された保持板の端部図。
図16】本発明に係る固定型ガラス破壊装置に用いられ得るカバーおよびピン道具の一具現例。
図17図16に図示されたカバーの側断面図。
図18図16に図示されたピン道具の側面図。
図19】本発明に係る固定型ガラス破壊装置の一実施例の分解図。
図20図19に図示された分解図を結合した固定型ガラス破壊装置の側面図。
図21】本発明に係る固定型ガラス破壊装置が設置された窓、窓フレームおよびガラス破壊装置。
図22図21のように設置された本発明の固定型ガラス破壊装置の平常時の位置である第1位置におけるスライディングシャフトの断面図。
図23図21のように設置された本発明の固定型ガラス破壊装置の、非常時に強化ガラスを破壊できる第2位置におけるスライディングシャフトの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に用いられる用語は、本発明での機能を考慮し、かつできる限り今現在広く用いられる一般の用語を選択しているが、これは当分野に従事する技術者の意図または、判例、新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合は該当する発明の説明の部分で詳細にその意味を記載することにする。したがって、本発明に用いられる用語は単なる用語の名称ではなく、その用語が有する通常の意味と本発明の明細書全体に亘って記載された内容に基づいて解釈されるべきである。
【0026】
本発明に用いられる強化ガラスは、強化ガラス、強化接合ガラスなどの熱処理を通じて強度が向上し、一部の損傷で全体が破壊され得る特性を有するガラスを意味する。
【0027】
以下、添付した図面および好ましい実施例を参照して本発明の技術的構成を詳細に説明する。
【0028】
しかし、本発明はここで説明される実施例に限定されず、他の形態で具体化されることもある。明細書の全体にかけて本発明を説明するために用いられる同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【0029】
本発明の技術的特徴は、運送手段に固定されている状態で搭乗者が小さい力を加えるだけで迅速に運送手段の窓を構成する強化ガラスを破壊できる構造の固定型ガラス破壊装置にある。
【0030】
すなわち、本発明の固定型ガラス破壊装置はハンマーなどのように既存の運送手段に用意されてあるガラス破壊装置とは違って、運送手段から分離できないように設置された状態で、例えば使用者がハンドルを回す小さい力を加えて運送手段の外部から加えられる水圧などとは無関係に、簡単かつ迅速に強化ガラスを破壊できる構造であるからである。
【0031】
したがって、本発明の固定型ガラス破壊装置は運送手段の窓を構成する強化ガラスを破壊するためのガラス破壊装置であって、強化ガラス面と少なくとも一部が面接触するように設置される付着道具;および面接触した強化ガラス面に、垂直方向に前記付着道具に装着されて前記強化ガラス面に疵を形成する損傷道具;を含む。
【0032】
ここで、付着道具は美観上強化ガラス面のうち窓を構成するフレームに挿入された部分と面接触するようにフレーム側に設置され得るが、図1および図2に図示された付着板のように一定厚さを有する平板であり得る。図示してはいないが、必要な場合、付着道具は強化ガラス面に面接触する下部平板と離隔して上部平板が平行に形成され、内部に空間が形成された板状立体であり得る。
【0033】
このように付着道具が平板または、前記板状立体のように、板状構造である場合、損傷道具を装着しなければならないので、強化ガラスに面接触した状態で強化ガラス面と垂直の方向に損傷道具を装着する貫通ホールが形成され得る。
【0034】
図1は、本発明の固定型ガラス破壊装置の付着道具の一実施例である付着板100の側面図で、付着板100はガラスに隣接した内壁に付着するのに用いられ得る。付着板100は前面105および後面107に連結され得、また一対の両側面109に連結され得る底面103に対向する上面101を含むことができる。付着板100は長方形の断面やその他の形状を含むことができる。後面107は前面105の鏡面となり得る。貫通ホール111は付着板100の中心部に形成され得るが、貫通ホール111を形成する周壁は損傷道具の一具現例である連結シリンダー130(図1または、図2には図示されず)に連結するために螺子山が形成され得る。
【0035】
図2は本発明の固定型ガラス破壊装置の付着道具の一実施例である付着板100の平面図で、付着板100は窓を構成するガラスに隣接した内壁に付着するのに用いられ得る。付着板100は前面105および後面107に連結され得、また一対の両側面109に連結され得る底面103に対向する上面101を含むことができる。付着板100は長方形の断面やその他の形状を含むことができる。後面107は前面105の鏡面となり得、底面103は上面101の鏡面となり得る。
【0036】
付着板100は上面と底面を通じて延びて損傷道具の他の実施例である打撃シャフト120(図1および図2には図示されず)と相互作用する貫通ホール111を含むことができる。また、付着板100は上面と底面を通じて延びて付着板100を窓のフレーム側に装着するために付着板100に装着され得る装着孔113を含むことができる。
【0037】
次に、本発明の固定型ガラス破壊装置の損傷道具に対して詳察すると、損傷道具は面接触した強化ガラス面に、垂直方向に付着道具に装着されて窓を構成する強化ガラス面に疵を形成する構成要素であって、強化ガラス面に疵を形成することができれば構成要素に特に制限はない。一具現例として、損傷道具は付着道具に対して回転するように付着道具に結合する回転軸部および回転軸部の両端部中の付着道具に隣接した一端に設置される切断エッジ部を含むことができる。
【0038】
ここで、回転軸部は付着道具と外部の表面に形成された外部螺子山によって螺合する支持シリンダー構造および支持シリンダー構造の内部中空部に形成された内部螺子山と螺合する回転シャフト構造を含むことができる。支持シリンダー構造の一具現例として図3図5に連結シリンダー130が図示され、回転シャフト構造の一具現例として図6にスライディングシャフト120が図示され、切断エッジ部の一具現例として図6にシャフトブレード127が図示されている。必要な場合、回転軸部は回転シャフト構造だけで形成され得る。また、シャフトブレード127はダイヤモンド材質であり得る。
【0039】
図3は本発明の固定型ガラス破壊装置の損傷道具を構成する回転軸部中の支持シリンダー構造の一具現例である連結シリンダー130の断面図を図示する。
【0040】
図3に図示された通り、連結シリンダー130は付着板100に締め付けられて螺子連結するためのレンチ工具(図示されず)とともに使用することができ、また連結シリンダー130の端部上に位置することができる多側面フランジ131を含むことができる。連結シリンダー130は連結シリンダー130を通じて延びてスライディングシャフト120と相互作用できるシリンダー孔135を含むことができる。連結シリンダー130は付着板100に螺子連結するために連結シリンダー130の外面上に形成された外部螺子山133を含むことができる。周囲円筒壁137は円筒孔135を形成することができる。周囲円筒壁137の内面はスライディングシャフト120に螺子連結するための内部螺子山134を含むことができる。
【0041】
図4は本発明の固定型ガラス破壊装置の損傷道具を構成する回転軸部中の支持シリンダー構造の一具現例である連結シリンダー130の端部図を図示する。図4に図示された通り、連結シリンダー130は連結シリンダー130を通じて延びてスライディングシャフト120と相互作用できる円筒孔135を含むことができる。周囲円筒壁137は円筒孔135を形成し、周囲円筒壁137の内面はスライディングシャフト120に螺子連結するための内部螺子山134を含むことができる。
【0042】
図5は本発明の固定型ガラス破壊装置の損傷道具を構成する回転軸部中の支持シリンダー構造の一具現例である連結シリンダー130の側面図を図示する。連結シリンダー130は連結シリンダー130を通じて延びてスライディングシャフト120と相互作用できる円筒孔135を含むことができる。連結シリンダー130は連結シリンダー130の外面上に形成されて付着板100に螺子連結されるための雄螺子を含むことができる外部螺子山133を含むことができる。
【0043】
図6は本発明の固定型ガラス破壊装置の損傷道具を構成する回転軸部中の回転シャフト構造の一具現例であるスライディングシャフト120の断面図を図示する。図6に図示された通り、スライディングシャフト120は連結シリンダー130(図6には図示されず)の円筒孔135と相互作用でき、またスライディングシャフト120を通じて延びることができるシャフト孔125およびシャフト孔125と相互作用できるようにシャフト孔125内に位置する加圧道具をさらに含むことができる。加圧道具はスプリングのように弾性係数が高い弾性体からなり得るが、図6には加圧道具の一具現例としてスプリングからなる加圧道具123が図示されている。加圧道具123はピボットハンドル151(図示されず)用加圧力を提供することができる。スライディングシャフト120の一端はガラスの破壊を容易にするために尖がっている先端を規定し得る切断エッジを含むことができるシャフトブレード127に連結され得る。
【0044】
図6はスライディングシャフト120がスライディングシャフト120の外部およびスライディングシャフト120の端部上に形成されてハンドルスリーブ161と相互作用する螺子を含むことができる第1螺子部122を含み、シャフトブレード127に隣接して位置するスライディングシャフト120の外部に形成されて連結シリンダー130と相互作用して連結される螺子を含むことができる第2螺子部124を含むことをさらに図示する。
【0045】
図7は本発明の固定型ガラス破壊装置の損傷道具を構成する回転軸部中の回転シャフト構造の一具現例であるスライディングシャフト120の端部図を図示する。図7に図示された通り、シャフト孔125は周囲円筒壁129により形成され、スプリングからなり得る加圧道具123がシャフト孔125と相互作用することができ、シャフト孔125内に位置することができる。
【0046】
図8は本発明の固定型ガラス破壊装置の損傷道具を構成する回転軸部中の回転シャフト構造の一具現例であるスライディングシャフトのシャフト孔に位置することができる加圧道具の一具現例の斜視図を図示する。図8に図示された通り、本発明はスプリングからなる加圧道具123を使用することができる。
【0047】
次に、本発明の固定型ガラス破壊装置は付着道具および損傷道具に加えて把持道具をさらに含むことができる。
【0048】
把持道具は損傷道具を構成する回転軸部の他端に設置され、使用者が回転軸部を回転させるための力を容易に加えることができる構成要素であって、例えば回転軸部の他端と螺子連結されるハンドルスリーブおよびハンドルスリーブに連結されるピボットハンドルを含むことができる。
【0049】
図9図12を参照して本発明の固定型ガラス破壊装置に含まれた把持道具を詳察することにする。
【0050】
図9図12には把持道具の一具現例が図示されているが、図9はピボットハンドルの一具現例、図10図12はハンドルスリーブの一具現例を図示している。
【0051】
図9はピボットハンドル150の斜視図で、図示された通り、ピボットハンドル150は中実や中空のシリンダーからなり得るピボットシャフト153を含み得るが、ピボットシャフト153はその一端が球体155に連結され得る。球体155は後述するハンドルスリーブ160のハンドル中央孔167にかかる直径であり得る。
【0052】
図10図11および図12に図示された通り、ハンドルスリーブ160は周囲に延びる側壁163を含み、ハンドルスリーブ161の一端だけが側壁163と連結される端部壁165を含むことができる。ハンドルスリーブ160はハンドルスリーブ160の中央を通じて延びて端部壁165で終わり得るハンドル中央孔167を含むことができる。端部壁165は下方に側壁163まで延長され得るノッチ169を含むことができる。側壁165の内側面はスライディングシャフト120の螺子122に螺子連結されるための雌螺子166を含むことができる。
【0053】
本発明の把持道具が前述の構造を有する場合、平常時には図13図18に図示された保持板、カバーおよびピン道具を通じてピボットハンドル150がハンドルスリーブ160を貫通してスライディングシャフト120のシャフト孔125の中に内蔵されていて、非常時に保持板、カバーおよびピン道具を除去すれば、加圧道具123を通じてハンドルスリーブ160の外部へピボットハンドル150が突出し、突出したピボットハンドル150を抜き出してピボットハンドル150の球体153が端部壁165にかかるようにしながらスライディングシャフト120とほぼ垂直方向となるようにノッチ169側に位置させた後、ピボットハンドル150を回転させるとスライディングシャフト120が付着板100に対して回転しながら強化ガラス面に損傷を負わせて全体のガラスを破壊できるようになる。特にこのような構造においては、ピボットハンドル150の長さの分だけテコ効果を得ることができ、より小さい力でスライディングシャフト120を回転させることができる。
【0054】
図13図18に図示された保持板、カバーおよびピン道具を詳察する。
【0055】
図13図14および図15に保持板170の一具現例を図示するが、断面図と端部図が一致しないこともある。図示された通り、保持板170の一具現例はハンドルスリーブ160が貫通できる円筒形構造と、円筒形構造の一端にカバー180を支持できる板状構造からなり得る。板状構造は円筒形構造の中空部と通じる上面貫通ホールが形成され、図15に図示された通り、ピン道具が貫通できる側面貫通ホールが形成され得る。
【0056】
図16図18はカバーとピン道具の一具現例が図示されている。図16は保持板170を覆うためのカバー180およびカバー180と相互作用するためのピン道具190を図示する。図17に図示された通り、カバー180は保持板170の板状構造が挿入され、保持板170の円形構造を貫通するハンドルスリーブ160の上端部が挿入され、ハンドルスリーブ160を貫通して挿入されたピボットハンドル150の上端が挿入される溝が順次形成された構造であり得る。また、カバーの保持板170の板状構造が挿入される側面に保持板170の側面貫通ホールと対応する位置にピン道具190が貫通する側面貫通ホールが形成され得る。
【0057】
図19は本発明の一具現例である固定型ガラス破壊装置10の分解図を図示している。
【0058】
図19に図示された通り、強化ガラス面と少なくとも一部が面接触するように設置される付着板100、付着板100と外部螺子山133により螺合する連結シリンダー130、付着板100と連結シリンダー130が螺合された状態で強固に固定された状態を維持するように、外部螺子山133と結合して付着板100と面接触するナット138、付着板100と連結シリンダー130が強固に固定された状態で連結シリンダー130の内部螺子山134と螺合して連結シリンダー130の円筒孔135の一定位置にシャフトブレード127が位置されるスライディングシャフト120、スライディングシャフト120のシャフト孔125に収容されるピボットハンドル150を加圧する加圧道具123、加圧道具120に加えてシャフト孔125に収容されるピボットハンドル150、スライディングシャフト120の一端に螺合されてピボットハンドル150が貫通するハンドルスリーブ160およびハンドルスリーブ160を囲み、カバー180により覆われることができる保持板170とピン道具190を図示する。
【0059】
図20に図示された通り、本発明の固定型ガラス破壊装置10は組み立てられて窓を構成する強化ガラス面に垂直に設置され得る。必要な場合、ナット138を除くことができ、連結シリンダー130も除くことができるが、このように連結シリンダー130を除く場合には付着板100とスライディングシャフト120の結合力を強化するために付着板100が板状立体であり得る。図示してはいないが、保持板170と連結シリンダー130の多側面フランジとの間に保持板170を支持する支持要素が追加されてもよい。
【0060】
図21は本発明の固定型ガラス破壊装置10が設置された窓の状態を図示している。図示された通り、窓フレーム11まで延長され得る窓13を固定する窓フレーム11と窓フレーム11に装着されて窓フレーム11まで延びた窓13に面接触して垂直に固定型ガラス破壊装置10を設置することができる。
【0061】
図21のように設置された状態で、本発明の固定型ガラス破壊装置10は図22に図示された通り、スライディングシャフト121のシャフトブレード127の装填位置となり得る第1位置は付着板100の後方に引っ張られて強化ガラス面と接しなく位置するようになる。
【0062】
反面、非常時にピン道具を除去して保持板およびカバーを除去した後、ピボットハンドルを回してスライディングシャフトを回転させると、ガラスを破壊できる位置である第2位置は図23に図示された通り、スライディングシャフト121のシャフトブレード127が付着板100を通り過ぎて延びることによって強化ガラス面と接して強化ガラス面を破壊できるようになる。
【0063】
このように、本発明の固定型ガラス破壊装置10において、回転軸部は強化ガラス面と接しない第1位置と把持道具によって回転して強化ガラス面に接して疵を形成する第2位置との間で動くことができる。
【0064】
前述の通り、本発明の固定型ガラス破壊装置10は子供の安全のために安全カバーとピン道具が設置され得る。工具の長さを調整することによって、本発明の固定型ガラス破壊装置10は現存する運送手段のいずれの窓にも設置することができる。
【0065】
特に、列車のように、一つの客車に複数の窓が存在する場合には、すべての窓ではなく所定の位置に本発明の固定型ガラス破壊装置10を設置することもできる。
【0066】
本発明は、多様な変形および他の形態を有することができるが、本発明の特定の具体例を図面に例として図示してここで詳細に説明した。しかし、特定実施形態の説明は本発明をここで開示した特定形態に限定する意図ではないことを理解すべきである。
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