(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
[CATVシステムの概要]
図1はサブセンタを配置したCATVシステムの概要を示した説明図である。
図1に示すように、CATVセンタ10に対してはCATV伝送路12を介して例えば2つのサブセンタ14を接続し、サブセンタ14の下流側にCATV伝送路12を介して複数の加入者宅24を接続している。
【0023】
CATV伝送路12は、CATVセンタ10から例えば同軸ケーブルを引き出したツリー構造をとり、必要に応じて幹線分配増幅器(TDA)、幹線分岐増幅器(TBA)、分配器を設け、最終的にCATV保安器を介して加入者宅24内のテレビ端子に接続している。テレビ端子は例えば末端の分配器により2分配された2口の端子を持ち、一方の端子にテレビを接続し、他方の端子にケーブルモデムを介してパソコン等の利用者端末を接続し、CATV伝送路12を介してインターネットとの通信接続を可能としている。なお、CATV伝送路12としては、光ケーブルを使用する場合、光ケーブルと同軸ケーブルを混在させる場合を含む。
【0024】
CATV伝送路12における下り方向のテレビ信号の周波数帯域は90M〜770MHzであり、1チャンネル当り6MHzの帯域を使用する。またCATV伝送路12におけるパケットを用いたデータ通信は、上り方向は10M〜55MHzの間から任意の周波数帯を切り出して使用し、一方、下り方向は600M〜770MHzの間の任意の周波数帯を使用する。
【0025】
サブセンタ14は、学校などの施設16の中の割当区画18となる部屋等を確保し、そこに設置している。施設16には火災報知設備20が設置されており、その火災受信機(図示せず)からの感知器回線に接続している火災感知器22を、サブセンタ14の割当区画18となる部屋にも設置して火災を監視している。
【0026】
[サブセンタの構成]
図2はCATVセンタとサブセンタの装置構成の実施形態を示したブロック図、
図3はサブセンタに設けたラック装置の概略を示した説明図、
図4はサブセンタ監視装置の機能構成の概略を示したブロック図である。
【0027】
図2に示すように、サブセンタ14には、ケーブルモデム44、サブセンタ監視装置46、アダプタ48、煙感知器50及び熱感知器52を設置している。
【0028】
図3に示すように、サブセンタ14の設備は、例えば2台のラック装置53を並べて設置しており、例えば右側のラック装置53を一部破断して内部に示すように、ラック天板56の下側(ラック内部)に煙感知器50及び熱感知器52を設置し、ラック内の棚にサブセンタ監視装置46を設置している。
【0029】
またラック装置53内には、電源供給装置及び放送信号中継増幅器などの中継局として必要な所定のCATV機器(図示せず)を収納している。なお、2台のラック装置53は合せ部分で開口しており、右側のラック装置
53に煙感知器50及び熱感知器52を設置することで、左側のラック装置53の火災も監視している。
【0030】
図2に示すように、アダプタ48は感知器回線を介して煙感知器50と熱感知器52を個別に接続しており、感知器回線を介して所定の電源電圧を煙感知器50と熱感知器52に印加して動作している。煙感知器50は公知の散乱光式検煙構造を備え、火災により発生した煙の濃度を観測し、観測している煙濃度が所定の煙濃度閾値以上となった場合に火災を検出して発報し、感知器回線に発報電流を流してアダプタ48に火災信号を送る。また、煙感知器50は発報後に煙濃度が閾値煙濃度以下に低下した状態が継続すると、自動的に復旧する。
【0031】
熱感知器52は温度検出素子として例えばサーミスタを備え、サーミスタによる検出温度が所定の温度閾値以上となった場合に火災を検出して発報し、感知器回線に発報電流を流してアダプタ48に火災信号を送る。また、熱感知器52は発報後に温度が閾値温度度以下に低下した状態が継続すると、自動的に復旧する。
【0032】
アダプタ48は煙感知器50と熱感知器52の両方の火災信号を受信した場合に、火災接点信号をサブセンタ監視装置46に出力する。即ち、アダプタ48は煙感知器50の火災信号で動作するリレーと、熱感知器52の火災信号で動作するリレーを備え、両方のリレーのリレー接点を直列接続して火災接点信号を出力する。
【0033】
サブセンタ監視装置46には、アダプタ48からの火災接点信号と、施設16に設けた火災報知設備20の火災受信機(図示せず)からの火災移報接点信号を入力している。
【0034】
サブセンタ監視装置46は、アダプタ48から火災接点信号を入力した場合、サブセンタ14の火災を示すパケット形式のサブセンタ火災信号を生成し、ケーブルモデム44を介してCATVセンタ10へ送信する。
【0035】
また、サブセンタ監視装置46は、火災報知設備20から火災移報接点信号を入力した場合、火災報知設備20による火災検出を示すパケット形式の施設火災信号を生成し、ケーブルモデム44を介してCATVセンタ10へ送信する。
【0036】
また、サブセンタ監視装置46は、メール送信機能を備え、アダプタ48から火災接点信号を入力した場合、又は、火災報知設備20から火災移報接点信号を入力した場合、所定の通報メールを生成し、それぞれケーブルモデム44を介してCATVセンタ10へ送信する。このメール機能については、後で詳細に説明する。
【0037】
図4に示すように、サブセンタ監視装置46は、制御部54、接点入力部57、USBなどの入出力ポート58、通信部60、操作部62、表示部64を備える。
【0038】
制御部54は、例えばプログラムの実行により実現する機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0039】
接点入力部57は複数の接点入力が可能であり、
図2に示したアダプタ48からの火災信号接点と施設16の火災報知設備20からの火災移報
接点信号を入力する。そのほかにラック
装置53内の放送設備機器の状態信号を入力して、機器の状態をCATVセンター側へ送信することも可能である。
【0040】
入出力ポート58は例えばUSBポートであり、ここにパソコン等の端末機器を接続し、サブセンタ監視装置46に対する初期設定や通報メールの文章フォーマットの作成を可能とする。通信部60はケーブルモデム44との間でパケット形式によりデータ信号を送受信する。操作部62はサブセンタ監視装置46の動作に必要な各種の操作を行う。表示部64はサブセンタ
監視装置46の動作に伴う各種の表示を行う。
【0041】
図2に示したケーブルモデム44はCATV伝送路12を介してCATVセンタ10のSNMPマネージャー36との間でSNMP(Simple Network Management Protcolの略)に従ってパケット形式のデータ通信を行う。なお、SNMPの詳細は後述する。
【0042】
(制御部の機能)
サブセンタ監視装置46の制御部54は次の制御を行う。
【0043】
制御部54は、煙感知器50と熱感知器52の両方の火災検出に基づくアダプタ48からの火災接点信号の入力を検出した場合、サブセンタ火災信号を生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0044】
また、制御部54は、施設16の火災報知設備20から火災移報接点信号の入力を検出した場合、施設火災信号を生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0045】
また、制御部54は、煙感知器50と熱感知器52の両方の火災検出の復旧に基づきアダプタ48からの火災接点信号の入力停止を検出した場合、サブセンタ火災復旧信号を生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0046】
また、制御部54は、施設16の火災報知設備20から火災移報接点信号の入力停止(火災復旧)を検出した場合、施設火災復旧信号を生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0047】
また、制御部54は、アダプタ48からの火災接点信号の入力を検出した場合、CATVシステムに所属する所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した火災通報メールを生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0048】
また、制御部54は、施設16の火災報知設備20から火災移報接点信号の入力を検出した場合、サブセンタ14を設置した施設16の所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した異常発生を示す異常通報メールを生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0049】
また、制御部54は、アダプタ48からの火災接点信号の入力停止(火災復旧)を検出した場合、CATVシステムに所属する所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した火災復旧通報メールを生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0050】
また、制御部54は、施設16の火災報知設備20から火災移報接点信号の入力停止を検出した場合、サブセンタ14を設置した施設16の所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した異常発生を示す異常復旧通報メールを生成し、これを通信部60に指示してケーブルモデム44に送信する制御を行う。
【0051】
なお、施設火災や施設火災復旧に対する通報メールは、CATVシステムに所属する所定の管理者アドレスも宛先アドレスに設定して、施設の火災情報をメール送信してラック内の機器へ悪影響する可能性を通知することができる。
【0052】
[CATVセンタの構成]
(CATVセンタの概要)
図2に示すように、CATVセンタ10には、ヘッドエンド26、ケーブルモデムターミネーションシステム34、ルータ35、SNMPマネージャー36、メールサーバ38、センタ監視装置40及び火災表示盤42を設置している。
【0053】
CATVセンタ10に設置したヘッドエンド26は、UHFアンテナ28、BSアンテナ30及びCSアンテナ32を接続しており、CATV伝送路12を介して利用者宅側へテレビ信号を送信している。
【0054】
ケーブルモデムターミネーションシステム(CMTS)34は、CATV伝送路12を利用してインターネットサービスを提供するシステムであり、CATV伝送路12を介してサブセンタ14に設置したケーブルモデム44及び
図1の加入者宅に設置しているケーブルモデムと対になって動作し、イーサネット(登録商標)等のインタフェースを介してインターネット接続用のルータ35につなぐことで、インターネット上の機器との間のデータ通信を可能とする。
【0055】
SNMPマネージャー36は、CATV伝送路12を介してサブセンタ14に設置したケーブルモデム44及び
図1の加入者宅に設置しているケーブルモデムとの間でパケット形式のデータ通信を行う。通常はSNMPマネージャー36が問合せや要求をケーブルモデムに送り、それにケーブルモデムが返信を送る。また、ケーブルモデム側で異常などの所定のイベントが発生した場合、ケーブルモデムからSNMPマネージャー36に発生イベントを通知することができ、これをSNMPトラップという。
【0056】
本実施形態のサブセンタ14に設けたケーブルモデム44は、サブセンタ監視装置46が火災信号又は火災復旧信号を出力した場合、SNMPトラップを使用して火災信号又は火災復旧信号をSNMPマネージャー36に送信する。
【0057】
メールサーバ38は、センタ監視装置40及びサブセンタ監視装置46がメール機能を備えていることから、センタ監視装置40及びサブセンタ監視装置46から送信された通報メールを、ケーブルモデムターミネーションシステム34及びルータ35を経由してインターネット上へ送信する。
【0058】
センタ監視装置40は、サブセンタ監視装置46から送信されたサブセンタ火災信号又は施設火災信号を受信した場合に、火災表示盤42に、対応する火災受信信号を出力してサブセンタの火災を示す警報音と警報表示によるサブセンタ火災警報又はサブセンタ14を設置した施設16の火災を示す警報音と警報表示による施設火災警報を出力させる。
【0059】
また、センタ監視装置40は、火災表示盤42によるサブセンタ火災警報または施設火災警報の出力中に、サブセンタ監視装置46から送信されたサブセンタ火災復旧信号又は施設火災復旧信号を受信した場合に、火災表示盤42によるサブセンタ火災警報又は施設火災警報を出力停止し、対応する場所や施設の火災復旧を知らせる。火災発生や火災復旧は履歴保存され、後で時系列で履歴確認することができる。
【0060】
また、センタ監視装置40は、メール機能を備え、SNMPマネージャー36を
介してサブセンタ14から送信されたサブセンタ火災信号、サブセンタ火災復旧信号、施設火災信号、又は施設火災復旧信号を受信した場合、それぞれに対応した通報メールを作成し、メールサーバ38を経由して所定の宛先アドレスに通報メールを送信する。このメール機能についても、後で詳細に説明する。
【0061】
(センタ監視装置の構成)
図5はセンタ監視装置の機能構成の概略を示したブロック図である。
図5に示すように、センタ監視装置40は、制御部66、通信部68、操作部70、表示部72、接点入出力部74、USBなどの入出力ポート76を備える。
【0062】
制御部66は、例えばプログラムの実行により実現する機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0063】
通信部68はSNMPマネージャー36との間でパケット形式によりデータ信号を送受信する。操作部70はセンタ監視装置40の動作に必要な各種の操作を行う。表示部72はセンタ
監視装置40の動作に伴う各種の表示を行う。
【0064】
接点入出力部74は例えば10点の接点入力端子と接点出力端子を備え、サブセンタ火災受信信号と施設火災受信信号に対応した2つの接点出力端子からの接点信号を、火災表示盤42に出力してサブセンタ火災警報又は施設火災警報を出力可能としている。
【0065】
入出力ポート76は例えばUSBポートであり、ここにパソコン等の端末機器を接続し、センタ監視装置40に対する初期設定や通報メールの作成を可能とする。
【0066】
(センタ監視装置の制御機能)
センタ監視装置40の制御部66は次の制御を行う。
【0067】
制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信されたサブセンタ火災信号を受信した場合、接点入出力部74に指示し、火災表示盤42にサブセンタ火災接点信号を出力してサブセンタ火災警報を出力させる制御を行う。
【0068】
また、制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信された施設火災信号を受信した場合、接点入出力部74に指示し、火災表示盤42に施設火災接点信号を出力して施設火災警報を出力させる制御を行う。
【0069】
また、制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信されたサブセンタ火災復旧信号を受信した場合、接点入出力部74に指示し、火災表示盤42にサブセンタ火災接点信号の出力を停止してサブセンタ火災警報の出力を停止させる制御を行う。また所定時間だけ復旧した旨の表示をさせる制御を行う。
【0070】
また、制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信された施設火災復旧信号を受信した場合、接点入出力部74に指示し、火災表示盤42に施設火災接点信号の出力を停止して施設火災警報の出力を停止させる制御を行う。また所定時間だけ復旧した旨の表示をさせる制御を行う。
【0071】
また、制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信されたサブセンタ火災信号を受信した場合、CATVシステムに所属する所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した移報火災通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。この場合、制御部66は、更に、サブセンタ14を設置した施設16の所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した異常通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。
【0072】
また、制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信された施設火災信号を受信した場合、CATVシステムに所属する所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した移報火災通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。この場合、制御部54は、更に、サブセンタ14を設置した施設16の所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した移報火災通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。
【0073】
また、制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信されたサブセンタ火災復旧信号を受信した場合、CATVシステムに所属する所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した火災復旧通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。この場合、制御部54は、更に、サブセンタ14を設置した施設16の所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した異常復旧通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。
【0074】
また、制御部66は、通信部68を介してサブセンタ14側から送信された施設火災復旧信号を受信した場合、CATVシステムに所属する所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した移報火災復旧通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。この場合、制御部
66は、更に、サブセンタ14を設置した施設16の所定の管理者のアドレスを宛先アドレスに設定した異常発生を示す移報火災復旧通報メールを生成し、これを通信部68に指示してメールサーバ38に送信する制御を行う。
【0075】
このメール送信の宛先は、異常警報の内容に応じて、宛先をあらかじめ設定しておくことで、必要な相手にメール送信することができる。
【0076】
このようなCATVセンタ10におけるサブセンタ14の火災監視により、CATVセンタ10側の管理者又は担当者は、サブセンタ14で発生した火災及びサブセンタ14を設置した施設16で発生した火災を迅速且つ確実に知ることができ、例えばサブセンタの火災の場合は、保守担当者をサブセンタ14に急行させて、サブセンタ14の火災発生に対処可能とし、一方、サブセンタ14を設置している施設火災を知った場合は、その後、サブセンタ14が障害を起こしても、その原因が施設火災にあることを認識しており、例えばサブセンタ14に火災が拡大する前に、ラック装置
53に対する電源供給を配電盤で遮断して火災に備えるといった対応を可能とする。
【0077】
また、火災を検出した煙感知器50と熱感知器52の両方が復旧した場合、又は施設16の火災報知設備20からの火災移報信号が復旧した場合には、火災表示盤42によるサブセンタ14の火災を示す火災警報又は施設の火災を示す火災警報の出力停止や復旧表示により、サブセンタ又は施設16の火災復旧を知り、サブセンタ14の機能を回復させるための対処を適切に取ることを可能とする。
【0078】
[監視装置のメール機能]
図2に示すサブセンタ14に設けたサブセンタ監視装置46およびCATVセンタ10に設けたセンタ監視装置40は、火災および火災復旧のイベント発生に基づきメールを自動送信するメール機能を備える。
【0079】
[サブセンタ監視装置のメール機能]
(サブセンタ火災の通報メール)
図6はサブセンタの火災発生で送信する通報メールの内容を示した説明図であり、メール内容を理解しやすいよう通報先側で表示される受信メール画面を示している。
図6(A)はCATV管理者に送信する火災通報メールを示し、
図6(B)は施設管理者に送信する異常通報メールを示す。
【0080】
図2に示したサブセンタ監視装置46がアダプタ48から煙感知器50と熱感知器52の両方の火災検出に基づく火災接点信号を入力した場合、
図6(A)に示す火災通報メール78を生成し、CATVシステムに所属する所定の管理者へ送信する。
【0081】
火災通報メール78は、ヘッダ部78aに公知のメールと同様、発信者、日時、宛先、CC、件名をもち、発信者としてサブセンタ監視装置46に設定した自己メールアドレスをリネームした「サブセンタ1」として示すように初期設定し、宛先としてCATVシステムに所属する所定の管理者のメールアドレスをリネームした「CATV管理者」として初期設定し、複製メールの送信先となるCC(カーボンコピー)に、通報メールのログを収集するCATVシステムの所定の端末機器のメールアドレスをリネームした「CATVログ」として初期設定している。件名は通報イベントが発生した場合のイベント内容に応じて設定する。この場合は、アダプタ48からのサブセンタ火災接点信号の入力であることから、「サブセンタ1火災」を設定する。
【0082】
メール本文78bには、イベント発生日時[2013/06/29 13.28.34]、発生場所「サブセンタ1」、イベント内容「サブセンタ1火災」を表示し、更に、サブセンタ監視装置46の3つの入力接点の状態を「接点1 接点2 接点3」としてそのON、OFFを示している。ここで接点1はサブセンタ火災入力接点であり、接点2は施設火災入力接点であり、接点3は空きとなる。この場合、「接点1 「ON」」として、変化分にカギ括弧を付加して、サブセンタ火災接点入力があったことを示している。
【0083】
またサブセンタ監視装置46は、
図6(A)に示す火災通報メール78に続いて、
図6(B)に示す異常通報メール80を生成し、サブ
センタ14を設置している施設16の所定の管理者にもメール送信する。
【0084】
異常通報メール80は、ヘッダ部80aの宛先を所定の施設管理者のメールアドレスをリネームした「施設管理者」として初期設定している。また、メール本文80bのイベント内容を「サブセンタ異常発生」としており、不要な混乱を避けるため、火災発生とはせず、異常発生とし、CATVシステムの担当者がサブセンタ14に急行して対処する旨の本文を添付する。それ以外は、火災通報メール78の場合と同様である。
【0085】
(サブセンタ火災復旧の通報メール)
図7はサブセンタの火災復旧で送信する通報メールを示した説明図であり、
図7(A)はCATV管理者に送信する火災復旧通報メールを示し、
図7(B)は施設管理者に送信する異常復旧通報メールを示す。
【0086】
図7(A)に示す火災復旧通報メール82は、ヘッダ部82aの件名を「サブセンタ1火災復旧」とし、メール本文82bのイベント内容が「サブセンタ火災復旧」となり、入力接点の状態として「接点1 「OFF」」として、アダプタ48からのサブセンタ火災接点信号が停止したことを示している。それ以外は
図6(A)の火災通報メール78の場合と基本的に同様となる。
【0087】
図7(B)に示す異常復旧
通報メール84は、ヘッダ部84aの件名を「サブセンタ1異常復旧」とし、メール本文84bのイベント内容が「サブセンタ異常復旧」となり、入力接点の状態として「接点1 「OFF」」として、アダプタ48からのサブセンタ火災接点信号が停止したことを示している。それ以外は
図6(B)の異常通報メール80の場合と基本的に同様となる。
【0088】
なお、緊急な対処が必要な火災通報メールや異常通報メールは、火災発生したら迅速にメール送信する。しかし、
図7(A)、(B)の復旧に関わるメール送信は、復旧してから所定時間経過してもなお復旧状態を維持することを確認した後にメール送信することで、火災中であるにもかかわらず、対処が中断されることを防ぐ。
【0089】
(複製メールによるログ機能 )
図8は複製宛先アドレスを有する装置の火災監視ログとして利用可能なメール受信トレイを示した説明図である。
【0090】
図6及び
図7に示した通報メールは、その複製宛先となるCCに全て同じ「CATVログ」とリネームした同一のメールアドレスを設定しており、その結果、「CATVログ」を自己のメールアドレスとして端末機器には、
図8に示す受信トレイ86の内容が表示可能となる。この受信トレイ86の表示は、
図6及び
図7に示した通報メールを時系列的に並べており、その件名からサブセンタ14で発生した火災状況のログとしてCATVセンターにいる管理者が、CATVシステムに接続された全サブセンタにおける災害情報履歴を確認することができる。
【0091】
(施設火災の通報メール)
図9はサブセンタを設置した施設の火災発生で送信する通報メールを示した説明図であり、
図9(A)はCATV管理者に送信する移報火災通報メールを示し、
図9(B)は施設管理者に送信する移報火災通報メールを示す。
【0092】
図2に示したサブセンタ監視装置46が施設16の火災報知設備20から施設火災の受信に基づく火災移報接点信号を受信した場合、
図9(A)に示す移報火災通報メール88を生成し、CATVシステムに所属する所定の管理者へ送信する。
【0093】
移報火災通報メール88は、ヘッダ部88aの件名を「サブセンタ1施設火災」とし、メール本文88bのイベント内容を「設置施設火災発生」とし、また、サブセンタ監視装置46の入力接点の状態として「接点2 「ON」」として、施設火災を示す移報火災接点入力があったことを示している。それ以外は
図6(A)の火災通報メール78の場合と基本的に同様となる。このメールを管理者が受信して、発生施設に急行し、施設の火災が延焼してサブセンタの放送機器へ悪影響を与える前に対処をおこなう。
【0094】
またサブセンタ監視装置46が施設16の火災報知設備20から移報火災接点信号を入力した場合には、
図9(A)に示す移報火災通報メール88に続いて、
図9(B)に示す移報火災通報メール90を生成し、サブ
センタ14を設置している施設16の所定の管理者に送信する。
【0095】
移報火災通報メール90は、ヘッダ部90aの件名を「サブセンタ1設置施設火災」とし、メール本文90bのイベント内容として「火災移報受信」としており、また、サブセンタ監視装置46の入力接点の状態として「接点2 「ON」」として、施設火災を示す移報火災接点入力があったことを示している。それ以外は
図6(B)の異常通報メール80の場合と基本的に同様となる。
【0096】
(施設火災復旧の通報メール)
図10は施設の火災復旧で送信する通報メールを示した説明図であり、
図10(A)はCATV管理者に送信する移報火災復旧通報メールを示し、
図10(B)は施設管理者に送信する移報火災復旧通報メールを示す。
【0097】
図10(A)に示す移報火災復旧通報メール92は、ヘッダ部92aの件名を「サブセンタ1施設火災復旧」とし、メール本文92bのイベント内容が「設置施設火災復旧」となり、入力接点の状態として「接点2 「OFF」」として、火災報知設備20からの移報火災接点信号が停止したことを示している。それ以外は
図9(A)の火災通報メール78の場合と基本的に同様となる。
【0098】
図10(B)に示す移報火災復旧通報メール94は、ヘッダ部94aの件名を「サブセンタ1施設火災復旧」とし、メール本文94bのイベント内容が「サブセンタ施設火災復旧」となり、入力接点の状態として「接点2 「OFF」」として、火災報知設備20からの移報火災接点信号が停止したことを示している。それ以外は
図9(B)の移報火災通報メール90の場合と基本的に同様となる。
【0099】
図9、
図10のメールは、その複製宛先となるCCに全て同じ「CATVログ」とリネームした同一のメールアドレスを設定しており、
図6、
図7のメールと同じ
図8のCATVセンターの受信トレイにて全てのメールを表示することができ、送信者、件名あるいは受信日時で並べ替えて、CATVセンターの管理者が全サブセンタの状況変化履歴を把握することができる。
【0100】
なお、
図6乃至
図9に示した通報メールは一例であり、必要に応じて適宜の内容とすることができる。
【0101】
[サブセンタ監視装置の他の実施形態]
図2に示したサブセンタ監視装置46は、アダプタ48から煙感知器50と熱感知器52の両方で火災を検知した場合に出力される火災接点信号を入力してサブ
センタ火災信号をCATVセンタ10側に送信しているが、他の実施形態として、サブセンタ監視装置46は、煙感知器50と熱感知器52の何れか一方で火災を検出した場合に、CATVセンタ10へサブセンタ14での火災の予兆を示すサブセンタ火災予報信号を送信し、CATVセンタ10の火災表示盤42から火災予報警報(プリアラーム)を出力させるようにしても良い。
【0102】
具体的には、アダプタ48は、煙感知器50と熱感知器52のそれぞれの火災検出に対応して火災接点信号をサブセンタ監視装置46に出力するように構成すれば良い。
【0103】
このため、火災に繋がる可能性の高い煙濃度の増加や温度上昇などの予兆を捕らえ、早い段階でサブセンタ14の火災に繋がる異常を報知して、火災を未然に抑制するための適切な対処を可能とする。
【0104】
[本発明の変形例]
上記の実施形態は、サブセンタに設置したラック装置内に、煙感知器と熱感知器の2台を設置して両方が火災を検出した場合にサブセンタ監視装置からCATVセンタに火災信号を送信して警報させているが、ラック装置内に単一の煙感知器又は熱感知器を設けて火災を検出した場合にサブセンタ監視装置からCATVセンタに火災信号を送信して警報させても良い。
【0105】
また、上記の実施形態ではアダプタ48からの感知器回線に煙感知器50と熱感知器52を接続しているが、アダプタ48の機能をサブセンタ監視装置46に組み込むようにしても良い。
【0106】
また、上記の実施形態にあっては、サブセンタ火災の監視に加え、サブセンタを設置した施設に設けた火災報知設備からの火災移報信号に基づき施設火災も監視しているが、施設火災を監視せずに、サブセンタ火災のみを監視するようにしてもよい。
【0107】
上記の実施形態にあっては、
図6乃至
図10にサブセンタ監視装置から送信する通報メールを例示しているが、センタ監視装置40から送信する通報メールも基本的に同じになる。
【0108】
上記の実施形態にあっては、サブセンタ監視装置とセンタ監視装置のメール機能を利用して、サブセンタの火災及びサブセンタを設置した施設の火災に対し、サブセンタ監視装置とセンタ監視装置の両方から対応する通報メールを送信しているが、必要に応じて何れか一方からのみ通報メールを送信するようにしても良い。
【0109】
また、サブセンタ監視装置とセンタ監視装置のメール機能の一方を有効とし、メール機能に障害が発生した場合に他方のメール機能を有効としてバックアップするようにしても良い。
【0110】
また、メール送信の宛先を、入力接点個々に設定してもよく、もしくは変化した入力接点の組み合わせに応じて設定してもよく、例えば、放送機器が収納されたラック内の火災時にはCATVシステムの管理者に送信し、施設火災の場合はCATVシステム管理者および施設管理者へメール送信するよう設定してもよい。
【0111】
メール画面の設定1〜3の名称を、監視している機器名称に置き換えて、例えば接点1はラック内火災監視、接点2は施設火災監視、接点3は放送機器状態として表示してもよい。接点3の放送機器のみが故障して異常状態になった場合にも、災害情報としてCATVシステム管理者へメール配信してもよい。
【0112】
また、火災表示盤42とセンタ監視装置40は一体の盤で構成してもよい。
【0113】
また、煙感知器や熱感知器は所定の閾値を超えた場合に火災信号を送信する所謂オンオフタイプの火災感知器に限らず、現在の検出値を出力できるアナログ感知器であってもよく、段階的に閾値を設定して火災注意警報、火災警報を出力するようにしても良い。
【0114】
また、火災表示盤42やセンタ監視装置40などのセンタ側装置から、サブセンタ監視装置側へ、各接点の状況を問い合わせて、センタ側装置にて表示して、各サブセンタの状況を監視することもできる。
【0115】
また、サブセンタ監視装置46はラック外に設置しても良い。
【0116】
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。