(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6298312
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
H01L21/90 A
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-25809(P2014-25809)
(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公開番号】特開2015-153879(P2015-153879A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】715010864
【氏名又は名称】エイブリック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 和弘
【審査官】
河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−280638(JP,A)
【文献】
特開平10−079425(JP,A)
【文献】
特開平02−133939(JP,A)
【文献】
特開平09−139427(JP,A)
【文献】
特開2000−277522(JP,A)
【文献】
特開平08−316307(JP,A)
【文献】
特開平01−047051(JP,A)
【文献】
特開平8−241923(JP,A)
【文献】
特開平6−112203(JP,A)
【文献】
特開平8−222567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリアメタル、Al合金、反射防止膜の積層構造からなる第1の配線上にプラズマ窒化膜を堆積する工程と、
酸化膜を堆積して平坦にする工程と、
前記プラズマ窒化膜と前記酸化膜から成る層間絶縁膜上にレジストのパターンを用いて接続孔を開孔して前記第1の配線を構成している前記Al合金の表面を露出させる工程と、
前記レジストのパターンおよびエッチング副生成物を完全に除去し、前記Al合金の表面にアルミナ層を形成する工程と、
真空中において常温で前記アルミナ層を除去する工程と、
前記アルミナ層除去後に真空中にて少なくとも前記プラズマ窒化膜および前記層間絶縁膜の成膜温度より高い温度で第1の熱処理を行い、前記接続孔を開孔した部分の前記Al合金を接続孔底部から接続孔上面の範囲内で凸に隆起させる工程と、
高圧アルゴンガス雰囲中で少なくとも前記第1の熱処理より高い温度で第2の熱処理を行い、前記凸に隆起させたAl合金をフローさせ平坦にする工程と、
前記凸に隆起させたAl合金をフローさせ平坦にした後に上層配線を形成する工程と、
を含み、
前記Al合金をフローさせ平坦にする工程は、前記凸に隆起させる工程と同一装置内で処理され、前記凸に隆起させる工程に続き大気暴露せずに処理されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記Al合金の表面を露出させる工程においては、前記接続孔の底部のホール直径をA、前記第1の配線の前記Al合金の膜厚をBとした場合に、B≧Aの関係にあることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記Al合金の表面にアルミナ層を形成する工程においては、アッシング処理および有機系剥離液に浸漬させることにより、前記レジストのパターンおよびエッチング副生成物を完全に除去し、前記Al合金の表面にアルミナ層を形成することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の熱処理温度が400℃〜470℃の範囲であり、かつ前記第2の熱処理温度が420℃〜550℃の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
上層配線がAl合金と高融点金属からなる積層構造を有することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置のAl合金配線を有する多層配線の製造方法において、高アスペクト比を有する接続孔の埋め込み方法としてブランケットタングステンCVDや高温スパッタリングにより接続孔を埋め込む方法が公知の技術となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−255833号公報
【特許文献2】特開平5−267471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タングステンによる接続孔の埋め込みによる課題として以下の3点が挙げられる。
(1)接続抵抗が高抵抗になるため、高速動作あるいは消費電流の点から不利となる
(2)製造工数が多いため製造TATが長く、コストが高い
(3)構造的にエレクトロマイグレーションに弱い
上記(3)を補足するとAl合金同士が接続される場合にはエレクトロマイグレーションによりカソード側のAl合金配線からアノード側のAl合金配線にAl原子が供給されるが、タングステンによる埋め込みの場合、Al原子の拡散が接続孔に埋め込まれたタングステンにより遮断されてしまうことに起因している。
【0005】
前記(1)〜(3)の課題を解決するためにはAlの高温スパッタリングによる埋め込みが有効だが、タングステンの埋め込みに比べ高アスペクト比を有する接続孔への埋め込みが困難でアスペクト比が6以上になるとAlが充填しきれずに接続孔内にボイドを生じてしまう可能性が高く、接続抵抗および長期信頼性に課題がある。
【0006】
高アスペクト比に対応した高温スパッタリング以外の方法としては特許文献1にて開示されているが、高アスペクト比を有する接続孔に対しては
図4に示したように十分なカバレジを得難く、接続孔内にボイドが発生することがある。また特許文献2では上層のAl合金13を堆積した後に熱処理を施すことによる表面張力とAlの表面拡散により接続孔内にAl合金を導入して埋め込む方法が開示されているが、
図5に示したように凝集により下層配線のAl合金が上層配線側吸い上げられることにより逆に埋め込み性が損なわれる懸念がある。
【0007】
よって本発明主旨は高アスペクト比を有する接続孔へのAlの埋め込み方法に関し、接続孔への充填性に優れ、低抵抗でエレクトマイグレーション耐性に強く、しかも低コストとなる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明においては、半導体基板を含む絶縁膜上にバリアメタル、Al合金、反射防止膜の積層構造からなる第1の配線上にプラズマ窒化膜を堆積する工程と、前記プラズマ窒化膜上に酸化膜を堆積した後平坦にする工程と、前記プラズマ窒化膜と前記酸化膜から成る層間絶縁膜上に接続孔を開孔して第1の配線のAl合金表面を露出させる工程と、真空中にて前記接続孔底部のAl合金表面のアルミナ層を除去する工程と、前記アルミナ層除去後に真空中にて少なくとも前記プラズマ窒化膜および前記層間絶縁膜の成膜温度より高い温度で第1の熱処理を行い接続孔を開孔した部分のAl合金を接続孔底部から接続孔上面の範囲内で凸状に隆起させる工程と、続く高圧アルゴンガス雰囲中で少なくとも第1の熱処理より高い温度で第2の熱処理を行い前記凸に隆起させたAl合金をフローさせ平坦にした後に上層配線を形成する工程を含むことを特徴とした半導体装置の製造方法を提供するものである。更に前記接続孔底部の接続孔の直径をA、第1の配線のAl合金膜厚をBとした場合にB≧Aの関係にある。さらに、第1の熱処理温度が400℃〜470℃の範囲であり、かつ前記第2の熱処理温度が450℃〜550℃の範囲にあり、前記上層配線がAl合金および前記Al合金の上層に高融点金属からなる構造をもち、前記高融点金属の膜厚が50nmから200nmの範囲にあるものとする。
【発明の効果】
【0009】
接続孔への充填性に優れ、低抵抗でエレクトマイグレーション耐性に強い金属の接続を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(a)〜(d)は実施の形態に係る本発明の製造フローの断面図である。
【
図2】(a)〜(d)は
図1に続く実施の形態に係る本発明の製造フローの断面図である。
【
図3】実施の形態に係るAl膜厚と接続孔の直径との関係を示した模式図である。
【
図5】同じく従来技術による実施例の代表図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態について工程断面図に基づいて説明する。
まず、実施例を説明する
図1(a)に示すように、絶縁膜2が形成された半導体基板上1上にバリアメタル3とAl配線4および反射防止膜5を堆積した後、フォトリソグラフィーとドライエッチング技術により、第1の配線を形成する。
【0012】
次に、
図1(b)に示すようにプラズマ窒化膜6を成膜する。成膜温度は成膜装置が枚葉式装置で、配線が裸の状態から成膜開始されるまでの保持時間が数秒から数十秒あれば一般的な350℃〜400℃程度の温度範囲でよい。しかしながらバッチ式装置のように保持時間が30分から1時間程度保持が必要な場合、熱ストレスによる応力緩和により配線にヒロックが出てしまうと、後の工程で本来得ようとする接続孔部のAlの隆起形状が得難くなるため可能な限り低温が望ましく、可能であればAlの成膜温度以下がよい。
さらに、CVDにより酸化膜を成膜し、SOGエッチバックあるいは化学的機械研磨方法等を用いた平坦化処理を行った後、再度酸化膜を成膜して酸化膜7を得る。
【0013】
続いて、
図1(c)に示すように、前記プラズマ窒化膜6および酸化膜7から成る層間絶縁膜にフォトリソグラフィーとドライッチング技術により接続孔8を開孔する。接続孔の大きさは
図3に示すように接続孔の直径をA、第1のAl合金配線の膜厚をBとした場合にA≦Bとなるように設計されたものが望ましく、これは後に得ようとする接続孔部のAlの隆起部において十分な高さを得たいためである。なおエッチング時はオーバーエッチングにより高融点金属膜からなる反射防止膜を除去しAl表面を露出させる。その後レジストをアッシング処理および有機系剥離液に浸漬させレジスト及びエッチング副生成物を完全に除去する。接続孔底部のAl表面にはアルミナ9層が生成されている。
【0014】
そして、RFエッチング、真空中加熱機構、高圧加熱機構を有するAlスパッタ装置にて、先ず常温でArプラズマによるRFエッチングによりAl表面を5nm〜20nmのエッチングしアルミナ層9を除去して、
図1(d)に示すように、清浄なAl表面10を得る。
【0015】
続いて、抵抗ヒーター加熱あるはハロゲンランプ照射により半導体基板を加熱出来る機構を持つ真空チャンバー内で、第1の熱処理として半導体基板を400℃から470℃の温度範囲内で60秒から300秒程度アニールして、
図2(a)に示すAl隆起部11を得る。加熱時間は抵抗加熱とハロゲンランプでは半導体基板の昇温速度が異なるため適宜調整するが、Alの隆起部の頂点の高さが接続孔上面以下となるように調整する必要がある。これは隆起させたAlが接続孔上面より高くなるとフローさせた後においても接続孔部が凸形状となる可能性を示しており、更に上層に配線を設ける場合に層間絶縁膜の平坦化処理により接続孔部分の前記凸形状部分の層間膜が局所的に薄くなるからである。最悪平坦化処理後に前記凸形状部分が露出して下層配線と上層配線の短絡を招くという問題を回避するためである。
【0016】
そして、大気暴露せずに抵抗ヒーター加熱あるはハロゲンランプ照射により半導体基板を加熱でき、かつAr高圧ガス雰囲気で2気圧から5気圧に加圧出来る機構を持つチャンバー内で第2の熱処理として第1の熱処理より高い温度で、半導体基板を420℃から550℃の温度範囲内で60秒から300秒程度アニールにして前記Al隆起部11をフローさせることにより
図2(b)に示す、Al埋め込み部12を得る。
【0017】
続いて、
図2(c)に示したように上Alスパッタにより所望の膜厚となるようスパッタしてAl合金層13を得るとともに、高融点金属を20nm〜200nmの範囲でスパッタして高融点金属層14を得る。この高融点金属層は反射防止膜のみならず、Al合金のストレスマイグレーション耐性を上げるためのバイパス効果を果たす役割を担う。
最後に、フォトリソグラフィーおよびエッチング技術を用いて配線パターンを形成して
図2(d)に示すような接続部を得る。
【符号の説明】
【0018】
1 半導体基板
2 絶縁膜
3 バリアメタル
4 第1配線 Al合金
5 反射防止膜
6 プラズマ窒化膜
7 酸化膜
8 接続孔
9 アルミナ層
10 Al清浄面
11 Al隆起部
12 Al埋め込み部
13 上層Al合金配線
14 高融点金属層
A Viaホールボトム径
B 第1配線のAl膜厚