特許第6298319号(P6298319)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6298319
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】刷版給排装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 27/12 20060101AFI20180312BHJP
【FI】
   B41F27/12 C
   B41F27/12 D
   B41F27/12 E
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-33834(P2014-33834)
(22)【出願日】2014年2月25日
(65)【公開番号】特開2015-157429(P2015-157429A)
(43)【公開日】2015年9月3日
【審査請求日】2016年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000147774
【氏名又は名称】株式会社石川製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105809
【弁理士】
【氏名又は名称】木森 有平
(74)【代理人】
【識別番号】100151356
【弁理士】
【氏名又は名称】浅香 小百合
(72)【発明者】
【氏名】西田 光宏
(72)【発明者】
【氏名】能藤 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 雅隆
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 潤二郎
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−113334(JP,A)
【文献】 特開2009−113335(JP,A)
【文献】 特開2000−141605(JP,A)
【文献】 特開2009−096204(JP,A)
【文献】 特開2003−001796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 27/00 − 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刷版の先端側係止バーを係留する係止溝が形成された係止蓋と当該刷版の後端側係止バーを巻き込んで版締めするために係合溝が形成された版締め軸が配されている版胴と、第1の給版ガイド板と、第2の給版ガイド板と押込バーとが配されている給版ガイドユニットと、刷版押さえローラと、給版装置と、排版装置を備え、給版作業で前記先端側係止バーを前記係止溝へと誘導するために前記第1の給版ガイド板と前記第2の給版ガイド板が向かい合って配されている構成とされ、前記刷版を吊り下げた前記給版装置が所定位置に下降して前記係止蓋が開くと、前記第1の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近し、かつ、前記第2の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近する動作によって、前記先端側係止バーを前記係止溝の真上の位置に誘導することを特徴とする刷版給排装置。
【請求項2】
前記給版ガイドユニットには、前記第2の給版ガイド板に加えて第3の給版ガイド板が配されており、前記刷版を吊り下げた前記給版装置が所定位置に下降して前記係止蓋が開くと、前記給版ガイドユニットが前記係止蓋に接近することで前記第2の給版ガイド板及び前記第3の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近し前記給版装置がさらに下降して前記先端側係止バーが前記係止溝に収まり、次に、前記第3の給版ガイド板が前記先端側係止バーを前記係止溝の奥壁に押し込み、前記第3の給版ガイド板が前記先端側係止バーを前記係止溝に押し込んだ状態で前記係止蓋が閉じて前記先端側係止バーを格納することを特徴とする請求項1記載の刷版給排装置。
【請求項3】
前記第1の給版ガイド板は、支持部の上に可動板が回動自在に連結されており、前記可動板回動することで前記先端側係止バーを誘導し、前記給版装置がさらに下降して前記先端側係止バーが前記係止溝に収まると、前記可動板回動して元の位置に戻ることを特徴とする請求項1または2記載の刷版給排装置。
【請求項4】
前記第3の給版ガイド板は、前記第2の給版ガイド板に内蔵された状態から前記第2の給版ガイド板よりも下方向に移動することで前記先端側係止バーを前記係止溝に押し込み、前記係止蓋が閉じて前記先端側係止バーを格納すると、前記給版ガイドユニット移動するとともに前記第3の給版ガイド板移動して元の位置に戻ることを特徴とする請求項2記載の刷版給排装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ユニットの版胴に刷版を給版し、また、当該版胴から刷版を排版する刷版給排装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製函機は、上流側から順に、給紙ユニット、刷版給排装置、印刷ユニット、スロッタユニットとダイカッタ、グルア、フォルダ、及びカウンタユニットを備える。製函機が加工対象とするシート状ワークとしては、段ボールシートや厚紙、これらと樹脂や金属等との複合材料を含むが、代表的なものは段ボールシートである。印刷ユニットは、前記シート状ワークに印刷を施すものであり、印刷ユニットの版胴には刷版が巻き付けされている。前記刷版は、刷版給排装置によって給版され、また、排版される。
【0003】
前記刷版としては、プラスチック製シートの片面に印版が固着され、前記プラスチック製シートの先端側に先端側係止バーが配されており、前記プラスチック製シートの後端側に後端側係止バーが配されているものが、一般に使用されている。
【0004】
前記印刷ユニットの版胴に前記刷版を巻き付ける技術としては、特許文献1と特許文献2が文献公知となっている。前記印刷ユニットの版胴から前記刷版を巻き外す技術としては、特許文献2が文献公知となっている。
【0005】
特許文献1には、係止蓋によって開閉され、その係止蓋の閉鎖によって刷版のくわえ側端部に設けられた係止バーを係止蓋の開閉端に設けられた抜止め片とで抜止め状態に保持する係止溝を外周に有し、その係止溝に近接して設けられた収容溝内に版締め軸が組込まれ、その版締め軸の外周に刷版の尻側端部に設けられた係止バーの係合溝が形成された版胴と、前記刷版の尻側端部の係止バーを着脱自在に保持する吊下げ部材を有し、その吊下げ部材で吊下げ支持した刷版を吊下げ部材の下降により版胴の外周一側に向けて送り込む給版装置と、前記給版装置による刷版の送り込み時に版胴の外周一側部に配置される前記係止蓋を傾斜状の開放状態とする蓋開放装置と、前記版胴の外周一側に向けて進退自在とされ、前進時に開放状態とされた係止蓋の抜止め片の上端から上方に延長して、送り込まれてくる刷版のくわえ側端部の係止バーを係止蓋の開閉端上に誘導するガイド板と、前記係止溝内において係止バーが抜止めされ、版胴の回転による刷版の巻き付け時に、版胴の外周一側部に向けて前進して刷版の尻側端部を版胴の外周に押付ける回転可能な版押えローラと、前記ガイド板と共に進退し、前進時に版胴の外周に巻き付けられた刷版の尻側端部を版胴の外周に押付け、その押付け状態で版胴が刷版の巻き付け方向と逆方向に回転されて係止バーが版締め軸の係合溝と対向した時、その係合溝に係止バーを押し込むバー押込み部材、からなる刷版の装着装置が記載されている。
【0006】
特許文献2には、係止蓋によって開閉され、その係止蓋の閉鎖によって刷版のくわえ側端部に設けられた係止バーを係止蓋の開閉端に設けられた抜止め片とで抜止め状態に保持する係止溝を外周に有し、その係止溝に近接して設けられた収容溝内に版締め軸が組込まれ、その版締め軸の外周に刷版の尻側端部に設けられた係止バーの係合溝が形成された版胴と、前記刷版の尻側端部の係止バーを着脱自在に保持する吊下げ部材を有し、その吊下げ部材で吊下げ支持した刷版を吊下げ部材の下降により版胴の外周一側に向けて送り込む給版装置と、前記給版装置による刷版の送り込み時に版胴の外周一側部に配置される前記係止蓋を傾斜状の開放状態とする蓋開放装置と、前記版胴の外周一側に向けて進退自在とされ、前進時に開放状態とされた係止蓋の抜止め片の上端から上方に延長して、送り込まれてくる刷版のくわえ側端部の係止バーを係止蓋の開閉端上に誘導するガイド板と、前記ガイド板と共に進退し、前進時に版胴の外周に巻き付けられた刷版の尻側端部を版胴の外周に押付け、その押付け状態で版胴が刷版の巻き付け方向と逆方向に回転されて係止バーが版締め軸の係合溝と対向した時、その係合溝に係止バーを押し込むバー押込み部材と、前記吊下げ部材の昇降路より上流側の位置において昇降動され、版胴の外周一側方に配置される下降停止状態で版胴の外周一側部から外側方に倒れる刷版の尻側端部を受け取って保持する保持部材を有し、その保持部材によって尻側端部が保持された刷版を保持部材の上昇動により上方に引き上げる排版装置、からなる刷版の自動交換装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4651655号公報
【特許文献2】特許第4651656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1と特許文献2記載の既知の装置は、自動化が不十分な点があった。つまり、従来は、前記刷版を前記版胴に巻き付ける際に前記刷版の先端側が反っている場合、前記版胴の係止蓋が開いたときに前記係止蓋の係止溝に収まらず、前記先端側係止バーを格納できないことがあった。前記刷版の反りは上流側への反りと下流側への反りの両方が生じている。これは主に前記プラスチック製シートと前記印版の状態およびそれらの接着状態による影響が大きいと考えられる。
【0009】
そこで上述した従来技術の問題点に鑑みて、本発明の目的は、前記刷版の先端側が反っている場合においても、前記版胴の係止蓋が開いたときに前記先端側係止バーが前記係止蓋の係止溝に確実に収まるように誘導する作業を自動的に機械が安定かつ正確に行う構成の新規な刷版給排装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の刷版給排装置は、刷版の先端側係止バーを係留する係止溝が形成された係止蓋と当該刷版の後端側係止バーを巻き込んで版締めするために係合溝が形成された版締め軸が配されている版胴と、第1の給版ガイド板と、第2の給版ガイド板と押込バーとが配されている給版ガイドユニットと、刷版押さえローラと、給版装置と、排版装置を備え、給版作業で前記先端側係止バーを前記係止溝へと誘導するために前記第1の給版ガイド板と前記第2の給版ガイド板が向かい合って配されている構成とされ、前記刷版を吊り下げた前記給版装置が所定位置に下降して前記係止蓋が開くと、前記第1の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近し、かつ、前記第2の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近する動作によって、前記先端側係止バーを前記係止溝の真上の位置に誘導することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、給版作業で前記刷版を吊り下げた前記給版装置が所定位置に下降して前記係止蓋が開くと、前記第1の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近し、かつ、前記第2の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近する動作によって、前記先端側係止バーを前記係止溝の真上の位置に誘導するので、反りのある前記刷版に対しても所定位置に確実に誘導することができる。
【0012】
本発明は、前記給版ガイドユニットには、前記第2の給版ガイド板に加えて第3の給版ガイド板が配されており、前記刷版を吊り下げた前記給版装置が所定位置に下降して前記係止蓋が開くと、前記給版ガイドユニットが前記係止蓋に接近することで前記第2の給版ガイド板及び前記第3の給版ガイド板が前記刷版の先端側に接近し前記給版装置がさらに下降して前記先端側係止バーが前記係止溝に収まり、次に、前記第3の給版ガイド板が前記先端側係止バーを前記係止溝の奥壁に押し込み、前記第3の給版ガイド板が前記先端側係止バーを前記係止溝に押し込んだ状態で前記係止蓋が閉じて前記先端側係止バーを格納することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、前記第3の給版ガイド板が前記先端側係止バーを前記係止溝の奥壁に押し込み、前記第3の給版ガイド板が前記先端側係止バーを前記係止溝に押し込んだ状態で前記係止蓋が閉じて前記先端側係止バーを格納するので、反りのある前記刷版に対しても所定位置に確実に誘導し前記先端側係止バーを確実に格納する作業を自動的に機械が安定かつ正確に行う構成となる。
ここで、前記給版装置が下降するとは、前記給版装置全体が下降する場合と、前記給版装置のうち前記先端側係止バーの格納に係る構成部分が下降する場合のいずれかないしは両方を指している。同様に、前記給版装置が上昇するとは、前記給版装置全体が上昇する場合と、前記給版装置のうち前記先端側係止バーの格納に係る構成部分が上昇する場合のいずれかないしは両方を指している。
【0014】
本発明は、前記第1の給版ガイド板は、支持部の上に可動板が回動自在に連結されており、前記可動板回動することで前記先端側係止バーを誘導し、前記給版装置がさらに下降して前記先端側係止バーが前記係止溝に収まると、前記可動板回動して元の位置に戻ることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、前記第1の給版ガイド板の動作を最小動作とすることができ、合理的な装置構成となる。
ここで、上流方向とは製函機が加工対象とするシート状ワークが近づいてくる方向であり、下流方向とは前記シート状ワークが遠ざかる方向である。なお、本発明の刷版給排装置を基準とすると、上流には給紙ユニットが配置されており、また、下流にはスロッタユニットとダイカッタが配置されている。
【0016】
本発明は、前記第3の給版ガイド板は、前記第2の給版ガイド板に内蔵された状態から前記第2の給版ガイド板よりも下方向に移動することで前記先端側係止バーを前記係止溝に押し込み、前記係止蓋が閉じて前記先端側係止バーを格納すると、前記給版ガイドユニット移動するとともに前記第3の給版ガイド板移動して元の位置に戻ることを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、前記第3給版ガイド板の動作を最小動作とすることができ、合理的な装置構成となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の刷版給排装置によれば、反りのある前記刷版に対しても所定位置に確実に誘導し前記先端側係止バーを確実に格納する作業を自動的に機械が安定かつ正確に行う構成となる。本発明によれば、前記第1の給版ガイド板の動作や、前記第3の給版ガイド板の動作を最小動作とすることができ、合理的な装置構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明を適用した実施形態の刷版給排装置を操作者側(OP側)から見た要部側面図である。
図2】上記実施形態の刷版給排装置の側面図である。
図3】上記実施形態の刷版給排装置の正面図である。
図4】上記実施形態の刷版給排装置の背面図である。
図5】上記実施形態の刷版給排装置を備えた製函機の運転状態を示す図である。
図6】上記実施形態の刷版給排装置の給版開始状態を示す図である。
図7】上記実施形態の刷版給排装置の刷版後端把持状態を示す図である。
図8】上記実施形態の刷版給排装置の刷版先端誘導状態を示す図である。
図9】上記実施形態の刷版給排装置の刷版先端当接状態を示す図である。
図10】上記実施形態の刷版給排装置の刷版格納準備状態を示す図である。
図11】上記実施形態の刷版給排装置の刷版先端格納状態を示す図である。
図12】上記実施形態の刷版給排装置の刷版巻き付け開始状態を示す図である。
図13】上記実施形態の刷版給排装置の刷版後端開放状態を示す図である。
図14】上記実施形態の刷版給排装置の刷版巻き付け状態を示す図である。
図15】上記実施形態の刷版給排装置の刷版固定準備状態1を示す図である。
図16】上記実施形態の刷版給排装置の刷版固定準備状態2を示す図である。
図17】上記実施形態の刷版給排装置の刷版固定準備状態3を示す図である。
図18】上記実施形態の刷版給排装置の刷版巻き付け完了状態を示す図である。
図19】上記実施形態の刷版給排装置の運転準備状態を示す図である。
図20】上記実施形態の刷版給排装置の排版開始状態を示す図である。
図21】上記実施形態の刷版給排装置の刷版後端離脱準備状態1を示す図である。
図22】上記実施形態の刷版給排装置の刷版後端離脱準備状態2を示す図である。
図23】上記実施形態の刷版給排装置の刷版後端離脱状態1を示す図である。
図24】上記実施形態の刷版給排装置の刷版後端離脱状態2を示す図である。
図25】上記実施形態の刷版給排装置の刷版後端狭持状態を示す図である。
図26】上記実施形態の刷版給排装置の刷版引出し開始状態を示す図である。
図27】上記実施形態の刷版給排装置の刷版先端離脱状態を示す図である。
図28】上記実施形態の刷版給排装置の排版完了状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
(本発明の実施の形態)
図1は、本発明を適用した実施形態の刷版給排装置をOP側(操作側)から見た要部側面図である。図2は、本実施形態の刷版給排装置の側面図である。図3は、本実施形態の刷版給排装置の正面図である。図4は、本実施形態の刷版給排装置の背面図である。図1図2などの側面図において、図の右側は上流側であり、図の左側は下流側である。版胴5や刷版押さえローラ91などの回転方向は、図の右回りを正方向、図の左回りを逆方向としている。図1図2図5図28はいずれも側面図である。
【0022】
刷版26は、プラスチック製シートの片面に印版が固着され、前記プラスチック製シートの先端側に先端側係止バー27が配されており、前記プラスチック製シートの後端側に後端側係止バー28が配されているものが、使用される。
【0023】
本実施形態の刷版給排装置1は、図1図28に示すとおりである。符号30は、本体フレームである。符号202は、シート搬送面である。符号203は、シートであり、特に段ボールシートである。符号204は、圧胴である。符号5は、版胴であり、定位置停止機能を有する。符号206は、インクローラである。版胴5は、開閉動作する係止蓋7と、回転動作する版締め軸8を備える。係止蓋7には、先端側係止バー27を係留する係止溝71が形成されており、係止溝71が版胴5の外側になると先端側係止バー27が開放され、また、係止溝71が版胴5の内側になると先端側係止バー27が係留される。版締め軸8は、定位置停止機能を有する。版締め軸8には、後端側係止バー28を巻き込んで版締めするために係合溝81が形成されており、版締め軸8が正方向に回転すると後端側係止バー28が巻き込まれて版締めされ、また、版締め軸8が逆方向に回転すると後端側係止バー28が巻き外されて開放される。
【0024】
図5図28に示すとおり、本体フレーム30は、第1の給版ガイド板10を備える。第1の給版ガイド板10には、支持部12の上に可動板11が回動自在に連結されている。
【0025】
図5図28に示すとおり、本体フレーム30は、給版ガイドユニット13を備える。給版ガイドユニット13には、第2の給版ガイド板14と、第3の給版ガイド板15と、押込バー16が備わっており、第2の給版ガイド板14が前後動し、第3の給版ガイド板15が前後動し、また、押込バー16が前後動する構成となっている。ここで、前後動とは、上流側から下流側に移動し、また、下流側から上流側に移動する動作を指す。また、本体フレーム30は、版胴5に従動して回転する版押さえローラ91を備える。
【0026】
図3図4に示すように、本体フレーム30は門形状を呈しており、刷版26を吊り下げるための給版装置50と、刷版26を吊り上げるための排版装置100とが備わっている。本体フレーム30には、一対の側辺部30aと下片部30bがある。給版装置50の上流側には、排版装置100が配されている。給版装置50は、水平方向及び鉛直方向の定位置停止機能を有する。符号51は、給版吊下げ機である。給版吊下げ機51には、開閉動作する給版吊下げ蓋53が備わっており、給版吊下げ蓋53が閉じたときに支持部52との間にできる保持溝54に、刷版26の先端側係止バー27を引っ掛けて吊下げる(図1)。給版装置50の下側には、給版吸着機59が備わっている。排版装置100は、水平方向及び鉛直方向の定位置停止機能を有する。符号121は、排版吊り上げ機である。排版吊り上げ機121には、開閉動作する排版吊り上げ蓋123が備わっており、排版吊り上げ蓋123が閉じたときに支持部122との間にできる保持溝124に、刷版26の後端側係止バー28を引っ掛けて吊り上げる(図1)。排版装置100には、排版吸着機129が備わっている。排版装置100の下側には、排版ガイド溝141が形成された排版ガイド部140がある(図1)。
【0027】
図5は、本実施形態の刷版給排装置1を備えた製函機の運転状態を示す図であり、シート203を印刷するときの状態を示している。図5に示すように、刷版26は版胴5に巻き付けられて密接している。第1の給版ガイド板10と、給版ガイドユニット13と、刷版押さえローラ91は、それぞれの待機位置にある。図5に示すように、インクローラ206と版胴5が回転してインクローラ206から版胴5にインクが供給され、版胴5と圧胴204が回転してシート搬送面202上のシート203を上流側から下流側に送り出しながら、印刷が施される。
【0028】
(給版作業)
図6図19は、本実施形態の刷版給排装置1の給版作業手順を示す図である。
【0029】
図6は、本実施形態の刷版給排装置1の給版開始状態を示す図である。図6に示すように、給版作業で先端側係止バー27を係止溝71へと誘導するために第1の給版ガイド板10と第2の給版ガイド板14が向かい合って配されている構成となっている。吊下げられた刷版26の先端側係止バー27を基準とすると、第1の給版ガイド板10は下流側となり(図6では左側となり)、また、第2の給版ガイド板14は上流側となる(図6では右側となる)。第1の給版ガイド板10と第2の給版ガイド板14との間隔は、上から下に向かって間隔が狭くなっている。これによって、先端側係止バー27を係止溝71へと誘導し易くするための配置構成となっている。
【0030】
図5図19に示すように、第1の給版ガイド板10は、支持部12の上に可動板11が回動自在に連結されており、可動板11が上流方向に回動することで先端側係止バー27を誘導し、先端側係止バー27が係止溝71に収まると、可動板11が下流方向に回動して元の位置に戻る構成となっている。
【0031】
図5図19に示すように、給版ガイドユニット13には、第2の給版ガイド板14に加えて第3の給版ガイド板15が配されており、給版ガイドユニット13が係止蓋7に接近することで第2の給版ガイド板14及び第3の給版ガイド板15が刷版26の先端側に接近し、係止蓋7が閉じて先端側係止バー27を格納すると、給版ガイドユニット13が上流方向に移動するとともに第3の給版ガイド板15が上流方向に移動して元の位置に戻り、第2の給版ガイド板14が第3の給版ガイド板15を内蔵する状態となる。この内蔵された状態では、第2の給版ガイド板14の下流側の露出面と、第3の給版ガイド板15の下流側の露出面が、面一となる。これによって、第3の給版ガイド板15が第2の給版ガイド板14に内蔵されている状態では下流側の露出面の凹凸がない状態となるので、先端側係止バー27を係止溝71へと誘導し易くなっている。
【0032】
図4に示す例では、第3の給版ガイド板15は、所定間隔で3つ配置されており、第2の給版ガイド板14に内蔵されている。これは、第3の給版ガイド板15が分割配置されていることで、第2の給版ガイド板14の強度確保しやすくなる。
【0033】
図6に示す例では、まず、版胴5が所定位置まで上昇し一旦停止する。これは、刷版26を版胴5に巻き付ける際に、刷版26が搬送面202に当接して傷が付かないようにするためである。その一方で、給版装置50の給版吊下げ蓋53が閉じるので、刷版26の後端側係止バー28を手作業などで給版吊下げ蓋53の保持溝54にOP側から水平方向に挿入し引っ掛けて、給版吸着機59を作動させて刷版26をエア吸着して、給版装置50を刷版給版位置まで水平移動させる(図6)。
【0034】
そして、図7に示すように、刷版26を吊り下げた状態で給版装置50が所定位置に下降して停止する。
【0035】
次に、図8に示すように、係止蓋7が開いて係止溝71が開放され、そして、可動板11が上流方向に回動することで先端側係止バー27を、開放されたときの係止溝71の真上となる位置に誘導する。このときの順序としては、係止溝71が開放されてから可動板11が上流方向に回動してもよいし、可動板11が上流方向に回動してから係止溝71が開放されてもよいし、係止溝71が開放される動作と可動板11が上流方向に回動する動作が同時でもよい。図8等に示す例では、可動板11は、刷版26をガイドするために、側面視で下流側に曲がったくの字状となっている。可動板11は、くの字状でもよいし、L字状でもよいし、アール形状でもよいし、真っ直ぐな形状とすることも可能である。可動板11を回動させる回動手段としては、エアシリンダーや電動モータなど既知の駆動手段が適用される。
【0036】
次に、図9に示すように、給版ガイドユニット13が版胴5に接近し係止蓋7に当接する。そして、給版装置50がさらに下降して定位置で停止すると、先端側係止バー27が係止溝71に収まる。例えば、先端側係止バー27が係止溝71の下面に当接して給版装置50が停止する。その一方で、可動板11が下流方向に回動して元の位置に戻る。
【0037】
次に、図10に示すように、給版ガイドユニット13が版胴5に接近し係止蓋7に当接した状態で、第3の給版ガイド板15が、第2の給版ガイド板14よりも下流方向に移動して先端側係止バー27を係止溝71の奥まで押し込む。例えば、第3の給版ガイド板15が、先端側係止バー27を係止溝71の奥壁に押し当てる。
【0038】
そして、図11に示すように、係止蓋7が閉じて先端側係止バー27を格納する。先端側係止バー27が格納されるまで、第3の給版ガイド板15が下流方向に移動して先端側係止バー27を係止溝71内に押し込む動作が行われる。また、先端側係止バー27が格納されるまで、給版ガイドユニット13が版胴5に接近し係止蓋7に当接した状態が維持される。
【0039】
次に、図12図14に示すように、刷版26を緊張状態で版胴5に巻き付ける。図12に示すように、給版装置50が下降しながら版胴5が正方向に寸動回転して刷版26を緊張状態で版胴5に巻き付け開始する。その一方で、給版ガイドユニット13が上流側に移動するとともに第3の給版ガイド板15が上流方向に移動して第2の給版ガイド板14に内蔵され、給版ガイドユニット13が元の位置に戻る。そして、図13に示すように、刷版押さえローラ91が下流側に移動して版胴5の刷版26に当接する。図13に示す例では、刷版押さえローラ91が版胴5の刷版26に当接した状態の巻き付け途中で版胴5が一時停止して前記巻き付け途中で給版装置50が後端側係止バー28を開放する。そして、図14に示すように、給版装置50が上昇し刷版26を挿入する初期位置まで水平移動して戻る。次に、版胴5が正方向に寸動回転し刷版押さえローラ91が従動回転して刷版26を緊張状態で版胴5に巻き付けを再開する。なお、後端側係止バー28を開放するタイミングが合えば版胴5が一時停止する必要はない。
【0040】
次に、図15に示すように、後端側係止バー28が刷版押込バー12と対向する位置で版胴5が一時停止する。そして、図16に示すように、給版ガイドユニット13が版胴5に接近し後端側係止バー28の上方を封鎖し、刷版押込バー12が後端側係止バー28に当接する。次に、図17に示すように、版胴5が逆方向に寸動回転して版締め軸8の係合溝81が後端側係止バー28と対向する位置で停止し、刷版押込バー12が後端側係止バー28を係合溝81に押し込む。そして、版締め軸8を逆方向に所定量回転させて後端側係止バー28を巻き込んで刷版26を版胴5に密接させる(図18)。
【0041】
そして、図19に示すように、給版ガイドユニット13と刷版押さえローラ91が待機位置まで退避し、版胴5が下降し運転位置に戻る。
【0042】
(排版作業)
図20図28は、本実施形態の刷版給排装置1の排版作業手順を示す図である。
【0043】
図20は、本実施形態の刷版給排装置1の排版開始状態を示す図である。図20に示す例では、まず、版胴5が所定位置まで上昇し一旦停止する。これは、刷版26を版胴5に巻き付ける際に、刷版26が搬送面202に当接して傷が付かないようにするためである。次に、排版装置100が排版位置まで水平移動し所定位置まで下降する。次に、図21に示すように、排版吊り上げ機121が下降し、排版ガイドローラ126が排版ガイド部140の排版ガイド溝141の倣い面に当接する。そして、図22に示すように、最下の排版ガイドローラ126が排版ガイド溝141の終端に到達し、排版吊り上げ蓋123が開き、排版押さえローラ128が突出して版胴5の刷版26に当接して刷版26を押さえる。
【0044】
次に、図23図27に示すように、刷版26を版胴5から巻き外す。まず、図23に示すように、版締め軸8が正方向に所定量回転して係合溝81から後端側係止バー28が離脱する。次に、図24に示すように、版胴5が逆方向に所定量回転して後端側係止バー28の版胴5への
引っ掛かりをなくし、次に、版胴5が正方向に所定量回転して後端側係止バー28が排版吊り上げ蓋123と支持部122の間に入る。そして、図25に示すように、排版吊り上げ蓋123が閉鎖して後端側係止バー28を狭持する。換言すると、排版装置100が後端側係止バー28を格納する。
【0045】
次に、図26に示すように、排版吊り上げ機121が上昇しながら版胴5が逆方向に寸動回転して刷版26の中間部から先端までの範囲と版胴5とを緊張状態で版胴5から徐々に巻き外しを行う。そして、図27に示すように、排版吊り上げ機121がさらに上昇しながら版胴5が逆方向に寸動回転して、係止蓋7が刷版押込バー12と向かい合う所定位置にて版胴5が停止する。そして、係止蓋7が開いて係止溝71から先端側係止バー28が離脱する。次に、図28に示すように、係止蓋7が閉じる。そして、排版吸着機129を作動させて刷版26をエア吸着して、排版装置100を初期位置まで水平移動させる(図1を参照)。そして、排版吸着機129を作動停止させて刷版26のエア吸着を開放し、刷版26を手作業などで排版吸着機129から取り外す。最終的には、版胴5が下降し運転位置に戻る(図19を参照)。
【0046】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。上述の形態では、刷版26の後端側係止バー28を手作業などで給版吊下げ蓋53の保持溝54に挿入し引っ掛けて、給版吸着機59を作動させて刷版26をエア吸着して、給版装置50を刷版給版位置まで水平移動させるとして説明したが、刷版26を給版装置50に吊下げる作業を自動化することも可能である。同様に、刷版26を排版吸着機129から取り外す作業を自動化することも可能である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0047】
1 本発明の刷版給排装置、
5 版胴、
7 係止蓋、71 係止溝、
8 版締め軸、81 係合溝、
10 第1の給版ガイド板、
11 可動板、
12 支持部、
13 給版ガイドユニット、
14 第2の給版ガイド板、
15 第3の給版ガイド板、
16 押込バー、
26 刷版、27 先端側係止バー、28 後端側係止バー、
30 本体フレーム、
50 給版装置、
51 給版吊下げ機、52 支持部
53 給版吊下げ蓋、54 保持溝、
59 給版吸着機、
91 刷版押さえローラ、
100 排版装置、
121 排版吊り上げ機、122 支持部
123 排版吊り上げ蓋、124 保持溝、
126 排版ガイドローラ、
128 排版押さえローラ、
129 排版吸着機、
140 排版ガイド部、
141 排版ガイド溝、
202 シート搬送面、203 シート、
204 圧胴、
206 インクローラ
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