(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記関連付け手段は、前記付随情報受付手段によって投稿が受け付けられた付随情報を、前記電子文書におけるユーザによって書き込みが行われた部分の何れかに対して更に関
連付ける、
請求項2に記載の情報処理装置。
新たなバージョンの電子文書が受け付けられた際、旧バージョンの電子文書に関連付けられている付随情報に、前記確認状態が未確認となっている修正依頼コメントがあるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって未確認の修正依頼コメントがあると判定された場合に警告を出力する警告出力手段と、
を更に備える、請求項8に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
【0011】
本実施形態に係る情報処理装置は、電子文書を蓄積する記憶装置に接続され、前記記憶装置に蓄積される電子文書に、互いに連続性を有する複数の電子文書間のバージョンの新旧を判別可能な電子文書識別情報を設定する設定手段と、前記記憶装置に蓄積されている電子文書に付随情報を関連付ける関連付け手段と、前記記憶装置に蓄積されている電子文書の要求を受け付ける要求受付手段と、前記要求受付手段によって要求が受け付けられたことを受けて、前記電子文書識別情報に基づいて、該要求に係る電子文書より古いバージョンの電子文書に関連付けられた前記付随情報を取得する付随情報取得手段と、前記要求に対する応答として、前記要求に係る電子文書、および前記付随情報取得手段によって取得された付随情報を出力する応答出力手段と、を備える情報処理装置である。
【0012】
ここで、電子文書とは、文書のフォーマットや記録方式を問わず、コンピュータで処理可能な文書(ドキュメント)である。そして、電子文書識別情報は、改版等によって互いに連続性を有する複数の電子文書の新旧を判別可能な情報であり、例えばバージョン情報が挙げられる。但し、電子文書識別情報は、改版前後の電子文書の新旧を判別可能な情報であればよく、一般的なバージョン情報に限定されない。付随情報は、電子文書の本体を構成するデータとは別の情報であって、電子文書に関連付けられる情報である。付随情報としては、例えば、電子文書に付されたコメントや、電子文書の本体と分離可能な書き込み(アノテーション)、電子文書のスナップショット、等が挙げられる。
【0013】
本実施形態に係る情報処理装置によれば、要求に係る電子文書と、要求に係る電子文書より古いバージョンの電子文書の付随情報と、が併せて出力されるため、単一の電子文書に関連する情報に制限されないユーザ間コミュニケーションが可能となり、電子文書を軸としたコミュニケーションの利便性を高めることが可能となる。
【0014】
また、前記付随情報取得手段は、前記要求受付手段によって受け付けられた要求に係る電子文書に関連付けられた前記付随情報を更に取得し、前記応答出力手段は、前記要求に係る電子文書、前記付随情報取得手段によって取得された、該要求に係る電子文書に関連付けられた付随情報、および該要求に係る電子文書より古いバージョンの電子文書に関連付けられた前記付随情報を出力してもよい。
【0015】
このようにすることで、要求に係る電子文書と、要求に係る電子文書の付随情報と、要求に係る電子文書より古いバージョンの電子文書の付随情報と、が併せて出力される。
【0016】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、クライアント端末9を用いたユーザによる前記付随情報の投稿を受け付ける付随情報受付手段を更に備え、前記関連付け手段は、前記記憶装置に蓄積されている電子文書に、前記付随情報受付手段によって投稿が受け付けられた付随情報を関連付けてもよい。
【0017】
このような構成を備えることで、ユーザによって投稿されたコメント等の付随情報を電子文書に関連付け、新旧のコメント情報を電子文書と共に出力することが可能となる。
【0018】
また、前記関連付け手段は、前記付随情報受付手段によって投稿が受け付けられた付随情報を、前記電子文書におけるユーザによって書き込みが行われた部分の何れかに対して更に関連付けてもよい。
【0019】
このような構成を備えることで、ユーザによって投稿されたコメント等の付随情報を、ユーザによる書き込み情報等の他の付随情報に関連付けることが出来る。
【0020】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、前記電子文書から、ユーザによって書き込みが行われた部分を含むキャプチャ画像を生成する画像生成手段を更に備えてもよい。更に、本実施形態に係る情報処理装置は、前記キャプチャ画像を含む付随情報を投稿する投稿手段を更に備えてもよい。
【0021】
このような構成を備えることで、ユーザによる書き込みが行われた場合に、書き込みが行われたことおよび書き込みの内容を、他のユーザに通知することが出来る。
【0022】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、前記電子文書に関連付けられた付随情報のうち、該電子文書の修正依頼に係る修正依頼コメントを検出する検出手段と、前記修正依頼コメントが検出された場合に、検出された修正依頼コメントの確認を促すための確認メッセージを出力するメッセージ出力手段と、を更に備えてもよい。
【0023】
このような構成を備えることで、修正依頼コメントが投稿された場合等に、そのような投稿があったことを、他のユーザに通知することが出来る。また、前記メッセージ出力手段は、前記検出手段によって検出された修正依頼コメントの数を含む確認メッセージを出力してもよい。
【0024】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、前記検出手段によって検出された修正依頼コメントの、所定のユーザによる確認状態を管理する確認状態管理手段を更に備え、前記メッセージ出力手段は、前記検出手段によって検出された修正依頼コメントであって前記確認状態が未確認となっている修正依頼コメントの数を含む確認メッセージを出力してもよい。
【0025】
確認メッセージに含める修正依頼コメントの数を、未確認の修正依頼コメントに限定することで、他のユーザに、確認が必要なコメントの数を正確に把握させることが出来る。
【0026】
また、本実施形態に係る情報処理装置は、新たなバージョンの電子文書が受け付けられた際、古いバージョンの電子文書に関連付けられている付随情報に、前記確認状態が未確認となっている修正依頼コメントがあるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって未確認の修正依頼コメントがあると判定された場合に警告を出力する警告出力手段と、を更に備えてもよい。
【0027】
また、前記応答出力手段は、前記要求に係る電子文書、前記付随情報、および、前記要求に係る電子文書より古いバージョンの電子文書が受け付けられた際の投稿内容を出力してもよい。
【0028】
また、本開示は、コンピュータによって実行される方法、またはコンピュータに実行させるプログラムとしても把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【0029】
本実施形態では、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを、SNS(Social Networking Service)と共に用いる電子文書管理サーバ1、方法およびプログラムとして実施した場合の実施の形態について説明する。但し、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法およびプログラムは、電子文書を管理する目的に広く用いることが可能であり、本開示の適用対象は、本実施形態において示した例に限定されない。
【0030】
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の概略を示す図である。本実施形態に係るシステムは、電子文書管理サーバ1と、LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して電子文書管理サーバ1と通信可能に接続される複数のクライアント端末9と、を備える。
【0031】
電子文書管理サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12およびROM(Read Only Memory)13等からなる制御部10と、補助記憶装置14と、ネットワークインターフェース15と、を備える情報処理装置である。但し、情報処理装置の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が可能である。
【0032】
クライアント端末9は、CPU、RAMおよびROMと、ディスプレイと、マウスやキーボード等の入力装置と、電子文書管理サーバ1との通信を行うためのネットワークインターフェースと、が電気的に接続された情報処理装置である(図示は省略する)。但し、クライアント端末9の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が可能である。例えば、クライアント端末9は、入力装置としてマウスやキーボード以外の入力装置(例えば、ディスプレイに設けられたタッチパネル等)を採用してもよい。
【0033】
また、本実施形態に係るシステムは、電子文書管理サーバ1から通信可能に接続される各種データベースを備える。具体的には、電子文書の管理情報が蓄積される電子文書データベース3と、電子文書に関するコメントが蓄積されるコメントデータベース4と、電子文書に付された書き込み情報(アノテーション)が蓄積されるアノテーションデータベー
ス5と、コメントの確認状態を管理するための確認判定データベース6と、が電子文書管理サーバ1から通信可能に接続される。なお、本実施形態において、電子文書管理サーバ1と夫々のデータベースとは、別個の装置として構成されてもよいし、単一の装置として構成されてもよい。
【0034】
本実施形態において、「アノテーション」とは、電子文書に付されることで電子文書上に表示可能であるが電子文書本体を構成しない、電子文書と分離可能な情報である。アノテーションには、例えば、注釈や注解、注記、等の他、囲み線や取消線等の線図、塗りつぶし等の画像、が含まれる。
【0035】
各データベースは、電子文書管理サーバ1と同じく、一般的なコンピュータとしての構成であるCPU、RAM、ROM、補助記憶装置、ネットワークインターフェース等を備えるコンピュータシステムである(図示は省略する)。
【0036】
本実施形態において、電子文書の本体である電子文書ファイル(以下、単に「電子文書」とも称する)は、電子文書管理サーバ1の補助記憶装置14に保存される。補助記憶装置14に保存された電子文書には、クライアント端末9からアクセスするための一意のURL(Uniform Resource Locator)が付され、このURLが電子文書データベース3によって管理される。但し、電子文書は、電子文書データベース3に格納されて管理されてもよい。
【0037】
また、本実施形態において、電子文書管理サーバ1は、ユーザからのコメントの投稿を受け付け、電子文書に関連付けることで、コメントを介して電子文書についてのコミュニケーションを支援するSNSを提供する機能を備えている。コメントデータベース4は、本実施形態における、このようなコメントを管理するためのデータベースである。
【0038】
本実施形態に係るシステムでは、本開示に係る情報処理装置の機能が電子文書管理サーバ1に実装された場合について説明しているが、電子文書管理サーバ1および各種データベース等は、クライアント端末9上に実装されてもよいし、ネットワーク上にクラウドサービスとして実装されてもよい。クラウドサービスとして実装された場合、処理の主体は、ネットワーク上に分散した複数のマシンとなるが、これらのネットワーク上に分散した複数のマシンは、サーバまたはデータベースとしての機能を果たすための単一の装置と看做すことが出来る。
【0039】
次に、本実施形態において、電子文書管理サーバ1から送信されてクライアント端末9において表示される電子文書表示画像90の概略を説明する。クライアント端末9は、ユーザ操作に基づいて電子文書管理サーバ1に接続し、ユーザによって指定された電子文書の閲覧を電子文書管理サーバ1に要求する。電子文書管理サーバ1は、指定された電子文書および当該電子文書に付随する付随情報(本実施形態では、コメント、アノテーションおよびアノテーションのキャプチャ画像)をデータベースから取得して表示用の情報を生成し、クライアント端末9に送信する。クライアント端末9は、電子文書管理サーバ1から受信した情報を、Webブラウザアプリケーションを用いて表示する。また、表示された電子文書は、Webブラウザアプリケーションを介してチェックアウトおよび編集が可能であり、また、Webブラウザアプリケーションを介してコメント、アノテーション等の付加が可能である。但し、表示に用いるアプリケーションはWebブラウザアプリケーションでなくてもよい。例えば、電子文書およびその付随情報を閲覧・編集するための専用のアプリケーションを用いることとしてもよい。
【0040】
図2は、本実施形態においてクライアント端末9によって表示される電子文書表示画像90を示す図である。電子文書表示画像90の左側は、電子文書表示部91であり、電子
文書がアノテーション(例えば、図中にフリーハンドで描かれた「test」)と共に表示される。
【0041】
電子文書表示画像90の右側は、タイムライン表示部92であり、電子文書に関して投稿されたコメントが表示される。コメントには、テキストの他、電子文書からアノテーション部分が切り出されることで生成されたキャプチャ画像92bが含まれ得る。また、タイムライン表示部92の上部には、表示されるタイムラインを切り替えるための切り替えボタンまたはタブ93が表示される。ユーザは、このボタンまたはタブ93を操作することで、表示されるタイムラインを切り替えることが出来る。切り替えによって表示可能なタイムラインには、電子文書表示部91に表示されている電子文書に関連付けられたコメントのタイムライン、および、表示されている電子文書の1バージョン前の電子文書に関連付けられたコメントのタイムラインが含まれる。なお、タイムラインには、電子文書を投稿または更新した際にユーザが併せて投稿したコメントも、親ポストとして含まれる。
【0042】
タイムライン表示部92の下には、更にコメント投稿欄94が表示される。ユーザは、このコメント投稿欄94にテキスト等を入力して送信することで、コメントを投稿することが出来る。このコメント投稿欄94を介して投稿されたコメントは、電子文書表示部91に表示されている電子文書に、付随情報として関連付けられ、タイムライン表示部92に表示される。
【0043】
上述の通り、本実施形態に係るシステムは、SNSを用いてユーザ同士が電子文書編集のためのコミュニケーションを行うことが可能なシステムであり、電子文書とタイムラインとが並列表示される。ここで、タイムラインとは、電子文書に係るコメントの並びであり、電子文書に並列表示されるタイムライン表示部92には、当該電子文書(または当該電子文書のより古いバージョンの電子文書)に関するコメントが表示される。
【0044】
また、本実施形態に係るSNSには、電子文書も投稿することが可能である。投稿された電子文書は、電子文書管理サーバ1に蓄積、電子文書データベース3に登録され、この電子文書に対して付随情報を関連付けることが可能である。この場合、当該電子文書の投稿に係るポストは、当該電子文書に対するコメントの親ポストとして、タイムライン表示部92に表示される。
【0045】
図3は、本実施形態に係る電子文書管理サーバ1の機能構成の概略を示す図である。本実施形態に係る電子文書管理サーバ1は、CPU11が、RAM12に展開された各種プログラムを解釈および実行して、電子文書管理サーバ1に備えられた各種ハードウェアを制御することで、付随情報受付部21、関連付け部22、画像生成部23、投稿部24、設定部25、要求受付部26、付随情報取得部27、応答出力部28、検出部29、確認状態管理部30、メッセージ出力部31、判定部32および警告出力部33を備える情報処理装置として機能する。また、本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPUによって実行される例について説明しているが、これらの機能は、その一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。
【0046】
付随情報受付部21は、クライアント端末9を用いたユーザによる付随情報の投稿を受け付ける。本実施形態のシステムでは、ユーザは、クライアント端末9を用いて
図2に示した電子文書表示画像90を表示させることで電子文書およびその付随情報(コメント、アノテーションおよびキャプチャ画像等)を閲覧することが可能であり、また、自らもクライアント端末9を用いて電子文書に対するコメントの投稿やアノテーションの付与を行うことが可能である。クライアント端末9は、ユーザによるコメント投稿操作やアノテーション操作に応じて情報を電子文書管理サーバ1に送信することで、ユーザによる付随情報の投稿を行う。
【0047】
関連付け部22は、記憶装置に蓄積されている電子文書に付随情報を関連付ける。関連付け部22によって付随情報が対象の電子文書に関連付けられることで、電子文書表示画像90において電子文書と併せて付随情報を表示させたり、後述するメッセージ出力処理において付随情報をスクリーニングしたりすることが可能となる。ここで関連付けられる付随情報には、付随情報受付部21によって投稿が受け付けられた付随情報も含まれるが、付随情報は、ユーザによって投稿されたものに限定されない。また、関連付け部22は、付随情報受付部21によって投稿が受け付けられた付随情報を、電子文書における特定のページや、特定のアノテーション部分(ユーザによって書き込みが行われた部分)に対して更に関連付けてもよい。例えば、ユーザが特定のアノテーションを指定して修正依頼コメントを投稿した場合には、この修正依頼コメントは、対象の電子文書に加えて、指定されたアノテーションにも関連付けられる。
【0048】
画像生成部23は、電子文書から、ユーザによって書き込みが行われた部分(アノテーション部分)を含むキャプチャ画像を生成する。本実施形態に係るシステムでは、ユーザは、Webブラウザアプリケーションに表示された電子文書上に、フリーハンドのペンツールや図形ツール等を用いて、線や図形等のアノテーションを書き込むことが出来る。ユーザは、このアノテーションによって、電子文書中の所定の箇所に線を引いたり、所定の箇所を丸や矩形で囲ったりすることが出来る。そして、画像生成部23は、このようにして電子文書に付加されたアノテーションを、電子文書のアノテーションが付加された部分と共に、画像としてキャプチャすることで、キャプチャ画像を生成する。なお、本実施形態では、生成されたキャプチャ画像は、キャプチャの対象となったアノテーションID等と関連付けられて、アノテーションデータベース5に蓄積される。
【0049】
図4は、本実施形態において、フリーハンドのペンツールで文書上に書き込まれたアノテーションがキャプチャされる範囲95を示す図である。画像生成部23は、文書上におけるアノテーションのX座標およびY座標夫々の最大値および最小値を取得し、取得された4点を頂点とする矩形の範囲95を画像としてキャプチャすることで、キャプチャ画像を生成する。但し、画像生成部23は、アノテーションの周囲の情報もキャプチャ画像に取り入れるために、前記取得された4点よりも所定の値だけ外側の4点を頂点とする矩形の範囲をキャプチャすることとしてもよい。
【0050】
投稿部24は、キャプチャ画像を含む付随情報を投稿する。本実施形態では、投稿部24は、画像生成部23によってキャプチャされたキャプチャ画像を、キャプチャの対象となった電子文書に関連付けられるコメントとして、タイムラインに投稿する。何れかのユーザがアノテーションを付加すると、タイムラインにキャプチャされた画像が投稿されるため、他のユーザは、アノテーションが行われたこと、およびそのアノテーションの内容を同時に認識することが出来る。
【0051】
設定部25は、記憶装置に蓄積される電子文書に、互いに連続性を有する複数の電子文書間のバージョンの新旧を判別可能な文書IDを設定する。文書IDは、改版等によって互いに連続性を有する複数の電子文書の新旧を判別可能な情報であり、本実施形態では、新たな電子文書ほど、より大きな値の文書IDが付与されることで、複数の電子文書の新旧が判別可能となっている。なお、複数の電子文書が、互いに連続性を有するか否かは、電子文書のファイル名や保存先URLによって判定可能である。但し、文書IDとしては、電子文書の連続性を判定可能な部分と、電子文書の新旧を判定可能な部分(例えば、バージョン情報)と、を含むものが採用されてもよい。
【0052】
要求受付部26は、ユーザ操作に応じてクライアント端末9から送信された、記憶装置に蓄積されている電子文書の要求を受け付ける。
【0053】
付随情報取得部27は、要求受付部26によって電子文書の要求が受け付けられたことを受けて、文書IDに基づいて、要求受付部26によって受け付けられた要求に係る電子文書に関連付けられた付随情報、および当該要求に係る電子文書より古いバージョンの電子文書に関連付けられた付随情報を取得する。
【0054】
応答出力部28は、要求に対する応答として、要求に係る電子文書、付随情報取得部27によって取得された付随情報を出力する。ここで、出力の対象となる付随情報には、要求に係る電子文書に関連付けられた付随情報、および要求に係る電子文書より古いバージョンの電子文書に関連付けられた付随情報が含まれる。そして、本実施形態において、付随情報には、コメント、アノテーション、キャプチャ画像の他、要求に係る電子文書や古いバージョンの電子文書が電子文書管理サーバ1によって受け付けられた際の投稿内容(即ち、親ポストの内容)、が含まれる。
【0055】
検出部29は、電子文書に関連付けられた付随情報のうち、所定の条件を満たす付随情報を検出する。本実施形態では、所定の条件を満たす付随情報として、修正依頼コメントおよび称賛コメントが検出される。検出部29は、予め定義された、修正依頼を意味する文言や、称賛を意味する文言を用いてコメントの内容を検索し、検索の結果修正依頼を意味する文言が索出されたコメントを修正依頼コメントとして検出し、称賛を意味する文言が索出されたコメントを称賛コメントとして検出する。
【0056】
確認状態管理部30は、検出部29によって検出された付随情報の、所定のユーザ(本実施形態では、電子文書を投稿したユーザ)による確認状態を管理する。本実施形態では、修正依頼コメントのみが検出時に「未確認」に設定され、電子文書を投稿したユーザから確認されることで「確認済」に変更される。
【0057】
メッセージ出力部31は、所定の条件を満たす付随情報が検出された場合に、検出された付随情報の確認を促すための確認メッセージを出力する。本実施形態では、メッセージ出力部31は、修正依頼コメントや称賛コメントが検出された場合に、検出された修正依頼コメントや称賛コメントの確認を促すための確認メッセージを出力する。また、修正依頼コメントの確認メッセージには、検出部29によって検出された修正依頼コメントであって確認状態が未確認となっている修正依頼コメントの数が含まれる。
【0058】
判定部32は、新たなバージョンの電子文書が受け付けられた際、古いバージョンの電子文書に関連付けられている付随情報に、確認状態が未確認となっている付随情報(本実施形態では、修正依頼コメント)があるか否かを判定する。
【0059】
警告出力部33は、判定部32によって未確認の付随情報(本実施形態では、修正依頼コメント)があると判定された場合に、警告を出力する。
【0060】
<データの構成>
次に、本実施形態において用いられる各データベースによって管理されるデータについて説明する。
【0061】
図5は、本実施形態に係る電子文書データベース3によって管理されるデータを示す図である。電子文書データベース3には、電子文書管理サーバ1に保存される電子文書(電子文書ファイル)毎に、文書ID、電子文書のサムネイル画像のURL、電子文書の保存先を示すURL、電子文書の作成者(実際には、電子文書を投稿したユーザ)のユーザID、および電子文書の作成日時、が蓄積される。
【0062】
図6は、本実施形態に係るコメントデータベース4によって管理されるデータを示す図である。コメントデータベース4には、コメント毎に、コメントID、コメントが関連付けられる電子文書の文書ID、コメントの親ポストのコメントID(コメントが子ポストである場合のみ)、コメント本文(内容)、コメントが関連付けられるアノテーションのアノテーションID、コメントが関連付けられる電子文書内のページのページID、コメントを投稿したユーザのユーザID、が蓄積される。
【0063】
図7は、本実施形態に係るアノテーションデータベース5によって管理されるデータを示す図である。アノテーションデータベース5には、アノテーション毎に、アノテーションID、アノテーションの種類(例えば、フリーハンドで描かれた線、丸や矩形、矢印等の図形の種類、テキスト、等)を示す情報、アノテーションの内容、アノテーションを行ったユーザのユーザID、アノテーションが関連付けられる電子文書内のページのページID、アノテーションの座標、アノテーションのキャプチャ画像、が蓄積される。なお、アノテーションの内容は、電子文書内の座標等を用いた情報で記録することが可能である。例えば、アノテーションがフリーハンドで描かれた線によって構成される場合、この線が通過する座標によって、アノテーションの内容を表す事が出来る。
【0064】
図8は、本実施形態に係る確認判定データベース6によって管理されるデータを示す図である。確認判定データベース6には、後述するスクリーニング処理によって精査されたコメント毎に、確認対象コメントの確認を行うべきユーザ(通常は、対象の電子文書を投稿したユーザ)のユーザID、確認対象コメントのコメントID、確認対象コメントの確認状態、確認が行われた日時、判定結果、判定が行われた日時、が蓄積される。ここで、判定結果は、スクリーニングの結果を示す情報である。本実施形態では、判定結果には、コメントの種類(称賛コメント、修正依頼コメント、その他のコメント)を表す値が設定される。
【0065】
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る処理の詳細を説明する。なお、本実施形態において説明される処理の具体的な内容および順序等は、実施する上での一例である。具体的な処理内容および順序等は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
【0066】
図9は、本実施形態に係る、電子文書登録処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、クライアント端末9から電子文書管理サーバ1に対して電子文書のアップロードが行われたことを契機として開始される。
【0067】
ステップS101およびステップS102では、電子文書のアップロードが受け付けられ、同名の電子文書の有無が判定される。電子文書管理サーバ1の制御部10は、クライアント端末9から送信された電子文書を、ネットワークを介して受信する(ステップS101)。そして、制御部10は、受信した電子文書の名称として、電子文書のファイル名を取得し、補助記憶装置14に蓄積された電子文書(または電子文書データベース3)を検索することで、受信した電子文書がと同じ名称の電子文書が既に蓄積(登録)されているか否かを判定する(ステップS102)。同名称の電子文書が電子文書データベース3に蓄積されていると判定された場合、処理はステップS106へ進む。一方、同名称の電子文書が電子文書データベース3に蓄積されていないと判定された場合、処理はステップS103へ進む。
【0068】
なお、本実施形態では、電子文書の名称として、電子文書のファイル名を用いる事としているが、ファイル名以外の名称が電子文書の名称として採用されてもよい。例えば、電子文書内のメタデータ等に設定された電子文書のタイトルが、電子文書の名称として採用されてもよい。
【0069】
ステップS103からステップS105では、電子文書の、電子文書データベース3への新規登録処理が行われる。設定部25は、ステップS101で受信された電子文書に対して、既登録の他の電子文書に付されたIDと重複しない新たな文書IDを設定し、電子文書データベース3に当該電子文書を管理するためのレコードを作成することで、当該電子文書をデータベースに登録する(ステップS103)。ここで設定される文書IDは、互いに連続性を有する複数の電子文書間のバージョンの新旧を判別可能な情報である。例えば、より新しい電子文書ほどより大きな値が文書IDとして設定されることで、複数の電子文書間のバージョンの新旧を判別可能である。
【0070】
そして、制御部10は、ステップS101で受信された電子文書の、電子文書管理サーバ1上のステータスをチェックイン状態に設定し(ステップS104)、電子文書管理サーバ1の補助記憶装置14は、当該電子文書を蓄積する(ステップS105)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。即ち、新規の電子文書に関しては、ステップS103からステップS105に示された処理が実行されることで、新たに文書IDが設定され、その後、電子文書管理サーバ1によるバージョン管理が可能となる。
【0071】
なお、ここでチェックイン状態とは、対象の電子文書が何れのユーザによっても編集中でないことを示す状態であり、チェックアウト状態とは、対象の電子文書が何れかのユーザによって編集中であり、その他のユーザによる編集が排他制御されている状態である。本実施形態に係る電子文書管理サーバは、チェックイン状態とチェックアウト状態とを用いて電子文書を管理することで、同一の電子文書に対して、異なるユーザが異なる編集を行ってしまうことを防止している。但し、コメントやアノテーション等の付加については、電子文書自体の改編ではなく、電子文書とは分離可能な付随情報であるため、チェックアウト処理は不要である。
【0072】
一方、ステップS102において同名称の電子文書が電子文書データベース3に蓄積されていると判定された場合、処理はステップS106へ進む。
【0073】
ステップS106およびステップS107では、同名称の電子文書がチェックアウト可能である場合に、チェックアウト処理が行われる。電子文書管理サーバ1は、ステップS102において検出された同名称の電子文書のうち、最も新しいものの状態が、チェックイン状態であるか否かを判定する(ステップS106)。最新の同名称電子文書の状態がチェックイン状態でない場合(即ち、他のユーザによって編集中でありチェックアウト状態である場合)、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、最新の同名称電子文書の状態がチェックイン状態である場合、当該電子文書をチェックアウト要求に係るユーザによるチェックアウト状態に設定し、ステップS101でアップロードされた電子文書による改版(バージョンアップ)を許可する(ステップS107)。その後、処理はステップS108へ進む。
【0074】
ステップS108では、電子文書に対して文書IDが設定される。設定部25は、ステップS101で受信された電子文書に対して、既登録の他の電子文書に付されたIDと重複しない(互いに連続性を有する複数の電子文書間のバージョンの新旧を判別可能な)新たな文書IDを付し、電子文書データベース3に当該電子文書を管理するためのレコードを作成することで、当該電子文書をデータベースに登録する(ステップS108)。ここで、文書ID中の、改版前後の電子文書間で共通する部分には、改版前の電子文書に付された文書IDと同じ値が設定され、バージョン部分(改版前後の電子文書間で異なる部分)には、改版前の電子文書と異なる値であって、改版前の電子文書に設定されていた値よりも大きな値が設定される。その後、処理はステップS109へ進む。
【0075】
ステップS109では、未確認のコメントの有無が判定される。判定部32は、確認判定データベース6に問い合わせることで、改版前の電子文書に関連付けられている付随情報に、未確認のコメントが残っているか否かを判定する。具体的には、判定部32は、コメントデータベース4から、改版前の電子文書の文書IDが設定されたコメントを抽出することで、改版前の電子文書に関連付けられたコメントのコメントIDを抽出し、更に、抽出されたコメントIDの確認状態を確認判定データベース6に問い合わせることで、判定を行う。ここでは、確認状態に「未確認」を示す値が設定されているコメントが、未確認のコメントであると判定される。改版前の電子文書について、未確認のコメントが残っていると判定された場合、処理はステップS110へ進む。一方、改版前の電子文書について、未確認のコメントが残っていないと判定された場合、ステップS110からステップS112の処理はスキップされ、処理はステップS113へ進む。
【0076】
ステップS110からステップS112では、未確認のコメントに対する処理が行われる。警告出力部33は、改版前の電子文書について、未確認のコメントが残っていることをユーザに通知するための警告メッセージを生成し、クライアント端末9に送信する(ステップS110)。クライアント端末9は、受信した警告メッセージを表示し、電子文書の改版処理を続行するか否かを示すユーザ操作を受け付ける。クライアント端末9は、ユーザ操作を受け付けると、ユーザ操作に応じた指示を電子文書管理サーバ1に送信する。電子文書管理サーバ1の制御部10は、クライアント端末9から受信した指示に応じて、電子文書の改版処理を続行するか否かを決定する(ステップS111)。電子文書の改版処理を続行しない場合、電子文書の改版処理はキャンセルされ、本フローチャートに示された処理は終了する。一方、電子文書の改版処理を続行する場合、確認状態管理部30は、未確認のコメントを強制的に確認済に設定する(ステップS112)。具体的には、確認状態管理部30は、確認判定データベース6中の、改版前の電子文書に関連付けられているコメント(ステップS109において、確認状態に「未確認」を示す値が設定されていると判定されたコメント)の確認状態を、「確認済」を示す値に設定する。その後、処理はステップS113へ進む。
【0077】
ステップS113およびステップS114では、電子文書の、電子文書データベース3への改版登録処理が行われる。制御部10は、ステップS101で受信された電子文書の、電子文書管理サーバ1上のステータスをチェックイン状態に設定し(ステップS113)、電子文書管理サーバ1の補助記憶装置14は、当該電子文書を蓄積する(ステップS114)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0078】
ここで、改版前の電子文書は、改版後の電子文書によって上書きされず、異なるURLが付される。また、本ステップで登録される改版後の電子文書は、ステップS108において設定された、改版前の電子文書の文書IDとは異なる文書IDによって管理される。
【0079】
図10は、本実施形態に係る、電子文書登録処理の流れのバリエーションを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、クライアント端末9から、編集を所望する電子文書を指定したチェックアウト要求が送信されたことを契機として開始される。
【0080】
ステップS201からステップS203では、電子文書のチェックアウト要求が受け付けられ、チェックアウト可能である場合に、チェックアウト処理が行われる。電子文書管理サーバ1は、クライアント端末9から、編集を所望する電子文書を指定したチェックアウト要求を受け付けると(ステップS201)、要求に係る電子文書の現在の状態が、チェックイン状態であるか否かを判定する(ステップS202)。要求に係る電子文書の状態がチェックイン状態でない場合(即ち、そのような電子文書が存在しないか、他のユーザによって編集中でありチェックアウト状態である場合)、本フローチャートに示された
処理は終了する。一方、要求に係る電子文書の状態がチェックイン状態である場合、当該電子文書をチェックアウト要求に係るユーザによるチェックアウト状態に設定し、クライアント端末9からの編集を許可する(ステップS203)。その後、処理はステップS204へ進む。
【0081】
ステップS204およびステップS205では、電子文書の編集およびチェックイン要求の受付が行われる。ユーザは、チェックアウト操作を行ったクライアント端末9のWebブラウザアプリケーションを介して、電子文書に対する編集操作を行うことが出来る。電子文書管理サーバ1は、ユーザ操作に応じてクライアント端末9から送信される編集指示を受け付け、電子文書を編集する(ステップS204)。そして、ユーザは、所望の編集作業を終えると、クライアント端末9において保存操作(チェックイン操作)を行う。電子文書管理サーバ1は、ユーザ操作に応じてクライアント端末9から送信されたチェックイン要求を受け付ける(ステップS205)。その後、処理はステップS206へ進む。
【0082】
ステップS206からステップS212に示す処理の内容は、
図9を用いて説明したステップS108からステップS114の処理と概略同様であるため、説明を省略する。即ち、本実施形態に係るシステムによれば、クライアント端末9において編集した電子文書のアップロード(投稿)の他にも、Webブラウザアプリケーションを用いた電子文書の編集によって、電子文書の改版を行うことが可能である。
【0083】
図11は、本実施形態に係る、電子文書送信処理の流れを示すフローチャートである。クライアント端末9は、電子文書管理サーバ1から、電子文書データベース3に蓄積されたサムネイル画像のURLの配信を受けて、SNSによって管理されるグループのページ(図示は省略する)に電子文書のサムネイルを表示し、このサムネイルに基づいて所望の電子文書をユーザに選択させる。このサムネイルは、当該グループに係るポストの内容として表示されてよい。ユーザ操作によって何れかのサムネイル画像が選択されると、クライアント端末9は、サムネイル画像に対応する電子文書の要求を、電子文書管理サーバ1に対して送信する。そして、本フローチャートに示された処理は、クライアント端末9から送信された、電子文書管理サーバ1によって管理されている何れかの電子文書の要求が受信されたことを契機として開始される。
【0084】
ステップS301からステップS303では、電子文書の要求が受信され、要求に係る電子文書の文書IDおよび電子文書のファイルが取得される。要求受付部26は、クライアント端末9から送信された、電子文書管理サーバ1によって管理されている何れかの電子文書の要求を受け付ける(ステップS301)。制御部10は、要求を受け付けると、クライアント端末9から受信した要求において指定された電子文書のURLで電子文書データベース3を検索し、当該URLに係るデータの文書IDを取得する(ステップS302)。更に、制御部10は、取得された文書IDに対応する電子文書を、電子文書の保存先(本実施形態では、URLで指定される)から取得する(ステップS303)。その後、処理はステップS304へ進む。
【0085】
ステップS304およびステップS305では、表示対象の電子文書が改版された電子文書である場合に、改版前(本実施形態では、1バージョン前)の文書IDが取得される。制御部10は、クライアント端末9から受信した要求において指定された電子文書のファイル名で電子文書データベース3を検索し、当該ファイル名に係る文書IDが複数存在するか否かに基づいて、要求に係る電子文書が改版に係る電子文書であるか否かを判定する(ステップS304)。但し、判定の方法は上記説明した例に限定されない。例えば、指定された電子文書に係る最新の文書IDを取得し、この文書IDの内容に基づいて(例えば、バージョン番号に相当する部分を参照することで)、要求に係る電子文書が改版に
係る電子文書であるか否かを判定してもよい。表示対象の電子文書が改版に係る電子文書ではないと判定された場合、ステップS305の処理はスキップされ、処理はステップS306へ進む。一方、表示対象の電子文書が改版に係る電子文書であると判定された場合、制御部10は、電子文書データベース3から、要求において指定された電子文書と同じファイル名に係るが、1バージョン前(即ち、改版前)の電子文書の文書IDを索出し、取得する(ステップS305)。より具体的には、制御部10は、電子文書データベース3に蓄積されているレコードの、表示対象の電子文書と同じファイル名が保存先URLに指定されており且つ文書IDが表示対象の電子文書の文書IDよりも古い(本実施形態では、小さい)レコードのうち、文書IDが最も新しい(大きい)レコードを抽出することで、1バージョン前の電子文書の文書IDを索出する。但し、1バージョン前の文書IDの取得方法は、文書IDのフォーマットによっても異なるため、実施の形態に応じて適切な方法が採用されてよい。その後、処理はステップS306へ進む。
【0086】
ステップS306では、取得された文書IDに関連付けられた付随情報が取得される。なお、本ステップでは、ステップS303において取得された、クライアント端末9からの要求に係る電子文書の文書IDに関連付けられた付随情報の他、ステップS305において1バージョン前の電子文書の文書IDが取得されている場合には、1バージョン前の文書IDに関連付けられた付随情報も取得される。付随情報取得部27は、取得された文書IDに基づいてコメントデータベース4を検索することで、要求に係る電子文書に関連付けられたコメント、および1バージョン前の電子文書に関連付けられたコメントを取得する。更に、付随情報取得部27は、取得されたコメントに設定されているアノテーションIDに基づいてアノテーションデータベース5を検索することで、要求に係る電子文書に関連付けられたアノテーションとキャプチャ画像を取得し、更に1バージョン前の電子文書に関連付けられたアノテーションとキャプチャ画像を取得する。その後、処理はステップS307へ進む。
【0087】
ステップS307では、取得された電子文書、コメント、アノテーションおよびキャプチャ画像が、クライアント端末9に対して送信される。応答出力部28は、ステップS303で取得された、要求に係る電子文書と、ステップS306で取得された、要求に係る電子文書に関連付けられたコメント、アノテーションおよびキャプチャ画像と、1バージョン前の電子文書に関連付けられたコメント、アノテーションおよびキャプチャ画像と、をクライアント端末9に対して送信し、クライアント端末9のWebブラウザアプリケーションに表示させる。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0088】
なお、電子文書送信処理の結果送信された情報に基づいてクライアント端末9によって表示される電子文書表示画像90は、
図2を用いて説明した通りである。上記説明したフローチャートに係る処理によれば、クライアント端末9から要求された電子文書に加えて、この電子文書より古いバージョンの電子文書に関連付けられている付随情報が出力されるために、単一の電子文書に関連する情報に制限されないユーザ間コミュニケーションが可能となる。
【0089】
図12は、本実施形態に係る、メッセージ出力処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、文書IDによって区別される電子文書毎に、定期的に実行される。
【0090】
ステップS401では、コメントデータベース4に蓄積されたコメントのスクリーニングが行われる。ここで、スクリーニングとは、コメントデータベース4に蓄積された、対象電子文書に関連付けられたコメントの中から所定の条件を満たすコメントを抽出するために、データベースに蓄積された情報を精査することをいう。検出部29は、電子文書に関連付けられた付随情報のうち、所定の条件を満たす付随情報(本実施形態では、修正依
頼コメントおよび称賛コメント)を検出する。本実施形態では、コメントに対象電子文書の文書IDが設定されている事、およびコメントに修正を依頼するための文言が含まれること、が所定の条件として設定される事で、対象電子文書についての修正依頼コメントが抽出される。更に、本実施形態では、コメントに対象電子文書の文書IDが設定されている事、およびコメントに称賛の文言が含まれること、が所定の条件として設定される事で、対象電子文書についての称賛コメントが抽出される(ステップS401)。ここで、スクリーニングは、未スクリーニングのコメントがなくなるまで実行される。その後、処理はステップS402へ進む。
【0091】
なお、本実施形態では、スクリーニングの対象はコメントのみに限定されているが、アノテーションやキャプチャ画像等、その他の付随情報についても、スクリーニングの対象とされてよい。
【0092】
ステップS402からステップS404では、コメントのステータスが設定される。確認状態管理部30は、ステップS401のスクリーニングによって新たに抽出された称賛コメントについて、確認判定データベース6に、抽出されたコメントのコメントIDを記録し、当該コメントIDに対応する確認状態を「確認済」を示す値に設定する(ステップS402)。また、確認状態管理部30は、ステップS401のスクリーニングによって新たに抽出された修正依頼コメントについて、確認判定データベース6に、抽出されたコメントのコメントIDを記録し、当該コメントIDに対応する確認状態を「未確認」を示す値に設定する(ステップS403)。更に、確認状態管理部30は、ステップS401のスクリーニングによってスクリーニング済となった、称賛コメントまたは修正依頼コメントの何れでもないコメントについて、確認判定データベース6にコメントIDを記録し、当該コメントIDに対応する確認状態を「確認済」を示す値に設定する(ステップS404)。その後、処理はステップS405へ進む。
【0093】
ステップS405からステップS407では、称賛コメントの数が集計され、電子文書の投稿者に称賛コメントがあった事を通知するメッセージが自動投稿される。制御部10は、ステップS401のスクリーニングによって抽出された称賛コメントの数を集計する(ステップS405)。ここで集計の対象となる称賛コメントは、今回のスクリーニングによって新たに抽出された称賛コメントであり、前回のスクリーニングで抽出されてスクリーニング済となっている称賛コメントは集計の対象とならない。称賛コメントの数が集計されると、メッセージ出力部31は、電子文書の投稿者に称賛コメントがあった事を通知するメッセージを生成し(ステップS406)、生成されたメッセージを、対象の電子文書に関する新たなコメントとして投稿する(ステップS407)。メッセージの内容は、例えば、「(ユーザID)さん、この電子文書に対して新たにX件の称賛コメントが投稿されています」等とすることが出来る。ここで、(ユーザID)には、電子文書の投稿者のユーザIDが入る。その後、処理はステップS408へ進む。
【0094】
ステップS408からステップS410では、未確認の修正依頼コメントの数が集計され、電子文書の投稿者に未確認の修正依頼コメントがある事を通知するメッセージが自動投稿される。制御部10は、確認判定データベース6において、対象電子文書の文書IDが設定されたコメントであって、確認状態に「未確認」を示す値が設定されているコメントの数を集計する(ステップS408)。ここで集計の対象となる称賛コメントは、ステップS401のスクリーニングによって新たに抽出された修正依頼コメントに限定されない。このため、電子文書の投稿者が確認作業を行わない事で確認状態が「未確認」のままとなっている修正依頼コメントは、確認状態が「確認済」となるまで、集計の対象となる。未確認の修正依頼コメントの数が集計されると、メッセージ出力部31は、電子文書の投稿者に未確認の修正依頼コメントがある事を通知するメッセージを生成し(ステップS409)、生成されたメッセージを、対象の電子文書に関する新たなコメントとして投稿
する(ステップS410)。メッセージの内容は、例えば、「(ユーザID)さん、この電子文書に対してX件の未確認の修正依頼コメントが投稿されています」等とすることが出来る。ここで、(ユーザID)には、電子文書の投稿者のユーザIDが入る。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0095】
本実施形態に係るシステムでは、上記説明したような自動投稿が行われる事で、メッセージがタイムラインに表示され、電子文書の投稿者に所定のメッセージの確認を促すことが出来る。