特許第6298703号(P6298703)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特許6298703-キャップ 図000002
  • 特許6298703-キャップ 図000003
  • 特許6298703-キャップ 図000004
  • 特許6298703-キャップ 図000005
  • 特許6298703-キャップ 図000006
  • 特許6298703-キャップ 図000007
  • 特許6298703-キャップ 図000008
  • 特許6298703-キャップ 図000009
  • 特許6298703-キャップ 図000010
  • 特許6298703-キャップ 図000011
  • 特許6298703-キャップ 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6298703
(24)【登録日】2018年3月2日
(45)【発行日】2018年3月20日
(54)【発明の名称】キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/26 20060101AFI20180312BHJP
   B65D 47/12 20060101ALI20180312BHJP
   B65D 45/02 20060101ALI20180312BHJP
【FI】
   B65D41/26
   B65D47/12
   B65D45/02
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-93683(P2014-93683)
(22)【出願日】2014年4月30日
(65)【公開番号】特開2015-209250(P2015-209250A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2016年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 剛
【審査官】 高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−126219(JP,A)
【文献】 特開2006−327671(JP,A)
【文献】 実開昭57−029547(JP,U)
【文献】 実開昭59−143946(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D35/44−35/54
B65D39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、内容物を注出する注出筒が底壁部から立設された有底筒状のキャップ本体と、
前記キャップ本体に着脱自在に装着され、前記注出筒を開閉する計量キャップと、を有するキャップであって、
前記計量キャップは、
有頂筒状の計量カップと、
前記キャップ本体における周壁部の外周面にアンダーカット嵌合される装着筒部と、を備え、
前記キャップ本体には、前記計量キャップのキャップ軸方向の外側への移動を規制する規制部材が分離可能に連結され
前記計量カップは、前記装着筒部に対して前記キャップ軸方向の外側に突出し、
前記規制部材は、前記計量カップが挿通されたリング状に形成されていることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記周壁部の外周面及び前記装着筒部の内周面には、前記キャップ本体と前記計量キャップとのキャップ軸周りの相対回転に伴い、互いに摺接することで前記計量キャップをキャップ軸方向の外側に向けて案内する案内部が各別に配設されていることを特徴とする請求項1記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャップとして、内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、内容物を注出するための注出筒が底壁部から立設された有底筒状のキャップ本体と、キャップ本体の周壁部に着脱自在に装着された有頂筒状の計量キャップと、を有する構成が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
上述したキャップを使用する際は、まずキャップ本体から計量キャップを取り外す。次に、容器本体を傾け、注出筒を通して計量キャップ内に容器本体内の内容物を計量しながら注入する。その後、計量された内容物を計量キャップから注出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−126214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のキャップでは、計量キャップとキャップ本体とが螺着によって装着される構成であるため、使用段階における着脱の操作性を向上させる点で改善の余地があった。
一方で、流通時や保管時、陳列時等の流通段階においては、計量キャップがキャップ本体に対して予期せず取り外されるのを抑制する必要がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、流通段階で計量キャップがキャップ本体から予期せず取り外されるのを抑制できるとともに、使用段階での操作性を向上させることができるキャップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係るキャップは、内容物が収容される容器本体の口部に装着されるとともに、内容物を注出する注出筒が底壁部から立設された有底筒状のキャップ本体と、前記キャップ本体に着脱自在に装着され、前記注出筒を開閉する計量キャップと、を有するキャップであって、前記計量キャップは、有頂筒状の計量カップと、前記キャップ本体における周壁部の外周面にアンダーカット嵌合される装着筒部と、を備え、前記キャップ本体には、前記計量キャップのキャップ軸方向の外側への移動を規制する規制部材が分離可能に連結され、前記計量カップは、前記装着筒部に対して前記キャップ軸方向の外側に突出し、前記規制部材は、前記計量カップが挿通されたリング状に形成されていることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、キャップ軸方向における外側への計量キャップの移動を規制する規制部材がキャップ本体に分離可能に連結されているため、流通段階において計量キャップがキャップ本体から予期せず取り外されるのを抑制できる。また、使用段階においては、規制部材をキャップ本体から分離させることで、規制部材に規制されることなくキャップ本体に対して計量キャップを着脱できる。
しかも、計量キャップの装着筒部がキャップ本体の周壁部にアンダーカット嵌合により装着されるため、例えば螺着によって装着されている場合に比べて使用段階での操作性を向上させることができる。
【0008】
さらに、周壁部と装着筒部とがアンダーカット嵌合されているため、例えば周壁部と装着筒部とが螺着された構成に比べて、周壁部の外周面と装着筒部の内周面との密着面積が小さくなる。そのため、周壁部の外周面と、装着筒部の内周面と、の間で内容物が固化して、計量キャップがキャップ本体から取り外し難くなることを抑制できる。
【0009】
また、前記周壁部の外周面及び前記装着筒部の内周面には、前記キャップ本体と前記計量キャップとのキャップ軸周りの相対回転に伴い、互いに摺接することで前記計量キャップをキャップ軸方向の外側に向けて案内する案内部が各別に配設されていてもよい。
この構成によれば、案内部が、キャップ本体と計量キャップとのキャップ軸周りの相対回転に伴い、計量キャップがキャップ軸方向の外側に向けて案内されるため、周壁部と装着筒部とのアンダーカット嵌合を回転操作によって簡単に取り外すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るキャップによれば、流通段階で計量キャップがキャップ本体から予期せず取り外されるのを抑制できるとともに、使用段階での操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るキャップの平面図である。
図2図1のA−A線に沿う断面図である。
図3】実施形態に係るキャップの作用を説明するための図であって、図2に相当する断面図である。
図4】実施形態の他の構成に係るキャップの平面図である。
図5図4のB−B線に沿う断面図である。
図6】実施形態の他の構成に係るキャップの作用を説明するための図であって、図5に相当する断面図である。
図7】実施形態の他の構成に係るキャップの断面図である。
図8図7のC部拡大断面図である。
図9】実施形態の他の構成に係るキャップの断面図である。
図10図9に示すキャップの作用を説明するための展開図である。
図11図9に示すキャップの作用を説明するための展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1図2に示すように、本実施形態のキャップ1は、内容物が収容される有底筒状の容器本体2の口部3に装着される有底筒状のキャップ本体11と、キャップ本体11に着脱自在に装着された有頂筒状の計量キャップ12と、を備えている。なお、容器本体2、キャップ本体11、及び計量キャップ12は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、この共通軸をキャップ軸Oといい、キャップ軸Oに沿う容器本体2側を単に下側、計量キャップ12側を単に上側という。さらに、キャップ軸O方向から見た平面視で、キャップ軸Oに直交する方向を径方向といい、キャップ軸O周りに周回する方向を周方向という。
【0013】
なお、図示の例において、容器本体2の口部3は、基筒部3aと、基筒部3aの上方に連設され、基筒部3aに対して縮径された縮径部3bと、を有している。
【0014】
図2に示すように、キャップ本体11は、容器本体2の口部3に外装された外装筒13と、口部3内に配設された周壁部14と、周壁部14の下端縁に連設されて口部3を閉塞する底壁部15と、を有している。
【0015】
外装筒13は、容器本体2の口部3(基筒部3a)に螺着されている。外装筒13の下端部には、基筒部3aの下端部に形成された容器側規制部16に係合し、キャップ本体11を容器本体2に対して着脱不能とするキャップ側規制部17が形成されている。また、外装筒13の上端部は、口部3(縮径部3b)の上端縁よりも上方に位置している。なお、外装筒13はアンダーカット嵌合等により口部3に装着されていても構わない。
【0016】
外装筒13のうち、キャップ軸O方向における中間部には、口部3の上端縁上に配置され、径方向の内側に向けて突出するフランジ部21が連設されている。フランジ部21における径方向の内側端部は、周壁部14におけるキャップ軸O方向の中間部に連設されている。
【0017】
周壁部14は、上端部が口部3よりも上方に位置しているとともに、下端部が口部3(縮径部3b)の内周面に液密に嵌合されている。周壁部14の上端部のうち、フランジ部21よりも上方に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出する案内突部(案内部)22が周方向に間隔をあけて複数形成されている。これら案内突部22は、径方向から見た側面視で三角形状を呈し、上方に向かうに従い周方向における幅が漸次縮小している。具体的に、案内突部22は、その下端縁は周方向に沿って延びるとともに、側端縁はキャップ軸Oに対して傾斜している。図示の例において、案内突部22の下端はフランジ部21に連設され、上端が周壁部14の上端縁よりも下方に位置している。なお、本実施形態において、各案内突部22は、後述するスリット25に対して周方向の両側に90°ずれた位置に一対で形成されている。
また、周壁部14の下端部のうち、縮径部3bよりも下方に位置する部分は、下方に向かうに従い漸次縮径されている。
【0018】
底壁部15は、径方向のうち、第1方向における一方側から他方側に向かうに従い下方に向けて傾斜している。底壁部15には、底壁部15をキャップ軸O方向に貫通する注出口23が形成されている。また、底壁部15のうち、注出口23の内周縁には、上方に向けて延びる注出筒24が立設されている。
【0019】
注出筒24は、キャップ軸Oと同軸状に延びるとともに、その上端縁が上述した外装筒13よりも上方に位置している。注出筒24の上端縁は、上述した第1方向の一方側から他方側に向かうに従い下方に向けて傾斜するとともに、一方側の端部が先鋭形状を呈している。
【0020】
注出筒24のうち、第1方向の他方側に位置する部分には、径方向に開放されたスリット25がキャップ軸O方向に沿って延設されている。スリット25は、キャップ軸O方向における注出筒24の全体に亘って形成されている。
そして、上述した底壁部15のうち、注出筒24よりも第1方向の他方側に位置する部分には、底壁部15をキャップ軸O方向で貫通する回収孔28が形成されている。この回収孔28は、スリット25内に連通するとともに、スリット25を通して上述した注出口23に連通している。なお、回収孔28は、内容物の注出後、底壁部15上に残存した内容物を回収するための機能に加え、注出時における空気置換の機能も有している。図示の例において、回収孔28における第1方向の他方側に位置する端部は、底壁部15の外周縁に位置している。
【0021】
図1図2に示すように、計量キャップ12は、有頂筒状の計量カップ31と、計量カップ31のキャップ軸O方向における中間部から径方向の外側に向けて突設されたフランジ部32と、フランジ部32の外周縁から下方に向けて延設され、キャップ本体11に装着される装着筒部33と、を有している。
【0022】
計量カップ31は、上方及び径方向の外側から上述した注出筒24を被覆するように配置されている。計量カップ31の周壁部において、フランジ部32よりも上方に位置する上側部分の外周面には、キャップ軸O方向に沿って延びるリブ35が周方向に間隔をあけて複数形成されている。
計量カップ31の周壁部において、フランジ部32よりも下方に位置する下側部分は、上述した上側部分に比べて拡径されている。なお、下側部分の下端縁は、下方に向かうに従い漸次径方向の外側に向けて延在し、かつ肉厚が薄くなるリップ部を構成している。
【0023】
図2に示すように、フランジ部32における径方向の中間部には、下方に向けてシール筒37が延設されている。このシール筒37は、キャップ本体11の周壁部14内に嵌合している。なお、フランジ部32の上面は、キャップ軸O方向における位置が上述した外装筒13の上端縁と同等になっている。
【0024】
装着筒部33は、径方向におけるキャップ本体11の外装筒13及び周壁部14間に位置し、周壁部14に外装されている。装着筒部33には、径方向の内側に向けて窪む案内凹部(案内部)41が周方向に間隔をあけて複数形成されている。これら案内凹部41は、上述した案内突部22に対応した形状を呈し、上述した案内突部22が各別に収容されている。具体的に、案内凹部41は、装着筒部33の下端縁において下方に開放されるとともに、側端縁はキャップ軸Oに対して傾斜している。
【0025】
また、装着筒部33の下端部には、径方向の内側に向けて突設された第1係止部44が周方向に沿って延在している。この第1係止部44は、上述した周壁部14から径方向の外側に向けて突設された第2係止部43に下方から係止されている。すなわち、本実施形態において、計量キャップ12は、装着筒部33がキャップ本体11の周壁部14に径方向の外側からアンダーカット嵌合されている。なお、装着筒部33の下端部において、第1係止部44よりも上方に位置する部分には、径方向の内側に向けて窪む周溝42が周方向に沿って延設されている。この周溝42内には、上述した第2係止部43が嵌合している。
【0026】
ここで、図1図2に示すように、上述したキャップ本体11の外装筒13には、キャップ本体11に対する計量キャップ12の上方移動を規制する規制部材51がキャップ本体11に一体的に形成されている。この規制部材51は、外装筒13とほぼ同径に形成されたリング状とされている。規制部材51は、計量キャップ12の計量カップ31を径方向の外側から囲繞するとともに、下端縁が外装筒13の上端縁に近接または当接している。
規制部材51は、第1方向の他方側に位置する部分が破断可能なヒンジ部52を介して外装筒13の上端縁に回動可能に連結されている。
【0027】
規制部材51のうち、第1方向の一方側に位置する部分には、径方向の外側に向けて張り出す張出部56が形成されている。張出部56には、径方向に沿って弾性変形可能な係止片54が下方に向けて延設されている。この係止片54には、外装筒13に形成された係止突起53が係止されている。なお、係止片54の下端部における内周面は、下方に向かうに従い径方向の外側に向けて傾斜する傾斜面とされている。
張出部56の上端縁には、径方向の外側に向けて操作片55が突設されている。
【0028】
また、規制部材51には、径方向の内側に向けて突出する規制突部57が、周方向に間隔をあけて複数形成されている。これら規制突部57は、キャップ軸O方向における規制部材51の全体に亘って形成されている。規制突部57は、径方向の内側端部がキャップ軸O方向から見た平面視で、上述した計量キャップ12のフランジ部32の外周部分と重なる位置まで延在し、フランジ部32に上方から近接または当接している。これにより、キャップ本体11に対する計量キャップ12の上方移動が規制されている。なお、規制突部57の内側端部は、径方向の内側に向けて突の円弧状とされている。
【0029】
次に、上述したキャップ1の作用について説明する。なお、本実施形態のキャップ1は、流通段階(キャップ1の未開封状態)において、規制部材51が外装筒13に装着されるとともに、規制突部57によってキャップ本体11に対する計量キャップ12の上方移動が規制されている。
図3に示すように、キャップ1を開封するには、まず操作片55を把持し、操作片55を引き上げ、係止片54と係止突起53との係止を解除する。なお、係止片54を規制部材51から破断して、規制部材51と係止突起53との係止を解除しても構わない。
【0030】
その後、操作片55を介して規制部材51をヒンジ部52周りに回動させる。すると、規制突部57がフランジ部32から離間して、規制突部57による計量キャップ12の規制が解除されるとともに、規制部材51が計量カップ31の周囲から抜け出す。この状態で、ヒンジ部52を破断して、キャップ本体11から規制部材51を分離させる。これにより、キャップ1が開封される。
【0031】
次に、使用段階において、キャップ本体11から計量キャップ12を取り外すには、まずキャップ本体11と計量キャップ12とを周方向の一方側に相対回転させる。キャップ本体11と計量キャップ12とを周方向の一方側に向けて相対回転させると、計量キャップ12における案内凹部41の側端縁が、キャップ本体11における案内突部22の側端縁に周方向の一方側から突き当たる。この状態で、キャップ本体11と計量キャップ12とをさらに相対回転させると、この相対回転に伴って案内突部22及び案内凹部41の側端縁同士が摺接することで、計量キャップ12が案内突部22によって上方に向けて押し上げられる。
【0032】
計量キャップ12が上方に向けて押し上げられると、第1係止部44が第2係止部43を上方に乗り越えることで、計量キャップ12における装着筒部33と、キャップ本体11における周壁部14と、のアンダーカット嵌合が解除される。これにより、計量キャップ12がキャップ本体から取り外される。なお、キャップ本体11と計量キャップ12とを周方向の他方側に相対回転させても、上述した作用と同等の作用により、キャップ本体11から計量キャップ12を取り外すことができる。また、計量キャップ12を上方に向けて引き上げ、キャップ本体11から計量キャップ12を取り外しても構わない。
【0033】
その後、容器本体2を傾け、注出筒24を通して計量キャップ12の計量カップ31内に内容物を計量しながら注入した後、計量された内容物を計量カップ31から注出する。
【0034】
一方、内容物の注出後、キャップ本体11に計量キャップ12を再度装着させる場合には、注出筒24を計量カップ31内に進入させながら、キャップ本体11と計量キャップ12とをキャップ軸O方向に沿って接近させる。なお、以下の説明では、案内突部22と案内凹部41との周方向位置が合わされた状態で、キャップ本体11と計量キャップ12とをキャップ軸O方向に沿って接近させる場合について説明する。
【0035】
キャップ本体11と計量キャップ12とをキャップ軸O方向に沿って接近させると、案内突部22が案内凹部41内に進入するとともに、計量キャップ12の第1係止部44が第2係止部43に上方から当接する。この状態でキャップ本体11と計量キャップ12とをキャップ軸O方向に沿ってさらに接近させると、第1係止部44が第2係止部43を下方に乗り越えるとともに、案内突部22が案内凹部41内に収容される。これにより、第1係止部44が第2係止部43に下方から係止されるとともに、第2係止部43が計量キャップ12の周溝42内に嵌合される。
以上により、計量キャップ12の装着筒部33がキャップ本体11の周壁部14にアンダーカット嵌合され、計量キャップ12がキャップ本体11に装着される。
【0036】
なお、キャップ本体11と計量キャップ12とを相対的に接近させる過程において、案内突部22と案内凹部41との側端縁同士が当接した場合には、キャップ本体11と計量キャップ12との接近移動に伴い側端縁同士が摺接することで、キャップ本体11と計量キャップ12とが周方向に相対回転する。これにより、案内突部22が案内凹部41内に収容されながら、計量キャップ12がキャップ本体11に装着される。
【0037】
このように、本実施形態では、計量キャップ12の上方移動を規制する規制部材51がキャップ本体11に破断可能に連結されているため、流通段階において計量キャップ12がキャップ本体11から予期せず取り外されるのを抑制できる。また、使用段階においては、規制部材51をキャップ本体11から分離させることで、計量キャップ12が規制部材51に規制されることなくキャップ本体11から着脱される。
しかも、計量キャップ12の装着筒部33がキャップ本体11の周壁部14にアンダーカット嵌合により装着されるため、例えば螺着によって装着されている場合に比べて使用段階での操作性を向上させることができる。
【0038】
さらに、本実施形態では、周壁部14と装着筒部33とがアンダーカット嵌合されているため、例えば周壁部14と装着筒部33とが螺着された構成に比べて、周壁部14の外周面と装着筒部33の内周面との密着面積が小さくなる。そのため、周壁部14の外周面と、装着筒部33の内周面と、の間で内容物が固化して、計量キャップ12がキャップ本体11から取り外し難くなることを抑制できる。
【0039】
さらに、キャップ本体11と計量キャップ12との周方向に沿う相対回転に伴い、計量キャップ12をキャップ本体11から離脱させる方向(上方)に案内する案内突部22及び案内凹部41が配設されているため、周壁部14と装着筒部33とのアンダーカット嵌合を回転操作によって簡単に取り外すことができる。
また、計量キャップ12の装着時には、キャップ本体11と計量キャップ12とのキャップ軸O方向に沿う接近移動に伴い、案内突部22が案内凹部41内に収容されながら、計量キャップ12がキャップ本体11に装着されることになる。これにより、計量キャップ12の装着時において、キャップ本体11と計量キャップ12との周方向位置を簡単に合わせることができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、上述した実施形態では、規制突部57が規制部材51のキャップ軸O方向の全体に亘って形成された構成について説明したが、これに限られない。すなわち、キャップ本体11に対する計量キャップ12の上方移動が規制された構成であれば、例えば規制部材51の下端部のみに規制突部57を形成する等、適宜設計変更が可能である。
また、規制部材51についても、キャップ本体11に対する計量キャップ12の上方移動が規制された構成であれば、リング状に限られない。
さらに、上述した実施形態では、計量カップ31を径方向の外側から囲繞する装着筒部33がキャップ本体11の周壁部14にアンダーカット嵌合される構成について説明したが、これに限られない。例えば、装着筒部33が計量カップ31の下端縁から下方に連なる構成としても構わない。
【0041】
また、上述した実施形態では、計量カップ31に形成されたリブ35がキャップ軸O方向に沿って延びる構成について説明したが、これに限られない。例えば、図4図6に示すように、計量カップ31の外周面上を周方向に沿って延びる環状リブ135を、キャップ軸O方向に間隔をあけて形成しても構わない。
【0042】
また、図4図6に示すように、計量キャップ12の装着筒部133が、キャップ本体11の周壁部14にアンダーカット嵌合される弾性変位可能な操作片101を有する構成としても構わない。具体的に、装着筒部133のうち、径方向で対向する位置に、装着筒部133をキャップ軸O方向で貫通する開口102が形成され、これら開口102内に操作片101が各別に収容されている。操作片101は、その両周端縁が開口102の内周縁のうち、周方向で対向する一対の側面部に弾性ヒンジ部103を介して各別に連結されている。
【0043】
各操作片101は、径方向から見た側面視でキャップ軸O方向に沿って延びる板状とされている。そして、操作片101は、弾性ヒンジ部103の弾性変形により弾性変位可能に構成されている。図示の例において、操作片101は、周方向に沿って延びるヒンジ軸周りに回動するようになっている。
操作片101の下端部には、径方向の内側に向けて突出する第1係止部144が周方向に沿って延在している。第1係止部144は、上述した第2係止部43に下方から係止されている。
【0044】
操作片101のうち、弾性ヒンジ部103よりも上方に位置する部分は、第1係止部144が第2係止部43に係止された係止位置から、第2係止部43から離脱する解除位置に向けて、操作片101をヒンジ軸周りに回動操作するための操作部105を構成している。
【0045】
図6に示すように、使用段階において、キャップ本体11から計量キャップ12を取り外すには、各操作片101の操作部105を把持し、各操作部105を径方向の内側に向けて押圧する。すると、操作片101は弾性ヒンジ部103の弾性変形によりヒンジ軸周りに弾性変位することで、係止位置から解除位置に向けて移動する。具体的に、操作片101の第1係止部144が径方向の外側に向けて移動することで、第2係止部43から退避する。これにより、計量キャップ12の装着筒部133と、キャップ本体11の周壁部14とのアンダーカット嵌合が解除される。
そして、操作片101を解除位置に維持した状態で、計量キャップ12をキャップ本体11に対して上方に向けて引き上げる。これにより、キャップ本体11から計量キャップ12が取り外される。
【0046】
上述した構成によれば、操作片101を操作することで、各係止部43,144の係止が解除されるので、キャップ本体11の周壁部14と、計量キャップ12の装着筒部133と、の着脱時の操作性をより向上させることができる。
【0047】
また、図7図8に示すように、装着筒部233にキャップ軸O方向に沿って延びる切欠き部201を周方向に間隔をあけて形成しても構わない。図示の例において、切欠き部201は、装着筒部233の下端縁において下方に向けて開放されている。
【0048】
この構成によれば、装着筒部233のうち、切欠き部201間に位置する部分が径方向に弾性変形し易くなるので、キャップ本体11の周壁部14と、計量キャップ12の装着筒部233と、の着脱時の操作性をより向上させることができる。
【0049】
さらに、上述した実施形態では、キャップ本体11の周壁部14に案内突部22を形成し、計量キャップ12の装着筒部33に案内凹部41を形成する構成について説明したが、これに限られない。例えば、キャップ本体11の周壁部14に案内凹部を形成し、計量キャップ12の装着筒部33に案内突部を形成する構成でも構わない。
また、上述した実施形態では、案内突部22及び案内凹部41が三角形状を呈している場合について説明したが、これに限られない。すなわち、キャップ本体11と計量キャップ12との周方向の相対回転に伴い、キャップ本体11と計量キャップ12とをキャップ軸O方向で離脱させる方向に案内する構成であれば構わない。
【0050】
また、例えば図9図10に示すように、案内部として、周壁部14及び装着筒部33のそれぞれに案内突部301,302を形成しても構わない。各案内突部301,302は、径方向から見た側面視で台形状とされ、その側端縁がキャップ軸Oに対して傾斜している。そして、計量キャップ12及びキャップ本体11は、案内突部301,302の周方向位置がずらされた状態で装着される。なお、装着筒部33の案内突部302には、径方向の内側に向けて第1係止部344が突設され、キャップ本体11の第2係止部43に係止されている。
【0051】
このような構成において、図10図11に示すように、キャップ本体11から計量キャップ12を取り外すには、まずキャップ本体11と計量キャップ12とを周方向に相対回転させる。すると、各案内突部301,302の側端縁同士が周方向で突き当たり、その後側端縁同士が摺接することで、上述した実施形態と同様に計量キャップ12が上方に向けて押し上げられる。これにより、キャップ本体11から計量キャップ12を取り外すことができる。
【0052】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…キャップ
2…容器本体
3…口部
11…キャップ本体
12…計量キャップ
14…周壁部
21,301,302…案内突部(案内部)
24…注出筒
31…計量カップ
33,133,233…装着筒部
41…案内凹部(案内部)
51…規制部材
O…キャップ軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11