(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記枠状部には、前記支持姿勢とされた前記突出部が、先端部を前記反容器体側に向かわせるように移動することを案内する案内部が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の取出し具。
前記本体筒部には、前記口部よりも前記反容器体側に配置され、前記取出口を有する大径部が備えられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の取出し具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の取出し具では、柄を引き上げた状態で固形物を口部から取り出す必要があることから、固形物を口部から取り出す際に、柄が邪魔になったり、柄を引き上げ続ける必要があったりなど操作が煩雑であり、操作性を向上させることについて改善の余地がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、操作性を向上させることができる取出し具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る取出し具は、容器体から固形物を取り出す取出し具であって、前記容器体の口部に装着され、内部が前記容器体内に連通する本体筒部と、前記本体筒部から前記本体筒部内に向けて突出する突出部と、を備え、前記本体筒部において、前記本体筒部の軸線方向に沿った反容器体側の開口部は、前記容器体の外部に連通する取出口とされ、前記本体筒部には、前記突出部の基端部が装着され、前記突出部を、この突出部が基端部から先端部に向かうに従い漸次、前記反容器体側に向けて延びる支持姿勢に保持可能な保持孔と、前記支持姿勢とされた前記突出部に係止して、この突出部が、先端部を前記軸線方向に沿った容器体側に向かわせるように移動することを規制する規制部と、が設けられ、前記突出部の基端部は、前記支持姿勢とされた前記突出部の先端部が、前記本体筒部のうち、前記保持孔に前記反容器体側から隣接する隣接部分に接近しながら、前記反容器体側に向けて移動し得るように、前記保持孔内に移動自在に遊嵌されている。
【0007】
この発明では、例えば、互いに混合された流動物および固形物が収容されるとともに、この取出し具が口部に取り付けられた容器体を、取出口が下方を向く倒立姿勢にする。すると、支持姿勢とされていた突出部が、容器体内の流動物および固形物により、軸線方向に沿った反容器体側に向けて押圧される。このとき、突出部の基端部が保持孔内を移動して、突出部の先端部が、本体筒部の隣接部分に接近しながら反容器体側に向けて移動する。これにより、固形物が、本体筒部内において突出部よりも反容器体側に位置する部分に進入する。
その後、容器体を、取出口が上方を向く正立姿勢にする。すると例えば流動物や固形物の重みや突出部の自重などにより、突出部の先端部が、本体筒部の隣接部分から離間しながら容器体側に向けて移動させられて、突出部が、支持姿勢となるように復元変位する。このとき、突出部の先端部が更に容器体側に向かうような突出部の移動は、規制部により規制される。したがって、本体筒部内において突出部よりも反容器体側に位置する部分に進入していた固形物が、突出部を反容器本側から押圧しても、この押圧力を、突出部および規制部を介して受け止めることができる。その結果、固形物を突出部により保持することができる一方、流動物は本体筒部内を通して容器体内に戻される。そこで本体筒部内の固形物を、取出口を通して容器体の外部に取り出す。
【0008】
以上のように、この取出し具によれば、容器体を倒立姿勢にした後、正立姿勢にすることで本体筒部内に保持された固形物を、本体筒部の取出口から取り出すことができるので、例えば一方の手で容器体を把持しながら他方の手で固形物を取り出す等することが可能になり、操作性を向上させることができる。
また、容器体を倒立姿勢にすることで本体筒部内に保持された固形物を取り出すことができるので、この取出し具を、容器体内に固形物を充填する前に容器体に取り付ける必要がなく、固形物を充填した後に取り付けることができる。これにより、例えば容器体内に固形物を、既存の充填方法により充填すること等が可能になり、容器体内に固形物を円滑に充填させ易くすることができる。
また本体筒部を、容器体の口部に装着するので、既存の容器体であっても、その容器体の口部に応じて本体筒部を設計することで、この取出し具を適用することが可能になり、この取出し具の適用範囲を多岐にわたらせることができる。
また本体筒部を、容器体の口部に装着するので、例えばこの取出し具を、容器体の胴部にまで至らせるといった必要などがなく、取出し具の小型化を図ることができる。これにより、容器体に取出し具を取り付けた状態で、容器体の外観が損なわれるのを抑制することが可能になり、容器体の外観性を確保し易くすることができる。
さらに突出部の基端部が、保持孔内に移動可能に遊嵌されているので、容器体を倒立姿勢にしたり正立姿勢にしたりするときに、突出部を抵抗少なく円滑に移動させることができる。これにより、突出部により固形物を確実に保持し易くすることができる。
【0009】
前記保持孔は、前記本体筒部から前記本体筒部内に向けて突出した枠状部内に設けられていてもよい。
【0010】
この場合、保持孔が前記枠状部内に設けられているので、保持孔の設計の自由度を高めることが可能になり、この取出し具の適用範囲を一層多岐にわたらせることができる。
【0011】
前記規制部には、前記枠状部に設けられ、前記突出部の基端部に前記容器体側から係止する第1規制部が備えられていてもよい。
【0012】
この場合、規制部に前記第1規制部が備えられているので、構造の簡素化を図りつつ、突出部を支持姿勢に確実に保持することができる。
【0013】
前記枠状部には、前記支持姿勢とされた前記突出部が、先端部を前記反容器体側に向かわせるように移動することを案内する案内部が設けられていてもよい。
【0014】
この場合、枠状部に前記案内部が設けられているので、構造の簡素化を図りつつ、突出部を円滑に移動させることができる。
【0015】
前記本体筒部には、前記口部よりも前記反容器体側に配置され、前記取出口を有する大径部が備えられていてもよい。
【0016】
この場合、本体筒部が前記大径部を備えているので、容器体の口部の大きさによらず取出口を大径にすることが可能になり、取出口から固形物を取り出し易くすることができる。
【0017】
前記突出部は、前記大径部よりも前記容器体側に配置されていてもよい。
【0018】
この場合、突出部が、本体筒部の大径部よりも容器体側に配置されているので、固形物の取り出し時に突出部が邪魔になるのを確実に抑えることが可能になり、取出口から固形物を一層取り出し易くすることができる。
【0019】
前記突出部は、前記保持孔に対して
前記容器体側から差し込まれることで、前記保持孔に保持されていてもよい。
【0020】
この場合、突出部が、保持孔に対して
容器体側から差し込まれることで、保持孔に保持されているので、この取出し具の組み付け性を向上させることができる。
【0021】
前記突出部の基端部には、前記保持孔内に挿通された挿通部と、前記挿通部よりも先端部側に位置するとともに前記挿通部よりも前記本体筒部の周方向に拡幅し、前記保持孔の開口周縁部に係止して前記突出部の前記保持孔からの離脱を規制する第1拡幅部と、が設けられ、前記第1拡幅部は、前記周方向の内側に向けて弾性変形可能に形成されていてもよい。
【0022】
この場合、第1拡幅部が、周方向の内側に向けて弾性変形可能に形成されているので、突出部を、保持孔に対して
容器体側から差し込むときに、第1拡幅部に周方向に弾性変形をさせながら保持孔を通過させることができる。これにより、この取出し具の組み付け性を一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、
図1から
図5を参照し、本発明の一実施形態に係る取出し具10を備える注出容器1を説明する。この注出容器1は、例えば梅酒をはじめとする果実酒など、互いに混合された流動物および固形物Mを収容する。流動物としては例えば酒類などの液体が挙げられ、固形物Mとしては例えば梅などの果実が挙げられる。
【0026】
図1に示すように、注出容器1は、互いに混合された流動物および固形物Mが収容された容器体2と、容器体2から固形物Mを取り出す取出し具10と、容器体2の口部2aに着脱可能に装着され、取出し具10を容器体2の外部から覆う注出キャップ3と、を備えている。
【0027】
容器体2は、例えばガラス材料などにより形成され、取出し具10および注出キャップ3は、例えば合成樹脂材料などにより形成されている。容器体2、取出し具10および注出キャップ3は、いずれも透明に形成されている。容器体2は、有底筒状に形成されている。
【0028】
取出し具10は、容器体2の口部2aに着脱可能に取り付けられる。取出し具10は、容器体2の口部2aに装着されて内部が容器体2内に連通する本体筒部11と、本体筒部11から本体筒部11内に向けて突出する突出部12と、を備えている。
【0029】
ここで本体筒部11は、容器体2と同軸に配置されている。以下、本体筒部11の軸線O方向に沿って容器体2の図示しない底部側を下側(容器体側)といい、その反対側を上側(反容器体側)という。軸線O方向から見た平面視において、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O回りに周回する方向を周方向という。
【0030】
本体筒部11は、容器体2の口部2a内から上側に向けて突出していて、本体筒部11の上端開口部は、容器体2の外部に連通する取出口11aとされている。本体筒部11は、大径部13と、段部14と、小径部15と、突出周壁部16と、を備えている。
大径部13は、容器体2の口部2aよりも上側に配置され、前記取出口11aを備えている。大径部13の内径は、口部2aの内径よりも大きい。
【0031】
段部14は、大径部13の下端部から径方向の内側に向けて環状に突出している。段部14は、口部2aの開口端上に、第1パッキンを介して配置されている。
小径部15は、大径部13に段部14を介して連結されている。小径部15は、段部14の内周縁部から下側に向けて延び、口部2a内に挿通されている。小径部15の外周面と口部2aの内周面とは、全周にわたって離間している。
【0032】
突出周壁部16は、小径部15から下側に向けて延びている。突出周壁部16は、小径部15における周方向に沿った一部分に限定して配置されている。突出周壁部16は、周方向に湾曲しながら延びている。突出周壁部16において径方向の内側を向く内周面、および径方向の外側を向く外周面はそれぞれ、小径部15の内周面および外周面に面一に形成されている。
【0033】
突出周壁部16の周方向の大きさは、上側から下側に向かうに従い漸次、小さくなっている。本体筒部11のうち、軸線O方向に沿って突出周壁部16が位置する部分であって、突出周壁部16以外の部分には、周方向に延びる切欠き部17が形成されている。切欠き部17は、周方向に沿って半周以上にわたって連続して延びている。
【0034】
なお以下では、この取出し具10を軸線O方向から見た平面視において、軸線Oに交差して突出周壁部16を通る仮想線に沿う方向を前後方向といい、前後方向に沿って、軸線Oに対する突出周壁部16側を後側といい、その反対側を前側という。
【0035】
図2から
図4に示すように、本体筒部11には、保持孔18と、規制部19、20と、が設けられている。
保持孔18には、突出部12の基端部12aが装着されている。保持孔18は、突出部12を、この突出部12が基端部12aから先端部12bに向かうに従い漸次、上側に向けて延びる支持姿勢に保持可能である。保持孔18は、本体筒部11から本体筒部11内に向けて突出した枠状部21内に設けられている。
【0036】
枠状部21は、本体筒部11の突出周壁部16に設けられている。図示の例では、枠状部21は、突出周壁部16の下端部(本体筒部11の下端部)に配置されていて、突出周壁部16の下端部との間に保持孔18を形成する。枠状部21は、一対の側壁部22と、連結棒部23と、を備えている。
一対の側壁部22は、互いに周方向に間隔をあけて配置され、突出周壁部16から前側に向けて突出している。一対の側壁部22は、互いに同等の形状でかつ同等の大きさに形成されている。
【0037】
側壁部22は、この側壁部22の正面視において前側に向けて突となる三角形状に形成されている。側壁部22の軸線O方向の大きさは、後側から前側に向かうに従い漸次、小さくなっている。側壁部22の上端縁は、前側に向かうに従い下側に向けて直線状に延びている。側壁部22の下端縁は、軸線O方向の位置が前後方向の位置によらず同等とされた直線状に形成されている。側壁部22の下端縁は、突出周壁部16の下端縁(本体筒部11の下端縁)に面一に連なっている。
【0038】
連結棒部23は、一対の側壁部22の前端部同士を連結している。連結棒部23は、周方向に直前状に延びている。連結棒部23の前端縁は、側壁部22の前端縁と面一に連なり、連結棒部23の下端縁は、側壁部22の下端縁と面一に連なっている。連結棒部23の上端縁は、側壁部22の上端縁よりも下側に位置している。
【0039】
規制部19、20は、支持姿勢とされた突出部12に係止して、この突出部12が、先端部12bを下側に向かわせるように移動することを規制する。規制部19、20は、第1規制部19と、第2規制部20と、を備えている。
【0040】
第1規制部19は、枠状部21に設けられ、突出部12の基端部12aに下側から係止する。第1規制部19は、枠状部21の連結棒部23に設けられている。第1規制部19は、連結棒部23の上端縁に形成されている。第1規制部19は、後側から前側に向かうに従い漸次、上側に向けて延びる傾斜面とされている。第1規制部19は、連結棒部23に周方向の全長にわたって延びている。
【0041】
第2規制部20は、本体筒部11に設けられ、突出部12の基端部12aに上側から係止する。第2規制部20は、第1規制部19よりも後側に設けられていて、突出部12において、第1規制部19が係止する部分よりも後側に位置する部分に係止する。第2規制部20は、突出周壁部16の下端縁のうち、一対の側壁部22よりも周方向の内側に位置する部分により構成されている。
【0042】
図1に示すように、突出部12は、本体筒部11の大径部13よりも下側に配置されている。本実施形態では、突出部12は、小径部15よりも下側に配置されていて、軸線O方向に突出周壁部16および切欠き部17と同等の位置に配置されている。
突出部12は、支持姿勢とされることで、基端部12aから先端部12bに向かうに従い、本体筒部11のうち、保持孔18に上側から隣接する隣接部分11bから漸次、前側に向けて離間している。突出部12の先端部12bは、突出部12が支持姿勢とされた状態で、軸線Oよりも後側に位置している。
【0043】
図2から
図5に示すように、突出部12は、支持姿勢において表裏面が軸線O方向を向く板状に形成されている。突出部12の表面および裏面は、互いに同等の形状に形成されていて、突出部12の表裏面には方向性がない。
【0044】
突出部12の基端部12aは、支持姿勢とされた突出部12の先端部12bが、本体筒部11の隣接部分11bに接近しながら、上側に向けて移動し得るように、保持孔18内に移動自在に遊嵌されている。突出部12の基端部12aには、挿通部24と、第1拡幅部25と、第2拡幅部26と、が設けられている。
挿通部24は、保持孔18内に挿通されている。挿通部24のうち、前側に位置する部分には、第1規制部19が、挿通部24の下側から係止し、後側に位置する部分には、第2規制部20が、挿通部24の上側から係止している。
【0045】
第1拡幅部25は、挿通部24よりも前側(先端部側)に位置し、第2拡幅部26は、挿通部24よりも後側に位置している。第1拡幅部25および第2拡幅部26は、いずれも挿通部24よりも周方向に拡幅している。第1拡幅部25は、前側から後側に向けて漸次、周方向に大きくなっていて、第1拡幅部25には、前側を向く傾斜面25aが形成されている。第2拡幅部26は、第1拡幅部25よりも周方向に大きい。
【0046】
第1拡幅部25および第2拡幅部26は、保持孔18の開口周縁部に係止して突出部12の保持孔18からの離脱を規制する。第1拡幅部25は、枠状部21の側壁部22に上側から係止して、突出部12が保持孔18から下側に向けて離脱することを規制する。第2拡幅部26は、側壁部22に下側から係止して、突出部12が保持孔18から上側に向けて離脱することを規制する。
【0047】
突出部12の基端部12aは、突出部12のうち、前後方向の中央部よりも後側に位置する後部に含まれており、この突出部12の後部には、中抜き孔27が形成されている。中抜き孔27は、2組の対辺がそれぞれ前後方向および周方向に延びる平面視矩形状に形成されている。中抜き孔27は、突出部12の内側に形成されていて、前後方向および周方向のいずれにも非開口とされている。
【0048】
中抜き孔27の前端部は、第1拡幅部25よりも前側に位置し、中抜き孔27の後端部は、第1拡幅部25よりも後側でかつ第2拡幅部26よりも前側に配置されている。中抜き孔27の前端部および後端部は、この中抜き孔27において前端部および後端部の間に位置する中間部分よりも周方向に拡幅している。
【0049】
中抜き孔27は、第1拡幅部25を、周方向の内側に向けて弾性変形可能に形成している。第1拡幅部25は、この第1拡幅部25に周方向の内側に向かう外力が作用すると、中抜き孔27を周方向に狭めながら周方向の内側に向けて弾性変形し、前述の外力が解除されると、復元変形力に基づいて復元変形する。
【0050】
突出部12のうち、前後方向の中央部よりも前側に位置する前部は、後部よりも周方向に小さくなっている。突出部12の前部は、保持孔18よりも周方向に小さくなっていて、保持孔18を下側から上側に向けて通過可能とされている。突出部12の前部は、後側から前側に向かうに従い漸次、周方向に縮幅している。
【0051】
突出部12は、保持孔18に対して下側から差し込まれることで、保持孔18に保持されている。突出部12を保持孔18に保持させるときには、まず、突出部12の先端部12bを保持孔18に下側から差し込み、突出部12を上側に移動させて突出部12の前部に保持孔18を通過させる。その後、突出部12を上側に移動させながら、第1拡幅部25の傾斜面25aを枠状部21の側壁部22上で摺動させることで、第1拡幅部25を周方向の内側に向けて弾性変形させ、第1拡幅部25に側壁部22を乗り越えさせる。第1拡幅部25が側壁部22を乗り越えると、第1拡幅部25が復元変形して側壁部22に上側から係止する。
【0052】
ここで前記枠状部21には、支持姿勢とされた突出部12が、先端部12bを上側に向かわせるように移動することを案内する案内部28が設けられている。案内部28は、一対の側壁部22の各上端縁により構成されている。案内部28は、支持姿勢とされた突出部12が、先端部12bを上側に向かわせるように移動するときに、第1拡幅部25を下側から支持することで、突出部12の移動を案内する。
【0053】
なお
図1に示すように、本実施形態では、本体筒部11は、装着筒部29を介して口部2aに装着されている。本体筒部11および装着筒部29は一体に形成され、1部品とされている。装着筒部29は、段部14の外周縁部から下側に向けて延び、口部2aに径方向の外側から装着されている。装着筒部29は、口部2aに着脱可能に螺着されている。
【0054】
注出キャップ3は、取出し具10に着脱可能に装着され、取出口11aを開閉可能に閉塞している。注出キャップ3は、キャップ本体31と、蓋体32と、を備えている。
キャップ本体31は、有頂筒状に形成され、本体筒部11の大径部13に装着されている。キャップ本体31は、大径部13に径方向の外側から螺着されている。キャップ本体31の頂壁部は、大径部13の開口端上に、第2パッキンを介して配置されている。
【0055】
キャップ本体31の頂壁部には、注出筒33と、空気置換筒34と、が設けられている。注出筒33および空気置換筒34はいずれも、頂壁部から上側に向けて突出している。注出筒33は、軸線Oよりも前側に位置し、空気置換筒34は、軸線Oよりも後側に位置している。
【0056】
蓋体32は、有頂筒状に形成され、キャップ本体31の頂壁部を露出可能に覆っている。蓋体32は、注出筒33および空気置換筒34を開放可能に閉塞している。蓋体32には、下側に向けて延びる第1シール部35および第2シール部36が設けられている。第1シール部35は、注出筒33内に着脱可能に嵌合され、第2シール部36は、空気置換筒34内に着脱可能に嵌合されている。
【0057】
蓋体32は、キャップ本体31にヒンジ部37を介して連結されている。キャップ本体31および蓋体32は、ヒンジ部37を介して一体に形成されている。ヒンジ部37は、キャップ本体31および蓋体32それぞれにおいて後側に位置する部分同士を連結している。
【0058】
次に、注出容器1の使用方法の一例について説明する。
【0059】
注出容器1を、取出口11aが上方を向く正立姿勢にすると、例えば突出部12の自重などに基づいて、突出部12の基端部12aが、第1規制部19および第2規制部20に係止され、突出部12が支持姿勢に保持される。
【0060】
流動物を注出するときには、注出キャップ3の蓋体32を後側に向けて回動させて注出筒33を開放するとともに、注出容器1を前側に向けて傾けて、この注出容器1を、取出口11aが下方を向く倒立姿勢にする。すると、容器体2内の流動物および固形物Mが移動して、流動物が、本体筒部11内を流通して注出筒33から注出されるとともに、支持姿勢とされていた突出部12が、流動物および固形物Mにより、軸線O方向に沿った反容器体側に向けて押圧される。このとき、突出部12の基端部12aが保持孔18内を移動して、第1拡幅部25が案内部28により案内されながら、突出部12の先端部12bが、本体筒部11の隣接部分11bに接近しながら前記反容器体側に向けて移動する。これにより、固形物Mが、本体筒部11内において突出部12よりも前記反容器体側に位置する小径部15を通して大径部13内に進入する。
【0061】
その後、注出容器1を正立姿勢にすると、例えば流動物や固形物Mの重みや突出部12の自重などにより、突出部12の先端部12bが、本体筒部11の隣接部分11bから離間しながら下側に向けて移動させられて、突出部12が、支持姿勢となるように復元変位する。このとき、突出部12の先端部12bが更に下側に向かうような突出部12の移動は、規制部19、20により規制される。したがって、大径部13内に進入していた固形物Mが、突出部12を上側から押圧しても、この押圧力を、突出部12および規制部19、20を介して受け止めることができる。その結果、
図1に2点鎖線で示すように、固形物Mを突出部12により保持することができる一方、流動物は本体筒部11内を通して容器体2内に戻される。なお、
図1に2点鎖線で示す固形物Mは、突出部12の先端部12bと、本体筒部11の段部14(本体筒部11の内周面)と、によって支持されている。
【0062】
そこで、注出キャップ3を取出し具10から離脱させて取出口11aを開放し、本体筒部11内の固形物Mを、取出口11aを通して容器体2の外部に取り出す。
なお上記使用方法では、注出キャップ3の蓋体32により注出筒33を開放した後に、注出容器1を倒立姿勢にして流動物を注出し、その後、固形物Mを取り出した。しかしながら、注出キャップ3の蓋体32により注出筒33を閉塞した状態で注出容器1を倒立姿勢にし、流動物を注出させずに固形物Mを取り出すことも可能である。
【0063】
以上説明したように、本実施形態に係る取出し具10によれば、容器体2を倒立姿勢にした後、正立姿勢にすることで本体筒部11内に保持された固形物Mを、本体筒部11の取出口11aから取り出すことができるので、例えば一方の手で容器体2を把持しながら他方の手で固形物Mを取り出す等することが可能になり、操作性を向上させることができる。
【0064】
また、容器体2を倒立姿勢にすることで本体筒部11内に保持された固形物Mを取り出すことができるので、この取出し具10を、容器体2内に固形物Mを充填する前に容器体2に取り付ける必要がなく、固形物Mを充填した後に取り付けることができる。これにより、例えば容器体2内に固形物Mを、既存の充填方法により充填すること等が可能になり、容器体2内に固形物Mを円滑に充填させ易くすることができる。
【0065】
また本体筒部11を、容器体2の口部2aに装着するので、既存の容器体2であっても、その容器体2の口部2aに応じて本体筒部11を設計することで、この取出し具10を適用することが可能になり、この取出し具10の適用範囲を多岐にわたらせることができる。
【0066】
また本体筒部11を、容器体2の口部2aに装着するので、例えばこの取出し具10を、容器体2の胴部にまで至らせるといった必要などがなく、取出し具10の小型化を図ることができる。これにより、容器体2に取出し具10を取り付けた状態で、容器体2の外観が損なわれるのを抑制することが可能になり、容器体2の外観性を確保し易くすることができる。
なお本実施形態では、取出し具10および注出キャップ3が透明に形成されているので、固形物Mが保持されているか否かを、外部から視認することができる。
【0067】
さらに突出部12の基端部12aが、保持孔18内に移動可能に遊嵌されているので、容器体2を倒立姿勢にしたり正立姿勢にしたりするときに、突出部12を抵抗少なく円滑に移動させることができる。これにより、突出部12により固形物Mを確実に保持し易くすることができる。
【0068】
また、保持孔18が前記枠状部21内に設けられているので、保持孔18の設計の自由度を高めることが可能になり、この取出し具10の適用範囲を一層多岐にわたらせることができる。
さらに、規制部19、20に前記第1規制部19が備えられているので、構造の簡素化を図りつつ、突出部12を支持姿勢に確実に保持することができる。
さらにまた、枠状部21に前記案内部28が設けられているので、構造の簡素化を図りつつ、突出部12を円滑に移動させることができる。
【0069】
また、本体筒部11が前記大径部13を備えているので、容器体2の口部2aの大きさによらず取出口11aを大径にすることが可能になり、取出口11aから固形物Mを取り出し易くすることができる。
さらに、突出部12が、本体筒部11の大径部13よりも下側に配置されているので、固形物Mの取り出し時に突出部12が邪魔になるのを確実に抑えることが可能になり、取出口11aから固形物Mを一層取り出し易くすることができる。
なお本実施形態では、突出部12が切欠き部17と軸線O方向に同等の位置に形成されている。したがって、例えば、反転姿勢とした注出容器1において、切欠き部17を通して本体筒部11内に進入させた固形物Mにより、突出部12を押圧させることが可能になり、突出部12を円滑に移動させることができる。
【0070】
また突出部12が、保持孔18に対して下側から差し込まれることで、保持孔18に保持されているので、この取出し具10の組み付け性を向上させることができる。
さらに、第1拡幅部25が、周方向の内側に向けて弾性変形可能に形成されているので、突出部12を、保持孔18に対して下側から差し込むときに、第1拡幅部25に周方向に弾性変形をさせながら保持孔18を通過させることができる。これにより、この取出し具10の組み付け性を一層向上させることができる。
なお本実施形態では、突出部12の表裏面に方向性がないので、この取出し具10の組み付け性をより一層向上させることができる。
【0071】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0072】
例えば、注出キャップ3は前記実施形態に示した構成に限られない。また注出キャップ3がなくてもよい。
【0073】
突出部12は前記実施形態に示した構成に限られない。
例えば、枠状部21の側壁部22に、前後方向に延びる長穴が設けられ、突出部12の挿通部24に、前記長穴に前後方向に移動自在に挿通される拡幅部が形成されてもよい。この場合、第1拡幅部25および第2拡幅部26を適宜省略することが可能である。
さらに例えば、突出部12が、保持孔18に対して上側から差し込まれることで、保持孔18に保持されてもよい。
【0074】
前記実施形態では、突出部12が、大径部13および小径部15よりも下側に配置されているが、本発明はこれに限られない。例えば、突出部12が、大径部13や小径部15内に配置されていてもよい。この場合、突出周壁部16を適宜省略することが可能である。
また前記実施形態では、本体筒部11が、大径部13および小径部15を備えているが、本発明はこれに限られない。本発明は、例えば、本体筒部11が、大径部13および小径部15のうちの少なくとも一方を備えた他の構成に適宜変更することが可能である。
さらに前記実施形態では、本体筒部11が、装着筒部29を介して容器体2の口部2aに間接的に装着されているが、本発明はこれに限られない。例えば、本体筒部11が口部2aに直接、装着されていてもよい。
【0075】
前記実施形態では、保持孔18は、枠状部21内に設けられているが、本発明はこれに限られない。例えば、保持孔18として、本体筒部11を径方向に貫通する貫通孔を採用することも可能である。
【0076】
また前記実施形態では、突出部12の先端部12bは、軸線Oよりも後側に位置しているが、本発明はこれに限られない。例えば、突出部12の先端部12bが軸線O上に位置していたり、軸線Oよりも前側に位置していたりしてもよい。
【0077】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。