【実施例】
【0030】
(実施例1)
<凝集パルプ層用の紙料の調整>
NBKP70部とLBKP30部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーを得た。該パルプスラリーにサイズ剤としてロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL1200/星光PMC社製)0.3部、紙力剤としてグラフト化澱粉(商品名:DG4204/星光PMC株式会社製)1部をそれぞれ添加して撹拌し、更にpH6.4となるように硫酸バンドを加えた後、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)0.5部を添加して凝集パルプスラリーを得た。該凝集パルプスラリーの濃度を0.15%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た。
<非凝集パルプ層用の紙料の調製>
NBKP(フリーネス500mlCSF)100部を水中に分散してパルプスラリーとし、該パルプスラリーに紙力増強剤(商品名:DG4204/星光PMC社製)1部と、サイズ剤(商品名:星光AL1200/星光PMC社製)0.3部とを添加して撹拌し、非凝集パルプ層用の紙料を得た。
<模様紙の抄紙>
これらの2種類の紙料を用い、円網式抄紙機にて、凝集パルプ層/非凝集パルプ層の構成となるように2層抄合わせで湿紙を抄紙し、プレスにて脱水後、乾燥させた。その後、2本ロールサイズプレスにてポリアクリルアミド紙力剤(商品名:ST5000/星光PMC株式会社製)8%水溶液を、用紙の両面あたり50cc/m
2塗布した後、シリンダードライヤーにて乾燥し、坪量180g/m
2、含有水分率7%の模様紙を得た。尚、抄紙の際の凝集パルプ層用の紙料の円網バット内外のヘッド差は20mmであった。また、各層の坪量はそれぞれ90g/m
2であった。
【0031】
(実施例2)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP30部とLBKP70部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を用いてパルプスラリーを得た以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0032】
(実施例3)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、パルプのフリーネスを500mlCSFとした以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0033】
(実施例4)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、パルプのフリーネスを750mlCSFとした以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0034】
(実施例5)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)0.5部を、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)0.5部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0035】
(実施例6)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)0.5部を、重量平均分子量1400万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックV−330/ハイモ社製)0.5部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0036】
(実施例7)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)の添加量を0.08部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0037】
(実施例8)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1200万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックSS−100/ハイモ社製)の添加量を0.9部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0038】
(実施例9)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、硫酸バンドを増添してpH5.0に調整した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0039】
(実施例10)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、硫酸バンドを減添してpH7.0に調整した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0040】
(実施例11)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、凝集パルプスラリーの濃度を0.07%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0041】
(実施例12)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、凝集パルプスラリーの濃度を0.25%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0042】
(実施例13)
凝集パルプ層用の紙料の調整を次のように変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
<凝集パルプ層用の紙料の調整>
NBKP30部とLBKP70部からなるパルプ(フリーネス500mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーを得た。該パルプスラリーにサイズ剤としてロジン系エマルジョンサイズ剤(商品名:AL1200/星光PMC社製)0.3部、紙力剤としてグラフト化澱粉(商品名:DG4204/星光PMC株式会社製)1部をそれぞれ添加して撹拌し、更にpH5.0となるように硫酸バンドを加えた後、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)0.08部を添加して凝集パルプスラリーを得た。該凝集パルプスラリーの濃度を0.07%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た。
【0043】
(実施例14)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP20部とLBKP80部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーとし、また、模様紙の抄紙において、凝集パルプ層用の紙料の円網バット内外のヘッド差を10mmとした以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0044】
(比較例1)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP20部とLBKP80部からなるパルプ(フリーネス600mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーとした以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
【0045】
(比較例2)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、NBKP70部とLBKP30部からなるパルプ(フリーネスを400mlCSF)を水中に分散してパルプスラリーとした以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
【0046】
(比較例3)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)0.08部を、重量平均分子量800万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックMJ−500/ハイモ社製)0.08部に変更した以外は実施例1と同様にして模様紙を得た。
【0047】
(比較例4)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、重量平均分子量1000万のアニオン性ポリアクリルアミド(商品名:ハイモロックFA−230/ハイモ社製)の添加量を0.05部に変更した以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
【0048】
(比較例5)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、硫酸バンドを増添してpH4.7に調整した以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
【0049】
(比較例6)
凝集パルプ層用の紙料の調整において、凝集パルプスラリーの濃度を0.04%に調整して凝集パルプ層用の紙料を得た以外は実施例13と同様にして模様紙を得た。
【0050】
各実施例及び比較例で得た模様紙の評価結果を表1に示す。なお、評価については以下の方法で行った。
<ベック平滑度>
JIS P 8119:1998に準拠して模様紙の凝集パルプ層の表面の平滑度を測定した。
<風合い>
手による感触と視覚により模様紙の凝集パルプ層の表面の風合いを判断し5段階で評価した。5が最も風合いが豊かであり、1が最も風合いに劣る。
<地合指数>
アンバーテック社製βフォーメーションテスターを用いて模様紙の単位坪量を下記の測定ピッチで測定し、下記の計算式に従い坪量規格化標準偏差(n.s.d=normalized standard deviation)を指標とし地合指数とした。
【0051】
坪量規格化標準偏差(g/m)
1/2=坪量の標準偏差(g/m
2)/坪量(g/m
2)
1/2
測定条件:測定面積70mm×70mm、測定ピッチ1mm×1mm
【0052】
表1に示すとおり、実施例1〜14で得られた模様紙は地合指数が0.7以上であり、凝集パルプ層の地合が模様として認識できるものであった。また、実施例1〜14においては、模様紙としての風合いも豊かであった。これに対して各比較例で得られた模様紙は地合指数が低く、凝集パルプ層の地合を模様として認識することは困難であった。さらに、これら比較例においては、より平滑であり模様紙としての風合いも劣っていた。
【0053】
【表1】