(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、着用者の筋肉の動作をサポートする衣類に関して、例えば、特許文献1〜2の技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された運動用スパッツは、踝の上方から、ウエストラインまでの長さを有し、丸編地からなるものであって、運動に必要な筋肉のサポートの要求に応じて、所定部分に比較的緊締力の強い部分とそれ以外の比較的緊締力の弱い部分がパターン状に設けられており、比較的緊締力の強い部分が、カットボス編手法によって形成されるものである。これにより、特許文献1に開示された運動用スパッツは、緊締力の強い部分と弱い部分を凹凸差が顕著に生じることなく、所望のパターン状に設ける事が出来、筋肉疲労の軽減、肉離れ、靭帯や腱の断裂や損傷の予防、特定筋肉サポートによる運動能力補助等のテーピング機能を有することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された運動用スパッツは、所定部分に比較的緊締力の強い部分とそれ以外の比較的緊締力の弱い部分がパターン状に設けられているため、着用者が着用しにくく、また着用者自身が運動能力を補助する部位や強度を調整することができないという問題点があった。
【0005】
特許文献2に開示された下半身部用衣類は、下半身部用衣類の右足把持バンド部、左足把持バンド部は、着用者の下半身部に密着する下半身部用衣類本体に対して移動不能である。特許文献2に開示された下半身部用衣類は、該右足把持バンド部は、該下結合点から、右太股の前側、右脚の外側、右脚の膝の裏側にある大腿三頭筋、右脚の内側、右脚のふくらはぎ、及び右脚の内側のくるぶしのすぐ上にこの順で対向するように螺旋状に巻回されるように配置される。これにより、特許文献2に開示された下半身部用衣類は、バンドの部分が確実且つ容易に人体の所望の位置に配置可能となる。
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示された下半身部用衣類は、着用者に対して締め付けない程度に密着するように構成されるものの、伸縮可能なバンドが下半身部用衣類本体部に着脱自在に固定されるものではないため、着用者自身が運動能力を補助する強度を調整することができないという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に開示された上半身部用衣類は、右肩把持バンド部、左肩把持バンド部は、上半身部用衣類本体に対して移動不能である。特許文献2に開示された上半身部用衣類は、該右肩挟持バンド部の一部が大きなリング状とされて構成された右肩掛け部が設けられている。
【0008】
しかしながら、特許文献2に開示された上半身部用衣類は、着用者に対して締め付けない程度に密着するように構成されるものの、伸縮可能なバンドが上半身部用衣類に着脱自在に固定されるものではないため、着用者自身が運動能力を補助する強度を調整することができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、着用者が任意の強さで筋肉や関節をサポートすることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となるスパッ
ツを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明に係るスパッツは、着用者の脚が挿通される脚筒部と、前記脚筒部が巻き付けられる脚ベルトとを備え、前記脚筒部は、正面側に設けられるとともに、着用者の膝付近が覆われる膝部と、背面側に設けられる脚ベルト固定部とを有し、
前記脚ベルト固定部は、前記膝部の背面側よりも上側に設けられる膝上固定部と、前記膝部の背面側よりも下側に設けられる膝下固定部とを有し、前記脚ベルトは
、中央部付近が前記膝部の背面側に固定され、
前記脚ベルトは、着用者の大腿四頭筋の内側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて一方の端部側が前記膝上固定部に着脱自在に固定され、又は、着用者のふくらはぎの内側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて一方の端部側が前記膝下固定部に着脱自在に固定され、前記脚ベルトは、着用者の大腿四頭筋の外側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて他方の端部側が前記膝上固定部に着脱自在に固定され、又は、着用者のふくらはぎの外側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて他方の端部側が前記膝下固定部に着脱自在に固定されることを特徴とする。
【0012】
第
2発明に係るスパッツは、
着用者の脚が挿通される脚筒部と、前記脚筒部が巻き付けられる脚ベルトとを備え、前記脚筒部は、正面側に設けられるとともに、着用者の膝付近が覆われる膝部と、背面側に設けられる脚ベルト固定部とを有し、前記脚ベルト固定部は、前記膝部の背面側よりも上側に設けられる膝上固定部を有し、前記脚ベルトは、中央部付近が前記膝部の背面側に固定され、着用者の大腿四頭筋の内側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて一方の端部側が前記膝上固定部に着脱自在に固定され、着用者の大腿四頭筋の外側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて他方の端部側が前記膝上固定部に着脱自在に固定され、前記脚筒部の正面側で交差されることを特徴とする。
【0013】
第
3発明に係るスパッツは、
着用者の脚が挿通される脚筒部と、前記脚筒部が巻き付けられる脚ベルトとを備え、前記脚筒部は、正面側に設けられるとともに、着用者の膝付近が覆われる膝部と、背面側に設けられる脚ベルト固定部とを有し、前記脚ベルト固定部は、前記膝部の背面側よりも下側に設けられる膝下固定部を有し、前記脚ベルトは、中央部付近が前記膝部の背面側に固定され、着用者のふくらはぎの内側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて一方の端部側が前記膝下固定部に着脱自在に固定され、着用者のふくらはぎの外側を通るように前記脚筒部に巻き付けられて他方の端部側が前記膝下固定部に着脱自在に固定され、前記脚筒部の正面側で交差されることを特徴とする。
【0015】
第
4発明に係るスパッツは、第1発明〜第
3発明の何れかにおいて、前記脚筒部は、伸縮する生地で構成され、前記脚ベルト固定部は、前記脚筒部を構成する生地よりも伸縮性が小さい生地で構成されることを特徴とする。
【0016】
第
5発明に係るスパッツは、第1発明〜第
4発明の何れかにおいて、前記脚ベルトは、千鳥縫いされて前記膝部の背面側に固定されることを特徴とする。
【0017】
第
6発明に係るスパッツは、第1発明〜第
5発明の何れかにおいて、前記脚ベルト固定部は、縁部側が千鳥縫いされて前記脚筒部の背面側に設けられることを特徴とする。
【0018】
第
7発明に係るスパッツは、第1発明〜第
6発明の何れかにおいて、前記脚ベルト固定部は、前記膝部から遠ざかるにつれて幅が狭小となるように形成されることを特徴とする。
【0019】
第
8発明に係るスパッツは、第1発明〜第
7発明の何れかにおいて、前記脚筒部は、下端部が裁断されて形成されることを特徴とする。
【0020】
第
9発明に係るスパッツは、第1発明〜第
8発明の何れかにおいて、前記脚筒部の上端部に設けられて着用者の下腹が挿通される下腹筒部と、前記下腹筒部に巻き付けられる下腹ベルトとをさらに備え、前記下腹ベルトは、中央部付近が千鳥縫いされて前記下腹筒部の背面側に固定され、両端部側が前記下腹筒部の正面側で着脱自在とされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
第1発明〜第
9発明によれば、脚ベルトの何れか一方の端部側が脚ベルト固定部に着脱自在に固定されることによって、脚ベルトに作用させる引張力を調整することが可能となり、その結果、着用者が任意の強さで大腿四頭筋やふくらはぎ等の筋肉や膝の関節をサポートすることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0023】
第2発明によれば、特に、膝関節を安定させるとともに、ハムストリングスの筋振動を抑制することが可能となり、その負担を軽減することが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0024】
第3発明によれば、特に、ふくらはぎの筋振動を抑制することが可能となり、その負担を軽減することが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0025】
第
1発明によれば、特に、膝関節を安定させるとともに、大腿四頭筋とふくらはぎとの負担を軽減させることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。また、第
1発明によれば、特に、負担を軽減させたい大腿四頭筋やふくらはぎ等の筋肉や膝の関節を着用者が任意で選択することが可能となる。
【0026】
第
4発明によれば、特に、脚筒部の伸縮が制限されるため、着用者の脚を緊締する力が強くなり、着用者が歩行動作を行うとき、着用者の脚の筋振動を抑制することが可能となり、その負担を軽減することが可能となる。
【0027】
第
5発明によれば、特に、脚ベルトが膝部の背面側に千鳥縫いされて固定されることによって、着用者が脚ベルトに引張力を作用させたとき、糸が抜けるのを防止することが可能となるとともに、糸切れを防止することが可能となり、脚ベルトが膝部の背面側から脱落するのを防止することが可能となる。
【0028】
第
6発明によれば、特に、着用者が着用したとき脚ベルト固定部の縁部側に引張力が作用するものの、脚ベルト固定部の縁部側が脚筒部の背面側に千鳥縫いされて固定されることによって、糸が抜けるのを防止することが可能となるとともに、糸切れを防止することが可能となり、脚ベルト固定部が脚筒部の背面側から脱落するのを防止することが可能となる。
【0029】
第
7発明によれば、特に、脚ベルト固定部の材料のロスを減少させることが可能となる。
【0030】
第
8発明によれば、特に、脚筒部の下端部が裁断されて形成されることによって、折り返された縫い代が設けられないため、着用者の脚が脚筒部の下端部で擦れるのを防止するとともに、圧迫されるのを軽減することが可能となる。
【0031】
第
9発明によれば、特に、着用者の股関節が下腹ベルトによって緊締されるため、着用者が歩行動作を行うとき、着用者の股関節の動作を安定させることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。また、第
9発明によれば、特に、下腹ベルトの中央部付近が千鳥縫いされて固定されることによって、下腹ベルトに引張力が作用したとき、糸が抜けるのを防止することが可能となるとともに、糸切れを防止することが可能となり、下腹ベルトが下腹筒部の背面側から脱落するのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を適用したスパッツ1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
本発明を適用したスパッツ1は、着用者の筋肉や関節の動作をサポートする下半身用のスパッツであって、日常生活時、ランニングや登山等の運動時等に用いられる。
【0036】
スパッツ1は、着用者の脚が挿通される2つの脚筒部3と、脚筒部3が巻き付けられる脚ベルト4と、脚筒部3の上端部38に設けられて着用者の下腹が挿通される下腹筒部2と、下腹筒部2の背面側2aに固定される下腹ベルト5とを備える。
【0037】
脚筒部3は、筒状に形成され、上端部38が開口されており、上端部38で着用者の股関節付近が挿通されるものとなる。また脚筒部3は、下端部39が開口されており、下端部39で着用者の踝付近が挿通されるものとなる。脚筒部3は、下端部39が裁断されて形成される。
【0038】
脚筒部3は、伸縮する生地が用いられ、例えば、使用原糸として、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリウレタンとが混用された生地が用いられる。この他、例えば、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリエステルとが混用された生地が用いられてもよい。
【0039】
脚筒部3は、正面側3bに設けられるとともに、着用者の膝付近が覆われる膝部31と、背面側3aに設けられる脚ベルト固定部32とを有する。
【0040】
脚ベルト固定部32は、脚筒部3を構成する生地よりも伸縮性の小さい生地が用いられる面ファスナーで構成される。脚ベルト固定部32は、膝部31から遠ざかるにつれて幅が狭小となるように形成され、縁部側32aが4点千鳥縫いされて脚筒部3の背面側3aに固定される。なお、ここでいう縁部側とは、縁部と縁部付近のことをいう。
【0041】
ここでいう4点千鳥縫いとは、千鳥を形成する山部と谷部との間に4か所止め縫いされていることをいい、縫い付けられる糸は合成繊維糸、天然繊維糸、または合成繊維糸と天然繊維糸の混合糸等が用いられる。
【0042】
脚ベルト固定部32は、膝部31の背面側31aよりも上側に設けられる膝上固定部33と、膝部31の背面側31aよりも下側に設けられる膝下固定部34とを有する。
【0043】
膝上固定部33は、上側が下側よりも縮小した台形状に形成されて、脚筒部3の上端部38近傍に配置される。膝上固定部33の縁部側を縁部側33aとする。
【0044】
膝下固定部34は、下側が上側よりも縮小した台形状に形成されて、脚筒部3の下端部39近傍に配置される。膝下固定部34の縁部側を縁部側34aとする。
【0045】
脚ベルト4は、細長い帯状に形成されるとともに、伸縮する生地が用いられ、例えば、使用原糸として、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリウレタンとが混用された生地が用いられる。この他、例えば、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリエステルとが混用された生地が用いられてもよい。
【0046】
脚ベルト4は、一方の端部側4aに面ファスナー41が取り付けられ、他方の端部側4bに面ファスナー42が取り付けられる。ここでいう端部側4aと端部側4bとは、それぞれ端部とその端部近傍のことをいう。脚ベルト4は、両端部側4a、4bに取り付けられた面ファスナー41、42を脚ベルト固定部32に貼り付けることで、両端部側4a、4bが脚筒部3の背面側3aに設けられる脚ベルト固定部32に着脱自在に固定される。
【0047】
脚ベルト4は、中央部付近4cが膝部31の背面側31aに矩形状に4点千鳥縫いされて固定される。なお、脚ベルト4は、中央部付近4cが膝部31の背面側31aに固定されるものに限られず、一部が膝部31の背面側31aに固定されていればよい。
【0048】
下腹筒部2は、伸縮する生地が用いられ、例えば、使用原糸として、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリウレタンとが混用された生地が用いられる。この他、例えば、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリエステルとが混用された生地が用いられてもよい。
【0049】
下腹筒部2は、筒状に形成され、上端部28が開口されている。また、下腹筒部2は、下端部29が2か所で開口されており、それぞれ2つの脚筒部3の上端部38に一体となって設けられる。
【0050】
下腹ベルト5は、細長い帯状に形成されて、伸縮する生地が用いられ、例えば、使用原糸として、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリウレタンとが混用された生地が用いられる。この他、例えば、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリエステルとが混用された生地が用いられてもよい。
【0051】
下腹ベルト5は、下腹筒部2に巻き付けられ、中央部付近5cが矩形状に4点千鳥縫いされて下腹筒部2の背面側2aにおける上端部28付近に固定され、両端部側5a、5bが下腹筒部2の正面側2bで着脱自在とされる。
【0052】
下腹ベルト5の一方の端部側5aは、面ファスナー51が取り付けられ、また、下腹ベルト5の他方の端部側5bは、面ファスナー52が取り付けられる。この面ファスナー51と、面ファスナー52とを互いに重ね合わせることで、下腹ベルト5は、両端部側5a、5bが下腹筒部2の正面側2bで着脱自在とされるものとなる。なお、ここでいう端部側5aと端部側5bとは、それぞれ端部とその端部近傍のことをいう。
【0053】
次に、本発明を適用したスパッツ1の作用効果について説明する。
【0054】
図2(a)は、本発明を適用したスパッツ1を着用者が着用した状態を示す正面図を示し、(b)は、その背面図を示す。図示の形態は、脚ベルト4の両端部側4a、4bが膝上固定部33にそれぞれ着脱自在に固定されている。
【0055】
スパッツ1は、脚ベルト4が脚筒部3の正面側3bで、特に着用者の膝蓋骨の下側付近で交差するように脚筒部3に巻き付けられるものとなる。そして、スパッツ1は、脚ベルト4が着用者の大腿四頭筋の内側付近を通るように脚筒部3に巻き付けられ、脚ベルト4の一方の端部側4aが膝上固定部33に着脱自在に固定される。また、スパッツ1は、脚ベルト4が大腿四頭筋の外側付近を通るように脚筒部3に巻き付けられ、脚ベルト4の他方の端部側4bが膝上固定部33に着脱自在に固定される。このとき、スパッツ1は、脚ベルト4に引張力が作用した状態で、両端部側4a、4bが膝上固定部33に固定されるものとなる。
【0056】
これにより、スパッツ1は、着用者の膝蓋骨が下側から脚ベルト4によって緊締されるとともに、着用者の大腿四頭筋の内側と外側とが脚ベルト4によって緊締されることとなる。このため、スパッツ1は、着用者が歩行動作を行うとき、着用者の膝が倒れ込むのを抑制するとともに、大腿四頭筋の筋振動を抑制することが可能となる。その結果、スパッツ1は、左右の膝関節を安定させることが可能となるとともに、大腿四頭筋の負担を軽減させることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。特に、
図2の形態において、スパッツ1は、膝への衝撃の大きい下り坂や階段を降りる際に有用となる。
【0057】
スパッツ1は、着用者が着用するとき、脚筒部3及び下腹筒部2の生地が伸びた状態で着用者の脚及び下腹が脚筒部3及び下腹筒部2に挿通される。このスパッツ1は、着用者の脚及び下腹が脚筒部3及び下腹筒部2に密着するようにして着用されるものの、脚筒部3及び下腹筒部2の生地の伸縮力によって着用者の脚及び下腹が締め付けられることなく、ほどよい装着感を実現するものである。このようにスパッツ1は、脚筒部3と下腹筒部2とが伸縮する生地で構成されることによって、着用者が容易に着用と脱衣を行うことが可能となる。
【0058】
スパッツ1は、膝上固定部33が脚筒部3の上端部38近傍に配置されることによって、着用者が着用したとき、着用者の大腿背面の筋肉である、ハムストリングス付近に配置されるものとなる。このとき、スパッツ1は、膝上固定部33が脚筒部3よりも伸縮性の小さい生地で構成され、膝上固定部33の縁部側33aが脚筒部3の背面側3aに縫い付けられて固定されることによって、ハムストリングス付近に対向する脚筒部3の伸縮が制限されるため、ハムストリングスを緊締する力が強くなる。これにより、スパッツ1は、着用者が歩行動作を行うとき、ハムストリングスの筋振動を抑制することが可能となり、その負担を軽減することが可能となる。
【0059】
スパッツ1は、脚ベルト4の両端部側4a、4bを膝上固定部33に固定したとき、脚筒部3の背面側3aにおいて一方の端部側4aが大腿四頭筋の内側からハムストリングスに向けて傾斜して配置され、他方の端部側4bが大腿四頭筋の外側からハムストリングスに向けて傾斜して配置されるものとなる。このため、スパッツ1は、膝上固定部33の上側が下側よりも縮小した台形状に形成されることによって、膝上固定部33の形状に合わせて両端部側4a、4bを配置させて膝上固定部33に着脱自在に固定させることが可能となる。その結果、スパッツ1は、面ファスナーで構成される膝上固定部33の材料のロスを減少させることが可能となる。
【0060】
スパッツ1は、膝下固定部34が脚筒部3の下端部39近傍に配置されることによって、着用者が着用したとき、着用者の脛背面の筋肉である、ふくらはぎ付近に配置されるものとなる。このとき、スパッツ1は、膝下固定部34が脚筒部3よりも伸縮性の小さい生地で構成され、膝下固定部34の縁部側34aが脚筒部3の背面側3aに縫い付けられて固定されることによって、ふくらはぎ付近に対向する脚筒部3の伸縮が制限されるため、ふくらはぎを緊締する力が強くなる。これにより、スパッツ1は、着用者が歩行動作を行うとき、ふくらはぎの筋振動を抑制することが可能となり、その負担を軽減することが可能となる。
【0061】
スパッツ1は、着用者が着用したとき脚ベルト固定部32の縁部側32aに引張力が作用するものの、脚ベルト固定部32の縁部側32aが脚筒部3の背面側3aに千鳥縫いされて固定される。これにより、スパッツ1は、糸が抜けるのを防止することが可能となるとともに、糸切れを防止することが可能となる。このため、スパッツ1は、脚ベルト固定部32が脚筒部3の背面側3aから脱落するのを防止することが可能となる。
【0062】
スパッツ1は、脚ベルト4の中央部付近4cが膝部31の背面側31aに千鳥縫いされて固定されることによって、着用者が脚ベルト4に引張力を作用させたとき、糸が抜けるのを防止することが可能となるとともに、糸切れを防止することが可能となる。このため、スパッツ1は、脚ベルト4が膝部31の背面側31aから脱落するのを防止することが可能となる。
【0063】
スパッツ1は、脚筒部3の下端部39が裁断されて形成されることによって、折り返された縫い代が設けられないため、着用者の脚が脚筒部3の下端部39で擦れるのを防止するとともに、圧迫されるのを軽減することが可能となる。
【0064】
スパッツ1は、面ファスナー51と、面ファスナー52とを互いに重ね合わせることで、下腹ベルト5の両端部側5a、5bが下腹筒部2の正面側2bで着脱自在とされるものとなる。このとき、スパッツ1は、下腹ベルト5に引張力が作用した状態で、下腹筒部2に巻き付けられるものとなる。
【0065】
これにより、スパッツ1は、着用者の股関節付近が下腹ベルト5によって緊締されるため、着用者が歩行動作を行うとき、着用者の股関節付近の動作を安定させることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0066】
また、スパッツ1は、着用者が必要なときに応じて下腹ベルト5の巻き付け具合を調整することで、適宜股関節付近をサポートすることが可能となる。スパッツ1は、下腹ベルト5の両端部側5a、5bに取り付けられた面ファスナー51、52を下腹筒部2の正面側2bで互いに着脱されるため、着用者が股関節付近をサポートしたいときに容易に行うことが可能となる。
【0067】
スパッツ1は、下腹ベルト5の中央部付近5cが千鳥縫いされて固定されることによって、下腹ベルト5に引張力が作用したとき、糸が抜けるのを防止することが可能となるとともに、糸切れを防止することが可能となる。このため、スパッツ1は、下腹ベルト5が下腹筒部2の背面側2aから脱落するのを防止することが可能となる。
【0068】
図3(a)は、本発明を適用したスパッツ1を着用者が着用した状態を示す正面図を示し、(b)は、その背面図を示す。図示の形態は、脚ベルト4の両端部側4a、4bが膝下固定部34にそれぞれ着脱自在に固定されている。
【0069】
スパッツ1は、脚ベルト4が脚筒部3の正面側3bで、特に着用者の脛の正面で交差されて脚筒部3に巻き付けられるものとなる。そして、スパッツ1は、脚ベルト4が着用者のふくらはぎの内側を通るように脚筒部3に巻き付けられ、脚ベルト4の一方の端部側4aが膝下固定部34に着脱自在に固定される。また、スパッツ1は、脚ベルト4が着用者のふくらはぎの外側を通るように脚筒部3に巻き付けられ、脚ベルト4の他方の端部側4bが膝下固定部34に着脱自在に固定される。このとき、スパッツ1は、脚ベルト4に引張力が作用した状態で、両端部側4a、4bが膝下固定部34に固定されるものとなる。
【0070】
これにより、スパッツ1は、着用者のふくらはぎの内側と外側とが脚ベルト4によって緊締される。このため、スパッツ1は、着用者が歩行動作を行うとき、ふくらはぎの筋振動を抑制することが可能となり、その結果、ふくらはぎの負担を軽減させることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0071】
スパッツ1は、脚ベルト4の両端部側4a、4bを膝下固定部34に固定したとき、脚筒部3の背面側3aにおいて一方の端部側4aが脛の内側からふくらはぎに向けて傾斜して配置され、他方の端部側4bが脛の外側からふくらはぎに向けて傾斜して配置されるものとなる。このとき、スパッツ1は、膝下固定部34の下側が上側よりも縮小した台形状に形成されることによって、膝下固定部34の形状に合わせて両端部側4a、4bを配置させて膝下固定部34に着脱自在に固定させることが可能となる。その結果、スパッツ1は、面ファスナーで構成される膝下固定部34の材料のロスを減少させることが可能となる。
【0072】
図4(a)は、本発明を適用したスパッツ1を着用者が着用した状態を示す正面図を示し、(b)は、その背面図を示す。図示の形態は、脚ベルト4の他方の端部側4bが膝上固定部33に着脱自在に固定され、一方の端部側4aが膝下固定部34に着脱自在に固定されている。
【0073】
スパッツ1は、脚ベルト4が脚筒部3の正面側3bで、特に着用者の膝蓋骨の下側を通るように脚筒部3に巻き付けられる。そして、スパッツ1は、脚ベルト4が大腿四頭筋の外側を通るように脚筒部3に巻き付けられ、脚ベルト4の他方の端部側4bが膝上固定部33に着脱自在に固定される。このとき、スパッツ1は、脚ベルト4に引張力が作用した状態で、他方の端部側4bが膝上固定部33に固定されるものとなる。
【0074】
また、スパッツ1は、脚ベルト4が脚筒部3の正面側3bで、特に着用者の脛の正面を通るように脚筒部3に巻き付けられる。そして、スパッツ1は、脚ベルト4が着用者のふくらはぎの内側を通るように脚筒部3に巻き付けられ、脚ベルト4の一方の端部側4aが膝下固定部34に着脱自在に固定される。このとき、スパッツ1は、脚ベルト4に引張力が作用した状態で、一方の端部側4aが膝下固定部34に固定されるものとなる。
【0075】
これにより、スパッツ1は、着用者の膝蓋骨が下側から脚ベルト4によって緊締されるとともに、着用者の大腿四頭筋の外側と着用者のふくらはぎの内側とが脚ベルト4によって緊結されるものとなる。このため、スパッツ1は、着用者が歩行動作を行うとき、着用者の膝が倒れ込むのを抑制するとともに、大腿四頭筋の筋振動を抑制し、同時にふくらはぎの筋振動を抑制することが可能となる。その結果、スパッツ1は、左右の膝関節を安定させるとともに、大腿四頭筋とふくらはぎとの負担を軽減させることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0076】
図5(a)は、本発明を適用したスパッツ1を着用者が着用した状態を示す正面図を示し、(b)は、その背面図を示す。図示の形態は、脚ベルト4の一方の端部側4aが膝上固定部33に着脱自在に固定され、他方の端部側4bが膝下固定部34に着脱自在に固定されている。
【0077】
このとき、スパッツ1は、着用者の膝蓋骨が下側から脚ベルト4によって緊締されるとともに、着用者の大腿四頭筋の内側と着用者のふくらはぎの外側とが脚ベルト4によって緊結されるものとなる。このため、スパッツ1は、着用者が歩行動作を行うとき、着用者の膝が倒れ込むのを抑制するとともに、大腿四頭筋の筋振動を抑制し、同時にふくらはぎの筋振動を抑制することが可能となる。その結果、スパッツ1は、左右の膝関節を安定させるとともに、大腿四頭筋とふくらはぎとの負担を軽減させることで、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0078】
このように、スパッツ1は、脚ベルト4の両端部側4a、4bが固定される位置を膝上固定部33及び膝下固定部34の何れかから選択することによって、負担を軽減させたい大腿四頭筋やふくらはぎ等の筋肉や膝の関節を着用者が任意で選択することが可能となる。
【0079】
また、スパッツ1は、脚ベルト4の何れか一方の端部側4a、4bが脚ベルト固定部32に着脱自在に固定されることによって、脚ベルト4に作用させる引張力を調整することが可能となり、その結果、着用者が任意の強さで大腿四頭筋やふくらはぎ等の筋肉や膝の関節をサポートすることが可能となる。
【0080】
スパッツ1は、例えば、着用者が登山をする際、坂を上るときには膝への負担が比較的小さいため、脚ベルト4や下腹ベルト5の巻き付けを解除しておき、坂を下るときには膝への負担が比較的大きいため、脚ベルト4を脚筒部3に巻き付けて固定しておくことで、大腿四頭筋やふくらはぎ等の筋肉や膝関節や股関節等の動きをサポートすることができる。また、スパッツ1は、着用者が休憩するときには脚ベルト4や下腹ベルト5の巻き付けを解除しておくことで、緊締された筋肉や関節を圧迫感から解放させることが可能となる。そして、スパッツ1は、脚筒部3及び下腹筒部2の生地の伸縮力によって着用者の脚及び下腹が締め付けられるものではないため、着用者が尿意を催した場合であっても脱衣が容易なものとなる。また、スパッツ1は、着用者が食事をするときには下腹ベルト5の巻き付けを解除しておくことで、圧迫感から解放された状態で食事を行うことが可能となる。
【0081】
スパッツ1は、例えば、足腰の弱った高齢者等に着用される場合であっても、着用者が階段を上るときには膝への負担が比較的小さいため、脚ベルト4や下腹ベルト5の巻き付けを解除しておき、階段を下るときには膝への負担が比較的大きいため、脚ベルト4を脚筒部3に巻き付けて固定しておくことで、大腿四頭筋、ふくらはぎ等の筋肉や膝関節、股関節等の関節の動きをサポートすることができる。
【0082】
このようにスパッツ1は、着用者が必要なときに応じて脚ベルト4や下腹ベルト5の巻き付け具合を調整することで、適宜筋肉や関節をサポートすることが可能となる。スパッツ1は、脚ベルト4の両端部側4a、4bに取り付けられた面ファスナー41、42を脚ベルト固定部32に貼り付けることで、着用者が筋肉や関節をサポートしたいときに容易に行うことが可能となる。
【0083】
また、スパッツ1は、脚着用者の脚及び下腹が脚筒部3及び下腹筒部2に密着されているものの、締め付けられていないため、ベルト4の両端部側4a、4bが脚ベルト固定部32に固定されていないとき、着用者が圧迫感を感じることなく過ごすことが可能となる。即ち、スパッツ1は、特定の部位の筋肉が発達した人、標準よりも体重の重たい人や軽い人等であっても着用することが可能となり、着用者の体型によらず過度な窮屈感やずれ下がりが発生するのを防止することが可能となる。そして、スパッツ1は、脚ベルト4と下腹ベルト5とを適宜調整して脚筒部3と下腹筒部2とにそれぞれ巻き付けられることで、着用者の体型によらず、大腿四頭筋、ふくらはぎ等の筋肉や膝関節、股関節等の関節の動きをサポートすることが可能となる。
【0084】
なお、本発明に係るスパッツは、膝上固定部と膝下固定部の何れか一方が省略されていてもよい。
【0085】
また、本発明に係るスパッツは、脚筒部の下端で着用者の踝付近が挿通される、いわゆるロングスパッツで構成されるものを例示したが、脚筒部の下端で着用者の膝付近が挿通される、いわゆるハーフスパッツで構成されるものであってもよい。このとき、膝下固定部が省略されるものとなる。
【0086】
また、本発明に係るスパッツは、脚ベルトの中央部付近が膝部の背面側に固定されるものを例示したが、一方の端部側が膝部の背面側に固定されて、他方の端部側が脚ベルト固定部に着脱可能に固定されるものであってもよい。
【0087】
また、本発明に係るスパッツは、下腹ベルトが省略されるものであってもよい。
【0088】
次に
、シャツ9を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0089】
シャツ9は、着用者の筋肉の動作をサポートするものであって、Tシャツ型に形成される。シャツ9は、日常生活時やランニングや登山等の運動時等に用いられる。
【0090】
シャツ9は、着用者の胴体が挿通される胴筒部6と、胴筒部6が巻き付けられる背筋ベルト7とを備える。
【0091】
胴筒部6は、背面側6aに縫い付けられて固定されて設けられるとともに、上下方向に沿った中心線上に設けられる背面固定部8と、背面側6aに設けられるメッシュ状の生地が用いられるメッシュ部79と、正面側8bに設けられる背筋ベルト固定部83とを有する。
【0092】
胴筒部6は、伸縮する生地が用いられ、例えば、使用原糸として、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリウレタンとが混用された生地が用いられる。この他、例えば、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリエステルとが混用された生地が用いられてもよい。
【0093】
背面固定部8は、胴筒部6よりも伸縮性の小さい生地が用いられ、例えば、人工皮革が用いられる。背面固定部8は、胴筒部6の背面側6aの上側に設けられる上側固定部81と、胴筒部6の背面側6aの下側に設けられる下側固定部82とを有する。
【0094】
メッシュ部79は、胴筒部6よりも伸縮性の小さい生地が用いられ、上側固定部81と下側固定部82の間に設けられる。
【0095】
背筋ベルト固定部83は、胴筒部6を構成する生地よりも伸縮性の小さい生地が用いられる面ファスナーで構成される。背筋ベルト固定部83の縁部側は、胴筒部6の正面側6bに縫い付けられて固定される。
【0096】
背筋ベルト7は、細長い帯状に形成されるとともに、伸縮する生地が用いられ、例えば、使用原糸として、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリウレタンとが混用された生地が用いられる。この他、例えば、質量換算で70%程度のナイロンと、30%程度のポリエステルとが混用された生地が用いられてもよい。
【0097】
背筋ベルト7は、上側固定部81に固定される2本の上側ベルト71と、下側固定部82に固定される2本の下側ベルト72とを有する。
【0098】
上側ベルト71は、一方の端部側71aが上側固定部81に固定され、他方の端部側71bが下側ベルト72に固定される。なお、ここでいう端部側71aと端部側71bとは、それぞれ端部とその端部近傍のことをいう。
【0099】
下側ベルト72は、一方の端部側72aが下側固定部82に固定され、他方の端部側72bが上側ベルト71の他方の端部側71bに固定される。下側ベルト72は、他方の端部側72bに面ファスナー73が取り付けられる。なお、ここでいう端部側72aと端部側72bとは、それぞれ端部とその端部近傍のことをいう。
【0100】
背筋ベルト7は、面ファスナー73を背筋ベルト固定部83に貼り付けることで、下側ベルト72の他方の端部側72bが胴筒部6の正面側6bに設けられる背筋ベルト固定部83に着脱自在に固定される。
【0101】
次に
、シャツ9の作用効果について説明する。
【0102】
図7(a)は
、シャツ9を着用者が着用した状態を示す正面図を示し、(b)は、その背面図を示す。
【0103】
シャツ9は、上側ベルト71が着用者の背筋の外側付近を通るように胴筒部6に巻き付けられ、上側ベルト71の他方の端部側71bが胴筒部6の正面側6bに配置される。また、シャツ9は、下側ベルト72が着用者の腰の外側の筋肉である、腹斜筋群付近を通るように胴筒部6に巻き付けられ、下側ベルト72の他方の端部側72bが背筋ベルト固定部83に着脱自在に固定される。このとき、スパッツ1は、上側ベルト71と下側ベルト72とに引張力が作用した状態で、他方の端部側71bと他方の端部側72bとが胴筒部6の正面側6bで固定されるものとなる。
【0104】
これにより、シャツ9は、着用者の背筋が上側ベルト71によって緊締されるとともに、着用者の腹斜筋群が下側ベルト72によって緊締されることとなる。このため、シャツ9は、着用者が歩行等を行うとき、背筋と腹斜筋群の筋振動を抑制することが可能となり、着用者が立位姿勢を保つことが容易となる。その結果、シャツ9は、背筋と腹斜筋群の負担を軽減させることが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0105】
シャツ9は、着用者が着用するとき、胴筒部6の生地が伸びた状態で着用者の胴体が挿通される。このシャツ9は、着用者の胴体が胴筒部6に密着するようにして着用されているものの、胴筒部6の生地の復元力によって着用者の胴体が締め付けられることなく、ほどよい装着感を実現するものである。このようにシャツ9は、胴筒部6が伸縮する生地で構成されることによって、着用者の体型によらず、容易に着用することが可能となる。
【0106】
シャツ9は、上側固定部81が胴筒部6の上側に配置され、下側固定部82が胴筒部6の下側に配置され、メッシュ部79が上側固定部81と下側固定部82との間に設けられることによって、着用者が着用したとき、上側固定部81、下側固定部82及びメッシュ部79が着用者の背筋付近に配置されるものとなる。このとき、シャツ9は、上側固定部81、下側固定部82及びメッシュ部79が胴筒部6よりも伸縮性の小さい生地で構成され、上側固定部81と下側固定部82とが胴筒部6の背面側6aに縫い付けられて固定されることによって、背筋に対向する胴筒部6の伸縮が制限されるため、背筋を緊締する力が強くなる。これにより、シャツ9は、背筋付近の筋振動を抑制することが可能となり、着用者が立位姿勢を保つことが容易となり、背筋の負担を軽減することが可能となる。
【0107】
シャツ9は、背筋ベルト固定部83が胴筒部6の正面側6bの中央近傍に配置されることによって、着用者が着用したとき、着用者の腹筋近傍に配置されるものとなる。このとき、シャツ9は、背筋ベルト固定部83が胴筒部6よりも伸縮性の小さい生地で構成され、縁部側が胴筒部6の正面側6bに縫い付けられて固定されることによって、着用者の腹筋近傍に対向する胴筒部6の伸縮が制限されるため、腹筋を緊締する力が強くなる。これにより、シャツ9は、着用者が歩行等を行うとき、腹筋の筋振動を抑制することが可能となり、着用者が立位姿勢を保つことが容易となり、腹筋の負担を軽減することが可能となる。
【0108】
また、シャツ9は、背筋ベルト7の他方の端部側72bが背筋ベルト固定部83に着脱自在に固定されることによって、背筋ベルト7に作用させる引張力を調整することが可能となり、その結果、着用者が任意の強さで背筋や腹斜筋群等の筋肉を補助することが可能となり、怪我の防止と疲労の軽減を実現することが可能となる。
【0109】
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。