(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、この実施の形態のパチンコ遊技機(遊技機)は、遊技店の島設備に設置される縦長の矩形状の機枠1と、機枠1に扉状に開閉自在に取り付けられた前面枠2と、前面枠2に収納された遊技盤3(
図2に図示)と、前面枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられ、中央に大きく開口部5が形成されたガラス扉4と、このガラス扉4の開口部5に取り付けられた透明な二重ガラス板6と、前記ガラス扉4の前面の前記二重ガラス板6の下に設けられ、遊技球を収容する上皿7および上皿7から溢れる遊技球を収容するとともに遊技球を一時的に貯留する下皿8と、前記ガラス扉4の上皿7および下皿8の向かって右側に設けられる発射操作装置(ハンドル)9とを備えている。前記ガラス扉4の上皿7の向かって右側には、貸球の払出操作等を行う操作部10が設けられ、上皿7の前側には遊技者による操作が可能な演出ボタン11が設けられている。
【0019】
図2に示すように遊技盤3の盤面(前面)には、前記二重ガラス板6との間に遊技領域12が設けられている。遊技盤3の盤面には、その略中央部に後側に凹んだ凹所13が形成され、この凹所13の後部に演出表示装置(可変表示装置)としての液晶表示装置14の画像表示画面15が略鉛直方向に沿って配置されている。
また、前記遊技盤3は透明または透光性を有する樹脂によって形成されており、適宜の個所に発光素子が設けられており、この発光素子は以下に述べるような各種演出装置の動作に合わせて点滅、点灯または消灯するようになっている。
【0020】
また、凹所13の周囲には、画像表示画面15の周囲を装飾するとともに、遊技盤3の盤面から前側に突出して設けられ、画像表示画面15の前側を遊技球が通過するのを阻止する画面用装飾部材16が備えられている。
なお、画面用装飾部材16は、矩形状の画像表示画面15の周縁部と重なっており、画像表示画面15は、画面用装飾部材16の内側の開口17から露出する部分だけが視認可能になっている。
【0021】
また、画面用装飾部材16の画像表示画面15の下側は、ステージ18となっており、ステージ18上には、遊技球が、所謂ワープ流路を経るか、ステージ18の下側から跳ねることにより進入可能になっている。
【0022】
図2および
図3に示すように、前記遊技領域12に演出装置20が設けられている。この演出装置20は、第1演出部材21を画像表示画面15の少なくとも一部(例えば遊技情報を表示する領域)を遮る遮蔽位置A1と、この遮蔽位置A1の上方にあって画像表示画面15を遮らない待機位置A2との間を往復動させる往復動手段22と、第2演出部材23を円弧状に移動させるとともに、当該第2演出部材23を円弧状に移動させる際に、遮蔽位置A1にある第1演出部材21(
図4参照)をその裏側で横切らせる円弧状駆動手段24とを備えている。
【0023】
前記第1演出部材21は、左右一対の演出部材片21a,21bを有している。また、演出装置20は、第1演出部材21が遮蔽位置A1にある場合に、右方の演出部材片21bを左方の演出部材片21aに対して少なくとも横方向(本実施の形態では、右斜め下方)に離間させる離間手段25(
図5A参照)を備えている。この離間手段25については後述する。
【0024】
前記往復動手段22は、
図5Aおよび
図5Bに示すように、遊技盤3に設けられた駆動手段30と、この駆動手段30によって上下に往復動される可動部材31を備えており、この可動部材31に第1演出部材21が取り付けられている。
【0025】
駆動手段30は、遊技盤3等に固定された取付板29に取り付けられたモータ30aと、このモータ30aの駆動軸に取り付けられたモータギヤ30bと、取付板29に取り付けられるとともにモータギヤ30bに噛合するピニオンギヤ30cとを備えている。そして、駆動手段30では、モータ30aの駆動軸によってモータギヤ30bが正逆方向に回転駆動されることによって、当該モータギヤ30bを介してピニオンギヤ30cが正逆方向に回転するようになっている。
【0026】
前記可動部材31は、縦方向に長尺な縦型可動部材32と、この縦型可動部材32にほぼ直角に固定された横方向に長尺な横型可動部材33とから構成されている。前記取付板29には縦方向に長尺なガイドシャフト34が取り付けられており、このガイドシャフト34に前記縦型可動部材32が上下に摺動可能に係合している。
また、縦型可動部材32の外側面にはラック32cが上下に延在して取り付けられており、このラック32cに前記ピニオンギヤ30cが噛合している。
したがって、ピニオンギヤ30cが正逆方向に回転することによって、ラック32cを介して縦型可動部材32が横型可動部材33とともに上下に移動、つまり、可動部材31が上下に移動するようになっている。
【0027】
また、取付板29には前記ガイドシャフト34より上方位置に、フォトセンサ35が設けられており、可動部材31の上部には位置検出用の突出部36が設けられている。そして、前記駆動手段30によって上下に往復動される可動部材31は、その最上昇位置で突出部36をフォトセンサ35が検知することによって、モータ30aが停止されて、前記最上昇位置で停止位置決めされる。
また、取付板29には可動部材31の最上昇位置と、最下降位置でそれぞれ当該可動部材31に当接して、それ以上の上昇および下降を阻止するストッパが設けられている。
【0028】
前記横型可動部材33は、その基端部(左端部)が縦型可動部材32と直角に交差している。また、取付板29には、前記ガイドシャフト34と平行に他のガイドシャフト37が取り付けられており、このガイドシャフト37に横型可動部材33が上下に摺動可能に係合している。
さらに、横型可動部材33の先端(右端)側には、ガイドシャフト38が前記ガイドシャフト37と平行に設けられており、このガイドシャフト38に横型可動部材33の先端部が上下に摺動可能に係合している。このように、横型可動部材33はその基端部および先端部がそれぞれガイドシャフト37,38に摺動可能に係合しているので、上下方向に安定的に移動可能となる。
【0029】
前記第1演出部材21を構成している左右一対の演出部材片21a,21bを離間させる離間手段25は以下のように構成されている。
すなわちまず、離間手段25は、可動部材31の横型可動部材33に設けられて、第1演出部材21が遮蔽位置A1に位置する際に、水平方向に移動されるインナーアーム(アーム)40と、このインナーアーム40に係合して当該インナーアーム40の水平移動によって回転されるクランクギヤ(回転部材)41を有している。
【0030】
インナーアーム40は、
図5A、
図5B、
図6A、
図6Bに示すように、横型可動部材33の内部に挿通されており、その基端部(左端部)にはガイドローラ42が取り付けられており、このガイドローラ42は前記取付板29に形成されたガイド部43に上下に移動可能に係合されている。ガイド部43は上下に長尺な長孔であり、その下端部は外側に向けて傾斜した傾斜ガイド部43aとなっている。つまり、傾斜ガイド部43aは、下方に行くに従って第1演出部材21から横方向(水平方向)に離間するように傾斜している。
【0031】
前記インナーアーム40には、
図6Aおよび
図6Bに示すように、横方向に長い長孔で構成されたガイド部40a,40aが左右に離間して形成されており、このガイド部40a,40aに、横型可動部材33に設けられた突出部45,45が摺動可能に係合している。これによって、インナーアーム40は左右にスムーズに移動できるようになっている。
また、横型可動部材33の内部には、他のインナーアーム44が前記インナーアーム40と同軸にかつ当該インナーアーム40と左右方向に離間して挿入固定されており、他のインナーアーム44の先端部(右端部)は前記ガイドシャフト38に上下に摺動可能に係合されている。
【0032】
そして、インナーアーム40は、横型可動部材33とともに下方に移動(下降)して、ガイドローラ42が傾斜ガイド部43aに入ると、
図5Aおよび
図5Bに示すように、左方に水平移動される。なお、インナーアーム40は横型可動部材33とともに下降しているので、実際は下方に移動しつつ左方に水平移動される。
【0033】
前記インナーアーム40の先端部にはラック40bが形成されており、このラック40bに前記クランクギヤ41が噛合している。クランクギヤ41はピニオンギヤ41bとこのピニオンギヤ41bから径方向外側に突出する突出部41aを備えており、この突出部41aはピニオンギヤの正逆方向への回転に伴ってピニオンギヤの軸を中心として、上下に回動するようになっている。
【0034】
前記第1演出部材21を構成する右側の演出部材片21bには、
図6A、
図6B、
図7に示すように、長孔で構成された3つのガイド部46,47,48が形成されている。ガイド部46,47は横型可動部材33に対して同一方向(右下方向)に傾斜しており、ガイド部48はガイド部46,47と逆方向(左下方向)に傾斜している。
一方、左側の演出部材片21aには、
図6A、
図6Bに示すように、突出部49,50,51が設けられており、突出部49が前記ガイド部46に摺動可能に係合しており、突出部50,51が前記ガイド部47に摺動可能に係合している。これによって、演出部材片21bは演出部材片21aに対して、左右方向と上下方向に接離可能となっている。なお、演出部材片21aは横型可動部材33に固定されている。
【0035】
また、前記ガイド部48には、クランクギヤ41の突出部41aが摺動可能に係合しており、クランクギヤ41の回転(反時計方向への回転)に伴って、ガイド部48の内面(下側の内面)が突出部41aによって押され、これによって、演出部材片21bが演出部材片21aに対して右斜め下方に移動(下降)するようになっている。また、演出部材片21bが演出部材片21aから離れた状態において、クランクギヤ41の逆方向への回転(時計方向への回転)に伴って、ガイド部48の内面(上側の内面)が突出部41aによって押され、これによって、演出部材片21bが演出部材片21aに対して左斜め上方に移動(上昇)して接近するようになっている。
【0036】
このような構成の離間手段25では、横型可動部材33が下降して、
図5Bに示すように、インナーアーム40のガイドローラ42が傾斜ガイド部43aに入り込むと、当該インナーアーム40が左方に移動する。このインナーアーム40の移動によって、ラック40bに噛合しているクランクギヤ41が回転(反時計方向への回転)し、これによって、ガイド部48の内面が突出部41aによって押され、演出部材片21bが演出部材片21aに対して右斜め下方に移動(下降)して、当該演出部材片21aに対して右斜め下方に離間する(
図4、
図5B、
図6B参照)。
【0037】
次に、前記第2演出部材23を円弧状に移動させるとともに、当該第2演出部材23を円弧状に移動させる際に遮蔽位置A1にある第1演出部材21をその裏側で斜めに横切らせる円弧状駆動手段24について説明する。
【0038】
図8に示すように、第2演出部材23は、略矩形のカード状に形成されており、その中心部を回転軸として回転可能となっている。なお、第2演出部材23の外周部には装飾部23aが形成されている。
【0039】
円弧状駆動手段24は、遊技盤3の上右隅部に固定された取付板55に基端部が回動可能に取り付けられた回動アーム56と、この回動アーム56を回動させる回動駆動手段57とを備えている。
回動アーム56は基端部側の軸56aを回動軸として先端部側を上下に回動可能であり、回動アーム56の基端部と取付板55に下部に設けられたピンとに、バネ58の上下端部がそれぞれ係止されている。バネ58は引っ張りバネであり、回動アーム56を押し上げる方向に付勢している。
【0040】
回動アーム56の基端部には、モータ60、ギヤ61,62が取り付けられており、ギヤ61とギヤ62は噛合している。モータ60の駆動軸によってギヤ61が回転され、さらにギヤ62が回転するようになっている。
一方、回動アーム56の先端部には、ギヤ63,64が取り付けられており、ギヤ63の軸部とギヤ62の軸部とにベルト65が掛けられている。ギヤ64はギヤ63に噛合しており、ギヤ64の回転軸64aに前記第2演出部材23の中心部が取り付けられている。
したがって、モータ60の駆動軸を回転させることにより、ギヤ61,62、ベルト65、ギヤ63,64を介して第2演出部材23がその中心回り、すなわちギヤ64の回転軸64aを回転軸として回転するようになっている。
なお、モータ60は回動アーム56の表面側に取り付けられ、ギヤ61,62、ベルト65、ギヤ63,64は回動アーム56の裏面側に取り付けられている。
【0041】
前記回動駆動手段57は以下のように構成されている。
すなわちまず、前記取付板55の上部に、モータ(ステッピングモータ)70、クランクギヤ71が取り付けられ、このクランクギヤ71にリンク部材72が係合している。
モータ70の駆動軸にはギヤ70aが取り付けられており、このギヤ70aがクランクギヤ71に噛合している。クランクギヤ71は径方向外側に突出する突出部71aを有しており、この突出部71aに取り付けられたローラ71bがリンク部材72に形成されているガイド部72aに摺動可能に係合している。ガイド部72aはリンク部材72に沿って長尺な長孔で構成されている。このリンク部材72の端部は回動アーム56の基端部に軸56aから偏心した位置において連結されている。なお、前記ギヤ70aには、ギヤ70bが噛合しており、このギヤ70bの回転量をフォトセンサ70cによって検出し、これによって、クラングギヤ71の回転量を検出するようになっている。
【0042】
このような構成の回動駆動手段57では、
図8に示すように、第2演出部材23が最上昇位置にあるときに、リンク部材72が斜め上方を向いた状態で、そのガイド部72aの一端部(上端部)にクランクギヤ71のローラ71bが係合しており、これによって、回動アーム56が下方に回動するのをロックした状態となっている。なお、バネ58は回動アーム56を上方に付勢している。
【0043】
この状態からモータ70を作動させると、
図9に示すように、クランクギヤ71が時計方向に回転し、これに伴ってローラ71bがガイド部72aを他端部側に向けて移動しつつ、リンク部材72が反時計回りに倒れて行く。これによって、回動アーム56がバネ58の付勢力に抗して反時計回りに回動するので、第2演出部材23は軸56aを中心に円弧を描くようにして移動して行く。
この際、回動アーム56を所定の回転角度位置で停止させるには、つまり、第2演出部材23を所定の位置で保持するには、前記モータ70の励磁力によって行う。
【0044】
さらに、モータ70を作動させると、
図10に示すように、クランクギヤ71がさらに時計方向に回転し、これに伴ってローラ71bがガイド部72aを一端部(左端部)側に向けて移動しつつ、リンク部材72が軸56aを中心に反時計回りに倒れてほぼ水平となる。これによって、回動アーム56がバネ58の付勢力に抗してさらに反時計回りに回動するので、第2演出部材23は軸56aを中心に円弧を描くように移動して、最下降位置に達する。
なお、回動アーム56を最下降位置から最上昇位置に回動させる場合、前記と逆の工程によって行えばよい。
【0045】
また、前記遊技領域12には、別の演出装置80が設けられている。この演出装置80は
図2に示すように、前記演出装置20の裏側に設けられており、第1演出部材21が前記待機位置A2にある場合には、演出装置20や画面用装飾部材16によってその殆どが隠されている。
【0046】
前記演出装置80について、
図11を参照して説明する。
演出装置80は、画像表示画面15の前で、左右方向において接離可能に移動する左右一対の可動部材81,81と、当該可動部材81,81を接離移動させる接離駆動手段83と、可動部材81,81に中央部が正逆方向に回転可能に設けられて、当該可動部材81,81と交差するようにして正逆方向に回転可能な回転演出部材84と、左右一対の可動部材81,81が近接した際に、回転演出部材84をその中央部回りに所定角度回転させる回転駆動手段85とを備えている。
【0047】
前記可動部材81,81はそれぞれ円弧状に形成され、互いに近接もしくは当接した際にほぼリング状に配置されてリング部86を構成する(
図13参照)。このリング部86が構成された際に、前記回転演出部材84は、その一方の端部がリング部86の中央部側に向いている(
図13参照)。
可動部材81,81のそれぞれの上端部は、遊技盤3に取り付けられたガイド部材87の下面に左右方向に摺動自在に当接または係合している。
【0048】
前記接離駆動手段83は、左右一対の可動部材81,81がそれぞれ取り付けられた左右一対のラック88,88と、これらラック88,88にそれぞれ噛合して当該ラックをそれぞれ左右方向に接離移動させるピニオンギヤ89,89と、このピニオンギヤ89,89を回転させる駆動モータ90,90とを備えている。
前記ラック88,88はスライダ91,91に取り付けられており、当該スライダ91,91はガイドシャフト92,92に左右に摺動可能に係合しており、これによってスライダ91,91は左右方向に移動可能となっている。
なお、ガイドシャフト92,92は遊技盤3に取り付けられた取付板93に設けられた支持部によって水平に支持されている。
【0049】
そして、スライダ91,91にそれぞれ可動部材81,81の下端部が取り付けられている。つまり、可動部材81,81はスライダ91,91を介してラック88,88に取り付けられている。したがって、可動部材81,81は、ラック88,88が左右に接離移動するに伴って、スライダ91,91を介して左右に接離移動するようになっている。
また、前記駆動モータ90、ピニオンギヤ89は取付板93に取り付けられており、当該ピニオンギヤ89は、取付板93に取り付けられているギヤ94に噛合し、このギヤ94が前記駆動モータ90によって回転されるようになっている。
したがって、駆動モータ90,90を作動させることによって、ギヤ94,94、ピニオンギヤ89,89を介してラック88,88が左右に接離移動し、これによって、スライダ91,91が左右に接離移動するに伴って、可動部材81,81が左右に接離移動するようになっている。
なお、前記取付板93には図示を省略したフォトセンサが設けられており、このフォトセンサによって前記ラック88の移動量を検出するようになっている。
【0050】
前記回転演出部材84は、各可動部材81に2つずつ、合計4つ取り付けられている。
一方の可動部材81に取り付けられている2つの回転演出部材84,84は可動部材81の周方向に離間して、中央部が正逆方向に回転可能に取り付けられている。同様に他方の可動部材81に取り付けられている2つの回転演出部材84,84は可動部材81の周方向に離間して、中央部が正逆方向に回転可能に取り付けられている。また、これら4つの回転演出部材84・・・は、可動部材81,81が互いに近接して(
図13参照)、可動部材81,81によって円形状のリング部86が構成された際の当該リング部86の中心を、中心として点対称に配置され、可動部材81,81と交差するようにして正逆方向に回転可能となっている。
【0051】
回転演出部材84をその中央部回りに所定角度回転させる回転駆動手段85は、以下のように構成されている。
すなわちまず、回転駆動手段85は可動部材81に沿って設けられた円弧状のラック95と、ラック95に噛合する2つの第1ピニオンギヤ96,96と、前記ラック95を円弧状に移動させる移動手段97とを備えている。
【0052】
ラック95には、長孔で構成された3つのガイド部95aが周方向に離間して形成されている。ガイド部95aには可動部材81に形成された突出部81aが摺動可能に係合しており、これによって、ラック95は可動部材81の周方向に沿ってスムーズに移動可能となっている。
【0053】
右側の可動部材81に設けられている回転演出部材84,84は、それぞれ前記第1ピニオンギヤ96,96の軸に取り付けられている。第1ピニオンギヤ96,96はラック95と噛合しているので、ラック95の移動によって、第1ピニオンギヤ96,96が同方向に回転し、これによって、回転演出部材84,84が同方向に回転するようになっている。
また、左側の可動部材81にはギヤ98,98が設けられており、このギヤ98,98が第1ピニオンギヤ96,96に噛合している。そして、左側の可動部材81に設けられた回転演出部材84,84はギヤ98,98の軸に取り付けられている。第1ピニオンギヤ96,96はラック95と噛合しているので、ラック95の移動によって、第1ピニオンギヤ96,96が同方向に回転するともにギヤ98,98が第1ピニオンギヤ96,96と逆方向に回転し、これによって回転演出部材84,84が同方向に回転するようになっている。
このようにして、4つの回転演出部材84・・・は全て同じ方向に回転するようになっている。
【0054】
前記移動手段97は、以下のように構成されている。
すなわちまず、移動手段97は、可動部材81の下端部に設けられて、ラック95に噛合する第2ピニオンギヤ99と、遊技盤3に固定された横部材100に設けられたガイド部101とを備えている。
ガイド部101は横部材100に左右に離間して2つ形成されている。ガイド部101,101は左右に長尺な長孔で構成されており、当該ガイド部101,101の互いに対向する端部には、斜め上方に延在するガイド面101a,101aが形成されている。
【0055】
前記第2ピニオンギヤ99の軸はガイド部101に挿入されており、当該ガイド部101の水平な部位を移動する際は、ガイド部101の面に当接しないようになっており、これによって、第2ピニオンギヤ99は回転しない。
一方、第2ピニオンギヤ99の軸が、可動部材81,81が近接する際にガイド部101のガイド面101aに当接して、このガイド面101aとの摩擦力によって回転することによって、第2ピニオンギヤ99に噛合しているラック95が円弧状に移動するようになっている。
【0056】
そして、このような移動手段97では、左右一対の可動部材81,81が、接離駆動手段83によって、互いに近接または当接してほぼリング状に配置されることで、リング部86が構成される際に、第2ピニオンギヤ99がガイド面101aとの摩擦力によって回転し、これに伴ってラック95が円弧状に移動する。そして、一方の可動部材81に設けられた回転演出部材84,84が、その中央部を回転軸として同一方向に所定角度回転され、他方の可動部材81に設けられた回転演出部材84,84が、その中央部を回転軸として、前記同一方向と同方向に所定角度回転されることで、4つの回転演出部材84がリング部86の中央部に対して点対称に配置されるとともに、これら回転演出部材84のそれぞれの端部がリング部86の中央部側に向いて配置される(
図13参照)。
【0057】
次に、上述した構成の遊技機の演出動作の一例について説明する。
A.通常遊技時:
通常遊技時においては、
図2に示すように、第1演出部材21が待機位置A2にあり、また、第2演出部材23は最上昇位置(待機位置)にあって、第1演出部材21によって殆どが隠されている。また、演出装置80を構成する可動部材81,81が互いに離間して最も離れた待機位置に位置している。このような待機位置にあるときは、第1演出部材21は役物飾りの意匠と一体化されている。なお、演出装置80も殆どが隠れている。また、役物飾りの図示は省略している。
【0058】
B.第1段階演出:
遊技の進行により、演出コマンドが発生すると、往復動手段22によって、
図3に示すように、第1演出部材21が下降して行き、画像表示画面15の少なくとも略中央部を遮る遮蔽位置A1まで下降する(
図3参照)。
すなわち、
図5Aおよび
図5Bに示すように、モータ30aが作動して、モータギヤ30b,ピニオンギヤ30cを介してラック32cが下降し、これによって、縦型可動部材32が下降する。この縦型可動部材32とともに横型可動部材33も下降し、これによって横型可動部材33に取り付けられている第1演出部材21も下降する。そして、この第1演出部材21を中心として、画像表示画面15の略中央部を被覆する。なお、この際、横型可動部材33のインナーアーム40のガイドローラ42は、傾斜ガイド部43aの入口部(上端部)に位置している。
【0059】
C.第2段階演出:
さらに、横型可動部材33が下降して、そのインナーアーム40の端部にあるガイドローラ42が傾斜ガイド部43aに入ると、インナーアーム40が下降しつつ左側に水平移動する。このインナーアーム40の移動によって、当該インナーアーム40のラック40bに噛合しているクランクギヤ41が回転(反時計方向への回転)し、これによって、ガイド部48の内面が突出部(
図6Aおよび
図6B参照)41aによって押され、
図4に示すように、演出部材片21bが演出部材片21aに対して右斜め下方に移動(下降)して、当該演出部材片21aに対して右斜め下方に離間する。
【0060】
同時に、円弧状駆動手段24によって、第2演出部材23が円弧状に移動して、遮蔽位置A1にある第1演出部材21をその裏側で斜めに横切る。
すなわち、
図8に示すように、第2演出部材23が待機位置にある状態からモータ70を作動させると、
図9に示すように、クランクギヤ71が時計方向に回転し、これに伴ってローラ71bがガイド部72aを他端部側に向けて移動しつつ、リンク部材72が反時計回りに倒れて行く。これによって、回動アーム56がバネ58の付勢力に抗して反時計回りに回動するので、第2演出部材23は円弧を描くようにして円弧状に移動して行いき、遮蔽位置A1にある第1演出部材21をその裏側で斜めに横切る。
このようにすることによって、カード状の第2演出部材23によって、第1演出部材21を斜めに切断したようなイメージとなり、遊技者にとって興味のある演出となる。したがって、このような演出を遊技中における大当たりの状態に設定してもよい。この際、遊技盤3に設けられている発光素子(図示省略)を点灯あるいは点滅させることによって、光による演出効果を加えると、さらに演出効果が高まる。
【0061】
さらに、モータ70を作動させると、
図10に示すように、クランクギヤ71がさらに時計方向に回転し、これに伴ってローラ71bがガイド部72aを一端部(左端部)側に向けて移動しつつ、リンク部材72が反時計回りに倒れてほぼ水平となる。これによって、回動アーム56がバネ58の付勢力に抗してさらに反時計回りに回動するので、第2演出部材23は円弧を描くようにして円弧状に移動して、最下降位置に達する。
【0062】
なお、このような演出が終了した場合、第2演出部材23は前記と逆の工程を経て
図8に示すような待機位置に戻るとともに、第1演出部材21の演出部材片21bが左斜め上方に移動して、演出部材片21aに近接または当接し、さらに、第1演出部材21が上昇して元の待機位置A2に戻る。
【0063】
C.第3段階演出:
また、前記各演出段階において、適宜次の演出を組み合わせるが、当該演出は単独で行ってもよい。
図11に示すように、可動部材81,81が左右に離間している状態から、
図12に示すように、接離駆動手段83によって可動部材81,81を近接させるように移動させる。
すなわち、駆動モータ90,90を作動させることによって、ギヤ94,94、ピニオンギヤ89,89を介してラック88,88を接近するように移動させ、これによって、スライダ91,91が接近するように移動し、可動部材81,81が接近するように移動する。
【0064】
さらに、
図13に示すように、可動部材81,81を接近させるように移動させて、左右一対の可動部材81,81が、互いに近接または当接してほぼリング状に配置されて、リング部86が構成される際に、回転駆動手段85によって4つの回転演出部材84をその中央部回りに所定角度回転させる。
すなわち、第2ピニオンギヤ99,99の軸が、可動部材81,81が近接する際にガイド部101のガイド面101aに当接して、このガイド面101aとの摩擦力によって回転することによって、第2ピニオンギヤ99,99に噛合しているラック95,95が円弧状に移動する。この際、右側のラック95が反時計回りに回転移動し、左側のラック95が時計回りに回転する。
【0065】
これによって、
図13に示すように、右側の可動部材81では、ピニオンギヤ96,96が反時計回りに回転し、これに伴って、回転演出部材84,84が反時計回りに所定角度回転して、回転演出部材84,84のそれぞれの端部がリング部86の中央部側に向く。
一方、左側の可動部材81では、ピニオンギヤ96,96が時計回りに回転するともに、ギヤ98,98が反時計方向に回転し、これに伴って、回転演出部材84,84が反時計回りに所定角度回転して、回転演出部材84,84のそれぞれの端部がリング部86の中央部側に向く。
このようにして、4つの回転演出部材84がリング部86の中央部に対して点対称に配置されるとともに、これら回転演出部材84のそれぞれの端部がリング部86の中央部側に向いて配置される。
【0066】
さらに、このような演出において、
図14に示すように、円弧状駆動手段24によって、第2演出部材23を円弧状に移動して、前記リング部86の中央部、言い換えれば、4つの回転演出部材84の中央部側を向く端部側に配置するとともに、第2演出部材23をその中心回りに回転させてもよい。この場合、
図9に示すように、前記モータ60の駆動軸を回転させることにより、ギヤ61,62、ベルト65、ギヤ63,64を介して第2演出部材23をその中心回りに回転させればよい。
【0067】
なお、本実施の形態では、第1演出部材21の下方への移動による演出、第2演出部材23の円弧状の移動による演出、第2演出部材23自体の回転による演出、可動部材81,81の接離移動による演出、当該可動部材81,81に取り付けられた回転演出部材84の回転による演出等、複数の演出がある。
このような複数の演出の組み合わせは本実施の形態では、上述したような第1段階演出、第2段階演出、第3段階演出等により行ったが、本発明では、演出の組み合わせは実施の形態に限ることなく遊技の進行状況に応じて適宜自由に設定できる。
【0068】
本実施の形態によれば、往復動手段22によって、第1演出部材21が画像表示画面15の中央部を遮る遮蔽位置A1と、この遮蔽位置A1の上方にあって画像表示画面15を遮らない待機位置A2との間を往復動する。
そして、第1演出部材21が遮蔽位置A1にある場合に、離間手段25によって、一方の演出部材片21bを他方の演出部材片21aに対して斜め下方に離間させる。
したがって、遊技者にとって、第1演出部材21が遮蔽位置A1に移動(下降)してきた際に、一方の演出部材片21bが他方の演出部材片21aに対して離間して、これらの間に間隔が生じるので、従来にない視覚的な演出効果を得ることができる。よって、演出効果の高い動作が可能な演出装置を備えた遊技機を得ることができる。
【0069】
また、往復動手段22によって、第1演出部材21が画像表示画面15の中央部を遮る遮蔽位置A1と、この遮蔽位置A1の上方にあって画像表示画面15を遮らない待機位置A2との間を往復動する。
そして、円弧状駆動手段24によって、カード状の第2演出部材23が円弧状に移動して、遮蔽位置A1にある第1演出部材21をその裏側で斜めに横切る。
したがって、遊技者にとって、第2演出部材23が第1演出部材21を斜めに横切る際に、従来にない視覚的な演出効果を得ることができる。
【0070】
また、往復動手段22は、遊技盤3に固定された駆動手段30と、この駆動手段30によって上下に往復動される可動部材31を備え、この可動部材31に第1演出部材21が取り付けられているので、当該第1演出部材21を遮蔽位置A1と待機位置A2との間で容易かつスムーズに往復動させることができる。
さらに、円弧状駆動手段24が、遊技盤3に基端部が回動可能に取り付けられた回動アーム56と、この回動アーム56を回動させる回動駆動手段57とを備え、回動アーム56の先端部に第2演出部材23が取り付けられているので、第2演出部材23を容易かつスムーズに円弧状に移動させることができる。
【0071】
また、第1演出部材21が一対の演出部材片21a,21bを有し、第1演出部材21が前記遮蔽位置A1にある場合に、一方の演出部材片21bを他方の演出部材片21aに対して斜め横方向に離間させる離間手段25を備えているので、カード状の第2演出部材23によって、第1演出部材を21を斜めに切断したようなイメージとなるような演出を容易に行うことができる。
加えて、離間手段25が、可動部材31に設けられて、第1演出部材21が遮蔽位置A1に位置する際に、水平方向に移動されるインナーアーム40と、このインナーアーム40に係合して当該インナーアーム40の水平移動によって回転されるクランクギヤ71を有し、一方の演出部材片21bが、クランクギヤ71によって押されて、演出部材片21aから離間するので、演出部材片21bを演出部材片21aから容易に斜め下方に離間させることができる。
【0072】
また、演出装置80が画像表示画面15の前で、左右方向において接離可能に移動する左右一対の可動部材81,81と、当該可動部材81,81を接離移動させる接離駆動手段83と、可動部材81に中央部が正逆方向に回転可能に設けられて、当該可動部材81と交差するようにして正逆方向に回転可能な回転演出部材84と、可動部材81,81が近接または当接した際に、前記回転演出部材84をその中央部回りに所定角度回転させる回転駆動手段85とを備えているので、可動部材81,81を近接させるとともに、回転演出部材84を所定角度だけ回転させることによって、画像表示画面15の前の演出効果をさらに高めることができる。
【0073】
また、左右一対の可動部材81,81が近接もしくは当接した際に、円弧状駆動手段24によって第2演出部材23を可動部材81,81で囲まれた範囲のほぼ中央部に位置させるとともに、当該第2演出部材23を回転させることによって、さらなる演出効果を得ることができる。
【0074】
また、可動部材81,81によってリング部86が構成された際に、4つの回転演出部材84は、その一方の端部がリング部86の中央部側に向いているので、当該回転演出部材84によって中央部に興味を引くような演出を行うことができる。
さらに、4つ回転演出部材84は、その中央部を回転軸として、同方向に所定角度回転されることで、リング部86の中央部に対して点対称に配置されるので、バランス性にも優れた演出を行うことができる。
【0075】
また、回転駆動手段85は、各可動部材81に沿って設けられた円弧状のラック88と、このラック88に噛合する第1ピニオンギヤ96と、ラック88を円弧状に移動させる移動手段97とを備え、右側の可動部材81に設けられている回転演出部材84は第1ピニオンギヤ96の軸に取り付けられ、左側の可動部材81に設けられている回転演出部材84は、ギヤ98の軸に取り付けられ、このギヤ98が第1ピニオンギヤ96に噛合しているので、回転演出部材84を容易に同一方向に所定角度回転させることができる。
【0076】
さらに、移動手段97は、可動部材81に設けられて、ラック88に噛合する第2ピニオンギヤ99と、ガイド部101と備え、第2ピニオンギヤ99,99の軸が、左右一対の可動部材81,81が近接する際にガイド部101のガイド面101aに当接して、このガイド面101aとの摩擦力によって回転することによって、第2ピニオンギヤ99,99に噛合しているラック88,88が円弧状に移動するので、ラック88,88を専用に移動させる駆動モータ等が必要なく、可動部材81,81用の駆動モータ90,90によって、ラック88,88も移動させることができる。
【0077】
また、接離駆動手段83が、前記左右一対のラック88,88と、これらラック88,88にそれぞれ噛合して当該ラック88,88をそれぞれ左右方向に移動させるピニオンギヤ89,89と、このピニオンギヤ89,89を回転させる駆動モータ90,90とを備えた構成となっているので、左右一対の可動部材81,81を容易かつ安定的に接離移動させることができる。
【0078】
加えて、遊技盤3が透光性を有する樹脂で形成され、この遊技盤3に発光素子が設けられ、前記各演出装置による演出の際に発光素子が点滅または点灯するので、第1演出部材21、第2演出部材、可動部材81、回転演出部材84による演出と併せて光による演出も行える。
【0079】
なお、本実施の形態では、第1演出部材21を
図5Aに示すような往復動手段22によって上下に往復動させるようにしたが、往復動手段はこれに限ることなく、他の部材によって構成してもよい。
同様に、第2演出部材23を
図8に示すような円弧状駆動手段24によって円弧状に移動させるようにしたが、円弧状駆動手段はこれに限ることなく、他の部材によって構成してもよい。
さらに、演出部材片21bを
図5Aおよび
図6Aに示すような離間手段25によって、演出部材片21aから離間させるようにしたが、離間手段はこれに限ることなく、他の部材によって構成してもよい。
また、第2演出部材23によって第1演出部材21の裏側を斜めに横切らせるように構成したが、これに限ることなく、第1演出部材21の表側を横切らせるように構成してもよい。