(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を適用した実施形態の弾球遊技機たるパチンコ機を説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠10にて構成の各部を保持する構造としてある。外枠10には、左側の上下の位置に設けたヒンジ101を介して、板ガラス110が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)11および図略の内枠が開閉可能に設けてある。
尚、これら前枠11および前記内枠はシリンダ錠18により外枠10に閉鎖ロックされ、シリンダ錠18に所定の鍵を挿入し、鍵を時計回りに操作して前記内枠を開放するようになし、反時計まわりの操作により前枠11を開放する。
前枠11の板ガラス110の奥には前記内枠に保持された遊技盤2(
図3)が設けてある。
【0015】
前枠11の上部の左右両側位置にはそれぞれスピーカ112が設置してあり、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また前枠11には遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ113のほか、遊技の異常を報知するLED類が設けてある。
【0016】
前枠11の下半部には上皿12と下皿13とが一体に形成してある。下皿13の右側には発射ハンドル14が設けてあり、該発射ハンドル14を時計回りに操作することにより発射装置が作動して、上皿12から供給された遊技球が遊技盤2に向けて発射される。
下皿13は上皿12から溢れた賞球を受ける構成で、球抜きレバーの操作により下皿13に溜まった遊技球を遊技店に備えられた別箱(ドル箱)に移すことができる。
【0017】
本パチンコ機1は所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)60が隣接してある。パチンコ機1には上皿12の右側に貸出ボタン171、精算ボタン172および残高表示器173が設けてある。また上皿12の中央位置には遊技者が操作可能な遊技ボタン15と、その外周を囲むようにジョグダイヤル16が設置されている。
【0018】
遊技ボタン15およびジョグダイヤル16は、
図2(a)に示すように、上向きに形成された上皿12の前面に設置されている。ジョグダイヤル16は遊技ボタン15の外周まわりの時計方向又は反時計方向の双方向(矢印S方向)に操作可能である。
遊技ボタン15は、電動駆動により、
図2(a)に示す通常位置と、
図2(b)に示す上方へ突出した突出位置との間で移動可能に構成され、突出位置でも押圧(矢印T方向)操作可能である。尚、遊技ボタン15は特許請求の範囲に記載の「操作手段」に相当する。遊技ボタン15は上皿12の上向きの前面に設けられ、実質的に突出方向は上方であるが、特許請求の範囲に記載の「前方へ突出する」と同等である。
【0019】
図3は遊技盤2を示し、遊技盤2には外レール201と内レール202とによって囲まれた略円形の遊技領域20が形成されている。遊技領域20には、その中央部にセンターケース210が装着されている。
センターケース210は中央に演出図柄表示装置21(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設されている。またセンターケース210には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージなどが設けられている。
【0020】
センターケース210の左側には普通図柄(以下、単に普図という)の作動ゲート(作動口)22が設置されている。
センターケース210の直下には特別図柄(以下、単に特図という)の抽選を実行する常時入球(入賞)可能な第1特図始動口23Aと、その直下位置にチューリップ式普通電動役物(以下、単に普電役物という)からなる特図の第2特図始動口23Bが設置されている。
該第2始動口23Bは普電役物の開放時にのみ入球(入賞)可能である。普電役物は、遊技球が作動ゲート22を通過したことに起因して実行される普図の抽選で当りとなると所定時間開放する。
【0021】
第2特図始動口23Bの下方には、開閉板にて開閉される大入賞口24が配され、盤面最下部にはアウト口203が設けられている。また、第2特図始動口23Bの左側位置には複数の普通入賞口25が配されている。
尚、遊技盤2の遊技領域20には、多数の遊技釘や風車が植設されている。
【0022】
図4に示すように、パチンコ機1の裏側は、前記遊技盤2を脱着可能に取付ける内枠30が収納されている。内枠30は、前記前枠11と同様に、一方の側縁(
図4の右側)の上下位置が前記外枠10にヒンジ結合され開閉可能に設置されている。内枠30には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク31、タンクレール32、払出ユニット33が設けられ、払出ユニット33の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤20の入賞口に遊技球が入賞すれば球タンク31からタンクレール32を介して所定個数の遊技球(賞球)が払出ユニット33により払出球流下通路を通り前記上皿12に払い出される。また、本実施形態では前記賞球を払い出す払出ユニット33により貸出ボタンの操作で払い出される貸球も払い出す構成としてある。
【0023】
また、パチンコ機1の裏側には、主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43、発射制御装置44、電源基板45が設けられている。
主制御装置40、サブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43は遊技盤2に設けられ、払出制御装置41、発射制御装置44、電源基板45は内枠30に設けられている。
図4では発射制御装置44が描かれていないが、払出制御装置41の下に設けてある。
【0024】
また、球タンク31の右側には、外部接続端子板38が設けてあり、外部接続端子板38により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。尚、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子板には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(外枠10、前枠11、内枠30)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施形態では、ひとつの外部接続端子板38を介して遊技状態や遊技結果を示す信号をホールコンピュータへ送信する。
【0025】
図5は本パチンコ機1の電気的構成を示すもので、遊技の制御を司る主制御装置40を中心に構成されている。主制御装置40、払出制御装置41、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43においては、何れもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備え、これらの制御装置は何れもCPUにより、2ms周期又は4ms周期の割り込み信号に起因してROMに搭載しているメインルーチンおよびサブルーチンからなるプログラムが開始され、各種の制御が実行される。
発射制御装置44にはCPU、ROM、RAM等が設けられていない。しかしこれに限るわけではなく、発射制御装置44にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0026】
主制御装置40は、裏配線中継端子板530および外部接続端子板38を介して遊技施設のホールコンピュータ500と電気的に接続される。また主制御装置40には、裏配線中継端子板530や遊技盤中継端子板531を介して、前枠(ガラス枠)11および内枠30が開放しているか否か検出するガラス枠開放SW(スイッチ)501、内枠開放SW502、第1特図始動口23Aへの入球を検出する第1始動口SW503、第2特図始動口23Bへの入球を検出する第2始動口SW504、普図の作動ゲート22への入球を検出する普通図柄作動SW505、普通入賞口25への入球を検出する左入賞口SW506、大入賞口24への入球を検出するカウントSW507等の検出信号が入力される。
【0027】
また主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置41や、演出中継端子板532を介してサブ統合制御装置42、演出図柄制御装置43にコマンドを出力し、図柄表示装置中継端子板533を介して特図表示装置26、特図保留数表示装置28、普通図柄表示装置27および普図保留数表示装置29の表示制御を行なう。
【0028】
主制御装置40は、大入賞口24の開閉駆動する大入賞口ソレノイド508を制御して大入賞口24を開放作動せしめる。また第2特図始動口23Bの普電役物を開閉する普電役物ソレノイド509を制御して第2特図始動口23Bを開閉する。
主制御装置40からの出力信号は試験信号端子のも出力される他、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板38を経てホールコンピュータ500に送られる。
主制御装置40と払出制御装置41とは双方向通信が可能である。
【0029】
払出制御装置41は、裏配線中継端子板530や払出中継端子板534を介して球タンク31が空状態になったことを検出する球切れSW520、遊技球が払い出されたことを検出する払出SW522、遊技球貯留皿が満杯状態になったことを検出する満杯SW523等の検出信号が入力される。主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて払出モータ521を稼働させて遊技球を払い出させる。また、CRユニット端子板535を介してCRユニット60と電気的に接続され、貸出要求信号に応じて払出モータ521を稼働させて貸球を払い出させる。精算表示装置173を介する球貸および精算SW171,172による貸出要求、精算要求の操作信号は、CRユニット60に入力され、プリペイドカードの残高表示はCRユニット60によって制御する。
【0030】
発射制御装置44は、発射停止SW524、発射ハンドル14に遊技者が接触(操作)していることを検出するタッチSW525等の検出信号が入力される。払出制御装置41を介して主制御装置40から送られてくるコマンド(タッチSW525の信号や遊技状況を反映している)、発射ハンドル14の回動信号および発射停止SW524の信号に基づいて発射モータ526を制御して遊技球を発射および停止させ、タッチランプの点灯を制御する。
【0031】
サブ統合制御装置42には、音量調節SW、ジョグダイヤル16の操作を検出するジョグダイヤル操作検出SW551、遊技ボタン15の操作を検出する遊技ボタン操作検出SW552などの操作検出信号が入力される。また遊技ボタン15が前記突出位置にあることを検出するボタン上位置検出SW553および前記通常位置であることを検出するボタン原点位置検出SW554の位置検出信号も入力される。
そしてサブ統合制御装置42は、主制御装置40から送られてくるコマンドに応じて、ボタン変動モータ550を駆動して遊技ボタン15を通常位置と突出位置との間で移動せしめる制御や、スピーカ112を駆動して音声を出力することや、各種LEDや各種ランプ113の点灯、消灯等を制御する。更に演出図柄制御装置43へキャラクタなどを表示する擬似演出や特図の擬似図柄の表示態様のコマンドを送信する。
【0032】
演出図柄制御装置43は、LCDパネルユニットや付属ユニットと共に演出図柄表示装置21を構成している。演出図柄制御装置43は、サブ統合制御装置42から送られてくるコマンドに応じて演出図柄表示装置21のLCDパネルの表示を制御する。尚、演出図柄表示装置21は特許請求の範囲に記載の「表示装置」に相当する。
【0033】
次にパチンコ機1の作動を説明する。
パチンコ機1は、作動ゲート22への入球に起因して普図の当否抽選を行い、普図表示装置27の図柄変動を開始する。前記抽選結果が当りであれば、表示装置27に普図の当り図柄を確定表示して前記普電役物を開放する。これにより第2特図始動口23Bへの入賞が可能となる。
第1又は第2特図始動口23A,23Bへの入賞があると、これに起因して乱数値が抽出され、該乱数値に基づいて特図の当否抽選を行い、特図表示装置26、および演出図柄表示装置21の図柄変動を開始する。抽選結果が大当りであれば、各表示装置21,26に大当り図柄を確定表示して大入賞口24の開放を伴う大当り遊技(特別遊技)を実行する構成である。また大当り遊技終了後に、大当りとなった特図に応じて、特図の当選確率が高確率に変更される確変遊技状態や、特図の変動時間を短縮するとともに特図変動の発生に有利な時短遊技状態へと移行可能である。
【0034】
更にパチンコ機1は、特図の変動が当否抽選時に設定された特定の変動パターンで開始された場合、例えば大当り演出やリーチ演出時に遊技者に向けて遊技ボタン15やジョグダイヤル16を操作するように示唆したり、遊技ボタン15を突出作動せしめて遊技者の大当りへの期待感を高めるような演出を可能とする基本構成を有する。
以下、作動の詳細を、特許請求の範囲に記載の本発明に関わり深い主制御装置40で実行されるサブルーチン(プログラム)およびサブ統合制御装置42で実行されるサブルーチン(プログラム)に基づいて説明する。
【0035】
図6に示す「始動口入賞確認処理」は主制御装置40で実行されるサブルーチンであり、この処理では、第1、第2特図始動口23A,23Bへの入賞を確認し、入賞時に抽出した各種乱数値の保留記憶処理と図柄変動開始時の当否判定(抽選)に先立って、先読み判定を行う。
【0036】
「始動入賞確認処理」では、先ず第1、第2始動口SW503,504の検出信号に基づいて、第1、第2特図始動口23A,23Bに入賞があるかを確認する(S200)。入賞があれば(S200:yes)、保留記憶数が既に上限数まで達しており満杯でないか確認する(S201)。記憶可能な上限数は4個である。保留記憶が満杯でなければ(S201:yes)、S202の抽出乱数保留記憶処理において、前記入賞に起因して複数の乱数値(大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数等)を抽出し、保留記憶として記憶する。
またこの処理では、特図保留数表示装置28の点灯数を増加させると共にサブ統合制御装置42に現在の保留記憶数を送信する。
【0037】
図7ないし
図10は主制御装置40で実行される特図の「当否判定処理」のフローチャートを示す。
図7に示すように「当否判定処理」は、大入賞口24を開放させるための特別電動役物が作動中か確認し、作動していなければ(S300:no)、特図が変動中か確認し、変動中でなければ(S301:no)、特図の確定図柄が表示されているか確認する(S302)。尚、特別電動役物が作動中(S300:yes)であれば「特別遊技処理」に移行する。
【0038】
S302の処理で確定図柄が表示中でなければ(S302:no)、
図8に示すように、特図の保留記憶があるか確認する(S310)。保留記憶がなければ(S310:no)、「特別遊技処理」に移行する。保留記憶があれば(S310:yes)、記憶数を減算し、保留記憶のシフト処理を行う(S311)。該シフト処理により特図の保留記憶のうち最も古い保留記憶が当否判定の対象となる。
【0039】
次にS312の処理で、確変フラグを確認して現在の遊技状態が前記確変遊技状態であるか確認する(確変フラグが「1」であれば確変中)。確変中であれば(S312:yes)、確変時の当否判定用テーブルと前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S313)。
確変中でなければ(S312:no)、通常確率(低確率)の当否判定用テーブルと前記大当り決定用乱数とを対比して大当りか否か当否判定を行う(S314)。
【0040】
続くS315の処理では、S313又はS314の処理の当否判定が大当りか否かの確認を行う。
大当りであれば(S315:yes)、S316の処理において、前記当否判定の対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。
S317の処理では、前記当否判定の対象となる保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、演出図柄表示装置21に表示される特図の大当り用の変動時間などといった変動パターンを決定する。
【0041】
変動パターンの決定後、S318で大当り設定処理を行う。この処理では、前記決定された大当り図柄に基づき、大当り遊技の開放パターンの設定を行う。例えば演出図柄表示装置21で実行される大当り遊技のオープニング演出の時間の設定、エンディング演出の時間の設定、および大入賞口24の開放態様の設定がなされる。更に大当り遊技終了後の特典遊技状態として確変と時短が付与されるか否かの設定、確変の継続期間を制限する確変カウンタの設定、時短の継続期間を制限する時短カウンタ設定等の処理がなされる。尚、実質的に確変および時短の付与、確変カウンタおよび時短カウンタの設定は「特別遊技処理」で設定され、ここでの処理は仮設定がなされる。
【0042】
S315の処理において、大当りでなくハズレであれば(S315:no)、S319の処理において、演出図柄表示装置21に表示される特図のハズレ用の変動時間などといった変動パターンを決定する。続くハズレ設定処理(S320)では、遊技状態が確変、時短であれば、これらの継続期間をカウントする前記確変カウンタおよび時短カウンタを減算する。
【0043】
S318又はS320の各設定処理の後、S321の処理では、特図表示装置26の図柄変動開始制御を行い、サブ統合制御装置42へ図柄の変動開始コマンド、図柄指定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。変動開始コマンド、図柄指定コマンドには特図の変動パターン、特図の当否判定の判定結果などが含まれる。
【0044】
図7のS301の処理で特図の変動中のときは(S301:yes)、
図9に示すように、図柄の変動時間が経過したことを確認すると(S330:yes)、確定図柄表示処理(S331)において、特図表示装置26の特図の変動表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42および演出図柄制御装置43へ擬似図柄の変動表示および演出表示を終了させるように図柄確定コマンドを送信し、「特別遊技処理」へ移行する。
【0045】
図7のS302の処理で特図の確定図柄を表示中であれば(S302:yes)、
図10のS340の処理に移行して、確定図柄表示時間が終了したか確認する。確定図柄表示時間が終了していなければ(S340:no)、「特別遊技処理」へ移行する。
一方、確定図柄表示時間が終了したことを確認すると(S340:yes)、確定図柄表示終了の処理(S341)により特図表示装置26の特図の確定図柄表示を終了させる制御を行い、サブ統合制御装置42へ特図に対応する擬似図柄の確定表示を終了させるようにコマンドを送信する。
【0046】
続いて特図の図柄が大当りになる組合せであるか確認し(S342)、大当りになる組合せであったときは(S342:yes)、確変フラグが「1」であれば(S343:yes)、確変フラグに「0」をセットする(S344)。次に、時短フラグが「1」であれば(S345:yes)、時短フラグに「0」をセットする(S346)。これらの処理により大当り遊技(特別遊技)中での遊技状態を通常状態にリセットする。
【0047】
S347の処理では条件装置の作動を開始させ、S348の処理では役物連続作動装置の作動を開始させる。条件装置は大当り遊技で役物連続作動装置の作動に必要な装置であり、役物連続作動装置は特別電動役物を連続して作動させる装置である。
そして大当り開始演出処理(S349)によりサブ統合制御装置42へ大当り演出を開始させるようにコマンドを送信し、「特別遊技処理」に移行する。
【0048】
S342の処理で、大当りになる組合せでなければ(S342:no)、確変フラグが「1」であるか確認し(S350)、確変フラグが「1」であれば(S350:yes)、前記確変カウンタ(確変回数)が「0」あるか否かを確認する(S351)。「0」であれば(S351:yes)、確変フラグを「0」にセットする(S352)。
続く処理で時短フラグが「1」であるか確認し(S353)、時短フラグが「1」であれば(S353:yes)、前記時短カウンタ(時短回数)が「0」あるか否かを確認する(S354)。「0」であれば(S354:yes)、時短フラグを「0」にセットする(S355)。
続くS356の状態指定コマンド送信処理では、遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等を含む状態指定コマンドを、サブ統合制御装置42へ送信する。その後、「特別遊技処理」に移行する。
【0049】
このように「当否判定処理」では、主制御装置40からサブ統合制御装置42へ向けて複数のコマンドが送信される。前記S321の処理の変動開始コマンドにより演出図柄表示装置21の図柄変動が開始され、この場合、変動開始コマンドとともに変動パターン指定、第1又は第2特図の保留指定、更に少し間隔をおいて図柄指定(特図指定)および機種情報指定等のコマンドがサブ統合制御装置42へ送信される。
【0050】
図柄変動中、前記S331の図柄確定コマンド(停止指定)により図柄変動が停止して特図が確定表示される。該確定表示中には、S356の状態指定コマンドにより遊技状態を示す確変フラグや時短フラグの情報等がサブ統合制御装置42へ送られる。尚、状態指定コマンドは特図の確定表示時に送信されれば良く、本当否判定処理では、実質的に確定表示の終了時にサブ統合制御装置42へ送信される。
【0051】
続いてサブ統合制御装置42で実行される本発明に関わりの深いサブルーチンプログラムを説明する。
図11に示す「変動態様選択処理」は、主制御装置40からの変動パターンを指示するコマンドに基づき、特図の変動に対応して演出図柄表示装置21に表示する擬似演出や擬似図柄の変動態様を選択する処理である。選択される変動態様には遊技ボタン15を突出作動させる「特定変動態様」も含まれる。
また「特定変動態様」には、遊技ボタン15を突出作動させる条件が異なる3種類の態様からなる。
「第1特定変動態様」は擬似図柄の演出表示中の所定のタイミングで遊技ボタン15を突出させる態様である。「第2特定変動態様」は擬似図柄の演出表示中に遊技者によるジョグダイヤル16の所定の操作を条件に遊技ボタン15を突出させるものである。「第3特定変動態様」は擬似図柄の演出表示中に遊技者により遊技ボタン15の所定の長押し操作を条件に遊技ボタン15を突出させる態様である。
【0052】
「変動態様選択処理」は先ず、特図の当否抽選が行われて主制御装置40から変動パターンを受信したか否かを確認し(S400)、変動パターンの受信があれば(S400:yes)、受信した変動パターンが前記「特定変動態様」を指示する「特定の変動パターン」であるか否かを確認する(S401)。特定の変動パターンであれば(S401:yes)、S402の処理において、サブ統合制御装置42内で振分乱数を抽出し、該振分乱数が予め設定された「第1の所定範囲」であるか否かを確認する。
【0053】
例えば、振分乱数は「1,2,3」の三つの数値から抽出するようになし、「1」を前記「第1の所定範囲」、「2」を後述する「第2の所定範囲」、「3」を後述する「第3の所定範囲」とするなど。これに限らず、振分乱数を多数の数値から抽出するようになし、かつ「第1ないし第3の所定範囲」を複数の数値からなる数値範囲としてもよい、例えば「0〜89」の数値から抽出するようになし、「0〜29」を「第1の所定範囲」、「30〜59」を「第2の所定範囲」、「60〜89」を「第3の所定範囲」とするなど。
【0054】
前記S402の処理において振分乱数が「第1の所定範囲」であれば(S402:yes)、変動態様として前記「第1特定変動態様」を選択する(S403)。一方、「第1の所定範囲」でなければ(S402:no)、S404の処理において、振分乱数が「第2の所定範囲」であるか否かを確認し、「第2の所定範囲」であれば(S404:yes)、前記「第2特定変動態様」を選択する(S405)。更に、振分乱数が「第1および第2の所定範囲」でなければ(S404:no)、前記「第3特定変動態様」を選択する(S406)。
【0055】
前記S401の処理で受信した変動パターンが「特定の変動パターン」でなければ(S401:no)、S407の処理において前記「特定変動態様」以外、即ち遊技ボタン15の突出作動を含まない通常の演出の変動態様を選択する。
【0056】
図12に示すように、「第1演出制御処理」は前記「第1特定変動態様」の演出表示中に遊技ボタン15の突出作動を行なう処理である。「第1特定変動態様」では遊技ボタン15を突出作動させるタイミングは特図の変動開始から所定の時間(15秒程度)が経過すると突出可能とする構成である。尚、所定の時間は毎回同じ(固定時間)でもよいし、主制御装置40から送信される変動パターンごとやその変動パターンに基づいて選択される変動態様ごとに異なる時間してもよく、変動中の序盤、中盤、終盤などの色々バリエーションを持たせてもよい。また発射された遊技球が演出中における所定期間内に、予め定められた入球口へと入球したタイミングとしてもよく、予め定められていれば時間以外の契機を用いてもよい。
【0057】
また「第1演出制御処理」では、遊技者が遊技ボタン15を操作中にこれの突出作動を開始すると、ボタン15の突出作動の途中ではその突出機構部に反突出方向の荷重が作用して機構部が破損するおそれがあり、これを防ぐために遊技ボタンの15の操作履歴に応じて前記タイミングであっても、ボタン15の突出作動を遅延させ、又は突出作動を中止させる制御も行う。
【0058】
「第1演出制御処理」では先ず、演出中の時間を計時するタイマが作動しているか否かを確認し(S500)、計時中でなければ(S500:no)、該タイマの作動を開始する(S501)。次に、タイマのカウント時間が予め設定された「第3所定時間(所定値)」よりも大きいか否かを確認し(S502)、カウント時間が「第3所定時間(所定値)」より大きくなければ(S502:no)、タイマのカウント時間が予め設定された「第1所定時間(所定値)」以上か否かを確認し(S503)、カウント時間が「第1所定時間(所定値)」以上であれば(S503:yes)、遊技ボタン15の操作が検出されたか否かを確認する(S504)。
【0059】
遊技ボタン15の操作が検出されれば(S504:yes)、遅延フラグが「1」であるか否かを確認し(S505)、遅延フラグが「1」でなければ(S505:no)、遅延フラグに「1」をセットする(S506)。これは機台からの要求がないのに遊技者による不要な遊技ボタン15の操作がなされたことを示す。遅延フラグは遊技ボタン15の突出作動を所定の時間遅らせることを示すものである。
一方、遅延フラグが「1」であれば(S505:yes)、不要な遊技ボタン15の操作が繰り返しなされたとして、変更フラグに「0」をセットし(S507)、中止フラグに「1」をセットする(S508)。
【0060】
前記S503の処理でタイマのカウント時間が「第1所定時間(所定値)」以上でないとき(S503:no)、又は前記S506の処理後、又は前記S508の処理後、前記中止フラグが「0」であるか否かを確認し(S509)、中止フラグが「0」であれば(S509:yes)、前記遅延フラグが「0」であるか否かを確認する(S510)。
【0061】
遅延フラグが「0」であれば(S510:yes)、前記タイマのカウント時間が予め設定された「第2所定時間(所定値)」以上か否かを確認し(S511)、カウント時間が「第2所定時間」以上であれば(S511:yes)、タイマの計時を停止して(S512)、遊技ボタン15の突出制御処理を行う(S513)。これによればS513の処理で前記ボタン変動モータ550を駆動して前記所定のタイミングにより遅延させることなく遊技ボタン15を突出作動せしめる。尚、S513の処理は特許請求の範囲に記載の「突出制御手段」に相当する。
【0062】
遅延フラグが「0」でなければ(S510:no)、前記タイマのカウント時間が前記「第3所定時間(所定値)」と同じか否かを確認し(S514)、カウント時間が「第3所定時間」と同じであれば(S514:yes)、タイマの計時を停止して(S512)、遊技ボタン15の突出制御処理を行う(S513)。これによれば遊技ボタン15を前記所定のタイミングよりも遅延させて突出作動せしめる。
【0063】
前記S509の処理で中止フラグが「1」であれば(S509:no)、遊技ボタン15の突出作動は中止とされる。尚、本「第1演出制御処理」は特許請求の範囲に記載の「条件判定手段」に相当し、S501ないしS503の処理は「期間設定手段」に
相当する。
【0064】
図13は前記「第1演出制御処理」のタイミングチャートを示し、図中の〔1〕は前記タイマの計時開始時であり、〔2〕は「第1所定時間」、〔3〕は「第2所定時間」、〔4〕は「第3所定時間」である。
図13(a)に示すように、前記タイマの計時が開始されて第1所定時間が経過すると、遊技ボタン15の操作監視期間となる。その後、第2所定時間が経過するまでの間(第1所定時間と第2所定時間との間、特定の期間)に遊技ボタン15の操作がなければ、第3所定時間に達するとボタン変動モータ550を駆動して遊技ボタン15を突出作動せしめる。
【0065】
一方、
図13(b)に示すように、前記操作監視期間の前記第1所定時間と第2所定時間との間に遊技ボタン15の操作があれば、第2所定時間に達しても遊技ボタン15の突出作動を行わずに作動開始時間を遅延させる。その後、前記第3所定時間に達するまでに遊技ボタン15の操作がなければ、もう遊技者により遊技ボタン15が操作される可能性がないと見做して第2所定時間から第3所定時間までを遅延期間として第3所定時間の経過時に遊技ボタン15を突出作動せしめる。尚、操作監視期間は第3所定時間まで継続される。
更に、
図13(c)に示すように、前記操作監視期間中に遊技ボタン15の複数回の操作があった場合には、まだ遊技ボタン15が操作される可能性があると見做して遊技ボタン15の突出作動を中止とし、第3所定時間に達しても遊技ボタン15の突出作動を行わない。
【0066】
図14はサブ統合制御装置42により遊技ボタンの突出作動時に実行される「ボタン作動処理」を示し、この処理では先ず、S600の処理で遊技ボタン15がせり上げ(突出作動)中であるか否かの確認を行ない、せり上げ中であれば(S600:yes)、前記ボタン上位置検出センサ553のより遊技ボタン15の突出位置が上限に達したか否かを確認する(S601)。上限位置であれば(S601:yes)、ボタン変動モータ550を停止して遊技ボタン15のせり上げを停止して(S602)、突出状態における遊技者による遊技ボタン15の操作を有効とする(S603)。
【0067】
遊技ボタン15の突出演出は特図の変動時間が経過し、特図が確定表示されると変動モータ550を逆転させて遊技ボタン15を下降する。前記S600の処理においてボタンせり上げ中でなければ(S600:no)、遊技ボタン15が下降中であるか否かの確認を行ない(S604)、下降中であれば(S604:yes)、前記ボタン原点位置検出センサ553によりボタン原点位置であるか否かを確認する(S605)。遊技ボタン15が原点位置であれば(S605:yes)、ボタン変動モータ550を停止して遊技ボタン15の下降を停止する(S606)。
【0068】
図15に示すように、「第2演出制御処理」は前記「第2特定変動態様」の演出表示中に遊技ボタン15の突出作動を行なう処理である。「第2特定変動態様」では演出図柄表示装置21にジョグダイヤル16を予め決められた所定の操作するように示唆する演出表示を行ない、表示中に遊技者によりジョグダイヤル16が所定の操作をなされることを条件に遊技ボタン15を突出可能とし、特図の変動開始から所定の時間(15秒程度)が経過すると遊技ボタン15を突出可能とする構成である。尚、所定の時間は毎回同じ(固定時間)でもよいし、主制御装置40から送信される変動パターンごとやその変動パターンに基づいて選択される変動態様ごとに異なる時間してもよく、変動中の序盤、中盤、終盤などの色々バリエーションを持たせてもよい。また発射された遊技球が演出中における所定期間内に、予め定められた入球口へと入球したタイミングとしてもよく、予め定められていれば時間以外の契機を用いてもよい。
【0069】
一般に遊技中では遊技者は、右手で発射ハンドル14を操作し、左手で遊技ボタン15又はジョグダイヤル16を操作することとなる。よって「第2演出制御処理」ではジョグダイヤル16の操作中は遊技ボタン15が操作されないことに着目して、遊技ボタン15の突出機構部が破損することを防ぐためにジョグダイヤル16の操作中に遊技ボタン15を突出作動せしめる構成を基本とし、ジョグダイヤル16操作中であってもその操作状況に応じてボタン15の突出作動を遅延させ、又は突出作動を中止させる制御も行う。
【0070】
「第2演出制御処理」では先ず、演出中の時間を計時するタイマが作動しているか否かを確認し(S700)、計時中でなければ(S700:no)、該タイマの作動を開始する(S701)。次に、タイマのカウント時間が予め設定された「第6所定時間(所定値)」よりも大きいか否かを確認し(S702)、カウント時間が「第6所定時間」より大きくなければ(S702:no)、タイマのカウント時間が予め設定された「第4所定時間(所定値)」以上か否かを確認し(S703)、カウント時間が「第4所定時間」以上であれば(S507:yes)、ジョグダイヤル16の操作が検出されたか否かを確認する(S704)。尚、「第4所定時間」の経過時には既に演出図柄表示装置21により遊技者に対してジョグダイヤル16の操作を要求する演出表示が表示されている。
【0071】
該演出表示に従ってジョグダイヤル16が操作され、その操作が検出されれば(S704:yes)、ジョグダイヤル16の操作回数に「1」を加算し(S705)、そのジョグ操作回数が予め設定された第1所定回数よりも大きいか否かを確認する(S706)。ジョグ操作回数が大きければ(S706:yes)、遅延フラグに「0」をセットする(S707)。そうでなければ(S702:no)、遅延フラグに「1」をセットする(S708)。
【0072】
S707又はS708の処理の後、遊技ボタン15が操作されたか否かを確認し(S709)、操作されていれば(S709:yes)、中止フラグに「1」をセットする(S710)。
前記S709で遊技ボタン15の操作がなければ(S709:no)、中止フラグが「0」であるか否かを確認し(S711)、中止フラグが「0」であれば(S711:yes)、遅延フラグが「0」であるか否かを確認する(S712)。
【0073】
遅延フラグが「0」であれば(S712:yes)、所定のジョグダイヤル16の操作が行われていると見做し、前記タイマのカウント時間が予め設定された「第5所定時間(所定値)」以上か否かを確認し(S713)、カウント時間が「第5所定時間」以上であれば(S713:yes)、タイマの計時を停止して(S714)、遊技ボタン15の突出制御処理を行う(S715)。これによればS715の処理で前記ボタン変動モータ550を駆動して前記所定の時間より遅延させることなく遊技ボタン15を突出作動せしめる。
【0074】
遅延フラグが「0」でなければ(S712:no)、前記タイマのカウント時間が前記「第6所定時間」と同じか否かを確認し(S716)、カウント時間が「第6所定時間」と同じであれば(S716:yes)、タイマの計時を停止して(S714)、遊技ボタン15の突出制御処理を行う(S715)。これによれば遊技ボタン15を前記所定の時間よりも遅延させて突出作動せしめる。
【0075】
前記S711の処理で中止フラグが「1」であれば(S711:no)、遊技ボタン15の突出作動は中止とされる。
【0076】
図16ないし
図18は前記「第2演出制御処理」のタイミングチャートを示し、図中の〔5〕は前記タイマの計時開始時であり、〔6〕は演出図柄表示装置21の表示により遊技者に対してジョグダイヤル16を操作するように促す演出表示の開始時であり、〔7〕は「第4所定時間」、〔8〕は「第5所定時間」、〔9〕は「第6所定時間」である。
図16に示すように、前記タイマの計時が開始され、かつ前記演出表示が開始されて第4所定時間が経過すると、ジョグダイヤル16の操作監視期間および遊技ボタン15の操作監視期間となる。その後、第5所定時間が経過するまでの間(第4所定時間と第5所定時間との間)にジョグダイヤル16の連続操作(時計方向又は反時計方向への回転操作)がなされれば、第5所定時間に達するとボタン変動モータ550を駆動して遊技ボタン15を突出作動せしめる。
【0077】
一方、
図17に示すように、前記ジョグダイヤル16の操作監視期間の前記第4所定時間と第5所定時間との間でのジョグダイヤル16の操作が断続的な操作であれば、遊技者はあまりジョグダイヤル16操作に集中しておらず、遊技ボタン15を操作する可能性があると見做して、第5所定時間に達しても遊技ボタン15の突出作動を行わずに作動開始時間を遅延させる。その後、前記第6所定時間に達すると、第5所定時間から第6所定時間までを遅延期間として第6所定時間の経過時に遊技ボタン15を突出作動せしめる。尚、操作監視期間は第6所定時間まで継続される。
更に、
図18に示すように、前記操作監視期間中に、ジョグダイヤル16の操作が行なわれなかったり、代わりに遊技ボタン15が継続的に操作されている場合には、遊技ボタン15の突出作動を中止とし、第6所定時間に達しても遊技ボタン15の突出作動を行わない。
「第2特定変動態様」において、遊技ボタン15とジョグダイヤル16とを離れた位置に配置せず、遊技ボタン15の周囲を囲むようにジョグダイヤル16を配置しているため、左手でジョグダイヤル16を操作しているときに、遊技ボタン15を覆うような状態となるため、右手で遊技ボタン15を操作する可能性を極めて低くすることができる。
また、ジョグダイヤル16の操作中であれば、遊技ボタン15が上方へ突出した際に掌に当たり、触覚によって遊技ボタン15の突出を体感させることができる。
【0078】
図19に示すように、「第3演出制御処理」は前記「第3特定変動態様」の演出表示中に遊技ボタン15の突出作動を行なう処理である。「第3特定変動態様」では演出図柄表示装置21に遊技ボタン15を予め決められた所定の時間、長押し操作するように示唆する演出表示を行ない、表示中に遊技者により遊技ボタン15が長押し操作されかつ操作が解除されたことを条件に遊技ボタン15を突出可能とし、特図の変動開始から所定の時間(15秒程度)が経過すると遊技ボタン15を突出可能とする構成である。尚、所定の時間は毎回同じ(固定時間)でもよいし、主制御装置40から送信される変動パターンごとやその変動パターンに基づいて選択される変動態様ごとに異なる時間してもよく、変動中の序盤、中盤、終盤などの色々バリエーションを持たせてもよい。また発射された遊技球が演出中における所定期間内に、予め定められた入球口へと入球したタイミングとしてもよく、予め定められていれば時間以外の契機を用いてもよい。
【0079】
また「第3演出制御処理」では、遊技ボタン1の突出機構部の破損を防ぐために遊技者による遊技ボタン15の長押し操作の直後に突出作動させることを基本とし、遊技ボタン15の操作があってもその操作状況に応じてボタン15の突出作動を遅延させ、又は突出作動を中止させる制御も行う。
【0080】
「第3演出制御処理」では先ず、演出中の時間を計時するタイマが作動しているか否かを確認し(S800)、計時中でなければ(S800:no)、該タイマの作動を開始する(S801)。次に、タイマのカウント時間が予め設定された「第9所定時間(所定値)」よりも大きいか否かを確認し(S802)、カウント時間が「第9所定時間」より大きくなければ(S802:no)、タイマのカウント時間が予め設定された「第7所定時間(所定値)」以上か否かを確認し(S803)、カウント時間が「第7所定時間」以上であれば(S803:yes)、遊技ボタン15の操作が検出されたか否かを確認する(S804)。尚、「第7所定時間」の経過時には既に演出図柄表示装置21により遊技者に対して遊技ボタン15の長押し操作を促す演出表示が表示されている。
【0081】
該演出表示に従って遊技ボタン15が操作中で、その操作が検出中であれば(S804:yes)、ボタン操作フラグが「0」であるか否かを確認し(S805)、「0」であれば(S805:yes)、ボタン操作フラグに「1」をセットする(S806)。次に、遊技ボタン15の操作時間を計るために本処理の実行回数を示すセット回数を加算する(S807)。
【0082】
続くS808の処理では前記タイマのカウント時間が、遊技ボタン15の突出タイミングである「第8所定時間(所定値)」以上か否かを確認し、カウント時間が「第8所定時間」以上であれば(S808:yes)、中止フラグに「1」をセットする(S809)。
【0083】
前記S808の処理でタイマのカウント時間が「第8所定時間」以上でなければ(S808:no)、前記セット回数が予め設定された「第2所定回数」であるか否かを確認し(S810)、そうであれば(S810:yes)、更に前記セット回数が予め設定された「第3所定回数」であるか否かを確認する(S811)。
前記セット回数が「第3所定回数」以上であれば(S811:yes)、中止フラグに「1」をセットする(S812)。一方、セット回数が「第3所定回数」以上でなければ(S811:no)、遅延フラグに「1」をセットする(S813)。
【0084】
前記S804の処理において遊技ボタン15の操作が検出中でなければ(S804:no)、
図20に示すように、S820の処理おいて前記ボタン操作フラグが「1」であるか否か確認し、フラグが「1」であれば(S820:yes)、フラグを「0」に戻し(S821)、前記中止フラグが「0」であるか否かを確認し(S822)、中止フラグが「0」であれば(S822:yes)、前記遅延フラグが「0」であるか否かを確認する(S823)。
【0085】
遅延フラグが「0」であれば(S823:yes)、遊技ボタン15の長押し操作が行われたと見做し、前記タイマのカウント時間が予め設定された「第8所定時間」以上か否かを確認し(S824)、カウント時間が「第8所定時間」以上であれば(S824:yes)、タイマの計時を停止して(S825)、遊技ボタン15の突出制御処理を行う(S826)。これによればS826の処理で前記ボタン変動モータ550を駆動して前記所定の時間より遅延させることなく遊技ボタン15を突出作動せしめる。
【0086】
一方、前記S820の処理でボタン操作フラグが「1」でなければ(S820:no)、遅延フラグが「1」であるか否かを確認し(S827)、遅延フラグが「1」でなければ(S827:no)、前記タイマのカウント時間が前記「第9所定時間」と同じか否かを確認し(S828)、カウント時間が「第9所定時間」と同じであれば(S828:yes)、タイマの計時を停止して(S825)、遊技ボタン15の突出制御処理を行う(S826)。これによれば遊技ボタン15を前記所定の時間よりも遅延させて突出作動せしめる。
【0087】
前記S822の処理で中止フラグが「1」であれば(S711:no)、遊技ボタン15の突出作動は中止とされる。
【0088】
図21ないし
図23は前記「第3演出制御処理」のタイミングチャートを示し、図中の〔10〕は前記タイマの計時開始時であり、〔11〕は演出図柄表示装置21の表示により遊技者に対して遊技ボタン15を長押し操作するように促す演出表示の開始時であり、〔12〕は「第7所定時間」、〔13〕は「第8所定時間」、〔14〕は前記長押し操作の終了時、〔15〕は「第9所定時間」である。
図21(a)に示すように、前記タイマの計時が開始され、かつ前記長押し操作を促す演出表示が開始されて第7所定時間が経過すると、遊技ボタン15の操作監視期間となる。その後、第8所定時間が経過するまでの間(第7所定時間と第8所定時間との間)に遊技ボタン15の長押し操作がなされれば、その操作の終了直後にボタン変動モータ550を駆動して遊技ボタン15を突出作動せしめる。
一方、
図21(b)に示すように、前記長押し操作を促す演出表示が開始されても、全く遊技ボタン15が操作されなければ、前記第8所定時間が経過した時点でボタン変動モータ550を駆動して遊技ボタン15を突出作動せしめる。
【0089】
図22(a)に示すように、前記遊技ボタン15の操作監視期間での遊技ボタン15の操作が断続的な短い押し操作であれば、長押し操作とは見做さず第8所定時間に達しても遊技ボタン15の突出作動を行わずに作動開始時間を遅延させる。その後、前記第9所定時間に達すると、第8所定時間から第9所定時間までを遅延期間として第9所定時間の経過時に遊技ボタン15を突出作動せしめる。尚、操作監視期間は第9所定時間まで継続される。
また、
図22(b)に示すように、遊技ボタン15の操作が連打で開始され、途中から長押し操作に変ったときには、前記断続的な短い押し操作時と同様に遊技ボタン15の操作検出が多く検出されるので、第8所定時間に達しても遊技ボタン15の突出作動を行わずに作動開始時間を遅延させる。その後、前記第9所定時間に達すると、第8所定時間から第9所定時間までを遅延期間として第9所定時間の経過時に遊技ボタン15を突出作動せしめる。
【0090】
また
図23(a)に示すように遊技ボタン15の長押し操作の操作時間が前記第9所定時間を越えた場合、又は
図23(b)に示すように遊技ボタン15の操作が開始時から終了時まで連打であった場合には、遊技ボタン15の突出作動を中止する。
「第3特定変動態様」において、遊技ボタン15の長押しの解除を契機として遊技ボタン15を上方へと突出させるため、遊技ボタン15を上方へ素早く突出させることが望ましく、素早く突出させることで、遊技ボタン15の上方にある指先に当てることもでき、触覚によって遊技ボタン15の突出を体感させることができる。
【0091】
本実施形態のパチンコ機によれば、遊技ボタン15の突出作動を伴う「第1特定変動態様」の演出が選択されたときに、特図の変動の所定の時間の経過後に遊技ボタン15の操作がなければ遊技ボタン15を突出作動させるようにし、かつ所定の時間の経過後に少数回(本例では1回)の遊技ボタン15の操作があるときには、余裕を見て遊技ボタン15の突出作動を遅らせる一方、操作回数が多数(本例では2回)であれば更にボタン操作がされる可能性が高いとして突出作動を中止する構成としたこと。
「第2特定変動態様」では、ジョグダイヤル16の操作を促す演出表示中にジョグダイヤル16が連続的に操作されればこの操作中は遊技ボタン15の操作が困難であるとして遊技ボタン15を突出作動させるようにし、かつジョグダイヤル16の操作が断続的であれば遊技者がジョグダイヤル16の操作に集中していないと見做し余裕を見て遊技ボタン15の突出作動を遅らせる一方、ジョグダイヤル16ではなく遊技ボタン15が操作されたときには突出作動を中止するとしたこと。
「第3特定変動態様」では、遊技ボタン15の長押し操作を促す演出表示中に遊技ボタン15の長押し操作がなされ該操作が解除されたときには直ぐに遊技ボタン15が操作される可能性がないので遊技ボタン15を突出作動させるようにし、かつ遊技ボタン15の操作が長押し操作でなく断続的な操作や、遊技者の勘違いで途中から長押し操作がなされたときには遊技者がボタン操作に集中していないと見做し余裕を見て遊技ボタン15の突出作動を遅らせる一方、長押し操作が解除されないときや遊技ボタン15が連打されその操作が継続されたときには突出作動を中止する構成としたこと。
以上の構成により、遊技ボタン15の突出作動中に遊技者により遊技ボタン15が操作される可能性が極めて低くなり、従来のように遊技ボタン15の突出移動中にボタンが叩かれて遊技ボタン15が故障や破損することを効果的に防ぐことができる。
【0092】
本パチンコ機は遊技ボタン15の突出作動を伴う演出を「第1、第2又は第3特定変動態様」から選択するようにしたので演出のバリエーションが増す。尚、本パチンコ機はジョグダイヤル16を有する構成であるので、「第2特定変動態様」の演出を実施できるが、これに限らず、ジョグダイヤルを具備しないパチンコ機では「第2特定変動態様」のない構成としてもよい。またジョグダイヤル16を具備するパチンコ機では「第1特定変動態様」のない構成でもよい。
また本パチンコ機は、「第1、第2又は第3特定変動態様」を選択する際に「振分乱数」を用い、該乱数は主制御装置40からの変動に係るコマンドを受信したときに抽出するようしたが、振分乱数は他の契機で抽出してもよく、また該振分乱数を他の演出の振分に利用した乱数を用いてもよい。更に振分乱数の代わりに他の演出の振り分け処理での振分結果に基づいて「第1、第2又は第3特定変動態様」を選択するようにしてもよい。尚、特定の変動パターンに複数の変動パターンを設定し、変動パターンごとに「第1、第2又は第3特定変動態様」のいずれか1つ又は2つを選択するようにしてもよい。
また、遊技ボタン15が通常位置から突出位置への到達に要する時間(変化速度)や、突出位置から通常位置への到達に要する時間(変化速度)について、一定速度としてもよいし、「第1、第2、第3特定変動態様」に応じて異ならせても良いし、主制御装置40から送信される変動パターンごとやその変動パターンに基づいて選択される変動態様ごとに異なる時間(変化速度)としてもよい。
【0093】
尚、特許請求の範囲に記載の本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは勿論である。例えば、前記「第1演出制御処理」、「第2演出制御処理」および「第3演出制御処理」において、いずれの処理も遊技ボタン15の突出作動の遅延制御と中止制御とを行う構成であるが、遅延制御又は中止制御の一方のみを行う構成としてもよい。