(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0036】
[第一実施形態]
[構成の説明]
(1)全体構成について
まず、弾球遊技機の一種である第一実施形態のパチンコ機1の全体の構成について、
図1を用いて説明する。このパチンコ機1は、内部に封入された所定数の遊技球を循環的に用いて遊技を行う封入式のパチンコ機として構成されている。
【0037】
図1に示すように、パチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠2にて各部を保持する構造である。
外枠2の左側上下には、ヒンジ5が設けられていると共に、該ヒンジ5には内枠3が取り付けられており、内枠3は外枠2に対して開閉可能な構成になっている。
【0038】
前枠4には、板ガラス6が取り外し自在に設けられており、内枠3における板ガラス6に覆われる位置には、遊技盤が取り付けられている。
前枠4の上側左右には、スピーカ11が設けられており、パチンコ機1から発生する遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、遊技の趣向性を向上させるために、前枠4には、遊技状態に応じて発光する複数の枠側装飾ランプが設けられている。
【0039】
前枠4の下方右側には発射ハンドル14が取り付けられており、該発射ハンドル14を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、遊技球が遊技盤に向けて発射される。
【0040】
前枠4の下方中央には、プッシュボタンやジョグダイヤル等から構成され、遊技者が操作可能な遊技ボタン12が備えられており、遊技者が所定期間中に、該遊技ボタン12を操作することで、後述する演出図柄表示装置に表示される内容が変化したり、スピーカ11より出力される遊技音が変化する。
【0041】
また、このパチンコ機1には、遊技カードが挿入されるICカード処理装置100が付属しており、パチンコ機1には、遊技カードの残金と引き換えに球貸しを依頼する引落ボタン13aと、遊技カードを取り出すための返却ボタン13bが備わっている。
【0042】
そして、ICカード処理装置100の利用可ランプ120が点灯していることを確認したうえで遊技カードをカード挿入・排出口110に挿入すれば、カード挿入ランプ121が点灯し、挿入された遊技カードに記録されている情報が読出される。読み出された記録情報は、ホールに設置されたカード管理コンピュータに送信され、記録情報の照合結果がカード管理コンピュータから返信される。ICカード処理装置100は、照合内容が一致すれば、遊技カードの残金等をパチンコ機1に送信し、さらにパチンコ機1により表示部13cに表示される。
【0043】
また、ICカード処理装置100では、1回の球貸操作で引き落とされる残金の大きさを設定でき、設定内容が引落額表示ランプ122に点灯表示される。設定内容を変更したい場合には引落額切替スイッチ123を押圧すればよい。引落額切替スイッチ123を押圧する毎に引落額表示ランプ122が、「100」,「200」,「300」,「500」,「100」,…の順序で点灯し、設定内容が変更される。
【0044】
遊技者がパチンコ機1に設けられている引落ボタン13aを操作すると、予め入力設定されている貸出単位額分の金額が残金から減額されるとともに、遊技者に貸された持玉の数等がパチンコ機1に出力される。そして、これを受信したパチンコ機1は、持玉数を更新し、表示部13cに表示する。
【0045】
持玉の存在する状態で遊技者が発射ハンドル14を操作して遊技を開始すれば、パチンコ機1では、遊技球が一発ずつ遊技領域に発射されるとともに持玉数が減算され、入賞が発生した際には、入賞数に応じて持玉が加算される。そして、遊技の最中には、最新の持玉数が表示部13cにて表示された状態となる。
【0046】
次に、パチンコ機1での遊技の概要について簡単に説明する。パチンコ機1は、第1始動口と、遊技球の普通図柄作動ゲートの通過に起因して行われる普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が可能となる第2始動口が設けられており、第1,第2始動口への入賞に起因して抽出された乱数による大当り抽選が行われる。そして、大当り抽選の際には、演出図柄表示装置の画面上で、演出図柄を変動表示させた後にこれらを停止表示し、大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。
【0047】
また、パチンコ機1では、第1,第2始動口への入賞により抽出された乱数が、最大4個まで保留記憶として記憶され、各保留記憶に対応する保留図柄が表示されると共に、大当り抽選で当たると、所定ラウンド数の大当り遊技が行われる。
【0048】
そして、大当り遊技の終了後は、一定期間(例えば、所定数の大当り抽選が行われるまでの期間)にわたり、パチンコ機1の遊技状態が、大当り抽選で当る確率が上昇する確変モードとなり、また、これと同時に、普通図柄抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選での当選時の第2始動口の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される時短モードとなる。
【0049】
なお、上述したパチンコ機1の遊技の概要は一例であり、第一実施形態のパチンコ機1は、いわゆるハネモノと呼ばれるパチンコ機や、権利モノと呼ばれるパチンコ機における遊技を行うよう構成されていても良い。また、停止表示された演出図柄の種類に応じて、確変モードや時短モードに移行する構成となっていても良い。
【0050】
また、
図2に記載されているように、封入式として構成されたパチンコ機1の内部には、遊技盤7に設けられた入賞口やアウト口に入球した遊技球8を回収する誘導経路40が設けられている。この誘導経路40は傾斜を有しており、回収した遊技球8を流下させることで、球送り装置30に誘導する。
【0051】
そして、球送り装置30に誘導された遊技球8は、該球送り装置30により一つずつ発射位置51bにセットされると共に、発射制御装置51は、遊技者による発射ハンドル14の操作に応じて発射槌51aを枢動する発射用ソレノイド(詳細は後述する)を作動させる。これにより、発射位置51bにセットされた遊技球8が発射槌51aにより打球され、発射レール51cから遊技盤7等により構成される遊技領域に発射される。
【0052】
なお、パチンコ機1の内部に封入された遊技球8は、セラミックや一部の種類のステンレス(例えば、オーステナイト系ステンレス)等の材料からなる非磁性体の遊技球として構成されており、これにより、板ガラス6に磁石等を近づけて遊技球の挙動を操り、不正に遊技球を入賞させるゴト行為を防止することができる。
【0053】
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機1の電気的構成について、
図3に記載のブロック図を用いて説明する。
図3のブロック図に示すとおり、このパチンコ機1は、主制御装置50を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置50、発射制御装置51、演出図柄制御装置54a、サブ統合装置52のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置51にCPU、ROM、RAM等を設けない構成としても良い。
【0054】
主制御装置50には、第1始動口に入球した遊技球を検出する第1特図始動SW20a、第2始動口に入球した遊技球を検出する第2特図始動SW20b、普通図柄作動ゲートに進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW21、大当り遊技の際に開放される大入賞口に入球した遊技球を計数するためのカウントSW22、一般入賞口に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW23等から検出信号が入力される。
【0055】
主制御装置50は、搭載しているプログラムに従って動作し、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成してサブ統合装置52に出力する。
また、主制御装置50は、図柄表示装置中継端子板62を介して接続されている第1特図表示装置26a、第2特図表示装置26b及び普通図柄表示装置28aの表示や、第1特図保留数表示装置27a、第2特図保留数表示装置27b及び普図保留数表示装置28bの点灯を制御する。
【0056】
更に、主制御装置50は、大入賞口ソレノイド24を制御することで大入賞口の開閉を制御し、普通電役ソレノイド25を制御することで第2始動口の開閉を制御する。
主制御装置50からは、図柄変動や大当り等の遊技情報が外部接続端子板61に出力されて、パチンコ店に設置された各パチンコ機の遊技情報を管理する台管理装置200に送られる。
【0057】
また、主制御装置50は、ICカード中継基板60を介してICカード処理装置100と通信可能に構成されている。また、引落ボタン13aや返却ボタン13bの操作を検知すると共に、表示部13cを制御する。
【0058】
また、主制御装置50は、持球が存在する場合に限り、発射制御装置51による遊技球の発射を許可する。
発射制御装置51は、発射槌51aを枢動させるロータリーソレノイドである発射用ソレノイド51dと、遊技球8を発射位置51bにセットする球送り装置30とを制御し、遊技球を遊技領域に発射させる。また、主制御装置50に対し、発射した遊技球をカウントするための信号を出力する。
【0059】
なお、発射制御装置51には発射ハンドル14からの回動量信号、タッチSW14bからのタッチ信号、発射停止SW14aからの発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル14を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル14を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW14aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル14を操作しても遊技球が発射出来ないようになっている。
【0060】
サブ統合装置52は所謂サブ制御装置に該当し、主制御装置50から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置54aに送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ11からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ15を制御する。
【0061】
また、サブ統合装置52には、遊技ボタン12が接続されており、遊技者が遊技ボタン12を操作した際には、遊技ボタン12からの信号がサブ統合装置52に入力される。
サブ統合装置52と演出図柄制御装置54aとは双方向通信が可能である。
【0062】
演出図柄制御装置54aは、サブ統合装置52から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合装置52が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
【0063】
なお、サブ統合装置52から主制御装置50へのデータ送信は行われない。
(3)球送り装置について
次に、第一実施形態のパチンコ機1の球送り装置30の構成について説明する。
【0064】
既に述べたように、このパチンコ機1は、非磁性体の遊技球が封入された封入式のパチンコ機として構成されているため、磁石等を用いたゴト行為を防止することができる。
しかしながら、非磁性体の遊技球(正規遊技球)の中に鉄等で構成された磁性体の遊技球(不正遊技球)が混入され、この不正遊技球を用いて上記ゴト行為が行われる可能性がある。このため、第一実施形態のパチンコ機1は、正規遊技球に混入された不正遊技球を除去すると共に、遊技に用いられる遊技球とは別の場所に収容しておく除去機能を有している。
【0065】
第一実施形態のパチンコ機1では、この除去機能は、主に球送り装置30により実現される。以下では、
図4に記載の球送り装置30の構成について詳しく説明する。なお、
図4(a)は、球送り装置30をパチンコ機1の正面側から見た様子を模式的に示すと共に、
図4(d)〜(f)は、球送り装置30を側方(発射ハンドル14が配置された側)から見た様子を模式的に示している。
【0066】
図2に記載の正面図が示すように、球送り装置30は、発射制御装置51や発射槌51a等に隣接して設けられていると共に、パチンコ機1の正面側から見て発射槌51aや発射位置51b等の手前側に配置されている。
【0067】
そして、球送り装置30は、傾斜を有し、誘導経路40から流下した遊技球8を誘導する経路31と、経路31の終端に配され、回転変位可能に軸支された送出部材33と、送出部材33を回転変位させる送球用ソレノイド32と、不正遊技球8aを正規遊技球8bから隔離し、遊技に用いられない状態で収容する収容部34を備える(
図4(a),(d))。
【0068】
図4(b),(c)に記載されているように、この送出部材33は、上面に遊技球8を収容可能な半球形状の凹部33bが形成されており、送出部材33が保持姿勢(上面が水平となる状態)である場合に、経路31を流下した遊技球8が終端に到達すると、該凹部33bに収容され、送出部材33に保持される構成となっている。
【0069】
さらに、送出部材33の凹部33bには、凹部33bの開口部の周縁に沿って磁気センサ33aが設けられており、不正遊技球8aが凹部33bに収容された場合には、磁気センサ33aから発射制御装置51に対し、不正遊技球が検出されたことを示す検出信号が出力される。
【0070】
そして、発射制御装置51は、検出信号が入力されていない場合には、保持姿勢である送出部材33が発射位置51b側に傾いた状態(送出姿勢)となるように送球用ソレノイド32を作動させることで、送出部材33に保持された正規遊技球8bを送出口31aから送出し、発射位置51bにセットする(
図4(e))。
【0071】
その後、予め定められた期間が経過すると、発射制御装置51は、送出部材33が保持姿勢に戻るように送球用ソレノイド32を作動させる。このとき、パチンコ機1が正常に稼動している場合であれば、球送り装置30の経路31や誘導経路40の終端付近には、常に遊技球が溜まった状態となっているため、新たな遊技球8が流下し、送出部材33に保持される。
【0072】
一方、検出信号が入力された場合には、発射制御装置51は、保持姿勢である送出部材33が発射位置51bの反対側に傾いた状態(除去姿勢)となるように送球用ソレノイド32を作動させることで、送出部材33に保持されている不正遊技球8aを、経路31の終端を切り欠くことで形成された収容口31bから送出し、収容部34に収容する(
図4(f))。そして、上記期間が経過すると、発射制御装置51は、同様にして送出部材33を保持姿勢に戻し、その後、新たな遊技球8が送出部材33に保持される。
【0073】
なお、発射制御装置51は、このような送球用ソレノイド32の制御を発射用ソレノイド51dの制御と連動して行う。
すなわち、発射制御装置51は、遊技球の発射が可能な状態(持球が存在すると共に、タッチSW14bからタッチ信号が入力され、且つ、発射停止SW14aから発射停止信号が入力されていない状態)である場合に、発射ハンドル14からの回動量信号に応じて、発射用ソレノイド51dと送球用ソレノイド32を交互に作動させる。
【0074】
このため、発射位置51bにセットされた正規遊技球8bが発射槌51aにより打球される度に、送出部材33に保持されている正規遊技球8bが発射位置51bにセットされると共に、セット後には次の遊技球8が送出部材33に保持され、正規遊技球8bが遊技領域に連続的に発射される。
【0075】
また、不正遊技球8aが検出された後であっても、発射制御装置51は、遊技球の発射が可能な状態である場合には、回動量信号に応じて発射用ソレノイド51dと送球用ソレノイド32の制御を継続して行う。このため、不正遊技球8aが混入された場合であっても、不正遊技球8aを取り除きつつ正規遊技球8bのみが連続的に発射され、遊技が継続される。
【0076】
なお、第一実施形態では、送出部材33に磁気センサ33aを設ける構成としたが、これに限定されること無く、経路31上に磁気センサを設ける構成としても良い。このような場合であっても、発射制御装置51は、磁気センサと送出部材33との位置関係により、磁気センサの配置位置に到達した遊技球が、その時点で送出部材33に保持されている遊技球が発射位置51bにセットされた後(或いは、収容部34に収容された後)、何番目に送出部材33に保持されるかを把握することができる。
【0077】
このため、この磁気センサにより検出された不正遊技球8aが送出部材33に保持されるタイミングを把握することができ、該不正遊技球8aが保持された際に送出部材33を除去姿勢とし、収容部34に収容することができる。
【0078】
[変形例]
なお、第一実施形態では、球送り装置30は、送出部材33を回転変位させることにより正規遊技球8bのセット等を行うよう構成されているが、次のように構成により正規遊技球8bのセット等を行っても良い。
【0079】
図5(a)は、変形例の球送り装置30をパチンコ機1の正面側から見た様子を模式的に示すと共に、
図5(b)は、該球送り装置30を側方(発射ハンドル14が配置された側)から見た様子を模式的に示している。
【0080】
図5(a),(b)に記載されているように、球送り装置30は、第一実施形態と同様の収容部34,経路31と、経路31の終端に配され、先端部分で遊技球を保持すると共に、上下方向に揺動可能に軸支されたアーム状の送出部材35と、送出部材35を上下方向に揺動させる送球用ソレノイド32とを備える。
【0081】
この送出部材35は、U字状に湾曲された板状部材である保持部35bが先端に設けられており、送出部材35が水平となる状態(保持姿勢)である場合に、経路31を流下した遊技球8が終端に到達すると、該保持部35bに収容され、送出部材35に保持される構成となっている。
【0082】
さらに、送出部材35の保持部35bには、底部に磁気センサ35aが設けられており、不正遊技球8aが保持部35bに収容された場合には、磁気センサ35aから発射制御装置51に対し、不正遊技球8aが検出されたことを示す検出信号が出力される。
【0083】
そして、発射制御装置51は、検出信号が入力されていない場合には、保持姿勢である送出部材35を上側に揺動し、保持部35bが発射位置51bへの遊技球の送出口31aに位置する状態(送出姿勢)となるように送球用ソレノイド32を作動させる。これにより、送出部材33に保持された正規遊技球8bは送出口31aから送出され、発射位置51bにセットされる。
【0084】
一方、検出信号が入力された場合には、発射制御装置51は、保持姿勢である送出部材35を下側に揺動し、保持部35bが収容部34への遊技球の収容口31bに位置する状態(除去姿勢)となるように送球用ソレノイド32を作動させる。これにより、送出部材33に保持された不正遊技球8aは収容口31bから送出され、収容部34に収容される。
【0085】
そして、送出部材35を送出姿勢或いは除去姿勢とした後は、発射制御装置51は、第一実施形態と同様にして、予め定められた期間の経過後に送出部材33が保持姿勢に戻るように送球用ソレノイド32を作動させる。
【0086】
なお、磁気センサ35aに替えて、送出部材35に重量センサを設け、保持部35bに保持された遊技球8の重量が予め定められた値とは異なる場合には、不正遊技球8aとみなして発射制御装置51に検出信号を出力するという構成にしても良い。
【0087】
[効果]
第一実施形態のパチンコ機1によれば、球送り装置30により発射直前の遊技球8に対し不正遊技球8aか否かの判定が行われるため、パチンコ機1のどのような場所から不正遊技球8aが混入された場合であっても、不正遊技球8aを確実に検出することができる。そして、検出された不正遊技球8aは、収容部34に収容されて隔離された状態となり、不正遊技球8aを用いること無く遊技を継続することができる。
【0088】
したがって、稼働率の低下や、パチンコ店の従業員の作業負担の増加を防ぎつつ、磁石等を用いたゴト行為を確実に防止することが可能となる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態のパチンコ機について説明する。
【0089】
第二実施形態のパチンコ機1もまた、第一実施形態と同様の全体構成を有し、非磁性体の正規遊技球8bが封入された封入式のパチンコ機として構成され、磁性体の不正遊技球8aを除去する除去機能を有している。
【0090】
しかし、第一実施形態では、球送り装置30の送出部材33により除去機能を実現するのに対し、第二実施形態では、遊技領域に発射された遊技球8を回収して発射制御装置51まで誘導する誘導経路40上に設けられた除去区間により、不正遊技球8aを取り除く構成となっている。
【0091】
以下では、第二実施形態のパチンコ機1の除去機能について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
[構成の説明]
(1)電気的構成について
図6に記載されているように、第二実施形態のパチンコ機1は、第一実施形態とほぼ同様の電気的構成を有しているが、発射制御装置51等の構成が相違している。
【0092】
すなわち、第二実施形態のパチンコ機1には、除去区間にて検出された不正遊技球8aを収容部に搬送する無端ベルト等から構成される搬送装置56が設けられており、この搬送装置56は、発射制御装置51により制御される(詳細については後述する)。
【0093】
また、誘導経路40を流下した遊技球8を一つずつ発射位置51bにセットする球送り装置30として、除去機能を有さない周知のものが用いられているという点で第一実施形態と相違する。
【0094】
(2)除去区間について
次に、不正遊技球8aを取り除くための除去区間の構成について説明する。
図7(a)に記載の説明図は、パチンコ機1の正面側から見た除去区間41の内部構成を模式的に示している。
図7(a)に記載されているように、誘導経路40の終端部分は、傾斜を有し、正規遊技球8bを球送り装置30に誘導すると共に、不正遊技球8aを収容部45に誘導する除去区間41として構成されている。なお、この除去区間41は、パチンコ機1の正面側から見て左側から右側への下り傾斜を有している。
【0095】
この除去区間41は、上流側区間41aと下流側区間41bから構成されており、一例として15mm程度の略一定の幅(正規遊技球8bの直径(一例として11mm)よりもやや広い幅)を有していると共に、天井部43と床部42には異なる角度の傾斜が形成されており、終端に近づくにつれ、天井部43と床部42の間隔が徐々に広がる構成になっている。
【0096】
また、上流側区間41aは、天井部43に当該区間に沿って磁石43aが列設されており、除去区間41に到達した不正遊技球8aを天井部43に付着させると共に、除去区間41に到達した正規遊技球8bについては、床部42を流下させるよう構成されている。
【0097】
また、天井部43と床部42の間隔は、上流側区間41aの始端では一例として15mm程度であると共に、終端付近では一例として20mm程度となっており、該間隔が正規遊技球8bの直径の2倍以下となるよう調整されている。
【0098】
換言すれば、不正遊技球8aの大きさが正規遊技球8bと同程度であると想定し、上流側区間41aの始端から終端の手前までにおいて、天井部43に付着した不正遊技球8aと、床部42を流下する正規遊技球8bとが略一列をなすよう、該間隔が調整されている。
【0099】
このため、上流側区間41aでは、天井部43に付着した不正遊技球8aは、床部42を流下する正規遊技球8bとの衝突により押し出されるように流下する。
一方、下流側区間41bは、床部42が球送り装置30の入口36に繋がっていると共に、球送り装置30の下流側に隣接して収容部45が設けられており、収容部45には、天井部43に対面するように入口45aが形成されている。なお、下流側区間41bでは、天井部43と床部42の間隔は、始端では一例として22mm程度となっており、下流側に向かうにつれ、該間隔が徐々に広がる。
【0100】
また、下流側区間41bの付近には、天井部43に付着した不正遊技球8aを収容部45に誘導する搬送装置56が設けられており、この搬送装置56には、長手方向に沿って並んだ状態で磁石が内蔵され、不正遊技球8aを外側面に付着可能に構成された無端ベルト56aが設けられている。そして、この無端ベルト56aは、下流側区間41bに沿って配されており、下流側区間41bの始端付近から終端にかけての天井部43は、この無端ベルト56aの外側面により構成される。
【0101】
また、この搬送装置56は、発射制御装置51により制御されており、遊技中は無端ベルト56aが張設されたプーリがモータにより駆動され、無端ベルト56aは、天井部43をなす外側面が遊技球の流下方向に向かうように回動する。
【0102】
さらに、収容部45の入口45aに対面する位置に、無端ベルト56aの外側面に沿うように、矩形の板状の剥離部材44が配されており、この剥離部材44は、楔状に形成され、厚さ方向の断面は略二等辺三角形をなしている。そして、剥離部材44は、該三角形の頂角をなす縁部(刃状に形成された部分)が上流側に対向した状態で配されおり、無端ベルト56aの外側面に付着した不正遊技球8aは、剥離部材44の配置位置に到達すると刃状に形成された部分に当接し、外側面から剥離される。
【0103】
このため、上流側区間41aで天井部43に付着した不正遊技球8aは、床部42を流下する正規遊技球8bに押し出されるように下流側区間41bに到達し、その後、無端ベルト56aの外側面に付着する。そして、外側面に付着した不正遊技球8aは、無端ベルト56aの回動により下流側に搬送され、その後、剥離部材44により外側面から剥離されて収容部45の入口45aに落下し、遊技に用いられることの無い状態で収容部45に収容される。
【0104】
これに対し、上流側区間41aの床部42を流下して下流側区間41bに到達した正規遊技球8bは、天井部43(無端ベルト56a)に付着した不正遊技球8aに接触することなく下流側区間41bを流下して球送り装置30の入口36に到達し、球送り装置30に供給される。そして、球送り装置30は、周知のものと同様、供給された正規遊技球8bを一つずつ発射位置51bにセットする。
【0105】
また、パチンコ機1が正常に稼動している場合であれば、除去区間41には常に遊技球8が溜まった状態となっており、発射制御装置51は、第一実施形態と同様、遊技球8の発射が可能な状態である場合に、発射ハンドル14からの回動量信号に応じて、発射用ソレノイド51dと送球用ソレノイド32を交互に作動させる。
【0106】
このため、発射位置51bにセットされた正規遊技球8bが打球される度に、球送り装置30に供給された正規遊技球8bが発射位置51bにセットされ、正規遊技球8bが遊技領域に連続的に発射される。
【0107】
また、不正遊技球8aが天井部43に付着した場合であっても、発射制御装置51は、遊技球8の発射が可能な状態である場合には、回動量信号に応じて発射用ソレノイド51dと送球用ソレノイド32の制御を継続して行う。このため、不正遊技球8aが混入された場合であっても、不正遊技球8aを取り除きつつ正規遊技球8bのみが連続的に発射され、遊技が継続される。
【0108】
なお、無端ベルト56aが配される区間(搬送区間)であるが、上流側区間41aの天井部43に付着して流下し、下流側区間41bに到達した不正遊技球8aがその勢いのみで始端に到達可能となる位置に搬送区間を配置することが望ましい。このため、上流側区間41aの傾き等に応じて搬送区間の配置を定めることが考えられる。
【0109】
しかしながら、これに限定されることは無く、始点が上流側区間41aに位置するように搬送区間を配置しても良い。このような場合であっても、不正遊技球8aを収容部45に収容することができる。
【0110】
また、搬送区間を、下流側区間41bに到達した不正遊技球8aが、その勢いのみでは始端に到達することが困難な位置に配置しても良い。このような場合であっても、不正遊技球8aは下流側区間41bの天井部43に付着された状態で保持されると共に、新たな不正遊技球8aが検出され、下流側区間41bの天井部43に付着することで、押し出されるように搬送区間に到達すると考えられ、これにより、不正遊技球8aを収容部45に収容することができる。
【0111】
[変形例]
なお、第二実施形態における除去区間41は、終端に近づくにつれ、天井部43と床部42の間隔が徐々に広がる構成になっているが、除去区間41の床部42を次のように構成しても良い。
【0112】
図7(b)に記載の説明図は、パチンコ機1の正面側から見た変形例の除去区間41の内部構成を模式的に示している。
図7(b)に記載されているように、上流側区間41aでは、天井部43と床部42との間隔を、正規遊技球8bの直径の2倍よりも短い一定の長さ(一例として15mm程度)としても良い。また、上流側区間41aと下流側区間41bの境界部分に段差を設け、下流側区間41bでは、天井部43と床部42との間隔が、正規遊技球8bの直径の2倍よりも長い一定の長さ(一例として25mm程度)としても良い。
【0113】
このような構成を有する場合であっても、上流側区間41aでは、不正遊技球8aは天井部43に付着し、床部42を流下する正規遊技球8bとの衝突により押し出されるように流下する。
【0114】
そして、下流側区間41bに到達した後、無端ベルト56aの外側面に付着すると共に、無端ベルト56aの回動により下流側に搬送され、その後、剥離部材44により外側面から剥離されて収容部45の入口45aに落下する。
【0115】
これに対し、上流側区間41aの床部42を流下して下流側区間41bに到達した正規遊技球8bは、天井部43や無端ベルト56aに付着した不正遊技球8aに接触することなく下流側区間41bを流下して球送り装置30の入口36に到達し、球送り装置30に供給される。
【0116】
このため、天井部43と床部42の間隔が徐々に広がる構成とした場合と同様に、不正遊技球8aを収容部45に収容することができる。
[効果]
第二実施形態のパチンコ機1によれば、除去区間41では、正規遊技球8bの球送り装置30への誘導を遮ること無く不正遊技球8aが取り除かれ、収容部45に収容されるため、遊技を継続しながら不正遊技球8aを取り除くことができる。
【0117】
したがって、稼働率の低下や、パチンコ店の従業員の作業負担の増加を防ぎつつ、磁石等を用いたゴト行為を防止することが可能となる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態のパチンコ機について説明する。
【0118】
第三実施形態のパチンコ機1もまた、第二実施形態と同様の全体構成、電気的構成を有しており、誘導経路40上に設けられた除去区間により不正遊技球を取り除く構成となっているが、除去区間の構成が異なっている。
【0119】
以下では、第三実施形態の除去区間の構成について、第二実施形態との相違点を中心に説明する。
[構成の説明]
図8(a)の説明図は、第三実施形態の除去区間70を側方から見た様子を模式的に示していると共に、
図8(b)の説明図は、上方から見た除去区間70の内部構成を模式的に示している。
【0120】
図8(a),(b)に記載されているように、誘導経路40の終端部分は、傾斜を有し、正規遊技球8bを球送り装置30に誘導すると共に、不正遊技球8aを収容部45に誘導する除去区間70として構成されている。なお、この除去区間70は、パチンコ機1の正面側から見て左側から右側への下り傾斜を有している。
【0121】
この除去区間70は、上流側区間70aと下流側区間70bから構成されており、一例として、正規遊技球の直径よりもやや高い15mm程度の略一定の高さを有している。
また、
図8(c)〜(e)は、
図8(b)のA〜C地点における除去区間70の断面を模式的に示している。
図8(b)〜(e)に記載されているように、この除去区間70の床部74は、上側壁部71から下側壁部72に向かって下り傾斜が形成されていると共に、終端に近づくにつれ、上側壁部71と下側壁部72の間隔(除去区間70の幅)が徐々に広がる構成となっている。なお、上側壁部71と下側壁部72の間隔は、一例として、
図7(b)におけるA地点では15mm、B地点では18mm、C地点では30mm程度となっている。
【0122】
また、上流側区間70aは、上側壁部71に沿って磁石71aが列設されており、除去区間70に到達した不正遊技球8aを上側壁部71に付着させると共に、除去区間70に到達した正規遊技球8bは下側壁部72に沿って流下させるよう構成されている。
【0123】
また、上側壁部71と下側壁部72の間隔は、上流側区間70aの始端では一例として15mm程度であると共に、終端付近では一例として20mm程度となっており、該間隔が正規遊技球8bの直径の2倍以下となるよう調整されている。
【0124】
換言すれば、不正遊技球8aの大きさが正規遊技球8bと同程度であると想定し、上流側区間70aの始端から終端の手前までにおいて、上側壁部71に付着した不正遊技球8aと、下側壁部72に沿って流下する正規遊技球8bとが略一列をなすよう、該間隔が調整されている。
【0125】
このため、上流側区間70aでは、上側壁部71に付着した不正遊技球8aは、下側壁部72に沿って流下する正規遊技球8bとの衝突により押し出されるように流下する。
一方、下流側区間70bの終端には、球送り装置30の入口36と、収容部45の入口45aが、幅方向に沿って並んで配されており、球送り装置30の入口36は下側壁部72側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に、収容部45の入口45aは上側壁部71側(パチンコ機1の正面から見て手前側)に配される。また、これらの入口は、壁部73により仕切られており、下流側区間70bは、これらの入口の配置位置の手前で該壁部73により二手に分かれる。なお、下流側区間70bでは、上側壁部71と下側壁部72の間隔は、始端では一例として22mm程度となっていると共に、下流側に向かうにつれ該間隔が徐々に広がり、終端付近では、一例として30mm程度となっている。
【0126】
また、下流側区間70bの付近には、上側壁部71に付着した不正遊技球8aを収容部45に誘導する搬送装置56が設けられている。この搬送装置56には、第二実施形態と同様の構成を有しており、この無端ベルト56aは、下流側区間70bに沿って配され、下流側区間70bの始端付近から終端にかけての上側壁部71は、この無端ベルト56aの外側面により構成される。
【0127】
また、この搬送装置56は、第二実施形態と同様、遊技中は無端ベルト56aが張設されたプーリがモータにより駆動され、無端ベルト56aは、上側壁部71をなす外側面が遊技球の流下方向に向かうように回動する。
【0128】
さらに、収容部45の入口45aに対面する位置に、無端ベルト56aの外側面に沿うように、第二実施形態と同様の剥離部材44が配されている。この剥離部材44は、第二実施形態と同様、刃状に形成された部分が上流側に対向した状態で配されおり、外側面に付着した不正遊技球8aは、剥離部材44の配置位置に到達すると刃状に形成された部分に当接し、外側面から剥離される。
【0129】
このため、上流側区間70aで上側壁部71に付着した不正遊技球8aは、下側壁部72を流下する正規遊技球8bに押し出されるように下流側区間70bに到達し、その後、無端ベルト56aの外側面に付着する。そして、外側面に付着した不正遊技球8aは、無端ベルト56aの回動により下流側に搬送され、その後、剥離部材44により外側面から剥離されて収容部45の入口45aに落下し、遊技に用いられることの無い状態で収容部45に収容される。
【0130】
これに対し、上流側区間70aの上側壁部71に沿って流下して下流側区間70bに到達した正規遊技球8bは、上側壁部71(無端ベルト56a)に付着した不正遊技球8aに接触することなく下流側区間70bを流下して球送り装置30の入口36に到達し、球送り装置30に供給される。そして、球送り装置30は、周知のものと同様、供給された正規遊技球8bを一つずつ発射位置にセットする。
【0131】
また、第二実施形態と同様、パチンコ機1が正常に稼動している場合であれば、除去区間70には常に遊技球が溜まった状態となっており、発射制御装置51は、遊技球の発射が可能な状態である場合に、発射ハンドル14からの回動量信号に応じて、発射用ソレノイド51dと送球用ソレノイド32を交互に作動させる。
【0132】
このため、遊技球8が打球される度に、球送り装置30に供給された正規遊技球8bが発射位置にセットされ、正規遊技球8bが遊技領域に連続的に発射される。
また、不正遊技球8aが上側壁部71に付着した場合であっても、発射制御装置51は、遊技球の発射が可能な状態である場合には、回動量信号に応じて発射用ソレノイド51dと送球用ソレノイド32の制御を継続して行う。このため、不正遊技球8aが混入された場合であっても、不正遊技球8aを取り除きつつ正規遊技球8bのみが連続的に発射され、遊技が継続される。
【0133】
なお、無端ベルト56aが配される区間(搬送区間)であるが、上流側区間70aの上側壁部71に付着して流下し、下流側区間70bに到達した不正遊技球8aが、その勢いのみで始端に到達可能となる位置に搬送区間を配置することが望ましい。このため、上流側区間70aの傾き等に応じて搬送区間の配置を定めることが考えられる。
【0134】
しかしながら、これに限定されることは無く、始点が上流側区間70aに位置するように搬送区間を配置しても良い。このような場合であっても、不正遊技球8aを収容部45に収容することができる。
【0135】
また、搬送区間を、下流側区間70bに到達した不正遊技球8aが、その勢いのみでは始端に到達することが困難な位置に配置しても良い。このような場合であっても、不正遊技球8aは下流側区間70bの上側壁部71に付着された状態で保持されると共に、新たな不正遊技球8aが検出され、下流側区間70bの上側壁部71に付着することで、押し出されるように搬送区間に到達すると考えられ、これにより、不正遊技球8aを収容部45に収容することができる。
【0136】
[変形例]
なお、第三実施形態における除去区間70は、終端に近づくにつれ、上側壁部71と下側壁部72の間隔が徐々に広がる構成になっているが、除去区間70の下側壁部72を次のように構成しても良い。
【0137】
図9(a)に記載の説明図は、上方から見た変形例の除去区間70の内部構成を模式的に示している。
図9(a)に記載されているように、上流側区間70aでは、上側壁部71と下側壁部72との間隔を、正規遊技球8bの直径の2倍よりも短い一定の長さ(一例として15mm程度)としても良い。また、上流側区間70aと下流側区間70bの境界に段差を設け、下流側区間70bでは、上側壁部71と下側壁部72との間隔を、正規遊技球8bの直径の2倍よりも長い一定の長さ(一例として25mm程度)としても良い。なお、
図9(b),(c)は、
図9(a)のA,B地点における除去区間70の断面を模式的に示している。
【0138】
このような構成を有する場合であっても、上流側区間70aでは、不正遊技球8aは、上側壁部71に付着すると共に、下側壁部72に沿って流下する正規遊技球8bとの衝突により押し出されるように流下する。
【0139】
そして、下流側区間70bに到達した後、無端ベルト56aの外側面に付着すると共に、無端ベルト56aの回動により下流側に搬送され、その後、剥離部材44により外側面から剥離されて収容部45の入口45aに落下する。
【0140】
これに対し、上流側区間70aの下側壁部72に沿って流下して下流側区間70bに到達した正規遊技球8bは、天井部43や無端ベルト56aに付着した不正遊技球8aに接触することなく下流側区間70bを流下して球送り装置30の入口36に到達し、球送り装置30に供給される。
【0141】
このため、上側壁部71と下側壁部72の間隔が徐々に広がる構成とした場合と同様に、不正遊技球8aを収容部45に収容することができる。
[効果]
第三実施形態のパチンコ機1によれば、除去区間70では、正規遊技球8bの球送り装置30への誘導を遮ること無く不正遊技球8aが取り除かれ、収容部45に収容されるため、遊技を継続しながら不正遊技球8aを取り除くことができる。
【0142】
したがって、稼働率の低下や、パチンコ店の従業員の作業負担の増加を防ぎつつ、磁石等を用いたゴト行為を防止することが可能となる。
[他の実施形態]
(1)第一〜第三実施形態のパチンコ機1は、封入式として構成されているが、非封入式のパチンコ機として構成されていても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0143】
(2)また、第一〜第三実施形態では、発射制御装置51にCPUを設け、発射制御装置51にて発射用ソレノイド51d,球送り装置30,搬送装置56等を制御する構成となっているが、主制御装置50にて発射用ソレノイド51d等を制御する構成としても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0144】
(3)また、第二,第三実施形態のパチンコ機1では、下流側区間に到達した不正遊技球8aを搬送装置56により搬送し、収容部45に収容する構成となっている。しかしながら、搬送装置56を設けず、下流側区間に到達した不正遊技球8aを天井部43、或いは上側壁部71に付着した状態で保持するという構成にしても良い。このような場合であっても、不正遊技球8aを隔離し、遊技に用いられない状態で保持することができるため、同様の効果を得ることができる。
【0145】
(4)また、第二,第三実施形態のパチンコ機1では、搬送装置56の無端ベルト56aの外周面に付着した不正遊技球8aを剥離部材44により剥離させ、入口45aから収容部45に収容する構成となっている。
【0146】
しかしながら、剥離部材44を設けることに替えて、無端ベルト56aの外側面を、正規遊技球8bの直径程度の長さを有し、長手方向に一列に並ぶ複数のエリアに分割すると共に、各エリアに電磁石を内蔵し、これらの電磁石を個別にオン/オフ可能に構成しても良い。
【0147】
そして、各エリアが無端ベルト56aの上流側の端部に達した際に、内蔵された電磁石をオンすると共に、該エリアが収容部45の入口45aに到達した際に、内蔵された電磁石をオフすることで、無端ベルト56aの外側面に付着した不正遊技球8aを剥離させ、入口45aから収容部45に収容する構成としても良い。
【0148】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(5)また、第一〜第三実施形態のパチンコ機1において、重量センサ等を用いて収容部にどの程度の不正遊技球8aが収容されたかを検出し、収容部に収容されている不正遊技球8aが一定の量を超えた場合には、台管理装置200に通知する等の方法により警告を発しても良い。
【0149】
こうすることにより、不正遊技球8aが収容部から溢れ、パチンコ機1内部で遊技球が詰まってしまうことを防ぐことができ、パチンコ機1の故障等のトラブルを未然に防ぐことができる。このため、収容部から不正遊技球8aを取り除くため、パチンコ機1の稼動を一時的に停止させることが必要になるとはいえ、結果的に従業員の作業負担を軽減させることができる。
【0150】
(6)また、第二実施形態のパチンコ機1において、除去区間41の上流側区間41aにおける天井部43と床部42との間隔は、床部42を流下する不正遊技球8aが、磁石43aにより天井部43に吸着可能となるように調整されていれば良く、この間隔は、磁石43aの磁力に応じて適宜変更可能となっている。
【0151】
また、第三実施形態のパチンコ機1においても、除去区間70の上流側区間70aにおける上側壁部71と下側壁部72との間隔は、下側壁部72に接した状態で流下する不正遊技球8aが、磁石71aにより上側壁部71に吸着可能となるように調整されていれば良く、この間隔は、磁石71aの磁力に応じて適宜変更可能となっている。
【0152】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0153】
第
二実施形態におけるパチンコ機1が弾球遊技機に、誘導経路40が誘導手段に相当する。
また、第
二実施形態における
除去経路の上流側区間が検出手段に、下流側区間が除去手段に相当し、搬送装置56が搬送手段に、剥離部材44が剥離手段に相当する。