(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。各図において、同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。また、図面は、本発明を理解するために誇張して表現している場合もあり、必ずしも縮尺どおり精緻に表したものではないことに留意されたい。なお、本発明は下記に示される実施の形態に限られるものではない。
【実施例1】
【0009】
実施例1を図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
図1(a)に本実施形態に係る耳装飾用台座シートX1の正面側からみた斜視図を示し、
図1(b)に耳装飾用台座シートX1の背面側からみた分解斜視図を示す。なお、耳装飾用台座シートX1は耳に固定したときに顔側を前方、後頭部側を後方とし、
図1(a)においては左側が前方に該当する。また、ここで示すものは左耳用であるが、右耳用のものは対称に形成すればよいことはいうまでもない。耳装飾用台座シートX1は、シート体10、保持部材であるフック20、連結部25、剥離シート30を有する。
【0011】
シート体10は、薄いシリコーンゴム性の透明なシート体からなり、耳輪の少なくとも一部に沿う湾曲形状を有し、耳輪に装着されるものである。
図1の構成例では、耳の耳輪全体から耳垂の正面部分に貼り付けることができるように耳輪から耳垂に沿った形状、大きさに形成されている。なお、耳の大きさは人によって変わるので、耳装飾用台座シートX1はシート体10の大きさが異なるものが複数種類用意される。また、シート体10の耳輪に沿う湾曲した部分の内縁及び外縁には切れ込み11が設けられている。切れ込み11はV字状が好ましいが、U字状でも略矩形状でもよい。さらに、シート体10の裏側の後述するフック20に相対する面には、前面に渡って粘着層12が形成されている。
このシート体10は、耳の装飾品の装着を可能とする部材となる。装飾品は特に限定されず、例えば、シート体10の表面に貴金属、宝石類、模造宝石類、ガラス製装飾品、プラスチック製装飾品など多様なものがあり得る。
フック20は保持部材の構成例の一つであり、耳介または耳輪の裏面の少なくとも一部に装着されるものである。この構成例では、フック20はシリコーンゴムにより形成され、耳介の裏側の耳の付け根近傍に引っ掛けることができるように、棒体をフック状に湾曲させたような形状を有する。フック20の上方の端部は連結部25を介してシート体10の上方端部に一体に固定される。フック20とシート体10と連結部25は成型時に一体に成型してもよく、接着剤で接着することで固定してもよい。
連結部25は、シート体10と保持部材であるフック20との間を、シート体10の上方前端部または耳輪の頂部に相当する位置近傍において連結する部材である。
図1の構成の連結部であれば、連結部25を介して、シート体10および保持部材であるフック20が各々装着された状態において、シート体10の装着姿勢の変化を防止するテンションを保持部材であるフック20からシート体10に伝達することができる。この構成例では連結部25はシート体10の上方前端部に設けられており、シート体10の上方前端部においてフック20がシート体10に連結されている。
剥離シート30はシート体10の平面形状と略同じ形状をした紙性のシートを耳垂に対応する部分31と耳輪に対応する部分32とに分断したものであり、シート体10の粘着層12に張り付けられるものである。剥離シート30の粘着層12に貼り付けられる側は剥離剤が塗布されており、粘着層12に対して容易に剥がすことができるようになっている。
【0012】
次に、以上のような構成を有する耳装飾用台座シートX1の使用方法について説明する。使用者は、まず、フック20を耳に掛け、この状態で剥離シート30をシート体10から剥がす。この際、シート体10の粘着層12が耳に着かないようにする。その後、シート体10の上部前端側から耳輪に沿ってシート体10を貼り付けていく。この際、シート体10にはV字状の切れ込み11が設けられ、また、シート体10は伸縮性のあるシリコーンゴムにより形成されるので、耳輪の形状がシート体10の形状と多少合致していなくても、適宜V字状の切れ込み11の幅を変え、シート体10を微少量伸縮させることで、シート体10を貼り付けることができる。また、V字状の切れ込み11があることによって、耳輪の正面から外側にはみ出した部分があっても、その部分を容易に耳輪の側周面側に折り曲げることができる。このようにして、シート体10を耳輪から耳垂にかけて貼り付けが終了し
図2に示すような状態となったら、シート体10の表面にビーズや宝石、造花などの装飾物を接着剤により貼り付けて耳の装飾が完了する。
なお、ここでは先にシート体10を耳に貼り付けてから装飾物をシート体10に貼り付ける手順を説明したが、予めシート体10に装飾物を貼り付けておき、この状態のシート体10を耳に貼り付けるようにしてもよい。
図2の装着姿勢において、フック体20が耳介の裏側に引っ掛かり連結部25を介してシート体10に連結しており、シート体10の装着姿勢が安定するようにテンションがシート体10に対して適切に印加されている。つまり、シート体10および保持部材であるフック20が各々耳に装着された状態において、シート体10の装着姿勢の変化を防止するテンションをフック20からシート体10に伝達する役割を果たす。テンションは、シート体10の装着姿勢に応じて様々な意味を持ち得る。例えば、耳輪から剥がれて落ちようとする力に対向して引き上げる力、シート体10とフック体20の挟み込みによりシート体10を耳輪側に引き付ける挟持力などとなり得る。
【0013】
また、耳垂部分にピアスホールがあり、ピアスと本耳装飾用台座シートX1とを併用する場合、シート体10は薄いのでピアスのピン部分を押し当てることで容易に穴を開けることができるので、耳装飾用台座シートX1を貼り付けた後に、耳垂部分のピアスホール部分にピアスのピンを上から押し当てて穴を開け、その後ピアスを固定するようにすればよい。さらに、穴を開ける作業がわずらわしい場合は、
図3(a)に示す耳装飾用台座シートX2のように、シート体10の耳垂部分に複数の貫通孔13を設けておいてもよい。シート体10はシリコーンゴムで形成されているので、貫通孔13の位置は多少ずらすことが可能であり、いずれかの貫通孔13がピアスホールに合致すればシート体10に穴を新たに空けることなくピアスを耳に固定することができる。貫通孔13の大きさは大きければピアスに合わせる範囲が広がる一方、装飾物を貼り付けるスペースが少なくなるので必要に応じて適宜決定すればよい。
【0014】
さらに、上記耳装飾用台座シートX1はフック20を設けることで、シート体10が耳輪上部から剥がれ難い構成となっているが、これをさらに強化するために、
図3(b)に部分拡大図を示す耳装飾用台座シートX3のように、シート体10の最上部近傍に耳輪に引っ掛けるための補助フック40を設けてもよい。補助フック40はここではシリコーンゴムにより形成され、板体をフック状に曲げた形状を有するものでありシート体10に一体に成型されるものである。もちろん、一体に成型されるものでなく、補助フック40を接着によりシート体10に接着してもよい。
そして、上記実施例1では、シート体10に粘着層を予め設けていたが、シート体10に粘着層を設けずに、貼り付ける前に接着剤をシート体10に塗布してからシート体10を耳に取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施例1ではシート体10をシリコーンゴムにより形成しているが天然ゴム、ウレタンやスチレン系のゲルシートのような他のエラストマーで形成してもよく、また、十分に薄い素材であれば伸縮性のあまりない合成樹脂シートや紙、不織布等を用いることもできる。
【実施例2】
【0015】
次に実施例2を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例2において、実施例1と同様の機能を有する部分については、対応する符号を付する。
【0016】
図4を参照して説明する。
図4は、実施例2に係る耳装飾用台座シートの展開図である。
図4(a)に示すとおり、耳装飾用台座シートX4は、シート体100、保持部材である第2のシート体200、連結部250、第2の保持部材である第3のシート体300を有する。第三の変形例に係る耳装飾用台座シートX4においては、シート体100は耳の耳輪全体から耳垂の正面部分に、さらに第2のシート体200は耳の耳輪全体から耳垂の背面部分にも貼り付けることができるように耳輪から耳垂の裏側に沿った形状、大きさに形成される。
この構成例では、連結部250は、シート体100の上方前端部に設けられている。
図4(a)に示す耳装飾用台座シートX4の各パーツは正面にあたり、各背面は粘着層を設けていて、耳に装着されうる。また、第2のシート体200がシート体100に連結される前端部の連結部250の部分に点線Aが示されており、点線Aで第2のシート体200を山折りに折り曲げることができる。
【0017】
ここで、実施例2に係る耳装飾用台座シートX4の使用方法について説明する。まず、第2のシート体200を点線Aで山折り方向に折り曲げ、第2のシート体200を耳の裏側に剥離シート230を剥がして耳輪に沿って貼り付ける。次に、シート体100を耳の表側に剥離シート130を剥がして耳輪に沿って貼り付ける。最後に、シート体100の頂端近傍に配置された第3のシート体300を耳輪に引っ掛けるように折り曲げて、第2のシート体200に貼り付ける。
【実施例3】
【0018】
次に実施例3を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例3において、実施例1及び2と同様の機能を有する部分については、対応する符号を付する。
【0019】
図5を参照して説明する。
図5は実施例3の変形例に係る耳装飾用台座シートの展開図である。
図5に示すとおり、耳装飾用台座シートX5は、シート体101、連結部251、保持部材である第2のシート体201を有する。
図5に示す耳装飾用台座シートX5の各パーツは正面にあたり、各背面は粘着層を設けていて、耳に装着されうる。
この構成例では、連結部251は、シート体101の耳輪の頂部に相当する位置近傍に設けられている。
図6は、
図5の実施例に係る耳装飾用台座シートX5を装着した状態を示す斜視図であり、(a)は左耳の表側に装着された状態を示し、(b)は左耳の裏側に装着された状態を示す。
図6に示すとおり、耳装飾用台座シートX5においても、シート体101は耳の耳輪全体から耳垂の正面部分に、さらに第2のシート体201は耳の耳輪全体から耳垂の背面部分にも貼り付けることができるように耳輪から耳垂の裏側に沿った形状、大きさに形成される。なお、
図5及び
図6に示すとおり、耳装飾用台座シートX5は、シート体101と第2のシート体201とを架橋する連結部251を備え、シート体101及び第2のシート体201が耳から外れないようになっている。シート体101と第2のシート体201と連結部251は成型時に一体に成型してもよく、接着剤で接着することで固定してもよい。
【0020】
ここで、耳装飾用台座シートX5の使用方法について説明する。まず、第2のシート体201を連結部251において山折り方向に折り曲げ、剥離シート231を剥がして耳の背面に耳輪に沿って貼り付ける。次に、連結部251が耳の頂端で耳に引っかかるようシート体101を剥離シート131を剥がして耳の正面に耳輪に沿って貼り付ける。
【実施例4】
【0021】
次に実施例4を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例4において、実施例1、2及び3と同様の機能を有する部分については、対応する符号を付する。
【0022】
図7を参照して説明する。
図7は、実施例4に係る耳装飾用台座Y1の展開図である。
図7に示すとおり、耳装飾用台座Y1は、耳輪に沿う湾曲した部分で上下2枚に分断された板状体400a、400bで構成される板状体400、保持部材としてのフック420、連結部450を有する。板状体400は、金属又は合成樹脂からなり、耳輪の少なくとも一部に沿う湾曲形状を有し、耳輪に装着されるものである。
図7の構成例では、耳の耳輪全体から耳垂の正面部分に貼り付けることができるように耳輪から耳垂に沿った形状、大きさに形成されている。なお、耳の大きさは人によって変わるので、耳装飾用台座Yは板状体400の大きさが異なるものが複数種類用意される。実施例1、2及び3と同様に、この板状体400は、耳の装飾品の装着を可能とする部材となる。装飾品は特に限定されず、例えば、板状体400の表面に貴金属、宝石類、模造宝石類、ガラス製装飾品、プラスチック製装飾品など多様なものがあり得る。
【0023】
図7に示すフック420及び連結部450については、前述した実施例1の構成とほぼ同一であるので、ここでは省略する。
【0024】
実施例1に示した耳装飾用台座シートX1に係る樹脂シート10が耳輪に貼り付けられるが、実施例4に係る耳装飾用台座Y1に係る板状体400は耳輪に貼り付けられることはない。したがって、耳装飾用台座Yは耳に装着される際、耳の所定の2箇所で保持されることになる。
図7に示すように、耳垂部分にピアスホールがあり、ピアスと本耳装飾用台座Y1とを併用する場合、耳装飾用台座Y1は、耳の付け根のフック420とピアスの貫通により保持される。後述するとおり、板状体400は、2枚の板状体400a、400bのいずれかにガイド460、他方に摺動部461を備え、摺動部461が摺動することで耳の大きさに整合できる。貫通孔413の大きさは大きければピアスに合わせる範囲が広がる一方、装飾物を貼り付けるスペースが少なくなるので必要に応じて適宜決定すればよい。
【0025】
図8を参照する。
図8は、実施例4の変形形態に係る本耳装飾用台座Y2、Y3を示している。
図8(a)に示すように、
図7と同様に、耳垂部分にピアスホールがあり、ピアスと本耳装飾用台座Y2とを併用する場合、耳装飾用台座Y2は、耳の付け根近傍の保持部材421とピアスの貫通により保持される。本耳装飾用台座Y2は、
図7に示したフック420の代替手段として、保持部材421を備える。保持部材421は、例えばイヤリングのクリップ式の挟持部材であって、対向する二片の板状体の間隙が可変的に設けられ、耳に装着する際に、該間隙が縮小させるものが用いられてよい。また、貫通孔413の代替手段として、上述のクリップ式の挟持部材を保持部材422として用いることができる。
図8(b)に示すとおり、ピアスを用いない場合、耳装飾用台座Y3は、耳の付け根近傍の保持部材421と耳垂への保持部材422により保持される。クリップ式にかかわらず、耳輪の両面から螺入圧着するスクリュー式や、バネ式の挟持部材を用いてもよい。
【0026】
図9を参照しながら、摺動機構について、説明する。
図9(a)は、実施例4に係る耳装飾用台座機材の摺動機構を示す模式的な図であり、
図9(b)は、(a)中のイに示す円内の構造を透視した様子を示す図である。板状体400aの側端は各々裏側に曲折されて環状の摺動筒状のガイド460を形成している。他方、板状体400bの上端は、板状体400aの摺動筒460に対向しかつ挿通できる摺動部461を設けている。この機構により、板状体400aと板状体400bは互いに摺動して、耳の大きさや形状に整合させることができる。
【0027】
図10を参照する。
図10は、実施例4に係る保持部材としてのピアスピン414を示す拡大斜視図である。
【0028】
図10に示すとおり、板状体400bは、耳垂に対向する裏面の位置に複数のピアスピン414を備える。ピアスピン414は、ピアスホール413に代わるものであり、ピアスと本耳装飾用台座Y1とを併用する場合、耳装飾用台座Y1を耳に装着した後に、複数のピアスピンのうち、耳垂自身のピアスホール部分に適合する1本のピアスピンを選択し、他のピアスピンはハサミ等で根元から切除し、その後該ピアスピンを耳垂のピアスホールに固定すればよい。板状体400bは、摺動機構を介して板状体400aと摺動するので、ピアスピン414の位置は多少ずらすことが可能であり、いずれかのピアスピン414が耳垂のピアスホールに合致すれば、ピアスピン414を該ピアスホールに挿通し、耳裏でピアスピン414をピアス用キャッチで受けて本耳装飾用台座Y1を耳に固定することができる。
【実施例5】
【0029】
次に実施例5を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例5において、実施例1、2、3及び4と同様の機能を有する部分については、対応する符号を付する。
【0030】
図11及び12を参照して説明する。
図11及び12は、実施例5に係る耳装飾用台座の変形形態の展開図である。
【0031】
図11に示すとおり、耳装飾用台座Y4の基材は、
図4に示す形状に類似する板状体である。耳装飾用台座Y4は、板状体410、保持部材である第2の板状体411、連結部451、第2の保持部材421、第2の連結部452を有する。本耳装飾用台座Y4は、
図7に示したフック420の代替手段として、保持部材である第2の板状体411を備える。耳装飾用台座Y4においては、板状体410は耳の耳輪全体から耳垂の正面部分に、さらに第2の板状体411は耳の耳輪全体から耳垂の背面部分に装着できるように耳輪から耳垂の裏側に沿った形状、大きさに形成される。この構成例では、連結部452は、板状体410の耳のつけ根上方から頂部にかけての所望の位置にクリップ式の挟持部材を用いて設けられている。連結部452はクリップ式の他、スクリュー式又はバネ式の挟持部材を用いて構成することもできる。
図10に示す耳装飾用台座Y4の各パーツは正面にあたり、各背面は耳に当接されうる。また、第2の板状体411が板状体410に連結される連結部451で山折りに折り曲げることができる。
【0032】
耳装飾用台座Y4の使用方法について説明する。まず、第2の板状体411を連結部451で山折り方向に折り曲げ、第2の板状体411を耳の裏側に耳輪に沿って引っ掛ける。次に、板状体410を耳の表側に耳輪に沿って装着する。最後に、板状体410の頂端近傍に配置された保持部材421を耳輪に引っ掛けるように折り曲げて耳に装着する。
【0033】
図12に示すとおり、耳装飾用台座Y5の基材は、
図5に示す形状に類似する板状体である。耳装飾用台座Y5は、板状体410、連結部453、保持部材である第2の板状体412を有する。
図12に示す耳装飾用台座Y5の各パーツは正面にあたり、耳に装着されうる。この構成例では、連結部453は、板状体410の耳輪の頂部に相当する位置近傍にクリップ式の挟持部材を用いて設けられている。連結部453はクリップ式の他、スクリュー式又はバネ式の挟持部材を用いて構成することもできる。ここで、耳装飾用台座Y5の使用方法について説明する。まず、第2の板状体412を連結部453において山折り方向に折り曲げ、耳の背面に耳輪に沿って引っ掛けるように装着する。次に、連結部453が耳の頂端で耳に引っかかるよう耳の正面に耳輪に沿って装着する。
【実施例6】
【0034】
次に実施例6を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例6において、実施例1、2、3、4及び5と同様の機能を有する部分については、対応する符号を付する。
【0035】
図13を参照して説明する。
図13は、実施例6に係る耳装飾用台座Z1の展開図である。
【0036】
図13に示すとおり、耳装飾用台座Z1は、耳輪に沿う湾曲した部分で上下2本に分断された線状体500a、500bで構成される線状体500、保持部材としてのフック520、連結部550を有する。線状体500は、金属又は合成樹脂からなり、耳輪の少なくとも一部に沿う湾曲形状を有し、耳輪に装着されるものである。なお、線状体500は、可撓性のある部材であれば好適である。
図10の構成例では、耳の耳輪全体から耳垂の正面部分に貼り付けることができるように耳輪から耳垂に沿った形状、大きさに形成されている。なお、耳の大きさは人によって変わるので、耳装飾用台座Z1は線状体500の大きさが異なるものが複数種類用意される。実施例1、2及び3と同様に、この線状体500は、耳の装飾品の装着を可能とする部材となる。装飾品は特に限定されず、例えば、線状体500の表面に貴金属、宝石類、模造宝石類、ガラス製装飾品、プラスチック製装飾品など多様なものがあり得る。
【0037】
図13に示すフック520及び連結部550についても、前述した実施例1の構成とほぼ同一であるので、ここでは省略する。
【0038】
実施例4と同様に、実施例6に係る耳装飾用台座Z1に係る線状体500は耳輪に貼り付けられることはない。したがって、耳装飾用台座Yは耳に装着される際、耳の所定の2箇所で保持されることになる。
図13に示すように、耳垂部分にピアスホールがあり、ピアスと本耳装飾用台座Z1とを併用する場合、耳装飾用台座Z1は、耳の付け根のフック420とピアスの貫通により保持される。線状体500は、後述する摺動機構により耳の大きさに整合できる。貫通孔413の大きさは大きければピアスに合わせる範囲が広がる一方、装飾物を貼り付けるスペースが少なくなるので必要に応じて適宜決定すればよい。
【0039】
図には示していないが、
図10のように、
図13に係る線状体500bは、耳垂に対向する裏面の位置に複数のピアスピン514を備えてもよい。ピアスピン514は、ピアスホール513に代わるものであり、ピアスと本耳装飾用台座Z1とを併用する場合、耳装飾用台座Z1を耳に装着した後に、複数のピアスピンのうち、耳垂自身のピアスホール部分に適合する1本のピアスピンを選択し、他のピアスピンはハサミ等で根元から切除し、その後該ピアスピンを耳垂のピアスホールに固定すればよい。線状体500bは、後述の摺動機構を介して線状体500aと摺動するので、ピアスピン514の位置は多少ずらすことが可能であり、いずれかのピアスピン514が耳垂のピアスホールに合致すれば、ピアスピン514を該ピアスホールに挿通し、耳裏でピアスピン514をピアス用キャッチで受けて本耳装飾用台座Y1を耳に固定することができる。
【0040】
図14を参照する。
図14は、実施例6の変形形態に係る本耳装飾用台座Z2、Z3を示している。
図14(a)に示すように、
図13と同様に、耳垂部分にピアスホールがあり、ピアスと本耳装飾用台座Z2とを併用する場合、耳装飾用台座Z2は、耳の付け根近傍の保持部材521とピアスの貫通により保持される。本耳装飾用台座Z2に係る線状体510は、
図13に示したフック520の代替手段として、保持部材521を備える。保持部材521は、例えばイヤリングのクリップ式の挟持部材であって、対向する二片の線状体の間隙が可変的に設けられ、耳に装着する際に、該間隙が縮小させるものが用いられてよい。また、貫通孔513の代替手段として、上述のクリップ式の挟持部材を保持部材522として用いることができる。
図14(b)に示すとおり、ピアスを用いない場合、耳装飾用台座Z3は、耳の付け根近傍の保持部材521と耳垂への保持部材522により保持される。クリップ式にかかわらず、耳輪の両面から螺入圧着するスクリュー式や、バネ式の挟持部材を用いてもよい。
【0041】
図15を参照する。
図15は、実施例6に係る別の変形例の耳装飾用台座Z4を示す図である。
図15(a)及び(b)に示すように、耳装飾用台座Z4は、線状体500と、保持部材としての第2の線状体503とを備え、第1の連結部553が線状体500の一方の端に設けられ、耳のつけ根上部で第2の線状体503の一方の端と連結し、第2の連結部554が線状体500の他端に設けられ、耳のつけ根下部で第2の線状体503と連結している。線状体500は耳輪Hから耳垂Lまでの表外縁に沿う形状を有し、第2の線状体503は耳裏上方つけ根から耳裏下方つけ根までに沿う形状を有している。なお、
図15(b)において、耳装飾用台座Z4は耳に装着されている状態を示すが、線状体500は実線斜線で、第2の線状体503は破線斜線で示している。このように、耳装飾用台座Z4は、線状体500と第2の線状体503とが耳を表と裏から挟持することで、耳に固定保持される。連結部553、554は、クリップ式の挟持部材のほか、スクリュー式やバネ式の挟持部材も用いることができる。
【0042】
図16を参照する。
図16は、実施例6に係る耳装飾用台座Z1の摺動機構を摸式的に示す図である。
図16(a)及び(b)に示すとおり、線状体500において、一方の線状体500aの先端は曲折して線状体の径よりもやや大きな径の略O形状部を形成し、他方の線状体500bを挿通する。線状体500bの先端は曲折して略C形状部を形成し、線状体500aの周縁を把持する。これにより、線状体500bは線状体500aの湾曲に沿って摺動し、線状体500を伸縮可能にし、耳の大きさや形状に整合させることができる。なお、摺動機構は、一方の線状体が他方の線状体に螺嵌するような機構であってもよい。
【0043】
以上、本発明の耳装飾用台座基材の構成例における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。